JP3276258B2 - 化成処理性及び加工性の良好な高強度熱延鋼板及びその製造方法 - Google Patents

化成処理性及び加工性の良好な高強度熱延鋼板及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のホイール等の
足廻り部材に用いられる化成処理性と加工性の良好な高
強度熱延鋼板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費向上を目的として、
その軽量化が進められており、特に、用いる鋼板の高強
度化の要求から、その研究が広範になされている。例え
ば、特開昭62−202048号公報には、Nb0.02
〜0.04%(重量%、以下、同じ。)とTi0.1〜0.1
5%とを含む鋼について、ポリゴナルフェライトとベイ
ナイトの面積率と析出強化を最適に組合わせて制御する
ことによって、引張強度が70kgf/mm2 級の延性の良好
な高強度熱延鋼板を得ることができることが記載されて
いる。
【0003】しかし、最近になって、一層、引張強度が
高く、しかも、加工性の良好な高強度熱延鋼板が要望さ
れるに至っており、上述したような従来の高強度熱延鋼
板では、対処できなくなっている。
【0004】他方、特開昭50−2620号公報には、
Tiの添加量を0.075〜0.5%の範囲とすると共に、
Ti/Cを1.5〜4.0の範囲に制御して、Tiの析出強
化を最大限に活用することによって、引張強さ80kgf/
mm2 の鋼板を得ることができることが記載されている。
しかし、この鋼板によれば、伸びフランジ性が不十分で
あって、引張強さ65kgf/mm2 級と同等の伸びフランジ
性を得ることができず、厳しい伸びフランジ性加工を施
すことができない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、従来の高強度熱延鋼板における上述したような問題
を解決するために、前記Nb及びTi含有鋼板の製造に
おいて、高強度化に伴う全伸びと伸びフランジ性の劣化
をもたらす原因の究明に努め、新たな方策について種々
研究した結果、NbとTiのバランスを保ち、適切な熱
延条件下に鋼のミクロ組織を制御することによって、伸
びフランジ性と全伸びのいずれにもすぐれる引張強度7
40N/mm2 以上の高強度熱延鋼板を得ることができる
ことを見出して、本発明に至ったものである。
【0006】従って、本発明は、化成処理性と加工性
良好な高強度熱延鋼板及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】特に、本発明は、引張強さと伸びの積、即
ち、(引張強さ、TS)×(伸び、El)が15500
N/mm2 ・%以上であり、且つ、引張強さ(TS)と穴
拡げ率(λ)の積、即ち、(引張強さ、TS)×(穴拡
げ率、λ)が63000N/mm2 ・%以上を有しなが
ら、引張強さ740N/mm2 以上の高強度を有し、かく
して、例えば、自動車用のホイールの成形において要求
される伸びフランジ性を低下させることなく、引張強さ
740N/mm2 以上の高強度を有し、しかも、化成処理
性にもすぐれる高強度熱延鋼板とその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0008】更に、本発明は、引張強さと伸びの積が1
8000N/mm2 ・%以上であり、且つ、引張強さと穴
拡げ率(λ)との積が40000N/mm2 ・%以上であ
る加工性を有し、張出し成形等のように、全伸びが必要
とされるプレス成形による自動車用部材の製造に好適に
用いることができ、引張強度740N/mm2 以上の高強
度を有し、しかも、化成処理性にもすぐれる熱延鋼板と
その製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明による化成処理性
と加工性の良好な高強度熱延鋼板は、重量%にて (A) C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、ポリゴ
ナルフェライトの平均粒径が6μm以下であり、その面
積率が10〜25%の範囲であり、ベイナイトの平均粒
径が10μm以下であり、その面積率が75%以上であ
る組織からなり、引張強さ740N/mm2 以上を有す
る。
【0010】更に、本発明による化成処理性と加工性
良好な高強度熱延鋼板は、上記元素に加えて、 (B) Cr 0.01〜1%、 Mo 0.01〜0.5%、 V 0.01〜0.3%、 Cu 0.1〜1%、及び Ni 0.1〜1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有し
ていてもよい。
【0011】また、本発明による化成処理性と加工性
良好な高強度熱延鋼板は、これらの元素と共に、又はこ
れらの元素と別に、 (C) Ca 0.005%以下、及び REM 0.005%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有し
ていてもよい。
【0012】本発明において、ベイナイトとは、所謂ベ
イナイト相のほか、アシキュラー・フェライトと称され
る組織等、金属組織学的にベイナイトと明確な区別な
く、ベイナイトと実質的に同じ組織とみなし得る組織を
含むものとする。また、残留オーステナイトについて
も、X線解析による測定において、体積率で3%未満の
場合も、本発明による組織を有する熱延鋼板の特性を損
なうことがないので、3%未満の残留オーステナイト
も、本発明におけるベイナイト組織に含めることとす
る。
【0013】本発明の熱延鋼板によれば、Nbをポリゴ
ナルフェライトの細粒化と面積率を制御するために利用
し、Tiは、Nbと同じ効果と共に、析出強化の作用を
バランスよく利用することによって、微細なポリゴナル
フェライトに微細なベイナイトを均一に分散させた微細
な組織を形成させ、かくして、引張強度が780N/mm
2 程度であって、且つ、良好な全伸びを保持しながら、
すぐれた伸びフランジ性を確保したものである。
【0014】このように、本発明の熱延鋼板は、ベイナ
イトによる低温変態組織強化と共に、NbとTiとによ
る細粒化の効果とTiの析出強化の効果とをバランスよ
く利用した複合強化鋼板であり、NbとTiの添加量と
製造時の熱延条件を厳しく規制することによって、前述
した所期の特性を有せしめることに成功したものであ
る。
【0015】先ず、本発明の熱延鋼板の有する合金元素
及びその添加量の限定理由について説明する。
【0016】Cは、鋼の強化のために添加される元素で
あって、ベイナイト面積率及びTiCの析出強化に大き
く影響する。鋼板の組織を前述した組織として、目的と
する強度を得るには、少なくとも0.04%が必要であ
り、これよりも少ない場合には、本発明の熱延鋼板にお
いては、15500N/mm2 ・%以上の(引張強さ)×
(伸び)を得ることができず、他方、添加量が0.12%
を超えるときは、63000N/mm2 ・%以上の(引張
強さ)×(穴拡げ率)を得ることができない。従って、
本発明においては、C量は、0.04〜0.12%の範囲と
する。しかし、(引張強さ)×(伸び)と(引張強さ)
×(穴拡げ率)の両方の特性を最大とするには、C量
は、好ましくは、0.07〜0.1%の範囲とする。
【0017】Siは、熱延鋼板の製造過程において鋼板
表面に濃化し、鋼板表面に酸化物を形成して、鋼板の化
成処理性を劣化させる。そこで、本発明に従って、良好
な化成処理性を得るために、その添加量を0.1%未満と
する。
【0018】Mnは、本発明で規定する範囲のC量にお
いて 適切なベイナイト面積率を確保して、所要の強度
を得るために必要な元素であって、少なくとも1%の添
加が必要である。しかし、過多に添加するときは、フェ
ライト変態及びベイナイト変態が抑制されて、十分なフ
ェライトが得られず、また、マルテンサイト組織の生成
によって、伸びフランジ性が低下する。従って、本発明
においては、添加量の上限を3%とする。特に、本発明
によれば、1〜2%の範囲が好ましく、これによって、
最良の加工特性を得ることができる。
【0019】Sは、伸びフランジ性を劣化させる硫化物
を生成するので、可能な限りに低減することが好まし
い。そこで、本発明における伸びフランジ性の向上を考
慮して、その上限を0.006%とするが、好ましくは、
0.003%とする。
【0020】Tiは、フェライト変態の細粒化と析出強
化の作用を有し、鋼を強化するのに有効な元素であり、
本発明が目的とする熱延鋼板において、所要の高強度と
すぐれた加工性を得るためには、C及びNbの添加量と
共に、それらの添加量とのバランスを考慮して、最適の
量を添加することが重要である。本発明に従って、熱延
鋼板において、所要の強度を得るためには、少なくとも
0.15%必要であるが、しかし、過多に添加するとき
は、上記効果が飽和するのみならず、経済的にも不利で
あるので、添加量の上限を0.3%とする。しかし、現状
の製鋼技術と熱間圧延技術を考慮し、また、得られる熱
延鋼板の化成処理性、延性及び溶接性を考慮すれば、0.
2%以下とするのが好ましい。
【0021】Nbは、Tiと共に、本発明による熱延鋼
板において、最も重要な添加元素であり、本発明の熱延
鋼板においては、フェライト変態を制御する効果を利用
して、フェライトの細粒化とその適正な面積率を得るた
めに添加される。このような効果を有効に得るために
は、少なくとも0.04%の添加を必要とする。しかし、
過多に添加するときは、フェライトを十分に得ることが
できず、延性が低下するので、その上限を0.08%とす
る。
【0022】Alは、鋼の溶製時の脱酸剤として添加さ
れる元素であって、添加量は、0.01〜0.1%の範囲が
適当である。
【0023】Pは、固溶強化元素として有効な元素であ
るが、0.08%を超えて添加するときは、加工後の遷移
温度が低下するので、添加量は0.08%以下とする。
【0024】本発明による熱延鋼板においては、上記合
金元素に加えて、更に、Cr、Mo、V、Cu及びNi
よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有す
ることができる。これらの元素は、いずれも強化元素と
して有効であるが、反面、過多に添加するときは、延性
の劣化や化成処理性を劣化させることがあるので、添加
量は、Crは0.01〜1%、Moは0.01〜0.5%、V
は0.01〜0.3%、Cuは0.1〜1%、Niは0.1〜1
%の範囲とする。
【0025】更に、本発明による熱延鋼板においては、
上記合金元素と共に、又は上記合金元素とは別に、Ca
及びREMよりなる群から選ばれる少なくとも1種の元
素を含有することができる。これらの元素は、伸びフラ
ンジ性を低下させる硫化物を低減させるために添加され
る。しかし、過多に添加しても、その効果が飽和して、
経済的に不利であるので、それぞれの元素について、そ
の上限を0.005%とする。
【0026】本発明の熱延鋼板は、微細なフェライト・
ベイナイトの複合組織を有するが、本発明による所期の
特性を得るには、それぞれの組織の寸法と面積率を規制
する必要があり、本発明によれば、ポリゴナルフェライ
トは、平均粒径を6μm以下とし、その面積率を10
25%の範囲とすることが必要であり、更に、ベイナイ
トは、平均粒径を10μm以下とし、面積率を75%以
上とすることが必要である。
【0027】ポリゴナルフェライトの面積率が10%未
満のときは、伸びが低下し、引張強さが740N/mm2
以上で、且つ、(引張強さ)×(伸び)が15500N
/mm2 ・%以上を得ることはできない。また、ベイナイ
ト面積率が5%未満のときは、組織強化が不十分であっ
て、析出強化を利用して、引張強さを740N/mm2
上にすると、(引張強さ)×(伸び)が15500N/
mm2 ・%以上及び(引張強さ)×(穴拡げ率)が630
00N/mm2 ・%以上を得ることができない。
【0028】本発明の熱延鋼板においては、組織を上述
したものに調節することによって、引張強さが740N
/mm2 以上であって、しかも、(引張強さ)×(伸び)
が15500N/mm2 ・%以上で、且つ、(引張強さ)
×(穴拡げ率)が63000N/mm2 ・%以上を有し、
張出加工と特に伸びフランジ加工が良好であって、ホイ
ール等の自動車部材のプレス成形に適した高強度熱延鋼
板を得ることができる。
【0029】かかる本発明の高強度熱延鋼板は、本発明
に従って、前述した化学成分を有する鋼を熱間圧延する
に際して、加熱温度を1240〜1340℃の範囲の温
度とし、仕上温度を800〜950℃の範囲の温度と
し、平均冷却速度20℃/秒以上にて、600℃以下ま
で冷却し、400〜550℃の範囲の温度にて巻取るこ
とによって、製造することができる。
【0030】かかる本発明の方法において、鋼の熱間圧
延に際しては、Nb及びTiの溶体化のために、鋼を少
なくとも1240℃温度に加熱する。加熱温度が124
0℃よりも低いときは、鋼板の表面性状が悪いのみなら
ず、Nb及びTiの溶体化が不十分であるので、所要の
強度を得ることができない。しかし、加熱温度が134
0℃を超えるときは、加熱炉における燃料コストが増大
し、また、耐火物の負荷も大きくなるので好ましくな
い。
【0031】仕上圧延温度は、800〜950℃の範囲
の温度とする。仕上温度が950℃を超えるときは、現
状の熱延設備によってフェライトの細粒化を実現するの
が困難であり、他方、800℃未満のときは、2相域圧
延による延性の劣化が生じる。
【0032】このような熱間圧延の後の冷却条件は、本
発明による熱延鋼板における組織を得るために重要であ
り、本発明によれば、圧延後、600℃以下の温度ま
で、平均冷却速度20℃/秒以上、好ましくは、100
℃/秒以下にて冷却し、巻取を400〜550℃の範囲
の温度で行なう。
【0033】熱間圧延後の平均冷却速度が100℃/秒
を越えるときは、温度制御が困難となって、安定した材
質を得ることができない。また、冷却停止温度が600
℃を越えるときは、パーライトが生成して、得られる鋼
板において、十分な強度を得ることができないうえ、伸
びフランジ性も劣る。巻取温度が550℃を超えるとき
は、析出強化が増大することによって、延性が低下し、
本発明による所期の特性を得ることができない。他方、
巻取温度が400℃よりも低いときは、TiCを主とす
る析出強化とマルテンサイト等による変態組織強化との
バランスが悪くなり目的とするすぐれた加工性を得るこ
とができない。
【0034】本発明によれば、このようにして、適正な
TiCを主とする析出強化とマルテンサイトによる変態
組織強化とのバランスを達成して、目的とする引張強度
と加工性を有する高強度熱延鋼板を得ることができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0036】実施例1 表1に示す化学成分を有する鋼を溶製し、表2に熱延条
件にて熱延し、冷却し、巻き取って、熱延鋼板を製造し
た。その組織及び機械的性質を表3に示す。
【0037】表1において、供試鋼A〜E及びL〜Nは
本発明鋼であり、供試鋼F〜Kは比較鋼である。表2に
示した機械的性質は、板厚2.9mmのJIS5号引張試験
片を用いて測定したものであり、穴拡げ率(λ)は直径
10mmのポンチ打抜きした穴を先端角60°の円錐ポン
チで試験した結果である。
【0038】得られた熱延鋼板の組織の面積率及び平均
粒径は光学顕微鏡観察により測定し、残留オーステナト
体積率はX線解析によって求めた。熱延鋼板の化成処理
性は、通常の化学処理を施した後、電着塗装し、中塗
り、上塗りし、1mm角のクロスカットをして、耐水密着
試験することによって評価し、表中、剥離なしを○、5
点未満の剥離ありを△、5点未満の剥離ありを×で表し
た。
【0039】表1から表3に示す結果から明らかなよう
に、本発明による熱延鋼板は、いずれも引張強さが74
0N/mm2 以上であり、(引張強さ)×(伸び)が15
500N/mm2 ・%以上で、(引張強さ)×(穴拡げ
率)が63000N/mm2 ・%以上であって、良好な加
工性と化成処理性とを有する。
【0040】これに対して、比較鋼は、引張強さの不
足、(引張強さ)×(伸び)の不足、(引張強さ)×
(穴拡げ率)の不足、又は化成処理性が悪い、のいずれ
かがあてはまる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−202048(JP,A) 特開 昭58−164756(JP,A) 特開 平5−179346(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%にて C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、ポリゴ
    ナルフェライトの平均粒径が6μm以下であり、その面
    積率が10〜25%の範囲であり、ベイナイトの平均粒
    径が10μm以下であり、その面積率が75%以上の組
    織からなる引張強さ740N/mm2 以上の化成処理性
    び加工性の良好な高強度熱延鋼板。
  2. 【請求項2】重量%にて (A) C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、更に、 (B) Cr 0.01〜1%、 Mo 0.01〜0.5%、 V 0.01〜0.3%、 Cu 0.1〜1%、及び Ni 0.1〜1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、ポリゴナルフ
    ェライトの平均粒径が6μm以下であり、その面積率が
    10〜25%の範囲であり、ベイナイトの平均粒径が1
    0μm以下であり、その面積率が75%以上の組織から
    なる引張強さ740N/mm2 以上の化成処理性及び加工
    の良好な高強度熱延鋼板。
  3. 【請求項3】重量%にて (A) C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、更に、 (B) Ca 0.005%以下、及び REM 0.005%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、ポリゴナルフ
    ェライトの平均粒径が6μm以下であり、その面積率が
    10〜25%の範囲であり、ベイナイトの平均粒径が1
    0μm以下であり、その面積率が75%以上の組織から
    なる引張強さ740N/mm2 以上の化成処理性及び加工
    の良好な高強度熱延鋼板。
  4. 【請求項4】重量%にて (A) C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、更に、 (B) Cr 0.01〜1%、 Mo 0.01〜0.5%、 V 0.01〜0.3%、 Cu 0.1〜1%、及び Ni 0.1〜1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と、 (C) Ca 0.005%以下、及び REM 0.005%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、ポリゴナルフ
    ェライトの平均粒径が6μm以下であり、その面積率が
    10〜25%の範囲であり、ベイナイトの平均粒径が1
    0μm以下であり、その面積率が75%以上の組織から
    なる引張強さ740N/mm2 以上の化成処理性及び加工
    の良好な高強度熱延鋼板。
  5. 【請求項5】重量%にて C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼を熱間
    圧延するに際して、加熱温度を1240〜1340℃の
    範囲の温度とし、仕上温度を800〜950℃の範囲の
    温度とし、平均冷却速度20℃/秒以上にて、600℃
    以下の温度まで冷却し、400〜550℃の範囲の温度
    にて巻取って、ポリゴナルフェライトの平均粒径が6μ
    m以下であり、その面積率が10〜25%の範囲であ
    り、ベイナイトの平均粒径が10μm以下であり、その
    面積率が75%以上である組織からなる引張強さ740
    N/mm2 以上の化成処理性及び加工性の良好な高強度熱
    延鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】重量%にて (A) C 0.04〜0.12%、 Si 0.1%未満、 Mn 1〜3%、 S 0.006%以下、 Ti 0.15〜0.3%、 Nb 0.02〜0.08%、 sol. Al 0.01〜0.1%、及び P 0.08%以下 を含有し、更に、 (B) Cr 0.01〜1%、 Mo 0.01〜0.5%、 V 0.01〜0.3%、 Cu 0.1〜1%、及び Ni 0.1〜1% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素、及び/
    又は (C) Ca 0.005%以下、及び REM 0.005%以下 よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有
    し、残部鉄及び不可避的不純物よりなる鋼を熱間圧延す
    るに際して、加熱温度を1240〜1340℃の範囲の
    温度とし、仕上温度を800〜950℃の範囲の温度と
    し、平均冷却速度20℃/秒以上にて、600℃以下の
    温度まで冷却し、400〜550℃の範囲の温度にて巻
    取って、ポリゴナルフェライトの平均粒径が6μm以下
    であり、その面積率が10〜25%の範囲であり、ベイ
    ナイトの平均粒径が10μm以下であり、その面積率が
    75%以上である組織からなる引張強さ740N/mm2
    以上の化成処理性及び加工性の良好な高強度熱延鋼板の
    製造方法。
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