JP2003532371A - ロイコトリエンb4受容体に類似したgタンパク質共役型受容体 - Google Patents

ロイコトリエンb4受容体に類似したgタンパク質共役型受容体

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JP2003532371A
JP2003532371A JP2000582410A JP2000582410A JP2003532371A JP 2003532371 A JP2003532371 A JP 2003532371A JP 2000582410 A JP2000582410 A JP 2000582410A JP 2000582410 A JP2000582410 A JP 2000582410A JP 2003532371 A JP2003532371 A JP 2003532371A
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    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/705Receptors; Cell surface antigens; Cell surface determinants
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Abstract

(57)【要約】 新規ヒトGタンパク質共役型受容体HG07をコードするcDNA、および該cDNAにコードされるタンパク質を提供する。HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、ロイコトリエンB4受容体に関連したGタンパク質共役型受容体(GPC
R)であるHG07をコードする新規ヒトDNA、該DNAにコードされるタンパク質、お
よび該DNAにコードされるタンパク質の選択的アゴニストおよびアンタゴニスト
を同定する方法に関する。
【0002】 (発明の背景) Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は、細胞の外部から内部へ情報を中継する
膜受容体の非常に大きなクラスである。GPCRは、Gタンパク質として公知のヘテ
ロ三量体タンパク質のクラスと相互作用することにより機能する。ほとんどのGP
CRは、同様のメカニズムにより機能する。アゴニストが結合すると、GPCRは、G
タンパク質のαサブユニットからのグアノシン二リン酸(GDP)の解離を触媒す
る。これは、αサブユニットへのグアノシン三リン酸(GTP)の結合を可能にし
、βおよびγサブユニットからのαサブユニットの解離をもたらす。ついで、遊
離したαサブユニットは他の細胞成分と相互作用し、その過程で、該アゴニスト
の存在により表される細胞外シグナルを伝達する。遊離したβおよびγサブユニ
ットが該アゴニストシグナルを伝達することもある。
【0003】 GPCRは、共通の構造的特徴を有する。それらは、種々の長さの親水性アミノ酸
の配列により連結されたそれぞれ約20〜30アミノ酸長の7個の疎水性ドメインを
有する。これらの7個の疎水性ドメインは形質膜中に挿入されて、7個の膜貫通ド
メイン、細胞外アミノ末端および細胞内カルボキシ末端を有するタンパク質を形
成する(Straderら, 1994, Ann. Rev. Biochem. 63:101-132; Schertlerら, 199
3, Nature 362:770-7721; Dohlmanら, 1991, Ann. Rev. Biochem. 60:653-688)
【0004】 GPCRは多種多様な組織型において発現され、広範囲のリガンド(例えば、タン
パク質ホルモン、生物アミン、ペプチド、脂質由来メッセンジャーなど)に応答
する。それらの広範囲の発現およびリガンドを考えると、GPCRが多数の病理学的
状態に関与することは驚くべきことではない。このため、薬理学的に使用しうる
GPCR活性のモジュレーターの開発に多大な関心が寄せられている。例えば、Stad
elら, 1997, Trends Pharmacol. Sci. 18:430-437の表1には、GPCRに作用する37
個の異なる市販薬が列挙されている。したがって、GPCRの機能を理解すること、
およびGPCR活性のモジュレーションに使用しうる物質を開発することが大いに必
要とされている。
【0005】 ロイコトリエンB4(5(S),12(R)-ジヒドロキシ-6,14-cis,8,10,-trans-エイコ
サテトラエン酸)(LTB4)は、感染に対する防御などの種々の免疫応答に関与し
、炎症過程にも関与する。LTB4は、走化性移動(Goetzel & Pickett, 1980, J.
Immunol. 125:1789-1791)および化学運動活性(Palmerら, 1980, Prostagland
ins 20:411-418)ならびに多形核球の凝集(Ford-Hutchinsonら, 1980, Nature
286:264-265)を誘導する。
【0006】 乾癬などの炎症を伴う或る種の疾患には高レベルのLTB4が関与している(Degi
ulioら, 1993, Ann. New York Acad. Sci. 685:614-617)。LTB4は、多発性硬化
症患者の脊髄液内で検出されており(Neuら, 1992, Acta Neurol. Scand. 86:58
6-587)、LTB4とその受容体との相互作用の抑制は、多発性硬化症のマウスモデ
ルである実験的アレルギー脳脊髄炎モデルにおける麻痺の発生および好酸球によ
る脊髄内への浸潤を妨げる(Gladueら, 1996, J. Exp. Med. 183:1893-1898)。
【0007】 Yokomizoら(1997, Nature 387:620-624)は、レチノイン酸により分化するよ
うに刺激されたHL-60細胞から、LTB4の受容体をコードするヒトcDNAを単離した
。その推定アミノ酸配列に基づき(GenBank受託番号D89078 [cDNA]; D89079 [タ
ンパク質])、このcDNAは、7回膜貫通ドメインGタンパク質共役型受容体をコー
ドする。該コード化受容体を通常は発現しない及びロイコトリエンB4に通常は応
答しない細胞内へのこのcDNAのトランスフェクションは、分化HL-60細胞と同様
のKdでLTB4に特異的に結合する細胞への該トランスフェクト化細胞の変換を引き
起こした。また、LTB4にさらされると、該トランスフェクト化細胞は、LTB4応答
細胞に特徴的ないくつかの機能的応答、すなわち細胞内カルシウムの増加、D-my
o-イノシトール1,4,5-三リン酸(InsP3)の蓄積、アデニリルシクラーゼの阻害
および走化性を示した。
【0008】 (発明の概要) 本発明は、Gタンパク質共役型受容体HG07をコードする新規ヒトDNAに関する。
HG07をコードするDNAは、他の核酸を実質的に含有せず、配列番号1に示すヌクレ
オチド配列を有する。また、該新規DNA配列にコードされるHG07タンパク質も提
供する。HG07タンパク質は、他のタンパク質を実質的に含有せず、配列番号2に
示すアミノ酸配列を有する。組換え系内でHG07を発現させる方法ならびにHG07の
アゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法を提供する。
【0009】 (図面の簡単な記載) 図1は、HG07の全cDNA配列(配列番号1)を示す。 図2は、HG07の全アミノ酸配列(配列番号2)を示す。 図3A〜Bは、HG07オープンリーディングフレームの位置を示す。示されている
ヌクレオチド配列は配列番号1の一部である。示されているアミノ酸配列は配列
番号2である。 図4は、種々のヒト組織内でのHG07 mRNAのノーザンブロットの結果を示す。 図5は、HG07のアミノ酸配列とヒトロイコトリエンB4受容体のアミノ酸配列(
配列番号3; GenBank受託番号D89079、Yokomizoら, 1997, Nature 387:620-624を
参照されたい)とのアライメントを示す。
【0010】 (発明の詳細な記載) 本発明の目的においては、「他のタンパク質を実質的に含有しない」は、他の
タンパク質から少なくとも90%、好ましくは95%、より好ましくは99%、より一
層好ましくは99.9%フリーである(すなわち、かかる割合分は他のタンパク質を
含有しない)ことを意味する。したがって、他のタンパク質を実質的に含有しな
いHG07タンパク質調製物は、その全タンパク質に対する割合として、10%以下、
好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、より一層好ましくは0.1%以下の
非HG07タンパク質を含有するであろう。ある与えられたHG07タンパク質調製物が
他のタンパク質を実質的に含有しないか否かは、適当な検出方法(例えば、銀染
色または免疫ブロット法)と組合せた例えばドデシル硫酸ナトリウムポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)などのタンパク質の純度を評価する通常の技
術により判定することができる。
【0011】 「他の核酸を実質的に含有しない」は、他の核酸から少なくとも90%、好まし
くは95%、より好ましくは99%、より一層好ましくは99.9%フリーであることを
意味する。したがって、他の核酸を実質的に含有しないHG07 DNA調製物は、その
全核酸に対する割合として、10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは1%
以下、より一層好ましくは0.1%以下の非HG07核酸を含有するであろう。ある与
えられたHG07 DNA調製物が他の核酸を実質的に含有しないか否かは、適当な染色
方法(例えば、臭化エチジウム染色)と組合せた例えばアガロースゲル電気泳動
などの核酸の純度を評価する通常の技術により、または配列決定により判定する
ことができる。
【0012】 「機能的等価体」は、選択的スプライシング、置換、欠失、突然変異または付
加により天然に存在するHG07と厳密には同じアミノ酸配列を有しないがHG07と実
質的に同じ生物活性を保有する受容体を意味する。そのような機能的等価体は、
天然に存在するHG07に対して、有意なアミノ酸配列同一性を有するであろう。そ
のような機能的等価体をコードする遺伝子およびDNAは、天然に存在するHG07を
コードするDNA配列に低いストリンジェンシーでハイブリダイズさせることによ
り検出することができる。本発明の目的においては、天然に存在するHG07は、配
列番号2に示すアミノ酸配列を有し、配列番号1にコードされる。機能的等価体を
コードする核酸は、配列番号1に対してヌクレオチドレベルで少なくとも約50%
の同一性を有する。
【0013】 あるポリペプチドがHG07と「実質的に同じ生物活性」を有するのは、そのポリ
ペプチドが或るリガンドに対して、配列番号2を有するHG07の該リガンドに対す
るKdよりせいぜい5倍大きなKdを有する場合である。
【0014】 「同類アミノ酸置換」は、あるアミノ酸残基が、化学的に類似した別のアミノ
酸残基により置換されることを意味する。そのような同類置換の具体例としては
、疎水性残基(イソロイシン、ロイシン、バリンまたはメチオニン)間での置換
、ある極性残基を同じ電荷の別の極性残基で置換すること(例えば、リシンから
アルギニンへの、アスパラギン酸からグルタミン酸への置換)が挙げられる。
【0015】 「単離されたHG07タンパク質」または「単離されたHG07 DNA」は、天然源から
単離されたHG07タンパク質またはHG07コード化DNAを意味する。「単離(された
)」なる語の使用は、HG07タンパク質またはDNAが、その通常の細胞環境から取
り出されていることを示す。したがって、単離されたHG07タンパク質は無細胞溶
液中に存在していたり、あるいはそれが天然に存在する場合の環境とは異なる細
胞環境中に存在しうる。単離(された)なる語は、単離されたHG07タンパク質が
、存在する唯一のタンパク質であることを意味するのではなく、単離されたHG07
タンパク質が、該HG07タンパク質に天然で付随する非アミノ酸物質(例えば、核
酸、脂質、炭水化物)から少なくとも95%フリーであることを意味する。例えば
、HG07タンパク質のうち、それを天然(すなわち、ヒトの介入の不存在下)では
発現しない細菌内または更には真核細胞内で組換え手段により発現されたものは
、「単離されたHG07タンパク質」である。同様に、HG07をコードするDNAのうち
、それを天然(すなわち、ヒトの介入の不存在下)では含有しない細菌内または
更には真核細胞内に組換え手段を介して配置されたものは、「HG07をコードする
単離されたDNA」である。
【0016】 本発明の1つの態様は、アミノ酸配列配列番号2を有するポリペプチドをコード
するヌクレオチドを含む単離されたDNAである。この単離されたDNAは、他の核酸
を実質的に含有せず、一本鎖または二本鎖(すなわち、その相補的配列と対にな
っているもの)でありうる。本発明のもう1つの態様は、HG07(Gタンパク質共役
型受容体)をコードするcDNAの同定およびクローニングである。このcDNAは、他
の核酸を実質的に含有せず、一本鎖または二本鎖でありうる。本発明は、図1に
配列番号1として示すヌクレオチド配列を有し他の核酸を実質的に含有しないcDN
A分子を提供する。配列番号1は、389アミノ酸のタンパク質をコードするオープ
ンリーディングフレーム(配列番号1の158〜1,324位)を含有する(図3A〜Bを参
照されたい)。したがって、本発明はまた、配列番号1の158〜1,324位のヌクレ
オチド配列を含み他の核酸を実質的に含有しないDNA分子を提供する。本発明は
また、配列番号1の158〜1,324位のヌクレオチド配列を含む組換えDNA分子を提供
する。
【0017】 HG07タンパク質は、その推定アミノ酸配列に基づけば、十中八九、新規Gタン
パク質共役型受容体(GPCR)の1つであろう。なぜなら、該HG07タンパク質は、G
タンパク質共役型受容体(GPCR)に特徴的な特性(例えば、以下に挙げるもの)
の多くを含有するからである: (a)7個の膜貫通ドメイン、 (b)3個の細胞内ループ、 (c)3個の細胞外ループ、および (d)GPCRのトリプレット特徴的(シグネチャー)配列。
【0018】 ノーザンブロット分析(図4)は、HG07 RNAが、ヒトにおいて、特に免疫系(
末梢血リンパ球(PBL)および脾臓)の細胞内で、約2.4kbの転写産物として広く
発現されることを示した。このことは、感染、リンパ球の走化性などに応答する
免疫系の機能(例えば、炎症)におけるHG07に関する役割を裏付けるものである
【0019】 HG07をコードする本発明の新規DNA配列は、全体的または部分的に、他のDNA配
列(すなわち、HG07が天然では結合していないDNA配列)に結合して、HG07を含
有する「組換えDNA分子」を形成しうる。HG07の組換え発現を指令するために、
本発明の新規DNA配列をベクター内に挿入することができる。そのようなベクタ
ーはDNAまたはRNAを含みうる。ほとんどの目的には、DNAベクターが好ましい。
典型的なベクターには、プラスミド、修飾されたウイルス、バクテリオファージ
、コスミド、酵母人工染色体、およびHG07をコードしうるエピソームまたは組込
みDNAの他の形態が含まれる。当業者は、特定の用途に適したベクターを容易に
決定することができる。
【0020】 本発明には、ストリンジェントな条件下で配列番号1にハイブリダイズするDNA
配列が含まれる。例えば、高いストリンジェンシーの条件を用いる方法は、以下
のとおりであるが、それらに限定されるものではない。DNAを含有するフィルタ
ーのプレハイブリダイゼーションを、6×SSC、5×デンハルト液および100μg/ml
変性サケ精子DNAを含むバッファー中、65℃で2時間〜一晩行なう。100μg/ml変
性サケ精子DNAおよび5〜20×106cpmの32P標識プローブを含有するプレハイブリ
ダイゼーション混合物中、フィルターを65℃で12〜48時間ハイブリダイズさせる
。2×SSC、0.1% SDSを含有する溶液中、37℃で1時間、フィルターの洗浄を行な
う。この後、0.1×SSC、0.1% SDS中、50℃で45分間の洗浄を行ない、ついでオ
ートラジオグラフィーに付す。
【0021】 高いストリンジェンシーの条件を使用する他の方法は、5×SSC、5×デンハル
ト液、50%ホルムアミド中、42℃で12〜48時間行なうハイブリダイゼーション工
程、または0.2×SSPE、0.2% SDS中、65℃で30〜60分間行なう洗浄工程を含むで
あろう。
【0022】 高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションを行なうための前記方法で
挙げた試薬は当技術分野でよく知られている。これらの試薬の組成の詳細は、例
えば、Sambrook, FritschおよびManiatis, 1989, Molecular Cloning: A Labora tory Manual , 第2版, Cold Spring Harbor Laboratory Pressに記載されている
。前記のもの以外の使用しうる他の高いストリンジェンシー条件は当技術分野で
よく知られている。
【0023】 遺伝暗号の縮重性のため、2種のアミノ酸を除く全てのアミノ酸に関しては、2
以上のコドンが特定のアミノ酸をコードする。このため、配列番号1のヌクレオ
チド配列とは有意に異なるが配列番号1と同じHG07タンパク質を尚もコードする
合成DNAヌクレオチド配列を有するHG07タンパク質コード化合成DNAの構築が可能
となる。そのような合成DNAは本発明の範囲内にあると意図される。そのような
合成DNAを特定の宿主細胞または生物中で発現させたい場合には、そのような合
成DNAのコドン使用頻度を、その特定の宿主のコドン使用頻度を反映するように
調節して、より高いレベルの、該宿主内でのHG07タンパク質の発現をもたらすこ
とができる。
【0024】 本発明のもう1つの態様は、HG07をコードするDNA配列を含有および/または発
現するように操作された宿主細胞を含む。HG07を産生させるために、そのような
組換え宿主細胞を適当な条件下で培養することができる。組換え宿主細胞内でHG
07を発現させるために、HG07をコードするDNAを含有する発現ベクターを使用す
ることができる。組換え宿主細胞は、原核性または真核性であることが可能であ
り、それらには、大腸菌(E. coli)などの細菌、酵母などの真菌細胞、ヒト、
ウシ、ブタ、サルおよびげっ歯類由来の細胞系を含む(これらに限定されるもの
ではない)哺乳類細胞、およびショウジョウバエ(Drosophila)およびカイコに
由来する細胞系を含む(これらに限定されるものではない)昆虫細胞が含まれる
が、これらに限定されるものではない。HG07の組換え発現に適した、哺乳類種に
由来する商業的に入手可能な細胞系には、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細
胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(ATCC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV-1(
ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL 1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K1(A
TCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC C
CL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(ATCC C
CL 171)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0025】 ヒト胎児腎(HEK 293)細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞は
、多数のGタンパク質を発現するため、HG07タンパク質の発現に特に適している
。したがって、これらのGタンパク質の少なくとも1つは、HG07とそのリガンドと
の相互作用により生成されたシグナルと機能的に共役して、このシグナルを下流
エフェクターに伝達し、最終的には、いくつかのアッセイ可能な成分における、
測定可能な変化(例えば、cAMPレベル、レポーター遺伝子の発現、イノシトール
脂質の加水分解、または細胞内Ca2+レベル)を引き起こしうると考えられる。
【0026】 HG07タンパク質の発現に特に適した他の細胞は、アフリカツメガエル(Xenopu
s laevis)からの不死化黒色素胞色素細胞である。他の組換えGPCRの機能的アッ
セイのためのそのような黒色素胞色素細胞の使用(Graminskiら, 1993, J. Biol
. Chem. 268:5957-5964; Lerner, 1994, Trends Neurosci. 17:142-146; Potenz
a & Lerner, 1992, Pigment Cell Res. 5:372-378)と同様にしてHG07の組換え
発現を用いる機能的アッセイに、そのような黒色素胞色素細胞を使用することが
できる。
【0027】 哺乳類および他の細胞内で組換えHG07を発現させるためには、種々の哺乳類発
現ベクターを使用することができる。商業的に入手可能な適当な哺乳類発現ベク
ターには、pCR2.1(Invitrogen)、pMC1neo(Stratagene)、pSG5(Stratagene
)、pcDNAIおよびpcDNAIamp、pcDNA3、pcDNA3.1、pCR3.1(Invitrogen)、EBO-p
SV2-neo(ATCC 37593)、pBPV-1(8-2)(ATCC 37110)、pdBPV-MMTneo(342-12)
(ATCC 37224)、pRSVgpt(ATCC 37199)、pRSVneo(ATCC 37198)およびpSV2-d
hfr(ATCC 37146)が含まれるが、これらに限定されるものではない。非哺乳類
細胞内での発現のための種々の適当な発現ベクターが当技術分野において公知で
ある。ベクターの選択は、使用する細胞型、所望の発現レベルなどに左右される
であろう。組換え細胞内での発現後、HG07を、通常の技術(例えば、塩分別、イ
オン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシルア
パタイト吸着クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーおよび分
取ゲル電気泳動)により、他のタンパク質を実質的に含有しないレベルにまで精
製することができる。
【0028】 本発明は、他のタンパク質を実質的に含有しないHG07タンパク質を含む。完全
長HG07タンパク質のアミノ酸配列を、図2に配列番号2として示す。したがって、
本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有し他のタンパク質を実質的に含有しな
いHG07タンパク質を含む。
【0029】 多数の受容体タンパク質の場合と同様、HG07のアミノ酸(特に、リガンド結合
ドメイン内に存在しないアミノ酸)の多数を修飾し、それでもなお、元の受容体
と実質的に同じ生物活性を保有させることが可能である。したがって、本発明は
、アミノ酸の欠失、付加または置換を有するがHG07と実質的に同じ生物活性を依
然として保有する修飾HG07ポリペプチドを含む。単一のアミノ酸の置換は通常は
タンパク質の生物活性を改変しないことが、一般に認められている(例えば、Mo lecular Biology of the Gene , Watsonら, 1987, 第4版, The Benjamin/Cumming
s Publishing Co., Inc., p.226; およびCunningham & Wells, 1989, Science
244:1081-1085を参照されたい)。したがって、本発明は、配列番号2において1
つのアミノ酸置換が施されておりHG07と実質的に同じ生物活性を依然として保有
するポリペプチドを含む。本発明はまた、配列番号2において2以上のアミノ酸置
換が施されておりHG07と実質的に同じ生物活性を依然として保有するポリペプチ
ドを含む。特に、本発明は、前記置換が同類置換である実施形態を含む。特に、
本発明は、前記置換がHG07のリガンド結合ドメイン内に存在しない実施形態を含
む。
【0030】 HG07の機能的等価体であるポリペプチドを産生させるためにHG07のどのアミノ
酸残基を置換することができるかを決定する場合には、当業者は、HG07のアミノ
酸配列と関連タンパク質 [例えば、ヒトロイコトリエンB4受容体(Yokomizoら,
1997, Nature 387:620-624に開示されている。また、本出願の図5も参照された
い)]のアミノ酸配列との比較を指針とするであろう。そのような比較は、当業
者が、HG07と該関連タンパク質との間で高度に保存された領域内に施されるアミ
ノ酸置換の数を最小にすることを可能にするであろう。したがって、本発明は、
該置換が同類的であり、HG07とヒトロイコトリエンB4受容体とが同一アミノ酸を
共有する位置には該置換が存在しない実施形態を含む(図5を参照されたい)。
【0031】 また、当業者は、アミノ酸の小さな欠失または挿入であるHG07アミノ酸配列か
らの変化を有しHG07の機能的等価体であるポリペプチドもまた、同じ指針(すな
わち、HG07と関連タンパク質との間のアミノ酸配列における相違を最小にするこ
と)に従うことにより産生されうると認識するであろう。小さな欠失または挿入
は、一般には、約1〜5アミノ酸の範囲である。該修飾HG07ポリペプチドの生物活
性に対するそのような小さな欠失または挿入の効果は、ポリペプチドを合成的に
産生させることにより、あるいは必要な変化をHG07コード化DNA内に施し次いで
該DNAを組換え的に発現させ該組換え発現により産生されたタンパク質をアッセ
イすることにより、容易にアッセイすることができる。用いられうるアッセイに
は、該修飾HG07ポリペプチドが、天然に存在するHG07タンパク質の場合とほぼ同
じアフィニティーで同じリガンドに結合しうるか否かを判定するための単純な結
合アッセイが含まれる。あるいは、細胞内カルシウムの増加、D-myo-イノシトー
ル1,4,5-三リン酸(InsP3)の蓄積、アデニリルシクラーゼの阻害および走化性
に関するアッセイなどの機能的アッセイを用いることができる。そのようなアッ
セイは、Yokomizoら, 1997, Nature 387:620-624に開示されているロイコトリエ
ンB4受容体に関する同様のアッセイに基づくものであってもよい。
【0032】 本発明はまた、HG07のC末端トランケート化形態(特に、該受容体の細胞外部
分を含むが該受容体の細胞内シグナリング部分を欠くもの)を含む。そのような
トランケート化受容体は、本明細書に記載の種々の結合アッセイにおいて、結晶
化研究に、および構造-活性相関研究に有用である。
【0033】 本発明はまた、キメラHG07タンパク質を含む。キメラHG07タンパク質は、非HG
07タンパク質のポリペプチド配列にインフレームで融合したHG07の連続的ポリペ
プチド配列よりなる。例えば、Gタンパク質にインフレームでC末端で融合したHG
07のN末端ドメインおよび7個の膜貫通伸長ドメインは、キメラHG07タンパク質で
あろう。
【0034】 本発明はまた、多量体構造の形態(例えば、二量体)であるHG07タンパク質を
含む。他のGタンパク質共役型受容体のそのような多量体は公知である(Hebert
ら, 1996, J. Biol. Chem. 271, 16384-16392; Ngら, 1996, Biochem. Biophys.
Res. Comm. 227, 200-204; Romanoら, 1996, J. Biol. Chem. 271, 28612-2861
6)。
【0035】 本発明はまた、単離された形態のHG07タンパク質を含む。
【0036】 本発明は、HG07タンパク質に特異的に結合する化合物を同定する方法、および
そのような方法により同定された化合物を含む。HG07に親和性を示す化合物の結
合の特異性は、該クローン化受容体を発現する組換え細胞に対する又はそのよう
な細胞からの膜に対する該化合物の親和性を測定することにより示される。HG07
に結合する化合物に関する、またはそのような細胞またはそのような細胞から調
製された膜に対するHG07の公知リガンドの結合を阻害する化合物に関するスクリ
ーニング、および該クローン化受容体の発現は、HG07に対して高い親和性を有す
る化合物の迅速な選択のための有効な方法を与える。そのようなリガンドまたは
化合物は放射能標識されていてもよいが、結合放射能標識化合物を置換するため
に使用しうる又は機能的アッセイにおけるアクチベーターとして使用しうる非同
位体化合物であってもよい。前記方法により同定された化合物は、HG07のアゴニ
ストまたはアンタゴニストであると考えられ、ペプチド、タンパク質または非タ
ンパク質性有機分子でありうる。
【0037】 したがって、本発明は、HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを同定しうる
アッセイを含む。他の受容体のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するため
の方法は、当技術分野においてよく知られており、HG07のアゴニストおよびアン
タゴニストの同定に応用されうる。したがって、本発明は、ある物質がHG07の潜
在的なアゴニストまたはアンタゴニストであるか否かを判定するための方法であ
って、 (a)HG07をコードする発現ベクターで細胞をトランスフェクトし、 (b)HG07が発現されるのを可能にするのに十分な時間、該トランスフェク
ト化細胞を培養し、 (c)該物質の存在下および不存在下、HG07の標識リガンドに該細胞をさら
し、 (d)HG07に対する該標識リガンドの結合を測定することを含んでなり、 該標識リガンドの結合の量が該物質の不存在下より該物質の存在下において少
ない場合、該物質がHG07の潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであること
を特徴とする方法を含む。
【0038】 該方法の工程(c)を行なう条件は、タンパク質-リガンド相互作用の研究のた
めに当技術分野で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSな
どの一般に使用されるバッファーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;
約4℃〜約55℃の温度)である。
【0039】 本発明はまた、ある物質がHG07に結合する能力を有するか否か(すなわち、該
物質がHG07の潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであるか否か)を判定す
るための方法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェ
クトすることにより、試験細胞を準備し、 (b)該物質に該試験細胞をさらし、 (c)HG07に対する該物質の結合の量を測定し、 (d)該試験細胞におけるHG07に対する該物質の結合の量を、HG07でトラン
スフェクトされていない対照細胞に対する該物質の結合の量と比較することを含
んでなり、 該物質の結合の量が、該対照細胞と比較して該試験細胞において多い場合、該
物質がHG07に結合する能力を有することを特徴とする方法を含む。ついで、例え
ば後記の乱交性(promiscuous)Gタンパク質の使用を含むアッセイなどの機能的
アッセイを用いることにより、該物質がアゴニストまたはアンタゴニストである
か否かの判定を行うことができる。
【0040】 該方法の工程(b)を行なう条件は、タンパク質-リガンド相互作用の研究のた
めに当技術分野で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSな
どの一般に使用されるバッファーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;
約4℃〜約55℃の温度)である。
【0041】 前記方法の特定の実施形態においては、該細胞は真核細胞である。もう1つの
実施形態においては、該細胞は哺乳類細胞である。他の実施形態においては、該
細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(AT
CC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL
1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92
)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)
、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(ATCC CCL 171)である。
【0042】 前記のアッセイは、HG07で一過性または安定にトランスフェクトされた細胞を
使用して行なうことができる。トランスフェクションは、HG07を該試験細胞内に
導入するための当技術分野で公知の任意の方法を包含する意である。例えば、ト
ランスフェクションには、リン酸カルシウムまたは塩化カルシウムに媒介される
トランスフェクション、リポフェクション、HG07を含有するレトロウイルス構築
物の感染およびエレクトロポレーションが含まれる。
【0043】 HG07に対する該物質またはアゴニストの結合を測定する場合には、標識された
物質またはアゴニストを使用することにより、そのような結合を測定することが
できる。該物質またはアゴニストは、当技術分野で公知の任意の簡便な方法で(
例えば、放射能、蛍光、酵素により)標識することができる。
【0044】 前記方法の特定の実施形態においては、HG07は配列番号2のアミノ酸配列を有
する。
【0045】 前記方法を改変することが可能であり、この場合、該試験細胞を該物質にさら
す代わりに、該試験細胞から膜を調製し、それらの膜を該物質にさらすことがで
きる。細胞の代わりに膜を使用するそのような修飾は、当技術分野でよく知られ
ており、例えば、Hessら, 1992, Biochem. Biophys. Res. Comm. 184:260-268に
記載されている。
【0046】 したがって、本発明は、ある物質がHG07に結合する能力を有するか否かを判定
するための方法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェ
クトすることにより、試験細胞を準備し、 (b)該試験細胞から、HG07を含有する膜を調製し、HG07のリガンドが該膜
内のHG07に結合する条件下で該膜をHG07のリガンドにさらし、 (c)工程(b)の後またはそれと同時に、該試験細胞からの膜を物質にさら
し、 (d)該物質の存在下および不存在下、該膜内のHG07に対する該リガンドの
結合の量を測定し、 (e)該物質の存在下および不存在下における該膜内のHG07に対する該リガ
ンドの結合の量を比較することを含んでなり、 該物質の存在下における該膜内のHG07に対する該リガンドの結合の量の減少が
、該物質がHG07に結合する能力を有することを示し、 HG07が配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする方法を提供する。
【0047】 本発明は、ある物質がHG07に結合する能力を有するか否かを判定するための方
法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェ
クトすることにより、試験細胞を準備し、 (b)該試験細胞から、HG07を含有する膜を調製し、該試験細胞からの膜を
該物質にさらし、 (c)該試験細胞からの膜内のHG07に対する該物質の結合の量を測定し、 (d)該試験細胞からの膜内のHG07に対する該物質の結合の量を、HG07でト
ランスフェクトされていない対照細胞からの膜に対する該物質の結合の量と比較
することを含んでなり、 HG07が配列番号2のアミノ酸配列を有し、 該試験細胞からの膜内のHG07に対する該物質の結合の量が、該対照細胞からの
膜に対する該物質の結合の量より多い場合、該物質がHG07に結合する能力を有す
ることを特徴とする方法を提供する。
【0048】 前記方法のもう1つの修飾として、HG07をコードするRNAを、例えば、バクテリ
オファージT7プロモーターの制御下でHG07を含有するプラスミドを使用するイン
ビトロ転写により調製することが可能であり、HG07を卵母細胞内で発現させるた
めに、該RNAをツメガエル(Xenopus)卵母細胞内にマイクロインジェクションす
ることができる。ついで、該卵母細胞内で発現されたHG07に対する結合に関して
、物質を試験する。あるいは、結合を検出する代わりに、該卵母細胞の電気生理
学的特性に対する該物質の効果を測定することができる。
【0049】 本発明は、HG07に媒介される機能的応答をHG07のアゴニストまたはアンタゴニ
ストが刺激または拮抗する能力により、HG07のアゴニストおよびアンタゴニスト
を同定しうるアッセイを含む。Gタンパク質共役型受容体の機能的応答を測定す
る種々の方法が、当業者によく知られているであろう(例えば、Lerner, 1994,
Trends Neurosci. 17:142-146 [黒色素胞細胞内の色素分布の変化]; Yokomizoら
, 1997, Nature 387:620-624 [cAMPまたはカルシウム濃度の変化; 走化性]; How
ardら, 1996, Science 273:974-977 [ツメガエル卵母細胞における膜電流の変化
]; McKeeら, 1997, Mol. Endocrinol. 11:415-423 [エクオリオンアッセイを用
いて測定したカルシウム濃度の変化]; OffermannsおよびSimon, 1995, J. Biol.
Chem. 270:15175, 15180 [イノシトールリン酸レベルの変化] を参照されたい
)。
【0050】 したがって、本発明は、HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方
法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェク
トすることにより、試験細胞を準備し、 (b)HG07のアゴニストまたはアンタゴニストであると疑われる物質に該試験
細胞をさらし、 (c)該物質にさらされた試験細胞の機能的応答の量を測定し、 (d)該試験細胞により示された機能的応答の量を、対照細胞により示された
機能的応答の量と比較することを含んでなり、 該試験細胞により示された機能的応答の量が、該対照細胞により示された機能
的応答の量と異なる場合、該物質がHG07のアゴニストまたはアンタゴニストであ
り、 該対照細胞が、HG07でトランスフェクトされていないが該物質にさらされた細
胞であるか、または該物質にさらされていない試験細胞であり、 HG07が、配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする方法を提供する
【0051】 特定の実施形態においては、該機能的応答は、黒色素胞細胞内の色素分布の変
化、cAMPまたはカルシウム濃度の変化、走化性、ツメガエル(Xenopus)卵母細
胞における膜電流の変化、およびイノシトールリン酸のレベルの変化よりなる群
から選ばれる。
【0052】 HG07は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)として公知のタンパク質のクラス
に属する。GPCRは、リガンドが結合すると細胞膜を越えてシグナルを伝達する。
リガンドが結合したGPCRは、ヘテロ三量体Gタンパク質と相互作用して、Gタンパ
ク質のGαサブユニットをGβおよびGγサブユニットから解離させる。ついで該G
αサブユニットは種々の第2メッセンジャー系を活性化し続けうる。
【0053】 一般に、ある特定のGPCRは、ある特定のタイプのGタンパク質と共役するにす
ぎない。したがって、該GPCRからの機能的応答を観察するためには、該GPCRを含
有する系内に適当なGタンパク質が存在することを保証する必要がある。しかし
ながら、「乱交性(promiscuous)」の或る種のGタンパク質が存在することが判
明している。これらの乱交性Gタンパク質は、実質的に任意のGPCRと共役して、
それらからの機能的シグナルを伝達するであろう。Offermanns & Simon, 1995,
J. Biol. Chem. 270:15175-15180(Offermanns)を参照されたい。Offermanns
は、多数のGPCRの1つの発現および乱交性Gタンパク質Gα15またはGα16の1つの
発現をもたらす発現ベクターで細胞がトランスフェクトされる系を記載している
。トランスフェクト化細胞にGPCRのアゴニストを加えると、該GCPRは活性化され
、Gα15またはGα16を介して、ホスホリパーゼCのβアイソフォームを活性化し
て、該細胞内のイノシトールリン酸レベルの増加を引き起こすことが可能であっ
た。
【0054】 したがって、これらの乱交性Gタンパク質をOffermannsの場合と同様に利用す
ることにより、HG07がインビボで共役するGタンパク質が未知であったとしてもH
G07に関する機能的アッセイを設計することが可能である。1つの可能性は、乱交
性Gタンパク質に融合したHG07の細胞外および膜伸長部分を含む融合またはキメ
ラタンパク質を作製することである。そのような融合タンパク質は、該融合タン
パク質のHG07部分へのリガンドの結合後にシグナルを伝達すると予想されるであ
ろう。したがって、本発明は、HG07のアンタゴニストを同定する方法であって、 (a)C末端において乱交性Gタンパク質に融合したキメラHG07タンパク質を
発現する細胞を準備し、 (b)HG07のアゴニストに該細胞をさらし、 (c)工程(b)の後またはそれと同時に、HG07のアンタゴニストであると疑
われる物質に該細胞をさらし、 (d)該細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定することを含んでなり
、 該物質の不存在下の該細胞内のイノシトールリン酸のレベルと比較した場合の
該物質の存在下の該細胞内のイノシトールリン酸のレベルの減少が、該物質がHG
07のアンタゴニストであることを示すことを特徴とする方法を提供する。
【0055】 HG07と共に乱交性Gタンパク質を用いるもう1つの可能性は、HG07のアゴニスト
を同定する方法であって、 (a)HG07および乱交性Gタンパク質の両方を発現する細胞を準備し、 (b)HG07のアゴニストであると疑われる物質に該細胞をさらし、 (c)該細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定することを含んでなり
、 前記の疑われるアゴニストの不存在下の該細胞内のイノシトールリン酸のレベ
ルと比較した場合の該細胞内のイノシトールリン酸のレベルの増加が、該物質が
HG07のアゴニストであることを示すことを特徴とする方法を含む。
【0056】 イノシトールリン酸のレベルは、カルシウムの動員をモニターすることにより
測定することができる。細胞内カルシウムの動員は、典型的には、蛍光染料を使
用して顕微鏡下で全細胞において又はエクオリンアッセイを使用してルミネセン
スにより細胞懸濁液においてアッセイする。
【0057】 前記方法の特定の実施形態においては、該細胞は真核細胞である。もう1つの
実施形態においては、該細胞は哺乳類細胞である。他の実施形態においては、該
細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(AT
CC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL
1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92
)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)
、BS-C-1(ATCC CCL 26)またはMRC-5(ATCC CCL 171)である。
【0058】 前記方法の特定の実施形態においては、該細胞内でのHG07および該乱交性Gタ
ンパク質の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェクトする。
【0059】 該方法の工程(b)を行なう条件は、タンパク質-リガンド相互作用の研究のた
めに当技術分野で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例えば、PBSな
どの一般に使用されるバッファーに典型的な又は組織培養培地における塩条件;
約4℃〜約55℃の温度)である。
【0060】 前記方法の特定の実施形態においては、該乱交性Gタンパク質は、Gα15または
Gα16よりなる群から選ばれる。Gα15またはGα16を含有する発現ベクターは当
技術分野において公知である。例えば、Offermanns; Buhlら, 1993, FEBS Lett.
323:132-134; Amatrudaら, 1993, J. Biol. Chem. 268:10139-10144を参照され
たい。
【0061】 前記アッセイは、HG07のアンタゴニストを同定する方法を得るために容易に改
変することができる。また、そのような方法は、本発明の一部であり、 (a)HG07と乱交性Gタンパク質との両方を発現する細胞を準備し、 (b)HG07のアゴニストである物質に該細胞をさらし、 (c)工程(b)の後またはそれと同時に、HG07のアンタゴニストであると疑
われる物質に該細胞をさらし、 (d)該細胞内のイノシトールリン酸のレベルを測定することを含んでなり
、 前記の疑われるアンタゴニストの不存在下の該細胞内のイノシトールリン酸の
レベルと比較した場合の前記の疑われるアンタゴニストの存在下の該細胞内のイ
ノシトールリン酸のレベルの減少が、該物質がHG07のアンタゴニストであること
を示すことを特徴とする。
【0062】 前記方法の特定の実施形態においては、該細胞は真核細胞である。もう1つの
実施形態においては、該細胞は哺乳類細胞である。他の実施形態においては、該
細胞は、L細胞L-M(TK-)(ATCC CCL 1.3)、L細胞L-M(ATCC CCL 1.2)、293(AT
CC CRL 1573)、Raji(ATCC CCL 86)、CV-1(ATCC CCL 70)、COS-1(ATCC CRL
1650)、COS-7(ATCC CRL 1651)、CHO-K1(ATCC CCL 61)、3T3(ATCC CCL 92
)、NIH/3T3(ATCC CRL 1658)、HeLa(ATCC CCL 2)、C127I(ATCC CRL 1616)
、BS-C-1(ATCC CCL 26)およびMRC-5(ATCC CCL 171)である。
【0063】 該方法の工程(b)および(c)を行なう条件は、タンパク質-リガンド相互作
用の研究のために当技術分野で典型的に用いられる条件(例えば、生理的pH;例
えば、PBSなどの一般に使用されるバッファーに典型的な又は組織培養培地にお
ける塩条件;約4℃〜約55℃の温度)である。
【0064】 前記方法の特定の実施形態においては、細胞内でのHG07および該乱交性Gタン
パク質の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェクトする。
【0065】 前記方法の特定の実施形態においては、該乱交性Gタンパク質は、Gα15または
Gα16よりなる群から選ばれる。
【0066】 前記方法の特定の実施形態においては、HG07は配列番号2のアミノ酸配列を有
する。
【0067】 HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するために使用しうるもう1つ
の機能的アッセイは、ロイコトリエンB4が、ロイコトリエン受容体における作用
を介して或る細胞型の走化性または化学運動性を誘導しうることに基づく(例え
ば、Yokomizoら, 1997, Nature 387:620-624; Ngら, J. Immunol. 147:3096-310
3を参照されたい)。HG07とロイコトリエンB4受容体との間のアミノ酸配列にお
ける高度な類似性(約46%、図5を参照されたい)を考えると、HG07のアゴニス
トは細胞の走化性または化学運動性を誘導しうると予想される。
【0068】 したがって、本発明は、HG07のアゴニストを同定する方法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェク
トすることにより、試験細胞を準備し、 (b)該試験細胞を物質にさらし、 (c)該物質にさらされた試験細胞による走化性または化学運動性の量を測定
し、 (d)該試験細胞により示された走化性または化学運動性の量を、対照細胞に
より示された走化性または化学運動性の量と比較することを含んでなり、 該試験細胞により示された走化性または化学運動性の量が、該対照細胞により
示された走化性または化学運動性の量より多い場合、該物質がHG07への結合のア
ゴニストであり、 該対照細胞が、HG07でトランスフェクトされていないが該物質にさらされた細
胞であるか、または該物質にさらされていない試験細胞であり、 HG07が、配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする方法を提供する
【0069】 特定の実施形態においては、該細胞はCHO細胞である。
【0070】 前記の方法は、明らかに、ある物質がHG07のアゴニストまたはアンタゴニスト
であるか否かの試験に関するものであるが、そのような方法は、物質の集合体(
例えば、組合せ(combinatorial)ライブラリー)を試験してそのような集合体
のいずれかのメンバーがHG07のアクチベーターまたはインヒビターであるか否か
を判定するのに応用されうることが当業者に明らかであろう。したがって、前記
方法における物質として物質の集合体またはそのような集合体の個々のメンバー
を使用することは本発明の範囲内に含まれる。
【0071】 前記方法により同定されたHG07のアゴニストおよびアンタゴニストは、HG07の
不適当な発現を伴う疾患の治療において有用性を有すると予想される。特に、HG
07の発現パターンを考えると(図4を参照されたい)、そのようなアゴニストお
よびアンタゴニストは、種々の免疫系障害または例えば多発性硬化症、関節炎、
喘息、狼瘡などの炎症を伴う障害の治療において有用性を有すると予想される。
そのようなアゴニストおよびアンタゴニストはまた、種々の感染症の治療におい
て有用であると予想される。
【0072】 HG07とロイコトリエンB4(LTB4)受容体との類似性を考えると、HG07のアゴニ
ストおよびアンタゴニストは薬理学的活性を有し、LTB4受容体のアゴニストおよ
びアンタゴニストが有用であるのと同様に有用であると予想される。LTB4受容体
のアゴニストおよびアンタゴニストは、慢性関節リウマチ、痛風、乾癬、炎症性
腸疾患(米国特許第5,684,162号)、慢性肺疾患、内毒素ショック、敗血症性シ
ョックおよび成人呼吸窮迫症候群(米国特許第5,552,441号)の治療において有
用である。
【0073】 HG07は、LTB4受容体に最も類似しているようであり、したがってLTB4受容体の
場合と同様に薬理学的に有用であると予想され、一方、HG07は他の関連ロイコト
リエン(例えば、ロイコトリエンA4、C4、D4およびE4)に対しても親和性を有し
うると予想される。ザフィルルカスト(zafirlukast)、モンテルカスト(monte
lukast)、プランルカスト(pranlukast)などのロイコトリエンD4受容体のアン
タゴニストは、喘息の治療において有用であることが示されている(Tan & Spe
ctor, July/August 1997, Science and Medicine 26-33)。したがって、HG07の
アンタゴニストは喘息の治療にも有用でありうると予想される。
【0074】 本発明は、HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを含んでなる医薬組成物を
含む。一般には、該アゴニストおよびアンタゴニストを医薬上許容される担体と
組合せて、医薬組成物を得る。アゴニストおよびアンタゴニストと担体とを含有
する医薬組成物の製剤化のそのような担体および方法の具体例は、Remington’s
Pharmaceutical Sciencesに記載されている。有効な投与に適した医薬上許容さ
れる組成物を形成させるためには、そのような組成物は、該アゴニストおよびア
ンタゴニストの治療的に有効な量を含有するであろう。
【0075】 治療用または予防用組成物は、HG07の活性が異常である状態を治療または予防
するのに十分な量で個体に投与する。該有効量は、個体の状態、体重、性別、年
齢などの種々の因子によって様々となりうる。他の因子には、投与様式が含まれ
る。熟練した医師であれば、適当な量を決定することが可能である。
【0076】 組成物は、単独で適当な投与量で使用することができる。あるいは、他の物質
の同時投与または連続的投与が望ましいことがある。
【0077】 該組成物は、通常の投与用ビヒクル中の多種多様な治療用剤形で投与すること
ができる。例えば、該組成物は、錠剤、カプセル剤(それぞれは時限放出(time
d release)および徐放製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、チ
ンキ剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、乳剤などの経口剤形として又は注射により
投与することができる。同様に、それらを、静脈内(ボーラスおよび注入の両方
)、腹腔内、皮下、局所(閉塞(occlusion)の存在下または不存在下)または
筋肉内形態として投与することも可能であり、それらはすべて、薬学分野の当業
者によく知られた形態を用いることが可能である。
【0078】 組成物を単回1日量で投与したり、あるいは合計1日量を2、3または4分割量で
毎日投与するのが有利かもしれない。さらに、組成物は、適当な鼻腔内ビヒクル
の局所的使用により鼻腔内形態で、または当業者によく知られた経皮皮膚パッチ
の形態を使用して経皮経路により投与することができる。もちろん、経皮デリバ
リーシステムの形態で投与する場合には、該投与量の投与は、該投与計画の全体
にわたり、断続的なものではなく連続的なものとなるであろう。
【0079】 該組成物を使用する投与計画は、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および
医学的状態;治療する状態の重症度;投与経路;患者の腎、肝および心臓血管機
能;および使用するその個々の組成物を含む種々の因子に応じて選択される。通
常の技量を有する医師は、該状態の進行の予防、阻止または停止に必要な組成物
の有効量を容易に決定し、処方することができる。毒性を伴うことなく効力を与
える範囲内の組成物濃度を最適に正確に得るためには、標的部位に対する該組成
物のアベイラビリティーの速度論に基づく計画が必要である。これは、組成物の
分布、平衡および排泄に関する考慮を含む。
【0080】 本発明はまた、組換え系内でHG07を発現させ、ついでその組換え発現されたHG
07をカウンター(対抗)スクリーニングに使用する方法を含む。標的受容体と特
異的に相互作用する潜在的医薬を同定するために化合物をスクリーニングする場
合には、同定される化合物が該標的受容体に対して可能な限り特異的であること
を保証する必要がある。これを行なうためには、該標的受容体に類似した可能な
限り多種多様な受容体に対して化合物をスクリーニングする必要がある。例えば
、受容体Aと相互作用する潜在的医薬である化合物を見出すためには、該化合物
が受容体A(「プラス標的」)と相互作用し受容体Aを介して所望の薬理学的効果
を与えることを保証する必要があるばかりでなく、該化合物が受容体B、C、Dな
ど(「マイナス標的」)とは相互作用しないことを確認する必要もある。一般に
、スクリーニング計画の一部として、可能な限り多数のマイナス標的を有するこ
とが重要である(Hodgson, 1992, Bio/Technology 10:973-980、980頁を参照さ
れたい)。したがって、HG07タンパク質、およびHG07タンパク質をコードするDN
Aは、カウンタースクリーニングにおいて有用である。すなわち、それらは、他
のGタンパク質共役型受容体と特異的に相互作用する化合物を同定するよう設計
されたスクリーニング計画に関連したカウンタースクリーニングにおいて、「マ
イナス標的」として使用することができる。
【0081】 本発明のDNAまたは該DNAに基づくハイブリダイゼーションプローブは、HG07遺
伝子の又はHG07関連タンパク質をコードする遺伝子の染色体位置を同定するため
の染色体マッピング研究において使用することができる。そのようなマッピング
研究は、よく知られた遺伝的および/または染色体マッピング技術、例えば、公
知染色体マーカーに関する連鎖解析またはin situハイブリダイゼーションを用
いて行うことができる。例えば、Vermaら, 1988, Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques , Pergamon Press, New York, NYを参照されたい。HG07遺
伝子またはHG07関連タンパク質をコードする遺伝子の染色体位置を同定した後、
この情報を、遺伝地図データ(例えば、Scienceのゲノム特集号 (1994, 265:198
1-2144)に記載のデータ)に含まれる公知疾患原因遺伝子の位置と比較すること
ができる。このようにして、HG07遺伝子の又はHG07関連タンパク質をコードする
遺伝子の染色体位置を公知疾患原因遺伝子の位置と相関させることができ、した
がって、そのような疾患原因遺伝子を含有するDNA領域を限定するのに役立ちう
る。これは、そのような疾患原因遺伝子をクローニングする方法を単純化するで
あろう。また、HG07遺伝子の又はHG07関連タンパク質をコードする遺伝子の染色
体位置と公知疾患原因遺伝子の位置との連鎖が確認されたら、その連鎖を診断的
に用いて、該HG07遺伝子またはHG07関連タンパク質をコードする遺伝子の周辺の
制限断片長多型(RFLP)を同定することができる。そのようなRFLPは疾患原因遺
伝子に関連しており、したがって該疾患原因遺伝子を保持する個体の同定に用い
ることができる。
【0082】 本明細書に記載の染色体マッピング研究の場合、本発明のDNAに加えて、本発
明のDNAの逆相補体または本発明のDNAに対応するRNAを使用するのが好都合かも
しれない。
【0083】 本明細書に開示するHG07配列に相補的なヌクレオチド配列を、アンチセンス療
法において使用するために合成することができる。そのようなアンチセンス分子
は、DNA、安定なDNA誘導体、例えばホスホロチオアートまたはメチルホスホナー
ト、RNA、安定なRNA誘導体、例えば2'-O-アルキルRNA、またはHG07アンチセンス
分子の他の形態でありうる。HG07アンチセンス分子は、種々の方法、例えばマイ
クロインジェクション、リポソーム封入、または該アンチセンス配列を保持する
ベクターからの発現により細胞内に導入することができる。HG07アンチセンス療
法は、HG07の活性を減弱させるのが有益である状態の治療において特に有用であ
ると予想される。
【0084】 本発明はまた、HG07タンパク質に対する抗体を含む。そのような抗体は、ポリ
クローナル抗体またはモノクローナル抗体であることが可能であり、HG07タンパ
ク質の不適当な発現または活性を伴う免疫系の障害の治療に有用である。本発明
の抗体は、当技術分野でよく知られた方法により、全HG07タンパク質に対して、
または適当な担体(例えば、血清アルブミンまたはキーホールリンペットヘモシ
アニン)と共役した該タンパク質の適当な抗原断片に対して産生させる。タンパ
ク質の適当な抗原断片を同定する方法は、当技術分野で公知である。例えば、Ho
pp & Woods, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78:3824-3828; およびJameso
n & Wolf, 1988, CABIOS (Computer Applications in the Biosciences) 4:181
-186を参照されたい。
【0085】 ポリクローナル抗体の産生のためには、HG07タンパク質または抗原断片(適当
な担体と共役させたもの)を、適当な非ヒト宿主動物(例えば、ウサギ、ヒツジ
、ヤギ、ラット、マウス)に定期的に注射する。該動物から定期的に採血し、得
られた血清を、注射された抗原に対する抗体の存在に関して試験する。該注射は
、筋肉内、腹腔内、皮下などに行なうことができ、アジュバントと共に行なうこ
とができる。
【0086】 モノクローナル抗体の産生のためには、HG07タンパク質または抗原断片(適当
な担体と共役させたもの)を、ポリクローナル抗体の産生に関して前記したのと
同様の適当な非ヒト宿主動物に注射する。モノクローナル抗体の場合には、該動
物は一般にはマウスである。ついで該動物の脾臓細胞を不死化させる。これは、
しばしば、Kohler & Milstein, 1975, Nature 256:495-497に記載のとおり、骨
髄腫細胞との融合により行なう。モノクローナル抗体の産生の更に詳しい説明に
ついては、Antibodies: A Laboratory Manual, Harlow & Lane編, Cold Spring
Harbor Laboratory Press, 1988を参照されたい。
【0087】 HG07ポリペプチドを標的器官の細胞内に導入するために、遺伝子治療を用いる
ことができる。HG07ポリペプチドをコードするヌクレオチドを、受容細胞への感
染により該ヌクレオチドの導入を媒介するウイルスベクター内に連結させること
ができる。適当なウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、ア
デノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルスおよびポリオウイル
スに基づくベクターが含まれる。あるいは、リガンド-ヌクレオチドコンジュゲ
ートを使用する受容体媒介標的化導入(receptor-mediated targeted transfer
)、リポフェクション、膜融合または直接マイクロインジェクションをを含む非
ウイルス技術により、HG07ポリペプチドをコードするヌクレオチドを遺伝子治療
のために細胞内に導入することができる。これらの方法およびそれらの変法は、
エクスビボ(ex vivo)およびインビボ遺伝子治療に適している。HG07ポリペプ
チドでの遺伝子治療は、HG07の活性を上昇させることが有益である疾患の治療に
特に有用であろう。
【0088】 完全長HG20をコードするcDNA断片は、適当なプライマー対を使用するポリメラ
ーゼ連鎖反応(PCR)を用いることにより適当なヒトcDNAライブラリーから単離
することができる。そのようなプライマー対は、図1に配列番号1として示すHG20
のcDNA配列に基づいて選択することができる。適当なプライマー対としては、以
下のものが挙げられるであろう: CGCGGATCCGCCATCATGGCACCTTCTCATCGG(配列番号4)および GCGGGATCCTCAAAGGTCCCATTCCGG(配列番号5)。
【0089】 増幅されたcDNAを適当なベクター(例えば、pcDNA3.1)内にクローニングする
のを容易にするために、前記プライマーはそれらの5'末端にBamHI部位を含有す
る。前記プライマーは例示的なものである。当業者は、種々の他の適当なプライ
マーを設計しうると認識するであろう。
【0090】 AmpliTaq、AmpliTaq GoldまたはVentポリメラーゼを含む(これらに限定され
るものではない)種々の耐熱性酵素でPCR反応を行なうことができる。AmpliTaq
の場合には、10mM Tris-Cl, pH8.3、2.0mM MgCl2、200μMの各dNTP、50mM KCl、
0.2μMの各プライマー、10ngのDNA鋳型、0.05単位/μlのAmpliTaq中で反応を行
なうことができる。該反応を95℃で3分間加熱し、ついで95℃で20秒間、62℃で2
0秒間、72℃で3分間のサイクリングパラメーターを用いる35サイクルに付す。こ
れらの条件に加えて、適当な種々のPCRプロトコールがPCR Primer, A Laborator y Manual , C.W. DieffenbachおよびG.S. Dveksler編, 1995, Cold Spring Harbo
r Laboratory Press、またはPCR Protocols: A Guide to Methods and Applicat ions , Michaelら編, 1990, Academic Pressに記載されている。
【0091】 HG07をコードするクローンが単離される適当なcDNAライブラリーは、前立腺、
卵巣、膵臓、末梢血リンパ球または脾臓からのRNAから調製したヒトcDNAライブ
ラリーであろう。そのようなライブラリーは、当技術分野でよく知られた方法に
より調製することができる。あるいは、いくつかの商業的に入手可能なライブラ
リー、例えば、Stratagene, Inc., La Jolla, CA, USAからのcDNAライブラリー
(例えば、ヒト卵巣カタログ#937217、ヒト膵臓カタログ#937208またはヒト胎児
脾臓カタログ#937205)が適当であろう。そのようなライブラリーの一次クロー
ンをプールに細分することができ(各プールは約20,000個のクローンを含有する
)、各プールを別々に増幅することができる。
【0092】 この方法により、389アミノ酸のオープンリーディングフレーム(配列番号2)
をコードするcDNA断片を得ることができる。このcDNA断片を、適当なクローニン
グベクターまたは発現ベクター内にクローニングすることができる。例えば、該
断片を、哺乳類発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen, San Diego, Ca)内にクロ
ーニングすることができる。ついでHG07をコードする発現ベクターを適当な宿主
細胞内に導入し、該宿主細胞を適当な条件下で増殖させることにより、HG07タン
パク質を産生させることができる。ついで当技術分野でよく知られた方法により
、HG07タンパク質を単離することができる。
【0093】 前記PCR法に代わる方法としては、オリゴヌクレオチドプローブでcDNAライブ
ラリーをスクリーニングするための当技術分野でよく知られた方法を用いHG07に
特異的なオリゴヌクレオチドをプローブとして使用して、HG07をコードするcDNA
クローンをcDNAライブラリーから単離することができる。そのような方法は、例
えば、Sambrookら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Cold Spr
ing Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, New York; Glover, D.M. (編),
1985, DNA Cloning: A Practical Approach, MRL Press, Ltd., Oxford, U.K.,
Vol. I, IIに記載されている。HG07に特異的でcDNAライブラリーのスクリーニン
グに使用されうるオリゴヌクレオチドは、図1に配列番号1として示すHG07のcDNA
配列に基づき容易に設計することができ、当技術分野でよく知られた方法により
合成することができる。
【0094】 HG07遺伝子を含有するゲノムクローンは、商業的に入手可能なヒトPACまたはB
ACライブラリー(例えば、Research Genetics, Huntsville, ALから入手される
もの)から得ることができる。あるいは、本明細書に開示するHG07ヌクレオチド
配列に基づくプローブを使用して、HG07含有ゲノムクローンが単離されうるゲノ
ムライブラリー(特に、P1人工染色体ベクター中のもの)を調製することができ
る。そのようなライブラリーの調製方法は当技術分野で公知である(Ioannouら,
1994, Nature Genet. 6:84-89)。
【0095】 本発明を更に例示するために、以下に非限定的な実施例を記載する。
【0096】 実施例1 HG07 RNA転写産物の組織分布 Clontech(Palo Alto, CA)から購入したヒト多組織ノーザンブロットを使用
することにより、図4に示すデータを得た。HG07の805bpのBamHI-ApaI断片から調
製した32P標識プローブに該ブロットをハイブリダイズさせた。Clontechにより
供給されたExpressHybバッファーを、Clontechが推奨している条件で使用して、
ハイブリダイゼーションを行った。ついで該ブロットを、0.1×SSC/0.1%SDS中
、60℃で洗浄し、オートラジオグラフィーにより感光した。
【0097】 本発明の範囲は、本明細書に記載の特定の実施形態により限定されるものでは
ない。実際のところ、本明細書に記載のものの他に本発明の種々の修飾が、以上
の記載から当業者に明らかとなるであろう。そのような修飾は、添付の請求の範
囲の範囲内に含まれると意図される。
【0098】 本明細書中には種々の刊行物が引用されているが、それらの開示の全体を参照
により本明細書に組み入れることとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 HG07の全cDNA配列(配列番号1)を示す。
【図2】 HG07の全アミノ酸配列(配列番号2)を示す。
【図3A】 HG07オープンリーディングフレームの位置を示す。
【図3B】 HG07オープンリーディングフレームの位置を示す。
【図4】 種々のヒト組織内でのHG07 mRNAのノーザンブロットの結果を示す。
【図5】 HG07のアミノ酸配列とヒトロイコトリエンB4受容体のアミノ酸配列とのアライ
メントを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/02 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12Q 1/02 5/00 A (72)発明者 ワン,ロイピン アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 ベイリイ,ウエンデイ・ジエイ アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 (72)発明者 デイビイドフ,マイケル アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07065−0907、ローウエイ、イースト・リ ンカーン・アベニユー・126 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA63 CA04 DA01 DA02 DA05 DA11 EA04 GA11 4B063 QA01 QA18 QQ20 QR80 4B065 AA01X AA57X AA87X AA93Y AB01 AC14 BA02 CA24 CA46 4H045 AA10 AA11 BA10 CA40 DA50 DA75 EA50 FA72 FA74

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸配列配列番号2を有するポリペプチドをコードする
    ヌクレオチドを含んでなる単離されたDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号1と配列番号1の158〜1,324位とよりなる群から選ば
    れるヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載のDNA分子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のDNAにストリンジェントな条件下でハイブリ
    ダイズするDNA分子。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のDNAを含んでなる発現ベクター。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のDNAを含んでなる組換え宿主細胞。
  6. 【請求項6】 アミノ酸配列配列番号2を有する単離されたHG07タンパク質
  7. 【請求項7】 他のタンパク質を実質的に含有しない、請求項6に記載の単
    離されたHG07タンパク質。
  8. 【請求項8】 単一のアミノ酸置換を含有する、請求項6に記載のHG07タン
    パク質。
  9. 【請求項9】 該タンパク質が2以上のアミノ酸置換を含有し、該置換が同
    類的であり、HG07とヒトロイコトリエンB4受容体とが同一アミノ酸を共有する位
    置には該置換が存在しない、請求項6に記載のHG07タンパク質。
  10. 【請求項10】 ある物質がHG07の潜在的なアゴニストまたはアンタゴニス
    トであるか否かを判定するための方法であって、 (a)HG07をコードする発現ベクターで細胞をトランスフェクトし、 (b)HG07が発現されるのを可能にするのに十分な時間、該トランスフェク
    ト化細胞を増殖させ、 (c)該物質の存在下および不存在下、HG07の標識リガンドに該細胞をさら
    し、 (d)HG07に対する該標識リガンドの結合を測定することを含んでなり、 該標識リガンドの結合の量が該物質の不存在下より該物質の存在下において少
    ない場合、該物質がHG07の潜在的なアゴニストまたはアンタゴニストであり、 HG07が配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  11. 【請求項11】 ある物質がHG07に結合する能力を有するか否かを判定する
    ための方法であって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェ
    クトすることにより、試験細胞を準備し、 (b)該物質に該試験細胞をさらし、 (c)HG07に対する該物質の結合の量を測定し、 (d)該試験細胞におけるHG07に対する該物質の結合の量を、HG07でトラン
    スフェクトされていない対照細胞に対する該物質の結合の量と比較することを含
    んでなり、 該物質の結合の量が、該対照細胞と比較して該試験細胞において多い場合、該
    物質がHG07に結合する能力を有し、 HG07が配列番号2のアミノ酸配列を有することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 HG07のアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法で
    あって、 (a)細胞内でHG07の発現を指令する発現ベクターで該細胞をトランスフェク
    トすることにより、試験細胞を準備し、 (b)HG07のアゴニストまたはアンタゴニストであると疑われる物質に該試験
    細胞をさらし、 (c)該物質にさらされた試験細胞の機能的応答の量を測定し、 (d)該試験細胞により示された機能的応答の量を、対照細胞により示された
    機能的応答の量と比較することを含んでなり、 該試験細胞により示された機能的応答の量が、該対照細胞により示された機能
    的応答の量と異なる場合、該物質がHG07のアゴニストまたはアンタゴニストであ
    り、 該対照細胞が、HG07でトランスフェクトされていないが該物質にさらされた細
    胞であるか、または該物質にさらされていない試験細胞であり、 HG07が、アミノ酸配列配列番号2を有することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 HG07(該HG07は配列番号2のアミノ酸配列を有する)に特
    異的に結合する抗体。
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