JP3752432B2 - 動物繊維素材の表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、羊毛、らくだ、モヘア等の動物繊維よりなる動物繊維品及び動物繊維素材の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、天然放射線稀有元素を含有する鉱物から発生する微弱な放射線やマイナスイオンが、血液の浄化作用、精神安定作用、殺菌免疫作用、肺機能強化作用、自律神経調整作用、鎮痛作用、細胞活性化作用等の身体に有用な作用を及ぼしたり、殺菌作用、制菌作用、消臭作用等を奏したりすることが分かってきた。また、これらの作用を利用した製品もすでに販売され、その有用性は知られている。
【0003】
このように身体に有用な効果を有する天然放射線稀有元素鉱物の健康材料、医療材料への利用方法としては、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面改質して合成繊維に混入する方法(特公平8−8934号公報)、温泉医療物質を合成繊維の製造工程において添加含有させる方法(特開平5−44157号公報)、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末をアクリル系合成繊維に添加、含有させる方法(特開平3−185109号公報)などが知られているが、これらはすべて合成繊維についての方法である。本発明で用いている動物繊維については、動物骨を含有する繊維(特開平2−74604号公報)、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を接着力のある樹脂に混入し布地等に接着させた材料(特開昭62−32948号公報)にわずかに記載があるものの、具体的には述べられていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、天然放射線稀有元素鉱物を利用した動物繊維とその表面処理方法は知られていない。また、動物繊維は、合成繊維と異なり、繊維そのものを溶融させて天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を含有させるということができない。また、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を単に動物繊維に接着させるだけでは、十分な量の微粉末を接着させられないため十分な作用が得られないとか、耐洗濯性が低く洗濯時に微粉末が取れてしまうため作用が持続しないとかという欠点がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、十分な量の天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を付着させて、該鉱物による十分な作用を得ることができ、また、洗濯時に該微粉末を取れにくくして、該作用を持続させることができる動物繊維品及び動物繊維素材の表面処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次の手段(1)(2)を採ったものである。
(1)多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有するとともに該鱗片状表面に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を動物繊維用の表面処理剤とともに付着させてなる動物繊維、該動物繊維を含むわた、トップ、糸、編物、織物、不織布、フェルト等の動物繊維素材、又は、該動物繊維素材を用いて製造された被服、身回品、履物、寝具類、屋内装置品等の動物繊維製品を包含する動物繊維品。「動物繊維を含む」とは、1種の動物繊維が100%又は複数種の動物繊維で100%といった場合のみならず、動物繊維にそれ以外の繊維とを混合したもの(混紡、混繊、交織、交編等)も含む意味であり、その場合に含有する動物繊維の量は特に限定されないが、好ましくは10%以上、さらに好ましくは50%以上である。
【0007】
ここで、鱗片状表面のうち鱗片の内側部にも、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を動物繊維用の表面処理剤とともに付着させることが好ましい。また、該微粉末は鱗片の内側部に貯溜すると、密度が高くなることもある。こうして、鱗片のない滑らかな繊維と比べて、鱗片状表面に(特に鱗片の内側部にも)微粉末を付着又は貯溜させることで、大量の微粉末を付着させることができ、天然放射線稀有元素鉱物による前記作用を十分に得ることができる。また、洗濯時に微粉末が取れにくいという作用もある。
【0008】
さらに、鱗片が自然状態よりも開いた状態で、該鱗片の内側部に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を貯溜させることが好ましい。
【0009】
なお、動物繊維製品についてより具体的に挙げると、被服としては和洋服、下着、靴下、手袋、マフラー、スカーフ、ショール、マスク、帽子等を例示でき、身回品としてはハンカチ、タオル等を例示でき、履物としては靴、草履、スリッパ等を例示でき、寝具類としては布団カバー、枕、枕カバー、敷布、毛布、布団わた等を例示でき、屋内装置品としてはマット、絨毯、カーペット、カーテン、壁掛け、壁クロス等を例示できる。
【0010】
(2−1)多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を、攪拌装置の外カップと該外カップの中心部に内装された穴あき状の内カップとからなる攪拌容器に入れ、内カップに挿入したスクリューを回転させることにより内カップ内で上向きの液流を作り、該液流を外カップと内カップとの間で下向きの液流に変えることにより該表面処理剤溶液を攪拌しながら、該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
(2−2)多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を攪拌装置により攪拌しながら、且つ、該攪拌装置全体を回転させながら、底の中心からずれた位置の流出口から該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下位置が円周状に変わるように滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
(2−3)多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を、攪拌装置の外カップと該外カップの中心部に内装された穴あき状の内カップとからなる攪拌容器に入れ、内カップに挿入したスクリューを回転させることにより内カップ内で上向きの液流を作り、該液流を外カップと内カップとの間で下向きの液流に変えることにより該表面処理剤溶液を攪拌しながら、且つ、該攪拌装置全体を回転させながら、底の中心からずれた位置の流出口から該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下位置が円周状に変わるように滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
【0012】
表面処理剤溶液の攪拌は、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末の表面に付いている微小空気泡が該表面から離脱する程度以上に強く行うことが好ましい。微小空気泡は、鱗片状表面への微粉末の付着を妨げるからである。
【0013】
また、表面処理剤溶液の攪拌の方法は、特に限定されないが、単に攪拌するだけでは、天然放射線稀有元素鉱物の比重が表面処理剤溶液に比較して大きいため沈澱しやすい。また、表面処理剤溶液(特に表面処理剤が後述する防縮処理剤又は親水性改質処理剤の場合)そのものの粘度も高くドロドロしているので、均一に混ざりにくく、そのため繊維に表面処理する際にも天然放射線稀有元素鉱物の微粉末が偏在しやすい。
【0014】
これら沈殿及び偏在の問題を解消できる攪拌の方法が、前記のとおり、外カップと該外カップの中心部に内装された穴あき状の内カップとからなる攪拌容器に表面処理剤溶液を入れ、内カップに挿入したスクリューを回転させることにより内カップ内で上向きの液流を作り、該液流を外カップと内カップとの間で下向きの液流に変えることより行う方法である。これは、内カップが、スクリューによって発生する液流を分散せずに方向性をもたせる役割を果たしている。そのため、粘度のある表面処理溶液に微粒子が均一に分散することになる。
【0015】
天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した表面処理剤溶液を滴下した後、釜内を加圧して鱗片を開かせることが好ましい。鱗片の内側部に微粉末を大量に貯溜させ付着させられるからである。
【0016】
上記の手段(1)(2)において、動物繊維としては、特に限定されないが、羊毛、らくだ、モヘア、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ等の獣毛を例示できる。そのなかでも、表面の鱗片が比較的大きい、羊毛、らくだ、カシミヤ、アルパカが好ましい。
【0017】
動物繊維の状態としては、綿(ばら毛)、トップ、糸、織物(反物)、不織布等があり、特に限定はされない。
【0018】
天然放射線稀有元素鉱物としては、特に限定されないが、放射性同位体系列であるウラン系列、アクチニウム系列、トリウム系列などの放射性崩壊によって生ずるウラン、ラドン、ラジウム、トロン等を含む鉱物を例示でき、具体的には、サマルスキー石、ヘエルグソン石、ゼノタイム、トロゴム石、変種ジルコン等を例示できる。
【0019】
表面処理剤としては、防縮処理剤、親水性改質処理剤、防しわ処理剤、抗菌剤、防臭処理剤が考えられたが、そのなかでも、動物繊維への付着性が高く、耐洗濯性に優れる前記のポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つとする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を付着させた羊毛繊維トップとその表面処理方法に具体化した実施形態について説明する。なお、説明中で用いられる「%owf」とは、羊毛繊維トップの加工重量に対する重量%を表す。
【0021】
図1(a)は本実施形態に係る羊毛繊維トップ1を示し、図1(b)は該トップ1の表面処理前の羊毛繊維2の拡大イメージを示している。羊毛繊維2は、多数の鱗片3が並列した鱗片状表面を有する。実線で示した鱗片3が自然状態であり、2点鎖線は各鱗片3が開いた状態を仮想的に示している。図1(c)は該トップ1の表面処理後の羊毛繊維2の拡大イメージを示しており、鱗片状表面に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末4が羊毛繊維用の表面処理剤5としての防縮処理剤(具体的にはポリアミド樹脂を主成分とするもの)とともに付着している。
【0022】
天然放射線稀有元素鉱物の微粉末4は防縮処理剤とともに、鱗片状表面のうち鱗片3の外側部に付着していることは勿論のこと、鱗片3の内側部にも付着しており、もって多くの量が付着している。鱗片3の内側部に貯溜した微粉末4は、密度を高めることにより他部よりも多く付着している。しかも、後述する方法により、鱗片3が自然状態よりも開いた状態で、該鱗片3の内側部に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末4を貯溜させてある。本実施形態において、羊毛繊維に対する微粉末4の付着比は4.8〜8.0%owfである。こうして、鱗片状表面(特に自然状態よりも開いた鱗片状表面)には、鱗片のない滑らかな繊維と比べて、表面処理剤(本例ではポリアミド樹脂を主成分とする防縮処理剤)の中に微粉末4を含有させた形で、大量の微粉末4を付着させることができる。そのため、天然放射線稀有元素鉱物による前記作用(微弱な放射線やマイナスイオンによる血液の浄化、新陳代謝促進、免疫増進、殺菌、制菌、消臭等の多くの作用)を十分に得ることができる。また、鱗片3の内側部に微粉末4が付着しているので、洗濯時に微粉末4が取れにくいという作用もある。
【0023】
次に、この羊毛繊維トップ1を使用した表面処理方法を説明する。まず、同方法に使用する装置について図2を参照して説明しておくと、同装置は羊毛繊維をセットする釜6と、該釜6の上方に配置されて表面処理剤溶液と天然放射線稀有元素鉱物の微粉末とを混合する撹拌装置10とからなる。
【0024】
釜6は、例えば羊毛繊維約100kgを仕込むことのできる大きさのもので、蓋7をすると密閉でき加圧できるようになっている。また、釜6の内部には、内底面からやや浮かせた位置に中底板8が設置されるとともに、該中底板8に中空で側面に穴の開いた複数本の支持筒9が立設されている。また、図2の釜6内に矢印で示すように、図示しないポンプにより内底面付近の内部液を支持筒9の中に吸い込んで、該支持筒9の穴から流出させ、釜6内の全体に内部液を流動させるようになっている。
【0025】
攪拌装置10は、外カップ11と、該外カップ11の中心部に内装されてスタンド17により支持された穴16あき状の内カップ12とを備え、内カップ12にはスクリュー15が挿入されている。また、外カップ11の開口部には該開口を閉じ得る蓋13が開閉可能に設けられ、外カップ11の底の中心からずれた位置にはコック付きの流出口14が設けられている。この攪拌装置10は全体が図示しない回転駆動装置により回転可能となっており、攪拌装置10全体を回転させながら内溶液を流出口14から滴下すると、釜6への滴下位置が円周状に変わる仕組みになっている。この攪拌装置10を用いた場合、表面処理剤に対し微粉末を重量比20〜35%という高率で均一に混入できる。
【0026】
さて、以上のような装置を使用して行う羊毛繊維トップ1の表面処理方法を工程順に説明する。なお以下の実施形態に記す時間、温度、所要量等は例示であって、適宜変更できる。
(イ)前洗い工程: 第2図の釜6の2点鎖線のように羊毛繊維トップ1(100kg)をセットするとともに、セリツシュ300(化成品商事社の商品名、0.2%owf)、ペレソフトNS(ミヨシ油脂社の商品名、2%owf)及び芒硝(5%owf)の水溶液(2点鎖線)を張り、30〜35℃で15分間流動させた後、水溶液を水に置換して3〜5分間水洗する。
【0027】
(ロ)湿潤工程・塩素処理工程・酸ショップ工程: 釜6に冷却水を入れ、酢酸(80%、1.5%owf)を入れてpH4〜4.5とし、さらに芒硝(1.5%owf)を入れ、20〜25℃で10分間流動させる。10分経過時点で、スコアロール(ミヨシ油脂社の商品名、1.25ml/L、1000g)及びハイライト(日産化学社の商品名、3.7%owf)を入れる。15分経過時点で、酢酸(1%owf)をよく薄めて入れ、pHを4〜4.5に調整しさらに50分間流動させる。その後、硫酸(1ml/L、800g)を薄めて添加し、pH2〜2.5であることを確認する。その後、内溶液を水に置換して水洗する。
【0028】
(ハ)脱塩素工程: 釜6に冷却水を入れ、キレート剤であるクレワットS−2(帝国化学社の商品名、0.44ml/L、350g)と酸性亜硫酸ソーダ(2.5ml/L、2200g)を15分かけて添加し、さらに5分間流動する。その後、重炭酸ソーダを添加し35℃前後で15分流動させ、2回水洗する。
【0029】
(ニ)樹脂処理工程
(a)表面処理剤溶液の調製
図2の攪拌装置10を用いて、まず、内カップ12に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末(17.5kg)を入れるとともに、外カップ11及び内カップ12に表面処理剤であるポリアミド樹脂を主成分とする防縮処理剤(32.5kg)を内カップ12がかぶるように入れる。そして、表面処理剤と微粉末とを攪拌する。この攪拌は、内カップ12に挿入したスクリュー15を2000回/分で回転させ、図2の攪拌装置10内に矢印で示したように、まず内カップ12の内部に上向きの液流を作り、該液流を外カップ11と内カップ12との間で下向きの液流に変えることにより行う。攪拌の強さは、表面処理剤に微粉末が均一に分散するとともに、微粉末の表面に付いている微小空気泡が該表面から離脱する程度以上に強く行う。また、内カップ側面に付けられた穴16は、微粉末の拡散の出口ともなるが、微粉末を巻き上げるための新たな表面処理剤の進入口ともなる。この攪拌装置を用いることで、表面処理剤に微粉末を重量比35%で均一に混入した表面処理剤溶液が得られる。
【0030】
(b)表面処理剤溶液の添加
脱塩素工程を経た羊毛繊維トップ1がセットされたままの釜6に冷却水を入れ、クレワットS−2(帝国化学社の商品名、350g)及びクレワットDP−80(帝国化学社の商品名、400g)を入れて18℃前後で流動させる。次に、前記攪拌装置10全体を回転させながら、流出口14から微粉末を混合した表面処理剤溶液を25分かけて滴下(約1kg/min、25kg)する。続いて、重曹を少量ずつ入れ、20分かけてPH7.5〜8.0の範囲になるように調節する。次に、釜6の蓋7をし、釜6内を40分間加圧(490kPa)する。これにより、羊毛繊維の鱗片が、図1(b)に実線から2点鎖線への変化で示すように開かれるので、鱗片の内側部に微粉末を貯溜させることにより他部よりも多くの量を付着させることができる。加圧終了後、蓋7を開き、羊毛保護剤及びシリコンソフナー(松本油脂社の商品名、2%owf)を添加し、さらに15分間流動させる。
【0031】
(ホ)乾燥工程: 熱風乾燥機を用い、98℃という高温を加えることで絶乾に近い状態とし、微粉末を混合した表面処理剤を羊毛繊維に完全に固着させる。
【0032】
(ヘ)仕上げ工程: 各工程を経た羊毛繊維のトップを、ギルミキシング機にかけ、固着状態を解きほぐす。すると、最終的に天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を4.8〜8.0%owf含んだ図1(a)(c)に示す羊毛繊維トップ1ができ上がる。
【0033】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)綿(ばら毛)の表面処理を行う場合に、釜6の支持筒9を外して釜内に綿(ばら毛)をセットすること。また、その際の仕上げ工程は、カーディング機を通し、よりソフトな状態にする。
(2)内カップ12の穴16は、側面以外にも底面に設けてもよい。
(3)粘度のある表面処理剤を攪拌する液流を起こすために、スクリューの回りを囲む隔壁等の存在が、実施形態の内カップの代わりとすることができる。
【0034】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る動物繊維素材の表面処理方法によれば、十分な量の天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を付着させて、該鉱物による十分な作用を得ることができ、また、洗濯時に該微粉末を取れにくくして、該作用を持続させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施形態に係る羊毛繊維トップの斜視図、(b)は同トップの表面処理前における羊毛繊維の拡大断面図、(c)は同トップの表面処理後における羊毛繊維の拡大断面図である。
【図2】同実施形態に使用する釜と攪拌装置の断面図である。
【符号の説明】
1 トップ
2 羊毛繊維
3 鱗片
4 天然放射線稀有元素鉱物の微粉末
5 表面処理剤
6 釜
10 攪拌装置
Claims (6)
- 多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を、攪拌装置の外カップと該外カップの中心部に内装された穴あき状の内カップとからなる攪拌容器に入れ、内カップに挿入したスクリューを回転させることにより内カップ内で上向きの液流を作り、該液流を外カップと内カップとの間で下向きの液流に変えることにより該表面処理剤溶液を攪拌しながら、該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
- 多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を攪拌装置により攪拌しながら、且つ、該攪拌装置全体を回転させながら、底の中心からずれた位置の流出口から該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下位置が円周状に変わるように滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
- 多数の鱗片が並列した鱗片状表面を有する動物繊維を含む動物繊維素材を水とともに釜に入れ、該水を流動させるとともに、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した、ポリアミド樹脂よりなる防縮処理材、シリコーン樹脂よりなる防縮処理材、及び溶解コラーゲンよりなる親水性改質処理材の群から選ばれる少なくとも一つからなる動物繊維用の表面処理剤溶液を、攪拌装置の外カップと該外カップの中心部に内装された穴あき状の内カップとからなる攪拌容器に入れ、内カップに挿入したスクリューを回転させることにより内カップ内で上向きの液流を作り、該液流を外カップと内カップとの間で下向きの液流に変えることにより該表面処理剤溶液を攪拌しながら、且つ、該攪拌装置全体を回転させながら、底の中心からずれた位置の流出口から該表面処理剤溶液を前記釜の水に滴下位置が円周状に変わるように滴下することにより、前記動物繊維素材に前記表面処理剤溶液を接触させて、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を表面処理剤とともに鱗片状表面に付着させることを特徴とする動物繊維素材の表面処理方法。
- 表面処理剤溶液の攪拌は、天然放射線稀有元素鉱物の微粉末の表面に付いている微小空気泡が該表面から離脱する程度以上に強く行う請求項1〜3のいずれか一項に記載の動物繊維素材の表面処理方法。
- 天然放射線稀有元素鉱物の微粉末を混合した表面処理剤溶液を滴下した後、釜内を加圧して鱗片を開かせる請求項1〜4のいずれか一項に記載の動物繊維素材の表面処理方法。
- 動物繊維が、羊毛、らくだ、モヘア、アルパカ、アンゴラ、カシミヤ等の獣毛である請求項1〜5のいずれか一項に記載の動物繊維素材の表面処理方法。
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