JP3755300B2 - 耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用鋼板としての用途に用いて好適な耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の軽量化が指向される中、成形性に優れる高強度薄鋼板に対する要求が殊の外強くなっている。
また、最近では、自動車の安全性も重視され、そのためには衝突時における安全性の目安となる耐衝撃特性の向上も要求されている。
さらに、経済性に対する配慮も必要とされ、かかる経済性を考慮した場合には、冷延鋼板に比べると熱延鋼板の方が有利である。
【0003】
上記の現状を背景として、これまでにも種々の高強度熱延鋼板が開発されている。
例えば、特公平6-41617号、特公平5-65566号および特公平5-67682号各公報には、高加工性高強度熱延鋼板として、フェライト、ベイナイトおよび5%以上の残留オーステナイトを含むいわゆる Transformation Induced Plasticity鋼(以下、TRIP鋼という)の製造方法が開示されている。
しかしながら、このTRIP鋼は、伸びが高く、成形性は良好ではある(TS×El≧ 24000 MPa・%)ものの、現在の厳しい耐衝撃特性を満足するまでにはいかないところに問題を残していた。
また、プレス成形時における加工硬化量(WH)およびその後の塗装焼付時における焼付硬化量(BH)が、70 MPa程度と低いという問題もあった。
この加工・焼付硬化量(WH+BH)が低いと、加工−塗装焼付後における強度保証の面での不利が大きい。
【0004】
一方、耐衝撃特性に優れた高強度熱延鋼板としては、特開平9−111396号公報に開示されているように、フェライトとマルテンサイトの2相組織になるいわゆるDual Phase鋼(以下DP鋼という)が開発されている。
しかしながら、このDP鋼は、耐衝撃特性には優れるものの、伸びが十分とはいえず、成形性の点に問題を残していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、現在までのところ、十分な成形性と厳しい安全性の両者を満足する熱延鋼板は見当たらず、その開発が望まれていた。
また、特に自動車のサイドメンバーのような部位に用いられる鋼板については、板クラウンが発生すると、その後の成形が困難となるため、この点の解決も望まれていた。
この発明は、上記の要望に有利に応えるもので、優れた成形性と耐衝撃特性を兼ね備え(具体的には、強度−伸びバランス(TS×El)が 27000 MPa・%以上、動的n値が0.35以上)、しかも加工・焼付硬化量(WH+BH)が 100 MPa以上でかつ板クラウンが 140μm 以下の、耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板を、その有利な製造方法と共に提案することを目的とする。
【0006】
ここに、動的n値とは、発明者らが耐衝撃特性の指標として新たに見出したもので、この動的n値を用いることによって、耐衝撃特性を従来よりも一層的確に評価することができる。
すなわち、従来、耐衝突安全性については、強度との関連で考察され、単に強度が大きければ耐衝突安全性も高いとされてきたが、強度と耐衝突安全性とは必ずしも一義的な関係にあるわけではないことが判明した。
そこで、この点につき、鋭意研究を重ねた結果、耐衝突安全性を向上させる、つまり高速での変形時(自動車の衝突時にはひずみ速度
【外1】
Figure 0003755300
が2×103/s まで増加)におけるエネルギーを、鋼板でより多く吸収するためには、鋼板を
【外2】
Figure 0003755300
の条件で引張変形させた時のn値(以下、動的n値という)を高くすることが有効であることが解明されたのである。
ここでは、伸び10%における瞬間n値を動的n値とする。
なお、この動的n値を高くすることは、高速変形時における強度向上にも有効であることが併せて見出された。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、この発明の解明経緯について説明する。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、まず従来鋼であるTRIP鋼について、その組織と特性との関係について調査した。
その結果、TRIP鋼では、成形性の向上に有利な残留オーステナイトを十分な量得るために、ベイナイト相を生成させることが不可欠とされてきたが、このベイナイト相が耐衝撃特性を劣化させる原因になっていることが判明した。
【0008】
そこで、発明者らは、かようなベイナイト相とくに炭化物の生成を抑制したところ、すなわち、主相である初析フェライト以外の第2相を、従来のベイナイト+残留オーステナイトから、針状フェライト+マルテンサイト+残留オーステナイトの混合組織に変更したところ、所期した目的の達成に関し、望外の成果が得られたのである。
【0009】
上記の混合組織を得る手段として、発明者らは先に、特願平9−139794号公報および特願平9−139802号公報において、適量のCrを含有させることの有用性について開示した。
上記の開発技術により、成形性および耐衝撃特性に優れた熱延鋼板を得ることができるようになったが、強度や加工性を一層向上させることができれば、より有利である。
【0010】
そこで、発明者らは、この点に関しさらに研究を重ねた結果、製造工程中、仕上げ圧延の後段パスの圧下率を高めるいわゆる後段パス強圧下圧延を採用することによって、結晶粒が効果的に微細化し、引張強さひいては強度−伸びバランスの一層の向上が達成されることの知見を得た。
【0011】
しかしながら、上記したような強圧下圧延を実施した場合には、板材の加工硬化に起因して、板クラウンが大きくなることが判明した。
そこで、発明者らは、次にこの点について検討した結果、潤滑圧延好ましくはエンドレス圧延を活用した潤滑圧延を採用して、圧延荷重比を低減してやれば、この問題も有利に解消されることの知見を得た。
この発明は、上記の知見に立脚するものである。
【0012】
すなわち、この発明の要旨構成は次のとおりである。
1.C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有し、残部はFe および不可避的不純物の組成になり、初析フェライトを主相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる第2相を有し、しかも該初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下で、かつ板クラウンが 140 μm 以下であることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
【0013】
2.上記1において、鋼組成が、さらに
P:0.01〜0.2 mass%、 Al:0.01〜0.3 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
【0014】
3.上記1または2において、鋼組成が、さらに
Ti:0.005 〜0.25mass%、 Nb:0.003 〜0.1 mass%
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
【0015】
4.C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件で、かつ圧延荷重比:0.70以下の条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで350 〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
ここで、圧延荷重比とは、後段3パスの圧延を行う各スタンドにおいて(潤滑圧延時の圧延荷重)/(無潤滑圧延時の圧延荷重)として求めた各スタンドの圧延荷重比のうち最大値を意味する。
【0016】
5.C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
を含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件で、かつ圧延荷重比:0.70以下の条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで350 〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、2〜60分間の等温保持処理または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却処理を施したのち、強制冷却により50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
ここで、圧延荷重比とは、後段3パスの圧延を行う各スタンドにおいて(潤滑圧延時の圧延荷重)/(無潤滑圧延時の圧延荷重)として求めた各スタンドの圧延荷重比のうち最大値を意味する。
6.上記4または5において、鋼スラブが、さらに
P: 0.01 0.2 mass %、 Al 0.01 0.3 mass
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
7.上記4,5または6において、鋼スラブが、さらに
Ti 0.005 0.25mass %、 Nb 0.003 0.1 mass
のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を具体的に説明する。
図1に、従来のTRIP鋼の代表的な連続冷却変態曲線図(CCT図)を示す。
同図に示したとおり、従来のTRIP鋼は、熱間圧延後、初析フェライト域に若干保持して初析フェライト(ポリゴナルフェライトともいう)を析出させ、同時に未変態オーステナイト相への固溶炭素の濃縮を促進して、オーステナイトの安定度を増したのち、ベイナイト域に導き、この領域を徐冷することによって、ベイナイト変態を生じさせつつ、所定量のオーステナイトを残留させていた。
しかしながら、このようにして製造されたTRIP鋼は、強度および加工性の面では優れるものの、十分な耐衝撃特性が得られないことは前述したとおりである。
【0018】
そこで、発明者らは、ベイナイトの生成を回避すべく数多くの実験と検討を重ねた結果、
(1) 鋼成分としてCrを少量含有させると、上記CCT図におけるベイナイト変態域のノーズが後退して、ベイナイトの析出(特に炭化物の析出)が抑制され、代わりに針状フェライト(アシキュラーフェライトともいう)が析出する、
(2) かようにして形成された、針状フェライト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトからなる第2相は、成形性を阻害することなしに、耐衝撃特性を格段に向上させる、
ことを究明したのである。
【0019】
図2に、この発明の成分系における代表的CCT図を示す。
同図に示したとおり、Crを少量添加することによってベイナイト変態域のノーズが後退し、代わりに針状フェライト域が顕著に出現するので、この針状フェライト域に短時間保持し、好ましくはその後に急冷することによって、第2相を針状フェライト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトからなる混合組織とすることができ、かくして優れた成形性と耐衝撃特性とを兼ね備えた熱延鋼板を得ることができたのである。
【0020】
ここに、針状フェライトとは、結晶粒の長径が概ね5μm 以下、アスペクト比が1:1.5 以上、そしてセメンタイト析出量が5%以下のものをいう。
なお、従来のTRIP鋼のベイナイト中には、セメンタイトの析出が多く認められる(10%以上)ので、この発明の針状フェライトとTRIP鋼のベイナイトとは明確に区別されるものである。
【0021】
次に、図3(a) に、この発明に従い得られる第2相の特徴的な相構成を、また図3(b) には、従来のTRIP鋼の第2相の相構成を、それぞれ模式で示す。
従来のTRIP鋼の第2相は、ベイナイト中に残留オーステナイトが点在する相構成になっているのに対し、この発明の第2相は、針状フェライトとマルテンサイトが層状にならび、その界面(マルテンサイト側)に残留オーステナイトが点在する形態になっている。
このように、第2相中に針状フェライトを析出させたことが、この発明の特徴の一つであり、この針状フェライト相がTS×Elを増加させると共に、動的n値を向上させるものと考えられる。
かくして優れた成形性と耐衝撃特性とを兼ね備えた熱延鋼板を得ることができるのである。
【0022】
ところで、発明者らの実験によれば、図2に示す仕上げ圧延工程において、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とするいわゆる後段パス強圧下圧延を実施することによって、結晶粒が一層微細化され、引張強さひいては強度−伸びバランスがさらに向上することも併せて究明された。
【0023】
そこで、この発明では、上記の後段パス強圧下圧延を採用して、鋼の結晶粒径を5μm 以下に低減するものとした。
というのは、結晶粒径を5μm 以下にすることによって、TS×El≧ 27000 MPa・%という優れた強度−伸びバランスが安定して得られるからである。
【0024】
図4(a), (b)に、熱間圧延の最終パス圧下率および後段3パスの累積圧下率とTS×Elとの関係について調べた結果を示す。
同図に示したとおり、最終パス圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とすることにより、TS×El≧ 27000 MPa・%の優れた強度−伸びバランスを得ることができた。
また、上記した強度−伸びバランスに優れた材料はすべて、結晶粒径が5μm 以下であった。
【0025】
しかしながら、高強度熱延鋼板においては、従来、圧延変形抵抗が高いために大きな板クラウンが発生するという問題があり、とりわけかような強圧下圧延を行った場合には、板クラウンを小さくするのが困難である。実際、上記の熱延条件下では通常、 160μm 以上の大きな板クラウンが発生し、サイドメンバーのような曲げを受ける部位においてはスプリングバック量が場所によって異なるためその使用が危ぶまれる。
上記の用途に適用する場合には、板クラウンを 140μm 以下好ましくは40μm 以下に制限する必要がある。
【0026】
そこで、次に発明者らは、この点を解決すべく種々検討を重ねた結果、潤滑圧延によって圧延荷重比を低減することが、板クラウンの減少に極めて有効であることを突き止めた。
【0027】
図5に、潤滑圧延の時の圧延荷重と無潤滑圧延の時の圧延荷重との比すなわち圧延荷重比と板クラウンとの関係について調べた結果を示す。
なお、板クラウンは、板の幅方向における中央部と最端部から25mm位置の厚み差で評価した。また、圧延荷重比は、後段3スタンドで求めた潤滑時/無潤滑時の比の最大値で示す
同図より明らかなように、圧延荷重比を 0.7以下まで低減することによって、板クラウンを 140μm 以下に減少させることができた。さらに圧延荷重比を0.65以下まで低減した場合には、板クラウンを40μm 以下まで減少させることができた。
そこで、この発明では、かような潤滑圧延を活用して、板クラウンを 140μm 以下(好ましくは40μm 以下)に抑制することにしたのである。
【0028】
また、この発明において、上記した第2相の鋼組織中に占める比率は3〜40%とすることが好ましい。
というのは、相比率が3%に満たないと十分な耐衝撃特性が得られず、一方40%を超えると伸びひいては強度−伸びバランスが低下するからである。より好ましい比率は10〜30%である。
なお、この発明において、相比率は、鋼試料を研磨後、2%硝酸+エチルアルコール溶液でエッチングし、顕微鏡写真を画像解析することにより算出した。
【0029】
さらに、第2相における各相の比率については、マルテンサイト:10〜80%(好ましくは30〜60%)、残留オーステナイト:8〜30%(好ましくは10〜20%)、針状フェライト:5〜60%(好ましくは20〜50%)とすることが望ましい。
というのは、マルテンサイトの比率が10%に満たないと十分な耐衝撃特性が得られず、一方80%を超えると伸びひいては強度−伸びバランスが低下するからである。
また、残留オーステナイトの比率が8%に満たないと十分な伸びが得られず、一方30%を超えると耐衝撃特性が低下するからである。
さらに、針状フェライトの比率が5%に満たないとやはり良好な耐衝撃特性が得られず、一方60%を超えると伸びが低下するからである。
【0030】
なお、鋼組織全体に占める各相の比率としては、マルテンサイトおよび針状フェライトはそれぞれ5〜15%、残留オーステナイトは2〜10%程度とするのが好適である。
また、この発明において、鋼組織は全て、主相である初析フェライトと、第2相であるマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合相からなっているとは限らず、ベイナイト相などが若干析出する場合もあるが、かような第3相が混入しても、その比率が第2相全体の10%以下であれば特性上何ら問題はない。
【0031】
次に、この発明において、鋼板の成分組成を前記の範囲に限定した理由について説明する。
C:0.05〜0.40mass%
Cは、鋼の強化に有効に寄与するだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が0.05mass%未満では、その効果に乏しく、一方0.40mass%を超えると延性を低下させるので、C量は0.05〜0.40mass%の範囲に限定した。
【0032】
Si:1.0 〜3.0 mass%
Siは、残留オーステナイトの生成に不可欠な元素であり、そのためには少なくとも 1.0mass%の添加を必要とするが、 3.0mass%を超える添加は、延性の低下を招くだけでなく、スケール性状を低下させ表面品質上も問題となるので、Si含有量は 1.0〜3.0 mass%の範囲に限定した。
【0033】
Mn:0.6 〜3.0 mass%
Mnは、鋼の強化元素として有用なだけでなく、残留オーステナイトを得る上でも有用な元素である。しかしながら、含有量が 0.6mass%未満ではその効果に乏しく、一方 3.0mass%を超えると延性の低下を招くので、Mn量は 0.6〜3.0 mass%の範囲に限定した。
【0034】
Cr:0.2 〜2.0 mass%
このCr添加は、この発明の特徴の一つである。Crを添加することにより、前述したように、第2相が針状フェライト化する。そのためには、0.2 mass%以上の添加が必要であるが、 2.0mass%を超えて添加すると粗大なCr炭化物が生成して延性が阻害され、強度−伸びバランスおよび動的n値とも劣化するので、Cr量は0.2 〜2.0 mass%の範囲に限定した。好ましくは 0.3〜1.8 mass%である。
【0035】
図6および図7に、Cr量と強度−伸びバランスおよび動的n値との関係について調べた結果をそれぞれ示す。
図6,7より明らかなように、Cr含有量が 0.2mass%以上、 2.0mass%以下の範囲で、TS×El≧27000 (MPa・%)、動的n値≧0.35の優れた加工性および耐衝撃特性が得られている。また、上記の範囲において、初析フェライトの結晶粒径は5μm 以下であった。
【0036】
以上、基本成分について説明したが、この発明では、オーステナイト生成元素としてPやAl、また強度改善成分としてTiやNbを、以下の範囲で適宜含有させることができる。
P:0.01〜0.2 mass%
Pは、残留オーステナイト生成元素として有用であるが、含有量が0.01mass%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.2mass%を超えると耐二次加工性が劣化するので、添加する場合には0.01〜0.2 mass%の範囲とすることが望ましい。
【0037】
Al:0.01〜0.3 mass%
Alも、Pと同様、残留オーステナイト生成元素として有用なものであるが、含有量が0.01mass%に満たないとその添加効果に乏しく、一方 0.3mass%を超えると延性の低下を招くので、添加する場合には0.01〜0.3 mass%の範囲とすることが望ましい。
【0038】
Ti:0.005 〜0.25mass%、Nb:0.003 〜0.1 mass%
TiおよびNbはいずれも、主相であるフェライトを細粒化させることによって、強度の向上に有効に寄与するので、必要に応じて添加することができる。特にTiを含有させると、針状フェライトのノーズが短時間側に移行し、コイルミドル部と比較して冷却速度が速くなるコイル端部においても十分針状フェライトが析出するので、歩留りが向上する効果もある。
しかしながら、含有量があまりに少ないとその添加効果に乏しく、一方過度の添加は延性の低下を招くので、それぞれ上記の範囲で含有させることが望ましい。
なお、その他の元素については、成形性を維持するために、Sは0.01mass%以下、Nは0.01mass%以下とすることが好ましい。
【0039】
次に、この発明鋼の製造方法について具体的に説明する。
この発明では、基本的に、第2相としてマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる混合組織を形成させれば良いのであるから、前掲図2に示した冷却曲線に沿って、冷却させれば良い。
そして、上記の製造過程において、後段パス強圧下圧延を施して、結晶粒の微細化を図るに際し、潤滑圧延を採用して低圧延荷重比の下で圧延を実施することにより、板クラウンの劣化を防止するわけである。
【0040】
まず、熱間圧延に先立って、スラブ加熱を行うが、この加熱温度は1000〜1300℃とする必要がある。
というのは、スラブ加熱温度が1000℃に満たないと鋼板の表面品質の劣化が著しく、一方1300℃を超えると鋼の結晶粒が粗大化して、材質の均質性および延性の劣化を招くからである。
なお、加熱時間については、特に限定されることはないが、あまりに長いと結晶粒が粗大化するので、60分以下程度とするのが好ましい。
【0041】
ついで、熱間圧延を施すわけであるが、この発明では、この熱間圧延工程の後段で強圧下圧延を実施する。
すなわち、粗圧延後の熱間仕上げ圧延に際し、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下圧延を行う。
かかる後段パス強圧下圧延が有用である理由は、圧延工程の後段でかような強圧下を施すと、鋼中に歪が残存し、これが駆動力となって再結晶が促進される(再結晶の核が多数存在する中で再結晶が進行する)ため、結晶粒が効果的に微細化するからである。
しかしながら、最終パスの圧下率が15%に満たなかったり、後段3パスの累積圧下率が50%に満たないと、歪の蓄積が不十分なため、上述のような再結晶が十分には進行せず、この発明で目標とする5μm 以下の微細粒が得られず、ひいてはTS×El≧ 27000 MPa・%の優れた強度−伸びバランスが得られないので、この発明では熱間圧延の後段パスについては、最終パスの圧下率:15%以上または後段3パスの累積圧下率:50%以上の条件下で行う必要がある。
【0042】
また、上記の後段パス強圧下圧延は、少なくとも後段3スタンドについて、圧延荷重比が 0.7以下の潤滑下で行う必要がある。
というのは、潤滑圧延によって圧延荷重比を 0.7以下まで低減しないと、前掲図5に示したように、板クラウンを 140μm 以下に低減できないからである。また、特に板クラウンを40μm 以下に低減するためには、圧延荷重比を0.65以下とする必要がある。
なお、前掲図5および以後の記載において、圧延荷重比は後段3スタンドの圧延荷重比の最大値で表すものとする。
また、圧延荷重比の調整は、潤滑油の量や濃度を調整することによって容易に行うことができ、ここに潤滑油としては合成エステル油をスプレイで供給する方法が好適である。
さらに、かような熱間圧延に際しては、先行スラブの後端と後行スラブの先端を接合して熱間圧延を連続的に実施する、いわゆるエンドレス圧延を採用すると効果が一層向上する。
【0043】
また、上記の仕上げ圧延における圧延終了温度は 780〜980 ℃とすることが好ましい。
というのは、仕上げ圧延終了温度が 780℃に満たないと鋼中に加工組織が残存して延性の劣化を招き、一方 980℃を超えると組織が粗大化し、フェライト変態の遅延に起因して成形性の低下を招くからである。
【0044】
ついで、 620〜780 ℃の初析フェライト域のノーズ近傍まで冷却したのち、この温度に1〜10秒間保持するかまたは20℃/s以下の速度で徐冷することにより、主相である初析フェライトを析出させる。
上記した 620〜780 ℃という温度範囲は、フェライト変態が最もスムーズに進行する温度範囲なので、1〜10秒間程度の短時間の保持処理または徐冷処理によって、所望量の初析フェライトを得ることができる。
なお、徐冷処理の場合、冷却停止温度が 600℃を下回るとパーライト変態が生じるおそれがあるので、冷却停止温度は 600℃以上とすることが好ましい。
ここに、 620〜780 ℃の温度域までの冷却速度は、フェライト変態を促進させる上からは30℃/s以上とすることが好ましい。しかしながら、300 ℃/sを超えると鋼板形状が害されるので好ましくない。
【0045】
ついで、 350〜500 ℃の針状フェライト域まで冷却し、この領域を10〜100 ℃/hの冷却速度で徐冷することにより、所望量の針状フェライトを析出させる。
上記の徐冷処理において、冷却速度が10℃/hに満たないとベイナイト変態が生じるおそれが大きく、一方 100℃/hを超えると所望量の針状フェライトが得難くなるので、冷却速度は10〜100 ℃/hの範囲に限定した。
なお、 350〜500 ℃の温度域までの冷却速度は、針状フェライトの析出を促進させる上からは30℃/s以上とすることが好ましい。しかしながら、300 ℃/sを超えるとやはり鋼板形状が害されるので好ましくない。
【0046】
そして、上記の徐冷処理によって、300 ℃以下まで冷却する間に、未変態のオーステナイトが、一部マルテンサイトに変態し、一部はそのままオーステナイトとして残留するわけである。
なお、かような徐冷処理における冷却停止温度を 300℃以下としたのは、やはりベイナイト変態が生じるおそれを回避するためである。
【0047】
また、この発明では、上記したコイルに巻き取り後、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却する徐冷処理(図2中▲1▼)に代えて、コイルに巻き取り後、2〜60分間の等温保持または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却を施したのち、強制冷却により50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却する処理(図2中▲2▼)を採用することもできる。
【0048】
この等温保持(緩冷却)−強制冷却処理において、保持または緩冷時間を2〜60分に限定したのは、保持または緩冷時間が2分に満たないと十分な量の針状フェライトが得られず、一方60分を超えるとベイナイト変態の惹起が懸念されるからである。
また、緩冷却における冷却速度を50℃/h未満とした理由は、この速度があまりに大きいとやはり十分な量の針状フェライトが得られないからであり、さらに等温保持または緩冷却後の冷却速度を50℃/h以上とした理由は、この速度が小さいとベイナイト変態が生じるおそれが避けられないからである。
【0049】
上記した一連の処理によって、初析フェライト主相中に、針状フェライト、マルテンサイトおよび残留オーステナイトからなる第2相が存在し、しかも初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下の、所望の鋼組織とすることができるのである。
【0050】
【実施例】
実施例1
C:0.15mass%、Si:1.51mass%、Mn:1.4 mass%およびCr:0.41mass%を含有し、残部はFe および不可避的不純物の組成になる鋼スラブ(S:0.0015mass%、N:0.0028mass%)を、1200℃に加熱後、粗圧延し、ついで表1に示す条件下で熱間仕上げ圧延を施したのち、80℃/sの速度で 720℃まで冷却し、この温度に5秒保持してから、同じく80℃/sの速度で 450℃まで冷却したのち、コイルに巻取り、巻取り後15分間保持してから、 100℃/hの速度で室温まで冷却した。
なお、熱間仕上げ圧延機としては7スタンドの圧延機、また潤滑油としては合成エステル油を用い、各圧延における圧延荷重比は、潤滑油の量および濃度等を変化させて調整した。
【0051】
かくして得られた熱延板から、引張試験片を切り出し、それらの試験片について、ひずみ速度:2×10-2/sの条件で引張試験を実施し、降伏強さ(YS)、引張強さ(TS)および伸び(El)を求めた。
また、ホプキンソンプレッシャーバー試験材(材料とプロセス vol.9 (1996) P.1108〜1111)を用いて、ひずみ速度:2×103/s の条件で引張試験を実施し、伸びが10%の時の瞬間n値(動的n値)を求めた。
さらに、プレス成形時における加工硬化量(WH)およびその後の塗装焼付時(170 ℃)における焼付硬化量(BH)についても測定した。なお、WH,BHは、ひずみ速度:2×10-2/sの引張試験機を用い、図9により求めた。
各熱延鋼板の鋼組織、板クラウン、TS×Elバランス、WH+BHおよび動的n値について調べた結果を整理して表2に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003755300
【0053】
【表2】
Figure 0003755300
【0054】
表2に示したとおり、この発明に従い得られたものはいずれも、第2相としてマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる混合組織を有し、しかも初析フェライトの結晶粒径は5μm 以下でかつ板クラウンは 140μm 以下で、しかもTS×El≧27000MPa・%の優れた強度−伸びバランスと動的n値≧0.35の優れた耐衝撃特性、さらにはWH+BH≧100 MPa という優れた加工・焼付硬化性を得ることができた。
【0055】
実施例2
表3に示す種々の成分組成になる鋼スラブを、図8(a), (b)に示すパターンXおよびパターンYに従い表4に示す条件で処理し、熱延鋼板とした。なお、各鋼とも、Sは0.0010〜0.0020mass%、Nは0.0020〜0.0030mass%の範囲内であった。
かくして得られた熱延鋼板の鋼組織、板クラウン、TS×Elバランス、WH+BHおよび動的n値について調べた結果を、表5に示す。
【0056】
【表3】
Figure 0003755300
【0057】
【表4】
Figure 0003755300
【0058】
【表5】
Figure 0003755300
【0059】
この発明に従い得られた鋼板はいずれも、初析フェライトの結晶粒径は5μm 以下で、しかも第2相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合組織が形成されており、その結果TS×El≧ 27000 MPa・%、動的n値≧0.35およびWH+BH≧100 MPa の優れた強度−伸びバランス、耐衝撃特性および加工・焼付硬化性が得られている。
また、板クラウンはいずれも、140 μm 以下であった。
【0060】
【発明の効果】
かくして、この発明に従い、主相を初析フェライトとし、かつ第2相をマルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトの混合組織にすると共に、初析フェライトの結晶粒径を5μm 以下、板クラウンを40μm 以下に制御することにより、いかような部位にも使用できる優れた成形性と耐衝撃特性とを兼ね備えた熱延鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のTRIP鋼の代表的な連続冷却変態曲線図(CCT図)である。
【図2】この発明の成分系における代表的連続冷却変態曲線図(CCT図)である。
【図3】 (a) この発明に従い得られる第2相の特徴的な相構成および(b) 従来のTRIP鋼の第2相の相構成を示す模式図である。
【図4】熱間圧延の最終パス圧下率および後段3パスの累積圧下率とTS×Elとの関係を示したグラフである。
【図5】圧延荷重比と板クラウンとの関係を示したグラフである。
【図6】 Cr量と強度−伸びバランスとの関係を示すグラフである。
【図7】 Cr量と動的n値との関係を示すグラフである。
【図8】この発明に従う圧延−冷却パターンの模式図である。
【図9】加工硬化量(WH)および焼付硬化量(BH)の説明図である。

Claims (7)

  1. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
    Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
    を含有し、残部はFe および不可避的不純物の組成になり、初析フェライトを主相として、マルテンサイト、針状フェライトおよび残留オーステナイトからなる第2相を有し、しかも該初析フェライトの結晶粒径が5μm 以下で、かつ板クラウンが 140μm 以下であることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
  2. 請求項1において、鋼組成が、さらに
    P:0.01〜0.2 mass%、 Al:0.01〜0.3 mass%
    のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
  3. 請求項1または2において、鋼組成が、さらに
    Ti:0.005 〜0.25mass%、 Nb:0.003 〜0.1 mass%
    のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板。
  4. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
    Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
    を含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件で、かつ圧延荷重比:0.70以下の条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、10〜100 ℃/hの冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
    ここで、圧延荷重比とは、後段3パスの圧延を行う各スタンドにおいて(潤滑圧延時の圧延荷重)/(無潤滑圧延時の圧延荷重)として求めた各スタンドの圧延荷重比のうち最大値を意味する。
  5. C:0.05〜0.40mass%、 Si:1.0 〜3.0 mass%、
    Mn:0.6 〜3.0 mass%、 Cr:0.2 〜2.0 mass%
    を含有し、残部は Fe および不可避的不純物の組成になる鋼スラブを、1000〜1300℃に加熱し、粗圧延後、最終パスの圧下率を15%以上とするか、または後段3パスの累積圧下率を50%以上とする後段パス強圧下条件で、かつ圧延荷重比:0.70以下の条件下で仕上げ圧延を 780〜980 ℃の温度で終了し、ついで 620〜780 ℃まで冷却したのち、1〜10秒間の等温保持処理または冷却速度:20℃/s以下の徐冷処理を施し、ついで 350〜500 ℃まで冷却してから、コイルに巻き取ったのち、2〜60分間の等温保持処理または冷却速度:50℃/h未満の緩冷却処理を施したのち、強制冷却により50℃/h以上の冷却速度で 300℃以下まで冷却することを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
    ここで、圧延荷重比とは、後段3パスの圧延を行う各スタンドにおいて(潤滑圧延時の圧延荷重)/(無潤滑圧延時の圧延荷重)として求めた各スタンドの圧延荷重比のうち最大値を意味する。
  6. 請求項4または5において、鋼スラブが、さらに
    P: 0.01 0.2 mass %、 Al 0.01 0.3 mass
    のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
  7. 請求項4,5または6において、鋼スラブが、さらに
    Ti 0.005 0.25mass %、 Nb 0.003 0.1 mass
    のうちから選んだ少なくとも一種を含有する組成になることを特徴とする耐衝撃特性に優れかつ板クラウンが良好な高強度高加工性熱延鋼板の製造方法。
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