JP3753918B2 - ファイル用押圧装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファイル用押圧装置に関し、特に書類等を綴じる厚型のファイルに好適のファイル用押圧装置に関する。
【従来の技術】
従来、書類等を綴じるファイルには、書類の端部に明けた1対の穴を介して綴じる型式のファイルと、書類の端部に穴を明けずに書類の端部を押圧挟持することで綴じるファイルとがある。前者のファイルでは、書類に少なくとも1対の穴をパンチするのが煩雑である。
【0002】
そこで、前記の後者の型式のファイルも実用化されている。このファイルに設けられたファイル用押圧装置は、書類の下面に当接する金属製のベース板と、書類の上面を押圧する押圧板と、押圧板をベース板に接近・離隔可能に連結する1対のクランク状針金と、ベース板側に枢支したバネ支持ピンに支持されたねじりバネと、このねじりバネの一端部に固着されたレバーとを有し、ねじりバネの他端側のL形部分が上方へ延びて押圧板の上面の中央部に回動自在に連結されている。
【0003】
前記押圧板は1対のクランク状針金を介して平行リンク的にベース板に連結され、レバーを回動操作することで、押圧板を平行移動させてベース板に接近させたり、離隔させたりすることができる。書類を綴じる際には、レバーを係止穴から外して上方へ傾動させると、1対のクランク状針金と、ねじりバネのL形部分によって、押圧板が上方へ平行移動する。書類を綴じる際に、レバーを下方へ傾動させると、1対のクランク状針金と、ねじりバネのL形部分によって、押圧板が下方へ平行移動して書類の上面を押圧し、レバーをベース板側の係止穴に係止させることで、書類を押圧した状態に綴じることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のファイル用押圧装置は、1つのねじりバネの弾性力で書類を押圧して綴じるようになっているため、厚さが4cm以上もの厚型のファイルに適用するのに適していない。即ち、厚型のファイルに前記のファイル用押圧装置を適用した場合に、ねじりバネを大型化してバネ力を強化する必要があるため、そのねじりバネを枢支する枢支機構も大型するうえ、製作費も高価になる。しかも、押圧板をベース板から離隔させて厚い書類を綴じる際には、レバーを操作し大型のねじりバネを弾性変形させながら大きな角度レバーを回動操作しなければならないので、大きな腕力が必要となり、女性や子供など腕力の弱い人に使いにくいものになる。
【0005】
ねじりバネを大型化したとしても、その弾性力で書類を押圧する構成であり、強固に押圧状態にロックできる訳ではないから、書類の脱落も発生し易い。また、ねじりバネのバネ特性で押圧力が決まるから、レバーを操作する操作力を強めても、強く押圧できる訳ではない。書類を着脱する状態では、レバーが上方へ斜めに突出するため、ファイルを開いた状態で書類を取り扱うような場合にレバーが邪魔になる。押圧板が1対のクランク状針金を介して上下に揺動しながら平行移動する構成であるから、書類の長さ方向中央部分を常に押圧できる訳ではなく、書類の厚さが増す程、押圧板の位置が書類の長さ方向中央部分からズレていくため、押圧の安定性や外観の面でも不利である。
【0006】
本発明の目的は、書類に穴を明けることなく綴じるのに好適のファイル用押圧装置において、厚型の書類をファイルするのに適した装置にすること、強固に押圧できるようにすること、小型化でき安価に製作可能にすること、などである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1のファイル用押圧装置は、書類等のファイル対象物の端部を上下両側から押圧してファイルする為のファイル用押圧装置において、ファイル対象物の端部の下面に当接させる為のベース板と、ファイル対象物の端部の上面を押圧する為の押圧板と、前記押圧板をベース板に連結する1対のリンクであって、各々の上端部が押圧板に押圧板の幅方向と平行な軸線回りに回動可能に連結された1対のリンクと、前記ベース板の上面近傍部において1対のリンクの下端部をこれら下端部が離隔したり接近したりする方向へスライド自在に支持するガイド機構と、前記1対のリンクの下端部が相接近方向へ移動しないようにロック可能で且つそれら下端部が相離隔方向へ移動するのを許容する一方向ロック機構と、前記一方向ロック機構をロック可能状態とスック不能状態とに亙って切換え可能な切換え機構とを備え、前記ベース板は金属製の薄板で構成され、前記ガイド機構はベース板に固定された立上げ板部にベース板と平行に形成した1対のガイドスリットを有し、前記一方向ロック機構は、ガイドスリットと平行に延びるバー部材と、一方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第1係止歯と、他方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第2係止歯と、一方のリンクの下端部に設けられ第1係止歯で係止される第1板バネと、他方のリンクの下端部に設けられ第2係止歯で係止される第2板バネとを備えたものである。
【0008】
ここで、ベース板は金属製の板部材で構成してもよいし、ファイルの裏表紙の一部を兼用した構成でもよい。このファイル用押圧装置は、表紙と裏表紙を有するファイルに組み込んだ状態で使用することもできるし、また、表紙と裏表紙を設けることなく、ファイル対象物の端部を押圧挟持する単独の押圧装置としても使用することができる。1対のリンクの下端部はガイド機構で案内されており、一方向ロック機構がロック可能状態にあるとき、1対のリンクの下端部が相離隔方向へ移動自在であるけれども、それら下端部が相接近方向へ移動しないようにロックされる。一方向ロック機構がロック不能状態に切換えられた状態では、1対のリンクの下端部は相離隔方向へも相接近方向へも移動自在である。
【0009】
1対のリンクの下端部が相離隔方向へ移動すると、押圧板がベース板に接近する方向へ移動する。1対のリンクの下端部が相接近方向へ移動すると、押圧板がベース板から離隔する方向へ移動する。ファイル対象物をファイルする際には、切換え機構により一方向ロック機構をロック不能状態に切換えた状態で、押圧板を手で上方へ引き上げていくと、1対のリングの下端部が相接近方向へ移動して押圧板が上方へ移動する。
【0010】
その状態で、ファイル対象物を綴じ込み、切換え機構により一方向ロック機構をロック可能状態に切換えてから、押圧板を手で下方へ押圧しファイル対象物を押圧すると、1対のリンクの下端部が相離隔方向へ移動し、押圧板がファイル対象物の端部の上面に当接してファイル対象物を押圧する。その状態で、押圧板から手を離しても、一方向ロック機構の作用により、1対のリンクの下端部が相接近方向へ移動しないため、押圧板による押圧状態が保持され、ファイル対象物の端部を押圧板とベース板の間に強固に押圧挟持しておくことができる。なお、ファイル対象物を押圧した状態で、1対のリンクの下部を手動で相離隔側へ僅かに開くことで、押圧力を強めることもできる。
【0011】
【0012】
そして、前記ベース板は金属製の薄板で構成され、前記ガイド機構はベース板に固定された立上げ板部にベース板と平行に形成した1対のガイドスリットを有するので、ガイドスリットをベース板の近傍位置に形成して、ガイド機構をベース板の近傍位置に形成することができるから、薄いファイル対象物を押圧することも可能になる。ガイド機構の構造も簡単になる。
【0013】
しかも、前記一方向ロック機構は、ガイドスリットと平行に延びるバー部材と、一方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第1係止歯と、他方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第2係止歯と、一方のリンクの下端部に設けられ第1係止歯で係止される第1板バネと、他方のリンクの下端部に設けられ第2係止歯で係止される第2板バネとを備えているため、次の作用も奏する。
【0014】
一方向ロック機構がロック可能状態で、1対のリンクの下端部が相離隔方向へ移動するとき、一方のリンクの下端部に設けられた第1板バネは第1係止歯を乗り越えながら移動し、他方のリンクの下端部に設けられた第2板バネは第2係止歯を乗り越えながら移動する。第1,第2板バネを弾性変形させながら、バー部材を例えば90度回動させると、一方向ロック機構がロック不能状態に切換わるので、簡単な構成の切換え機構を実現することができる。
請求項2のファイル用押圧装置は、請求項1の発明において、前記リンクの上端部は、押圧板にその幅方向と平行な軸線回りに回動自在に装着されたロッドの端部に固着されたことを特徴とするものである。それ故、1対のリンクが傾動しても、押圧板をファイル対象物と平行な水平姿勢に保持することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は本発明のファイル用押圧装置をファイルに適用した場合の一例である。図1に示すように、ファイル1は、書類等のファイル対象物2をファイルする為のものであり、このファイル1は、表紙3aと背表紙3bと裏表紙3cとを備えたファイル本体3と、ファイル用押圧装置4とを有する。
【0016】
図1〜図4に示すように、このファイル用押圧装置4は、ベース板10、押圧板20、1対のリンク31,32、ガイド機構40、一方向ロック機構50、切換え機構60などを有する。このファイル用押圧装置4は、ファイル本体3の裏表紙3cに取り付けられている。ファイル本体3は、厚紙製又は合成樹脂製のものである。
【0017】
ベース板10は、ファイル対象物2の左端部の下面に当接させる為の細長い金属製の薄板であり、このベース板10は、ファイル本体3の裏表紙3cの左端部に固定されている。このベース板10の左端部にはベース板10から直角に立ち上げられた立ち上げ板部11が一体形成され、立ち上げ板部11の上端には、左方へ直角に折り曲げた水平フランジ部12が形成されている。
【0018】
図1〜図4に示すように、押圧板20は、ファイル対象物2の左端部の上面を押圧する為の金属製の薄板である。この押圧板20は、ベース板10よりも短い細長の矩形に形成されている。押圧板20の両方の端部付近部には、金属製の板片21が夫々固着され、各板片21には押圧板20の幅方向(左右方向)向きの軸線と平行なロッド挿通部22が形成され、各ロッド挿通部22にはロッド23が左右方向向きの軸線回りに回動自在に装着され、各ロッド23の左端部が押圧板20から突出し、各ロッド23は例えば止め輪24によりロッド挿通部22から左方へ離脱しないようになっている。押圧板20の下面には、厚さ2〜3mm位の弾力性のある硬めの発泡体などからなる弾性板25が取り付けられている。
【0019】
図1〜図4に示すように、押圧板20をベース板10に連結する金属製の1対のリンク31,32が設けられている。この1対のリンク31,32の上端部が押圧板20に装着された1対のロッド23の左端部に夫々固着されている。 このファイル1においては、ファイル1の最大厚さはリンク31,32の長さに依存しており、本実施形態の場合、リンク31,32の長さは約6cm、リンク31,32の厚さは約2〜3mm、リンク31,32の幅は約4〜6mmである。但し、この構造のファイル1において、ファイル1の最大厚さを約2〜8cm、又は8cm以上に設定することも可能で、その場合はリンク31,32の長さもファイル1の最大厚さに応じて設定される。リンク31,32の厚さや幅はリンク31,32の長さに応じて適宜設定することができる。
【0020】
図1、図4に示すように、ガイド機構40はベース板10の上面近傍部に設けられる。このガイド機構40は、1対のリンク31,32の下端部をこれら下端部が離隔したり接近したりする方向へスライド自在に案内支持する。ガイド機構40は、ベース板10の左端部から立上げた立上げ板部11にベース板10と平行に形成した1対のガイドスリット41と、1対のリンク31,32の下端部に夫々固着された1対のピン部材42であって、ガイドスリット41にスライド自在に挿通された1対のピン部材42とを有する。
【0021】
尚、ピン部材42の直径はガイドスリット41の上下幅とほぼ等しく、ピン部材42はガイドスリット41内で上下にガタつかないようになっている。リンク31,32の下端部は立上げ板部11の右側面に接触しており、立上げ板部11と平行に鉛直姿勢を保持するようになっている。
【0022】
図1〜図5に示すように、一方向ロック機構50は、1対のリンク31,32の下端部が相接近方向へ移動しないようにロック可能で且つそれら下端部が相離隔方向へ移動するのを許容する。一方向ロック機構50は、立上げ板部11の左側近傍位置で1対のガイドスリット41と平行に延びるバー部材53と、このバー部材53のうちの一方のガイドスリット41に対応する部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第1係止歯51と、バー部材53のうちの他方のガイドスリット41に対応する部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第2係止歯52と、一方のリンク31の下端部に設けられ第1係止歯51で係止される例えば3枚の第1板バネ54と、他方のリンク32の下端部に設けられ第2係止歯52で係止される例えば3枚の第2板バネ55とを備えている。
【0023】
図4、図5に示すように、複数の第1係止歯51は、バー部材53の長さ方向に例えば2mmピッチで形成され、平面視にて鋸の歯のような形状になっている。複数の第2係止歯52は、複数の第1係止歯51と同様の構造であるが、複数の第1係止歯51と対称に(反対向きに)形成されている。3枚の第1板バネ54と3枚の第2板バネ55は対称(反対向き)の構造であり、3枚の第1板バネ54が一方のリンク31の下端部のピン部材42に連結され、3枚の第2板バネ55が他方のリンク32の下端部のピン部材42に連結されている。
【0024】
そこで、3枚の第1板バネ54の構造について説明する。図5に示すように、第1板バネ54は取付け板部54aと斜板部54bとを一体形成したものである。3枚の第1板バネ54の3枚の取付け板部54aは、立上げ板部11の左側面に近接した状態に配設され、これらの取付け板部54aのピン穴にピン部材42が挿通され、ピン部材42の左端部にナット部材43が固着され、3枚の取付け板部54aは立上げ板部11とナット部材43の間にほぼ密着状に保持されている。3枚の取付け板部54aは立上げ板部11から水平に延びたフランジ部12の下面に当接してピン部材42の回りに回動しないようになっている。
【0025】
3枚の第1板バネ54の斜板部54bは、バー部材53の長さ方向に例えば(4/3)mmおきに、第1係止歯51に係合可能に配設され、何れか1つの斜板部54bが第1係止歯51に係合している。従って、ピン部材42がバー部材53の長さ方向に(2/3)mm移動する毎に、何れかの斜板部54bが第1係止歯51に係合する。前記バー部材53は、立上げ板部11の両端部から左方へ延ばした1対の張出し片56に回動自在に枢着されている。
【0026】
切換え機構60は、一方向ロック機構50をロック状態とロック不能状態とに亙って切換える為のものである。ロック状態は、一方向ロック機構50がロック機能を発揮する状態であり、ロック不能状態とは一方向ロック機構50がロック機能を発揮しない状態である。切換え機構60は、バー部材53の手前側端部に固定された操作レバー61を有する。図1〜図6は一方向ロック機構50をロック状態にした状態を示す。図7は一方向ロック機構50をロック不能状態にした状態を示す。
【0027】
図1〜図6に示すように、操作レバー61を横向き姿勢にした状態では、第1,第2係止歯51,52が第1、第2板バネ54,55に対面し、何れかの第1板バネ54が第1係止歯51に係合し、何れかの第2板バネ55が第2係止歯52に係合している。図7に示すように、操作レバー61を立向き姿勢にした状態では、第1,第2係止歯51,52が下側を向き、第1、第2板バネ54,55に対面しないため、一方向ロック機構50がロック機能を発揮しない。
【0028】
次に、以上説明したファイル用押圧装置4の作用について説明する。 ファイル対象物2をファイルする場合、切換え機構60の操作レバー61を手で立向き姿勢に回して、一方向ロック機構50をロック不能状態に切換える。その状態で、押圧板20を手で上方へ引き上げると、1対のリンク31,32の下端部はガイド機構40で案内されつつ相接近方向へ移動する。次に、ファイルしようとするファイル対象物2の左端部を押圧板20とベース板10の間、または、押圧板20と既にファイル済みのファイル対象物2の間に差込む。
【0029】
次に、切換え機構60の操作レバー61を横向き姿勢に回して一方向ロック機構50をロック可能状態に切換えてから、押圧板20を手で下方へ強く押圧すると、1対のリンク31,32の下端部がガイド機構40で案内されつつ相離隔方向へ移動していき、一方向ロック機構50により相接近方向へ移動しないようにロックされる。従って、押圧板20を手で押圧した状態を維持したままファイル対象物2をファイルすることができる。特に、第1,第2係止歯51,52が2mmおきの間隔で形成され、リンク31,32の下端部が(2/3)mm移動する毎に第1,第2板バネ54,55がロックされるので、また弾性板25があるので、少量ずつのファイル対象物を綴じる場合でも押圧可能であり、ファイル対象物の厚さの大小によらず、強力に押圧することができる。ファイル対象物2が薄い状態では、1対のリンク31,32が、ベース板10とほぼ平行な状態となり、ファイル対象物2を押圧しにくくなるため、押圧板20の下面の厚さ2〜3mmの弾性板25の弾力性を活用して確実に押圧することができる。
【0030】
ファイル対象物2がある程度厚くなった状態では、ファイル対象物2が僅かに圧縮可能になるので、押圧板20を押圧してファイル対象物2を押圧後、1対のリンク31,32の下端部を相離隔方向へ2/3〜4/3mm程度強制的に移動させることにより押圧力を強化することもできる。押圧板20の両端側でファイル対象物2の厚さが異なる場合にも、リンク31,32の傾きを異ならせることができるから、ファイル対象物2を確実に押圧することができる。尚、片方のリンク31(32)の下端部を前記と同方向へ強制的に移動させることもできる。ファイル対象物2が最大厚さ近くなると、押圧板20の下降量に対するリンク31,32の下端部の水平移動量の比率が小さくなるため押圧しにくくなるが、この場合でも、厚いファイル対象物2の圧縮性が大きくなるため、また弾性板25があるため、良好にファイルすることができる。
【0031】
カバンなどに入れて持ち運ぶようなファイル1の場合、図8〜図10示すように、ファイル対象物2の厚さに応じてファイル本体3の背表紙3bの幅が変化するように構成してもよい。この場合、表紙3aに複数の折れ線部3d,3eを形成しておき、ファイル対象物2の厚さに応じた折れ線部3d,3eの個所で折ることで背表紙3bの幅を拡大していく。
【0032】
このように、操作レバー61の切換え、押圧板20の引上げ、ファイル対象物2の差込み、操作レバー61の切換えと押圧板20の押圧を介してファイル対象物2を簡単に迅速に強固にファイルすることができる。また、スプリングなどの弾性部材の弾性力でファイルするのではなく、押圧板20を手で押圧した力を維持したままファイルすることができるから、ファイル対象物2を厚くファイルするのに好適である。リンク31,32の上端部は押圧板20に回動自在に装着されたロッド23の端部に固着されているため、1対のリンク31,32が傾動しても、押圧板20をファイル対象物2と平行な水平姿勢に保持できる。
【0033】
ガイド機構40は金属製のベース板10から立上げた立上げ板部11にベース板10と平行に形成した1対のガイドスリット41を有するため、ガイドスリット41をベース板10の近傍位置に形成して、ガイド機構40をベース板10の近傍位置に形成することができるから、薄いファイル対象物2を押圧することも可能になる。ベース板10から立ち上げた立上げ板部11に形成した1対のガイドスリット41を利用して1対のリンク31,32の下端部を案内できるため、ガイド機構40の構造も簡単になる。
【0034】
一方向ロック機構50は、バー部材53と、このバー部材53に形成した複数の第1係止歯51及び複数の第2係止歯52と、第1板バネ54及び第2板バネ55などで構成したので、構成が簡単になるだけでなく、切換え機構60の構成が簡単になる。また、押圧板20の下面の弾性板25は、ファイル対象物2に対する滑り止めとしても機能する。1対のリンク31,32は、ファイル対象物2の左端を受け止める部材としても機能する。
【0035】
次に、前記実施形態を部分的に変更する変更形態について説明する。
1)各リンク31,32とロッド23とを一体部材で構成してもよく、又は各リンク31,32とロッド23とピン部材42とを一体部材で構成してもよい。
2)板片21を省略し、押圧板20に直接ロッド挿通部を形成してもよい。
3)ファイル本体3に、リンク31,32の長さにほぼ等しい幅の背表紙3bと、裏表紙3cと、この裏表紙3cと同じ大きさの表紙3aとを設けてもよい。この場合、ファイル本体3を厚手の厚紙を用いて構成してもよい。
【0036】
4)押圧板20に弾性板25を設ける代わりに、ベース板10の上面に弾性板を設けてもよいし、また、弾性板25の代わりに板バネを押圧板20の下面又はベース板10の上面に設けてもよい。
5)前記実施形態では、丸棒材からなるバー部材53を採用したが、板材を素材とするバー部材を採用してもよい。
【0037】
【0038】
6)ガイド機構として、合成樹脂製の溝付きのガイド部材を設け、このガイド部材の溝で案内支持される合成樹脂製の1対の移動体を設け、この1対の移動体にリンク31,32の下端部を連結してもよい。その1対の移動体に第1,第2板バネの代わりの弾性変形可能な1又は複数の爪部を形成してもよい。
【0039】
7)ガイド機構として、前記ベース板20と一体の立ち上がり板部とフランジ部とで案内支持される合成樹脂製の1対の移動体を設け、この1対の移動体に1対のリンク31,32の下端部夫々連結してもよい。
8)一方向ロック機構のバー部材53は、合成樹脂で構成してもよく、その場合、第1,第2係止歯51,52は2mmより細かいな間隔で形成できるし、また、バー部材53の全長に第1,第2係止歯51,52を形成してもよい。第1,第2板バネ54の代わりに、合成樹脂製の部材に一体形成した弾性変形可能な1又は複数の爪部であって第1,第2係止歯51,52と同様の構造の1又は複数の爪部を適用してもよい。
【0040】
9)本実施形態のファイル用押圧装置は、ファイル本体を省略した形のファイル用押圧装置としても使用することができる。例えば、書類、ハガキ、カード、名刺、封筒、シート、フィルム、写真、本、新聞等々をを押圧してクランプする押圧装置に構成することができる。この場合、ファイル対象物のサイズやファイルしたときの厚さに応じて、押圧装置のサイズを適宜設定するものとする。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更や変形を付加した形態で実施できることは言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、押圧板とベース板とを連結する1対のリンクを介して押圧板を上下に移動させるように構成し、1対のリンクの下端部をスライド自在に案内するガイド機構と、一方向ロック機構と、切換え機構を設けたので、一方向ロック機構をロック不能状態に切換えた状態で、押圧板を手で簡単に引上げてファイル対象物を簡単に迅速に綴じ込むことができる。また、一方向ロック機構をロック状態に切換えた状態で、押圧板を手で押圧するという簡単な操作でファイル対象物を簡単に押圧挟持することができる。
【0042】
このとき、押圧板を押圧する力を強くする程ファイル対象物を強く押圧して挟持することができる。弾性部材の弾性力で書類を押圧するのではなく、手動で押圧したときの押圧力を維持したまま一方向ロック機構で機械的にロックしておくことができるから、厚型のファイルに好適のファイル用押圧装置になる。その他、このファイル用押圧装置は、表紙と背表紙と裏表紙とを含むファイル本体に取り付けた形で使用することもできるし、ファイル本体に取り付けることなく種々のファイル対象物を単独で押圧してファイルする押圧装置としても適用可能である。
【0043】
【0044】
そして、ベース板は金属製の薄板で構成され、ガイド機構はそのベース板に固定された立上げ板部にベース板と平行に形成した1対のガイドスリットを有するため、ガイドスリットをベース板の近傍位置に形成して、ガイド機構をベース板の近傍位置に形成することができるから、薄いファイル対象物を押圧することも可能になる。ベース板から立ち上げた立上げ板部に形成した1対のガイドスリットを利用して1対のリンクの下端部を案内できるため、ガイド機構の構造も簡単になる。
【0045】
しかも、一方向ロック機構がロック可能状態にあり、1対のリンクの下端部が相離隔方向へ移動するとき、一方のリンクの下端部に設けられた第1板バネは第1係止歯を乗り越えながら移動し、他方のリンクの下端部に設けられた第2板バネは第2係止歯を乗り越えながら移動する。そのため、ファイル対象物を押圧する際にカチカチという音がするから、押圧操作の実感が湧き易い。第1,第2板バネの弾性変形を介して、複数の第1係止歯と複数の第2係止歯が形成されたバー部材を例えば90度回動させると、一方向ロック機構がロック不能状態に切換わるので、簡単な構成の切換え機構を実現することができる。 請求項2の発明によれば、リンクの上端部は、押圧板にその幅方向と平行な軸線回りに回動自在に装着されたロッドの端部に固着されているため、1対のリンクが傾動しても、押圧板をファイル対象物と平行な水平姿勢に保持することができる。その他、請求項1と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るファイル用押圧装置を組み込んだファイルの斜視図である。
【図2】ファイル用押圧装置の要部平面図である。
【図3】ファイル用押圧装置の断面図である。
【図4】ファイルの右側面図である。
【図5】一方向ロック機構の要部拡大平面図である。
【図6】一方向ロック機構(ロック可能状態)の拡大断面図である。
【図7】一方向ロック機構(ロック不能状態)の拡大断面図である。
【図8】ファイル対象物の厚さが小さい段階におけるファイルの断面図である。
【図9】ファイル対象物の厚さが中位の段階におけるファイルの断面図である。
【図10】ファイル対象物が厚い段階におけるファイルの断面図である。
【符号の説明】
2 ファイル対象物
4 ファイル用押圧装置
10 ベース板
11 立ち上げ板部
20 押圧板
23 ロッド
31,32 リンク
40 ガイド機構
41 スリット
42 ピン部材
50 一方向ロック機構
51,52 第1,第2係止歯
53 バー部材
54,55 第1,第2板バネ
60 切換え機構
Claims (2)
- 書類等のファイル対象物の端部を上下両側から押圧してファイルする為のファイル用押圧装置において、
ファイル対象物の端部の下面に当接させる為のベース板と、
ファイル対象物の端部の上面を押圧する為の押圧板と
前記押圧板をベース板に連結する1対のリンクであって、各々の上端部が押圧板に押圧板の幅方向と平行な軸線回りに回動可能に連結された1対のリンクと、
前記ベース板の上面近傍部において1対のリンクの下端部をこれら下端部が離隔したり接近したりする方向へスライド自在に支持するガイド機構と、
前記1対のリンクの下端部が相接近方向へ移動しないようにロック可能で且つそれら下端部が相離隔方向へ移動するのを許容する一方向ロック機構と、
前記一方向ロック機構をロック可能状態とロック不能状態とに亙って切換え可能な切換え機構とを備え、
前記ベース板は金属製の薄板で構成され、前記ガイド機構はベース板に固定された立上げた立上げ板部にベース板と平行に形成した1対のガイドスリットを有し、
前記一方向ロック機構は、ガイドスリットと平行に延びるバー部材と、一方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第1係止歯と、他方のガイドスリットに対応するバー部材部分の一側部に小間隔おきに形成された複数の第2係止歯と、一方のリンクの下端部に設けられ第1係止歯で係止される第1板バネと、他方のリンクの下端部に設けられ第2係止歯で係止される第2板バネとを備えた、
ことを特徴とするファイル用押圧装置。 - 前記リンクの上端部は、押圧板にその幅方向と平行な軸線回りに回動自在に装着されたロッドの端部に固着されたことを特徴とする請求項1に記載のファイル用押圧装置。
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