JP3755402B2 - 車軸検知装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車軸検知装置に関する。特に、有料道路や駐車場などにおいて、タイヤ(車軸)を検知することにより車種や車両台数などを検出するための車軸検知装置に関する。
【0002】
【背景技術】
有料道路や有料駐車場の料金徴収所、高速道路の検問所等においては、通過車両のタイヤ数(車両の軸数)を検出することによって通過車両の車種を判別し、車種に応じて料金を徴収する料金収受システムが用いられている。また、走行道路や駐車場などにおいては、通過する車両のタイヤ数を検出することによって通過車両台数を計数し、道路の渋滞度や駐車場の入庫台数を監視している。これらのシステムにおいて、車両の軸数(走行方向におけるタイヤの数)を検知するためには、車軸検知装置が用いられている。
【0003】
図1に示すものは、従来の光学式車軸検知装置1である。この車軸検知装置1は、投光手段2によりレーザー光をパルス発光して道路横断方向に走査させることにより、通過車両4または路面5にレーザー光のスポット列を照射する。そして、通過車両4または路面5からのスポット列の反射光を受光手段3により受光し、発光から受光までの時間から求めた投射点までの距離とレーザー光の投射方向に基づいて照射点(光反射点)を測定する。
【0004】
この装置1によれば、スポット列の照射パターンから得られた2次元の距離情報からタイヤ6(車軸)を検知することができる。また、車両の有するタイヤ6の数(車軸数)から車種判別を行うこともできる。
【0005】
しかしながら、従来の車軸検知装置1では、タイヤ6のデータと類似した泥除けなどのデータを除去することができず、泥除けなどをタイヤ6と誤検知する可能性があり、車種判別を行う場合には誤って判断する恐れがあった。
【0006】
同じように、車両の後部から道路に垂らしているチェーンや導電性ゴムベルトなどからなる帯電防止具も、タイヤ6と誤検知される可能性がある。
【0007】
また、表面反射率の高いホイール(以下、鏡面ホイールという。)を装備したタイヤ6では、鏡面ホイールに照射されたレーザー光スポットが正反射されるため、反射点の虚像が路面上に生じ、タイヤ6にスポット列が照射されているにもかかわらず路面と誤認され、タイヤ6を検知できないことがあった。
【0008】
【発明の開示】
本発明の目的とするところは、より車軸検知精度の高い車軸検知装置を提供することにある。特に、車両の泥除け等をタイヤと誤認したり、鏡面ホイールを備えたタイヤをタイヤでないと判断することによる車軸検知精度の低下を回避することができる車軸検知装置を提供することにある。
【0009】
本発明にかかる車軸検知装置は、光を対象物の方向に向けて投射し、当該光を走査させる投光手段と、その反射光を受光する受光手段と、前記光の投受光に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段と、前記投光手段により投射された光の方向を検知する投光方向検知手段とを備えた車軸検知装置において、前記投光手段により走査される光は、車両の通過する路面に垂直な平面から傾いた平面内で走査されることを特徴とするものである。
【0010】
本発明にあっては、車軸検知装置により走査される光が、車両の通過する路面に垂直な平面から傾いた平面内で走査されているので、ほぼタイヤの黒ゴム部分にのみ光を走査させた状態でタイヤに照射した照射パターンを得ることができ、鏡面ホイールが用いられているような場合でも確実にタイヤを検出することができる。
【0011】
また、路面に垂直な平面から傾いた平面内で光を走査させることにより、タイヤに光が走査された場合と泥除け等に光が走査された場合とで異なる照射パターンを得ることができるので、泥除け等をタイヤと誤認識する恐れがきわめて小さくなる。
【0012】
よって、本発明によれば、より確実にタイヤを判別できるようになり、車軸の検出精度を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の実施形態においては、路面で反射されたと判断される光以外のうちで、最も路面に近い位置で反射された光の反射点と最も路面から遠い位置で反射された光の反射点との距離を演算し、当該距離に基づいて対象物がタイヤであるか否かを判定するようにしてもよい。
【0014】
傾いた走査平面内で光が走査されている場合には、光が泥除け等を走査されている場合や、鏡面ホイルを通ってタイヤに走査されている場合には、最も路面に近い位置で反射された光の反射点と最も路面から遠い位置で反射された光の反射点との距離は短くなるので、当該距離の長さに基づいて対象物がタイヤであるか否かを判定することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
本発明の一実施形態による車軸検知装置11を図2に示す。車軸検知装置11は、有料道路や有料駐車場の料金徴収所、高速道路の検問所、走行道路などに設置される。図2に示す態様では、料金所のブース41の進入口寄りにおいて、道路42の路側(アイランド)43に車軸検知装置11が設置されている。この車軸検知装置11は、レーザ光をパルス発光し、道路42を横断する方向に沿ってレーザー光のスポット列を走査させることにより、通過車両44または路面45にスポット列を照射させる。
【0016】
図3は上記車軸検知装置11の構成を示すブロック図である。投光手段は、発光素子12、発光素子駆動回路23、投光レンズ13及びポリゴンミラー15によって構成されている。発光素子12としては、レーザーダイオード(LD)や発光ダイオード(LED)等を用いることができるが、ここではレーザーダイオードを用いるものとする。発光素子12は、コントローラ29から発光素子駆動回路(LDドライバ)23への駆動指令によって駆動され、所定の発光間隔でパルス発光させられる。
【0017】
発光素子駆動回路(LDドライバ)23で発光素子12を駆動する際には、その駆動電流がモニタ回路24でモニタされ、そのモニタ信号に基づいてスタート信号発生回路25で各レーザーパルスのスタート信号が生成され、そのスタート信号が時間差/電圧変換回路26に与えられる。
【0018】
発光素子12で発光されたレーザーパルスは、投光レンズ13によってコリメート化された後、反射ミラー14の透孔を通って所定間隔をおいて順次光走査手段としてのポリゴンミラー15に入射する。光走査手段としては、ポリゴンミラー15以外にも、弾性振動型のスキャナなども用いることができるが、この実施形態ではポリゴンミラー15として説明する。
【0019】
ポリゴンミラー15は、ポリゴンミラー駆動回路27により制御されてモータにより一定の回転速度で回転駆動されているため、ポリゴンミラー15に入射したレーザーパルスは、設定角度内において走査され、そのレーザーパルスは照射窓16を通して路面上を横断走査される。路面45で散乱反射されたレーザーパルスは、再び照射窓16を通してポリゴンミラー15に入射する。レーザーパルスがポリゴンミラー15で反射されて前方へ出射され、再び戻ってくるまでにポリゴンミラー15が回転しているため、ポリゴンミラー15で再度反射されたレーザーパルスは、透孔を通ることなく反射ミラー14で反射され、受光手段に入射する。
【0020】
受光手段は、受光レンズ17、光学フィルタ18、受光素子19、電流/電圧変換(I/V)回路20及びアンプ21によって構成されている。反射ミラー14で反射されて受光手段に達したレーザーパルスは、受光レンズ17で集光された後、光学フィルタ18を通ってフォトダイオード等の受光素子19に入射する。受光素子19がレーザーパルスを受光して電流を発生すると、その電流信号は電流/電圧変換回路20で電圧信号(受光信号)に変換されるとともに増幅回路21で増幅され、その増幅された電圧信号に基づきストップ信号発生回路22で各レーザーパルスストップ信号が生成され、そのストップ信号が前記時間差/電圧変換回路26に与えられる。
【0021】
距離演算手段は、モニタ回路24、スタート信号発生回路25、ストップ信号発生回路22、時間差/電圧変換回路26、アナログ/デジタル(A/D)変換回路30、デジタル処理回路31から構成される。時間差/電圧変換回路26では、同一レーザーパルスのスタート信号とストップ信号とを関連づけ、両信号の時間差(投光と受光との時間間隔)を計測する。この計測された時間は、電圧信号に変換され、この電圧信号はアナログ/デジタル変換回路30でデジタル信号に変換されてデジタル処理回路31へ送られる。
【0022】
デジタル処理回路31は、時間差/電圧変換回路26で計測された計測時間(光の飛行時間)に基づいて、車軸検知装置11から路面45や車両等における反射位置までの距離を演算する。すなわち、走査角度θで投射されたレーザーパルスが、投光から受光までに時間2t(θ)を要したとすると、片道の計測時間はt(θ)となるので、走査角度θの方向における車軸検知装置11から反射点までの距離L(θ)は、
L(θ)=c・t(θ)
となる。ただし、cは光の速度である。
【0023】
一方、投光方向検知手段はロータリーエンコーダ等のエンコーダ28によって構成されている。ポリゴンミラー15の回転角度は、エンコーダ28によって検出されており、その検出信号はコントローラ29と車軸判定部32とに出力されている。従って、車軸検知手段を構成する車軸判定部32は、この検出信号からレーザーパルスの出射方向(走査角度θ)を知ることができる。
【0024】
車軸判定部32においては、エンコーダ28の検知信号から算出されるレーザーパルス投光方向と、デジタル処理回路31で演算された反射位置までの距離を用い、それぞれのレーザーパルスの反射位置の分布(照射パターン)を演算し、この分布より車両のタイヤ(車軸)を判別し、その結果を入出力回路33に与える。入出力回路33は、この結果を外部装置とやり取りする。
【0025】
なお、コントローラ29、車軸判定部32、入出力回路33、距離演算手段を構成する各回路などは、マイクロコンピュータ(CPU)またはロジック回路を用い実現できる。
【0026】
次に、上記のような構成の車軸検知装置11(特に、車軸判定部32)において、タイヤを判別するための信号処理方法を説明する。図4(a)(b)は、車軸検知装置11が路側43などに設置された状態を示す斜視図及び正面図である。ここで、道路横断方向をX軸方向とし、路面45に垂直な方向(鉛直方向)をY軸方向とし、道路42の伸びている方向(車両通過方向)をZ軸方向とする。車軸検知装置11は、道路42に対して正対するように(つまり、正面が道路横断方向Xを向くように)設置されている。しかし、車軸検知装置11から出射されるレーザーパルスは、図4(b)に示すように照射窓16における走査方向46が鉛直方向(Y軸方向)から傾いており、路面45に垂直な平面から傾いた走査平面内で走査されるようになっている。さらに、路面45におけるレーザーパルスの走査方向も道路横断方向Xに対して平行となっておらず、角度αだけ斜めになっている。すなわち、レーザーパルスの走査平面は、XY平面からX軸の回りに回転しており、さらにY軸の回りに角度αだけ回転している。なお、路面45上におけるレーザーパルスの走査方向は道路横断方向Xと平行(α=0)となっていてもよい。
【0027】
図5は、レーザーパルスの走査方向をより正確に説明するための説明図であって、図5(a)(b)はそれぞれ路側43等に設置された車軸検知装置11の側面図及び正面図である。図4に示した例では、路面45上におけるレーザーパルスの走査方向は、道路横断方向Xに対してαだけ傾いていたが、説明を分かり易くするため、以下においては、路面45上におけるレーザーパルスの走査方向は道路横断方向Xと平行(α=0)であって、レーザーパルスの走査平面はX軸の回りに角度β(≠0)だけ回転しているとして説明する。投光方向検知手段(エンコーダ28)が検出するレーザーパルスの走査角度θは、鉛直平面に対してβだけ傾いた走査平面内において、車軸検知装置11の前面を基準にして計測され、車軸検知装置11の前面と平行に下方へ向けてレーザーパルスが出射されているときの走査角度をθ=0°とし、車軸検知装置11から前方へ走査されているときの走査角度θが+となるように設定されている。また、対象物までの距離Lは、車軸検知装置11の前面(照射窓16)を基準として計測される。これらは車軸検知装置11を設置する際に調整され、距離L及び走査角度θは絶対値として規定される。
【0028】
いまn個のレーザーパルスが順次走査角度θ、θ、…、θn−1で車軸検知装置11から出射され、各レーザーパルスによって対象物検知点(光投射点)までの距離L(θ)、L(θ)、…、L(θn−1)が検出されたとする。照射窓16からの光出射点が走査角度にかかわらず一定であると仮定すると、θi(ただし、i=0、1、…、n−1)方向へ出射されたレーザーパルスによる対象物検知点までのXYZ座標距離X(θi)、Y(θi)、Z(θi)は、次の(1)式、(2)式、(3)式で表される。
Xi=X(θi)=L(θi)・sinθi …(1)
Yi=Y(θi)=H−L(θi)・cosβ・cosθi …(2)
Zi=Z(θi)=L(θi)・sinβ・cosθi …(3)
(ただし、i=0、1、…、n−1)
ここで、Xiは車軸検知装置11の前面から測った水平距離を表している。Yiは路面45から測った鉛直高さを表し、Hは照射窓16における路面45から測った出射光高さを表している。Ziは照射窓16における光出射点を通る鉛直平面(XY平面)から測ったZ軸方向距離を表している。
【0029】
図6(a)は車軸検知装置11の前方に位置するタイヤ47に向けてレーザーパルスを走査させ、対象物を検知している様子を表している。図6(b)は図6(a)の状況において、各レーザーパルスの走査角度θ、θ、…、θn−1と対象物検知点までの距離L(θ)、L(θ)、…、L(θn−1)とを横軸に走査角度、縦軸に距離をとり、各対象物検知点θi、L(θi)のデータ分布をプロットしたものである。さらに、図6(c)は上記(1)式と(2)式により対象物検知点をX座標及びY座標に変換し、横軸にX座標、縦軸にY座標をとり、各対象物検知点Xi、Yiのデータ分布をプロットしたものである。このようにXY座標系に変換することにより、Xiはタイヤ47までの距離となり、Yiは路面45からの高さとなるので、後の処理を簡単にすることができる。なお、Z座標Ziは重要でないので、ここでは捨象している。
【0030】
図7(a)(b)、図8(a)(b)、図9(a)(b)は上記のようにして検知対象物検知点をθi、L(θi)系からXi、Yi系に変換した後、タイヤ47と車体(ボディ)48と路面45とを判別する方法を説明している。図7(a)はタイヤ47を検知している場合を表しており、図7(b)のデータ分布図ではX軸方向に沿ってプロットされた路面検出部分とY軸方向に沿ってプロットされたタイヤ検出部分とがほぼ連続している。図8(a)は車体48を検知している場合を表しており、図8(b)のデータ分布図ではX軸方向に沿ってプロットされた路面検出部分とY軸方向に沿ってプロットされた車体検出部分との間に比較的大きな飛びがある。図9(a)は路面45を検知している場合を表しており、図9(b)のデータ分布図ではX軸方向に沿ってプロットされた路面検出部分のみとなっている。
【0031】
図10に示すように、Y軸方向における路面45(路面の凹凸)のデータ領域(路面領域)を
0≦Yi<Ygnd
とし、タイヤ47が路面45に接地していると判断するためのデータ領域(接地領域)を
Ygnd≦Yi<Ytyre
とし、車体48が路面45から浮いていると判断するためのデータ領域(浮遊領域)を
Ytyre≦Yi
と設定しておけば、XY座標系におけるデータを得たとき、そのデータの分布からタイヤ47(車軸)、車体48、路面45の3通りのいずれであるかを判定し、車軸の有り/無しを判定することが可能になる。すなわち、図9(b)のように路面領域にのみデータが存在し、接地領域と浮遊領域にはデータが存在しない場合には、図9(a)のように路面45を検知している状態で、車軸無しと判定することができる。また、図8(b)のように接地領域にはデータが存在せず、浮遊領域と路面領域にのみデータが存在している場合には、図8(a)のように路面45から浮いた車体48を検知している状態で、車軸無しと判定することができる。また、図7(b)のように接地領域にデータが存在しており、接地領域から浮遊領域にかけてデータが存在している場合には、図7(a)のようにタイヤ47を検出しており、車軸有りと判定することができる。そして、タイヤ47の検知数(車軸数)から車両44の台数または車種を判別することができる。
【0032】
次に、このような原理により車軸を検出する車軸検知装置11において、光の走査平面を鉛直方向から傾けたことの意味を従来例と比較しながら説明する。従来はXY平面と平行な走査平面内でレーザー光が走査されていた。本発明では、XY平面と平行な平面に対してX軸の回りにβだけ傾いた走査平面内でレーザーパルスを走査している。このためには、例えばポリゴンミラー15の回転軸をZ軸と平行な方向から傾けることにより走査平面を傾けてもよく、車軸検知装置11自体をX軸の周りに傾けて設置してもよい。
【0033】
従来の車軸検知装置では、レーザーパルスは路面45に垂直なXY平面と平行な平面内で走査されていたので、図11(a)に示すように、タイヤ47の接地部分にレーザーパルスが走査されている状態では、レーザーパルスはタイヤ47のゴム部50とともにホイール部49にも走査される。タイヤ47のゴム部50に照射されたレーザーパルスは、ほぼ拡散反射により車軸検知装置の受光部まで戻るが、ホイール部49が鏡面に近い場合には、図11(b)に示すように、ホイール部49で正反射したレーザーパルスは路面45に到達し、路面45で拡散反射した光が再びホイール部49で正反射し、受光部へ戻る。そのため、従来の車軸検知装置ではホイール部49までの距離を測定できず、路面45の虚像52までの距離を検出することになる。この結果、XY座標系における検知点のデータは、図11(c)のようにゴム部50だけでY軸方向に立ち上がったパターンとなり、当該パターンのY座標最大値がYgndよりも小さいと、車軸を検出することが不可能になる。
【0034】
これに対し、本発明の車軸検知装置11のようにレーザーパルスの走査平面が路面45に垂直な方向から適当な角度β(例えば、30度〜60度)だけ傾いていると、タイヤ47の接地部分をレーザーパルスが走査したとき、図12(a)に示すようにレーザーパルスはホイール部49を避けてゴム部50に沿って走査されるので、図12(b)に示すように各レーザーパルスはゴム部50の上で拡散反射される。この結果、ホイール部49で正反射されることなく、各レーザーパルスによってタイヤ47の位置が検知され、XY座標系における検知点のデータも図12(c)のようになり、車軸と判定される。
【0035】
また、従来の車軸検知装置のようにレーザーパルスが路面45と垂直に走査されていると、図13(a)に示すようにタイヤ47に沿ってレーザーパルスが走査された場合と、車両44の下部に垂れ下がっている泥除け53に沿ってレーザーパルスが走査された場合との判別が困難になる。すなわち、タイヤ47に沿ってレーザーパルスが走査されたときのXY座標系における検知点のパターンは図13(b)に示すようになり、泥除けに沿ってレーザーパルスが走査が走査されたときのXY座標系における検知点のパターンは図13(c)に示すようになり、その区別が付かないので、泥除けをタイヤ(車軸)と誤判定することがある。
【0036】
これに対し、本発明の場合には、レ−ザーパルスが斜めに走査されているので、タイヤ47にレーザーパルスが走査されている場合と泥除け53にレーザーパルスが走査されている場合とを比較すると、図14に示すように、泥除けに沿って走査されているレーザーパルスの走査線の長さは、いずれも短いのに対して、タイヤ47に沿って走査されているレーザーパルスでは、タイヤ47の接地箇所を通過するものでは、その走査線の長さが長くなっている。図15(a)(b)は、タイヤ47に沿って走査された、図14の54a、54bの走査線に対応するXY座標系におけるパターンを表しており、いずれも接地領域を通過するパターンの長さが長くなっている。これに対し、図16(a)(b)(c)は、泥除けに沿って走査された、図17の55a、55b、55cの走査線に対応するXY座標系におけるパターンを表しており、いずれも路面領域外のパターンの長さは短い。従って、レーザーパルスを斜め照射していれば、XY座標系においてほぼY軸方向に伸びている部分の長さを所定のしきい値と比較することによってタイヤ47と泥除けとを判別することができる。
【0037】
図10は、XY座標系における検知点のパターンから定量的にタイヤ47と泥除けとを判別する方法を表している。前記のようにして接地領域から浮遊領域にかけてデータが存在することによってタイヤ47を車体48から判別した後、図10に示すようにY軸方向に沿って接地領域から浮遊領域に延びている走査線(データ)の長さを求める。そのためには、接地領域にある最もY座標の小さな点をAと、浮遊領域もしくは接地領域における最もY座標の大きな点をBとを検索し、点Aの座標(XA、YA)と点Bの座標(XB、YB)から点Aと点Bの距離Lengthを次式から演算する。
Length=√{(XA−XB)+(YA−YB)}…(4)
【0038】
そして、この距離Lengthが所定のしきい値Lthより大きいときには、対象物に(車両走行方向の)幅があるのでタイヤ47であると判断し、しきい値Lthより小さいときには、対象物に幅がないのでタイヤ47でない(すなわち、泥除け等である)と判断する。
【0039】
図17は車軸検知装置11において、上記のようにして車軸を判定するための方法を表したフロー図である。車軸検知装置11が動作を開始すると、1走査においては、θ、θ、…、θn−1の方向へレーザーパルスが出射される。そして、車軸検知装置11は、レーザーパルスの戻り光を受光することによって各レーザーパルスにより検知された検知点までの距離L(θ)、L(θ)、…、L(θn−1)を検出する(ステップS1)。ついで、検知点のデータを(θi、L(θi))[i=0、1、…、n−1]からXY座標系(Xi、Yi)に変換する(ステップS2)。
【0040】
車軸判定部32は、このXY座標系のデータ(Xi、Yi)に基づいて接地領域にデータがあるか、すなわち、
Lgnd≦Yi<Ltyre
となるデータが存在しているか否かを判定する(ステップS3)。そして、接地領域にデータが存在していなければ、車両44が存在せず路面45を検知しているか、車両44の車体48を検知していると判断し、軸出力をオフにする(ステップS10)。
【0041】
また、ステップS3において、接地領域にデータが存在すると判断された場合には、さらに浮遊領域にもデータが存在するか否か判定する(ステップS4)。そして、浮遊領域にデータが存在していなければ、完全にタイヤ47を検知していない(すなわち、泥除けやタイヤ47のごく一部を検知している)と判断し、軸出力をオフにする(ステップS10)。
【0042】
接地領域にも浮遊領域にもデータが存在していると判断すると、ついで浮遊領域のY座標値がもっとも小さな点AとY座標値がもっとも大きな点Bを検索し(ステップS5)、点A、Bが存在しているか否かを判定する(ステップS6)。そして、点A、Bが存在していなければ軸出力をオフにする(ステップS10)。また、点A、Bが存在していれば、前記(4)式により点A、B間の距離Lengthを算出し(ステップS7)、距離Lengthがしきい値Lthより大きいか否かを判定する(ステップS8)。
【0043】
この判定結果、点A、B間の距離Lengthがしきい値Lthよりも大きければ、タイヤ47を検知していると判断し、軸出力をオンにする(ステップS9)。また、距離Lengthがしきい値Lthより小さければ、泥除け等を検知していると判断し、軸出力をオフにする(ステップS10)。
【0044】
【発明の効果】
本発明の車軸検知装置によれば、路面に垂直な方向に対して傾けて光を走査させることにより、ほぼタイヤの黒ゴム部分にのみ光を走査させた状態でタイヤの照射パターンを得ることができ、鏡面ホイールが用いられているような場合でも確実にタイヤを検出することができる。また、タイヤに光が走査された場合と泥除け等に光が走査された場合とで異なる照射パターンを得ることができるので、泥除け等をタイヤと誤認識する恐れがきわめて小さくなる。よって、本発明によれば、より確実にタイヤを判別できるようになり、車軸の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の光学式車軸検知装置を説明する概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による車軸検知装置を道路の路側に設置した状態を示す図である。
【図3】同上の車軸検知装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図4】(a)(b)は、車軸検知装置を路側に設置した状態を示す斜視図及び正面図である。
【図5】(a)(b)レーザーパルスの走査方向を説明する側面図及び正面図である。
【図6】(a)は車軸検知装置からタイヤに向けてレーザーパルスを走査している様子を表した図、(b)はそのときのレーザーパルスの走査角度と対象物検知点までの距離との関係を表したデータ分布図、(c)は対象物検知点までのX座標とY座標の関係を表したデータ分布図である。
【図7】XY座標系のデータ分布図に基づいてタイヤを判別する原理を説明する図であって、(b)は(a)のようにタイヤに向けてレーザーパルスが照射されている場合のデータ分布図である。
【図8】XY座標系のデータ分布図に基づいて車体を判別する原理を説明する図であって、(b)は(a)のように車体に向けてレーザーパルスが照射されている場合のデータ分布図である。
【図9】XY座標系のデータ分布図に基づいて路面を判別する原理を説明する図であって、(b)は(a)のように路面に向けてレーザーパルスが照射されている場合のデータ分布図である。
【図10】XY座標系のデータ分布図に基づいて検知対象物の種類を判別する原理を詳細に説明する図である。
【図11】(a)は従来の車軸検知装置により鏡面ホイールを有するタイヤにレーザーパルスを走査している様子を示す図、(b)は鏡面ホイールによりレーザーパルスが正反射されている状態を示す図、(c)はそのときのデータ分布図である。
【図12】(a)は本発明にかかる車軸検知装置により鏡面ホイールを有するタイヤにレーザーパルスを走査している様子を示す図、(b)はタイヤのゴム部でレーザーパルスが拡散反射されている状態を示す図、(c)はそのときのデータ分布図である。
【図13】(a)は従来の車軸検知装置によりタイヤと泥除けとにレーザーパルスを走査している様子を示す図、(b)はタイヤに走査されているレーザーパルスによるデータ分布図、(c)は泥除けに走査されているレーザーパルスによるデータ分布図である。
【図14】本発明にかかる車軸検知装置によりタイヤと泥除けとにレーザーパルスを走査している様子を示す図である。
【図15】(a)(b)は図14においてタイヤに走査されているレーザーパルスによるデータ分布図である。
【図16】(a)(b)(c)は図14において泥除けに走査されているレーザーパルスによるデータ分布図である。
【図17】本発明にかかる車軸検知装置により車軸を判別するための処理手順を説明するフロー図である。
【符号の説明】
11 車軸検知装置
44 車両
45 路面
46 走査方向
47 タイヤ
48 車体
49 ホイール部
50 ゴム部
53 泥除け

Claims (2)

  1. 光を対象物の方向に向けて投射し、当該光を走査させる投光手段と、その反射光を受光する受光手段と、前記光の投受光に基づいて対象物までの距離を演算する距離演算手段と、前記投光手段により投射された光の方向を検知する投光方向検知手段とを備えた車軸検知装置において、
    前記投光手段により走査される光は、車両の通過する路面に垂直な平面から傾いた平面内で走査されることを特徴とする車軸検知装置。
  2. 路面で反射されたと判断される光以外のうちで、最も路面に近い位置で反射された光の反射点と最も路面から遠い位置で反射された光の反射点との距離を演算し、当該距離に基づいて対象物がタイヤであるか否かを判定するようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の車軸検知装置。
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