JP3753447B2 - 9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの合成方法 - Google Patents

9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの合成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は下記構造式(I)
【0002】
【化1】
Figure 0003753447
を有するプリン誘導体である、9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニン(acyclovir)を合成するための新規な方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
窒素原子のところに開放酸素化鎖を有し、そして開放糖置換基を有するヌクレオシド類縁化合物と考えることのできるプリン及びピリミジン誘導体のうちで、9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンは単純ヘルペスウイルス、帯状疱疹ウイルス及びエプスタイン−バールウイルスのようなウイルス性作用因子による種々の疾病の処置に特に有効であることが見出されている。より最近になって、レトロウイルスにより引き起こされる種々の疾病の処置のために他の種々の薬剤との組合わせにおいてその有用性が確認された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンは1974年に英国特許第1523865号によって特許請求された。上記特許の実施例6に記述されているこのものの製造方法は、グアニンを非常に大過剰のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いて(グアニン1モル当りHMDS59モル)1夜還流させることによって2,6,9−トリメチルシリルグアニン誘導体を得るようにして行なわれる。この反応は硫酸アンモニウムの触媒量より多い量(0.86モル)の存在によって促進される。
【0005】
このHMDSの過剰量はグアニンの殆ど完全な不溶性により必要となるものであり、グアニンはHMDSと反応するにつれてほんのゆっくりと、かつ徐々に溶解する。この過剰量のHMDSは次に真空蒸留によって除去しなければならず、これがその回収を阻害する程の強い分解に導く。
【0006】
その粗製シリル誘導体はベンゼンに溶解させ、ついで硫酸ナトリウムの除去を濾過によって行ない、次にベンゼン中のトリエチルアミン及び1モルの2−ベンゾイルオキシエトキシメチルクロリド(II)
Cl−CH2 −O−CH2 CH2 −O−CO−φ (II)
を加え、そしてこの混合物を1夜還流させる。溶媒の蒸発に続いて2,6−ビス(トリメチルシリル)−9−ベンゾイルオキシエトキシメチル−グアニンが得られ、そしてそのシリル化された保護基をエタノール中で短時間還流させることによってそれから除去する。エタノールを蒸発させることによって得られた9−ベンゾイルオキシエトキシメチルグアニン(III)
【0007】
【化2】
Figure 0003753447
は水で完全に洗浄し、乾燥させ、そしてまず最初メタノールから、次いで水から2度にわたり結晶化させる必要がある。
【0008】
得られた誘導体を圧力反応器の中でメタノール性アンモニアを用いて80℃において最終的に処理し、それにより9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニン(I)がメタノールから再結晶させることにより得られる。
【0009】
その全過程は非常に長たらしくて時間がかかり、その複雑な方法は圧力のもとでのいくつかの反応器の使用及び種々の溶媒の使用を必要とし、高価な試薬(HMDS)を消費し、中間生成物(III)をメタノールから及び水から2度にわたって結晶化させ、そして特に、その酸素化された鎖が7位置の窒素原子に結合している異性体が形成されるためにその最終生成物(V)をメタノールから結晶化させなければならない。
【0010】
その上にその収率はまったく不満足であって、同じ実施例6にあげられている態様によれば、中間体(II)の過剰量(1.6モル)の使用が(III)の収率を32%まで、そして総合収率を24.9%まで上昇させるとしているけれども、中間体(III)の収率は理論値の14%であって最終生成物(I)の収率は75%なので総合収率は10.33%である。
【0011】
いずれにしてもその収率はまったく不十分であって、上述の特許譲受人が別の合成方法の実現を企てた程に、改善するのは不可能であると考えられていた。実際に、後の、イタリーの第1,102,820号に発展した米国特許第4146715号は、N2 ,9−ジアシル化されたグアニン誘導体の9位置に2−アシロキシエトキシメチル鎖を導入することのできる試薬での処理に基づく9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニン(I)の、新規でより満足な合成方法を特許請求している。加水分解の追加的過程によって、いずれにしてもそれぞれ煩雑な操作により作られる上述したN2 ,9−ジアシル化された各グアニン誘導体より出発して、工業的に受容できる収率(その2つの引き合いに出された特定製造例においてそれぞれ56%及び75%)でその最終誘導体(I)がもたらされる。
【0012】
スペイン国特許第528049号は多かれ少なかれ前記英国特許第1523865号と同様な操作を報告しており、と言うのは、例えばグアニンのシリル化が大量の純粋なHMDSを用いて行なわれ、引き続いて、制御されない条件のもとでアルキル化し、保護基であるシリル基を除去するためにエタノール中で還流させ、そしてアルコールの中で最終的にアミノリシスさせるからであり、その全操作は収率が不明であって、従来技術に対する改善も記述されていない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの製造を調べてみたときに驚くべきことに、例えばキシレン(又はその3つの異性体の混合物)又は他の、置換されたベンゼン(クロロベンゼン、ジクロロベンゼン)のような非プロトン溶媒の存在のもとで実施した場合には、高価なシリル化された試薬の大過剰を用いる必要なしに、グアニンとHMDSとの反応の起こることが認められた。最も有利には、グアニンの1モル(151g)を(英国特許第1523865号に従い予想されるような9.52kg、すなわち12.44リットルの代わりに)僅かに2.8−3.0モルのHMDS(452−484g、すなわち590−630mlに相当)とともに同じ容積のキシレンの中で還流させる。この場合にも硫酸アンモニウムの存在は、まさにその触媒量(0.076モル)において有用である。数時間の還流の後で、その出発懸濁液はシリル化された誘導体の溶液に変わる。
【0014】
驚くべきことに、硫酸塩のような特殊なグアニン塩を使用することによって、シリル化反応の速度と反応完結度とを著しく高めることができることも見出された。従ってこの場合は硫酸アンモニウムの添加は不必要になると考えられ、しかもこのシリル化反応は12−24時間以上と言う長時間の代わりに、数時間(例えば1−3時間)の間に行なわれる。
【0015】
グアニン塩(塩酸塩又は、より好ましくは硫酸塩)の使用は更に重要でかつ有利であり、と言うのはこれらが通常はグアノシンの塩酸又は硫酸によるグアニンへの加水分解過程における中間相として得られ、言い換えれば、例えば硫酸グアニンはグアノシンより出発するグアニン塩基の製造のためのより経済的な中間体だからである。更にまた驚くべきことに、グアニンとアシロキシエトキシメチルハロゲニド、例えばアセトキシエトキシメチルクロリド、或いは好ましくは同ブロミド(IV)、すなわち
Br−CH2 −O−CH2 CH2 −OCOCH3 (IV)
との、引き続く温和な温度(例えば50ないし100℃)における短時間(例えば0.5ないし5時間)の反応、及びそれに続くその場での(1段階1反応容器による)酢酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムの水溶液による、そのシリル化された基の除去のための加水分解的処理により直接に、しかもそれ以上の操作を必要とせず、9−(2−アセトキシエトキシメチル)グアニン(V)
【0016】
【化3】
Figure 0003753447
をもたらすことも見出された。
【0017】
シリル化されたグアニンと試薬(IV)との間の反応が英国特許1523865号に記述されている試薬(II)との反応と実質的に異なった過程であると言うことは実際上化学量論的な量の(IV)の使用(1.04モル)が非常に満足な(V)の収率(70−76%)をもたらすと言う事実のみならず上記英国特許の内容と異なって、理論量よりも過剰の(IV)の使用によって収率が低下し、そしてより不純な生成物がもたらされると言うことによっても証明される。
【0018】
トリス(トリメチルシリル)グアニンとアシロキシエトキシハロゲニドとの縮合反応について記述されている条件(温度、反応平均HMDS+キシレン等)では高いN9「レジオ特異性」(N9:N7置換比=99:1)が許容されるけれども、一方、文献において記述されている条件によれば2つの異性体N9/N7の90/10又はそれ以下の比率の混合物が、いずれにしてもより低い収率でもたらされる。
【0019】
上述の条件のもとでは極めて単純で経済的な過程により最終的な9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンに変えることのできるような純粋な状態で誘導体(V)が得られる。
1)本発明によれば、中間生成物(V)は濾過により分離され、そして水性NaOH溶液により、精製処理を行なうことなく室温、又は僅かにそれよりも高い温度(20−50℃)において加水分解される。中間生成物(V)の収率は73%であり、加水分解段階におけるそれは100%であり、従って総合
収率は73%である。
2)上と異なって、水及びNaOH水溶液をアルカリ性になるまでその中間生成物(V)を含む反応混合物に加えてしまった後で、この中間生成物を含む水性相を分離して0.5−4時間にわたり室温(又はそれよりも僅かに高い温度)において9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンへの完全な加
水分解に達するまで維持する。
3)この方法のもう1つの変形態様においては中間生成物(V)のアルカリ性水溶液をアニオン性樹脂の上に吸着させ、次いでNaOH水溶液で溶離させて
最終的な加水分解生成物を得る。
【0020】
【作用】
上記2)及び3)の方法によれば、9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの合成の全過程はただ1段階で、かつただ1つの反応器の中だけで明らかに経済的及び技術的な進歩性とともに行なわれることが強調されるべきであり、それによっていずれの場合にも主要な薬局法の要求純度に合致した生成物が得られる。その得られた生成物が、7位置に結合した側鎖を有する異性体を、もし存在するとしてもほんの痕跡程度しか含まず、O−アセチル化前駆体もその反応混合物に試薬(IV)を加えた直後に形成されるけれどもその過程の間においてこのものは9位置のところに置換された誘導体に転換すると言うことは全く興味あることである。
【0021】
もし望む場合にはその最終生成物(I)の既に高くなっている純度を更に改善することも水中から簡単に結晶化することにより達成することができる。
【0022】
英国特許第1523865号に比して新規な種々の要素に加えて、本発明に従う方法は一連の実際的及び経済的な利益をもたらすものであり、例えば非常に僅かな量のHMDSしか使用せず、従って経費が極めて低く、かつ大量にこの試薬を処分する場合の技術的及び経済的困難性がより少ないこと、容易にかつ経済的に回収される有機溶媒を使用すること、硫酸アンモニウムの濾過を行なう必要がないこと〔この方法において用いられる量の触媒は(V)への加水分解に用いられる酢酸アンモニウム溶液の中に溶解し、そして母液の水とともに除かれる〕、中間生成物(V)を生ずるアルキル化反応におけるトリエチルアミンが排除されること、殆ど異性体を含まず、従って精製を必要としない非常に高純度の(V)が得られること、圧力のもとでの(III)のアミノリシスに代わる水性水酸化ナトリウム溶液の中での簡単な(V)の加水分解ですむこと、全過程をただ1段階で、かつただ1つの反応器の中で実施できること、結晶化の溶媒としてのメタノールが排除されること、等である。
【0023】
本発明の方法においてグアニン塩基の代わりにいくつかのグアニン塩(好ましくは硫酸塩)を使用できることにより、試薬による経費が低いこと(硫酸グアニンはグアノシンからグアニンへの加水分解過程の中間生成物である)及び非常に低い量のHMDSを用い、かつその反応の立体異性選択性を損なうことなく(7位置における反応が存在しない)シリル化反応の反応速度を上昇させると言う更に予期しなかった利点がもたらされる。
【0024】
【実施例】
以下にあげる諸例は本発明を説明するだけのものであって、いかなる態様においても本発明に制限を加えるものではない。
例1
グアニン20kg、ヘキサメチルジシラザン61.6kg、キシレン80リットル及び硫酸アンモニウム1.33kgを1夜還流させる。得られた透明溶液を室温まで冷却し、27kgのアセトキシエトキシメチルブロミドを加え、そして90℃において45分間保ち、次いで室温まで冷却して20%濃度の酢酸ナトリウム水溶液1500リットルを加える。
【0025】
短時間攪拌して9−(2−アセトキシエトキシメチル)グアニンの沈殿を形成させ、これをそれら2つの相互不溶性液体の相から濾過する。乾燥した無水の生成物の収量は25.9kg(理論値の73%)である。しかしながら乾燥する必要なく、そのなお湿潤した生成物を400リットルの水と30%濃度の水酸化ナトリウム溶液25リットルとの混合物に加え、次いで室温において完全な加水分解に達するまで2時間にわたり静置する。最後に、36%濃度の塩酸10リットルを添加することによって9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの沈殿の形成がもたらされ、これを濾過し、そしてなお湿潤状態において400リットルの水から結晶化させる。乾燥の後で湿分5%を有する22.9kgの生成物が得られ、これは無水物21.8kgに相当する。
【0026】
融点=255−7℃。他の諸性質は標準の照合試料と一致する。
【0027】
9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの加水分解の収率は100%であり、この過程の総合収率は73%である。
例2
グアニン20kg、ヘキサメチルジシラザン61.6kg、キシレン80リットル及び硫酸アンモニウム1.33kgを1夜還流させる。得られた透明溶液を室温まで冷却し、27kgのアセトキシエトキシメチルブロミドを滴加し、そして60℃において3時間保ち、次いで室温まで冷却して1500リットルの水を加え、そして濃NaOHで処理してpH12.5までにする。2つの相〔1つの有機相と1つの9−(2−アセトキシエトキシメチル)グアニンを含む水性相〕よりなる混合物を室温においてそのアセトキシ誘導体の完全な加水分解に達するまで2時間維持する。その有機層を吸引によって除去し、そして35%濃度の塩酸を9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの沈殿に達するまで加え、これを濾過し、そしてなお湿潤している状態で400リットルの水から結晶化させる。
【0028】
5%の水分を含む(乾燥の後)生成物23.8kgが得られるが、これは無水物22.6kgに相当する。融点=255−7℃。
【0029】
この過程の総合収率は76%である。
例3
グアニン50kg、ヘキサメチルジシラザン150kg、キシレン200リットル及び硫酸アンモニウム3.5kgを完全な溶解に達するまで還流させる。その溶液を室温まで冷却し、そして70kgのアセトキシエトキシメチルクロリドを加える。この混合物を60℃において2時間反応させ、次いで5000リットルの熱水を加える。
【0030】
有機相を分離し、その水性相をアニオン性樹脂の上に吸着させ、次いで水酸化ナトリウムで溶離させて各分画から9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンを捕集する。合一した分画水溶液をナノ濾過膜を通して濃縮する。
【0031】
その濃縮液を塩酸で中和し、そして最終生成物の沈殿が得られる。
【0032】
融点=256℃。収量は52.2kgであり、これは理論値の70%に相当する。
例4
110リットルのキシレンの中に硫酸グアニン(30kg)を懸濁させ、そして85.8kgのヘキサメチルジシラザンを1度に加える。この反応混合物を加熱して2時間還流させ(内部温度=132−134℃)、透明な黄色の溶液を得る。
【0033】
これを約20分間の間に26−28℃に冷却し、アセトキシエトキシメチルブロミド(25kg)を加え、その温度を外部冷却によって29−30℃に維持する。
【0034】
アセトキシエトキシメチルブロミドを加え終わった後でその反応混合物を68−72℃の内部温度に1時間30分にわたり加熱する。再び28−30℃まで冷却して水(700リットル)の中に30%濃度NaOH(50リットル)を加えた溶液の中に強く攪拌しながら流し込む。得られたpHは10.8であり、そしてこれを30%濃度NaOHを60分間の間に加えることによって12.5に調節する。
【0035】
25℃において攪拌しながら更に1時間経過した後、各相を分離する。水性相を濃HClでpH7に中和する。その緻密な白色沈殿を還流まで加熱し、そしてこの温度において攪拌しながら20分間維持する。この混合物をなお沸騰させながら濾過し、そしてその濾液を内部温度0℃までゆっくりと結晶化させる。濾過して冷水で完全に洗浄する。
【0036】
60℃において1夜真空乾燥させることにより17.7kgの白色結晶生成物が得られ、これは9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンである。
例5
68リットルのキシレンの中のグアニン(15.1kg)、硫酸アンモニウム(800g)及びヘキサメチルジシラザン(46.5kg)の混合物を還流温度(136−138℃)まで加熱して透明溶液を得る。室温まで冷却する。
【0037】
別にアセチルブロミド(13kg)及び1,3−ジオキソラン(7.5kg)の混合物を調製し、そして15−20℃において数時間にわたり反応を続け、それによりアセトキシエトキシメチルブロミドを得る。
【0038】
上記シリル化したグアニン溶液に前もって調製したアセトキシエトキシメチルブロミド誘導体を加え、そしてこの反応混合物を70℃に2時間加熱する。
【0039】
縮合反応が終了したならば温度を冷却させる。
【0040】
反応混合物を60リットルの水の中に流し込み、そして水酸化ナトリウムを加えてpH11.5−12にする。有機相を分離する。
【0041】
水性相をアニオン性樹脂カラム(600リットル)に装入する。希薄水酸化ナトリウム溶液で溶離させ、9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンの含まれた分画を捕集する。
【0042】
生成物をナトリウム塩の形で含み、純度が高く、かつ実際上異性体を含まない水性分画を逆浸透圧法でナノ濾過膜を通して濃縮する。
【0043】
濃縮した溶液を塩酸でpH7にし、それにより最終生成物の沈殿が起こる。この生成物を濾過により捕集して水で洗浄し、乾燥させる。
【0044】
収量=15.2kg。融点=256℃。HPLC分析値=99%。

Claims (10)

  1. 9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンを合成するに当りグアニン又はその塩を、キシレン又はその異性体混合物、又は置換されたベンゼン溶媒及び触媒量の硫酸アンモニウムの存在のもとに、2モルと4モルとの間の量のヘキサメチルジシラザンと反応させ、トリメチルシリル誘導体を単離することなく化学量論的量のアシロキシエトキシメチルハロゲニドと50ないし100℃の温度において反応させ、そのトリメチルシリル保護基を酢酸ナトリウム又は水酸化ナトリウムの水溶液で加水分解することによって除去し、そして9−(2−アシロキシエトキシメチル)グアニンを精製することなくNaOH水溶液で加水分解して9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンを得ることを特徴とする方法。
  2. 全操作をただ1段階で、いかなる中間生成物の分離をも行なうことなく実施する、請求項1の方法。
  3. ヘキサメチルジシラザンのグアニンに対する比率が1モル当り2.8ないし3モルである、請求項1の方法。
  4. グアニンとヘキサメチルジシラザンとの反応において用いられる溶媒が、キシレン又はその異性体混合物である、請求項1の方法。
  5. グアニンとヘキサメチルジシラザンとの反応をキシレンの沸点温度において行なう、請求項4の方法。
  6. アシロキシエトキシメチルハロゲニドがアセトキシエトキシメチルブロミドである、請求項1ないし5のいずれかの方法。
  7. グアニントリメチルシリル誘導体とアセトキシエトキシメチルブロミドとのモル比が1:1−1.1である、請求項6の方法。
  8. 9−(2−アシロキシエトキシメチル)グアニンまたは9−(2−アセトキシエトキシメチル)グアニン中間生成物のNaOHによる加水分解を室温において行なう、請求項1ないし7のいずれかの方法。
  9. グアニン塩が硫酸グアニンである、請求項1の方法。
  10. 9−(2−アシロキシエトキシメチル)グアニンを加水分解し、そしてアニオン性樹脂の上に吸着させ、次いで9−(2−ヒドロキシエトキシメチル)グアニンをNaOHで溶離させて濃縮及び中和により回収する、請求項1の方法。
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