JP3813156B2 - オピオイド受容体と、その組成物および製造方法 - Google Patents
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Description
本発明はさらに、εオピオイド受容体をコードするDNA配列と、このDNA配列を含む組み換えベクターと、上記DNA配列またはベクターを含む組み換え宿主細胞と、組み換えεオピオイド受容体ポリペプチドとにも関するものである。
本発明はさらに、単離された組換え受容体ポリペプチドの診断、医薬開発および治療用途で用いられるεオピオイド受容体およびポリペプチドの作動薬・拮抗材の候補物質の選択・改良試験での利用法にも関するものである。
オピオイド薬は痛みの知覚、意識、運動制御、気分および自律神経機能に作用し、また身体依存症 (physical dependence) を誘導する(Koob達、1992)。内因性オピオイド系は内分泌機能、心臓血管機能、呼吸器系機能、消化機能および免疫機能の調節に重要な役割を果たしている(Olson達、1989) 。オピオイドは中枢神経および末梢神経系全体に存在する特異な膜関連受容体と結合してその作用を発揮する(Pert達、1973) 。これらオピオイド受容体の内因性リガンドはプロオピオメラノコルチン、プロエンケファリンおよびプロジノルフィンの3つの前駆体蛋白から得られる20以上のオピオイドペプチド群として同定される(Hughes達、1975、Akil達、1984) 。オピオイドペプチドはオピオイドアルカロイドとは別の分子のクラスに属するが、両者は受容体との相互作用に必要な芳香族環の平行正電荷を有する点で共通の構造的特性を有している。
薬理学的研究から、オピオイド受容体にはδ、κ、μおよびεで表されるものを含めて多くの種類が存在することが示唆されている(Simon, 1991、Lutz達、1992) 。各クラスは各種オピオイドリガンドに対する親和性と、細胞上での分布の点で異なっている。クラスの異なるオピオイド受容体はそれぞれ異なる身体機能に作用すると考えられている(Olson達、1989、Simon,1991、Lutz/Pfister、1992) 。しかし、機能および分布の点でかなりの重なりが見られる。多くのグループのオピオイド受容体の生化学的特徴付けの研究から、3つのサブタイプ全ての分子量は約60,000 Daと報告されており、それらが関連のある分子であることを示唆している(Loh達、1990)。3種類の受容体サブタイプ間の類似性は (i)μおよびδリガンドと競合してκリガンドとは競合しない抗イディオタイプのモノクロナル抗体(Gransch達、1988; Coscia達、1991)と、(ii)μおよびκ受容体の両方と相互作用する精製μ受容体に対するモノクロナル抗体 (Bero達、1988)との単離によって証明されている。
上記およびその他の結果は、オピオイド受容体はG蛋白を介して信号を出す大きな細胞表面受容体群に属するということを示唆している(Di Chiara達、1992,; Loh達、1990)。
多くの細胞表面受容体/トランスメンブレン系は膜に結合した少なくとも3種類のポリペプチド成分すなわち (a)細胞表面の受容体と、(b)効果器、例えばイオンチャネルまたはアデニレートサイクラーゼ酵素と、(c)グアニンヌクレオチド結合性調節ポリペプチドまたはG蛋白(受容体およびその効果器の両方に結合されている)で構成されている。
G蛋白が結合した受容体は光、臭気物質、ペプチドホルモンおよび神経伝達物質等のさまざまな細胞外部からの信号の作用を媒介する。これらの受容体は人間と酵母のように進化論上異なる生物でも確認されている。G蛋白が結合した受容体はほとんど全て互いに類似な配列を有し、それらは全て脂質二重層の両側に渡る7種類の疎水性(そしておそらくはα−ヘリックス構造の)断片より成る類似の位相幾何学的単位を共有するといわれている(Dohlman達、1987; Dohlman 達、1991) 。
細胞培養および薬理学的手法が向上し、最近では分子クローニングおよび遺伝子発現技術が用いられることによって、既に同定されている受容体の新たなサブタイプおよびサブ−サブタイプを含めた7つのトランスメンブレン断片を有する受容体が多数同定されている。α1およびα2−アドレナリン作動性の受容体はそれぞれ単一の受容体種によって構成されているといわれてきたが、現在では各々が少なくとも3つの別個の遺伝子にコードされることが分かっている(Kobilka達、1987; Regan達、1988; Cotecchia 達、1988; Lomasney, 1990)。おぼろげな光の中での視覚を媒介する桿状細胞内のロドプシンの他に、色覚を媒介する非常に似通った3種類の錐状色素がクローニングされている(Nathans達、1986A; Nathans達、1986B)。G蛋白結合受容体のグループは全てG蛋白結合受容体のグループに属するその他の受容体と類似し(ドーパミン作動性、ムルカリン性、セロトニン作動性およびタッキーキニン等)、しかも、れぞれ特徴的な7つのトランスメンブレン断片のトポロジーを共有することが分かっている。
細胞質ポリペプチド、例えばキナーゼとG蛋白との相互作用には受容体のトランスメンブレン領域を連結する疎水性ループが含まれると予測されていた。7つのトランスメンブレン断片を有する受容体の中で機能の保持のためにいずれの特徴が保存され、どの特徴が新たな機能に対する構造的適応性を表しているかを決定する試みも行われた。これらのアイデアを試すために、置換、欠損による変異体やハイブリッドまたはキメラ受容体を作る組み換えDNAや遺伝子発現技術を使用する方法を含めて多くの方法が用いられてきた(Dohlman達、1991)。
各種のオピオイド受容体の機能は複雑且つ縮重(degeneracy)しているので、基本的に重要な問題はどのような状況下でどのようにして、適当な刺激リガンドの存在下で、各サブタイプおよびサブ−サブ−タイプ受容体がそれらの生理学的効果を発揮するかという点にある。この問題を解くための従来の方法はインビトロで純粋な受容体およびG蛋白成分を再構成することであった。しかし、残念ながら、精製スキームに成功したのは極めて限られた数の受容体サブ−タイプとその同族G蛋白質のみであった。また、ヘテロ発現システムはクローニングされた受容体の特徴付けおよび受容体とG蛋白との結合特異性の説明により有効な別の一般的方法である (Mrullo達1988; Payette達、1990; King 達、1990)。
細胞表面受容体への優先結合能に基づいて薬品組成物の候補をスクリーニングする従来の方法は細胞組織を基にした方法に限定される。すなわち、従来法では目的とする受容体を多く含む動物組織を調製し、調製した組織に候補薬を作用させ、受容体との結合が見られたものを選択して次の検討へ進む。しかし、こうした細胞組織を用いるスクリーニング法には重大な欠点がある。先ず、受容体セル組織源すなわち実験動物が高価で、コストがかかる。次に、スクリーンに多大な技術情報が必要になる。さらに、単一の受容体サブタイプのみが排他的に発現される組織は存在しないので、スクリーン結果が混乱することがある。すなわち、従来のスクリーン法は基本的に間違った相互作用を見ているか、良くても、所望でない相互作用が混入した状態の相互作用を見ているに過ぎない。動物組織を用いたスクリーニングの別の基本的な欠陥は動物の受容体を含む点である。これは動物用医薬の開発には理想的であるが、ヒトの治療薬では価値が疑わしい。
本発明の他の対象は配列 No.1または配列 No.3の少なくとも10個の隣接する塩基からなる断片と同一またはそれと相補な塩基配列を含む単離・精製された、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにハイブリッド化されたポリヌクレオチドにある。この単離・精製されたポリヌクレオチドは配列 No.1または配列 No.3の少なくとも25〜70個の隣接する塩基より成る断片と同一またはそれと相補な塩基配列を含むのが好ましい。本発明のポリヌクレオチドは例えば開示されたヌクレオチド配列の40〜55個の隣接する塩基と同一またはそれと相補な塩基の断片を含むことができる。
本発明の別の対象は単離・精製されたエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドにある。本発明のポリペプチドは組換えポリペプチドであるのが好ましい。さらに好ましくは本発明のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドは配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含んでいる。
本発明はさらに、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと免疫反応する抗体を提供する。発明抗体はモノクロナル抗体であるのが好ましい。エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドは配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むのが好ましい。
本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを検出する方法を提供する。本発明方法はポリペプチドを上記方法で調節した抗体と免疫反応させて抗体−ポリペプチド結合体を作り、この結合体を検出する。
本発明のさらに別の実施例では、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするメッセンジャーRNA転写物の検出方法を提供する。本発明方法では (a)エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とメッセンジャーRNAの転写物とをハイブッド化させて二本鎖分子(duplex)を作り、(b) この二本鎖分子を検出する。本発明はさらに、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするDNA分子の検出方法を提供する。この方法では(a)エプシロンオピオイド受容体をコードするポリヌクレオチドとDNA分子とをハイブリッド化させて二本鎖分子を作り、(b)この二本鎖分子を検出する。
本発明の別の観点から、本発明は生物試料中のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの存在を検出するための診断用検査キットを提供する。この検査キットは配列 No.1または配列 No.3の少なくとも10個の隣接するヌクレオチド塩基より成る断片と同一またはそれに相補な第2のポリヌクレオチドを含む第1の容器を備えている。
本発明の別の観点から、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと相互作用する能力を有する物質のスクリーニング方法を提供する。この方法ではエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを加えて、選択された物質のオピオイド受容体ポリペプチドとの相互作用能力を調べる。
本発明の好ましい具体例では、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドは、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを宿主細胞をトランスフェクションして形質転換細胞を作り、得られた形質転換された細胞をオピオイド受容体ポリペプチドの発現に十分な生物学的条件下に維持する。宿主細胞のトランスフェクションで使用するポリヌクレオチドは配列 No.1または No.3のヌクレオチド配列を含むのが好ましい。
本発明はDNA断片と、精製ポリペプチドと、抗体の製造方法と、宿主細胞のクローニングおよびそれを用いた組換えによって組み換えエプシロンオピオイド受容体を得る方法とを提供する。すなわち、従来の標準的な遺伝学手法や公知の分子生物学的手法をエプシロンオピオイド受容体に適用した場合の問題点が解決される。従って、本発明はエプシロンオピオイド受容体の組成物と、その調製および利用方法に関するものである。 本発明の受容体は6,7-ベンゾモルファンとβ−エンドルフィンとに対して高い親和性を有するが、μ、δおよびκオピオイド受容体リガンドに対する親和性は低く、エプシロン(ε)受容体の親和性プロフィールに一致している。このε受容体遺伝子はコーディング領域にイントロンを持たず、クロモソーム10上のq11.2−q21.1に位置し、μ、δおよびκ受容体のcDNAクローンとの間に相同性を有する。ε受容体をコードするmRNAは大脳皮質、前頭皮質、視床下部および下垂体で検出される。in-situ ハイブリダイゼーション組織化学によって、下垂体前葉腺の側方周辺部分 (lateral wings of the anterior pituitary gland)に選択的な局在化を示す下垂体内のmRNA転写物が明らかになった。ヒトのε受容体のクローニングおよび特徴付けによって、オピオイドの作用、特にこの受容体によって媒介されると考えられている脊椎痛覚消失(analgesia) の研究が大きく前進する。
A.エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードする単離・精製されたポリヌクレオチド
本発明の一つの観点から、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードする単離・精製されたポリヌクレオチドを提供する。
「エプシロンオピオイド受容体」という用語はオピオイドおよびその類似物に結合する受容体を意味する。受容体の分類・命名は主として結合の研究に基づいて行われるために、新規な医薬が開発される時に、特定の受容体に与えられた分類または名前が変更され場合があるということは理解できよう。すなわち、エプシロンオピオイド受容体という名前はここで開示したポリペプチドの薬学的挙動を類別するために便宜的に使用したに過ぎない。
本発明の好ましい実施例では、本発明のポリヌクレオチドはDNA分子である。さらに好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むポリペプチドをコードする。最も好ましくは、本発明の単離・精製されたポリヌクレオチドは配列 No.1または配列 No.3のヌクレオチド塩基配列を含む。
本発明のポリヌクレオチドは、当業者に周知の標準的な方法を用いて調製することができる。本発明のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするcDNA分子の調製法は実施例1と実施例2に記載してある。ポリヌクレオチドはラムダファージ法を用いてゲノムDNAラブラリーから調製することもできる。
本発明の別の観点から、本発明のDNAの配列情報から、本発明開示の選択されたポリヌクレオチドの遺伝子配列と特異的にハイブリッド化可能な相対的に短いDNA(またはRNA)配列を調製することができる。この観点から、例えば配列 No.1または配列 No.3等の選択したヌクレオチド配列に基づいて適当な長さの核酸プローブを調製する。エプシロンオピオイド受容体をコードするポリヌクレオチドと特異的にハイブリッド化可能なこれら核酸プローブを用いることは各実施例で特に有用である。特に、各種の検査において試料中の相補的配列の存在の検出にこのプローブを用いることができる点は重要である。 特定の実施例ではオリゴヌクレオチドプライマーを使用するのが有利である。このようなプライマー配列はPCR法を用いて哺乳類細胞からエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードする所定遺伝子断片またはポリヌクレオチドを検出、増幅または変異する際に本発明のポリヌクレオチドを用いるために設定される。
従って、本発明ポリヌクレオチドプローブ分子は相補な遺伝子範囲を有する二本鎖分子を選択的に形成する能力を利用する。用途に応じて標的配列に対するプローブの選択性を達成するための各種ハイブリッド化条件を使用することが必要になるが、高い選択性が要求される用途の場合には一般にハイブリッドを生成するために比較的厳しい条件が用い、例えば、比較的低い塩および/または高温条件、例えば温度50℃〜70℃、0.02M〜0.15MNaClで得られるような条件を選択する。これらの条件は選択的があり、プローブと鋳型または標的ストランドとの間に許される不一致は極めて小さい。
本発明の他の実施例では、本発明のポリヌクレオチドがハイブリッド生成を検出するための適当な標識物質と組み合わせて用いられる。標識物質としては放射性リガンド、酵素リガンドまたは検出信号を与えることの可能な他のリガンド、例えばアビジン/ビオチンなどの種々のものが公知である。
本発明の1つの実施例では、本発明は単離・精製したエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを提供する。本発明のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドは組み換えポリペプチドであるのが好ましく、さらに配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むのが好ましい。エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドは約 500以下のアミノ酸残基を含むのが好ましく、さらに約 400以下のアミノ酸残基を含むのが好ましい。
アラニン Ala A
アルギニン Arg R
アスパラギン Asn N
アスパラギン酸 Asp D
システイン Cys C
グルタミン Gln Q
グルタミン酸 Glu E
グリシン Gly G
ヒスチジン His H
イソロイシン Ile I
ロイシン Leu L
リジン Lys K
メチオニン Met M
フェニルアラニン Phe F
プロリン Pro P
セリン Ser S
スレオニン Thr T
トリプトファン Trp W
チロシン Tyr Y
バリン Val V
変更時には、アミノ酸のハイドロパシック指数(hydropathicindex)を考慮することができる。ポリペプチドに生物学的な相互作用機能を付与する上でのハイドロパシックアミノ酸インデックスの重要性は従来法で一般に知られている(Kyte, J. 、R.F. Doolittle, 1982) 。ある種のアミノ酸は類似のハイドロパシックインデックスまたはスコアを有する他のアミノ酸で置換することができ、類似の生物学的活性を有するポリペプチドが得られることが分かっている。各アミノ酸にはその疎水性および電荷特性に基づいて下記ハイドロパシック指数が割当てられる:
米国特許第 4,554,101号に記載のように、アミノ酸残基には下記親水性値が割当てられている:アルギニン(+3.0);リジン(+3.0);アスパルテート(+3.1 ±1) ;グルタメート (+3.0±1);セリン(+0.3);アスパラギン(+0.2);グルタミン(+0.2);グリシン(0) ;プロリン(-0.5 ±1);スレオニン(-0.4);アラニン(-0.5);ヒスチジン(-0.5);システイン(-0.1);メチオニン(-1.3);バリン(-1.5);ロイシン(-1.8);イソロイシン(-1.8);チロシン(-2.3);フェニルアラニン(-2.5);トリプトファン(-3.4)。アミノ酸は類似の親水性を有する別のアミノ酸で置換することができ、置換しても生物学的に同等で、特に免疫学的に同等なポリペプチドが得られることは知られている。この変更時には、親水性値が±2以内、好ましくは±1以内、さらに好ましくは±0.5 以内のアミノ酸で置換するの好ましい。
元の残基 置換例
Ala Gly;Ser
Arg Lys
Asn Gln;His
Asp Glu
Cys Ser
Gln Asn
Glu Asp
Gly Ala
His Asn;Gln
Ile Leu;Val
Leu Ile;Val
Lys Arg
Met Met;Leu ;Tyr
Ser Thr
Thr Ser
Trp Tyr
Tyr Trp;Phe
Val Ile;Leu
一般に、部位特異的変異処理では先ず最初に所定のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチド配列の一部または全部をコードするDNA配列を有する一本鎖ベクターを作製する。所望の変異配列を含むオリゴヌクレオチドプライマーを一般には例えばクレアの方法(Crea 達1978) を用いて合成する。次いでこのプライマーを一本鎖ベクターにアニールし、E. coli ポリメラーゼIのクレノー断片等の酵素を用いて抽出して、変異を含むストランドの合成を完了する。従って、一方の鎖が変異していない元の配列をコードし、第2の鎖が所望の変異を含んだヘテロ二本鎖分子(heteroduplex)ができる。次いで、このヘテロ二本鎖ベクターを用いて E. coli細胞等の適当な細胞を形質転換して変異を有する組換えベクターを含むクローンを選択する。市販のキットにはオリゴヌクレオチドプライマーを除く全ての必要な試薬が入っている。
鳥類のβアドレナリン作動性受容体の長いカルボキシル末端のほとんどの部分は、受容体のリガンド結合特性および調節特性を変えずに欠損または蛋白分解によって除去することができる。切断によって短くした5種類のβアドレナリン作動性受容体の作動剤および拮抗剤の両方に対するリガンド結合特性は野性型受容体の結合特性と類似していることは知られている。さらに、切断によって短くしたアドレナリン作用性受容体はアデニリルサイクラーゼ活性を活性化する。すなわち、切断によって短くしたβアドレナリン作動性受容体は作用剤の存在下で野性型受容体によって活性化される刺激よりも大きくアデニリルサクラーゼ活性を刺激する(Parker 達、1991)。
さらに、機能的キメラ受容体は多くの研究者によって作製されている。機能的アドレナリン作動性キメラ受容体はα2およびβ2アドレナリン作動性受容体の断片とスプライシングすることによって作製されている(Kobilka達、1988)。機能的キメラは以下のような受容体についても作製されている:β1受容体とβ2受容体との間(Frielle達、1988; Marullo達、1990); m2ムルカリン受容体とm3ムスカリン受容体との間(Wess 達1990);m1ムスカリン受容体とベータアドレナリン作動性受容体との間(Wong 達、1990); D2ドーパミン受容体とm1ムスカリン受容体との間(England達、1991) ;黄体形成ホルモンとβアドレナリン作用性受容体との間(Moyle達、1991); NK1サブスタンスP受容体と NK3サブスタンスP受容体との間 (Gether達; 1993)および血小板由来成長因子受容体と上皮成長因子受容体との間(Seedorf達、1991) 。
本発明のポリペプチドは、当業者に周知の標準的な手法によって調製される。すなわち、そのポリペプチドを含むことが分かっている組織から単離・精製し、さらに形質転換細胞を用いてそのポリペプチドをコードするクローニングされたDNAからの発現を行う方法で調製できるが、この方法に限定されるものではない。
オピオイド受容体ポリペプチドはヒトを含むほとんど全ての哺乳類に見られる。他の受容体の場合と同様に各種でオピオイド受容体の構造および機能にはほとんど差はないものと思われる。種間で違いがある場合にの相違点の確認は当業者が行い得ることである。従って、本発明の他の対象は哺乳類由来のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドにある。好ましい哺乳類は齧歯類またはヒトである。
本発明の別の実施例で本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを提供する。本発明の発現ベクターは、配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを含んでいるのが好ましい。さらに好ましくは本発明の発現ベクターは配列 No.1または配列 No.3のヌクレオチド塩基配列を含むポリヌクレオチドを含んでいる。さらに、本発明の発現ベクターはエンハンサ−プロモータに連結されたポリヌクレオチドを含むのが好ましい。さらに、本発明の発現ベクターは原核生物のプロモータに連結されたポリヌクレオチドを含むのが好ましい。あるいは、本発明の発現ベクターは真核生物のプロモータであるエンハンサ−プロモータに連結されたポリヌクレオチドを含む。発現ベクターはさらに、カルボキシル基末端のアミノ酸の3’の位置にあってコードされたポリペプチドの転写ユニット内にあるポリアデニレーション信号を含む。
他の形式のディスクリートな転写調節配列要素はエンハンサである。エンハンサは特定のコード化領域(例えば遺伝子)に時間、位置および発現レベルの特異性を与える。エンハンサの主たる機能は、そのエンハンサに結合した転写因子を含む細胞内でコード配列の転写レベルを増加させることにある。プロモータとは異なり、エンハンサはプロモータが存在する限り転写開始部位から違った距離にある時に機能することができる。
発現ベクターのコード配列は転写終結領域に連結されている。RNAポリメラーゼは、ポリアデニル化が起こる部位を介してコード化DNA配列を転写する。一般に、ポリアデニル化部位から数百塩基対下流に位置するDNA配列が転写を終らせる働きをする。このDNA配列は転写終結領域とよばれる。この領域は転写されたメッセンジャーRNA(RNA)を効率良くポリアデニル化するのに必要である。転写終結領域も周知である。好ましい転写終結領域は牛成長ホルモン遺伝子由来のものである。
本発明の発現ベクターは配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含むのが好ましい。発現ベクターは上記の任意のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドのエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドコード領域そのものを含むか、そのようなエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドの基本コード領域に所定の変更または変異を加えたコード領域を含むことができる。あるいは、本発明ベクターまたは断片は同様に基本コード領域を含むより大きなポリペプチドまたはポリペプチドをコードすることができる。いずれの場合も、コドンの冗長性および生物学的機能の同等性から、本発明は上記ポリペプチド配列に相当する特定のDNA分子に限定されるものではないということは理解できよう。
もう1つのベクターの例はpCMVベクターである。pCMVプラスミドは本発明で特に有用な哺乳類発現ベクターのシリーズである。これらのベクターはほぼ全ての培養細胞で用いるように設計されており、SV−40で形質転換されたサルのCOS細胞系で非常に有効に機能する。pCMV1、2、3および5ベクターは各プラスミドのポリリンカー領域にあるいくつかの特有の制限酵素部位について互いに異なっている。pCMV4ベクターはポリリンカーの前の配列に翻訳エンハンサを含むという点でこれら4つのプラスミドと異なっている。pCMV1〜5シリーズのベクターに直接由来するものではないが、機能的に類似のpCMV6bおよびcベクターがシロン社(Chiron Corp., Emeryville, CA)より市販されており、反転されたポリリンカー領域の向き以外は同一である。
本発明のさらに別の実施例で、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを用いて形質転換またはトランスフェクションされた組み換え宿主細胞と、形質転換またはトランスフェクションされた細胞に由来するトランスジェニック細胞が提供される。本発明の組み換え宿主細胞は配列 No.1または配列 No.3のポリヌクレオチドを用いて形質転換されるのが好ましい。DNA分子のような外因性のポリヌクレオチドを用いて細胞を形質転換またはトランスフェクションする手段は周知であり、リン酸カルシウム−またはDEAE−デキストランによって媒介されるトランスフェクション、プロトプラストフュージョン、エレクトロポレーション、リポソームによって媒介される形質転換、直接マイクロインジェクションおよびアデノウィルス感染(Sambrook, Fritsch andManiatis, 1989) などが含まれる。
最も広く用いられている方法は、リン酸カルシウムまたはDEAEデキストランによって媒介されるトランスフェクションである。機構は依然として明らかではないが、トランスフェクションされたDNAがエンドシトシスによって細胞の細胞質に入り込み、核に送られるといわれている。細胞の種類によって最大で90%の培養細胞がトランスフェクションされる。その高い効率のために、リン酸カルシウムまたはDEAEデキストランによって媒介される形質転換は、外来DNAを多数の細胞中で一時的に発現させる必要のある実験で選択される方法である。リン酸カルシウムによって媒介されるトランスフェクションはさらに、外来DNAのコピーを組み込む細胞系を作製するためにも使用され、この外来DNAは通常、宿主細胞のゲノム内に縦一列に並んだ状態で配置される。
リポソームによるトランスフェクションではDNAおよびRNAをリポソーム内に包み込んだ後、リポソームを細胞膜と融合させる。DNAがどのようにして細胞内に運ばれるかの機構は不明だが、トランスフェクションの効率は90%に達する。
DNA分子を直接核にマイクロインジェクションする方法はDNAが低pHのエンドソームのような細胞内コンパートメントに曝されることがないという利点を有する。従って、マイクロインジェクションは主として対象となるDNAのコピーを組み込んだ細胞系を作製するための方法として使用される。
トランスフェクションされる細胞は原核細胞でも真核細胞でもよい。本発明の宿主細胞は真核生物の宿主細胞であるのが好ましい。さらに好ましくは、本発明の組み換え宿主細胞はCOC細胞である。ヒトのエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを生産する場合には、培養された哺乳類またはヒトの細胞が特に有利である。
原核生物を発現にも使用することができ、上記の株の他に、E. coli W3110 (F-、λ−、プロトトロフィック(原栄養体)ATCC No.273325)、Bacillus subtilus 等のバチルス類や他の腸内細菌類、例えばSalmonell typhimurium や Serratus marcesans および各種シュードモナス種が使用できる。
複製源は、例えばSV40または他のウィルス(例えばポリオーマ、アデノ、VSV、BPV、CMV)源から得られるもののように外来起源を含むベクターを作って得るか、宿主細胞のクロモソーム複製機構で作ることができる。ベクターが宿主細胞のクロモソームに組み込まれるならば、後者で十分である。
本発明のさらに別の実施例で、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドの調製方法を提供する。この方法では、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いて細胞をトランスフェクションして形質転換した宿主細胞を作り、形質転換された宿主細胞をポリペプチドの発現にとって生物学的に十分な条件下に保持する。形質転換される宿主細胞は真核生物の細胞であるのが好ましく、さらに好ましく、真核生物の細胞はCOSまたはBHK細胞であるのが好ましい。宿主細胞は原核生物の細胞でもよい。好ましい原核生物の細胞は Escherichia coli のDH5α株の細菌細胞である。形質転換される細胞にトランスフェクションされるポリヌクレオイドは配列 No.1または配列 No.3のヌクレオチド塩基配列を含むのが好ましく、上記発現ベクターを用いて行うのが最も好ましい。
トランスフェクション後、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを発現させるのに十分な時間、細胞を培養条件下に維持する。イオン組成、濃度、温度、pH等を含む培養条件は周知である。一般に、トランスフェクションされた細胞を培養培地中で培養条件下に維持する。各細胞型に適した培地は周知である。好ましい具体例では温度は約20℃〜約50℃、好ましくは約30℃〜約40℃、さらに好ましくは約37℃にする。
トランスフェクションされた細胞はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを発現させるのに十分な時間保持する。この時間は使用する細胞の種類に依存し、当業者はそれを容易に決めることができる。一般に保持時間は約2〜約14日間である。 トランスフェクションされた細胞または細胞を培養している培地のいずれかから組み換えエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを回収・収集する。回収は組み換えポリペプチドの単離・精製操作を含む。ポリペプチドの単離・精製法は周知であり、沈降、濾過、クロマトグラフィー、電気泳動などの操作を含む。
本発明のさらに別の具体例では、本発明は本発明のポリペプチドと免疫反応する抗体を提供する。本発明の抗体はモノクロナル抗体であるのが好ましい。ポリペプチドは配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むのが好ましい。抗体の調製法および特徴付け手段は周知である (例えばHarlow E andD. Lane 、1988参照)。
すなわち、ポリクロナル抗体は本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを含む免疫原で動物を免疫し、免疫された動物から抗血清を回収して調製される。抗血清の生産には種々の動物種を使用することができる。一般に、抗−抗血清の生産に使用される動物はウサギ、マウス、ラット、ハムスターまたはモルモットである。ウサギは血液量が比較的多いので、ポリクロナル抗体の生産にはウサギが選択されることが多い。
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドを担体蛋白質に結合させる手段は周知であり、グルタルアルデヒド、m-マレイミドベンゾイル-N- ヒドロキシスクシンイミドエステル、カルボジイミドおよびビス−バイアゾタイズドベンジジンが含まれる。
同様に、特定の免疫原に対する免疫原性はアジュバントとして知られる非特異的な免疫応答刺激物質を用いて増強させることができるというこは周知である。好ましいアジュバントの例はフロイントの完全アジュバント、フロイントの不完全アジュバントおよび水酸化アルミニウムアジュバントである。
特殊例では、本発明抗体を作るために、マウスに本発明のポリペプチドを含む約1〜200 μgの抗原を腹膜内注射する。フロイントの完全アジュバント(結核死菌を含む免疫応答の非特異的刺激剤)のようなアジュバントと組み合わせた抗原を注射することによってBリンパ球細胞の増殖を刺激する。最初の注射からいくらか後 (例えば少なくとも2週間後)に、マウスにフロイントの不完全アジュバントと混合した2度目の抗原量を注射して追加免疫する。
ミエローマ細胞として周知の変異リンパ球細胞は周知の種々の方法で細胞増殖を誘導した実験動物から得られる。ミエローマ細胞はヌクレオチド生合成のサルベージ経路を持たない。ミエローマ細胞は癌細胞であるので組織培養中で無限に増殖することがき、従って、不死であると言われている。マウスおよびラット由来の多数のミエローマ細胞の培養細胞系、例えばネズミのNS−1ミエローマ細胞などが作られている。
HAT培地(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)等の選択培地で培養することによって融合していないミエローマ細胞からハイブリドーマ細胞を分離する。融合していないミエローマ細胞はアミノプテリン、メトトレキサートまたはアザセリンの存在下で死亡するため、サルベージ経路からヌクレオチドを合成するのに必要な酵素を持ない。融合していないリンパ球も組織培養中で増殖を続けない。すなわち、融合に成功した細胞(ハイブリドーマ細胞)のみが選択培地で増殖することができる。
本発明のモノクロナル抗体を用いて本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドを抗原として認識することができ、従って同定することができる。同定ができたら、抗体アフィニティークロマトグラフィー等の方法でそのポリペプチドおよびポリヌクレオチドを単離・精製する。抗体アフィニティークロマトグラフィーではモノクロナル抗体を固体の基質に結合し、所望の抗原を含む溶液に曝す。抗原は結合している抗体との特異的免疫応答反応によって溶液から取り除かれる。その後はポリペプチドまたはポリヌクレオチドを基質から容易に取り、精製することができる。
本発明の好ましい具体例では、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと、生理学的に使用可能な担体とを含む医薬組成物を提供する。この医薬組成物は配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を有するエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを含むのが好ましく、さらに、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと生理学的許容される担体とを含むのが好ましい。本発明の医薬組成物は配列 No.2または配列 No.4のアミノ酸残基配列を含むか、配列 No.1または配列 No.3のヌクレオチド配列を含むのが好ましい。
本発明組成物は一般に単位投与量の製剤として非経口投与され、必要に応じて無毒で生理学的に使用可能な周知の標準的な担体、アジュバントおよびベヒクルを含むことができる。非経口は静脈注射、筋肉注射、動脈注射または点滴法を含む。
使用可能なベヒクルおよび溶媒としては水、リンガー液および等張性塩化ナトリウム溶液を使用することができる。溶媒または懸濁用媒体としては滅菌した油が一般に用いられる。そのためには合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意配合の油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を注射可能物質の調製で使用することもできる。
担体はリポソームでもよい。移送用ベヒクルとしてリポソームを用いる方法自体は周知である(例えば Gabizon達、1990; Ferruti 達、1986; Ranade, V.V.、1989参照)。
トランスフェクションされた細胞を担体として用いることもできる。例えば、生物体から肝臓細胞を取り、上記方法を用いて本発明のポリヌクレオチドでトランスフェクションし、その後、トランスフェクションされた細胞を生物体に戻す(例えば血管注射で)。
本発明はさらに本発明のポリペプチドの検出方法を提供する。本発明方法は、ポリペプチドを上記方法で調製した抗体と免疫反応させて抗体−ポリペプチド結合体を作り、この結合体を検出する。
本発明のさらに別の実施例では、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするメッセンジャーRNA転写物を検出する方法を提供する。この方法では (a)メッセンジャーRNAの転写物をポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列とハイブリダイズさせて二本鎖分子を作り、 (b)この二本鎖分子を検出する。本発明はさらにエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするDNA分子の検出方法を提供する。この方法では (a)DNA分子をエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとハイブリッド化させて二本鎖分子を作り、 (b)この二本鎖分子を検出する。
本発明のさらに別の観点から、本発明はエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと相互作用する能力を有する物質のスクリーニング方法を提供する。この方法では本発明のポリペプチドを作り、所定物質のポリペプチドと相互作用する能力をテストする。
すなわち、エプシロンオピオイド受容体の作動剤および拮抗剤の候補物質をテストするためのスクリーニング検査を本発明方法および組成物を用いて行うことができる。この候補物質は結合、その他の分子間相互作用によってエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと相互作用するか、それを調節可能な物質である。場合によってはこの候補物質は受容体の作動剤であり、別の例では受容体ポリペプチドと相互作用した時に拮抗剤としての特性を示すものである。さらに別の例では候補物質が作動剤兼拮抗剤としての特性を併せ持つか、別の方法で受容体を調節することができる。あるいは、候補物質がエプシロンオピオイド受容体の転写を可能にするか、阻害する。
本発明の発現システムのようなクローニングされた発現システムは特定の受容体を満足に表現する組織を得ることが難しい場合にも有効である。少なくとも本発明の微生物を用いた発現システムのもう1つの非常に現実的な利点はそのコストである。本発明の微生物を用いた発現システムは一次スクリーニングでの拮抗剤として従来法の組織スクリーニング法に比べてコストが安くなる。
本発明のスクリーニング検査では一般に候補物質が受容体に結合して受容体の活性に作用する能力を判定する、例えば受容体の機能を阻害するか変調させる物質を識別するために候補物質をスクリーニングする。一般に、この方法では組み換え受容体ポリペプチドを作った後、候補物質を用いて組み換えポリペプチドまたはポリペプチドを発現させる細胞を試験して、候補物質がその生理学的機能に作用する能力を有するか否かを判定する。好ましい実施例では、本発明はヒトの受容体の酵素活性に影響を与える物質すなわちヒトでの使用に適した物質の同定用候補物質のスクリーニング法を提供する。
本発明の受容体は固体担体と組み合わせることができる。固体担体はアガロースビーズ、ポアクリルアミドビーズ、ポリアクリルビーズまたは蛋白質と結合可能な他の固体マトリクスにすることができる。よく知られた結合剤にはシアノーゲンブロミド、カルボニルジイミダゾール、トシルクロリドおよびグルタルアルデヒドがある。
本発明のこの特徴によって、当業者にはオピオイド受容体ポリペプチドの機能を変化させることが可能な候補物質を一通りまたは二通り以上の方法で同定するための方法が提供される。 本発明の1つの実施例では、上記検査は好ましいオピオイド特性を有するが好ましくないオピオイド特性を持たないような候補物質を区別するように設計される。別の実施例では、エプシロンオピオイド受容体の作動剤および拮抗剤のような候補物質をテストするためのスクリーニング検査を用いて、他のオピオイド受容体と重なり合う活性をほとんど持たないような一種または複数のオピオイド受容体ポリペプチドと相互作用する選択的な能力を有する候補物質の同定する。
受容体を発現する細胞はその全体を物質のスクリーニングに使用できる。例えば、本発明の受容体を発現する細胞を放射性標識した物質と接触させ、放射性標識した物質が細胞に結合した量を測定する。
受容体を発現する細胞は本発明の受容体を含むさらに細かい細胞成分に分画することができる。さらに細かい細胞画分(sub-cellular fraction) を精製する方法は周知である。この細かい細胞画分としては細胞質、細胞膜、その他の膜画分、例えば小胞体、ゴルジ体、小胞および核が含まれるが、これらに限定されるものではない。細かい細胞画分として単離された受容体は細胞膜と組み合わせることができる。例えば、受容体を発現する細胞から細胞膜の小胞を単離した場合、受容体分子は膜に結合していてもよい。さらに、本発明の受容体は受容体を発現する細胞から容易に精製可能である。精製方法は周知である。精製受容体はスクリーニング検査で使用することができる。
本発明のエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドに対する候補物質の作用を決定するには種々の方法が使用でき、本発明はその幾つかに限定されるものではないが、特定の物質の存在下で受容体ポリペプチドの結合能力および/または使用するエフェクターによって調節される能力が測定可能な系を使用するのが一般に望ましい。
例えば、ある試薬が本発明の受容体に結合可能な場合、放射ラベル化した物質または放射化ラベルした受容体を用いて結合を検出することができる。すなわち、放射化ラベルした物質または放射化ラベルした受容体を用い、試薬−受容体複合体を液体シンチレーションまたはX線フィルムに曝して検出する。
第2のポリペプチドを用いる場合には、試薬−受容体−第2のポリペプチド複合体または受容体−第2のポリペプチド複合体を検出することができる。上記の移動度の差や分光学的特性の差を検出することもできる。
第2のポリペプチドを用いる場合には、エフェクターポリペプチドの酵素活性を検出することもできる。例えば、多くの受容体はアデニルサイクラーゼの阻害または刺激によって生理学的作用を行う。ある試薬の存在下でのアデニルサイクラーゼの酵素活性を検出することができる。
好ましい検査では、ポリペプチド、エフェクターおよび候補物質を含む混合物を所定時間培養し、得られた培養混合物を分離手段で混合物中に残る結合していないエフェクターから生成エフェクター/受容体複合体を分離し、簡単にそれぞれの量を測定する(候補物質を添加していない対照に対して)。この測定は速度データが必要な場合には経時的に行うことができ、それによって、候補物質が受容体の機能を変化または変性させる能力を測定することができる。
エフェクター/受容体複合体をさらにX線結晶分析等の方法で分析するさともできる。候補物質が医薬作用としてオピオイド分子を置換する場合、置換および受容体に対する影響をモニターするように設計された実験が特に有利である。
本発明は、生物試料についてエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドの存在をスクリーニングする方法を提供する。スクリーニングすべき生物試料は細胞外または細胞内の体液あるいは細胞または組織抽出物またはホモジネートにすることができる。生物学的試料はさらに単離された細胞(例えば培養中)または例えば組織サンプルまたは組織学サンプルなどの細胞集合体であってもよい。
組織サンプルは液体中に懸濁するか、顕微鏡スライドなの固体支持体上に固定する。
生物試料は生物学的反応条件下で抗体−ポリペプチド結合体を生成させるのに十分な時間だけ抗体と接触させる。生物学的反応条件にはイオン組成、濃度、温度、pHなどが含まれる。
接触時間は特に使用する生物学的条件、抗体およびポリペプチドの濃度およびサンプルの種類(例えば体液サンプルであるか、組織サンプルであるか)に依存する。接触時間を決定する方法は周知である。サンプルが体液で、ポリペプチド濃度が約10-10Mの場合の通常の接触時間は約10〜200分である。
1つの実施例では抗体に固定したインジケータを検出する。周知のインジケータの例としては放射化ラベル(例えば32P、125I、14C)、ホースラディッシュペロキシダーゼのような第2抗体または酵素がある。抗体にインジケータを固定する手段は周知であり、市販のキットを用いることもできる。
本発明のさらに他の観点から、本発明は生物試料をエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと免疫反応する抗体(抗エプシロンオピオイド受容体抗体)の存在に関してスクリーニングする方法を提供する。本発明方法では、生物試料を生物学的条件下で、抗体−ポリペプチド結合体が生成するのに十分な時間だけエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと接触させ、生成した結合体を検出する。
DNA分子、特にプローブ分子を用いてオリゴヌクレオチドプローブとしてエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドまたは遺伝子を含むと思われるDNAソースにハイブリッド化させることができる。プロービンクは通常オリゴヌクレオチドを受容体遺伝子を有すると思われるDNAソースにハイブリッド化させることによって行われる。プローブは単一のプローブで構成するか、特定のアミノ酸配列またはオピオイド受容体ポリペプチド配列をベースとするプローブの集まりで構成される。その多様性は遺伝子コードに固有な冗長性を説明している。
このようにプロービングに適したDNAソースはエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを発現でき、対象となる細胞系の遺伝子ライブラーリーであもよい。あるいは、DNAソースは対象となる細胞系より得られるDNAの全てを含むことがもきる。本発明のハイブリッド化法で候補DNA断片が同定されたら、ハイブリダイゼーション、制限酵素マッピング、シーケンシングおよび/または発現およびテストを行って陽性のクローンが得られたことが確認する。
一般に、上記のハイブリッド化プローブは溶液ハイブリッド化の試薬として、また、固体相を用いる実施例の両方で有用である。固体相を含む実施例ではテストDNA(またはRNA)を含むサンプルを所定のマトリクスまたは表面に吸着させるか、固定させる。次いで、固定された一本鎖の核酸を所定プローブを用いて所望条件下に特異的ハイブリッド化する。選択される条件は要求される特定の基準(例えばG+C含有量、標的となる核酸の種類、核酸のソース、ハイブリッド化プローブのサイズなどに依存) に基づいて各状況に応じて決定される。ハイブリッド化した表面を洗浄して特異的に結合していないプローブ分子を除き、ラベルを用いて特定のハイブリッド化を検出し、さらには定量する。
エプシロン受容体はオピオイド受容体の主要なサブタイプの1つである。従って、選択性の高いエプシロンオピオイド受容体作動剤が臨床的に利用できる。
選択性の高い臨床的に有用なエプシロンオピオイド受容体作動剤の開発は作動剤の結合に必要なエプシロン受容体中の特異的部位の理解で促進される。最近のエプシロンオピオイド受容体cDNAのクローニングにより、この受容体の機能に関与するサブタイプの構造分野の研究に可能性が開かれた。
本発明の他の観点から、本発明は、生物学的サンプル中にエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドが存在することを検出するための診断用検査キットを対象にする。このキットはエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと免疫反応可能な第1の抗体を含む第1の容器を備え、第1の抗体は少なくとも1回の検査を行うのに十分な量で存在する。本発明の検査キットはさらに第1の抗体と免疫反応可能な第2の抗体を含む第2の容器を備えているのが好ましい。さらに本発明の検査キットに用いられる抗体はモノクロナル抗体であるのが好ましく、第1の抗体は固体支持体に固定されているのが好ましい。さらに、第1および第2の抗体がインジケータを含み、好ましくはこのインジケータが放射性ラベルまたは酵素であるのが好ましい。
本発明キットは第2のポリペプチドを含むことができる。この第2のポリペプチドはG−蛋白質にすることができる。第2のポリペプチドはエフェクター蛋白質でもよい。第2のポリペプチドがキットを含む場合、受容体と第2のポリペプチドとの間の相互作用を検出するための試薬を含むこともできる。特定例として受容体/G−蛋白質複合体を検出可能な抗体が提供される。もう1つの特異的な例としては、G−蛋白質/エフェクター複合体を検出可能な抗体が提供される。エフェクター検出用の試薬にすることもできる。例えば、エフェクターがアデニリルサイクラーゼの場合、アデニリルサイクラーゼの活性を検出するための試薬が提供される。これら試薬の同定法は当業者には周知である。
本発明の他の実施例では、本発明は生物試料中にエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと免疫反応可能な抗体の存在を検出するための診断用検査キットを提供する。このキットは抗体と免疫反応するエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドを含む第1の容器を備えている。このポリペプチドは少なくとも1回の検査を行うための十分な量ふくんでいる。このキットの試薬は溶液状態、固体支持体に付着した状態、あるいは乾燥粉末状態で提供される。試薬が溶液として提供される場合には水溶液であるのが好ましい。提供される試薬が固体支持体に付着している場合には固体支持体はクロマトグラフ用の媒体または顕微鏡用のスライドであるのが好ましい。提供される試薬が乾燥粉末の場合には、粉末を適当な溶媒を用いて再調製するのが好ましい。溶媒を用いてもよい。
一般的な方法
A.クローニングと増幅
ヒトゲノムDNAを一組の退化プライマーOR−1およびOR−2を用いたPCRで増幅した。
OR−1
5'CCTCACCA/GTGATG/CAGCG/A/TTC/GGAC/TCGA/CTA3'
(配列 No.5)
OR−2
5'GAAGGCG/ATAG/T/CAGA/GAC/TA/G/CGGA/GTT3'
(配列 No.6)
PCRの時間は93℃で1.5 分、55℃で2分、72℃で4分とした(Hemmick and Bidlack 、1987) 。30サイクル後、このDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、エタノールで沈澱させた。DNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼでリン酸化し、クレノー酵素を用いて末端を揃えた。
クローン#12 から1つの断片を精製し、[α-35S]d CTPを用い、ランダムプライマー法によって高比活性(109dmp/ug)まで放射標識化した。厚さ8μmのクリオスタット切片を0.1Mのリン酸緩衝液中で4%のパラホルムアルデヒドに固定し、0.1 Mのリン酸緩衝液の15%ショ糖溶液に浸漬させた。切片を2XSSC中で10分間すすぎ、0.5 %のトリチオンX-100を含む同じ緩衝液中に15分間浸透させ、2XSSCで二度すすぎ、下記緩衝液中で42℃で1時間プレハイブリッド化させた:5Xのデンハルドの溶液(0.2%のフィコール/0.2 %のウシ血清アルブミン/0.02%のポリビニルピロリジン)を含む5XSSC、1mlあたり200 μg の酵母tRNA、1mlあたり200 μg の変性させたサケの精子DNA50%のホルムアミド。
プローブをBRLバイオニックラベル用キットを用いて dATPでビオチン化した。
リンパ球を10%の牛胎児血清およびフィトヘマグルチニン(PHA)を補充した最小必須培地(MEM)中、37℃で68〜72時間培養した。リンパ球培養物をさらに16時間BrdU(18mg/ml シグマ社)で処理して細胞集団を同期化させた。この同調細胞を血清を含まない培地で3度洗浄し、チミジン(2.5ug/ml: シグマ社)を用いてα- MEM中で37℃で6時間培養した。細胞を回収した後busing法でスライドを作った。蛍光 in situハイブリッド化操作(FISH)はハング達の方法(Heng 達、1992; Heng and Tsui, 1993) に従って行った。すなわち、7日間熟成させたスライドを55℃で1時間焼いた。リボヌクレアーゼAで処理した後、このスライドを70%のホルムアミドを含む2xSSC中、70℃で1分間変性させ、次いで、70℃のエタノールで脱水した。プローブは50%のホルムアミドと10%のデキストランサルフェートより成るハイブリッド化混合液中で75℃で5分間変性させた。ハイブリッド化、検出および増幅の後、FISHシグナルとDAPIのバンドパターンを顕微鏡のフィルターを交換することによって1度の操作で視覚化した(Heng and Tsui、1993)。
cDNAクローンの単離
齧歯動物のオピオイド受容体(OR)のいくつか(δ、κおよびμ)はクローニングされている(Yasuda達、 1993; Chen達、1993)。マウスのδオピオイド受容体の第3番目と第7番目のトランスメンブレン(TM)領域をコードするヌクレチド配列に基づいた2つの退化オリゴヌクレオチドを調製した。過去にクローニングされたG蛋白結合受容体の多くが1つのエキソンにコード化されていることから、これらのヌクレオチドを用いてPCR法でヒトゲノムDNAを増幅させた(Hazum 達、1979) 。増幅されたDNA(500〜1000bpのサイズ)をブルースクリプトプラスミドにサブクローニングし、得られた150 のクローンについて配列決定を行った。
HG-11 およびHG-12とよばれるこれらのゲノムクローンは、333 または327 アミノ酸の蛋白質をコードしたイントロンロンを持たない約 980〜約1000のヌクレオチドのリーディングフレームを含む(図1および図2参照)。クローン#12 の配列に対して特異的な2つのオリゴヌクレオチドを用いたPCR分析からチンパンジー、サル、ネズミおよびマウスのゲノムDNA中に同一のサイズのDNAの断片が確認された。
イプシロンレセプターポリペプチドの薬理学
このオピオイド受容体をコードするHG-12 を確立するために、遺伝子の5'の翻訳されていない部分から2kbの断片を除去し、次いで、短くした挿入部(2.5kb)を真核生物の発現ベクター(pRC/CMV)の多重クローニング位置にサブクローニングした。選択的なオピオイド受容体作動剤および拮抗剤の、トランスフェクションされたCOSおよびBHK細胞の膜への結合能力を評価した。この構成物でトランスフェクションされた細胞は[3H]ブレマゾシンすなわち全ての周知のオピオイド受容体サブタイプに対して高い親和性を有するベンゾモルファンリガンドをKd=10nMで結合した。特異的な[3H]ブレマゾシン結合はアヘン剤のアルカロイドレボルファノールの存在下で明らかになり、図4、図5に示されるように、β−フナルトレキサミンによって効果的に交換された(IC50100 nMおよびIC501000nM)。トランスフェクションされていない対照細胞から作られた膜は交換可能な[3H]ブレマゾシン結合を示さなかった。[3H]ブレマゾシン結合は(Leu5)β−エンドルフィンによって交換され、それよりは弱くDADLEによって交換されるが、μ、δまたはκオピオイド受容体について選択的なリガンド、DAMGO、DPDPEおよびU-50,488では交換されない。
サザンブロッティング分析とノーザンブロッティング分析
ヒトゲノムDNAを種々の制限酵素で処理し、HG-12 のコーディング領域より単離されたDNAプローブを用いてサザンハイブリッド化分析したところ、それぞれの酵素について唯一のハイブリッド化したバンドが観察された。HG-12 は他の関連する遺伝子とはクロスハイブリッド化せず、観察された唯一のハイブリッド化バンドはイントロンのない遺伝子構造と一致していた。いくつかのヒトの脳領域および組織に関するノーザンブロット分析の結果、小脳および前頭皮質では唯一のmRNA転写物が明らかとなり、一方、下垂体および視床下部では2つの転写物が見られた。腎臓および肝臓には特異的なmRNAは検出されなかった。下垂体におけるIn situ ハイブリッド化組織化学によって、細胞の副次集団内にHG-12 の限定された分布を示す強い信号が明らかとなった。信号の分布は腺の側方周辺部分により多く局在しており、中央部分および後方の下垂体にはラベルは全く見られなかった。サザンブロットおよびノーザンブロットのデータをそれぞれ図6、図7に示す。
蛍光in situハイブリッド化
蛍光in situ ハイブリダイゼーション(FISH)を用いてクロモソーム上のHG-12 遺伝子の特異的な局在化を確認した。60個の分裂染色体構造を調べて、そのうち42個(70%) がバンドになった染色体10上に(2つの姉妹染色分体のそれぞれに1つずつ) 二重のハイブリッド化信号を示した。合計11の分裂の形状が撮影され、データは図8にまとめてある。詳細な位置決定のために種々濃度に濃縮した染色体を使用した。得られた信号は全て10q11.2 〜10q21.1 のバンドに位置していた(図8) 。使用したFISH検出条件下ではヒトゲノムの他の遺伝子座からのクロスハイブリッド化は起こらなかった。
我々がクローニングしたオピオイド受容体は、典型的なG蛋白質結合受容体の構造を有し、6,7-ベンゾモルファン医薬および内因性のβ−エンドルフィンと特異的に相互作用するが、選択的なμ、δおよびκオピオイドリガンドとは相互作用しない。これらのデータはヒトの脳からのεオピオイド受容体のクローニングと同定に関する直接的な証明を提供している。
Claims (3)
- 配列番号2または配列番号4のアミノ酸残基配列を含むエプシロンオピオイド受容体ポリペプチドと免疫反応する抗体、ただし、σオピオイド、κオピオイド、μオピオイド受容体と免疫反応する抗体を除く。
- モノクローナル抗体である請求項1に記載の抗体。
- ポリペプチドを請求項1または2に記載の抗体と免疫反応させて抗体−ポリペプチド結合体を形成し、得られた結合体を検出することを特徴とする、エプシロンオピオイド受容体ポリペプチドの検出方法。
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