JP3107020U - 抗菌消臭加工繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗菌消臭加工された縫製製品であって、その縫製製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめてなる、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れた縫製製品を提供する。
【解決手段】縫製製品を、光触媒剤を含む浴中で処理し、該光触媒剤2を該縫製製品1の表裏面と内部の全面に保持せしめてなる抗菌消臭加工繊維製品で、縫製製品は、例えば主にナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物や、主に綿糸とナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物で構成されており、衣料、特にスポーツ着やインナーウェア等に好適である。インナーウェアとして、キャミソール、タンクトップ、ハーフトップ、5分丈パンツまたはボクサーショーツ等のショーツが挙げられる。
【選択図】図1

Description

本考案は、縫製製品からなる抗菌性と消臭性に優れた改良された繊維製品に関するものであり、特に、編織物等からなる縫製製品に直接、光触媒を付与してなる、抗菌性と消臭性に優れた衣料に好適な改良された抗菌消臭加工繊維製品に関するものである。
近年、生活水準の向上や行動、活動、さらには活気のある生活スタイルの変化に伴い、スポーツや体育、健康および衛生に関する意識が高まっており、関連する各分野において、抗菌、消臭、防カビおよび防汚加工を施した製品や技術が実用化されている。そして、健康な人をより健康にとの意識から、新しい素材による新しいコンセプトの製品の開発が期待されている。
特に、衣料の分野、中でもスポーツ着やインナーウェア等は、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きく、これまで以上に優れた抗菌、消臭および防汚効果をもたらす加工技術が求められている。
従来、このような課題に対し、高い消臭性を付与する方法として、光触媒を用いた加工方法が知られている。例示すると、繊維を主たる構成材料としてなる衣料であり、該衣料を構成する繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤を有するスポーツ衣料やインナーウェアが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。また、繊維を主たる構成材料としてなる繊維構造物において、該繊維構造物を構成する繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤および制菌剤が実質的に均一に付着しているスポーツ衣料やインナーウェア等が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、光触媒剤を用いたこれらの提案は、いずれも、製編織された編織物に対して光触媒加工を施してから、得られた生地を裁断しそれをウェットスーツやインナーウエア等の製品に縫製しており、しかも光触媒加工は、染色後の編織物を光触媒加工液に浸しマングルロールで絞という、いわゆるディップ方式によるものである。これは、処理対象物が平坦な布帛であるから可能な方式である。このように、従来の提案の光触媒加工はディッブ方式を採用するため、最終製品たる縫製製品そのものに対する加工はできなかった。すなわち、従来のこれらの提案では、最終製品たる縫製製品そのものの表裏面と内部の全表面に、光触媒剤を付着ムラなく均一に付着せしめ、柔軟な風合いを保持できる縫製製品を得るという発想はなかった。
また別に、光触媒剤を用いた自己清浄品が提案されている(特許文献4参照)。この提案では、自己清浄品として、証明器具、レンジフード、キッチン周り品、トイレ周り品、寝具やカーテン等の他に、制服、背広、靴下、下着、コート、ジャンバー、セーター、トレーナー、ワイシャツ、ズボン、着物、スカート、ストッキングまたはタイツ等の衣類が挙げられているが、実施例では、光触媒塗料をレンジフードのフード部に塗布すること、観賞用水槽の内壁に塗布することは記載されているものの、衣類の縫製製品についての加工については開示されていない。この提案では、光触媒を自己清浄品に形成する方法として、担持、塗布または蒸着等が挙げられ、自己清浄品の表面に実用に耐えうる強度で形成できればいずれの方法でもよいとしているが、衣類についてこれらの手段を用いても、最終製品たる縫製製品そのものの表裏面と内部の全面に、光触媒剤を付着ムラなく均一に付着せしめ、柔軟な風合いを保持できる縫製製品を得ることはできない。
特開2001−248062号公報 特開2001−248062号公報 特開2002−339239号公報 特開平9−192496号公報
そこで本考案の目的は、抗菌消臭加工された縫製製品であって、その縫製製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめてなる、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れた縫製製品を提供することにある。
本考案は、上記の目的を達成せんとするものであって、本考案の抗菌消臭加工繊維製品 は、縫製製品を、光触媒剤を含む浴中で処理し、該光触媒剤を該縫製製品の全面に保持せしめてなる抗菌消臭加工繊維製品である。
また、本考案の抗菌消臭加工繊維製品の好ましい態様によれば、前記縫製製品は主にナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物、または主に綿糸とナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物で構成されている。または、本考案の抗菌消臭加工繊維製品の好ましい態様によれば、前記縫製製品は、主にポリエステル繊維と綿の混紡糸または主にポリエステル加工糸、あるいはこれらと綿糸および/またはスパンデックス糸使いの編織物で構成されている。
また、本考案の抗菌消臭加工繊維製品の好ましい態様によれば、前記縫製製品は主に編織物で構成された既製品であり、また主に編織物で構成された衣料である。
また、本考案の抗菌消臭加工繊維製品の好ましい態様によれば、前記衣料はインナーウェア、スポーツ衣料、ユニフォーム類またはその他の一般衣料であり、特にインナーウェアとしては、キャミソール、タンクトップ、ハーフトップ、5分丈等のパンツまたはボクサーショーツ等のショーツが挙げられる。
本考案によれば、縫製製品であって、その縫製製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に保持してなる、抗菌性と消臭性に優れた抗菌消臭加工繊維製品が得られる。本考案では、光触媒剤が縫製製品の全面に付着ムラなく実質的に均一に保持されているから、風合いも硬くならない。
また、本考案の縫製製品は、耐洗濯耐久性に優れており、50回の家庭洗濯でも抗菌性と消臭性能が劣れない。また、染料堅牢度が高い。すなわち、耐光、洗濯堅牢度が大きく変色しない。さらに、家庭での洗濯が可能であり洗濯によって収縮しない。
本考案の抗菌消臭加工繊維製品は、予め準備された縫製製品そのものを、光触媒剤を含む浴中に入れて処理し、その光触媒剤を縫製製品の全面を覆うように保持せしめてなるものである。縫製前の織編物を光触媒剤を含む液で浸漬処理し絞液し乾燥して、予め加工織編織物とした場合、縫製製品にするには、そのように加工された編織物を裁断し、それを所定の製品に縫製することになる。そのため、縫製製品としては、光触媒剤は付着しているが、縫製製品の全面を覆うように保持させることはできない。
本考案では、既成の縫製製品を、光触媒剤を含む浴中に入れ直接縫製製品を処理するから、光触媒剤液が縫製製品の表裏面に付着されるだけでなく、縫製製品の複雑な構造内部にまで浸入し保持される。すなわち、光触媒剤は、縫製製品の表裏面だけでなく、縫製製品を構成する編織物間、糸条や単繊維間隙等の構造内部にまで浸透し、縫製製品の全面に付着ムラなく実質的に均一に保持されている。
図1は、縫製製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤が保持された本考案の抗菌消臭加工繊維製品のイメージを説明するための断面図である。図1の抗菌消臭加工繊維製品1において、光触媒剤2は縫製製品の生地3の全面に保持されている。図1では、縫製製品の生地3の内部構造は図示していないが、本考案においては、縫製製品の構成する編織物間、糸条や単繊維間隙等の構造内部にまで光触媒剤2が浸透していることが特徴である。
このように、光触媒剤2は、縫い糸も含め縫製製品を構成している繊維材料の全面に保持されているので、柔軟な風合いを保ち、耐洗濯耐久性に優れており抗菌性と消臭性能が劣れず、また、染料堅牢度が高くて、耐光、洗濯堅牢度が大きく変色せず、さらに、家庭での洗濯によって収縮しないという効果が得られる。
本考案で対象とする縫製製品は、好適には撥水加工処理等の化学的後加工を行っていない製品であり、当該製品としては既成品でもオーダーメイド品でもよく、完成した繊維製品として市場に流通しうるものである。
本考案で好適に用いられる縫製製品は、織物や編物あるいは不織布等の布帛を縫製してなるもので、用途によっては伸縮性のある衣料として機能するものであることが好ましい。そのため、本考案で用いられる縫製製品は、主にナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物、または主に綿糸とナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編物で構成されていることが好ましい。また、本考案で用いられる縫製製品は、主にポリエステル繊維と綿の混紡糸または主にポリエステル加工糸、あるいはこれらと綿糸および/またはスパンデックス糸使いの編織物で構成されていることが好ましい。
編織物のうち編物を構成する好適な編組織としては、平編み、ゴム編みおよび両面編み等が挙げられる。伸縮性のある衣料として機能するものとして、編物は好ましい材料である。また、織物を構成する好適な織組織としては、平織、ツイルまたは朱子織のいずれでもよい。縫製製品は、編物と織物を縫製したものであってもよい
本考案で用いられる縫製製品としては、インナーウェア、スポーツ衣料、ユニフォーム類、またはシャツ、ブラジャー、靴下、パンティストッキング等のその他の一般衣料が挙げられ、中でもインナーウェアが最適である。図2〜図6は、本考案で用いられる縫製製品を例示する正面図であり、いずれもインナーウェアとして用いられるものである。具体的に、図2はハーフトップ、図3はキャミソール、図4はボクサーショーツ等のショーツ類、図5は5分丈パンツ等のパンツ類、そして図6はタンクトップをそれぞれ示している。
本考案の抗菌消臭加工繊維製品は、上記した縫製製品を、光触媒剤を含む浴中で直接処理し、その光触媒剤を縫製製品の全面に保持させてなるものである。
光触媒剤を含む浴には、光触媒剤の他に、通常少なくとも1種のバインダーが含まれており、その他に必要に応じ、光触媒剤とバインダーを分散するための分散剤と、繊維への吸水剤等が含まれている。
光触媒剤は、紫外線により励起され、強い酸化力によって有機物を酸化分解する特性を有するものであり、具体的には、アナターゼ型やルチル型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含まれる。光触媒剤としては、例えば、光半導体粉末と金属粉体とを組み合わせた光触媒剤が挙げられる、光半導体粉末には、例えば、TiO、CdS、CdSe、WO、Fe23、SrTiO2およびKNbO3等が挙げられる。また、金属粉末としては、例えば、金、銀、銅および白金等が挙げられる。
光触媒剤は水で希釈され、光触媒剤を含む浴中において、光触媒剤の割合は好ましくは1.0〜7.0重量%であり、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
また、バインダーとしては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。バインダーも水で希釈され光触媒剤を含む浴中において、バインダーの割合は好ましくは1.0〜7.0重量%であり、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
光触媒剤を含む浴中において、分散剤と吸水剤の割合は、それぞれ好ましくは1〜2重量%程度である。
縫製製品は、かかる光触媒剤を含む浴中で処理され、脱水、乾燥後、それぞれの製品の形態を保持するためのセットが施される。浴中処理は、室温から60℃くらいの温度で数十分加工することで行うことができる。縫製製品は、浴中で処理され、絞液されることなく乾燥に供される。
本考案の抗菌消臭加工繊維製品は、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れているので、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きい衣料の分野、中でもスポーツ着やインナーウェア等に好適である。
(実施例1)
ナイロン加工糸(78T−36F−セミダル)とスパンデックス糸(22T−1F)使いの混編品からなる図4に示したショーツ(混成率:ナイロン加工糸80%/スパンデックス糸20%)を、パドル染色機の中に入れ、光触媒剤とアクリルバインダーを水で15倍に希釈した、光触媒剤1.0owf濃度、アクリルバインダー1.0%のレサイプ条件下で、浴比1:20、処理温度30℃で20分間の浴中加工を行い、脱水、乾燥しセットを行った。光触媒剤は、ショーツの表裏面と編組織内部の全面を均等に付着保持されていた。得られたショーツは、家庭洗濯20回および50回後の抗菌性と消臭性をクリアーし、かつ、色目変化もなく、染色堅牢度も良好で、風合いもソフトで変化せず、寸法安定性の良好な光触媒加工品が得られた。結果を表1に示す。評価は、SEK基準によるものである。
Figure 0003107020
(実施例2)
実施例1のショーツと同素材の図5に示した5分丈パンツを、実施例1と同様にして処理し、表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯20回後でも問題はなかった。
(実施例3)
実施例1のショーツと同素材の図3に示したキャミソールを、実施例1と同様にして処理し、表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯20回後でも問題はなかった。
(実施例4)
実施例1のショーツと同素材の図2に示したハーフトップを、実施例1と同様にして処理し、表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯20回後でも問題はなかった。
(実施例5)
実施例1のショーツと同素材の図6に示したタンクトップを、実施例1と同様にして処理し、表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯20回後でも問題はなかった。
本考案の抗菌消臭加工繊維製品は、抗菌消臭加工された縫製製品であって、その縫製製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめたので抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れている。
そのため、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きい衣料の分野、中でもスポーツ着やインナーウェア等に好適であり、有用である。
図1は、本考案の光触媒が全面に保持された抗菌消臭加工繊維製品のイメージを説明するための断面図である。 図2は、本考案で用いられる縫製製品を例示する正面図である。 図3は、本考案で用いられる他の縫製製品を例示する正面図である。 図4は、本考案で用いられる他の縫製製品を例示する正面図である。 図5は、本考案で用いられる他の縫製製品を例示する正面図である。 図6は、本考案で用いられる他の縫製製品を例示する正面図である。
符号の説明
1 抗菌消臭加工繊維製品
2 光触媒剤
3 縫製製品の生地

Claims (7)

  1. 縫製製品を、光触媒剤を含む浴中で処理し、該光触媒剤を該縫製製品の全面に保持せしめてなることを特徴とする抗菌消臭加工繊維製品。
  2. 縫製製品が、主にナイロン加工糸とスパンデックス糸使い、または主に綿糸とナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編織物で構成されている請求項1記載の抗菌消臭加工繊維製品。
  3. 縫製製品が、主にポリエステル繊維と綿の混紡糸または主にポリエステル加工糸、あるいはこれらと綿糸および/またはスパンデックス糸使いの編織物で構成されている請求項1記載の抗菌消臭加工繊維製品。
  4. 縫製製品が主に編織物で構成された既製品である請求項1〜3のいずれかに記載の抗菌消臭加工繊維製品。
  5. 縫製製品が主に編織物で構成された衣料である請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌消臭加工繊維製品。
  6. 縫製製品が主に編織物で構成されたインナーウェア、スポーツ衣料またはユニフォーム類である請求項1〜4のいずれかに記載の抗菌消臭加工繊維製品。
  7. インナーウェアが、キャミソール、タンクトップ、ハーフトップ、パンツまたはショーツである請求項6記載の抗菌消臭加工繊維製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115449963A (zh) * 2022-09-17 2022-12-09 佛山市顺德区州福慈鑫无纺布有限公司 一种成人裤缓解褥疮除臭抑菌的生产工艺

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