JP3753980B2 - 耐光性熱変色性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐光性熱変色性樹脂組成物に関する。更に詳細には、印刷乃至塗布層、或いは成形体の形態として耐光性を顕著に向上させた耐光性熱変色性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、熱変色材の耐光堅牢性を向上させようとする試みは、幾つか開示されている。
例えば、特公平4−18543号公報等には、紫外線吸収剤や酸化防止剤等を含有させた合成樹脂層を熱変色層に積層する試みが開示されている。
又、別の試みとして、熱変色層の上層に光反射層、或いは光吸収層を設けて紫外線や可視光線を吸収或いは反射させることにより、下層の熱変色層への到達を抑制しようとする試みがある。更に、別の試みとして、着色フィルターを適用する試みがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記提案において、熱変色材が電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物との間の電子授受反応による系にあっては、前記紫外線吸収剤等による紫外線のカット手段のみでは前記電子供与性呈色性有機化合物の光劣化を完全に防止することはでき難い。又、前記光反射層を設ける系において、所期の光劣化を防ぐためには、該層は白っぽくなり、下層にある熱変色層の色変化を十分に視覚させ難い。一方、光吸収層を設ける系では、前記層が濃色であるか、黒っぽい色になり、下層にある熱変色層の色変化の視覚を妨げる。又、着色フィルター、例えば黄色着色層を配する系では、熱変色層が青色を呈しているときは、電子供与性呈色性有機化合物は黄色光を吸収して青色光を反射するため、黄色着色層の影響により緑色に視覚される。次いで、熱変色層が無色に変化すると、前記電子供与性呈色性有機化合物は全ての可視光線を反射するため、黄色着色層から反射される黄色光のみが視覚されて黄色に視覚され、緑色←→黄色の可逆的色変化を呈する。
このように有色(1)から有色(2)の、可逆的色変化を視覚させるとしても有色←→無色の可逆的色変化を視覚させることができない。
本発明者は、ロイコ染料等の電子供与性有機化合物と電子受容性化合物との電子授受反応により発消色する熱変色材にあっては、光劣化の過程において酸素の存在が大きく関与しており、無酸素雰囲気では光を照射しても劣化し難くなり、酸素を排除できれば耐光性(特に太陽の直射光)を顕著に向上させることができ、紫外線により励起された酸素分子により光劣化するという知見を得て、紫外線のカットよりも酸素カットの方が効率的且つ効果が絶大なことを実証して本発明を完成させた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平均粒子径0.5〜30μmの熱変色性顔料が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール成分を50%以上含有する共重合体、単糖類、及び多糖類から選ばれる酸素ガスバリヤー性樹脂中に分散状態に固着されて熱変色性樹脂層を形成しており、前記熱変色性樹脂層における酸素ガスバリヤー性樹脂が、前記熱変色性顔料の外面を覆う連続層であることを特徴とする耐光性熱変色性樹脂組成物を要件とする。
更には、熱変色性樹脂層は、支持体表面に形成された印刷乃至塗布層であること、熱変色性樹脂層は、熱変色性顔料が一体にブレンドされて成形された樹脂成形体自体であること、熱変色性顔料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を少なくとも含む熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル形態の熱変色性顔料であること、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜5.0/1.0(重量比率)であること、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜100/1.0(重量比率)であること、等を要件とする。
【0005】
前記熱変色性顔料は、ロイコ染料等の電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物との電子授受反応を利用した色材であり、更に、具体的には、(イ)電子供与性呈色性化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を必須とする熱変色性組成物を内包させた、平均粒子径0.5〜30μmのマイクロカプセル形態の顔料が有効である。
前記(イ)電子供与性呈色性有機化合物としては、従来より公知のジフェニルメタンフタリド類、フルオラン類、ジフェニルメタンアザフタリド類、インドリルフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、、スチリノキノリン類、ピリジン系化合物等が挙げられる。
(ロ)電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群〔酸ではないが、組成物中で酸として作用して、電子供与性化合物を発色させる化合物群〕、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、更にその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等が挙げられる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
(ハ)前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、酸アミド等の従来より汎用の反応媒体を挙げることができる。
前記熱変色性材料の更に具体例としては、本出願人が提案した、特公昭51−44706号公報、特公昭51−44707号公報、特公平1−29398号公報等に記載のものが利用できる。
前記提案は、所定の温度(変色点)を境としてその前後で変色し、変色点以上の温度域で消色状態、変色点未満の温度域で発色状態を呈し、前記両状態のうち常温域では特定の一方の状態しか存在しえない。即ち、もう一方の状態は、その状態が発現するのに要した熱又は冷熱が適用されている間は維持されるが、前記熱又は冷熱の適用がなくなれば常温域で呈する状態に戻る、ヒステリシス幅が比較的小さい特性(ΔHA=1〜7℃)を有する加熱消色型の熱変色性組成物を挙げることができ、ΔHAが3℃以下の系〔特公平1−29398号公報に示す、3℃以下のΔT値(融点−曇点)を示す脂肪酸エステルを(ハ)成分として適用〕にあっては、温度変化に鋭敏に感応して高感度の加熱消色性を示し、ΔHAが4〜7℃程度の系では変色後、緩徐に元の様相に戻り、変色視認効果を高めることができる。
又、本出願人が提案した特公平4−17154号公報、特開平7−179777号公報、特開平7−33997号公報、特開平8−39936号公報等に記載されている大きなヒステリシス特性(ΔHB=8〜50℃)を示す、即ち、温度変化による着色濃度の変化をプロットした曲線の形状が、温度を変色温度域より低温側から上昇させていく場合と逆に変色温度域より高温側から下降させていく場合とで大きく異なる経路を辿って変色し、t1以下の低温域での発色状態、又はt4以上の高温域での消色状態が、特定温度域〔t2〜t3の間の温度域(実質的二相保持温度域)〕で互変的に記憶保持できる色彩記憶保持型の熱変色性組成物を適用することができる。
前記における低温側変色点は、−30℃〜25℃の範囲から選ばれる任意の温度に設定でき、高温側変色点は、27℃〜60℃の範囲から選ばれる任意の温度に設定でき、前記低温側変色点と高温側変色点の間の任意の温度域で、前記低温側変色点以下又は高温側変色点以上の各変色状態を互変的に記憶保持させることができる。
尚、前記実質的二相保持温度域は、常温域(例えば、15〜35℃)を含むものが汎用的であるが、前記温度範囲に特定されない。
又、加熱発色型の熱変色性組成物として、消色状態からの加熱により発色する、本出願人の提案(特開平11−129623号公報、特開平11−5973号公報)による、(ロ)電子受容性化合物として、炭素数3乃至18の直鎖又は側鎖アルキル基を有する特定のアルコキシフェノール化合物を適用した系、或いは特定のヒドロキシ安息香酸エステルを適用した系(特開2001−105732号)、没食子酸エステル等を適用した系(特公昭51−44706号公報等)を挙げることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の耐光性熱変色性樹脂組成物の具体的形態としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール成分を50%以上含有する共重合体、単糖類、及び多糖類から選ばれる酸素ガスバリヤー性樹脂を含むビヒクル中に熱変色性顔料の所定量を分散させてインキ又は塗料となし、従来より汎用の印刷乃至塗布手段により、支持体表面に熱変色性樹脂層を形成したもの、或いは熱変色性顔料を成形性樹脂中に直接的にブレンドして一体成形して得られる熱変色性樹脂成形体の形態を挙げることができる。
【0007】
前記印刷乃至塗布による熱変色性樹脂層の系にあっては、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜5.0/1.0(重量比率)、好適には、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.8〜4.0/1.0(重量比率)が有効である。
前記酸素ガスバリヤー性樹脂の重量比率が0.3未満では、耐光堅牢性に有効な連続層を形成し難く、一方、5.0を超えると熱変色性顔料が過少であり鮮明な熱変色性を示さない。
尚、前記印刷乃至塗布による熱変色性樹脂層は、従来より汎用の1〜400μm、好ましくは、4〜200μm、更に好ましくは、10〜150μm程度の厚みが実用的である。
【0008】
前記熱変色性樹脂成形体の系にあっては、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜100/1.0(重量比率)、好適には、酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.8〜60/1(重量比率)が、色濃度の鮮明性を有し、熱変色による視覚効果の面でも有効であり、酸素ガスバリヤー性樹脂による連続層が形成され、成形体自体の強度も満たす。
具体的には、熱変色性顔料を熱可塑性樹脂中に一体的に溶融ブレンドして、各種造形体、フイルム状、或いはシート状となした形態のものを挙げることができる。
【0009】
前記における酸素ガスバリヤー性樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール成分を50%以上含有する共重合体、単糖類、及び多糖類から選ばれる樹脂を挙げることができる。
前記ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール成分を50%以上含有する共重合体としては、部分鹸化ポリビニルアルコール(鹸化度88%)、耐水型ポリビニルアルコール(完全鹸化型、水素結合による耐水性付与)、完全鹸化ポリビニルアルコールをベースとする樹脂を含む系、酢酸ビニル樹脂の50%以上部分鹸化物、エチレン成分とビニルアルコール成分の共重合体のうち、ビニルアルコール成分を50%以上含有する樹脂等を例示できる。
単糖類としては、ブドウ糖及びその異性体を例示でき、多糖類としては、ショ糖、デキストリン類、可溶化デンプン、アルギン酸ナトリウム等の植物由来の各種ガム成分、カルボキシメチルセルロース、プルラン等の微生物によって変性された多糖類を例示できる。
【0010】
前記した酸素ガスバリヤー性樹脂は、適用される樹脂の100%を占有することが最も効果的であるが、50重量%程度の占有率であっても実効性を有し、従来より汎用の印刷乃至塗料用のバインダー樹脂を併用して印刷乃至塗布による熱変色性樹脂層を形成したもの、汎用の成形用樹脂をブレンドして一体成形して各種形態の成形体を形成したものであってもよい。
【0011】
更には、前記熱変色性樹脂層の表裏両面に酸素透過度が1200ml/(m2・d・MPa)以下、好ましくは、800ml/(m2・d・MPa)以下、更に好ましくは、600ml/(m2・d・MPa)以下の基材、例えば、ガラス、金属箔や金属蒸着フイルム等の実質的に酸素非透過性の基材や、特定の樹脂被膜等を形成して、更に熱変色性樹脂層の耐光堅牢性を高めることができる。
前記特定の樹脂皮膜としては、ポリエステル樹脂(アルキッド樹脂を含む)、ポリアミド樹脂、アルギン酸ナトリウム、プルラン等多糖類、ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール(EVOH)、硬質塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリロニトリル樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニル共重合樹脂、弗化ビニリデン樹脂、エチレン−マレイン酸共重合樹脂、ビニルメチルエーテル−マレイン酸共重合樹脂等による塗膜、或いはフイルム等が例示できる。
【0012】
具体的手段としては、熱変色性樹脂層の少なくとも表面に、酸素透過係数の小さい樹脂フイルムの接合、酸素透過係数の小さい樹脂のコーティング、吹き付けや、印刷手段により形成した樹脂皮膜が効果的であり、熱変色性樹脂層の表裏両面に密接状に配設した系が最も効果的である。
前記表面層は、熱変色層樹脂層の保護層として、熱変色層の裏面側は、支持体として機能させたものでもよい。
【0013】
更には、印刷乃至塗布による熱変色性樹脂層の系にあっては、支持体表面に酸化チタン顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた下地層を設けることにより、酸素ガスの影響を更に排除できる。
【0014】
又、従来より汎用の耐光性向上手段、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消光剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を併用して耐光堅牢性を更に向上させることができる。
【0015】
【実施例】
以下の実施例において、耐光堅牢性を下記の評価方法により評価した。
【0016】
〔1〕色濃度及び耐光性試験の評価法
(1)色濃度の測定
色濃度は、ミノルタカメラ(株)製色差計CR−241によって測定し、Y値をもって色濃度とし、濃度の残存率は,下式によって求めた。
残存率(%)= [(試験サンプルの色濃度−劣化後の色濃度)/(未試験サンプルの色濃度−劣化後の色濃度)]×10
(2)耐光性試験
耐光性試験は、フェ−ドメ−タ−(スガ試験機株式会社製、ロングライフカーボンアーク適用)及び屋外曝露(スガ試験機株式会社製、屋外曝露台に直射光を照射:11〜12月の2ヶ月間)によって試験し、評価した。
〔2〕耐光性熱変色性樹脂組成物の調製
(1)熱変色性顔料の製造例
クリスタルバイオレットラクトン1.0重量部、1、1ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン5.0重量部、ステアリルアルコール50.0重量部、及びエポキシ樹脂10.0重量部を均一に溶解し、8%ゼラチン水溶液100重量部に、8〜10μmになるよう乳化した。次いで、70℃にて10%ジエチレントリアミン水溶液を滴下し、90℃に昇温し、5時間攪拌した後、遠心分離により単離し、マイクロカプセル形態の熱変色性顔料(固形分:60重量%、60℃以上で無色、60℃未満で青色を可逆的に呈する)120重量部を得た。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
実施例1
熱変色性顔料35重量部、10%ポリビニルアルコール(酸素ガスバリヤー性樹脂)水溶液65重量部からなる熱変色性インキを調製した〔酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.31/1.0(固形分重量比率〕。
前記熱変色性インキをグラビア印刷によってポリエステルフィルム上に30g/m2になるようにベタ印刷し、乾燥させて耐光性熱変色性樹脂層を形成した。
前記熱変色性樹脂層は、フェードメーター試験機による20時間照射後、濃度残存率75%であった。
又、直射光(太陽光)による曝露試験により、比較例1の熱変色性樹脂層は、照射1日にて劣化したが,実施例2の熱変色樹脂層は、1カ月間の曝露に対して濃度残存率60%であった。
【0021】
【0022】
実施例2
熱変色性顔料30重量部、黄色デキストリン(酸素ガスバリヤー性樹脂)20重量部、水48重量部、及び消泡剤2重量部を均一に攪拌分散させて、熱変色性インキを得た〔酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=1.11/1.0(固形分重量比率)〕。
実施例1に準じてポリエステルフイルム上にベタ印刷し、耐光性を確認したところ、フェードメーター試験機による20時間照射後において、色濃度や熱変色機能に殆ど劣化は認められなかった。
前記黄色デキストリンに換えて、分岐シクロデキストリン、砂糖、ブドウ糖をそれぞれ適用した系について、同様の印刷試料を作製し、同様の耐光性試験を行なったところ、いずれの系も同様の耐光性能を示した。
【0023】
【0024】
【0025】
実施例3
熱変色性顔料1.0重量部と、エチレン−ビニルアルコール共重合体〔酸素ガスバリヤー性樹脂(エチレン40%−ビニルアルコール60%)〕99重量部を混合し、190℃で練合し、熱変色性顔料が均一に分散された樹脂を得た(酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=99.0/1.0(固形分重量比率)〕。
次いで、カレンダーロールにより2mm厚のフイルムを形成した。このフイルムは、フェードメーター試験機による20時間照射後において、色濃度や熱変色性に殆ど劣化は認められなかった。
一方、前記エチレン−ビニルアルコール共重合体に換えて、ポリエチレン樹脂を用いて、同様のフイルムを作製し、フェードメーター試験機により耐光性試験を行なったところ、1時間の照射にて熱変色性機能を喪失した。
【0026】
【発明の効果】
本発明の耐光性熱変色性樹脂組成物は、前記した耐光性試験結果にみられる如く、耐光堅牢性を顕著に向上させており、熱変色層の変色機能を永続させることができ、印刷物乃至塗装物の形態として、或いは樹脂成形体の形態として、示温、装飾、広告、玩具、文具、教材要素等、多様な分野に適用される。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の耐光性熱変色性樹脂組成物の縦断面拡大説明図である。
【符合の説明】
1 耐光性熱変色性樹脂組成物
2 熱変色性顔料
3 酸素ガスバリヤー性樹脂
Claims (6)
- 平均粒子径0.5〜30μmの熱変色性顔料が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール成分を50%以上含有する共重合体、単糖類、及び多糖類から選ばれる酸素ガスバリヤー性樹脂中に分散状態に固着されて熱変色性樹脂層を形成しており、前記熱変色性樹脂層における酸素ガスバリヤー性樹脂が前記熱変色性顔料の外面を覆う連続層であることを特徴とする耐光性熱変色性樹脂組成物。
- 熱変色性樹脂層は、支持体表面に形成した印刷乃至塗布層である請求項1記載の耐光性熱変色性樹脂組成物。
- 熱変色性樹脂層は、熱変色性顔料が一体にブレンドされて成形された樹脂成形体自体である請求項1記載の耐光性熱変色性樹脂組成物。
- 熱変色性顔料は、(イ)電子供与性呈色性有機化合物、(ロ)電子受容性化合物、及び(ハ)前記両者の呈色反応を可逆的に生起させる有機化合物媒体の三成分を少なくとも含む熱変色性組成物を内包させたマイクロカプセル形態の熱変色性顔料である請求項1記載の耐光性熱変色性樹脂組成物。
- 酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜5.0/1.0(重量比率)である請求項2記載の耐光性熱変色性樹脂組成物。
- 酸素ガスバリヤー性樹脂/熱変色性顔料=0.3〜100/1.0(重量比率)である請求項3記載の耐光性熱変色性樹脂組成物。
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