JP3755157B2 - 適応的2値化方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、多値画像データを2値画像にする適応的2値化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ファクシミリやディジタル複写機などの画像処理装置においては、多値で表される入力画像データを2値化して処理している。この場合、文字画像に適した2値化処理として、単純2値化や周囲の濃度情報に応じて閾値を変化させる浮動2値化などが知られており、さらに、ノッチを抑制しながら2値化する方法などが知られている。
【0003】
ここで、ノッチとは、線や文字の境界部分に発生するギザギザをいい、例えば、図14に示すサンプル画像の場合においては、直線の境界部分に点在するa,b,c……の部分がノッチである。このノッチは、単純2値化の処理において必然的に発生するものであり、例えば、入力画像の濃度が図15(ロ)に示すように多く発生している場合、これを同図に示す閾値L1で単純2値化を行うと、その結果は同図(イ)に示すようになる。ここで、部分Aが直線または文字部分であるとすると、その境界部分に生じるa,bがノッチである。
【0004】
このようなノッチを抑制するには、同図(ロ)に示す閾値L2のように、その値を適宜切り換えればよい。この図に示す場合は、最初に黒画素が検出された点P1において閾値L2を所定値だけ小さくする。この結果、閾値L1で判定すると白となるべき次の画素についての判定は黒となる。そして、この点P2においては、さらに所定値だけ閾値を小さくする。このように、黒の判定が連続する毎に、閾値を順次小さくしていき、下限値に達した時点で閾値が固定される。なお、図15(ロ)においては、説明の簡略化のために、始めの値から2段階低下した時点で下限値に達しているが、実際には多数の段階が設定されている。次に、点P3において白画素が検出されると、閾値を所定値だけ上昇させ、さらに、点P4において連続して白画素が検出されると再び閾値を所定値だけ上昇させる。以上の処理の結果、同図(ハ)に示すように、部分Bが黒画素の連続する部分、すなわち、文字や線の部分となり、その境界部分にはノッチは発生しない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した2値化処理は、文字や直線の画像に適した処理であるが、中間調画像に適した2値化処理としては、ディザ法や誤差拡散法が知られている。
しかしながら、原稿に文字画像と中間画像が混在する場合、双方の画像品質を両立させることが難しく、その解決が望まれていた。
この場合、中間調領域と文字領域を分離識別して、画像処理の内容を切り換えるという解決方法があるが、この方法にあっては、領域の判定エラーがあると、文字部分と中間調部分の境界がはっきりと見えてしまうという問題が生じた。
【0006】
そこで、画像の文字らしさ、および中間調らしさに応じて、誤差拡散係数を段階的に変化させ、これにより、単純2値化処理と疑似中間調処理の混合比を適応的に調整し、領域の境界を目立たなくする方法が提案されている(例えば、画像電子学会誌1991−第20巻5号“文字/網点/写真混在画像の2値化表現”あるいは特開平4−40071号参照)。
しかしながら、これらの方法にあっても、文字部分は単純2値化によって処理しているので、エッジ部分にノッチが多く発生し、画像の品質を損ねていた。
【0007】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、文字と中間調画像とが混在する原稿においても、ノッチを良好に抑制することができる適応的2値化方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、入力画像データと閾値とを相対的に比較することによって2値化を行う2値化処理を実行する際に、入力画像データが文字領域と中間調領域のいずれに近いかを示す変数に応じて前記2値化処理おける相対的閾値を変動させる適応的2値化方法において、前記2値化処理における相対的閾値を、前記2値化処理における過去の2値化出力に応じて変動させるとともに、その変動幅を前記変数に応じて変化させることを特徴とする。
【0010】
【作用】
本発明においては、2値化処理における相対的閾値が過去の2値化出力に応じて変動されるので、例えば、直前の画素の白/黒判定の結果に応じて相対的な閾値が変動され、これによってノッチの発生が抑制される。しかも、入力画像データが文字領域と中間調領域のいずれに近いかを示す変数に応じて相対的閾値の変動幅が調整されるので、入力画像の態様に応じたノッチ抑制を行うことができ、また、領域の境界部分におけるノッチ抑制の程度を滑らかに変化させることができる。
【0011】
さらに、参照すべき過去の2値化出力として、隣接する画素についての結果を用いるようにすれば、主走査方向および副走査方向において総合的なノッチ抑制を行うことができる。
【0012】
さらに、相対的閾値の上限値および下限値を、前記変数に応じて調整する場合には、相対的閾値が過度に高すぎたり、あるいは低すぎたりすることがなく、入力画像の態様に応じたノッチ抑制を行うことができる。
【0013】
【実施例】
A:実施例の構成
次に図面を参照してこの発明の実施例について説明する。なお、この実施例は、複写機の画像読取部から出力される画像データを処理する際に本発明を適用した実施例である。
図1は、本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。図1において、V.DATAは、原稿をスキャンすることによって得られる8ビットの画像データであり、図示せぬCCDラインセンサの出力信号に基づいて得られる「0」〜「255」の範囲のデータである。この入力画像データV.DATAは、加算器2、3において所定値が加算(代数加算)され、その後にリミッタ4によって上下限値が制限されて2値化回路1に入力される。リミッタ4は、加算器3の加算結果が「255」以上の場合は「255」にし、また、「0」以下の場合は「0」に制限する。2値化回路1は、加算器3から供給されるデータを固定の閾値「128」と比較することによって2値化を行う回路である。
【0014】
次に、符号10〜15は、誤差拡散法に基づく処理を行う部分である。以下、各部について説明する。まず、10は誤差計算部であり、リミッタ4の出力信号と2値化回路1の出力信号に基づいて誤差を計算し、算出した誤差を加重平均処理部11に供給する。加重平均処理部11は、注目画素(処理対象画素)の直前の2画素と、前のラインの5画素についての誤差を加重平均するものである。ここで、加重平均処理における注目画素(処理対象画素)と、その周辺画素の取り扱いについて説明する。
【0015】
まず、図2に示すように、原稿Dに対する主走査方向(CCDラインセンサの読取方向)をX方向、原稿Dに対する副走査方向(原稿を照射する光源(キャリッジ)の移動方向)をY方向とする。そして、注目画素(処理対象画素)Pxyの座標が(x,y)であったとすると、P(x-2),(y-1)〜P(x+1),(y-1)が前のラインの5画素であり、P(x-2),y、P(x-1),yが直前の2画素となる。
【0016】
また、図2の各画素について示した1,2,4の数値は、16を分母とした場合の分子の数値を示しており、各画素の誤差は、それらの分数値に応じた重み付けにより加算される。すなわち、図3に示すような演算が行われる。この場合の演算結果は、符号ビット(S)を含む8ビットデータとなり、小数点以下が削除されて乗算器12に供給される。また、演算結果の8ビットデータのうち、下位1ビットが削除されて、ラインバッファFIFO13に供給される。
【0017】
ラインバッファFIFO13は、主走査方向の2ライン分の全画素についての誤差を記憶するバッファであり、各画素について8ビットの記憶容量を有している。ただし、加重平均処理部11の演算結果は、上述のように下位1ビットが削除されて7ビットになるため、ラインバッファFIFO13の各画素に対応する記憶エリアには1ビットの空きが生じる。この1ビットの空きエリアにおいては、当該画素の白/黒判定の結果が2値化回路1からノッチレス処理回路16を介して書き込まれるようになっている。すなわち、上記1ビットの空きエリアには、2値化回路1の処理結果に応じて、白のとき“0”、黒のとき“1”のデータが書き込まれるようになっている。
なお、図3に示す演算における前ラインの画素についての誤差値は、ラインバッファFIFO13から読み出した値であるため、同図に×印で示すように、最下位がビット落ちしている。
【0018】
次に、14は領域判定回路(図示略)が出力する誤差係数に応じた係数値を乗算器12へ出力する係数切換設定部である。領域判定回路は、注目画素を含む所定の大きさの判定ウインドウ(例えば、5×3画素等のウインド)について、網点領域か文字/写真混在領域かを判定する回路である。そして、網点領域であると判定した場合には、誤差係数(F)Hを出力し、文字/写真混在領域と判定した場合には、その度合いに応じた誤差係数(0)H〜(F)Hを出力する。すなわち、完全なる写真領域と判定した場合には(F)H、完全なる文字領域と判定した場合には(0)Hとし、その間の場合には、どちらの領域に近いかに応じて値が決定される(図5参照)。
【0019】
ここで、係数切換設定部14の構成について、図4を参照して説明する。図4に示すMPX20は、装置各部を制御するCPU(図示略)の指示の下に、領域判定回路から出力される誤差係数とCPUから出力される誤差係数のいずれかを選択して出力する回路である。ここで、CPUから供給される誤差係数は、文字ページモード(ページ内に文字だけがある場合のモード)が指定されたときは(0)H、写真ページモード(ページ内に写真だけがある場合のモード)が指定されたときは(F)Hとなるように設定されている。
【0020】
MPX20から出力される誤差係数は、ノッチレス処理回路16(図1参照)およびテーブル21に供給される。テーブル21は、誤差係数に対応した乗算係数を出力するもので、その対応関係は、例えば、図5に示すようになっている。なお、実際には、「写真」と「文字」の間には多数の段階があるが、図5においては、説明簡略化のために省略してある。また、テーブル21内の乗算係数は、CPUによって書き換え可能に構成されている。
【0021】
テーブル21から出力される乗算係数は、乗算器12に供給され、ここで、加重平均処理部11の出力信号と乗算され、その乗算結果は、加算器2に供給される。図6は加重平均処理部11の出力信号である加重平均後誤差と乗算係数の加算処理を示している。この図に示すように、テーブル21から出力される乗算係数は、小数点以下3桁を含む4ビットの係数となっている。
【0022】
次に、ノッチレス処理回路16について図7を参照して説明する。図7において、30、31は各々テーブルであり、誤差係数に応じた制御量を出力する。この場合の制御量は、図15で説明した閾値の変動量に対応するものである。なお、後述するが、この実施例においては、前述したように2値化回路1における閾値は「128」に固定されてているが、この閾値を固定する代わりに、画像データに制御量を加減算することによって、実質的に閾値を変動させるのと同じ動作を行っている。すなわち、閾値を相対的に変化させている。
【0023】
ここで、テーブル30,31の記憶内容を図8に示す。この図に示すSHHU、SHHDは、テーブル30に記憶されている制御量であり、SHVU、SHVDはテーブル31に記憶されている制御量である。また、制御量SHHU、SHHDは、図9に示すように0〜63の値をとり、制御量SHHUL、SHHDL、SHVU、SHVDは、−128〜+127の値をとる。また、SHHUL、SHHDLは、各々SHHU、SHHDの上限および下限を規制するデータである。
そして、制御量SHHU、SHHDは、誤差係数が大きくなるほど(写真らしさが強く、文字らしさが弱くなるほど)、小さくなるように設定されており、上限値SHHULおよび下限値SHHDLの間隔も誤差係数が大きくなるほど小さくなるように設定されている。同様に、制御量SHVUおよびSHVDも、誤差係数が大きくなるほど小さくなるように設定されている。
【0024】
この場合、テーブル30は、注目画素(処理画素)の直前の画素の白/黒判定結果と誤差係数の値とに応じた制御量および上下限値を出力する。例えば、図10に示す「×」(例えば、Pxy)を注目画素とした場合、その直前の画素P(x-1),(y)が参照画素Aとなり、この参照画素の白/黒判定結果と誤差係数の値とに応じた制御量と上下限値を出力する。
より詳細に言えば、参照画素Aが黒のときは、制御量SHHUおよび上限値SHHULの列において、誤差係数に対応する値を出力し、参照画素Aが白のときは制御量SHHDおよび下限値SHHDLの列において、誤差係数に対応する値を出力する。この場合における白/黒判定は、2値化回路1の参照画素Aについての判定結果を使用する。
【0025】
そして、テーブル30から出力される制御量および上下限値は、主走査方向制御量算出部32に供給され、主走査方向制御量算出部32においては、次のような演算を行い、その演算結果を制御量SHHCとして出力する。
まず、テーブル30から制御量SHHUが供給された場合(参照画素Aが黒の場合)は、
SHHC=SHHCP+SHHU ……(1)
(ただし、SHHC>SHHUL ならば SHHC=SHHUL)
という演算を行う。
一方、テーブル30から制御量SHHDが供給された場合(参照画素Aが白の場合)は、制御量SHHCは、
SHHC=SHHCP−SHHD ……(2)
(ただし、SHHC<SHHDL ならば SHHC=SHDL)
という演算を行う。ここで、SHHCPは、A画素のSHHCの値であり、注目画素がラインの先頭画素である場合には、SHHCをゼロにするように設定されている。この演算に必要なSHHCPの値は、主走査方向制御量算出部32において、前回の演算結果を保持することによって得ている。
【0026】
次に、テーブル31は、図10に示す参照画素Bが黒のときは、制御量SHVUの列において、誤差係数に対応する値を制御量SHVCとして出力し、参照画素Bが白のときは、制御量SHVDの列において、誤差係数に対応する値を制御量SHVCとして出力する。この場合における白/黒判別は、ラインバッファFIFO13内に記憶されている1ライン前の白/黒判定結果を用いる。すなわち、2値化回路1の判定結果は、前述のように、ラインバッファFIFO13の空きビットに格納されるようになっているため、このラインバッファFIFO13に記憶されている参照画素B(画素Px,(y-1))の白/黒判定結果を使用する。
【0027】
次に、33は最大値選択部であり、主走査方向制御量算出部32が出力する制御量SHHCとテーブル31が出力するSHVCのいずれか大きい方を選択し、加算器3に出力する。なお、上述したテーブル30、31の内容はCPUによって適宜書き替え可能になっている。
【0028】
B:実施例の動作
次に、上述した構成によるこの実施例の動作について説明する。
まず、加重平均処理部11で算出された加重後平均と、係数切換設定部14から出力される係数とが乗算器12で乗算され、この結果が加算器2に供給される。これにより、入力画像データV.DATAには、加重後誤差および誤差係数に応じた値が付加される。ここで付加される値は、誤差拡散処理に対応した値であるが、CPUまたは画像領域判定部から供給される誤差係数が小さいほど係数切換設定部14が出力する係数も小さくなるため(図5参照)、誤差拡散処理の影響は少なくなる。一方、誤差係数が大きい場合は、加重後平均値の値がより大きく入力画像データV.DATAに加算されるため、誤差拡散処理の影響が大きくなる。このようにして、誤差拡散処理が入力画像の領域に応じた度合いで段階的になされる。
【0029】
(主走査方向の制御)
一方、ノッチレス処理回路16は、誤差係数に応じて制御量の変化幅が制御されるため、画像領域の種類に応じたノッチレス処理を行う。この動作について以下に説明する。
始めに、主走査方向の処理について説明する。今、画像データの値(濃度)が主走査方向に対して図11(イ)に示すように変化したとすると、同図に示す点P1において閾値「128」を超える。したがって、2値化回路1が点P1を黒と判定し、また、黒を示す“1”データがラインバッファFIFO13に書き込まれる。
【0030】
そして、次に点P2が注目画素になると、点P1が参照画素Aとなるが、これが黒画素であるためテーブル30からはその時点の誤差係数に応じた制御量SHHUが出力される。この制御量SHHUは、最大値選択部33を介して加算器3に加えられるから、2値化回路1に供給される画像データの値は図11(イ)に示す点P2から点P3へと上昇する。この場合、点P2は閾値「128」より小さいため、本来なら白画素と判定される点であるが、上記加算によって得られる点P3は閾値「128」を超えているため、黒画素と判定される。また、同様にして次の点P4を処理する際には、点P3が参照画素Aとなり、これが黒画素と判断されているため、テーブル30からは再び制御量SHHUが出力され、これが主走査方向制御量算出部32において累算される(図11(ロ)参照)。したがって、画像データは、制御量SHHUが2回分加算されることになり、図11(イ)に示す点P4から点P5へと上昇する。このように、黒画素の判定が連続しているときは、画像データに順次制御量SHHUが加算されるので、結果的に閾値を下げていることになり、図15で示した場合と同様の理由でノッチの発生が抑制される。ただし、主走査方向制御量算出部32においては、制御量SHHCの値の上昇は、上限値SHHULまでで停止し、以後は上限値SHHULを保持することになる。
【0031】
次に、図11(イ)に示す点P10においては、画像データの値が閾値「128」を下回るので、2値化回路1では、この点を白画素と判定する。そして、次の点P11が注目画素となると、白画素である点P10が参照画素Aとなるため、テーブル30からは制御量SHHDが出力される(図11(ロ)参照)。この結果、主走査方向制御量算出部32においては、前述した式(2)の演算が行われ、制御量SHHCの値を、制御量SHHDだけ減少させる。したがって、2値化回路1に供給される画像データは、図11(イ)に示す点P11から点P12に下降する。この場合、点P11は閾値「128」を上回っているため、本来なら黒画素と判定される画素であるが、その値が下降して点P12となっているので、前回に引き続き白画素と判定される。同様にして、次の注目画素である点P13の値は、点P14へと下降するため、白画素の判定が連続する。このようにして、画像データの値が順次低下していくため、閾値を上昇させているのと同じことになり、図15に示した場合と同様の理由によってノッチの発生が抑制される。
【0032】
ところで、図11(ハ)は、誤差係数が大きい場合(写真らしさが強く、文字らしさが弱い場合)の制御量を示しており、図示のように、テーブル30から読み出される制御量SHHU、SHHDの大きさが小さくなっている。また、上限値SHHULと下限値SHHDLの差HUDも同図(ロ)に比べて小さくなっている。
【0033】
また、図12は、黒画素の判定が連続している途中において誤差係数が変化した場合を示している。この場合においては、誤差係数が小から大に変化したときに、制御量SHHUの値が小さくなっている。以上のように、誤差係数に応じた制御量となるように制御が行われている。
【0034】
以上のように、この実施例においては、誤差係数が最小になる文字についてはノッチレス処理(図15参照)を100%行い、写真らしさが強くなるほどその処理の影響度合いを低減していき、完全に写真の場合にはノッチレス処理を行わないようにしている。これは写真らしさが強くなるほど、ノッチレス処理がなじまず、かえって画像品質を悪くしてしまうためであり、本実施例においては、上述の処理によって、画像に対応したノッチレス処理を行うことができる。
【0035】
(副走査方向の制御)
次に、副走査方向におけるノッチ制御を説明する。今、画像データの値(濃度)が副走査方向に対して図13(イ)に示すように変化したとすると、同図に示す点P1において閾値「128」を超える。したがって、2値化回路1が点P1を黒と判定し、また、黒を示す“1”データがラインバッファFIFO13に書き込まれる。そして、次のラインの点P2が注目画素となると、前ラインの点P1が参照画素B(図10参照)となるが、黒画素であるため、テーブル31からはその時点の誤差係数に応じた制御量SHVUが出力される。この制御量SHVUは、最大値選択部33を介して加算器3に加えられるから、2値化回路1に供給される画像データの値は図13(イ)に示す点P2から点P3へと上昇する。この場合、点P2は閾値「128」より小さいため、本来なら白画素と判定される点であるが、上記加算によって得られる点P3は閾値「128」を超えているため、黒画素と判定される。以後は、黒画素の判定が連続するため、テーブル31から制御量SHVUが継続して出力される。
【0036】
そして、図13(イ)に示す点P4においては、画像データの値が閾値「128」を下回るので、2値化回路1では、この点を白画素と判定する。そして、次のラインの点P5が注目画素となると、白画素である点P4が参照画素Bとなるため、テーブル31からは制御量SHVDが出力される(図11(ロ)参照)。したがって、2値化回路1に供給される画像データは、図13(イ)に示す点P5から点P6に下降する。この場合、点P5は閾値「128」を上回っているため、本来なら黒画素と判定される画素であるが、その値が下降して点P6となっているので、前回に引き続き白画素と判定される。
【0037】
以上のように、前ラインの画素の白/黒判定結果に応じて制御量を変化させているので、閾値を変化させているのと同じことになり、図15に示した場合と同様の理由によってノッチの発生が抑制される。
【0038】
(実際の制御)
上述した主走査方向の制御と副走査方向の制御は、実際には同時に行われ、最大値選択部33においては、主走査方向の制御量SHHCと副走査方向の制御量SHVCのいずれか大きい方が選択されて加算器3に供給される。すなわち、図10に示す参照画像A、Bの双方の白/黒判定結果と、その時点のP誤差係数に応じた制御量が求められ、これによって、2値化回路1に供給される画像データの値が調整される。したがって、縦横ともに、誤差係数に応じた最適な2値化が常に行われる。
【0039】
C:変形例
(1)実施例における制御量SHHUとSHHDの大きさは同じでもよく、また、異なる値に設定してもよい。要は対象とする画像に対して適切な2値化がなされるように予め設定しておけばよい。
【0040】
(2)上述した実施例は、本発明を複写機に適用した実施例であったが、本発明の適用はこれに限定されることはなく、ファクシミリやその他の画像処理装置にも勿論適用可能である。
【0041】
(3)上述した実施例においては、2値化回路1における閾値を固定して、画像データに対して制御量を加減算したが、このようにしたのは、誤差量の発生を抑制するためである。したがって、誤差量の問題がない場合などにおいては、制御量に応じて2値化回路の閾値を変動するように構成してもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、入力画像データが文字領域と中間調領域のいずれに近いかを示す変数に応じて、相対的閾値の変動幅が調整されるので、入力画像の態様に応じたノッチ抑制を行うことができ、また、領域の境界部分におけるノッチ抑制の程度を滑らかに変化させることができる。
【0043】
また、参照すべき過去の2値化出力として、隣接する画素についての結果を用いるようにすれば、主走査方向および副走査方向において総合的なノッチ抑制を行うことができる。
【0044】
さらに、相対的閾値の上限値および下限値を、前記変数に応じて調整するようにすれば、相対的閾値が過度に高すぎたり、あるいは低すぎたりすることがなく、入力画像の態様に応じたノッチ抑制を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施例における加重平均処理において参照される画素を示す図である。
【図3】 同実施例における加重平均処理の演算内容を示す図である。
【図4】 同実施例における係数切換設定部14の構成を示すブロック図である。
【図5】 図4に示すテーブル21に記憶される乗算係数を示す図である。
【図6】 同実施例における乗算器12の演算内容を示す図である。
【図7】 同実施例におけるノッチレス処理回路16の構成を示すブロック図である。
【図8】 図7に示すテーブル30,31の記憶内容を示す図である。
【図9】 図7に示すテーブル30,31内に記憶される制御量等のパラメータの変動範囲を示す図である。
【図10】 同実施例のノッチレス処理における注目画像と参照画像の関係を示す図である。
【図11】 同実施例における主走査方向のノッチレス処理を説明するための図である。
【図12】 同実施例において画素の黒判定が継続している場合において、誤差係数が変動した際の制御量の変化を示す図である。
【図13】 同実施例における副走査方向のノッチレス処理を説明するための図である。
【図14】 サンプル画像に現れたノッチを示す図である。
【図15】 一般的なノッチレス処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 2値化回路
11 加重平均処理部
14 係数切換設定部
16 ノッチレス処理回路
30,31 テーブル
32 主走査方向制御量算出部
33 最大値選択部
Claims (11)
- 入力画像データと閾値とを相対的に比較することによって2値化処理を行う際に、入力画像データが文字領域と中間調領域のいずれに近いかを示す変数に応じて前記2値化処理における相対的閾値を変動させる適応的2値化方法において、
前記2値化処理における相対的閾値を、前記2値化処理における過去の2値化出力に応じて変動させるとともに、その変動幅を前記変数に応じて変化させることを特徴とする適応的2値化方法。 - 過去の2値化出力の結果をもとに、現在の注目画素の前記変数に応じた制御量を算出し、
当該制御量を前記入力画像データの値に加算することによって前記相対的閾値を変動させるとともに、
前記制御量を前記変数に応じて変動させることを特徴とする請求項1に記載の適応的2値化方法。 - 過去の2値化出力の結果をもとに、現在の注目画素の前記変数に応じた制御量を算出し、
当該制御量を2値化回路における閾値から減算することによって前記相対的閾値を変動させるとともに、
前記制御量を前記変数に応じて変動させることを特徴とする請求項1に記載の適応的2値化方法。 - 過去の2値化出力の結果をもとに現在の注目画素の前記変数に応じた相対的閾値の変動量を決定し、決定した変動量と過去の注目画素について適用した制御量とを用いて、現在の注目画素の前記変数に応じた制御量を算出することを特徴とする謂求項2または3に記載の適応的2値化方法。
- 前記過去の2値化出力の結果が黒の場合には、前記過去の注目画素について適用した制御量に前記相対的閾値の変動量を加算することで、現在の注目画素の前記変数に応じた制御量を算出する一方、
前記過去の2値化出力の結果が白の場合には、前記過去の注目画素に適用した制御量から前記相対的閾値の変動量を減算することで、現在の注目画素の前記変数に応じた制御量を算出する請求項2ないし4のいずれか1項に記載の適応的2値化方法。 - 前記相対的閾値の変動量は、文字領域に近いほど大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項4または5に記載の適応的2値化方法。
- 前記過去の2値化出力の結果は、隣接する画素についての2値化出力の結果を含むことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の適応的2値化方法。
- 前記変数に応じて前記相対的閾値の上限値および下限値を調整することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の適応的2値化方法。
- 前記変数に応じて前記制御量の上限値および下限値を調整することによって、前記相対的閾値の上限値および下限値を調整することを特徴とする請求項8に記載の適応的2値化方法。
- 前記相対的閾値の上限値と下限値の間隔が、文字領域に近いほど大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項8または9に記載の適応的2値化方法。
- 文字領域と中間調領域のいずれかに近いかを示す変数と、前記相対的閾値の変動量、前記制御量、前記制御量の上限値及び前記制御量の下限値との関係を規定したテーブルを有し、
当該テーブルを参照し、文字領域と中間調領域のいずれに近いかを示す変数に応じて、前記相対的閾値の変動量と、前記制御量と、前記制御量の上限値および下限値を設定することを特徴とする請求項6ないし10のいずれか1項に記載の適応的2値化方法。
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