JPH10502245A - 改変g−蛋白質結合リセプタ - Google Patents

改変g−蛋白質結合リセプタ

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JPH10502245A JP8503165A JP50316596A JPH10502245A JP H10502245 A JPH10502245 A JP H10502245A JP 8503165 A JP8503165 A JP 8503165A JP 50316596 A JP50316596 A JP 50316596A JP H10502245 A JPH10502245 A JP H10502245A
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ストラダー,キヤサリン・デイ
リオス・キヤンデローレ,マリア−ルイサ
グアン,シヤオミング
デイクソン,リチヤード
マクアリスター,ジヨージ
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メルク エンド カンパニー インコーポレーテッド
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Abstract

(57)【要約】 第3細胞内ドメインに欠失を有する改変G−蛋白質結合リセプタが同定され、さらに改変リセプタの作成方法が提供される。本発明は改変リセプタ、改変リセプタを用いる分析、改変リセプタを発現する細胞、およびリセプタのモジュレータを含めた改変リセプタの使用により同定される化合物を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】 改変G−蛋白質結合リセプタ 他の出願との関係 この出願は現在係属中の1994年6月29日付けで出願された米国特許出願 第08/269,987号の部分継続出願および現在係属中の1994年6月2 9日付けで出願された米国特許出願第08/267,987号の部分継続出願で ある。発明の背景 G−蛋白質結合リセプタは、各種の環境シグナルに対する細胞の応答を媒介す る細胞表面リセプタである。作用物質を結合すると、リセプタは1種もしくはそ れ以上の特定G−蛋白質と相互作用し、次いで特定エフェクター蛋白質の活性を 調整する。この手段により、G−蛋白質結合リセプタの活性化は環境シグナルの 作用を増幅すると共に一連の細胞内現象を開始させ、最終的に所定の細胞応答を もたらす。1群のG−蛋白質結合リセプタは細胞の血漿膜内で複合情報処理ネッ トワークとして機能し、多数の環境シグナルに対する細胞の応答に連携するよう 作用する。 G−蛋白質結合リセプタは、作用物質とリセプタとG−蛋白 質との間の高親和性三成分複合体の生成を促進する作用物質の能力を特徴とする (第1図)。G−蛋白質のα−サブ単位はグアニン ヌクレオチド結合性部位を 有し、この部位は高親和性三成分[G蛋白質結合−リセプター作用物質]複合体 ではGDPにより占拠される。生理学的濃度のGTPの存在下に、G蛋白質のグ アニンヌクレオチド結合性部位におけるGDP分子はGTP分子により置換され る。GTPの結合はG蛋白質のαサブ単位をそのβγサブ単位およびリセプタか ら解離させることにより、G−蛋白質を活性化させて下流エフェクタ(β−アド レナリン作用性リセプタ(βAR)の場合にはアデニリルシクラーゼ)を刺激す ると共に細胞内シグナルを伝播させる。したがって三成分複合体は生理学的GT P濃度の存在下では一時的な存在である。リセプターG蛋白質複合体に対する作 用物質の親和性は未複合リセプタに対する親和性よりも高いので、三成分複合体 における不安定化の1つの結果は作用物質に対するリセプタの親和性の低下であ る。すなわち、G−蛋白質結合リセプタに対する作用物質の親和性は、リセプタ がG−蛋白質に結合する効率の関数である。これに対し、拮抗剤はG−蛋白質結 合の存在下または不存在下でリセプタに対し同じ親和性にて結 合する。 リセプタがG−蛋白質に最適には結合しない条件により作用物質親和性が減少 しうるという観察は、G−蛋白質結合リセプタの作用物質の同定、特にリガンド 結合に基づく同定につき重要な意味を有する。リセプタが結合分析の条件下でG −蛋白質に最適に結合しなければ、作用物質は比較的低い親和性にてリセプタに 結合する。したがって、放射性標識リガンドの排除に基づく結合分析に依存した スクリーニングは、その容易性および高処理量の能力のため魅力的であるが、有 望な部分的作用物質を見逃しうるという危険を有する。何故なら、作用物質は主 として低親和性状態のリセプタに結合し、したがって結合分析にて低い親和性を 有するからである。その結果、G−蛋白質結合リセプタの作用物質をスクリーニ ングするには、しばしば機能分析が用いられる。しかしながら、機能分析(生体 外の筋肉収縮分析から、外因性クローン化G−蛋白質結合リセプタを発現する細 胞における第2メッセンジャーレベルの測定に至る範囲)はリガンド結合分析よ りも面倒かつ一層時間を要し、したがって高処理量のスクリーニングには容易に 適用されない。本発明の改変リセプタはG−蛋白質の存在下または不存在下で高 親和性をもって作用物質を結合するので、これらはリガンドが作用物質または拮 抗剤のいずれであっても高親和性リガンドをスクリーニングすべき高処理量の放 射性リガンド結合分析に使用することができる。 G−蛋白質結合リセプタは8個の親水性ドメインを接続する7個の疎水性ドメ インで構成される。これらドメインの疎水性もしくは親水性は、たとえばカイト ・ドゥーライト分析[J.カイトおよびR.J.F.ドゥーライト、ジャーナル ・モレキュラ・バイオロジー、第157巻、第105頁(1982)]のような 標準的水治療法プロフィルにより決定することができる。リセプタは、リセプタ のN−末端が細胞外空間に面すると共にリセプタのC−末端が細胞質に面して各 疎水性ドメインが血漿膜を横断するよう、細胞の血漿膜に配向すると思われる。 リセプタがモデル化されており、細胞外ドメインとトランスメンブレンドメイン と細胞内ドメインとの推定境界が一般にこれらモデルに基づいて承認されている [参考のため、ボールドウィン、EMBOジャーナル.第12巻、第1693頁 (1993)参照]。一般にトランスメンブレンドメインは20〜25アミノ酸 の範囲で構成され、ここではアミノ酸残基の大部分が 疎水性側鎖を有する(システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、 トリプトファン、プロリン、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイ シンを包含する)のに対し、細胞内および細胞外ループは親水性もしくは極性側 鎖を有する数種のアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グ ルタミン、セリン、スレオニン、ヒスチジン、リシンおよびアルギニン)の隣接 ストレッチにより規定される。極性アミノ酸、特に未帯電アミノ酸(たとえばセ リン、スレオニン、アスパラギンおよびグルタミン)はトランスメンブレン領域 および膜外領域の両者に見られる。 膜外領域は3個もしくはそれ以上の親水性残基の隣接ストレッチを特徴とする 。これに対し、親水性残基はトランスメンブレンドメインにて疎水性残基により 包囲される1〜2の群でのみ見られる。すなわち、トランスメンブレンおよび膜 外領域は、上記疎水性セグメントの長さに対する制約の他に、リセプタの主配列 における隣接親水性もしくは疎水性アミノ酸の個数により同定することができる 。トランスメンブレン領域と膜外領域との間の境界はしばしば、疎水性アミノ酸 のストレッチの開始部もしくは末端における帯電もしくは極性残基の存在により 規 定される。本発明のリセプタにおける突然変異の位置はこれらモデルに基づいて 説明され、突然変異する残基の特定アミノ酸数により特定することができる。 これら基準により、第3細胞内ループは疎水性の推定トランスメンブレンドメ インVおよびVIを接続する親水性ループとして規定される。たとえば、本発明 を特に例示すべく使用されるハムスターβ2アドレナリン作用性リセプタにおい て、第3細胞内ループはアミノ酸221および273を意味する(第2図)。上 記原理にしたがい、このループの開始部はArg221(残基198〜220の 疎水性ストレッチの末端における帯電残基)およびLys273(残基274〜 298の疎水性ストレッチの開始部における帯電残基)の存在によって規定され る。 本発明は、第3細胞内ドメインに欠失を有する改変G−蛋白質結合リセプタに 関するものである。これら改変リセプタの設計および作成方法が提供される。改 変リセプタはその各G−蛋白質から結合解除され或いは貧弱に結合する。しかし ながら、これら改変リセプタはG−蛋白質結合の不存在下で高親和性をもって作 用物質を結合する。作用物質に対する高い固有の親和 性により、これら改変リセプタは高親和性をもってリセプタに結合する化合物を 、これら化合物が作用物質であっても拮抗剤であっても、同定する高処理量結合 分析に使用することができる。本発明は改変リセプタをコードするDNA、改変 リセプタ、改変リセプタを用いる分析、改変リセプタを発現する細胞、および改 変リセプタの特定モジュレータを含め改変リセプタの使用により同定される物質 を包含する。この方法で同定されるモジュレータは治療剤として有用である。こ こに説明したモジュレータは限定はしないが作用物質、拮抗剤、サプレッサおよ びインデューサを包含する。発明の要点 第3細胞内ドメインに欠失を有する改変G−蛋白質結合リセプタが同定され、 さらに改変リセプタの作成方法が提供される。本発明は改変リセプタ、改変リセ プタを用いる分析、改変リセプタを発現する細胞、およびリセプタのモジュレー タを含め改変リセプタの使用により同定される化合物を包含する。この方法で同 定されるモジュレータは治療剤として有用である。図面の簡単な説明 第1図:G−蛋白質シグナル トランスダクション系の略図。 リセプタは7−螺旋束として示される。α,βおよびγはG蛋白質の3種のサブ 単位を示す。Eはたとえばアデニリルシクラーゼのようなエフェクタ酵素を示す 。高親和性をもってリセプタ−G蛋白質複合体に結合すると共に低親和性をもっ て単独のリセプタに結合する作用物質(A)が示される。 第2図:ハムスターβ2アドレナリン作用性リセプタの略図。第3細胞内ルー プは残基221〜273を含む。このループの近位および遠位セグメントがシリ ンダにて描かれる。 第3図:野生型β3AR(黒丸)によるが、改変D(227〜234)(三角 形)もしくはD(277〜289)β3AR(正方形)にはよらないイソプロテ レノールの機能としてcAMP産生の刺激。 第4図:野生型(白丸)およびD(277〜289)β3AR(黒丸)に対す る作用物質および拮抗剤の結合。作用物質イソプロテレノール(頂部パネル)ま たは拮抗剤プロプラノロール(底部パネル)の結合は放射性リガンド125I−シ アノピンドロールと競合して測定した。 第5図:アデニリルシクラーゼ活性の抑制。野生型5−HT1Dβリセプタに より媒介されるアデニレートシクラーゼ活性 を抑制する5−HTの能力の濃度依存応答曲線を示す。しかしながら、図面の右 側におけるヒストグラムには、突然変異リセプタD(231〜239)5−HT 1Dβで活性化してアデニレートシクラーゼ活性の抑制を100mM5−HTが もたらしえないことを示す。示した結果は3回反復で行った典型的実験からのも のであって、3種の独立突然変異リセプタ細胞系[D(231〜239)5−H T1Dβクローン1、21および65]を示す。32P−ATPからの32P−cA MPの生成は、適するリセプタを安定的に発現するCHO細胞から作成された粗 膜調製物で測定した。 第6図、第1表:野生型および改変β2ARの結合および機能パラメータ。 第7図、第2表:野生型および改変β3ARの結合パラメータ。 第8図、第3表:改変5HT−1Dβリセプタの放射性リガンド結合特性。表 中にはグアニン ヌクレオチド同族体GppNHp(100mM)の存在下およ び不存在下で観察された2nm[3H]5−HTの特異的結合値(dpm)が示 される。さらに、各細胞系につきアデニレートシクラーゼ活性の抑制% (%AC抑制)も示される。示した結果は典型的実験からのものであって3回反 復した。発明の詳細な説明 第3細胞内ドメインに欠失を有する改変G−蛋白質結合リセプタが同定され、 さらに改変リセプタの作成方法が提供される。改変リセプタはその各G−蛋白質 から結合解除(uncoupled)され或いは貧弱に結合すると共に、リセプタに結合す る物質をこれら物質が作用物質または拮抗剤のいずれであっても同定する分析に 使用することができる。本発明は改変リセプタ、改変リセプタを用いる分析、改 変リセプタを発現する細胞、およびリセプタのモジュレータを含め改変リセプタ の使用により同定される化合物を包含する。この方法にて同定されるモジュレー タは治療剤として有用である。ここに説明したモジュレータは限定はしないが作 用物質、拮抗剤、サプレッサおよびインデューサを包含する。 「G−蛋白質結合リセプタ」という用語は、1種もしくはそれ以上のグアニン ヌクレオチド結合性調節蛋白質(G−蛋白質)の活性化により内生シグナル トランスダクションを媒介する任意のリセプタ蛋白質を意味する。これらリセプ タは、7 個の疎水性トランスメンブレンドメインを含め共通の構造的特徴を有する。G− 蛋白質結合リセプタは小バイオジェニックアミンに結合するリセプタを包含し、 限定はしないがβ−アドレナリン作用性リセプタ(βAR)、α−アドレナリン 作用性リセプタ(αAR)およびムスカリン リセプタ、並びに内生リガンドが ペプチドであるリセプタ、たとえばニューロキニンおよびグルカゴン リセプタ を包含する。βARの例はβ−1、β−2およびβ−3アドレナリン作用性リセ プタを包含する。αARの例はα−1a、α−1b、α−1c、α−2a、α− 2bおよびα−2cを包含する。ムスカリン リセプタの例はM1、M2、M3 、M4およびM5を包含する。ニューロキニン リセプタの例はNK1、NK2 およびNK3を包含する。G−蛋白質結合リセプタの他の例は限定はしないがア デノシン2リセプタ、α−2−アドレナリン作用性リセプタ、タイプ−1アンギ オテンシンIIリセプタ、コールサイトキニンBリセプタ、ガストリン リセプ タ、ソマトスタチン リセプタ、5−ヒドロキシトリプタミン1βリセプタ、A 2アデノシン リセプタ、ブルキット リンパ腫リセプタ、ニューロペプチドY リセプタ、タチキニン リセプタ、セロトニン リセプタ、ホ ルミルペプチド リセプタ様−1、チラミン リセプタ、ムスカリン アセチル コリン リセプタ、或る種のエンドテリンリセプタ、補体蛋白質5aリセプタ、 コリオゴナドトロピンホルモン リセプタ、高親和性インターロイキン8リセプ タ、小胞刺激ホルモン リセプタ、ドーパミンD1リセプタ、C5aアナフィロ トキシン リセプタ、ヒスタミンH2リセプタ、物質Pリセプタ、チロトロピン リセプタおよび黄体化ホルモンリセプタを包含する。G−蛋白質結合リセプタ は限定はしないがヒト、ウシ、ヤギ、マウス、ブタおよびラットを包含する各種 の動物から分離されている。 改変リセプタは、天然および誘発の両者を含め遺伝子変種を包含しうる。誘発 された改変リセプタは、限定はしないが部位指向突然変異を包含する各種の方法 により得ることができる。核酸および蛋白質操作のための技術は当業界で周知さ れ、一般にメソッズ・イン・エンチモロジーおよびサムブルック等、モレキュラ ・クローニング:ラボラトリー・マニュアル、コールド・スプリング・ハーバー ・ラボラトリー(1989)に記載されている。 特定アミノ酸をコードする各種のコドンには相当程度の重剰 性が存在することが知られている。したがって本発明は同一アミノ酸の生じうる 翻訳をコードする代案コドンを含有するようなDNA配列にも向けられる。この 明細書の目的で、1種もしくはそれ以上の置換コドンを有する配列を縮退変化と して規定する。さらに本発明の範囲内には、発現蛋白質の最終的な物理的性質を 実質的に変化させないようなDNA配列もしくは翻訳蛋白質のいずれかにおける 突然変異も包含される。たとえばロイシンにつきバリン、リシンにつきアルギニ ンまたはグルタミンにつきアスパラギンの置換はポリペプチドの機能性の変化を 生ぜしめない。 ペプチドをコードするDNA配列は、天然ペプチドの性質とは異なる性質を持 ったペプチドをコードするよう変化させうることが知られている。DNA配列を 変化させる方法は限定はしないが部位指向突然変異を包含する。変化した性質の 例は限定はしないが基質に対する酵素の親和性またはリガンドに対するリセプタ の親和性の変化を包含する。 ここで用いる改変リセプタの「機能的誘導体」は、改変リセプタの生物学的活 性に実質的に類似する生物学的活性(機能的もしくは構造上)を有する化合物で ある。「機能的誘導体」と いう用語は改変リセプタの「断片」、「変種」、「縮退変種」、「類似体」およ び「同族体」または「化学的誘導体」を包含することを意図する。「断片」とい う用語は改変リセプタの任意のポリペプチド ザブセットを意味する。「変種」 という用語は改変リセプタ分子全体またはその断片のいずれかに構造および機能 が実質的に類似した分子を示すことを意味する。分子は、両分子が実質的に同様 な構造を持てば或いは両分子が同様な生物学的活性を持てば改変リセプタに「実 質的に類似」である。したがって、2種の分子が実質的に同様な活性を持てば、 これらはたとえ分子の一方の構造が他方の分子に見い出されなくても或いは2種 のアミノ酸配列が同一でなくても変種であると考えられる。 「類似体」という用語は、全改変リセプタ分子またはその断片のいずれかに機 能上実質的に類似する分子を意味する。 核酸を意味する場合、「実質的相同性」もしくは「実質的類似性」という用語 は、最適に整列させて比較した際に、セグメントもしくはその相補ストランドが ヌクレオチドの少なくとも75%にて適するヌクレオチド挿入もしくは欠失と同 一であることを意味する。あるいは、実質的相同性は、セグメントがス トランド又はこれの相補体とハイブリダイズする場合に、存在する。 ここに記載した核酸は全細胞もしくは細胞溶解物または部分的に精製または実 質的に精製された形態で存在することができる。核酸は、環境汚染物から精製さ れた際に実質的に精製されたと考えられる。したがって、細胞から分離された核 酸配列は標準法により細胞成分から精製されれば実質的に精製されたと考えられ る一方、化学合成された核酸配列はその化学先駆体から精製されれば実質的に精 製されたと考えられる。 本発明の核酸組成物は、合成により或いは技術の組合せにより作成されたゲノ ムDNAもしくはcDNAから得ることができる。 本発明の改変G−結合蛋白質リセプタをコードする天然もしくは合成核酸を発 現ベクター中に組み込むことができる。通常、改変リセプタを組込んだ発現ベク ターは宿主における複製に適している。許容しうる宿主の例は限定はしないが原 核性および真核性細胞を包含する。 ここで用いる「組換発現系」という表現は、組換発現ベクターを安定的に保持 する適する宿主生物の実質的に均質な培養物 を意味する。適する宿主の例は限定はしないが細菌、酵母、黴類、昆虫細胞、植 物細胞および哺乳動物細胞を包含する。一般に、発現系の細胞は単一の先代形質 転換細胞の後代である。 ここに説明する方法により得られるクローン化された改変リセプタDNAは、 適するプロモータおよび他の適する転写制御要素を含有した発現ベクターへの分 子クローン化により組換発現させることができ、原核性もしくは真核性宿主細胞 に転移させて組換改変リセプタを産生することができる。この種の操作の技術は J.サムブルック等(上記)に充分記載され、当業界で周知されている。 ここで発現ベクターは、遺伝子のクローン化コピーの転写および適する宿主に おけるmRNAの翻訳に必要とされるDNA配列として規定される。この種のベ クターを用いて、たとえば細菌、青緑色藻類、植物細胞、昆虫細胞、黴細胞およ び動物細胞のような各種の宿主にて真核性遺伝子を発現させることができる。 特定設計されたベクターは、たとえば細菌−酵母もしくは細菌−動物細胞もし くは細菌−黴細胞または細菌−脊椎動物細胞のような宿主間のDNAの往復を可 能にする。適当に作成され た発現ベクターは宿主細胞における自律複製に関する複製のオリジン、選択可能 なマーカー、限定数の有用な制限酵素部位、高コピー数の能力および活性プロモ ータを含有すべきである。プロモータは、RNAポリメラーゼをDNAに結合さ せると共にRNA合成を開始させるDNA配列として規定される。強力なプロモ ータは、mRNAを高頻度で開始させるものである。発現ベクターは限定はしな いがクローン化用ベクター、改変クローン化用ベクター、特定設計されたプラス ミドもしくはウィルスを包含する。 各種の補乳動物発現ベクターを用いて、哺乳動物細胞で組換改変リセプタを発 現させることができる。組換改変リセプタ発現に適する市販の哺乳動物発現ベク ターは限定はしないがpcDNA3(インビトロゲン社)、pMC1neo(ス トラタジーン社)、pXT1(ストラタジーン社)、pSG5(ストラタジーン 社)、EBO−pSV2−neo(ATCC37593)、pBPV−1(8− 2)(ATCC37110)、pdBPV−MMTneo(342−12)(A TCC37224)、pRSVgpt(ATCC37199)、pRSVneo (ATCC37198)、pSV2−dhfr(ATCC 37146)、pUCTag(ATCC37460)およびλZD35(ATC C37565)を包含する。 各種の細菌発現ベクターを用いて、細菌細胞で組換改変リセプタを発現させる ことができる。組換改変リセプタ発現に適する市販の細菌発現ベクターは限定は しないがpET11a(ノバゲン社)、ラムダgt11(インビトロゲン社)、 pcDNAII(インビトロゲン社)、pKK223−3(ファルマシア社)を 包含する。 各種の黴細胞発現ベクターを用いて、黴細胞で組換改変リセプタを発現させる ことができる。組換改変リセプタ発現に適する市販の黴細胞発現ベクターは限定 はしないがpYES2(インビトロゲン社)、ピチア発現ベクター(インビトロ ゲン社)を包含する。 各種の昆虫細胞発現ベクターを用いて、昆虫細胞で組換リセプタを発現させる ことができる。改変リセプタの組換発現に適する市販の昆虫細胞発現ベクターは 限定はしないがpBlue BacIII(インビトロゲン社)を包含する。 改変リセプタをコードするDNAを含有した発現ベクターを用いて、組換宿主 細胞で改変リセプタを発現させることができ る。組換宿主細胞は原核性もしくは真核性とすることができ、限定はしないがた とえばイー・コリのような細菌、たとえば酵母のような真菌細胞を包含すると共 に、限定はしないがヒト、ウシ、ブタ、サルおよび囓歯類オリジンの細胞系を包 含する哺乳動物細胞、並びに限定はしないがショウジョウバエおよびカイコ由来 の細胞系を含め昆虫細胞を包含する。適すると共に市販されている哺乳動物から 得られる細胞系は限定はしないがL細胞L−M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L−M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC C RL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV−1(ATCC CCL 70)、COS−1(ATCC CRL 1650)、COS−7( ATCC CRL 1651)、CHO−K1(ATCC CCL 61)、3 T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 165 8)、HeLa(ATCC CCL 2)、C1271(ATCC CRL 1 616)、BS−C−1(ATCC CCL 26)およびMRC−5(ATC C CCL 171)を包含する。 限定はしないが形質転換、トランスフェクション、リポフェ クション、原形質融合およびエレクトロポレーションを包含する任意多数の技術 を介し発現ベクターを宿主細胞に導入することができる。発現ベクター含有細胞 は、クローン増殖されると共にこれらが改変リセプタ蛋白質を産生するかどうか 判定すべく個々に分析される。改変リセプタ発現性宿主細胞クローンの同定は、 限定はしないが抗−改変リセプタ抗体との免疫学的反応性を包含する数種の手段 により行うことができる。 さらに改変リセプタDNAの発現は、インビトロ産生された合成mRNAもし くは天然mRNAを用いて行うこともできる。合成mRNAまたは改変リセプタ 産生細胞から分離されたmRNAを、限定はしないが小麦胚芽抽出物および網状 赤血球抽出物を包含する各種の細胞フリー系で効率的に翻訳すると共に、限定は しないがカエル卵細胞への微量注射(カエル卵細胞への微量注射を包含する細胞 系のシステム(カエル卵細胞への微量注射が好適である)にて効率的に翻訳する ことができる。 ポリペプチドを意味する場合、「実質的相同性」という用語は、問題とするポ リペプチドもしくは蛋白質が問題とする天然蛋白質に対し少なくとも約30%の 相同性、一般に少なくとも約65%の相同性を示すことを意味する。 改変リセプタを適する宿主細胞にて発現させると共に、改変リセプタに影響を 及ぼす化合物を見出すべく使用することができる。好ましくは、改変リセプタを 限定はしないがCOS−7、CHOもしくはL細胞を包含する哺乳動物細胞系ま たは限定はしないがSf9およびSf21を包含する昆虫細胞系にて発現させ、 これを用いてリセプタに結合すると共にその機能を変化させ或いは刺激するよう なリガンドを見出すことができる。さらに改変リセプタは細菌、黴もしくは酵母 発現系にて産生させることもできる。 改変リセプタの発現は、リセプタにつき特異性の放射線標識されたリガンドを 用いて検出することができる。本発明を例示すべくここで用いるβ2アドレナリ ン作用性リセプタにつき、この種のリガンドは125I−イオドシアノピンドロー ル(125I−CYP)とすることができる。 改変リセプタに対する親和性を示す化合物の結合特異性は、クローン化された 改変リセプタでトランスフェクトされた細胞またはこれら細胞からの膜に対する 化合物の親和性を測定することにより示される。クローン化された改変リセプタ の発現およびこれら細胞に対する放射線標識リガンドの結合を抑制する 化合物のスクリーニングは、リセプタに対する高親和性を持った化合物を選択す る合理的方法を与える。これら化合物はリセプタの作用物質もしくは拮抗剤とす ることができる。改変リセプタはG−蛋白質に良好に結合しないので、これら化 合物の作用物質活性は組織にて自然に発現され或いはクローン化されて外的に発 現される野生型リセプタを用いて最もよく評価される。 改変リセプタがクローン化されて哺乳動物細胞系(たとえばCOS−7細胞も しくはCHO細胞)で発現された後、組換改変リセプタは良好に特性化された環 境に置かれる。次いで、改変リセプタを発現する組換細胞からの膜を当業界で知 られた方法により分離する。分離された膜は、膜に基づく各種のリセプタ結合分 析に用いることができる。改変リセプタは作用物質に対し高親和性を有するので 、リガンド(作用物質もしくは拮抗剤のいずれか)を標準的放射性リガンド結合 分析により同定することができる。これら分析はリセプタに対するリガンドの固 有の親和性を測定する。 本発明は、改変G−蛋白質結合リセプタの発生方法を提供する。この種の方法 は一般に、リセプタの第3細胞内ドメインから少なくとも1個のヌクレオチドを 欠失させることを含む。他 の方法は限定はしないがリセプタの第3細胞内ドメインからのアミノ酸の酵素的 もしくは化学的除去を包含する。改変G−蛋白質リセプタの1つの発生方法は: (a)G−蛋白質結合リセプタをコードするDNAを分離し; (b)工程(a)のDNAを、G−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインを コードするDNAから少なくとも1個のヌクレオチドを欠失させることにより変 化させ; (c)変化したDNAを分離し; (d)変化したDNAを発現させ; (e)改変G−蛋白質結合リセプタを回収する ことからなっている。 G−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインは、リセプタの第5疎水性トラン スメンブレンドメインと第6疎水性トランスメンブレンドメインとの間に位置す る(第2図)。 本発明は改変G−蛋白質結合リセプタに結合する化合物の同定方法を提供する 。化合物の同定方法は: (a)G−蛋白質結合リセプタをクローン化し; (b)クローン化されたG−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインをコード するDNA配列を変化させ; (c)変化したリセプタを発現ベクター中へスプライスして、変化リセプタが原 核性もしくは真核性細胞中への構成物の導入に際しリセプタの発現を誘発するの に充分な転写および翻訳シグナルに作用可能に結合するような構成物を産生させ ; (d)構成物を導入構成物の不存在下では変化リセプタを発現しない原核性もし くは真核性細胞に導入し; (e)工程(c)で産生された細胞または細胞からの単離した膜をリセプタに結 合することが知られた定量可能な化合物と共に培養し、次いでリセプタからの定 量可能な化合物に競合するような濃度範囲にて試験化合物を添加し、定量可能な 化合物の50%がリセプタから排除されるようになる試験化合物の濃度として試 験化合物のIC50を得る ことからなる分析により例示される。 さらに本発明は、改変リセプタをコードするDNAもしくはRNAの発現をモ ジュレートし或いは改変リセプタ蛋白質の機能をモジュレートする化合物のスク リーニング方法にも向けられる。これら活性をモジュレートする化合物はDNA 、RNA、ペプチド、蛋白質または非蛋白質有機分子とすることができる。化合 物は改変リセプタをコードするDNAもしくはRNAの発 現または改変リセプタ蛋白質の機能を増大または減少させてモジュレートするこ とができる。改変リセプタをコードするDNAもしくはRNAの発現または改変 リセプタ蛋白質の機能をモジュレートする化合物は各種の分析により検出するこ とができる。この分析は、発現もしくは機能の変化が存在するかどうかを判定す る単純な「イエス/ノー」分析とすることができる。この分析は、試験試料の発 現もしくは機能を標準試料における発現もしくは機能のレベルと比較して定量的 にすることができる。 改変リセプタDNA、改変リセプタに対する抗体もしくは改変リセプタ蛋白質 を内蔵するキットを作成することができる。この種のキットを使用して、改変リ セプタDNAにハイブリダイズするDNAを検出し或いは試料における改変リセ プタ蛋白質もしくはペプチド断片の存在を検出する。この種の特性化は限定はし ないが法医学、毒物学もしくは疫学の各研究を包含する各種の目的に有用である 。 本発明のDNA分子、RNA分子、組換蛋白質および抗体を用いて改変リセプ タDNA、改変リセプタRNAもしくは改変リセプタ蛋白質をスクリーニングす ると共にその各レベルを測 定することができる。組換蛋白質、DNA分子、RNA分子および抗体はキット の構成を改変リセプタの検出および分類に好適にする。この種のキットは、少な くとも1個の容器を密閉保持するのに適する分室化したキャリヤを備える。キャ リヤはさらに、たとえば組換改変リセプタ蛋白質または改変リセプタを検出する のに適する抗−改変リセプタ抗体のような試薬をも含む。キャリヤはさらに、た とえば標識された抗原もしくは酵素基質などの検出手段をも含有することができ る。 改変リセプタ活性のモジュレータを含む医薬上有用な組成物は、たとえば医薬 上許容しうるキャリヤの混合により公知方法で処方することができる。この種の キャリヤおよび処方方法の例はレミントン・ファーマスーチカル・サイエンスに 見ることができる。効果的投与に適する医薬上許容しうる組成物を作成するには 、この種の組成物は有効量の蛋白質、DNA、RNAもしくはモジュレータを含 有する。 本発明の治療もしくは診断組成物は、障害を治療し或いは診断するのに充分な 量にて個人に投与される。有効量は、たとえば個人の状態、体重、性別および年 令のような各種の因子に応じて変化することができる。他の因子は投与方式を包 含する。 医薬組成物は、たとえば皮下、局部、経口および筋肉内のような各種のルート により個人に投与することができる。 「化学的誘導体」という用語は、一般には基礎分子の一部分でない追加の化学 部分を有する分子を意味する。この種の成分は基礎分子の溶解度、半減期、吸収 などを向上させうる。或いは、これら成分は基礎分子の望ましくない副作用を減 少させ或いは基礎分子の毒性を減少させることができる。この種の成分の例はた とえばレミントン・ファーマスーチカル・サイエンスのような各種の刊行物に記 載されている。 ここに開示した方法により同定される化合物は適する投与量にて単独で使用す ることができる。或いは、他の薬剤の同時投与もしくは順次の投与も望ましい。 さらに本発明は、本発明の新規な治療方法に使用するための適する局部的、経 口的、全身的および非経口的な医薬組成物を提供するという目的をも有する。本 発明により活性成分と同定された化合物を含有する組成物は、投与用の慣用ベヒ クルにおける広範な種類の治療投与形態物で投与することができる。たとえば化 合物は錠剤、カプセル(それぞれ調時放出性および徐放性組成物を包含する)、 丸薬、粉末、顆粒、エリキシル、チ ンキ剤、溶液、懸濁液、シロップおよび乳液のような経口投与形態物として或い は注射により投与することができる。同様に、これらは静脈内(ボルスおよび灌 流の両者)、腹腔内、皮下、閉塞を伴う或いは伴わない局部、または筋肉内とし て投与することもでき、これらは全て医薬業界の当業者に周知されている。 有利には、本発明の化合物は毎日1回の投与にて投与することができ、或いは 全1日投与量を毎日2回、3回もしくは4回の分割投与にて投与することもでき る。さらに、本発明の化合物は適する鼻腔内ベヒクルの局部使用により鼻腔内形 態物として、或いは経皮ルートにより当業者に周知された経皮パッチの形態物を 用いて投与することもできる。経皮供給系として投与するには、投与を投与方式 全体にわたり間歇的でなく連続的にすることは勿論である。 活性剤が別々の投与処方物である2種以上の活性剤で組合せ処置するには、こ れら活性剤を同時に投与することができ或いはそれぞれ別々の異なる時間に投与 することもできる。 本発明の化合物を用いる投与方式は、たとえば患者の体型、種類、年令、体重 、性別および医学症状を包含する各種の因子;処置すべき症状の程度;投与ルー ト;患者の腎臓および肝臓機 能;および用いる特定化合物など各種の因子に応じて選択される。医者もしくは 獣医の当業者は症状の進行を防止、対処もしくは拘束するのに必要とされる薬物 の有効量を容易に決定および処方することができる。毒性なしに効能を与える範 囲内で薬物の濃度を達成する最適精度は、標的部位に薬物が到達しうる速度論に 基づいた方式を必要とする。これは薬物の分配、平衡および除去の考慮を含む。 本発明の改変G−蛋白質結合リセプタは、ここではハムスターβ−2(β2) アドレナリン作用性リセプタ、ヒトβ3リセプタおよびヒト5HT−IDβリセ プタにより例示される。 β2−アドレナリン作用性リセプタの欠失突然変異は、アミノ酸の疎水性クラ スター(推定のトランスメンブレンヘリックス)のいずれも実質的な結合ロスな しには欠失しえないことを示している。これに対し、接続ループの殆どはリセプ タのリガンド結合性に影響を与えずに欠失することができる。このことは、これ ら親水性ループがリセプタに対するリガンド結合に必要とされないことを示し、 リガンド結合性ポケットが主として蛋白質のトランスメンブレンドメインに存在 することを示唆する[ストレーダー等、FASEBジャーナル、第3巻、 第182〜183頁(1989)]。全ループを含むのに充分な大きさである接 続ループにおける欠失は立体化学問題を生じて、蛋白質の不正確なプロセッシン グをもたらす[ジクソン等、EMBOジャーナル、第6巻、第3269〜327 5頁(1987)]。しかしながら、或る種の接続ループ欠失突然変異はリセプ タによるアデニリルシクラーゼの機能的活性化の損失をもたらした。たとえば、 第3細胞内ループのカルボキシ末端領域の欠失は、アデニリルシクラーゼを活性 化させるリセプタの能力を低下させ、さらにこのループのアミノ末端部分の欠失 はアデニリルシクラーゼ活性化を排除した[ストレーダー等、ジャーナル・バイ オロジカル・ケミストリー、第262巻、第16439〜16443頁(198 7)]。さらに、これら改変リセプタに対する作用物質結合アイソサームは単一 の親和性部位を示し、変化したG−蛋白質相互作用を示唆する。これら改変リセ プタはNa+−H+交換(これは異なるG蛋白質を介して媒介される)の機能的活 性化をも保持するので[バルバー等、モレキュラ・ファーマコロジー、第41巻 、第1056〜1060頁(1992)]、欠失はリセプタの大きい構造障害を もたらさないと思われ、アデニリルシクラーゼ活性化で見 られる変化が特定G蛋白質相互作用の変化に基づくことを示唆する。その後の第 3細胞内ループにおけるアミノ酸置換は、G蛋白質相互作用におけるこの領域の 役割を確認した[チォイング等、モレキュラ・ファーマコロジー、第41巻、第 1061〜1065頁(1992)]。 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれら実施例の詳細 に限定されるものでない。 実施例1 ハムスターβ2アドレナリン作用性リセプタの第3細胞内ループのN−末端部分 における6−12アミノ酸の欠失 改変リセプタD(222−229)β2ARはストレーダ等、ジャーナル・バ イオロジカル・ケミストリー、第262巻、第16349頁(1987)に記載 されている。残基222−229(Val−Phe−Gln−Val−Ala− Lys−Arg−Gln)が欠失したハムスターβ2ARをコードする改変cD NAを標準的なオリゴヌクレオチド指向突然変異法により作成した。 改変リセプタは、隣接する第5トランスメンブレンヘリックスに影響を与えず に第3細胞内ループの近位部分を破壊するよ う設計される。すなわち、ヘリックス5の底部を描く帯電アミノ酸(Arg22 1)はD(222−229)改変リセプタにそのまま残る一方、次の8個のアミ ノ酸が欠失する。本発明における欠失の寸法はこれら領域にて6〜13個のアミ ノ酸の範囲で変化し、トランスメンブレンヘリックス5の末端における帯電残基 の直後で開始する。 実施例2 ハムスターβ2アドレナリン作用性リセプタの第3細胞内ループのC−末端部分 におけるアミノ酸の欠失 改変リセプタD(258−270)β2ARはストレーダ等、ジャーナル・バ イオロジカル・ケミストリー、第262巻、第16349頁(1987)に記載 されている。残基258−270(Leu−Arg−Arg−Ser−Ser− Lys−Phe−Cys−Leu−Lys−Glu−His−Lys)が欠失し たハムスターβ2ARをコードする改変cDNAを標準的オリゴヌクレオチド指 向突然変異法により作成した。 改変リセプタは、隣接する第6トランスメンブレンヘリックスに影響を与えず に第3細胞内ループの遠位部分を破壊するよう設計される。すなわち、ヘリック ス6の底部を描く帯電アミ ノ酸(Lys273)がD(258−270)改変リセプタにそのまま残る一方 、その近位残基258〜270が欠失する。本発明における欠失の寸法はこれら 領域にて6〜13個のアミノ酸の範囲で変化し、ヘリックス6の開始部にて帯電 残基の1〜3残基前で終了する。 実施例3 改変β2アドレナリン作用性リセプタの発現および特性化 COS−7細胞を、たとえば真核性発現ベクターpcDNAI/neo(イン ビトロゲン社)のような真核性発現ベクターにサブクローン化された改変リセプ タcDNAによりトランスフェクトさせる。細胞を約60〜72時間の培養後に 収穫する。発現されたリセプタ蛋白質を含有する膜を記載されたように作成する [C.D.ストレーダ等、プロシーディング・ナショナル・アカデミー・サイエ ンス、U.S.A.、第84巻、第4384〜4388頁(1987)]。 結合反応を250μLのTME緩衝液(75mMのトリス;12.5mMのM gCl2;1.5mMのEDTA、pH7.5)の最終容積にて記載されたよう に行う[ストレーダ等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第262 、 第16439頁(1987)]。アデニリルシクラーゼ活性を記載されたように 測定し[ストレーダ等、ジャーナル・バイオロジカル・ケミストリー、第262 、第16439頁(1987)]、cAMPをサロモンの方法により測定する[ アナリチカル・バイオケミストリー、第58巻、第541〜548頁(1974 )]。 野生型もしくは改変リセプタcDNAのいずれかを含有するベクターによりト ランスフェクトされたCOS−7細胞から作成した膜はβリセプタ拮抗剤125I −CYPを特異的に結合する。しかしながら、改変リセプタはGsに対するカッ プリングが存在しないこと、アデニリルシクラーゼの活性化を媒介しえないこと 、および作用物質に対する増大した親和性を特徴とする。 第1表に示したように、改変D(222−229)β2ARはL細胞にて発現 させると作用物質イソプロテレノールに呼応してアデニリルシクラーゼ活性化を 刺激しない。これに対し野生型リセプタが同じ細胞系にて発現されると、アデニ リルシクラーゼ活性は15nMのEC50にて3.2倍刺激される。改変リセプタ はNa+−H+交換を刺激する能力を保持し、これは Gs以外のG−蛋白質に対するカップリングの或る程度のレベルが保持されるこ とを示す[バルバー等、モレキュラ・ファーマコロジー、第41巻、第1056 頁(1992)]。同様に、D(258−270)βARは野生型リセプタと比 較して弱いcAMP刺激を示すと共に、基礎レベルよりも極く僅かに大きい(1 .3倍)刺激を与える。 これら改変リセプタは、野生型リセプタと比較して作用物質に対する向上した 親和性を示す。これを第1表に示し、ここで改変D(222−229)リセプタ は6nMの単一の高親和性にて作用物質イソプロテレノールを結合する。改変リ セプタに対する作用物質の高親和性は、G蛋白質からリセプタを結合解除させる 薬剤によって影響されない。この種の薬剤は非加水分解性GTP類似体GppN Hp、弗化ナトリウムおよび洗剤ジギトニンを包含する。これに対し、野生型リ セプタは2つの親和性状態でイソプロテレノールを結合する:すなわちリセプタ −G蛋白質複合体への結合を示す高親和性状態(Kd=3nM)および未結合リ セプタのみへの結合を反映する低親和性状態(Kd=200nM)(第1表)。 G蛋白質結合を阻害する薬剤の存在下(Gpp(NH)pが第1表に示したこの 種の薬剤 である)で、作用物質は単一の低親和性状態(Kd=200nM)にて野生型リ セプタに結合する。 第1表におけるデータは、リセプタがG蛋白質に最適に結合しなければ、改変 リセプタを用いる結合分析は野生型リセプタを用いる同一の結合分析よりも高感 度で作用物質を検出することを示す。同様に、D(258−270)βARは8 nMの単一の高親和性にて作用物質イソプロテレノールに結合し、これはGpp (NH)pの添加により顕著に影響を受けない。 実施例4 D(222−229)βARもしくはD(258−270)βARを用いるスク リーニング分析 組換改変リセプタを発現するトランスフェクト細胞を使用して、高親和性をも ってリセプタに結合する化合物を同定することができる。これは、たとえば試験 化合物を最終容積0.25mLのTME緩衝液にて試験化合物を、5〜7pMの 改変β2ARと35pM125I−CYPとを含有する膜と共に25℃にて1時間 培養するような各種の方法で行うことができる。反応をGF/Cガラス繊維フィ ルタでの濾過により停止させ、3×5mLの冷TME緩衝液で洗浄し、γカウン タにてフィルタを 計数することにより結合放射能を測定する。この分析は、リセプタに対する高い 固有の親和性を有する化合物を検出する。この種の化合物は作用物質または拮抗 剤のいずれであっても良い。 実施例5 改変D(227−234)β3アドレナリン作用性リセプタの作成 改変リセプタD(227−234)β3ARを、野生型ヒトβ3リセプタcD NA[グラネマン等、モレキュラ・ファーマコロジー、第42巻、第964〜9 70頁(1992)]をAccIおよびPvuIIで切断し、次いでリンカー アダプタと再結合させることにより作成した。リンカー アダプタの配列は次の 通りである: 改変DNA配列は第3細胞内ループのN−末端部分に8個のアミノ酸残基(V FVVATRQ)を欠如するβ3ARをコードする。改変リセプタのヌクレオチ ド配列をDNA配列決定により確認した。改変β2リセプタの場合と同様に、こ の改変β3リセプタは隣接する第5トランスメンブレンヘリックスに影響を与え ずに第3細胞内ループの近位部分を破壊するよう設計 される。したがって、ヘリックス5の底部を描く帯電アミノ酸(Arg226) はD(227−234)改変リセプタにそのまま残る一方、それに続く8個のア ミノ酸が欠失する。本発明における欠失の寸法はこの領域にて6〜13個のアミ ノ酸の範囲で変化し、トランスメンブレンヘリックス5の底部にて帯電残基の直 後で開始する。 実施例6 改変D(277−289)β3アデレナリン作用性リセプタの作成 第3細胞内ループのC−末端部分に13個の残基を欠如する改変D(277− 289)をPCRに基づく標準的な突然変異法により作成した。改変リセプタの ヌクレオチド配列をDNA配列決定により確認した。改変β2リセプタの場合と 同様に、この改変β3リセプタは隣接する第6トランスメンブレンヘリックスに 影響を与えずに第3細胞内ループの遠位部分を破壊するよう設計される。したが って、ヘリックス6の底部を規定する極性アミノ酸(C292、T293)はそ のまま残る一方、その近位残基277−289は欠失する。本発明における欠失 の寸法はこの領域にて6〜13個のアミノ酸の範囲で変化し、 ヘリックス6の底部にて極性残基の直前で終了する。 実施例7 改変β3ARの発現および特性化 改変リセプタを発現ベクターpRC/CMV(インビトロゲン社、サンジェゴ 、CA)にサブクローン化すると共に、DEAE−デキストラン トランスフェ クションによりマウスL細胞で発現させた。トランスフェクションの72時間後 、細胞を放射性リガンド結合またはアデニリルシクラーゼ分析につき収穫した。 結合分析のため、細胞を氷冷溶解緩衝液(5mgのトリス、pH7.4;2m MのEDTA)にて収穫し、次いで38,000×gで15分間遠心分離するこ とにより膜を作成した。膜ペレットを次いでTME緩衝液に再懸濁させた。野生 型もしくは改変されたβ3ARでの平衡結合を、膜と240pMの125I−CY Pと一連の競合性リガンドの希釈物とを含有する0.25mLの最終容積で行っ た。結合反応物を23℃にて90分間インキュベートし、次いで0.1%のポリ エチレンアミンに予備浸漬されたGF/Cフィルタでの急速濾過により停止させ た。放射能をパッカード γカウンタにより定量し た。 アデニリルシクラーゼ活性については、細胞を5mMのEDTAを含むPBS で収穫し、ペレット化させ、次いでACC緩衝液(75mMのトリス、pH7. 4;250mMのシュークロース;12.5mMのMgCl2;1.5mMのE DTA;1μMのアスコルビン酸;0.6mMの3−イソブチル−1,1−メチ ルキサンチン)に再懸濁させる。細胞を種々の濃度の試験化合物(一般に作用化 合物)と共に室温にて45分間培養し、反応を3分間にわたる煮沸によって停止 させる。溶解物におけるcAMPの濃度を蛋白質キナーゼA(PKA)結合分析 [A.C.バートン、L.E.ブラック、D.R.シブレー、モレキュラ・ファ ーマシー、第39巻、第650〜658頁(1991)または自動化cAMP IRA分析(アット・インスツルメンツ社、MD)により測定した。PKA結合 分析のため、溶解物を3.6nMの3H−cAMPおよび5μgのPKAと共に 185μLの最終容積にて4℃で2〜24時間にわたりインキュベートし、次い でGF/Cフィルタで急速濾過すると共に低温洗浄用緩衝液(20mMの燐酸カ リウム、pH6.0)で洗浄した。次いでフィルタにおける放射能をβカウ ンタで定量した。cAMPの最終濃度をcAMPの標準曲線にしたがって測定し た。結合分析およびシクラーゼ分析の両者のデータをグラフ化ソフトウェアー( サンジエゴ、CA)を用いて解析した。 第3図は、β作用物質イソプロテレノールで刺激すると野生型ヒトβ3ARで トランスフェクトされたL細胞にてcAMPの産生が4倍増加すると共に、2. 7±0.5×10-8M(n=4)のEC50であった。これに対し、CAMPのβ 3AR媒介産生は改変リセプタD(227−234)β3ARでトランスフェク トされた細胞にて実質的に消滅し、D(277−289)改変リセプタを発現す る細胞では強力に減少した。 125I−CYPとの放射性リガンド結合は、野生型β3ARがイソプロテレノ ール結合につき2つの親和性部位を有することを示す:すなわち高親和性部位( 28%、IC50=5×10-8M)および低親和性部位(72%、IC50=2.6 ×10-6M)。β3ARからの残基227−234もしくは残基277−289 の欠失は単一の高親和性結合状態をもたらす(第2表および第4図)。いずれの 改変リセプタについてもβAR拮抗剤プロプラノロールには結合親和性の増加が 見られな い(第4図)。 したがって、これら改変β3リセプタをスクリーニング分析に使用して、β3 アドレナリン作用性リセプタに対し高親和性をもって結合する化合物を、これら 化合物が作用物質または拮抗剤のいずれであっても検出することができる。 実施例8 改変D(231−238)5HT−1Dβリセプタの作成 改変リセプタD(231−238)5HT−1Dβリセプタを標準的突然変異 技術により野生型ヒト5HT−1DβリセプタcDNA[ジン等、ジャーナル・ バイオロジカル・ケミストリー、第267巻、第5735頁(1992)]から 作成した。改変5HT−1Dβリセプタは第3細胞内ループのN−末端部分に8 個のアミノ酸残基(IYVEARSR)を欠如する。改変リセプタのヌクレオチ ド配列をDNA配列決定により確認した。改変β2およびβ3リセプタの場合と 同様に、この改変5HT−1Dβリセプタは隣接する第5トランスメンブレンヘ リックスに影響を与えずに第3細胞内ループの近位部分を破壊するよう設計され る。したがって、ヘリックス5の底部を描く帯電アミノ酸(Arg230)は改 変リセプタにそのまま残る一 方、それに続く8個のアミノ酸が欠失する。本発明における欠失の寸法はこの領 域にて6〜13個のアミノ酸の範囲で変化し、トランスメンブレンヘリックス5 の末端にて帯電残基の直後で開始する。 実施例9 改変D(231−238)5HT−1Dβリセプタの発現および特性化 改変リセプタを哺乳動物発現ベクターにサブクローン化させ、標準的トランス フェクション法を用いてCHO細胞で発現させた。安定細胞系をG−418耐性 により選択し、放射性リガンド結合またはアデニリルシクラーゼ分析につき使用 した。 結合分析のため、細胞を氷冷溶解緩衝液(5mgのトリス、pH7.4;2m MのEDTA)で収穫し、次いで38,000×gにて15分間遠心分離するこ とにより膜を作成した。次いで膜ペレットを緩衝液Aに再懸濁させた。野生型も しくは改変された5HT−1Dβへの平衡結合を、膜と5nMの3H−5−ヒド ロキシトリプタミンと一連の競合性リガンドの希釈物とを含有する混合物で行っ た。結合反応物を23℃にてx分間にわたりインキュベートし、GF/Cフィル タでの 急速濾過により停止させた。結合した放射能をγカウンタで定量した。 アデニリルシクラーゼ活性はマックアリスター等[G.マックアリスター、A .チャールスワース、C.スノジン、M.S.ビアー、A.J.ノーブル、D. N.ミドルミス、L.L.イベルセンおよびP.ホワイチング(1992)、P NAS、第89巻、第5517〜5521頁]に実質的に記載されたようにフォ ルスコリンを添加しながら測定した。5−ヒドロキシトリプタミン(セロトニン )を包含するリセプタ作用物質によるフォルスコリン刺激反応の抑制を測定した 。 第5図は、作用物質セロトニンで刺激すると野生型ヒト5−HT−1Dβリセ プタで発現する細胞にてcAMPのフォルスコリン刺激産生における50%抑制 が生ずると共に、30nMのEC50であることを示す。これに対し、cAMP産 生の作用物質媒介抑制は改変リセプタD(231−239)5−HT−1Dβで トランスフェクトされた細胞にて実質的に消去される。 野生型5−HT−1Dβにおける放射性リガンド結合試験は、グアニン ヌク レオチド同族体GppNHp(グアニリルイミドジホスフェート)が存在すれば (100mM)、作用物質結 合(2nMの3H−5HT)が約50〜60%減少することを示す(第3表)。 これは、グアニンヌクレオチドがリセプタを低親和性状態まで変換させる結果で あると思われる。しかしながら、改変リセプタを発現する3種の独立したクロー ンD(231−239)5−HT−1Dβ(クローン1、21および65)にお いて作用物質結合の顕著な抑制は見られず、改変リセプタが永久的に高親和性状 態であることを示唆する。 したがって、この改変5−HT−1Dβリセプタをスクリーニング分析に用い て、5−HT−1Dβに対し高親和性にて結合する化合物を、これら化合物が作 用物質または拮抗剤のいずれであっても検出することができる。 実施例10 細菌発現ベクターへの改変リセプタcDNAのクローン化および発現 組換改変リセプタを、たとえばイー・コリのような細菌発現系にて産生させる 。改変リセプタ発現カセットをイー・コリ発現ベクターに移行させ、発現ベクタ ーは限定はしないがpETシリーズを包含する(ノバゲン社)。pETベクター は改変リセプタ発現を精密制御されたバクテリオファージT7プロモー タの制御下に置く。誘発性lacプロモータにより促進されるT7 RNAポリ メラーゼ遺伝子の染色体コピーを有するイー・コリ宿主へ構成物を移行させた後 、改変リセプタの発現を培養物への適するlac基質(IPTG)の添加により 誘発させる。発現された改変リセプタのレベルを、ここに説明した各分析により 測定する。 実施例11 昆虫細胞にて発現させるためベクターへの改変リセプタcDNAのクローン化お よび発現 AcNPVウィルスのゲノムから得られたバキュロウィルス ベクターは、昆 虫細胞のSf9ライン(ATCC CRL No.1711)でcDNAを高レ ベルで発現するよう設計される。改変リセプタcDNAを発現する組換バキュロ ウィルスを次の標準法(インビトロゲン・マックスバック・マニュアル)により 産生させる:すなわち改変リセプタcDNA構成物を、pAC360およびBl ue Bacベクター(インビトロゲン社)を包含する各種のバキュロウィルス ・トランスフアー・ベクターにてポリヘドリン遺伝子に結合させる。組換バキュ ロウィルスを、バキュロウィルス・トランスファー・ベクターの 同時トランスフェクションに続く相同性組換により発生させ、AcNPVゲノム DNA[P.A.キット、ヌクレイック・アシッズ・リサーチ、第18巻、第5 667頁(1990)]をSf9細胞に線状化させる。組換pAC360ウィル スを感染細胞における包蔵体の不存在により同定し、組換pBlue Bacウ ィルスをβ−ガラクトシダーゼ発現[M.D.サマースおよびG.E.スミス、 テキサス・アグリカルチャー・エキスペリメンタル・ステーション・ブレチンN o.1555]に基づいて同定する。プラーク精製の後、改変リセプタ発現を測 定する。 標準の改変リセプタは感染細胞と結合して見られる。活性改変リセプタを低張 性もしくは洗剤分解により感染細胞から抽出する。 或いは改変リセプタを、改変リセプタDNAを下流に有するベクターで誘発性 メタロチオニン プロモータの制御下に、およびG418ネオマイシン耐性遺伝 子をコードするベクターでシャナイダー2細胞を同時トランスフェクトしてドロ ソフィア・シュナイダー2細胞系にて発現させる。G418の存在下で増殖させ た後、耐性細胞を得ると共に、CuSO4の添加によ り改変リセプタを発現するよう誘発させる。改変リセプタのモジュレータの同定 は全細胞または膜調製物のいずれかを用いる分析により行われる。 実施例12 酵母発現ベクターへの改変リセプタcDNAのクローン化 異質蛋白質の細胞内もしくは細胞外発現を指令するよう設計された発現ベクタ ーに改変リセプタcDNAシストロンを挿入した後、組換改変リセプタを酵母S .セレビシエで産生させる。細胞内発現の場合は、たとえばEmBLyex4な どのベクターを改変リセプタ シストロン[U.リナス等、バイオテクノロジー 、第8巻、第543〜545頁(1990);B.ホロビッツ等、ジャーナル・ バイオロジカル・ケミストリー、第265巻、第4189〜4192頁(198 9)]に結合させる。細胞外発現については、改変リセプタ シストロンを分泌 シグナルを融合する酵母発現ベクターに結合させる。発現された改変リセプタの レベルをここに説明した分析により測定する。 実施例13 組換改変リセプタの精製 組換産生された改変リセプタは、限定はしないが抗体親和性 クロマトグラフィーを包含する各種の方法により精製することができる。 抗−改変リセプタ抗体をアフィゲル10(ビオラド社)、すなわち抗体がアガ ロースゲル ビーズ支持体との共有結合を形成するようN−ヒドロキシスクシン イミドエステルで予備活性化されたゲル支持体に添加することにより、改変リセ プタ抗体親和性カラムを作成する。次いで抗体をスペーサ アームとのアミド結 合によりゲルに結合させる。次いで残留する活性化エステルを1Mエタノールア ミンHCl(pH8)で反応停止させる。カラムを水に続く0.23Mのグリシ ンHCl(pH2.6)で洗浄して、未結合の抗体もしくは外来蛋白質を除去す る。次いでカラムを適する膜溶解剤(たとえば洗剤)と共に燐酸塩緩衝塩水(p H7.3)にて平衡化させ、溶解した改変リセプタもしくは改変リセプタ サブ 単位を含有する細胞培養上澄液もしくは細胞抽出物をゆっくりカラムに通過させ る。次いでカラムを洗剤が補充された燐酸塩緩衝塩水(PBS)で光学密度(A280 )がバックグランドに低下するまで洗浄し、次いで蛋白質を洗剤が補充され た0.23Mのグリシン−HCl(pH2.6)で溶出させる。精製された改変 リセプタ蛋白質 を次いでPBSで透析する。 実施例14 哺乳動物細胞系における改変リセプタのクローン化および発現 改変リセプタを哺乳動物発現ベクターにクローン化させる。哺乳動物発現ベク ターを用いて哺乳動物細胞系を形質転換させることにより、組換哺乳動物細胞系 を産生させる。組換哺乳動物細胞系を、改変リセプタの発現を可能にする条件下 で培養する。組換哺乳動物細胞系もしくは組換哺乳動物細胞系から分離された膜 を各分析に用いて、改変リセプタに結合する化合物を同定する。 実施例15 スクリーニング分析 改変リセプタをコードするDNAを含有した組換細胞、組換細胞から得られた 膜、または細胞もしくは膜から得られた組換改変リセプタ調製物を用いて、改変 G−蛋白質結合リセプタ活性をモジュレートする化合物を同定することができる 。この種の活性のモジュレーションはDNA、RNA、蛋白質もしくはその組合 せ物のレベルにて生じうる。改変G−蛋白質結合リセプタをモジュレートする化 合物の1つの同定方法は: (a)試験化合物を改変G−蛋白質結合リセプタを含有する溶液と混合して混合 物を生成させ; (b)混合物における改変G−蛋白質結合リセプタ活性を測定し; (c)混合物の改変G−蛋白質結合リセプタ活性を標準と比較する ことからなっている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),CA,JP,US (72)発明者 リオス・キヤンデローレ,マリア−ルイサ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 グアン,シヤオミング アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 デイクソン,リチヤード アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065、ローウエイ、イースト・リンカー ン・アベニユー・126 (72)発明者 マクアリスター,ジヨージ イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 20・2・キユー・アール、ハーロウ、イー ストウイツク・ロード、ターリングス・パ ーク(番地なし)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 改変リセプタは7個のトランスメンブレンドメインを有するG−蛋白質結 合リセプタから誘導されると共に、改変リセプタは第3細胞内ドメインに欠失を 有することを特徴とする、改変リセプタをコードする単離DNAまたはその機能 的誘導体。 2. 改変リセプタが改変β3−アドレナリン作用性リセプタである請求の範囲 第1項に記載のDNA。 3. 請求の範囲第1項に記載の単離DNAまたはその相補配列によりコードさ れる単離RNA。 4. 請求の範囲第2項に記載の単離DNAまたはその相補配列によりコードさ れる単離RNA。 5. 請求の範囲第1項に記載の単離DNAを含有する発現ベクター。 6. 請求の範囲第5項に記載の発現ベクターを含有する組換宿主細胞。 7. (a)宿主細胞を請求の範囲第1項に記載の単離DNAにより形質転換さ せて組換宿主細胞を産生させ; (b)組換宿主細胞を、改変G−蛋白質結合リセプタの産生を 可能にする条件下で培養し; (c)改変G−蛋白質結合リセプタを回収する ことを特徴とする改変G−蛋白質結合リセプタの産生方法。 8. 請求の範囲第7項に記載の方法により産生される改変G−蛋白質結合リセ プタ。 9. 改変G−蛋白質結合リセプタが改変β3−アドレナリン作用性リセプタで ある請求の範囲第7項に記載の方法。 10. 7個のトランスメンブレンドメインを有すると共に第3トランスメンブ レンドメインからアミノ酸を欠失している単離および精製された改変G−蛋白質 結合リセプタまたはその機能的誘導体。 11. 改変β3−アドレナリン作用性リセプタである請求の範囲第10項に記 載の精製された改変G−蛋白質結合リセプタ。 12. 改変G−蛋白質結合リセプタ活性をモジュレートする化合物を同定する 方法であって: (a)試験化合物を、改変G−蛋白質結合リセプタを含有する溶液と混合して混 合物を生成させ; (b)混合物における改変G−蛋白質結合リセプタ活性を測定し; (c)混合物の改変G−蛋白質結合リセプタ活性を標準と比較する ことを特徴とする方法。 13. 請求の範囲第12項に記載の方法により同定される化合物。 14. 請求の範囲第13項に記載の化合物を含む医薬組成物。 15. 改変G−蛋白質結合リセプタに特異的に結合する化合物を同定する方法 であって: (a)G−蛋白質結合リセプタをクローン化し; (b)クローン化されたG−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインをコード するDNA配列を変化させ; (c)変化したリセプタを発現ベクター中にスプライスして構成物を生成させ; (d)導入された構成物の不存在下では変化したリセプタを発現しない細胞に構 成物を導入し; (e)工程(c)で産生された細胞から分離した細胞もしくは膜をリセプタに結 合することが知られた定量可能な化合物と共にインキュベートし: (f)リセプタからの定量可能な化合物と競合するように試験 化合物を添加する ことを特徴とする方法。 16. 請求の範囲第15項に記載の方法により同定される化合物。 17. (a)G−蛋白質結合リセプタをコードするDNAを分離し; (b)工程(a)のDNAを、G−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインを コードするDNAから少なくとも1つのヌクレオチドを欠失させることにより変 化させ; (c)変化したDNAを分離し; (d)変化したDNAを発現させ; (e)改変G−蛋白質結合リセプタを回収する ことを特徴とする改変G−蛋白質結合リセプタの作成方法。 18. 請求の範囲第17項に記載の改変G−蛋白質結合リセプタ。 19. G−蛋白質結合リセプタの第3細胞内ドメインをコードするDNAから 6〜13個のヌクレオチドを欠失させる請求の範囲第17項に記載の方法。 20. 改変G−蛋白質結合リセプタが: (a)D(277−289)β3−アドレナリン作用性リセプタ、および (b)D(227−234)β3−アドレナリン作用性リセプタ よりなる群から選択される請求の範囲第1項に記載の単離DNA。 21. 改変β−アドレナリン作用性リセプタがD(277−289)β3−ア ドレナリン作用性リセプタおよびD(227−234)β3−アドレナリン作用 性リセプタよりなる群から選択される請求の範囲第10項に記載の単離および精 製されたリセプタ。
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