JP3754656B2 - 制振装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被制振体の振動を抑制するための制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキーリフト、エレベータ、車両、建造物などの長周期振動を行う被制振体に取り付けて、その振動を効率よく抑制するための制振装置が特開平10−292849号公報に記載されている。この制振装置は、質量体がその移動方向の両側からバネによって支持されたものであり、被制振体の振動エネルギーを質量体の振動によって吸収することで被制振体の振動を抑制することができる。また、別の制振装置として、質量体が曲面に沿ってその最下点を中心として交番運動をするものが知られている。上述したような制振装置を使用するに当たっては、その固有振動数(又は固有周期)を被制振体の固有振動数(又は固有周期)に同調させる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の制振装置は、質量体の移動方向両側にバネを配置する必要があるために、比較的大型になってしまいやすいという問題がある。一方、後者の制振装置は、バネを有していないために振動周期の変更及びそれに伴う制振力の変更が事実上できないという問題がある。なぜなら、振動周期を変更するために曲面の傾斜角度を変更するには大がかりな形状変更が必要となり、質量体の質量を変更するには被制振体の強度を変更する必要があるからである。さらに、いずれの制振装置についても、大きな制振力を得ようとすると質量体の移動範囲を大きくする必要があるために大型になってしまうという問題がある。
【0004】
そこで、本発明の目的は、制振力の変更が比較的容易であると共に、大きな制振力を得ることができる小型の制振装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の制振装置は、質量体と、前記質量体を水平方向に移動可能としつつ鉛直方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、前記拘束部材からの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる頂部を有する斜面軌道と、前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ水平方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えている。
【0006】
請求項1によると、質量体がガイド機構によって鉛直方向に拘束されつつ水平方向に移動するにつれて、斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ弾性体が水平方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道に作用する力の斜面軌道に沿った分力のために、質量体は頂部を中心として振動する。この振動の周期は、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。さらに、弾性体の初期圧縮量(或いは初期伸張量)を変更することによっても質量体の振動周期の調整が可能になると言う特筆すべき利益が得られる。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0007】
一方、弾性体の弾性変形によって発生する弾性力のうち質量体に作用する力は鉛直方向上向きの成分を有している。従って、質量体からガイド機構の拘束部材に加えられる力が軽減されることになって、拘束部材を含むガイド機構の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構の構造を簡素なものとすることが可能となる。そのため、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0008】
請求項2の制振装置は、前記ガイド機構が水平面内の任意方向に前記質量体を移動可能とし、前記斜面軌道が凹面形状を有していることを特徴としている。
【0009】
請求項2によると、水平面内の任意方向に質量体を振動させることができるので、水平面内で任意の方向に振動する被制振体の制振が可能となる。
【0010】
また、請求項3の制振装置は、質量体と、前記質量体を鉛直方向に移動可能としつつ水平方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、前記拘束部材からの距離が上方に行くに連れて増加する部分を有する斜面軌道と、前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えている。
【0011】
請求項3によると、質量体がガイド機構によって水平方向に拘束されつつ鉛直方向に移動するにつれて、斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ弾性体が鉛直方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道に作用する力の斜面軌道に沿った分力のために、質量体は自らの質量にかかる重力との釣り合い位置を中心として振動する。この振動の周期は、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。さらに、弾性体の弾性係数を変更することで質量体の釣り合い位置を調整することができるので、釣り合い位置を斜面軌道の中央に設定することで斜面軌道の長さが一定という条件下において質量体が最大の振幅で振動するのを可能とすることができる。これにより、大きな制振力を確保することが可能となる。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0012】
一方、ガイド機構の拘束部材は質量体が鉛直方向に動くように質量体を支持しているので、質量体からガイド機構の拘束部材に加えられる力は比較的小さい。そのため、拘束部材を含むガイド機構の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構の構造を簡素なものとすることが可能となる。従って、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0013】
また、請求項4の制振装置は、質量体と、前記質量体を鉛直方向に移動可能としつつ水平方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、前記拘束部材からの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる頂部を有する斜面軌道と、前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えている。
【0014】
請求項4によると、質量体がガイド機構によって水平方向に拘束されつつ鉛直方向に移動するにつれて、斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ弾性体が鉛直方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道に作用する力の斜面軌道に沿った分力のために、質量体は斜面軌道に沿って振動する。この振動の周期は、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数又はその初期圧縮量(或いは初期伸張量)を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。なお、質量体の振動は頂部を跨ぐものであってもよいし、或いは、頂部を跨がずに頂部の下方でおいてのみ行われるものであってもよい。
【0015】
一方、ガイド機構の拘束部材は質量体が鉛直方向に動くように質量体を支持しているので、質量体からガイド機構の拘束部材に加えられる力は比較的小さい。そのため、拘束部材を含むガイド機構の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構の構造を簡素なものとすることが可能となる。従って、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0016】
なお、質量体が頂部を跨いで(より好ましくは頂部を中心として)振動するように、外力が加えられていない状態において質量体が頂部に対応する高さに位置するように、質量体を別の弾性体によって付勢してもよい。これにより、斜面軌道の使用される部分が多くなって斜面軌道をより有効に用いることが可能となる。
【0017】
請求項5の制振装置は、前記ガイド機構が、前記質量体の移動を容易にするベアリングを有していることを特徴としている。
【0018】
請求項5によると、ベアリングによって質量体が円滑に移動できるようになる。
【0019】
請求項6の制振装置は、質量体と、鉛直方向に沿った互いの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる点が存在するように前記質量体を挟んで対向した2つの斜面軌道と、各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ水平方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた2つの弾性体とを備えている。
【0020】
請求項6によると、質量体がその上下から2つの弾性体に支えられつつ水平方向に移動するにつれて、各斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ2つの弾性体が水平方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち各斜面軌道に作用する力の各斜面軌道に沿った分力のために、質量体は釣り合い位置を中心として振動する。この振動の周期は、各斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、2つの弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。さらに、弾性体の初期圧縮量(或いは初期伸張量)を変更することによっても質量体の振動周期の調整が可能になると言う特筆すべき利益が得られる。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、2つの弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0021】
請求項7の制振装置は、質量体と、互いの距離が上方に行くに連れて増加する部分を有するように前記質量体を挟んで対向した少なくとも2つの斜面軌道と、各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた少なくとも2つの弾性体とを備えている。
【0022】
請求項7によると、質量体がその左右から複数の弾性体に支えられつつ鉛直方向に移動するにつれて、各斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ複数の弾性体が鉛直方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち各斜面軌道に作用する力の各斜面軌道に沿った分力のために、質量体は自らの質量にかかる重力との釣り合い位置を中心として振動する。この振動の周期は、各斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、複数の弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。さらに、弾性体の弾性係数を変更することで質量体の釣り合い位置を調整することができるので、釣り合い位置を斜面軌道の中央に設定することで斜面軌道の長さが一定という条件下において質量体が最大の振幅で振動するのを可能とすることができる。これにより、大きな制振力を確保することが可能となる。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、複数の弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0023】
請求項8の制振装置は、質量体と、水平方向に沿った互いの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる点が存在するように前記質量体を挟んで対向した少なくとも2つの斜面軌道と、各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた少なくとも2つの弾性体とを備えている。
【0024】
請求項8によると、質量体がその左右から複数の弾性体に支えられつつ鉛直方向に移動するにつれて、各斜面軌道と質量体との間の距離に応じた量だけ複数の弾性体が鉛直方向と交差する方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち各斜面軌道に作用する力の各斜面軌道に沿った分力のために、質量体は上記点を中心として振動する。この振動の周期は、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数又はその初期圧縮量(或いは初期伸張量)を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、上記公報の制振装置のように質量体の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0025】
なお、質量体の振動は頂部を跨ぐものであってもよいし、或いは、頂部を跨がずに頂部の下方でおいてのみ行われるものであってもよい。また、質量体が頂部を跨いで(より好ましくは頂部を中心として)振動するように、外力が加えられていない状態において質量体が頂部に対応する高さに位置するように、質量体を別の弾性体によって付勢してもよい。これにより、斜面軌道の使用される部分が多くなって斜面軌道をより有効に用いることが可能となる。
【0026】
また、請求項6〜8の制振装置によると、請求項1〜4の制振装置のように拘束部材を有するガイド機構を備える必要がないために、構造を簡略化することが可能で、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0027】
さらに、請求項9の制振装置は、前記弾性体が減衰運動を行うことを特徴としている。
【0028】
請求項9によると、弾性体が減衰運動を行うことにより、より迅速に被制振体の振動を抑制することが可能になる。
【0029】
請求項10の制振装置は、前記弾性体の前記斜面軌道側の端部と前記斜面軌道との距離を一定に保つための距離保持手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0030】
請求項10によると、弾性体が減衰運動することに起因して弾性体の斜面軌道側の端部が斜面軌道から離れてしまうのを防止することができる。そのため、所望の制振力を確保することが可能となる。
【0031】
請求項11の制振装置は、請求項1、4の制振装置において、前記頂部が1つの曲面上にあることを特徴としている。また、請求項12の制振装置は、請求項6、8の制振装置において、2つの前記斜面軌道にある頂部がそれぞれ1つの曲面上にあることを特徴としている。
【0032】
請求項11、12によると、例えば頂部が2つの平面の交差部である場合と比較すると、拘束部材とは反対側にある弾性体の端部又はこの端部に結合された部材(例えば車輪)が頂部を円滑に通過することができるようになるので、質量体の移動が阻害されたり、質量体の移動に伴って斜面軌道と車輪などの部材との衝突音が発生するのを抑制可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1の実施の形態による制振装置の概略構成図である。この制振装置1は、スキーリフト、エレベータ、車両、建造物などの図示しない長周期振動を行う被制振体の振動を抑制するために用いられるものであって、当該被制振体に取り付けて用いられる。制振装置1は、被制振体の振動エネルギーを吸収させるための質量体2と、質量体2を鉛直方向には変位しないように拘束するものの、水平な一方向(図1における左右方向)に移動可能に支持するガイド機構3とを含んでいる。
【0038】
ガイド機構3は、質量体2を移動させるべき水平方向に伸延しており質量体2を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール5を含んでいる。レール5には、質量体2による重量のほとんどが負荷として加えられるようになっている。レール5は、その両端においてレール支持体6によってそれぞれ支持されている。また、レール5の質量体2との接触部分には、質量体2のレール5に沿った移動を容易にするために図示しないベアリングが配置されている。これにより、質量体2がレール5上を円滑に移動可能となっている。
【0039】
レール5の下方には、レール5の中央付近に対応した位置が最下点8aであり、そこから左右に向かうに連れて高さが直線的に増加する斜面軌道8が配置されている。斜面軌道8とレールとの間の距離は最下点8aにおいて最も大きく、最下点8aから離れるに連れて小さくなっていく。なお、斜面軌道8の水平面に対する傾斜角度は最下点8aから左右どちら側についても同じであり、以下の説明において、その傾斜角度をθで表すものとする。
【0040】
質量体2には、例えばバネやゴムである弾性定数kを有する弾性体11の一端が接続されている。弾性体11の他端は、斜面軌道8の上面に沿って転動する車輪(水平な車軸を有している)9に接続されている。従って、弾性体11の弾性変形量は、レール5上における質量体2の位置によって変化する。また、弾性体11は、最下点8aを除いて斜面軌道8上の何処に車輪9がある場合であっても常に鉛直方向すなわち弾性体11の変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体2がレール5上において最下点8aに対応した位置にあるときに弾性体11は変形しておらず、それ以外の位置では弾性体11は弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体2がレール5上において最下点8aに対応した位置から離れるに連れて(言い換えると斜面軌道8上を走行する車輪9とレール5とが近づくに連れて)大きくなっていく。
【0041】
質量体2及び車輪9には、弾性体11と並列に、減衰体(ダンパー)13が接続されている。減衰体13は、弾性体11の弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、弾性体11に減衰運動を行わせる原因となる。
【0042】
上述したように、弾性体11が質量体2の位置に応じて鉛直方向外向きの力を発生するので、質量体2は弾性体11から常に上向きの力を受けることになる。そのため、質量体2からレール5に加えられる鉛直方向下向きの力は、弾性体11が存在しない場合よりも軽減される。なお、弾性体11が質量体2に与える上向きの力は、質量体2が最下点8aに対応した位置から離れるに連れて大きくなる。
【0043】
一方、斜面軌道8は車輪9を介して弾性体11から常に鉛直方向下向きの力を受ける。この力によって車輪9が常に斜面軌道8に対して下方に押し付けられるように、弾性体11及び車輪9のサイズは調整されている。また、弾性体11が斜面軌道8を下方に押す力は、質量体2が最下点8aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、後述するように、その弾性反力が最下点8aに対応した位置を中心として質量体2にレール5上を交番運動させる原因としての位置復元力となる。
【0044】
なお、本実施の形態において、斜面軌道8上を転動する車輪9は必ずしも必要ではなく、要は、弾性体11の下端部の斜面軌道8からの距離がほとんど変わらないようになっていればよい。例えば、車輪9の変わりに斜面軌道8に沿って移動するスライド体のようなものを用いてもよい。
【0045】
また、ガイド機構3は、必ずしも質量体2を貫通するレール5を有している必要はない。例えば、ガイド機構3は、質量体2の頂部と当接しつつこれを摺動させる板状体であってもよい。
【0046】
次に、図1に示す制振装置1の動作について、図2をさらに参照しつつ説明する。図2は、図1に示す制振装置において、弾性体の変位によって生じる弾性力の変化を図示した模式図である。なお、図2において、減衰体13の図示を省略している。まず、質量体2がレール5上において最下点8aに対応した位置にあるとき、弾性体11は変形しておらず、弾性体11は弾性力を発生しない。
【0047】
ここで、図示しない被制振体の振動により、質量体2が最下点8aに対応した位置から図2中左側又は右側へ距離xだけ移動したとする。このとき、弾性体11から質量体2及び斜面軌道8に与えられる弾性力は、弾性体11の弾性定数をkとして、kxtanθでそれぞれ表すことができる。
【0048】
質量体2に与えられる力は鉛直上向きであり、この力は質量体2からレール5に加えられる鉛直下向きの力と方向が反対である。そのため、上述したように、質量体2からレール5に加えられる鉛直方向下向きの力は、弾性体11が存在しない場合よりも軽減される。
【0049】
一方、斜面軌道8に与えられる力のうち、斜面軌道8に垂直な分力kxtanθcosθは斜面軌道8を押圧する力となる。また、斜面軌道8に水平な分力kxtanθsinθは、斜面軌道8に沿って最下点8aを向いており、この弾性反力に起因して質量体2は最下点8aを中心とした交番運動を行う。
【0050】
なお、上述したように、本実施の形態による制振装置1には質量体2と並列に減衰体13が接続されているため、実際には質量体2は交番運動を行いつつ減衰運動を行う。この点について詳述する。
【0051】
質量体2の運動エネルギーT及び位置エネルギーUと、弾性体11に関する散逸関数Fは、それぞれ、以下の式(1)、(2)、(3)のように表すことができる。なお、式(1)〜(3)において、Mは質量体2の質量、cは減衰体13の減衰係数、上に「・」が付されたxはxの一階時間微分をそれぞれ表している。
【0052】
【数1】
Figure 0003754656
【0053】
【数2】
Figure 0003754656
【0054】
【数3】
Figure 0003754656
【0055】
従って、質量体2のラグランジアンを式(4)のように表すことができる。よって、式(4)を式(5)に示すラグランジュ方程式に代入すると、式(6)の運動方程式を得ることができる。なお、式(5)においてtは時間を表しており、式(6)において上に「・・」が付されたxはxの二階時間微分を表している。
【0056】
【数4】
Figure 0003754656
【0057】
【数5】
Figure 0003754656
【0058】
【数6】
Figure 0003754656
【0059】
そして、式(6)から、以下の式(7)、(8)に示すように質量体2の振動周期T及び振動の減衰比ζが求められる。
【0060】
【数7】
Figure 0003754656
【0061】
【数8】
Figure 0003754656
【0062】
このように、本実施の形態による制振装置1では、質量体2がガイド機構3のレール5によって鉛直方向に拘束されつつ水平方向に移動するにつれて、斜面軌道8と質量体2との間の距離に応じた量だけ弾性体11が鉛直方向に弾性的に縮む。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道8に作用する力の斜面軌道8に沿った分力の弾性反力のために、質量体2は最下点8aを中心として振動する。この振動の周期は、式(7)からも明らかなように、斜面軌道8の傾斜角度θや質量体2の質量Mを変更しなくても、弾性体11の弾性係数kを調整することによって比較的容易に変更可能である。
【0063】
さらに、質量体2の振動の周期は、弾性体11の初期圧縮量(最下点8aでの圧縮量)を変更することによっても調整可能であり、その点からも利益が大きい。このように初期圧縮量を調整することで質量体2の振動周期を調整可能なのは、外力が作用していないときの質量体2の釣り合いの位置が弾性体11の初期圧縮量を変えることによって移動せず常に最下点8aになっているため、上述した式からも分かるように、初期圧縮量の変化がそのまま質量体2の復元力の変化につながるからである。
【0064】
また、本実施の形態による制振装置1は、質量体2の移動方向両側に弾性体を有していないために、比較的小さなものとすることができる。しかも質量体2の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体11の弾性係数kを調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。
【0065】
さらに、弾性体11の弾性変形によって発生する弾性力のうち質量体2に作用する力のために質量体2からレール5に加えられる力が軽減されることになって、レール5を含むガイド機構3の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構3の構造を簡素なものとすることが可能となる。そのため、制振装置1の軽量化及び低コスト化に資することが可能である。
【0066】
また、本実施の形態による制振装置1には質量体2と並列に減衰体13が設けられているために、質量体2が減衰運動を行う。従って、減衰体13が設けられていない場合よりも迅速に被制振体の振動を抑制することが可能になる。
【0067】
次に、図1に模式図として示した第1の実施の形態による制振装置1の具体的な設計例である第2の実施の形態について、図3を参照して説明する。図3(a)は本実施の形態による制振装置の正面図、図3(b)はその側面図である。
【0068】
図3(a)、(b)に示す制振装置21は、被制振体の振動エネルギーを吸収させるための質量体22と、質量体22を鉛直方向には変位しないように拘束するものの、水平な一方向(図3(a)における左右方向)に移動可能に支持するガイド機構23とを含んでいる。なお、質量体22は、前後に配置された2つの錘22a(二点鎖線で描かれている)やこれを支えるための構造物などの、後述するレール25に重量を加える原因となる部材を総称したものである。
【0069】
ガイド機構23は、質量体22を移動させるべき水平方向に伸延しており、質量体22に含まれる4つの車輪22b(それぞれが水平な車軸を有している)を転動可能に収容する凹部(2つの水平部とこれらを連結する1つの鉛直部とからなるを有するレール25を含んでいる。レール25には、質量体22による重量のほとんどが負荷として加えられるようになっている。レール25は、その両端においてレール支持体26によってそれぞれ支持されている。また、レール25の凹部及び車輪22bは、レール25に沿った質量体22の移動を容易にするためのベアリングを構成している。
【0070】
レール25の下方には、レール25の中央付近に対応した位置が最下点28aであり、そこから左右に向かうに連れて高さが直線的に増加する斜面軌道28が配置されている。斜面軌道28とレール25との間の距離は最下点28aにおいて最も大きく、最下点28aから離れるに連れて小さくなっていく。なお、斜面軌道28の水平面に対する傾斜角度θは最下点28aから左右どちら側についても同じである。
【0071】
質量体22には、下方が開放面となったシリンダ22cが含まれている。シリンダ22c内には、バネ定数kを有するコイルバネ31が収容されている。シリンダ22cは、2つの車輪29(それぞれが水平な車軸を有している)を支持する車輪支持体30の上部に固定されたピストン22dと対になっており、コイルバネ31は、シリンダ22cに対するピストン22dの位置に応じて弾性的に伸縮する。
【0072】
コイルバネ31の弾性変形量は、レール25上における質量体22の位置によって変化する。また、コイルバネ31は、最下点28aを除いて斜面軌道28上の何処に車輪29がある場合であっても常に鉛直方向すなわちコイルバネ31の伸縮方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体22がレール25上において最下点28aに対応した位置にあるときにコイルバネ31は変形しておらず、それ以外の位置ではコイルバネ31は弾性的に縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体22がレール25上において最下点28aに対応した位置から離れるに連れて大きくなっていく。
【0073】
シリンダ22c内の空間はオイルで満たされている。一方、ピストン22dの下方に設けられた空間もオイルで満たされており、これら2つの空間はオリフィスが設けられた通路(図示せず)を介して連通している。つまり、コイルバネ31の弾性力に抗してピストン22dが押し込まれてシリンダ22c内の空間容積が減少すると、シリンダ22c内にあったオイルがオリフィスを介してピストン22dの下方空間へと移動する。逆に、コイルバネ31の弾性力のためにピストン22dがシリンダ22cから離れる方向に変位してシリンダ22c内の空間容積が増加すると、ピストン22dの下方空間にあったオイルがオリフィスを介してシリンダ22c内へと移動する。このように、質量体22内に組み込まれたオイル及びオリフィスがダンパーとなってコイルバネ31に減衰運動を行わせるので、より迅速に被制振体の振動を抑制することが可能になる。
【0074】
上述したように、コイルバネ31が質量体22の位置に応じて鉛直方向外向きの力を発生するので、質量体22はコイルバネ31から常に上向きの力を受けることになる。そのため、質量体22からレール25に加えられる鉛直方向下向きの力は、コイルバネ31が存在しない場合よりも軽減される。なお、コイルバネ31が質量体22に与える上向きの力は、質量体22が最下点28aに対応した位置から離れるに連れて大きくなる。
【0075】
一方、斜面軌道28は車輪29を介してコイルバネ31から常に鉛直方向下向きの力を受ける。この力によって車輪29が常に斜面軌道28に対して下方に押し付けられるように、コイルバネ31、車輪29及び車輪支持体30のサイズは調整されている。また、コイルバネ31が斜面軌道28を下方に押す力は、質量体22が最下点28aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、最下点28aに対応した位置を中心として質量体22にレール25上を交番運動させる原因となる。
【0076】
本実施の形態の制振装置21において、斜面軌道28の上には、これと平行に平板状の2本の押え板33が配設されている。押え板33と斜面軌道28との距離は、車輪29の底部から車輪29の車軸29aまでの距離よりもやや大きく設定されている。これにより、押え板33は、車輪29が最下点28aに向かっている際にダンパーの作用によって車輪29が斜面軌道28から離れようとしたときに、各車輪29から水平外側に突出した車軸29aと当接する。このようにして、車輪29が斜面軌道28から浮き上がるのが押え板33によって防止されるので、設計値どおりの制振力が確保される。
【0077】
次に、本発明の第3の実施の形態について、図4に基づいて説明する。なお、以下の説明では本実施の形態による制振装置41と第1の実施の形態による制振装置1との相違点だけを説明し、両者に共通する事項についての説明を省略する。また、図4において、図1と同じ部材には同じ符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0078】
本実施の形態の制振装置41において、質量体2は、その下面に配された4つの車輪2a(図4にはそのうち2つだけが描かれている)によってレール45上を水平に走行する。レール45の上方には、レール45の中央付近に対応した位置が最下点43aであり、そこから左右に向かうに連れて高さが直線的に増加する斜面軌道43が配置されている。斜面軌道43とレール45との間の距離は最下点43aにおいて最も小さく、最下点43aから離れるに連れて大きくなっていく。なお、斜面軌道43の水平面に対する傾斜角度θは最下点43aから左右どちら側についても同じ大きさである。
【0079】
弾性体11の一端は質量体2に、他端は斜面軌道43の上面に沿って転動する車輪(水平な車軸を有している)44に接続されている。従って、弾性体11の弾性変形量は、レール45上における質量体2の位置によって変化する。また、弾性体11は、最下点43aを除いて斜面軌道43上の何処に車輪44がある場合であっても常に鉛直方向すなわち弾性体11の変形方向内向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体2がレール45上において最下点43aに対応した位置にあるときに弾性体11は変形しておらず、それ以外の位置では弾性体11は弾性変形により伸びている。そして、その伸び量は、質量体2がレール45上において最下点43aに対応した位置から離れるに連れて(言い換えると斜面軌道43上を走行する車輪44とレール45とが離れるに連れて)大きくなっていく。
【0080】
質量体2及び車輪44には、弾性体11と並列に、減衰体(ダンパー)13が接続されている。減衰体13は、弾性体11の弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、弾性体11に減衰運動を行わせる原因となる。
【0081】
上述したように、弾性体11が質量体2の位置に応じて鉛直方向内向きの力を発生するので、質量体2は弾性体11から常に上向きの力を受けることになる。そのため、質量体2からレール45に加えられる鉛直方向下向きの力は、弾性体11が存在しない場合よりも軽減される。なお、弾性体11が質量体2に与える上向きの力は、質量体2が最下点43aに対応した位置から離れるに連れて大きくなる。
【0082】
一方、斜面軌道43は車輪44を介して弾性体11から常に鉛直方向下向きの力を受ける。この力によって車輪44が常に斜面軌道43に対して下方に押し付けられるように、斜面軌道43の位置、弾性体11及び車輪2aのサイズは調整されている。また、弾性体11が斜面軌道43を下方に引っ張る力は、質量体2が最下点43aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、最下点43aに対応した位置を中心として質量体2にレール45上を交番運動させる原因となる。なお、質量体2の振動周期の調整は、弾性体11の弾性係数を変更するだけでなく、初期伸張量(最下点43aでの伸張量)を変更することによっても調整可能である。
【0083】
次に、本発明の第4の実施の形態について、図5に基づいて説明する。なお、以下の説明では本実施の形態による制振装置51と第1の実施の形態による制振装置1との相違点だけを説明し、両者に共通する事項についての説明を省略する。また、図5において、図1と同じ部材には同じ符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0084】
本実施の形態の制振装置51において、レール5の下方には、レール5の中央付近に対応した位置の左右に2つの最下点53aがあり、そこからそれぞれ左右に向かうに連れて高さが直線的に増加する斜面軌道53が配置されている。斜面軌道53とレール5との間の距離は最下点53aにおいて最も大きく、最下点53aから離れるに連れて小さくなっていく。なお、斜面軌道53の水平面に対する傾斜角度θは最下点53aから左右どちら側についても同じ大きさである。
【0085】
弾性体11の一端は質量体2に、他端は斜面軌道53の上面に沿って転動する2つの車輪(水平な車軸を有している)54に接続されている。2つの車輪54の水平距離は、2つの最下点53aの水平距離に等しい。従って、2つの車輪54は常に斜面軌道53上で同じ高さに維持される。従って、弾性体11によって生じる弾性力は2つの車輪54に均等に加えられる。このように、本実施の形態では、弾性体11の他端が2つの車輪53aに接続され且つこれらに弾性体11からの弾性力が均等に加えられるために、質量体2が安定に走行するようになる。
【0086】
次に、本発明の第5の実施の形態について、図6に基づいて説明する。なお、以下の説明では本実施の形態による制振装置61と第1の実施の形態による制振装置1との相違点だけを説明し、両者に共通する事項についての説明を省略する。また、図6において、図1と同じ部材には同じ符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0087】
本実施の形態の制振装置61において、質量体2は、その下方にある斜面軌道62と、上方にある斜面軌道63とによって挟まれている。斜面軌道62は、最下点62aを中心としてそこから左右に向かうに連れて高さが傾斜角度θで直線的に増加するものである。一方、斜面軌道63は、最上点63aを中心としてそこから左右に向かうに連れて高さが傾斜角度θで直線的に減少するものである。つまり、2つの斜面軌道62、63間の距離は、こららの端部から水平方向に移動するに連れて増加していき、最下点62a及び最上点63aに対応する位置で最大となり、その後減少していく。
【0088】
質量体2には、それぞれ弾性定数kを有する2つの弾性体11a、11bの一端と、2つの減衰体13a、13bの一端とがそれぞれ接続されている。弾性体11a及び減衰体13aの他端は、斜面軌道62の上面に沿って転動する車輪64に接続されている。一方、弾性体11b及び減衰体13bの他端は、斜面軌道63の下面に沿って転動する車輪65に接続されている。質量体2は2つの弾性体11a、11bから同じ大きさで反対方向の弾性力を受けることで、ガイド機構なしで2つの斜面軌道62、63の間を水平に走行可能となっている。
【0089】
弾性体11a、11bの弾性変形量は、質量体2の位置によって変化する。また、弾性体11a、11bは、最下点62a及び最上点63aを除いて斜面軌道62、63上の何処に車輪64、65がある場合であっても常に鉛直方向すなわち弾性体11a、11bの変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体2が斜面軌道62、63上において最下点62a及び最上点63aに対応した位置にあるときに弾性体11a、11bは変形しておらず、それ以外の位置では弾性体11a、11bは弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体2が最下点62a及び最上点63aに対応した位置から離れるに連れて大きくなっていく。
【0090】
斜面軌道62は車輪64を介して弾性体11a、11bから常に鉛直方向下向きの力を受ける。一方、斜面軌道63は車輪65を介して弾性体11a、11bから常に鉛直方向上向きの力を受ける。弾性体11a、11bが斜面軌道62、63を押す力は、質量体2が最下点62a及び最上点63aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、最下点62a及び最上点63aに対応した位置を中心として質量体2に交番運動させる原因となる。
【0091】
この交番運動の周期は、各斜面軌道62、63の傾斜角度θや質量体2の質量を変更しなくても、2つの弾性体11a、11bの弾性係数を調整することや、弾性体11a、11bの初期圧縮量を変更することによっても比較的容易に変更可能である。また、本実施の形態による制振装置61は、質量体2の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体2の移動範囲を大きくしなくとも、2つの弾性体11a、11bの弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。また、弾性体を2つ用いているために、各弾性体11a、11bを比較的小型のものとすることができる。
【0092】
しかも、本実施の形態による制振装置61は、上述した第1〜第4の実施の形態のようにレールを有するガイド機構を備えていないために、構造を簡略化することが可能で、軽量化及び低コスト化を図ることが可能である。なお、本実施の形態において質量体2を安定させるためにガイド機構を設けるようにしてもよい。
【0093】
なお、図6に示した例では、最下点62aと最上点63aとが鉛直方向に沿った同じ位置にあるが、最下点62aと最上点63aとが鉛直方向に沿った異なる位置にあってもよく、要は、質量体2を挟んで対向した2つの斜面軌道に、鉛直方向に沿った互いの距離が増加から減少に転ずる点が存在していればよい。
【0094】
次に、本発明の第6の実施の形態について、図7に基づいて説明する。なお、以下の説明では本実施の形態による制振装置71と第1の実施の形態による制振装置1との相違点だけを説明し、両者に共通する事項についての説明を省略する。また、図7において、図1と同じ部材には同じ符号を付すこととし、その説明を省略する。
【0095】
本実施の形態の制振装置71において、質量体2は、その下方にある斜面軌道72と、上方にある斜面軌道73とによって挟まれている。斜面軌道72は、最上点72aを中心としてそこから左右に向かうに連れて高さが傾斜角度θで直線的に減少するものである。一方、斜面軌道73は、最下点73aを中心としてそこから左右に向かうに連れて高さが傾斜角度θで直線的に増加するものである。つまり、2つの斜面軌道72、73間の距離は、こららの端部から水平方向に移動するに連れて減少していき、最上点72a及び最下点73aに対応する位置で最小となり、その後増加していく。
【0096】
質量体2には、それぞれ弾性定数kを有する2つの弾性体11a、11bの一端と、2つの減衰体13a、13bの一端とがそれぞれ接続されている。弾性体11a及び減衰体13aの他端は、斜面軌道72の下面に沿って転動する車輪74に接続されている。一方、弾性体11b及び減衰体13bの他端は、斜面軌道73の上面に沿って転動する車輪75に接続されている。質量体2は2つの弾性体11a、11bから同じ大きさで反対方向の弾性力を受けることで、ガイド機構なしで2つの斜面軌道72、73の間を水平に走行可能となっている。
【0097】
弾性体11a、11bの弾性変形量は、質量体2の位置によって変化する。また、弾性体11a、11bは、最上点72a及び最下点73aを除いて斜面軌道72、73上の何処に車輪74、75がある場合であっても常に鉛直方向すなわち弾性体11a、11bの変形方向内向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体2が斜面軌道72、73上において最上点72a及び最下点73aに対応した位置にあるときに弾性体11a、11bは変形しておらず、それ以外の位置では弾性体11a、11bは弾性変形により伸びている。そして、その伸び量は、質量体2が最上点72a及び最下点73aに対応した位置から離れるに連れて大きくなっていく。
【0098】
斜面軌道72は車輪74を介して弾性体11a、11bから常に鉛直方向上向きの力を受ける。一方、斜面軌道73は車輪75を介して弾性体11a、11bから常に鉛直方向下向きの力を受ける。弾性体11a、11bが斜面軌道72、73を引っ張る力は、質量体2が最上点72a及び最下点73aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、最上点72a及び最下点73aに対応した位置を中心として質量体2に交番運動させる原因となる。
【0099】
この交番運動の周期は、各斜面軌道72、73の傾斜角度θや質量体2の質量を変更しなくても、2つの弾性体11a、11bの弾性係数を調整することや、弾性体11a、11bの初期伸張量を変更することによっても比較的容易に変更可能である。また、本実施の形態による制振装置71は、質量体2の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体2の移動範囲を大きくしなくとも、2つの弾性体11a、11bの弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。また、弾性体を2つ用いているために、各弾性体11a、11bを比較的小型のものとすることができる。
【0100】
しかも、本実施の形態による制振装置71は、上述した第1〜第4の実施の形態のようにレールを有するガイド機構を備えていないために、構造を簡略化することが可能で、軽量化及び低コスト化を図ることが可能である。なお、本実施の形態において質量体2を安定させるためにガイド機構を設けるようにしてもよい。
【0101】
なお、図7に示した例では、最上点72aと最下点73aとが鉛直方向に沿った同じ位置にあるが、最上点72aと最下点73aとが鉛直方向に沿った異なる位置にあってもよく、要は、質量体2を挟んで対向した2つの斜面軌道に、鉛直方向に沿った互いの距離が減少から増加に転ずる点が存在していればよい。
【0102】
次に、本発明の第7の実施の形態について、図8を参照しつつ説明する。図8は、本実施の形態による制振装置の概略斜視図である。この制振装置81は、質量体82と、質量体82を鉛直方向には変位しないように拘束するものの、水平面内の任意の方向に移動可能に支持するガイド機構83とを含んでいる。
【0103】
ガイド機構83は、水平方向に伸延しており質量体82を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール85aと、レール85aと直交する方向に伸延しており質量体82を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール85bとを含んでいる。2本のレール85a、85bには、質量体82による重量のほとんどが負荷として加えられるようになっている。レール85aの両端には車輪86a、86bが回動自在に取り付けられている。車輪86a、86bの下には、車輪86a、86bを転動させるためのレール87a、87bがそれぞれ配置されている。レール85bの両端には車輪88a、88bが回動自在に取り付けられている。車輪88a、88bの下には、車輪88a、88bを転動させるためのレール89a、89bがそれぞれ配置されている。
【0104】
質量体82は、レール85a上をスライドすることで水平一方向に移動可能であり、しかも車輪86a、86bがレール87a、87b上を転動することでレール85aの伸延方向とは直交する方向に移動可能である。また、質量体82は、レール85b上をスライドすることで水平一方向に移動可能であり、しかも車輪88a、88bがレール89a、89b上を転動することでレール85bの伸延方向とは直交する方向に移動可能である。つまり、質量体82には、これを水平面内の任意方向に移動させるための機構が2つ設けられていることになる。従って、原則としては、どちらか一方の機構だけを用いればよい。しかし、その場合、後述する減衰体の作用によって、レール87a、87b又はレール89a、89bから車輪86a、86b又は88a、88bが浮き上がってしまうことがある。そのため、レール87a、87b又はレール89a、89bから車輪86a、86b又は88a、88bが浮き上がらないように規制する部材をさらに設けることによって、上記した2つの機構のいずれか一方を省略できる。
【0105】
上記した2つの機構のいずれか一方として例えばレール89a、89b及びレール85bを含む機構を省略した場合、2本のレール87a、87bの両方が必ずしも必要とされるわけではなく、レール85aがいわば片持ち状態となってしまうものの、そのいずれか一方を省略することができる。つまり、質量体82を水平面内の任意方向に移動させるためには、少なくとも2つのレールがあればいいことになる。
【0106】
4本のレール87a、87b、89a、89bに囲まれた領域内には、当該領域の中央付近に対応した位置が最下点91aであり、そこから周囲に向かうに連れて高さが直線的に増加する斜面軌道91が配置されている。斜面軌道91と質量体82が存在する水平面との間の距離は最下点91aにおいて最も大きく、最下点91aから離れるに連れて小さくなっていく。なお、斜面軌道91の水平面に対する傾斜角度θは最下点91aからどの方向についても同じである。
【0107】
質量体82には、例えばバネやゴムである弾性定数kを有する弾性体(質量体82内にあって図面には描かれていない)の一端が接続されている。弾性体の他端は、斜面軌道91の上面に沿って転動する車輪(水平な車軸を有している)92に接続されている。従って、弾性体の弾性変形量は、斜面軌道91に対する質量体82の位置によって変化する。また、弾性体は、最下点91aを除いて斜面軌道91上の何処に車輪92がある場合であっても常に鉛直方向すなわち弾性体の変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体82が最下点91aに対応した位置にあるときに弾性体は変形しておらず、それ以外の位置では弾性体は弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体82がレール85a、85b上において最下点91aに対応した位置から離れるに連れて大きくなっていく。
【0108】
質量体82及び車輪92には、弾性体と並列に、減衰体(ダンパー)(図示せず)が接続されている。減衰体は、弾性体の弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、弾性体に減衰運動を行わせる原因となる。
【0109】
上述したように、弾性体が質量体82の位置に応じて鉛直方向外向きの力を発生するので、質量体82は弾性体から常に上向きの力を受けることになる。そのため、質量体82からレール85a、85b、レール87a、87b及びレール89a、89bに加えられる鉛直方向下向きの力は、弾性体が存在しない場合よりも軽減される。なお、弾性体が質量体82に与える上向きの力は、質量体82が最下点91aに対応した位置から離れるに連れて大きくなる。
【0110】
一方、斜面軌道91は車輪92を介して弾性体から常に鉛直方向下向きの力を受ける。この力によって車輪92が常に斜面軌道91に対して下方に押し付けられるように、弾性体及び車輪92のサイズは調整されている。また、弾性体が斜面軌道91を下方に押す力は、質量体82が最下点91aに対応した位置から離れるに連れて大きくなり、最下点91aに対応した位置の回りにおいて質量体2に交番運動をさせる原因となる。
【0111】
このように、本実施の形態による制振装置81では、質量体82が水平面内の任意方向に移動可能であるので、被制振体の振動方向に拘わらず、その振動を抑制することが可能である。
【0112】
なお、本実施の形態の制振装置81において、斜面軌道91は円錐形状となっているが、斜面軌道としては、凹面形状であれば、下側に突出した曲面形状などの円錐形状以外の形状のものを用いてもよい。
【0113】
次に、本発明の第8の実施の形態について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本実施の形態による制振装置の概略構成図である。この制振装置91は、質量体92と、質量体92を水平方向には変位しないように拘束するものの、鉛直方向(図9における上下方向)に移動可能に支持するガイド機構93とを含んでいる。
【0114】
ガイド機構93は、鉛直方向に伸延しており質量体92を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール95を含んでいる。レール95は、その両端においてレール支持体96によってそれぞれ支持されている。また、レール95の質量体92との接触部分には、質量体92のレール95に沿った移動を容易にするために図示しないベアリングが配置されている。
【0115】
レール95の左方には、上方に行くに連れてレール95からの距離が増加するように傾いた斜面軌道98が配置されている。斜面軌道98とレール95との間の距離は最上点98aにおいて最も大きく、最下点98bにおいて最も小さくなる。なお、本実施の形態において、斜面軌道98の鉛直面に対する傾斜角度がθで表される。
【0116】
質量体92には、例えばバネやゴムである弾性定数kを有する弾性体101の一端が接続されている。弾性体101の他端は、斜面軌道98の上面に沿って転動する車輪(水平な車軸を有している)99に接続されている。従って、弾性体101の弾性変形量は、質量体92の鉛直方向の位置によって変化する。また、弾性体101は、斜面軌道98上の何処に車輪99がある場合であっても常に水平方向すなわち弾性体101の変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体92がレール95上のどこにあろうとも、弾性体101は弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体92がレール95上において最上点98aに対応した位置から最下点98bに近づくに連れて(言い換えると斜面軌道98上を走行する車輪99とレール95とが近づくに連れて)大きくなっていく。従って、質量体92は、その質量にかかる重力が斜面軌道98に加える力の斜面に沿った成分と、弾性体101による弾性力が斜面軌道98に加える力の斜面に沿った成分との大きさが釣り合う位置で静止している。
【0117】
一方、斜面軌道98は車輪99を介して弾性体101から常に左向きの力を受ける。この力によって車輪99が常に斜面軌道98に対して下方に押し付けられるように、弾性体101及び車輪99のサイズは調整されている。また、弾性体101が斜面軌道98を左方に押す力は、質量体92が下方に移動するに連れて大きくなり、釣り合い位置を中心として質量体92にレール95上を交番運動させる原因となる。
【0118】
質量体92及び車輪99には、弾性体101と並列に、減衰体(ダンパー)103が接続されている。減衰体103は、弾性体101の弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、弾性体101に減衰運動を行わせる原因となる。
【0119】
以上説明したように、本実施の形態によると、質量体92がガイド機構93によって水平方向に拘束されつつ鉛直方向に移動するにつれて、斜面軌道98と質量体92との間の距離に応じた量だけ弾性体101が水平方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道98に作用する力の斜面軌道98に沿った分力のために、質量体92は自らの質量にかかる重力との釣り合い位置を中心として振動する。この振動の周期は、斜面軌道98の傾斜角度θや質量体92の質量を変更しなくても、弾性体101の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、質量体92の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体92の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体101の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができるという利点がある。さらに、本実施の形態によると、弾性体101の弾性係数を変更することで質量体92の釣り合い位置を調整することができるので、釣り合い位置を斜面軌道98の中央に設定することで斜面軌道98の長さが一定という条件下において質量体92が最大の振幅で振動するのを可能とすることができる。これにより、大きな制振力を確保することが可能となる。
【0120】
一方、ガイド機構93のレール95は質量体92が鉛直方向に動くように質量体92を支持しているので、質量体92からレール95に加えられる力は比較的小さい。そのため、レール95を含むガイド機構93の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構93の構造を簡素なものとすることが可能となる。従って、制振装置91の軽量化及び低コスト化を実現することが可能となる。
【0121】
次に、本発明の第9の実施の形態について、図10を参照しつつ説明する。図10は、本実施の形態による制振装置の概略構成図である。この制振装置111は、質量体112と、質量体112を水平方向には変位しないように拘束するものの、鉛直方向(図10における上下方向)に移動可能に支持するガイド機構113とを含んでいる。
【0122】
ガイド機構113は、鉛直方向に伸延しており質量体112を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール115を含んでいる。レール115は、その両端においてレール支持体116によってそれぞれ支持されている。また、レール115の質量体112との接触部分には、質量体112のレール115に沿った移動を容易にするために図示しないベアリングが配置されている。
【0123】
レール115の左方には、上方に行くに連れてレール115からの距離が増加するように傾いた斜面軌道118が配置されている。斜面軌道118とレール115との間の距離は最上点118aにおいて最も大きく、最下点118bにおいて最も小さくなる。他方、レール115の右方には、上方に行くに連れてレール115からの距離が増加するように傾いた斜面軌道119が配置されている。斜面軌道119とレール115との間の距離は最上点119aにおいて最も大きく、最下点119bにおいて最も小さくなる。なお、本実施の形態において、2つの斜面軌道118、119の鉛直面に対する傾斜角度がθで表される。
【0124】
質量体112には、それぞれ弾性定数kを有する2つの弾性体121a、121bの一端と、2つの減衰体123a、123bの一端とがそれぞれ接続されている。弾性体121a及び減衰体123aの他端は、斜面軌道118の上面に沿って転動する車輪126に接続されている。一方、弾性体121b及び減衰体123bの他端は、斜面軌道119の上面に沿って転動する車輪127に接続されている。本実施の形態では上述したようにガイド機構113が設けられているが、質量体112は2つの弾性体121a、121bから同じ大きさで反対方向の弾性力を受けることで、ガイド機構113なしで2つの斜面軌道118、119の間を鉛直に変位可能となっている。減衰体123a、123bは、弾性体121a、121bの弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、質量体112に減衰運動を行わせる原因となる。
【0125】
弾性体121a、121bの弾性変形量は、質量体112の鉛直方向の位置によって変化する。また、弾性体121a、121bは、斜面軌道118、119上の何処に車輪126、127がある場合であっても常に水平方向すなわち弾性体101の変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体112がレール115上のどこにあろうとも、弾性体121a、121bは弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体112がレール115上において最上点118a、119aに対応した位置から最下点118b、119bに近づくに連れて(言い換えると斜面軌道118、119上を走行する車輪126、127とレール115とが近づくに連れて)大きくなっていく。従って、質量体112は、その質量にかかる重力が斜面軌道118、119に加える力の斜面に沿った成分と、弾性体121a、121bによる弾性力が斜面軌道118、119に加える力の斜面に沿った成分との大きさが釣り合う位置で静止している。
【0126】
一方、斜面軌道118は車輪126を介して弾性体121a、121bから常に左向きの力を受け、斜面軌道119は車輪127を介して弾性体121a、121bから常に右向きの力を受ける。この力によって車輪126が常に斜面軌道118に対して左方に押し付けられ且つ車輪127が常に斜面軌道119に対して右方に押し付けられるように、弾性体121a、121b及び車輪126、127のサイズは調整されている。また、弾性体121a、121bが斜面軌道118、119を押す力は、質量体112が下方に移動するに連れて大きくなり、釣り合い位置を中心として質量体112にレール115上を交番運動させる原因となる。
【0127】
以上説明したように、本実施の形態によると、質量体112がその左右から2つの弾性体121a、121bに支えられつつ鉛直方向に移動するにつれて、各斜面軌道118、119と質量体112との間の距離に応じた量だけ弾性体121a、121bが水平方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち各斜面軌道118、119に作用する力の各斜面軌道118、119に沿った分力のために、質量体112は自らの質量にかかる重力との釣り合い位置を中心として振動する。この振動の周期は、各斜面軌道118、119の傾斜角度θや質量体112の質量を変更しなくても、弾性体121a、121bの弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、質量体112の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体112の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体121a、121bの弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。さらに、弾性体121a、121bの弾性係数を変更することで質量体112の釣り合い位置を調整することができるので、釣り合い位置を各斜面軌道118、119の中央に設定することで斜面軌道118、119の長さが一定という条件下において質量体112が最大の振幅で振動するのを可能とすることができる。これにより、大きな制振力を確保することが可能となる。
【0128】
さらに、上述した第1〜第4の実施の形態のようなレールを有するガイド機構113を省略することができるために、構造を簡略化することが可能で、軽量化及び低コスト化を図ることが可能である。
【0129】
次に、本発明の第10の実施の形態について、図11を参照しつつ説明する。図11は、本実施の形態による制振装置の概略構成図である。この制振装置131は、質量体132と、質量体132を水平方向には変位しないように拘束するものの、鉛直方向(図11における上下方向)に移動可能に支持するガイド機構133とを含んでいる。
【0130】
ガイド機構133は、鉛直方向に伸延しており質量体132を貫いてこれを摺動可能に支持する棒状のレール135を含んでいる。レール135は、その両端においてレール支持体136によってそれぞれ支持されている。また、レール135の質量体132との接触部分には、質量体132のレール135に沿った移動を容易にするために図示しないベアリングが配置されている。
【0131】
レール135の左方には、レール135の中央付近に対応した位置が最もレール135から離れた最遠点138aであり、そこから上下に向かうに連れてレールからの距離が直線的に減少する斜面軌道138が配置されている。斜面軌道138とレール135との間の距離は最遠点138aにおいて最も大きく、上下端において最も小さくなる。なお、本実施の形態において、斜面軌道138の水平面に対する傾斜角度がθで表される。
【0132】
質量体132には、例えばバネやゴムである弾性定数kを有する弾性体101の一端が接続されている。弾性体101の他端は、斜面軌道138に沿って転動する車輪(水平な車軸を有している)139に接続されている。従って、弾性体101の弾性変形量は、質量体132の鉛直方向の位置によって変化する。また、弾性体101は、斜面軌道138上の何処に車輪139がある場合であっても常に水平方向すなわち弾性体101の変形方向外向きの力を発生するように調整されている。つまり、質量体132がレール135上のどこにあろうとも、弾性体101は弾性変形により縮んでいる。そして、その縮み量は、質量体132がレール135上において最遠点138aに対応した位置から最下点138bに近づくに連れて(言い換えると斜面軌道138上を走行する車輪139とレール135とが近づくに連れて)大きくなっていく。
【0133】
一方、質量体132の下面とレール支持体136との間には、弾性体141が配置されている。弾性体141は、制振装置131の外部からの力(外力)が加えられていない状態において車輪139が最遠点138aに位置するような長さ及び弾性係数に調整されている。つまり、質量体132は、外力が加えられていない状態では、自らの質量にかかる下向きの重力から弾性体141からの上向きの付勢力を引いた力が斜面軌道138に加える力の斜面に沿った成分と、弾性体101による弾性力が斜面軌道138に加える力の斜面に沿った成分とが釣り合う位置で静止しており、その位置が最遠点138aであって釣り合い位置となっている。
【0134】
一方、斜面軌道138は車輪139を介して弾性体101から常に左向きの力を受ける。この力によって車輪139が常に斜面軌道138に対して右方に押し付けられるように、弾性体101及び車輪139のサイズは調整されている。また、弾性体101が斜面軌道138を左方に押す力は、質量体132が最遠点138aから離れるに連れて大きくなり、釣り合い位置を中心として質量体132にレール135上を交番運動させる原因となる。
【0135】
質量体132及び車輪139には、弾性体101と並列に、減衰体(ダンパー)103が接続されている。減衰体103は、弾性体101の弾性変形に対する抵抗として機能するものであって、弾性体101に減衰運動を行わせる原因となる。
【0136】
以上説明したように、本実施の形態によると、質量体132がガイド機構133によって水平方向に拘束されつつ鉛直方向に移動するにつれて、斜面軌道138と質量体132との間の距離に応じた量だけ弾性体101が水平方向に弾性変形する。この弾性変形によって発生する弾性力のうち斜面軌道138に作用する力の斜面軌道138に沿った分力のために、質量体132は最遠点138aを中心として振動する。この振動の周期は、斜面軌道138の傾斜角度θや質量体132の質量を変更しなくても、弾性体101の弾性係数又はその初期圧縮量を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、質量体132の移動方向両側に弾性体を有していないために比較的小さなものとすることができ、しかも質量体132の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体101の弾性係数などを調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができるという利点がある。
【0137】
また、本実施の形態では、質量体132は鉛直方向に変位する弾性体141によって付勢されることによって、外力が加えられていない状態において最遠点138aに対応する高さに位置しており、質量体132は最遠点138aを中心として振動する。従って、弾性体141が用いられない場合と比べて斜面軌道138の使用される部分が多くなって斜面軌道138をより有効に用いることが可能となる。
【0138】
また、ガイド機構133のレール135は質量体132が鉛直方向に動くように質量体132を支持しているので、質量体132からレール135に加えられる力は比較的小さい。そのため、レール135を含むガイド機構133の強度を過度に大きくする必要がなくなり、ガイド機構133の構造を簡素なものとすることが可能となる。従って、制振装置131の軽量化及び低コスト化を実現することが可能となる。
【0139】
なお、本実施の形態において、質量体132の下面とレール支持体136との間に弾性体141を配置する代わりに、質量体132の上面とレール支持体136との間に弾性体を配置してもよいし、これら両方に弾性体を配置してもよい。
【0140】
また、本実施の形態において、斜面軌道138を図11に示したのとは逆に、上下端が最遠点となり、中央部が最近点となるように形成し、弾性体101が常に伸張しているように調整されていてもよい。
【0141】
また、本実施の形態の変形例として、図10に示した第9の実施の形態のように、レールに対して対称な2つ又はそれ以上の斜面軌道を用意し、これらの間に配置された弾性体の弾性力で質量体132が保持されるような構成としてもよい。これについての詳細は図10で説明した実施の形態と同様であるため省略する。
【0142】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、質量体の移動方向と弾性体の変位方向とを直交するようにしているが、弾性体の変位方向は質量体の移動方向と交差する任意の方向であってよい。また、弾性体としては、バネのほか、積層ゴムなど公知のものをいずれも用いることができる。また、上述の実施の形態では、減衰体を用いているが、必ずしも減衰体を用いなくてもよい。
【0143】
また、上述の実施の形態において、拘束部材としてレールが用いられているが、拘束部材は必ずしもレールだけに限られない。例えば、第1の実施の形態において、質量体2の上面と接触する水平天井面が拘束部材であってもよい。その他、拘束部材は、制振装置の具体的な形態に応じて適切なものを用いることができ、鉛直方向(又は水平方向)に移動可能としつつ水平方向(又は鉛直方向)に拘束するものであればよい。
【0144】
また、1つの変形例として、例えば第1の実施の形態において、最下点8aが1つの曲面上にあるように斜面軌道8の形状を変更してもよい。図12は、この変形例における、最下点8a近傍の拡大図である。本変形例の斜面軌道8’の場合、最下点8aでの傾斜角度はほぼゼロであるが、最下点8aから離れるに連れて傾斜角度が大きくなってθに近づく。つまり、最下点8aは連続した1つの曲面上にあって、そこでの車輪9の進行方向が急激に変わることがない。従って、図1に示したように最下点8aが2つの平面の交差部である場合と比較すると、車輪9が最下点8aを円滑に通過することができるようになるので、質量体2の移動が阻害されたり、質量体2の移動に伴って斜面軌道8’と車輪9との衝突音が発生するのを抑制可能となる。なお、この変形例は、図3〜図8に描いた実施の形態にも適用可能である。例えば、図6に示す実施の形態に適用した場合、最下点62a及び最上点63aがそれぞれ別の1つの曲面上にあればよい。
【0145】
【発明の効果】
請求項1、3によると、質量体の振動の周期を、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、装置の大きさを比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。さらに、ガイド機構の構造を簡素なものとすることが可能となって、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。なお、請求項1によると、弾性体の初期圧縮量(或いは初期伸張量)を変更することによっても質量体の振動の周期を変更することが可能となる。
【0146】
請求項2によると、水平面内の任意方向に質量体を振動させることができるので、水平面内で任意の方向に振動する被制振体の制振が可能となる。
【0147】
請求項4によると、質量体の振動の周期を、斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、弾性体の弾性係数やその初期圧縮量(或いは初期伸張量)を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、装置の大きさを比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、弾性体の弾性係数などを調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。さらに、ガイド機構の構造を簡素なものとすることが可能となって、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0148】
請求項5によると、ベアリングによって質量体が円滑に移動できるようになる。
【0149】
請求項6、7によると、質量体の振動の周期を、各斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、2つの弾性体の弾性係数を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、装置の大きさを比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、2つの弾性体の弾性係数を調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。さらに、請求項1〜4の制振装置のようにレールを有するガイド機構を備える必要がないために、構造を簡略化することが可能で、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。なお、請求項6によると、弾性体の初期圧縮量(或いは初期伸張量)を変更することによっても質量体の振動の周期を変更することが可能となる。
【0150】
請求項3、6によると、弾性体の弾性係数を変更することで質量体の釣り合い位置を調整することができるので、釣り合い位置を斜面軌道の中央に設定することで斜面軌道の長さが一定という条件下において質量体が最大の振幅で振動するのを可能とすることができる。これにより、大きな制振力を確保することが可能となる。
【0151】
請求項8によると、質量体の振動の周期を、各斜面軌道の傾斜角度や質量体の質量を変更しなくても、複数の弾性体の弾性係数又は弾性体の初期圧縮量(或いは初期伸張量)を調整することによって比較的容易に変更可能である。また、装置の大きさを比較的小さなものとすることができ、しかも質量体の移動範囲を大きくしなくとも、複数の弾性体の弾性係数などを調整することによって装置を大型化することなく大きな制振力を得ることができる。さらに、請求項1〜4の制振装置のようにレールを有するガイド機構を備える必要がないために、構造を簡略化することが可能で、制振装置の軽量化及び低コスト化に資することができるようになる。
【0152】
請求項9によると、弾性体が減衰運動を行うことにより、より迅速に被制振体の振動を抑制することが可能になる。
【0153】
請求項10によると、弾性体が減衰運動することに起因して弾性体の質量体とは反対側の端部が斜面軌道から離れてしまうのを防止することができる。そのため、所望の制振力を確保することが可能となる。
【0154】
請求項11、12によると、拘束部材とは反対側にある弾性体の端部又はこの端部に結合された部材が頂部を円滑に通過することができるようになるので、質量体の移動が阻害されたり、質量体の移動に伴って斜面軌道と弾性体又はこれと結合された車輪などの部材との衝突音が発生するのを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図2】図1に示す制振装置において、弾性体の変位によって生じる弾性力の変化を図示した模式図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態による制振装置の正面図及び側面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第6の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第7の実施の形態による制振装置の斜視図である。
【図9】本発明の第8の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図10】本発明の第9の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第10の実施の形態による制振装置の概略構成図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の変形例を描いた拡大図である。
【符号の説明】
1 制振装置
2 質量体
3 ガイド機構
5 レール
6 レール支持体
8 斜面軌道
9 車輪
11 弾性体
13 減衰体

Claims (12)

  1. 質量体と、
    前記質量体を水平方向に移動可能としつつ鉛直方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、
    前記拘束部材からの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる頂部を有する斜面軌道と、
    前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ水平方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  2. 前記ガイド機構は水平面内の任意方向に前記質量体を移動可能とし、前記斜面軌道が凹面形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の制振装置。
  3. 質量体と、
    前記質量体を鉛直方向に移動可能としつつ水平方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、
    前記拘束部材からの距離が上方に行くに連れて増加する部分を有する斜面軌道と、
    前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  4. 質量体と、
    前記質量体を鉛直方向に移動可能としつつ水平方向に拘束する拘束部材を有するガイド機構と、
    前記拘束部材からの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる頂部を有する斜面軌道と、
    前記斜面軌道と前記質量体との間に配置され、前記斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び前記斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  5. 前記ガイド機構が、前記質量体の移動を容易にするベアリングを有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の制振装置。
  6. 質量体と、
    鉛直方向に沿った互いの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる点が存在するように前記質量体を挟んで対向した2つの斜面軌道と、
    各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ水平方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた2つの弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  7. 質量体と、
    互いの距離が上方に行くに連れて増加する部分を有するように前記質量体を挟んで対向した少なくとも2つの斜面軌道と、
    各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた少なくとも2つの弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  8. 質量体と、
    水平方向に沿った互いの距離が増加から減少又は減少から増加に転ずる点が存在するように前記質量体を挟んで対向した少なくとも2つの斜面軌道と、
    各斜面軌道と前記質量体との間にそれぞれ配置され、各斜面軌道と前記質量体との間の距離に応じた量だけ鉛直方向と交差する方向に弾性変形して前記質量体及び各斜面軌道に作用する弾性力を発生させるように設けられた少なくとも2つの弾性体とを備えていることを特徴とする制振装置。
  9. 前記弾性体が減衰運動を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の制振装置。
  10. 前記弾性体の前記斜面軌道側の端部と前記斜面軌道との距離を一定に保つための距離保持手段をさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の制振装置。
  11. 前記頂部が1つの曲面上にあることを特徴とする請求項1、4に記載の制振装置。
  12. 2つの前記斜面軌道にある頂部がそれぞれ1つの曲面上にあることを特徴とする請求項6、8に記載の制振装置。
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