JP3754292B2 - 結晶シート製造装置および結晶シート製造方法 - Google Patents

結晶シート製造装置および結晶シート製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属もしくは半導体の融液から板状の結晶シートを製造する結晶シート製造装置および製造方法に関するものである。特に低コスト太陽電池用シート状Si(シリコン)基板の製造装置および製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池に用いられている多結晶Siを作製する代表的な方法として、不活性雰囲気中でリンあるいはボロン等のドーパントを添加した高純度Si材料を坩堝中で加熱溶融させ、この融液を鋳型に流込んで冷却し、多結晶インゴットを得る鋳造方法がある。さらにスライシング工程を経て太陽電池に使用されるSiウエハが得られる。
【0003】
従来方法では、Si鋳造工程に加え、高いコストを要するスライス工程が必要なこと、またこのスライス工程でワイヤや内周刃の厚み分以上の材料ロスを生じること等、低コスト化を図るうえで大きな障害になっていた。
【0004】
一方、これにかわり、溶融Siから直接Siシートを作製する方法、具体的には、回転機構を利用した移動手段によって基体をSi融液中に一定時間浸漬させ、基体表面にSiを付着、成長させるSiシート製造方法が本件出願人によって提案され、試みられつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図10および図11は、本件出願人が提案した従来のSiシート製造装置100の一例を示す断面図であり、図10は結晶シート生成前の装置の状態を示す。本出願人が提案する従来のSiシート製造方法では、Si融液中に浸漬する基体3を回転体1の外周部に配置している。従来のシート製造装置100は、回転体1外周部全周を覆うように複数(図では12個)の基体3が配置され、これらの複数の基体3が、回転体1に取り付けられた回転軸2と一体に回転する。図10に示すように、結晶シート生成前の状態では、回転体1の外周部に配置した基体3は坩堝9内融液8面の上方にある。
【0006】
図11は、坩堝9が上昇して基体3表面が融液8内に浸漬した状態を示す。まず坩堝9が上昇し、基体3が融液8に浸漬する。浸漬を確認した後、すぐに回転体1が回転する。回転体外周部に配置された複数の基体3は、融液8に順次浸漬し、各基体表面に結晶シートが形成される。回転体1が一回転し、初期位置に達する、すなわち最初に浸漬した基体3−15が再び浸漬すると回転が停止し、すぐに坩堝9が下方に移動し、基体3が融液面から離脱する。
【0007】
回転体1が一回転し初期位置に達したとき、図11に示すように、最初に浸漬した基体3−15の表面全て、および該基体3−15に隣接する基体3−14,3−16のコーナ部3−14c,3−16cは、回転停止した状態で浸漬状態にあり、その他の、回転中に浸漬する基体に比べ、浸漬時間が長く、かつ結晶シートの厚さが厚く、またうねりがちであり、加工された結晶シートの品質も安定しなかった。
【0008】
以上のように回転開始状態で基体3ー15が浸漬し、また回転停止状態で再び基体3−15が浸漬し、浸漬を2回行う「重ね塗り加工」をしていることから、開始時および停止時の基体3−15に凝固成長する結晶シートは、それ以外の基体に凝固成長する結晶シートに比べ、厚みが大きく、また肉厚ムラも顕著であり、品質的バラツキが大きかった。
【0009】
また従来方式では、加工を開始すると、加工終了まで回転は止められなかったため、回転中に並行して行う、浸漬後の基体に凝固成長した結晶シートの剥離、回収作業も回収ミスによる結晶シートの融液中への落下等歩留まりが大きくなる要因になっていた。さらに、基体表面の異物除去、ブラッシングによるクリーニング等によりゴミが下方の坩堝に混入し、品質低下の一因になっていた。
【0010】
したがって本発明の目的は、各基体に形成される結晶シートを均一に形成し、結晶シートの品質を安定かつ向上することができる結晶シート製造装置および製造方法を提供することである。また本発明の他の目的は、結晶シート剥離時および基体表面クリーニング時に、融液中に異物が混入することを防止し、結晶シート製造における品質を向上することができる結晶シート製造装置および製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、金属もしくは半導体材料の融液に基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造装置において、
外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体を有することを特徴とする結晶シート製造装置である。
【0012】
本発明に従えば、回転体外周に形成される欠落領域が融液面に対向する位置に配置されるとき、回転体外周に配置される基体が、融液面に浸漬することを防止することができる。したがって、欠落領域が融液面に対向する位置に配置した状態から、回転体を一回転させることによって、基体が2度浸漬することなく、基体表面に品質のばらつきの少ない均一な結晶シートを形成することができる。
【0013】
また本発明は、前記欠落領域に、前記基体を保持するための保持基板が設けられることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、保持基板によって基体が回転体外周に保持される。したがって、基体を取り外すことによって、任意の領域に欠落領域を形成することができる。また損傷した基体を容易に取り替えることができ、メンテナンス性を向上することができる。
【0015】
また本発明は、坩堝内に貯留される金属もしくは半導体材料の融液に、基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造方法において、
外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体の前記欠落領域を坩堝内の融液面上に対向させ、
前記回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、坩堝を上昇させ、
前記回転体を回転させて各基体を融液内に順次浸漬させ、
前記回転体の欠落領域が融液面と再度対向する回転位置まで回転させ、
当該回転動作を停止し、坩堝を下降させることを特徴とする結晶シート製造方法である。
【0016】
本発明に従えば、回転体の欠落領域を融液面上に対向させて、次に回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、坩堝を上昇させることによって、各基体を融液に浸漬することなく、回転体を融液上に配置することができる。
【0017】
また、次に回転体を回転させて各基体を融液に順次浸漬させることによって、各基体に均等な結晶シートを生成することができる。次に回転体の欠落領域が融液面と再度対向する回転位置まで回転させ、次に回転動作を停止し、坩堝を下降させることによって、各基体が2度浸漬することなく、さらに基体表面に品質のばらつきの少ない結晶シートを形成することができる。
【0018】
また本発明は、坩堝内に貯留される金属もしくは半導体材料の融液に、基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造方法において、
外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体の前記欠落領域を坩堝内の融液面上に対向させ、
前記回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、回転体を下降させ、
前記回転体を回転させて各基体を融液内に順次浸漬させ、
前記欠落領域が融液面上に再度対向する回転位置まで回転させ、
当該回転動作を停止し、回転体を上昇させることを特徴とする結晶シート製造方法である。
【0019】
本発明に従えば、回転体の欠落領域を融液面上に対向させて、次に回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、回転体を下降させることによって、各基体を融液に浸漬することなく、回転体を融液上に配置することができる。
【0020】
また、次に回転体を回転させて各基体を融液に順次浸漬させることによって、各基体に均等な結晶シートを生成することができる。次に回転体の欠落領域が融液面と再度対向する回転位置まで回転させ、次に回転動作を停止し、回転体を上昇させることによって、各基体が2度浸漬することなく、さらに基体表面に品質のばらつきの少ない結晶シートを形成することができる。
【0021】
また本発明は、前記基体の融液への浸漬を終了させ、回転体を融液面から離間させた状態で、回転体と融液面との間に坩堝遮蔽板を挿入し、融液面を覆うことを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、回転体と融液面との間に坩堝遮蔽板を挿入することによって、融液面を覆うことができる。したがって、融液中に不純物が混入する恐れを減らすことができる。これによって、形成される結晶シートの品質を向上することができる。
【0023】
また本発明は、坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される結晶シートを剥離することを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される結晶シートを剥離する。したがって、結晶シート剥離作業中に、発生する脱落粉などのゴミが融液中に落下することを防止することができる。これによって、融液の乱れおよび不純物の混入をさらに減少することができ、形成される結晶シートの品質をさらに向上することができる。
【0025】
また本発明は、坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される付着物の除去および清掃を行うことを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される付着物の除去および清掃を行う。したがって、基体表面の付着物の除去および清掃時に、融液中に異物が混入することを防止し、形成される結晶シートの品質をさらに向上することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、本発明の実施の一形態の結晶シート製造装置30を示す概略断面図であり、図1は結晶シート形成前の状態を、図2は結晶シート形成後の状態をそれぞれ示す。結晶シート製造装置30は、基体3を坩堝内のSi融液に浸漬し、基体3に融液8を凝固成長させて、結晶シートを基体3に形成することができる装置である。
【0028】
図1に示すように、本発明の結晶シート製造装置30は、回転体1、基体3、保持基板4、坩堝9および坩堝保持板10を有している。主要構造部である回転体1は、水平方向に延びる回転軸2が一体に固定され、装置本体外部からの駆動力によって制御回転が行われる。この回転体1の外周部を囲むように、複数の保持基板4が各ピン6によって、回転体1に固定されている。また保持基板4には耐熱ねじ5によって、基体3が配設される。したがって、回転体1が回転すると、基体3が回転体1の外周を回転軸2まわりに回転する。
【0029】
また基体3は回転体1の全周にわたって形成されておらず、回転体1の外周には、複数の基体3が配設される領域とともに、一個分以上の基体3が配設されない欠落領域Sが設けられる。本実施の形態では図1に示すように、回転体1の外周部には12個の保持基板4が結合されており、基体3が回転体1の周方向に連続して10個配置される。また欠落領域Sには、ダミー基体7が保持基板4に結合されており、回転体1の周方向に連続して2個配置される。このダミー基体7は、略矩形板状に形成され、厚みが基体3に比べて薄く形成される。前記基体3およびその表面の熱は、回転軸2内に設けられる冷却管からの冷却水または冷却ガスによって回転体1を通じ抜熱することができる。
【0030】
回転体1の下方には、坩堝9が上下駆動機構を有する坩堝保持板10上に配設されている。坩堝9の外周には誘導加熱装置21が配設され、この誘導加熱装置21によって坩堝9を加熱し、坩堝9の内のSiを溶解することができる。
【0031】
回転体1が回転軸回りに一方向Kに回転することによって、各基体3が、連続的に融液8中に順次浸漬され、図2に示すように、基体3の表面に結晶シート20を生成することができる。このとき欠落領域Sに形成されるダミー基体7は、前述のように基体3よりも薄く形成されるので融液8に浸漬せず、ダミー基体7の表面には結晶シート2が生成されない。
【0032】
図3は基体3および保持基板4を示す正面図であり、図4は、図3の側面図をである。基体3および保持基板4は、略矩形状に形成されており、耐熱ねじ5が取り付けられることによって、厚み方向に重なるように連結される。基体3の厚み方向の一方の面は保持基板4に当接し、他方の面に結晶シートが形成される。また保持基板4は、厚み方向に突出する突出部4aを有し、突出部4aにはピン6が挿通する一対のピン孔6hが設けられる。
【0033】
回転体1の外周に基体3の欠落領域Sを設けたことについて、図5(1)〜図5(8)を用いて説明する。図5は結晶シート製造装置30のシート形成動作工程を示す該略図である。
【0034】
まず図5(1)はシート形成工程の初期状態であり、回転体1および基体3が坩堝9内の融液8の上方にある。そして、ダミー基体7が融液面上に対向する(回転体1の最下限)位置に配置される。
【0035】
次に図5(2)に示すように、坩堝9の融液8がダミー基体7と近接する位置まで、坩堝保持板10が上方U1に上昇する。次に図5(3)に示すように回転体1は一方の回転方向K(図5では反時計まわり)に回転する。これによって回転体1の外周に配設される複数の基体3は、融液8内に順次浸漬し、そして引上げられ、浸漬した後の基体3の表面には結晶シート20が生成される。
【0036】
基体3は、ダミー基体7が形成される欠落領域以外では、回転体外周部に連続的に設けられているので、全ての基体3の表面の結晶シート20の生成は、図5(4)に示すように、回転体1が一回転して、再びダミー基板7が融液面上に対向する位置まで回転することで完了する。回転体1の回転停止位置が停止予定位置より手前にずれると、回転停止状態での凝固成長、あるいは場合によっては未浸漬による加工不良が発生する。また回転停止位置が停止予定位置を過ぎた位置で停止すると、一回転目に生成した結晶シート上面に重ね加工を行うことになる。回転体1が回転停止した後、図5(5)に示すように、坩堝9は下方U2に下降し、回転体1と坩堝内の融液面とが離間する。
【0037】
基体3を外周面全面に配置するのではなく、一部の基体3に替えてこのダミー基体7、およびダミー基体7と保持基板4との欠落領域を設けたことによって、回転体1に設けられる全ての基体3の融液中への浸漬時間は一定になり、厚さが安定した品質の結晶シートが得られ、成長する結晶シートの品質の向上が図れる。
【0038】
なお、図5(2)および図5(5)で坩堝9が上下する構造になっているが、基体3を配設している回転体1が、図5(2)では下降して融液面と近接し、図5(5)では上昇して融液面から離間するという構成を採用してもよい。図2が基体3表面へ結晶シート20が生成された直後の拡大断面図であり、結晶シート20が生成される基体3の浸漬条件を一定にすることができる。
【0039】
次に融液面と回転体1が離間したあと図5(6)に示すように、坩堝遮蔽板22が水平方向にスライドし、坩堝遮蔽板22によって坩堝9の融液面が覆われる。坩堝遮蔽板22は、この後の工程である結晶シート剥離作業時に生じるシート破片、基体表面からの脱落粉等のゴミが融液8中へ落下混入することを防ぎ、作製されるシート材料品質低下を防止することができる。
【0040】
図6は、回転体1を側面から見た結晶シート製造装置30の断面図を示す。本図は、坩堝9が下降し、坩堝遮蔽板22が回転体1と坩堝9との間にスライド移動する前の状態である。結晶シート製造装置30の炉壁31にガイド板24が敷設され、このガイド板24に案内支持されて、坩堝遮蔽板22が坩堝9上に水平移動する。なお坩堝遮蔽板22には遮蔽板移動棒23が連結され、炉壁31の外部からの作用により坩堝遮蔽板22がスライドする。
【0041】
図6に示すように、坩堝9の周囲に設けられる誘導加熱装置21で、坩堝内のSiを加熱溶解し、融液温度を一定にコントロールする。この融液面からの輻射熱を遮断する機能も坩堝遮蔽板22は有しており、結晶シートの剥離作業および剥離後の基体表面の異物除去等のクリーニング作業において、輻射熱が遮断され、安定して前記の作業を行うことができる。なお坩堝遮蔽板22は、融液8の輻射熱に直接さらされるため、カーボンおよびタンタル等の耐熱性材料を使うことが必要である。
【0042】
図7は、装置本体とシート剥離機構51の概略断面図を示す。図5(6)に示すように、坩堝遮蔽板22の坩堝上への挿入移動が完了すると、結晶シート20の剥離作業が行われる。結晶シート製造装置30には、シート剥離機構51が装置本体の側部つまり、炉壁31の外側に設けられる。
【0043】
図7に示すようにシート剥離作業として、ダミー基体7−1の表面がシート剥離機構51に対向する位置でかつ鉛直な位置に、回転体1が回転位置決めされる。次に、スライド扉50−1が開き、剥離爪52が炉壁内のダミー基体7−1に向かって前進移動する。剥離爪52はスライド板54に固定される。スライド板54はスライドガイド55上を水平にスライドし、モータ56に直結したボールねじ57によって、スライド板に取り付けられたナット58を移動させ精度よくスライドすることができる。
【0044】
剥離爪52とダミー基体7−1の面とは導電性材料で構成され、剥離爪52先端部53がダミー基体7−1の面に接触すると導通状態になり、これをセンシングしてモータ56は停止する。次に回転体1の中心からダミー基体7−1の表面までの半径距離r1と、結晶シート20が形成された基体3の表面までの半径距離r2との差(r2−r1)の寸法分だけ剥離爪52がモータ56によって後退移動し、剥離作業が行われる位置にセットされる。剥離爪52の後部には振動装置61が固定され、前記セット後、振動装置61が働き、剥離爪52が加振状態で回転体1が回転方向一方K(図7では反時計方向)に回転する。
【0045】
この回転体1の回転によって、基体3に形成される結晶シート20の端面が剥離爪先端部53に接触し、剥離爪52の振動と回転体1の回転とによる剥離効果によって、基体3から結晶シート20を剥離することができる。剥離した結晶シート20は、剥離爪52の上面に形成される爪スライド面62上を移動し、さらに下部のシートストック板59上に一時的に保管された後、まとめて回収される。本シート剥離作業中は結晶シート20の脱落粉および基体面上に付着したゴミ等が発生し、下方の坩堝9方向に落下する恐れがあるが、回転体1下方に設けられた坩堝遮蔽板22は、このシート剥離作業による坩堝9内への異物混入を防ぎ、コンタミ混入による品質低下を防止することができる。
【0046】
全ての基体面上のシート剥離作業を終えると、回転体1は回転停止し、剥離爪52はモータ56の駆動によって本体装置外に後退し、スライド扉50−1が閉まる。剥離後の回転体1は、引続きシート作製工程に移ることができる。
【0047】
繰返し本シート作製工程を繰返すうちに基体表面のあれ、異物の付着等の汚れにより結晶シートの品質低下、結晶シートの凝固成長厚さバラツキ等の不良発生要因になるため、一定間隔毎に基体表面のクリーニング作業を行う。図8は、クリーニング作業機構60を示す断面図である。
【0048】
本体装置上方したがって、炉壁外上方にクリーニング機構60が設けられる。基体表面のクリーニング作業では、まずダミー基体7−1に隣接する1つの基体3が上方でかつ基体表面が水平になる位置で、回転体1が位置決め固定される。次にスライド扉50−2が開いてクリーニング用モータ63のモータ軸62に直結されたブラシ61が、上下モータ65によって下降し、基体表面に接触した位置で位置決めされ停止する。
【0049】
図8に示すように、回転モータ63を固定しているモータ固定アングル77の側面上にスライド軸受66を固定する。上下モータ65の駆動によって前記クリーニング用モータ63およびブラシ61を上下移動させ、クリーニング用モータ63によって、基体表面上でブラシ61を回転させる。なお上下モータ65および上下モータ軸66は平行基板73に固定されており、基体表面全体をクリーニングするために平行基板73が、シリンダ69の駆動によって摺動軸71に沿って、すなわち回転体1の軸線方向(図8で紙面に垂直な方向)に沿って摺動する。さらに、クリーニングが行われる基体3の近傍に吸塵ダクト76を設け、クリーニング作業において生じる加工微粉を吸引し、加工微粉が飛散することを防止することができる。
【0050】
なお本クリーニング作業中は、坩堝遮蔽板22は坩堝9を覆う位置に移動し、前記加工微粉の坩堝9内への混入を阻止するため、坩堝9内溶融物の異物混入による劣化を防止することができる。1つの基体のクリーニングが完了すると、実施例では30°反時計方向に回転位置決めし、前記と同様にクリーニング作業を行う。全ての基体3の作業が終了すると、ブラシ61およびモータ63は本体外上方向に退避し、スライド扉50−2が閉められる。
【0051】
以上の実施の形態は本発明の例示に過ぎず、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば坩堝内に貯留される融液は、Si融液だけでなく、金属もしくは半導体材料を用いることができ、各種結晶シートを形成することができる。また図9は欠落領域Sのダミー基体7とそれを固定している保持基板4を取り外した状態を示す断面図である。欠落領域Sに配置されるダミー基板7および保持基板4を取り外した場合でも、上述のような効果を得ることができ、安定した結晶シートを形成することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、欠落領域を設けることによって、回転体の外周部に配置する基体のSi等半導体材料の融液中への浸漬時間が一定になり、安定した結晶シートの凝固成長を行うことができる。また坩堝遮蔽板を設けることによって、シート剥離作業時に生じるシート破片、基体表面からの脱落粉等のゴミが融液中へ落下混入するのを防ぎ、作製される結晶シートの品質をより安定化することができる。またシートの剥離作業、剥離後の基体表面の異物除去等のクリーニングも輻射熱が遮断され、安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の結晶シート製造装置30を示す断面図である。
【図2】結晶シートが形成された状態の結晶シート製造装置30を示す断面図である。
【図3】基体3および保持基板4を示す正面図である。
【図4】基体3および保持基板4を示す側面図である。
【図5】結晶シート製造装置30のシート形成動作工程を示す該略図である。
【図6】結晶シート製造装置30を示す断面図である。
【図7】剥離機構51を示す断面図である。
【図8】クリーニング機構60を示す断面図である。
【図9】欠落領域Sのダミー基体7と保持基板と4を取り外した結晶シート製造装置30を示す断面図である。
【図10】従来の結晶シート製造装置100を示す断面図である。
【図11】従来の結晶シート製造装置100を示す断面図である。
【符号の説明】
1 回転体
2 回転軸
3 基体
4 保持基板
5 耐熱ねじ
6 ピン
7 ダミー基体
51 融液
52 坩堝
53 坩堝保持板
20 シート
21 誘導加熱装置
22 坩堝遮蔽板
23 遮蔽板移動棒
24 ガイド板
30 結晶シート製造装置
31 炉壁
50−1,50−2 スライド扉
52 剥離爪
54 シート剥離機構
61 ブラシ
63 クリーニング用モータ
66 スライド軸受
69 シリンダ
73 平行基板
76 吸塵ダクト
77 モータ固定アングル
K 回転体回転方向
S 欠落領域

Claims (7)

  1. 金属もしくは半導体材料の融液に基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造装置において、
    外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体を有することを特徴とする結晶シート製造装置。
  2. 前記欠落領域に、前記基体を保持するための保持基板が設けられることを特徴とする請求項1記載の結晶シート製造装置。
  3. 坩堝内に貯留される金属もしくは半導体材料の融液に、基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造方法において、
    外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体の前記欠落領域を坩堝内の融液面上に対向させ、
    前記回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、坩堝を上昇させ、
    前記回転体を回転させて各基体を融液内に順次浸漬させ、
    前記回転体の欠落領域が融液面と再度対向する回転位置まで回転させ、
    当該回転動作を停止し、坩堝を下降させることを特徴とする結晶シート製造方法。
  4. 坩堝内に貯留される金属もしくは半導体材料の融液に、基体を浸漬し、該基体に融液を凝固成長させて、結晶シートを基体に形成させる結晶シート製造方法において、
    外周に複数の基体が配設されるとともに、一個分以上の基体が配設されない欠落領域が設けられる回転体の前記欠落領域を坩堝内の融液面上に対向させ、
    前記回転体を回転させたときに、基体が融液に浸漬する位置まで、回転体を下降させ、
    前記回転体を回転させて各基体を融液内に順次浸漬させ、
    前記欠落領域が融液面上に再度対向する回転位置まで回転させ、
    当該回転動作を停止し、回転体を上昇させることを特徴とする結晶シート製造方法。
  5. 前記基体の融液への浸漬を終了させ、回転体を融液面から離間させた状態で、回転体と融液面との間に坩堝遮蔽板を挿入し、融液面を覆うことを特徴とする請求項3または4記載の結晶シート製造方法。
  6. 坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される結晶シートを剥離することを特徴とする請求項5記載の結晶シート製造方法。
  7. 坩堝遮蔽板によって融液面を覆った状態で、基体に形成される付着物の除去および清掃を行うことを特徴とする請求項6記載の結晶シート製造方法。
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