JP3754084B2 - 成長ホルモン分泌促進薬受容体ファミリー - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、成長ホルモン分泌促進薬受容体(GHSR)および成長ホルモン分泌促進薬関連受容体(GHSRR)などの新規受容体ファミリー、これらの受容体(レセプター、receptor)をコードする核酸、ならびに成長ホルモン分泌促進薬およびGHSR機能を調節する化合物を同定するためのGHSRの使用に関する。
発明の背景
成長ホルモン(GH)は、身長の成長、体重増加および体全体の窒素保持を促進することができる同化ホルモンである。古典的には、GHは、主に、二つの視床下部ホルモン、すなわち成長ホルモン放出因子(GHRFまたはGRF)およびソマトスタチンの調和的調節下で、下垂体前葉のソマトトロピン生成細胞(somatotroph)から放出されると考えられる。GH放出のGHRF刺激およびソマトスタチン阻害は共に、ソマトトロピン生成細胞膜上の受容体の特異的作用によって生じる。
最近、GH放出が、短いペプチド群である成長ホルモン放出ペプチド(GHRP;GHRP−6、GHRP−2〔ヘキサレリン〕)によっても刺激されることを示唆する証拠が増えており、例えば、米国特許第4,411,890号、国際特許公開WO 89/07110、国際特許公開WO 89/07111、国際特許公開WO 93/04081およびJ. Endocrinol Invest., 15 (Suppl4), 45 (1992)に記載されている。これらのペプチドは、明確なソマトトロピン生成細胞膜受容体である成長ホルモン分泌促進薬受容体(GHSR)に選択的に結合することによって機能する。薬物化学的アプローチの結果、この受容体に特異的に結合してGHの拍動的放出を生じる、経口的に活性で低分子量のいくつかの種類の非ペプチド化合物が設計された。成長ホルモン分泌促進活性を有するそのような化合物は、例えば、次の文献に開示されている。すなわち、米国特許第3,239,345号、米国特許第4,036,979号、米国特許第4,411,890号、米国特許第5,206,235号、米国特許第5,283,241号、米国特許第5,284,841号、米国特許第5,310,737号、米国特許第5,317,017号、米国特許第5,374,721号、米国特許第5,430,144号、米国特許第5,434,261号、米国特許第5,438,136号、米国特許第5,494,919号、米国特許第5,494,920号、米国特許第5,492,916号、欧州特許公開第0,144,230号、欧州特許公開第0,513,974号、国際特許公開WO 94/07486、国際特許公開WO 94/08583、国際特許公開WO 94/11012、国際特許公開WO 94/13696、国際特許公開WO 94/19367、国際特許公開WO 95/03289、国際特許公開WO 95/03290、国際特許公開WO 95/09633、国際特許公開WO 95/11029、国際特許公開WO 95/12598、国際特許公開WO 95/13069、国際特許公開WO 95/14666、国際特許公開WO 95/16675、国際特許公開WO 95/16692、国際特許公開WO 95/17422、国際特許公開WO 95/17423、国際特許公開WO 95/34311、国際特許公開WO 96/02530、Science, 260, 1640-1643 (June 11, 1993)、Ann. Rep. Med. Chem., 28, 177-186 (1993)、Bioorg. Med. Chem. Ltrs., 4(22), 2709-2714 (1994)およびProc. Natl. Acad. Sci. USA 92, 7001-7005 (July 1995)である。
GHの拍動的放出を刺激する経口的に活性な物質を使用すると、子供および大人の成長ホルモン欠損症の治療がかなり前進するとともに、GHの同化作用が臨床的に利用され得る環境下(例えば、股関節部骨折後のリハビリテーション、虚弱年配者および術後回復期の患者)においてかなり有益である。
また、この新規受容体ファミリーを分析し、GHRFおよびソマトスタチンの作用との共同によるその正常な生理学的役割を理解するためには、成長ホルモン分泌促進薬受容体の分子構造を知ることが望ましい。この結果、リガンド−受容体結合の際に生じるin vivoプロセスをより理解することができる。さらに、クローン化した成長ホルモン分泌促進薬受容体を、新規成長ホルモン分泌促進薬を同定することができるアッセイ系の必須成分として使用するのが望ましい。
発明の詳細な説明
本発明は、成長ホルモン分泌促進薬受容体(GHSR)および成長ホルモン分泌促進薬関連受容体(GHSRR)を含む新規受容体ファミリーに関する。
本発明の第一の側面は、受容体関連タンパク質を含まない成長ホルモン分泌促進薬受容体である。GHSRは、どの種に由来していてもよく、さらに別の態様では単離または精製することができる。本発明の一つの態様は、受容体関連タンパク質を含まないヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体(hGHSR)である。本発明のさらに別の側面は、単離し、または精製したhGHSRである。
本発明の別の側面は、受容体関連タンパク質を含まないブタ成長ホルモン分泌促進薬受容体(sGHSR)である。本発明のさらに別の側面は、単離し、または精製したsGHSRである。
本発明の別の側面は、受容体関連タンパク質を含まないラット成長ホルモン分泌促進薬受容体(rGHSR)である。本発明のさらに別の側面は、単離し、または精製したrGHSRである。
本発明の別の側面は、実質的に同じ核酸配列によってコードされるが、スプライシングの変化または他のRNAプロセシングにより誘導される改変または突然変異により誘導される変化を受けており、その結果、発現されるタンパク質は天然のものと相同的であるが異なるアミノ酸配列を有するヒト、ブタおよびラットGHSRである。これらの変異型は、細胞ベースのアッセイにおけるヒトおよび動物の生理学またはin vitroにおいて異なるおよび/または付加的機能を有する可能性がある。
本発明の別の側面は、受容体関連タンパク質を含まない成長ホルモン分泌促進薬関連受容体である。さらに別の態様は、単離し、または精製したGHSRRである。これらは、ヒト、マウス、ラットおよびブタを含むどの種に由来するものであってもよい。
成長ホルモン分泌促進薬受容体は、細胞膜において受容体を固定する1以上のドメインを含む種々の機能性ドメインおよび少なくとも1つのリガンド結合ドメインを含むタンパク質である。多くの受容体タンパク質と同様に、アミノ酸の多く、特にリガンド結合ドメインには存在しないアミノ酸を改変し、元の受容体の少なくとも一部分の生物学的活性をなおも保持することができる。本発明によれば、GHSRのN−末端部分は、その成長ホルモン分泌促進薬(GHS)による活性化には必須でないことが分かった。すなわち、本発明は特に、欠失、切断または突然変異したN−末端部分を有する機能的に等価な改変GHSRを含む。本発明はまた、特に、機能的活性の低下を伴わない他のドメインの改変および/または欠失を含む、機能的に等価な改変GHSRを含む。
さらに、結合特異性および/または選択性を変えることにより、第二のメッセンジャーエフェクター系と相互作用するような他の機能性ドメインを改変することが可能である。そのような機能的に等価な突然変異体受容体も本発明の範囲内である。
本発明のさらに別の側面は、成長ホルモン分泌促進薬受容体またはブタ、ヒト、ラットもしくは他の種に由来する機能的に等価のものをコードする核酸である。これらの核酸は、同伴する核酸を含まず、あるいは単離または精製することができる。ほとんどのクローニング目的に対しては、cDNAが好ましい核酸であるが、本発明は特に、他の形態のDNAおよびGHSRまたは機能的に等価なものをコードするRNAを含む。
本発明のさらに別の側面は、GHSRまたは機能的に等価なものをコードする核酸を含むベクターに関する。これらのベクターは、DNAまたはRNAで構成することができ、ほとんどのクローニングの目的に対しては、DNAベクターが好ましい。典型的なベクターとしては、プラスミド、改変ウイルス、バクテリオファージおよびコスミド、酵母人工染色体ならびにGHSRをコードすることができる他の形態のエピソームまたは組込みDNAが挙げられる。特定の遺伝子伝達または他の使用に対して適切なベクターを決定することは十分当業者の技術の範囲内である。
本発明のさらに別の側面は、成長ホルモン分泌促進薬受容体または機能的に同等のものをコードする遺伝子で形質転換した宿主細胞である。宿主細胞は、細胞膜上でGHSRを天然に発現するものであってもなくてもよい。好ましくは、宿主細胞は、いったん形質転換すると、成長ホルモン分泌促進薬受容体または機能的に同等のものを細胞膜上で発現することができる。宿主細胞によっては、特定のコドンを使用して発現が最適化されるようにDNAを適応させることが望ましいと考えられる。そのような適応は、当技術分野で公知であり、これらの核酸も本発明の範囲内である。一般には、COS、HEK−293、CHO、HeLa、NS/0、CV−1、GC、GH3またはVERO細胞などの哺乳類セルラインが好ましい宿主細胞であるが、Xenopus卵母細胞または昆虫細胞などの他の細胞およびセルラインも使用できる。
成長ホルモン分泌促進薬関連受容体は、GHSRに関係しているが、異なる遺伝子によってコードされる。GHRR遺伝子は、GHR DNAのcDNAのゲノムDNAに対するハイブリダイゼーション(緩和または中程度のストリンジェンシーでの後ハイブリダイゼーション洗浄条件を使用)によって同定できる。これらの配列は、GHRとの類似性が高い。
本発明の別の側面は、成長ホルモン分泌促進薬関連受容体をコードする核酸の同定法であり、成長ホルモン分泌促進薬受容体をコードする第一の核酸を成長ホルモン分泌促進薬をコードする核酸を含むと推測される第二の核酸とハイブリダイズし(ハイブリダイゼーションは緩和または中程度のストリンジェンシーでの後ハイブリダイゼーション洗浄条件下で行う)、第二の核酸のハイブリダイゼーションが生じた領域を同定することを含む。
【図面の簡単な説明】
図1は、クローン7−3に含まれるブタGHSR(I型)のDNA(配列番号1)である。
図2は、図1のDNAによってコードされるブタGHSRのアミノ酸配列(配列番号2)である。
図3は、図1のI型クローンの全オープンリーディングフレーム(配列番号3)である。
図4は、クローン1375に含まれるブタGHSR(II型)のDNA(配列番号4)である。
図5は、図4のDNAによってコードされるブタGHSR(II型)のアミノ酸配列(配列番号5)である。
図6は、クローン1146に含まれるヒトGHSR(I型)のDNA(配列番号6)である。
図7は、図6のDNAによってコードされるヒトGHSR(I型)のアミノ酸配列(配列番号7)である。
図8は、図6のDNA配列によってコードされるI型GHSRの全オープンリーディングフレーム(配列番号8)である。
図9Aおよび9Bは、クローン1141に含まれるヒトGHSR(II型)のDNA(配列番号9)である。
図10は、クローン1141によってコードされるヒトGHSR(II型)のアミノ酸配列(配列番号10)である。
図11は、クローン1143に含まれるヒトGHSR(I型)のDNA(配列番号11)である。
図12は、クローン1143によってコードされるヒトGHSR(I型)のアミノ酸配列(配列番号12)である。
図13Aおよび13Bは、ブタI型のORF(配列番号3;全長GHSRのMETイニシエーターに欠け、12個の追加アミノ酸に欠ける)をブタII型(配列番号5)受容体の相同的ドメインと比較したものである。
図14Aおよび14Bは、ヒトI型(配列番号8)およびII型(配列番号10)受容体の相同的ドメイン(アミノ末端配列は、METイニシエーターおよび4個の追加アミノ酸に欠ける)を比較したものである。
図15は、ブタI型(配列番号3)およびヒトI型(配列番号8)受容体のORF(アミノ末端配列は、METイニシエーターおよび12個の追加アミノ酸に欠ける)を比較したものである。
図16Aおよび16Bは、ブタII型(配列番号5)およびヒトII型(配列番号10)受容体の全長を比較したものである。
図17は、ブタおよびヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体cDNAクローンの物理的マップを表す模式図である。
図18は、エクオリン生物発光アッセイの使用によるXenopus卵母細胞において発現したブタおよびヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体の薬理学を示すグラフである。
図19は、エクオリン生物発光アッセイおよび各種分泌促進薬の使用によるXenopus卵母細胞において発現したブタおよびヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体の薬理学を示す表である。
図20は、35S−標識化合物A結合アッセイの使用によるCOS−7細胞において発現した純粋なブタ成長ホルモン分泌促進薬受容体の薬理学を表すグラフである。
図21は、35S−標識化合物A結合アッセイおよび各種分泌促進薬および競合アッセイにおける他のG−タンパク質共役受容体(GPC−受容体)リガンドの使用によるCOS−7細胞において発現した純粋なブタ成長ホルモン分泌促進薬受容体との競合分析を表す表である。
図22は、クローン11304によってコードされる全長ヒトGHST(I型)のアミノ酸配列(配列番号13)である。
図23A−Dは、MET開始コドンから終結コドンまでのラットGHSR DNA配列(配列番号14)である。この配列は、イントロンを含む。
図24Aおよび24Bは、図23のラットGHSRのオープンリーディングフレームのみ(配列番号15)である。
図25は、図24のORFの推測されるアミノ酸配列(配列番号16)である。
図26は、トランスフェクションしたHEK−293細胞における機能的ラットGHSRの発現を示す。
明細書および請求の範囲全体にわたって使用するとき、下記定義を適用する。
成長ホルモン分泌促進薬−動物において成長ホルモンの放出を直接または間接的に刺激し、または増加させる化合物または物質。
リガンド−本発明のGHSRに結合する分子。これらのリガンドは、アゴニスト、部分的アゴニスト、部分的アンタゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する。
受容体関連タンパク質を含まない−受容体タンパク質が、他の膜受容体タンパク質との混合物でも溶液でもない。
同伴核酸を含まない−核酸が、天然には生物の染色体に共有結合するDNAに共有的に結合していない。
単離した受容体−タンパク質が他のどのタンパク質との混合物でも溶液でもない。
単離した核酸−核酸が他のどの核酸との混合物でも溶液でもない。
機能的に等価−代替的スプライシング、欠失、突然変異または付加により、天然に存在する成長ホルモン分泌促進薬受容体のアミノ酸配列と正確に同じではないが、天然の受容体の生物活性の少なくとも1%、好ましくは10%、より好ましくは25%を保持する受容体。そのような誘導体は、天然のGHSRとかなりの相同性を有し、GHSRから得られるDNA配列との低められたストリンジェンシーでのハイブリダイゼーションにより検出できる。機能的に等価なものをコードする核酸は、天然の受容体核酸に対してヌクレオチドレベルで少なくとも約50%の相同性を有する。
精製した受容体−受容体の純度が少なくとも約95%である。
精製した核酸−核酸の純度が少なくとも約95%である。
化合物A−Patchett, 1995 Proc. Natl. Acad. Sci. 92:7001-7005に記載の、(N−〔1(R)−〔(1,2−ジヒドロ−1−メタン−スルホニルスピロ〔3H−インドール−3,4’−ピペリジン〕−1’−イル)カルボニル〕−2−(フェニルメチルオキシ)エチル〕−2−アミノ−2−メチルプロパンアミド。
化合物B−Patchett, 1995 Proc. Natl. Acad. Sci. 92:7001-7005に記載の、3−アミノ−3−メチル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1−{〔2’−1H−テトラゾル−5−イル)(1,1’−ビフェニル)−4−イル〕メチル}−1H−ベンズアゼピン−3(R)イル−ブタンアミド。
化合物C−米国特許第5,206,235号に記載の3−アミノ−3−メチル−N−(2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−1−{〔2’−1H−テトラゾル−5−イル)(1,1’−ビフェニル)−4−イル〕メチル}−1H−ベンズアゼピン−3(S)イル−ブタンアミド。
標準または高いストリンジェンシーでの後ハイブリダイゼーション洗浄条件−6xSSC、55℃。
中位のストリンジェンシーでの後ハイブリダイゼーション洗浄条件−6xSSC、45℃。
緩和した後ハイブリダイゼーション洗浄条件−6xSSC、30℃。
本発明のタンパク質は、G−タンパク質リンク受容体スーパーファミリーを含む7−トランスメンブラン(TM)ドメイン(GPC−R′または7−TM受容体)の典型である構造的特徴を有することが分かった。すなわち、成長ホルモン分泌促進薬ファミリーの受容体は、GPC−Rファミリーの受容体の新規メンバーを構成する。本発明のGHSRそのものは、7個のトランスメンブラン領域、3個の細胞内および細胞外ループ、ならびにGPC−Rタンパク質シグナル配列など、GPC−Rの一般的特徴を有することが分かった。TMドメインおよびGPC−Rタンパク質特徴的配列は、図3および8(それぞれ配列番号3および8)のI型GHS受容体のタンパク質配列中に符号で示す。全ての領域が機能に必要であるわけではなく、従って、本発明は、1以上の必須でないドメインに欠ける機能性受容体も含む。
本発明のGHSRは、ラットおよびヒトのニューロテンシン受容体(約32%が同一)ならびにラットおよびヒトTRH受容体(約30%が同一)などの以前にクローン化されたGPC−受容体と配列相同性をいくらか共有している。
本発明のGHSRを、単離し、Xenopus(アフリカツメガエル)卵母細胞での発現クローン化法を使用して解析した。クローニングは、3つの因子により困難であった。第一に、本発明前は、タンパク質の生化学的特徴および細胞内シグナル化/エフェクター経路に関して利用できる情報がほとんどなかった。すなわち、cDNAライブラリーをスクリーニングし、またはPCRを利用するための、縮重オリゴヌクレオチドの設計のためのタンパク質配列情報の使用に依存するクローニング法が、有効に利用できなかった。従って、本発明によれば、受容体の生物活性を測定する必要があった。
第二に、成長ホルモン分泌促進薬受容体は、豊富には生じない。すなわち、他のほとんどの膜受容体よりも約10倍低い濃度で細胞膜上に存在する。本発明に従って受容体をうまくクローン化するためには、GHSRがスクリーニングしたいcDNAライブラリーにおいて確実に提示されることを徹底的に注意した。このために、未分解で純粋な完全ポリ(A)+mRNAの単離、および全長分子の産生を最大にするためのcDNA合成の最適化を必要とした。さらに、機能的なcDNAクローンが得られる確率を高めるために、通常よりもサイズの大きいライブラリーをスクリーニングする必要があった(約0.5〜1×107クローン)。
第三に、この受容体を発現する永久セルラインは知られていない。従って、一次下垂体組織をmRNA源またはタンパク質源として使用しなければならなかった。これは、ほとんどの一次組織が、所与の受容体を、組織培養またはいくつかの腫瘍物質で維持され得る不死化セルラインよりも少ない量で発現するので、さらに障害をもたらした。さらに、cDNA発現ライブラリーを構築するためのブタ下垂体の外科的除去および生物学的に活性な完全mRNAの抽出は、組織培養セルラインからのmRNAの抽出よりもかなり困難である。新鮮な組織を連続的に得ることの必要性とともに、動物間および調製間のその固有の変異性と関連する問題がある。従って、本発明の受容体を発現するセルラインの開発は、本発明の重要な側面である。
本発明のさらに別の側面は、その受容体を含むcDNAライブラリー部分を同定するために使用できる、極めて感受性が高く、強固で信頼性があり、スループットの高いスクリーニングアッセイの開発である。このアッセイは、本出願とともに1995年12月13日に出願された、審査中の特許出願No. 60/008,584(代理人No. 19590PV2)に記載され、クレームされている。
簡単に述べると、成長ホルモン分泌促進薬受容体をコードするcDNAの同定能は、本発明に従って成された二つの発見、すなわち、1)成長ホルモン分泌促進薬受容体−リガンド結合がGタンパク質を介して伝達されること、および2)受容体活性を検出するためには、特定のGタンパク質サブユニットGα11が細胞に存在しなければならないこと、に依存した。これらの二つの発見がなされた場合にのみ、GHSRをコードするDNA配列の存在を検出するためのアッセイが発明できた。
GHSRがリガンド(成長ホルモン分泌促進薬)に結合すると、細胞に存在するG−タンパク質が、細胞内シグナル化分子(ジアシルグリセロールおよびイノシトール三リン酸)を放出し、次いでその分子がカルシウムの可動化を促進する生化学的カスケードを開始する酵素であるホスファチジルイノシトール−特異的ホスホリパーゼC(PI−PLC)を活性化する。これは、アッセイの基礎として使用できる。カルシウム濃度の変化に応答し得る検出分子、例えばクラゲの光タンパク質であるエクオリンなどを、cDNA発現ライブラリー由来の10,000個までのRNA(そのうちの少なくとも1つはGHSRをコードすることができる)の複合プールとともに細胞に導入する。その細胞を次いで、化合物Aまた化合物Bなどの公知成長ホルモン分泌促進薬にさらす。1以上のRNAがGHSRをコードする場合は分泌促進薬リガンドが受容体に結合し、G−タンパク質が活性化され、カルシウムレベルが変動して、エクオリンが測定可能な生物発光を生じる。一度陽性結果が得られたら、その操作を、GHSRをコードするRNAを生じ得る単一のクローンが同定されるまで、RNAプールの一部分(例えば、約1,000、次いで約500、次いで約50、次いで純粋なクローン)に対して繰り返すことができる。
この一般的プロトコールをブタcDNA発現ライブラリーとともにXenopus卵母細胞で使用することにより、ブタGHSRをコードする核酸を含むクローン7−3を同定した。cDNAクローンの挿入物は、大きさが約1.5kbであり、推定上のイニシエーターメチオニン(MET)の下流であり、302個のアミノ酸(Mr=34,516)をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含む。DNAおよび推定されるアミノ酸配列を図1および2(それぞれ配列番号1および2)に示す。クローン7−3のタンパク質配列に対してヒドロパシー分析(例えば、Kyte-Doolittle; Eisenberg, Schwartz, KomaronおよびWall)を行うと、予測される6個のトランスメンブランドメインのみが推定上のMETイニシエーターの下流に存在する。クローン7−3においてコードされる最も長いORFの翻訳は、353個のアミノ酸(Mr=39,787)のタンパク質をコードする。しかし、このより長いリーディングフレームについては見かけのMETイニシエーターを特定することができない(図3)。このより長いリーディングフレームは、7個のトランスメンブランセグメントが353個アミノ酸タンパク質(そこにはTM1の上流に位置するMET翻訳開始コドンが存在しない)においてコードされているので、重要である。さらに、このより長いタンパク質はまた、その予測されるTM1ドメインにおいて公知のG−タンパク質共役受容体と相同性を共有する(図3および次の節)。すなわち、クローン7−3はそのアミノ末端で切断されているが、完全に機能性であり、それは、クローン7−3がしかし、天然のGHSRの機能的に等価なものの一態様であることを示す。
得られたcDNAクローン(または、例えばほんの15ヌクレオチド長さのより短い部分)は、核酸がハイブリダイズできるように十分類似している他の受容体を見いだすためのハイブリダイゼーション条件下でライブラリーをプローブするために使用でき、特に、他の種に由来するライブラリーをスクリーニングするために有用である。この方法を使用して、さらにヒト、ブタおよびラットのGHSRcDNAをクローン化し、それらのヌクレオチド配列を決定した。さらに、cDNAのゲノムDNAへのハイブリダイゼーションは、I型受容体(下記参照)が、かなり保存されている1個の遺伝子によってコードされていることを示した。ヒト、サル、ラット、マウス、イヌ、ウシ、ニワトリおよび無脊椎動物のDNAは全て、高ストリンジェンシーでの後ハイブリダイゼーション条件で単一のハイブリダイズ種を生じた。従って、本発明は、特定の種に限定されるものではない。
ブタ下垂体ライブラリー、ヒト下垂体ライブラリーおよびラット下垂体ライブラリーをブタGHSRクローン7−3のオープンリーディングフレームから誘導される放射線標識したcDNAとハイブリダイズした。21の陽性ヒトGHSRcDNAが単離され、5個のブタライブラリープールは、強いハイブリダイゼーションシグナルを生じ、サザンブロット上での挿入物サイズによって判定するとクローン7−3よりも大きい挿入物を有するクローンを含んでいた。単一のラットcDNAクローンも単離された。
ヌクレオチド配列分析により、ヒトおよびブタの両方のGHSRcDNAに対して2つの型のcDNAが示された。第一(I型)は、7個のトランスメンブランドメインをコードするクローン7−3によって表されるタンパク質をコードする。全長オープンリーディングフレームは、クローン7−3の予想される最も大きいオープンリーディングフレーム(353アミノ酸)よりも13アミノ酸だけ延びていると思われる。第二(II型)は、I型cDNAのヌクレオチド配列の3’端の第6トランスメンブランドメイン(TM−6)の予想される2番目のアミノ酸のすぐ後ろで変化している。
II型cDNAでは、TM−6が切断され、ほんの24アミノ酸の短い隣接リーディングフレームに融合し、その後ろに翻訳終結コドンが続く。ブタのクローン1375は、II型cDNA一例である(図4および5;それぞれ配列番号4および5)。TM−6を越えたこれらの24アミノ酸は、ヒトおよびブタのcDNA間で比較すると、かなり保存されている。ヒトGHSRのI型およびII型のDNAおよびアミノ酸配列を図6〜12(それぞれ配列番号6〜12)に示す。ヒトI型受容体をコードする全長cDNA、すなわち、フレーム内終結コドンが前にある有利な文脈でイニシエーターMETを有する7−TMドメインをコードする分子を単離し、クローン11304と命名する。全長I型GHSRに対するクローン11304の予想されるORFは、366アミノ酸(Mr=41,198;図22)である。全長ヒトII型cDNAは、289アミノ酸(Mr=32,156;図9A−Bおよび10;それぞれ配列番号9および10)のポリペプチドをコードする。
核酸およびタンパク質の両レベルで行った配列決定は、IおよびII型のGHSRが互いに、かつ種を越えてかなり関係していることを示している(図13〜16)。ヒトおよびブタGHSR配列は、アミノ酸レベルで93%が同一であり、98%が類似している。
ブタI型クローン7−3の欠けているアミノ末端延長部をコードするヌクレオチド配列は、予想される全長ヒトI型クローンならびにヒトおよびブタII型cDNAから誘導される。全長クローンのリーディングフレームは、クローン7−3のアミノ末端配列を越えて13アミノ酸だけ延びており、この配列は、ヒトおよびブタの間で比較すると、12/13アミノ酸残基で保存されていた。アミノ末端延長部は、Kosakの規則による有利な文脈で翻訳開始メチオニンを含み、さらに上流のリーディングフレームは終結コドンによって中断されている。I型およびII型のブタおよびヒトcDNAクローンの模式的な物理的マップを図17に示す。
ラットクローンもさらに調べた。配列分析は、スプライス−ドナー部位に対応するnt 790に非コードイントロン配列が存在することを示した(図23A−D、24A−Bおよび25;それぞれ配列番号14〜16を参照)。G/GTスプライス−ドナー部位は、予想されるトランスメンブランドメイン5(ロイシン263)の完了の2アミノ酸後に生じる。すなわち、rGHSRは、アミノ末端セグメント(細胞外ドメイン、TM−1〜TM−5および最初の2個の細胞内および細胞外ループを含む)およびカルボキシ末端セグメント(TM−6、TM−7、第三の細胞内および細胞外ループ、ならびに細胞内ドメインを含む)に分けられる。挿入部位およびフランキングDNA配列はかなり保存され、ヒトおよびブタの両方のI型およびII型cDNAにも存在する。
ラットGHSRタンパク質をコードする完全オープンリーディングフレームをヒトおよびブタの相同体と比較すると、配列の同一性が高いことが分かる(ラット対ヒト:95.1%;ラット対ブタ:93.4%)。
ヒトGHSRは、蛍光in situハイブリダイゼーション分析〔FISH;Cytogenet, Cell Genet 69: 196 (1995)に記載〕によって細胞遺伝バンド3Q26.2に対応させることができる。マウス遺伝子は、3A3上に位置する。
卵母細胞で発現させたヒトおよびブタI型cRNAは機能的であり、エクオリン生物発光アッセイでは、1mM〜0.1nMと低い範囲の化合物A濃度に対応する。TM−6で切断されるヒトまたはブタII型誘導cRNAは、卵母細胞に注入すると反応を示さなかった。これらのcRNAは、GHSに結合し得るが、細胞内シグナル伝達経路は有効に活性化することができない受容体サブタイプを表す。さらに、II型受容体は、他のタンパク質と相互作用し、従って、機能的GHSRを再構成する可能性がある。リガンド−結合活性を有する可能性があるが、シグナル伝達においては活性でないこれらのタンパク質は、リガンド−結合アッセイに対して特に有用である。これらの場合、細胞膜上に突然変異体タンパク質を過剰発現させ、推定上の標識したリガンドの結合能をテストすることもできる。構成的に高アフィニティー状態にある非シグナル化突然変異体を使用することにより、結合を測定することができるが、有害な代謝結果は生じない。このように、非シグナル化突然変異体は、本発明の重要な側面である。
ヒトI型、ブタI型およびラットの受容体の卵母細胞でのエクオリン生物発光アッセイにおける薬理学的解析を図18、19および26にまとめる。ペプチドおよび非ペプチド生物活性GHSは、天然の下垂体受容体について認められた効力と同様のランク順で活性であった。I型GHSR(ブタクローン7−3について示す)が完全に機能的なGHSRをコードすることの独立した確証的証拠は、クローン3−7が哺乳類COS−7細胞において一過性に発現されると、高アフィニティーで(KD〜0.2nM)、飽和可能な(Bmax〜80fmol/mgタンパク質)、特異的結合(>90%が50nMの未標識化合物Aによって置き換えられる)が35S−化合物Aについて認められるという発見によって示される(図20および21)。
本発明のGHSR受容体は、緩和なまたは中程度の後ハイブリダイゼーション洗浄条件下でのGHSRcDNAのゲノムDNAへのハイブリダイゼーションによって同定できる。この分析では、少数のハイブリダイズバンドを生じる。この方法で使用できる適切なヒトゲノムライブラリーはPAC(Nature Genetics 6:84 (1994)に記載)であり、適切なマウスゲノムライブラリーはBAC(Proc Natl Acad Sci USA 89: 8794 (1992)に記載)である。
GHSRに対する相同性の度合が高いことにより、本発明のGHSRは、GHSRと同様に機能し、同様の生物学的活性を有すると考えられる。そして、生物の成長に関与する生物学的・生理学的経路の理解において有用である。また、成長ホルモン分泌促進薬アゴニストおよびアンタゴニストについての調査のために使用でき、特に、特定したリガンドの特異性をテストするために使用できる。
α、βおよびγサブユニットから成るヘテロ三量体Gタンパク質は、細胞表面受容体から細胞内エフェクター(ホスホリパーゼCおよびアデニル酸シクラーゼなど)へ情報を中継する役目をする。G−タンパク質αサブユニットは、受容体−リガンド相互作用によって活性化される細胞内シグナル伝達経路の必須成分である。リガンド誘導GPCR活性化のプロセスにおいて、三量体GαβγのGαサブユニットは、その結合したGDPをGTPと交換し、βγヘテロ二量体から解離する。解離したサブユニットは、しばしばβγ複合体と共同して、活性シグナル伝達体として作用し、こうして細胞内シグナル伝達経路の活性化が開始される。定義により、Gタンパク質相互作用を介して細胞内で共役している細胞表面受容体をGPC−R′と言う。この相互作用は、主としてシグナル伝達プロセスに関与するG−α(Gα)サブユニットの型に関して主に解析されている。Gαサブユニットは、配列の一致に基づいてサブファミリーに分類され、それらが結合するエフェクターの主な型が解析されている。すなわち、Gs:アデニル酸シクラーゼを活性化する;Gi/o/t:アデニル酸シクラーゼを阻害する;Gq/11:PI−PLCを活性化する;およびG12/13:エフェクター未知である。
異種細胞におけるいくつかの受容体の発現は、ある種のGαサブユニットの共発現によって増加することが示されている。この観察により、GHS−誘導される機能応答がXenopus卵母細胞系において測定できるかどうかを試験するための、GHSR源(ブタポリ〔A+〕mRNA)と共に、いくつかのサブファミリーのGαサブユニットを使用することの合理的な根拠が形成された。GHS−誘導される応答が検出され、この系におけるGα11共発現に厳密に依存することが見いだされた。これは、相互作用の特異性を概説する先例のない発見である。すなわち、本発明の別の側面は、GHSRも発現する細胞においてGα11タンパク質サブユニットを共発現させ、細胞をGHSにさらし、応答を検出することを含むGHS応答の検出法である。
本明細書に記載するアッセイを使用して検出されるリガンドは、成長ホルモン欠損症の子供、筋骨格障害がある年配の患者、股関節骨折からの回復期にある年配の患者および骨粗鬆症において認められるような、成長ホルモンが不足しているときに生じる症状の治療において使用できる。
GHSRおよび断片は免疫原性である。すなわち、本発明の別の側面は、GHSRまたはGHSR断片に結合し得る抗体および抗体断片である。これらの抗体は、モノクローナル抗体であってもよく、また、ハイブリドーマ技術または組換え法を使用して産生することができる。それらは、アッセイ系の一部として使用でき、または細胞膜上に存在するGHSRの機能の推定に使用できる。
本発明のさらに別の側面は、GHSRヌクレオチドに結合し、受容体の機能または発現を調節することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
本発明のさらに別の側面は、GHSRをコードする核酸を細胞に導入し、GHSRを発現させることを含む、細胞膜上のGHSRの量を増加させる方法である。
GHS受容体、好ましくは固体支持体上に固定したGHS受容体は、例えば成長ホルモン分泌促進薬の治療を受けている患者における生理学的液体、例えば血清などの体液、および組織抽出物中の成長ホルモン分泌促進薬またはその代謝物の濃度の測定に対して診断的に使用できる。
GHS受容体の患者への投与は、成長ホルモン分泌促進薬投与後の流れに沿ったシグナルを増加させて、成長ホルモン分泌促進薬の必要用量を低下させることにより成長ホルモン分泌促進薬の正味の効果を増加させ、または治療中の成長ホルモン分泌促進薬の過剰投与の影響を減少させるという目的に対しても使用できる。
下記実施例によって本発明をさらに説明するが、下記実施例は本発明を限定するものではない。
実施例1
卵母細胞の調製および選択
Xenopus laevis卵母細胞を単離し、Arenaら、1991, Mol. Pharmacol. 40, 368-374(引用により本明細書に組み入れる。)によって以前に記載された標準的方法を使用して注入した。成熟した雌のXenopus laevisカエル(Xenopus One, Ann Arbor, MIから購入)を0.17%のメタンスルホン酸トリカインで麻酔し、卵巣を外科的に取り出し、カルシウムの入っていないOR−2培地(82.5mMのNaCl、2mMのKCl、2.5mMのピルビン酸ナトリウム、1mMのMgCl2、100m/mlのペニシリン、1mg/mlのストレプトマイシン、5mMのHEPES、pH=7.5;Specialty Media, NJ製のND−96)を含む60mmの培養皿(Falcon)に入れた。卵巣葉を開き、数回洗浄して、カルシウムを含まないOR−2でコラゲナーゼA消化(Boehringer-Mannheim;0.2%、18℃で2〜3時間)により嚢から卵母細胞を離した。小胞層の約50%が取り出されると、VおよびVI期の卵母細胞を選択し、カルシウムを含むND−86(86mMのNaCl、2mMのKCl、1mMのMgCl2、1.8mMのCaCl2、2.5mMのピルビン酸ナトリウム、0.5mMのテオピリン、0.1mMのゲンタマイシン、5mMのHEPES〔pH=7.5〕)に入れた。注入の各回について、典型的には3〜5匹のカエルを、対照のG−タンパク質リンク受容体(ヒトゴナドトロピン放出ホルモン受容体)の発現能力および活性あるホスホリパーゼC細胞内シグナル化経路の発生能力(ホスホリパーゼCの活性化によってカルシウム可動化を促進する1%のニワトリ血清とともにインキュベート)について予備試験した。これらの結果に基づいて、通常は卵母細胞単離の24〜48時間後の卵母細胞について1〜2匹のカエルをライブラリープール注入(25ng(複合プール)〜0.5ng(純粋なクローン)の濃度の50nlのcRNA)用に選択した。
実施例2
mRNA単離
ブタ(50〜80kg、ヨークシャー株)下垂体(動物屠殺の1〜2分以内に液体窒素で急速凍結)由来の全RNAを改良フェノール:チオシアン酸グアニジニウム法(Chomczynskiら、1987, Anal. Biochem. 162:156-159)により製造者(Molecular Research Center, Cincinnati, OH)の指示に従ってTRI−試薬LSを使用して調製した。典型的には、5mgの全RNAが、湿重量3.5gの下垂体組織から得られた。ポリ(A)+RNAをオリゴ(dT)セルロース(Pharmacia, Piscataway, NJ)上でのカラムクロマトグラフィー(2回)によって全RNAから単離した。全RNAからのポリ(A)+mRNAの収率は、通常は0.5%であった。他の組織からのRNAも同様に単離した。
実施例3
cDNAライブラリー構築
cDNAの第一の鎖を、オリゴ(dT)/Not Iプライマー−アダプターとともに製造者の指示に従ってM−MLV RNAse(−)逆転写酵素(Superscript, GIBCO-BRL, Gaithersberg, MD)を使用してポリ(A)+mRNAから合成した。cDNAの第二の鎖を合成した後、二本鎖cDNAを次の工程にかけた。すなわち、1)EcoR Iアダプターへの連結、2)Not I消化および3)大きいcDNAの濃縮およびSephacryl S-500カラム(Pharmacia)上でのゲル濾過クロマトグラフィーによる過剰なアダプターの除去である。高分子量cDNAに対応する画分を、EcoR I/Not I消化したpSV−7に連結した。pSV−7は、トランスフエクション(SV−40プロモーターにより駆動される)により哺乳類細胞で、およびin vitro転写産物(T7RNAポリメラーゼプロモーターから開始される)を使用して卵母細胞でクローン化cDNAを発現することができる真核生物発現ベクターである。pSV−7は、pSG−5(Stratagene, La Jolla, CA; Green, S.ら、1988 Nucleic Acids Res. 16:369)の多重クローニング部位を拡張した多重クローニング部位で置き換えることにより構築した。連結したベクター:cDNAを、1×106pfu/10ng二本鎖cDNAの形質転換効率で電気穿孔法により大腸菌株DH10B(GIBCO-BRL)に入れて形質転換した。ライブラリーは、約3×106個の独立クローンを含み、その95%以上が平均サイズが約1.65kb(0.8〜2.8kbの範囲)の挿入物を有していた。非増幅のライブラリーストックは、必要になるまで−70℃のグリセロール中で凍結した。ライブラリーのアリコートを固体状態法の改良(Kriegler, M., Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual Stockton Press, NY 1990)によってスクリーニングする前に一度増幅した。ライブラリーストックは、LBプレート上で力価測定した後、500〜1000コロニー同等物を、14mlの丸底ポリエチレン管(Falcon)において、0.3%のアガロースおよび100mg/mlのカルベニシリンを含む13mlの2×YT培地に添加した。細菌懸濁物を氷水浴で1時間氷冷して懸濁物を固化した後、垂直にて37℃で24時間、増殖させた。得られた細菌コロニーを2000xg、室温で10分間遠心分離を行うことにより採取し、3mlの2×YT/カルベニシリンに再懸濁させた。凍結ストック(5%)およびプラスミドDNA調製用のアリコートを得た。
実施例4
プラスミドDNA調製およびcRNA転写
プラスミドDNAを、製造者(Promega Biotech, Madison, WI)の指示に従ってWizard Miniprepキットを使用して、固体状態で増殖させた細菌(各500個の独立したクローンの1000プール)のペレットから精製した。14mlの固体状態増幅物からのプラスミドDNAの収量は5〜10mgであった。cRNA合成のための調製では、4mgのDNAをNot Iで消化し、得られた線状化したDNAから、プロテイナーゼK処理(10mg、37℃で1時間)、続いてフェノール(x2)、クロロホルム/イソアミルアルコール(x2)抽出およびエタノール沈殿(x2)によって、タンパク質およびRNaseを除いた。DNAを、RNaseを含まない約15mlの水に再懸濁し、必要になるまで−70℃で保存した。cRNAを改良したPromega Biotech製のキットを使用して合成した。各50mlの反応物は、5mlの線状化プラスミド(約1mg)、40mMのトリス−HCl(pH=7.5)、6mMのMgCl2、2mMのスペルミジン、10mMのNaCl、10mMのDTT、0.05mg/mlのウシ血清アルブミン、2単位/mlのRNasin、各800mMのATP、CTPおよびUTP、200mMのGTP、800mMのm7G(5’)ppp(5’)G、80単位のT7RNAポリメラーゼおよびTCA沈殿による合成RNAの定量のためのトレーサーとしての約20,000cpmの32P−CTPを含んでいた。反応は、30℃で3時間インキュベートし、RNaseを含まない20単位のDNaseを添加し、インキュベートを37℃でさらに15分間行った。cRNAをフェノール(x2)、クロロホルム/イソアミルアルコール抽出およびエタノール沈殿(x2)によって精製し、使用直前に、RNaseを含まない水に500ng/mlの濃度で再懸濁した。
実施例5
エクオリン生物発光アッセイ(ABA)およびクローンの同定
ABAは、G−タンパク質αサブユニットGα11(2ng/卵)を補充したエクオリンcRNA(2ng/卵)を含むライブラリープールcRNA(500〜10,000のプールサイズに対して25ng/卵)の注入を必要とする。エクオリンおよびGα11プラスミドからの合成転写体の安定化を容易にするために、発現ベクターpCDNA−3をカセットの挿入(ポリリンカーのApa I制限酵素部位に挿入)により改変して(pcDNA−3v2と言う)、T7RNAポリメラーゼプロモーターから開始する全てのcRNA上にポリ(A)域を付加した。このカセットは、(5’→3’へ)Bgl II部位、pA(20)およびプラスミドの線状化に使用できるSfi I部位を含む。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用して、最適化したKosak翻訳開始配列(Inouye, S.ら、1985, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3154-3158)を有するエクオリンcDNAのオープンリーディングフレームに対応するDNA断片を生成させた。このDNAを、pCDNA−3v2のEcoR I/Kpn I部位でEcoR IおよびKpn Iにより線状化したpCDNA−3v2に連結した。Gα11cDNAをpCMV−5ベクターからCla I/Not I断片として切り出し(Woon, C.ら、1989, J. Biol. Chem. 264: 5687-93)、クレノウDNAポリメラーゼで平滑末端にし、pcDNA−3v2のEcoR V部位に挿入した。cRNAを、モーター付き「Nanoject」インジェクター(Drummond Sci. Co., Broomall, PA.)を使用して50nlの体積で卵母細胞に注入した。注入針は、Flaming/Brownマイクロピペットプラー、P−87型(Sutter Instrument Co)を使用して1工程で引き抜き、鋭角が生じるように先端を53xの倍率を使用して折った。針の外径は<3mmである。注入後、卵母細胞をND−96培地でインキュベートし、18℃の暗所で静かに旋回振とうを行った。卵母細胞を(異種RNAの発現に必要な実験および時間に応じて)24〜48時間インキュベートした後、発現したエクオリンに必須発色団のcoelenterazineを「充填」した。卵母細胞を3mlの充填培地を含む35mmの皿に移し、18℃の暗所で静かに旋回振とうを行いながら2〜3時間インキュベートすることによりcoelenterazineを卵母細胞に充填した。充填培地は、OR−2培地(カルシウムを含まない)に10mMのcoelenterazine(Molecular Probes, Inc., Eugene, OR.)および30mMの還元グルタチオンを含んでいた。次いで、卵母細胞を上記したカルシウム培地とともにND−86培地に戻し、生物発光測定を開始するまで旋回振とうを行いながら暗所でインキュベートを続けた。卵母細胞におけるGHSR発現の測定は、Autolumat-PC Controlソフトウェア(Wallac Inc., Gaithersburg, MD)を動かすPCに連結したBerthold Luminometer LB953(Wallac Inc., Gaithersburg, MD)を使用して行った。卵母細胞(単独または対)を、Ca++を含まない2.9mlのOR−2培地を含むプラスチック管(75×12mm、Sarstedt)に移した。各cRNAプールを、卵母細胞を含む最低3本の管を使用して試験した。生物発光測定は、0.1mlの30mM MK−677の注入(最終濃度は1mM)によって惹起し、記録は、IP3−媒介応答と一致する動力学応答を観察するために、2分間続けた。
プールS10−20を、未分画のブタ下垂体cDNAライブラリーから調製し、各々1000クローンの10プールで構成した。S10−20は、2つの発光測定装置で正のシグナルを与え、次いで成分プールの活性を個々に試験した。1000クローンの10プールからは、プールS271のみが正の応答を与えた。このプールは、P541およびP542と命名した500クローンの2つのプールから作った。それらのプールの一方のみ(P541)が、再び、1mMの化合物Aの存在下で正の生物発光シグナルを与えた。このとき、希釈物を100mg/mlのカルベニシリンを含むLB寒天プレート上にプレーテイングして、1プレートにつき約50コロニーが生じる得るように、細菌の力価をP541のグリセロールストックで測定した。全部で1527のコロニーを拾い上げ、34個のプレートから複製した。次いで、最初のプレート上のコロニーを洗い流し、プラスミドを単離し、cRNAを合成して、卵母細胞に注入した。34個のプレートのうち8個から調製したcRNAは、卵母細胞において正のシグナルを生じた。2つのプレートを選択し、これらのプレートから個々のコロニーを増殖させ、プラスミドを単離し、cRNAを調製して卵母細胞に注入した。各プレートから1個のクローナル単離物(クローン7−3および28−18と命名)が、1mMの化合物Aに対して正の生物発光応答を生じた。クローン7−3をさらに解析した。
実施例6
受容体の解析
DNA配列決定を両方の鎖について、自動化Applied Biosystems装置(ABIモデル373)の使用により、およびSequenase II(US Biochemical, Cleveland, OH)を使用するジデオキシチェーンターミネーション法による手動で行った。GHSRヌクレオチドおよびタンパク質配列のデータベース研究(Genbank 88, EMBL 42, Swiss-Prot 31, PIR 40, dEST, Prosite, dbGPCR)、配列整列および分析は、GCG Sequence Analysis Software Package(Madison, WI; pileup、ペプチド構造およびモチーフプログラム)、FASTAおよびBLAST研究プログラム、ならびにIntelligenetics(San Francisco, CA;タンパク質分析プログラム)製のPC/Geneソフトウェア一式を使用して行った。ノーザンブロット分析は、上記したように調製した全(20mg/レーン)またはポリ(A)+mRNA(5〜10mg/レーン)を使用して行った。RNAを、2.2Mのホルムアルデヒドを含む1%アガロースゲル上で分画し、ニトロセルロース膜に対してブロットした。サザンブロットは、クローン7−3(nt291〜1132)によって予想されるORFの大部分を含むPCR発生プローブとハイブリダイズした。プローブは、109dpm/mgより大きい比活性になるように〔a〕32P−dCTPをランダムに入れることにより放射線標識した。サザンブロットは、5×SSC、5×デンハルト溶液、250mg/mlのtRNA、1%のグリシン、0.075%のSDS、50mMのNaPO4(pH6)および50%のホルムアミド中、42℃で4時間、前ハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションは、5×SSC、1×デンハルト溶液、0.1%のSDS、50mMのNaPO4(pH6)および50%のホルムアミド中、42℃で20時間行った。RNAブロットを2×SSC、0.2%のSDS中、42℃および−70℃で洗浄した。RNAサイズマーカーは28Sおよび18SrRNAおよびin vitro転写したRNAマーカー(Novagen)であった。いくつかの種に由来するEcoR IおよびHind III消化したゲノムDNAを含むナイロン膜(Clontech; 10mg/レーン)を6×SSPE、10×デンハルト、1%のSDSおよび50%のホルムアミド中、30℃で24時間ハイブリダイズさせた。ゲノムブロットを室温の6×SSPEで2回、55℃の6×SSPEで2回、および55℃の4×SSPEで2回洗浄した。ブタcDNAライブラリー(上述)由来の別のブタGHSRクローンを、スロット−ブロット装置(ScheicherおよびSchuell)においてナイロン膜に固定したプラスミドDNA(各500クローンのプール中)にハイブリダイズさせることにより特定した。次いで、純粋なクローナル単離物をコロニーハイブリダイゼーションによって特定した。さらに5’方向に伸長するブタGHSRクローンを、5’RACE法(Frohman, M.A., 1993, Methods Enzymol. 218:340-358,引用により本明細書に組み入れる。)を使用し、ブタ下垂体ポリ(A)+mRNAを鋳型として使用することにより特定した。
実施例7
ヒトGHSR
ブタGHSRのヒト下垂体相同体を製造者の指示に従ってベクターλZAPII(Stratagene)中に構築した市販のcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより得た。約1.86×106のファージを最初にプレーティングし、ブタクローン7−3(上述)のランダム−プライマー標識した部分をハイブリダイゼーションプローブとして使用することによりスクリーニングした。21の陽性クローンをプラーク精製した。これらのクローン由来の挿入物を、製造者(Stratagene)記載のヘルパーファージとの共感染によってバクテリオファージからファージミドpBluescript II SKに切り出した。ヒトクローンを、ブタクローンについて上述したように解析した。
実施例8
アッセイ
哺乳類細胞(COS−7)を、Lipofectamine(GIBCO-BRL; Hawley-Nelson, P. 1993, Focus 15:73)を使用してGHSR発現プラスミドによりトランスフェクションした。トランスフェクションは、60mmの皿中、8mgのLipofectamineおよび32mgのGHSRプラスミドDNAとともに80%集密度の細胞(約4×105細胞)上で行った。
ブタ下垂体膜およびGHSR発現プラスミドでトランスフェクションしたCOS−7細胞から調製した粗製膜への35S−化合物Aの結合を行った。COS−7トランスフェクション産物由来の粗製細胞膜を氷上、48時間の後トランスフェクションで調製した。各60mmの皿を3mlのPBSで2回、1mlのホモジナイゼーション緩衝液(50mMのトリス−HCl〔pH7.4〕、5mMのMgCl2、2.5mMのEDTA、30mg/mlのバシトラシン)で1回洗浄した。各皿に0.5mlのホモジナイゼーション緩衝液を添加し、細胞を破壊した後、Polytron装置(Brinkmann, Syosset, NY;設定4で10秒のバースト3回)を使用してホモジナイズして細胞を除去した。次いでそのホモジネートを、11,000xg、0℃で20分間遠心分離し、得られた粗製膜ペレット(主に細胞膜および核を含む)を、0.06%のBSA(0.1ml/60mm皿)を補充したホモジナイゼーション緩衝液に再懸濁し、氷上で保持した。結合反応を、20℃で1時間、0.1mlの膜懸濁物、10mlの35S−化合物A(0.05〜1nM;比活性は約900Ci/mmol)、10mlの競合薬および380〜390mlのホモジナイゼーション緩衝液を含む総量0.5ml中で行った。結合した放射性リガンドを急速真空濾過(Brandel 48−ウェル細胞採取器)により、0.5%のポリエチレンイミンで1時間前処理したGF/Cフィルターで分離した。フィルターに膜懸濁物を適用した後、そのフィルターは、氷冷した50mMのトリス−HCl〔pH7.4〕、10mMのMgCl2、2.5mMのEDTAおよび0.015%のトリトンX-100から成る3mlで3回洗浄し、フィルター上の結合した放射能をシンチレーション計数により定量した。特異的結合(全体の>90%)は、全結合と50nMの標識していない化合物Aの存在下で行った非特異的結合との間の差として定義する。
実施例9
比活性の高い放射性リガンド〔35S〕−化合物Aの調製
35S〕−化合物Aを、Dean DCら、1995, Allen J, Voges R(編)Synthesis and Applications of Isotopically Labelled Compounds, John Wiley & Sons, New York, pp. 795-801の記載に従って塩化メタン〔35S〕スルホニルを使用し、適切な前駆体であるN−〔1(R)−〔(1,2−ジヒドロスピロ〔3H−インドール−3,4’−ピペリジン〕−1’−イル)−カルボニル〕−2−(フェニル−メチルオキシ)エチル〕−2−アミノ−t−ブトキシカルボニル−2−メチルプロパン−アミドから調製した。半調製HPLCによる精製(Zorbax SB-フェニルカラム、68%MeOH/水、0.1%TFA、5ml/分)の後、ジクロロメタン中15%トリフルオロ酢酸を使用してN−t−BOC解離(25℃、3時間)を行うと、ほぼ定量的収量で〔メチルスルホニル−35S〕化合物Aが得られた。HPLC精製(Hamilton PRP-1 4.6×250mmカラム、1mMのHClを含む50→75%の直線勾配のメタノール−水で30分間、1.3ml/分)により、リガンドが>99%の放射化学純度で得られた。構造は、標識していない化合物AによるHPLC共溶離およびマススペクトル分析により確立した。後者の方法でも、約1000Ci/mmolの比活性が示された。
実施例10
ラット成長ホルモン分泌促進薬受容体(GHSR)Ia型をコードするDNA
ラットGHSRIa型を単離するために、低められたストリンジェンシーで行う交差ハイブリダイゼーションの方法を利用した。一度増幅したラット下垂体cDNAライブラリーのλgt11(RL1051b; Clontech, Palo Alto, CA)中約106ファジプラークを、大腸菌株Y1090r-上にプレーティングした。プラークを、最大強度Nytran(Schleicher & Schuell, Keene, NH)に移し、変性させ、中和し、ブタGHSRのクローン7−3の全コード領域および未翻訳領域を含む1.6kbのEcoRI/NotI断片を用いてスクリーニングした。膜を30℃、前ハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、2×デンハルト、5×SSPE、0.1%のSDS、100mg/mlのサケ精子DNA)中で3時間インキュベートした後、1×106cpm/mlの〔32P〕−標識したプローブとともにハイブリダイゼーション溶液(50%ホルムアミド、2×デンハルト、5×SSPE、0.1%のSDS、10%の硫酸デキストラン、100mg/mlのサケ精子DNA)中で一夜インキュベートした。プローブは、ランダムプライミングキット(Gibco BRL, Gaithersburg, ND)を使用して〔32P〕dCTPで標識した。ハイブリダイズさせた後、ブロットを各2×SSC、0.1%のSDSで2回洗浄した(24℃、次いで37℃、最後に55℃)。プラーク精製を3回行った後、1個の陽性クローンが単離された。約200pfu/150mm皿の増殖を一夜行った後、GHSRを含むファージを1×λ緩衝液(0.1MのNaCl、0.01MのMgSO4・7H2O、35mMのトリス−HCl、pH7.5)によりプレートプラークから溶離させた。10,000xgで10分間遠心分離して破片を除去した後、ファージ溶液を24℃で30分間、1mg/mlのRNAseAおよびDNAseIで処理し、次いで氷上で2時間、20%のPEG(8000)/2MのNaClにより沈殿させ、10,000xgで20分間遠心分離して採取した。ファージDNAは、68℃で1時間、0.1%のSDS、30mMのEDTA、50mg/mlのプロテアーゼK中でインキュベートし、次いでフェノール(3回)およびクロロホルム(2回)抽出した後、イソプロパノールで一夜沈殿させることにより単離した。GHSR DNA挿入物(〜6.4kb)をλgt11からプラスミドベクターLitmus 28(New England Biolabs, Beverly, MA)にサブクローン化した。2mgのファージDNAを10分間65℃に加熱した後、37℃で一夜、100単位のBsiWI(New England Biolabs, Beverly, MA)で消化した。6.5kbの断片をゲル精製し、電気溶離してフェノール/クロロホルム抽出した後、BsiWI消化したLitmus 28ベクターに連結した。
二本鎖DNAの両方の鎖の配列決定を、ABI PRISM染料ターミネーションサイクルシークエンス法迅速反応キット(Perkin Elmer; Foster City, CA)を使用してABI 373自動シークエンサー上で行った。
ラットGHSR Ia型タンパク質配列をコードする完全なORFとヒトおよびブタGHSR相同体との比較により、配列の同一性が高いことが示された(ラット対ヒト:95.1%;ラット対ブタ:93.4%)。
配列の比較および機能的発現の研究のために、ラットGHSRIa型に対する完全なORF(介在配列はない)をコードする連続DNA断片を生成させた。PCRを利用してEcoRI(5’)およびHpaI(3’)制限部位を付加したMet-1からVal-260までのアミノ末端断片を合成し、カルボキシ末端断片は、DraI(5’)およびNotI(3’)制限部位を付加したLys-261からThr-364までを生成させた。ORF構築体は、EcoRI/NotI−消化pSV7、EcoRI/HpaI−消化NH2−末端断片およびDraI/NotI−消化C末端断片と3回連続することにより、哺乳類発現ベクターpSV7中で組み立てた。
ORF構築体の機能活性は、60mmの皿で培養したエクオリン発現レポーターセルライン(293-AEQ17)に5mgのプラスミドDNAをトランスフェクション(lipofectamine(GIBCO/BRL)を使用)することにより評価した。約40時間発現を行った後、細胞中のエクオリンにcoelenterazinneを2時間充填し、細胞を採取して洗浄し、低速遠心分離によりペレット化して発光測定管に入れた。機能活性を、化合物Aに依存する細胞内カルシウムの可動化および同時に発生するカルシウムにより誘導されるエクオリン生物発光を測定することにより求めた。図26に示すように、3回ともサンプルは化合物A誘導発光応答を示している。

Claims (13)

  1. 配列番号3によって表されるアミノ酸配列を含む、単離されたブタ成長ホルモン分泌促進薬受容体。
  2. 配列番号13によって表されるアミノ酸配列を含む、単離されたヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体。
  3. 配列番号16によって表されるアミノ酸配列を含む、単離されたラット成長ホルモン分泌促進薬受容体。
  4. 配列番号3、13および16からなる群より選択されるアミノ酸配列を含み、受容体関連タンパク質を含まない、成長ホルモン分泌促進薬受容体(GHS−R)。
  5. 配列番号3、13、および16からなる群より選択されるアミノ酸配列の1個若しくは数個が欠失、置換または付加によって修飾された機能的等価物のアミノ酸配列である、請求項4に記載のGHS−Rの機能的等価物。
  6. 配列番号1によって表されるヌクレオチド配列を含む単離されたブタ成長ホルモン分泌促進薬受容体の核酸。
  7. 配列番号6または11によって表されるヌクレオチド配列を含む単離されたヒト成長ホルモン分泌促進薬受容体の核酸。
  8. 配列番号14または15によって表されるヌクレオチド配列を含む単離されたラット成長ホルモン分泌促進薬受容体の核酸。
  9. ヌクレオチド配列が、配列番号1とストリンジェントな条件下であって、50%ホルムアミド、2×デンハルト、5×SSPE、0.1%のSDS、10%の硫酸デキストラン、100mg/mlのサケ精子DNAを含有するハイブリダイゼーション溶液中で一晩インキュベートすることを含む条件下においてハイブリダイズすることを特徴とする、(N−〔1(R)−〔(1,2−ジヒドロ−1−メタン−スルホニルスピロ〔3H−インドール−3,4’−ピペリジン〕−1’−イル)カルボニル〕−2−(フェニルメチルオキシ)エチル〕−2−アミノ−2−メチルプロパンアミドに特異的に結合するGHS−Rをコードする単離された核酸。
  10. 配列番号3、13および16からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む成長ホルモン分泌促進薬受容体をコードする核酸を含むベクター。
  11. 配列番号1、6および15からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含み成長ホルモン分泌促進薬受容体をコードする核酸を含むベクター。
  12. プラスミド、改変ウイルス、酵母人工染色体、バクテリオファージ、コスミドおよび転移因子からなる群より選択される、請求項10または11に記載のベクター。
  13. 請求項12に記載のベクターを含む宿主細胞。
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