JP2007126764A - 無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法 - Google Patents

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真澄 松田
Hiroyuki Shimizu
寛之 清水
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Abstract

【課題】
無縫製編物製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめ、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れた無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法を提供する。
【解決手段】
無縫製編物製品を、光触媒剤とバインダーをそれぞれ0.5〜7.0重量%含有する20〜60℃の温度の水性処理液中に投入し、該処理液を循環させながら浴中加工後、脱水し、絞液することなく乾燥することを特徴とする無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法であり、この加工方法は、特に、無縫製の編物製品で構成されたインナーウェア、スポーツウェアまたはフェイスマスクやペットウェアー等の加工に適している。
【選択図】 なし

Description

本発明は、抗菌性と消臭性に優れた改良された無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法に関するものであり、特に、予め準備された無縫製編物製品に直接、光触媒剤を付与してなる、抗菌性と消臭性に優れた衣料等に好適な改良された無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法に関するものである。
無縫製編物製品は、例えば、経編み組織または緯編み組織で筒状の編地が連続編成され、かつ縫製されることなく立体的に仕上げられ、そのまま完成した編物製品として着用または使用できるものである。あるいは、経編みおよび丸編み組織で編成・染色仕上げ加工した布帛を超音波カットあるいは融断カット等でカットした布帛パ−ツを低融点フィルムで超音波熱接着し、縫製されることなく立体的に仕上げられ、そのまま完成した編物製品として着用または使用できるものである。
近年、生活水準の向上や行動、活動、さらには活気のある生活スタイルの変化に伴い、スポーツや体育、健康および衛生に関する意識が高まっており、関連する各分野において、抗菌、消臭、防カビおよび防汚加工を施した製品や技術が実用化されている。そして、健康な人をより健康にとの意識から、新しい素材による新しいコンセプトの製品の開発が期待されている。
特に、衣料や身も回り品の分野、中でもスポーツウェアやインナーウェア等の繊維製品については、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きく、これまで以上に優れた抗菌、消臭および防汚効果をもたらす加工技術が求められている。
従来、このような課題に対し、高い消臭性を付与する方法として、光触媒を用いた加工方法が知られている。例示すると、繊維を主たる構成材料としてなる衣料であり、その衣料を構成する繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤を有するスポーツ衣料やインナーウェアが提案されている(特許文献1および特許文献2参照)。また、繊維を主たる構成材料としてなる繊維構造物において、該繊維構造物を構成する繊維表面に、アルキルシリケート系樹脂、シリコーン系樹脂およびフッ素系樹脂から選ばれた少なくとも1種のバインダーと、光触媒剤および制菌剤が実質的に均一に付着しているスポーツウェアやインナーウェア等が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、光触媒剤を用いたこれらの提案は、いずれも、製編織された編織物に対して光触媒加工を施してから、得られた生地を裁断しそれをウェットスーツやインナーウェア等の製品に縫製しており、しかもその光触媒加工手段は、染色後の編織物を光触媒加工液に浸しマングルロールで絞液するという、いわゆるディップ・ニップ方式によるものである。このような加工方法は、処理対象物が、編織物のような二次元的で平坦な繊維布帛であるから可能な方式である。
このように、従来の光触媒加工方法は、ディッブ・ニップ方式を採用するものであり、最終製品たる無縫製編物製品そのものに対する加工はできなかった。すなわち、従来のこれらの提案では、最終製品たる無縫製編物製品そのものの表裏面と内部の全表面に、光触媒剤を付着ムラなく均一に付着せしめ、柔軟な風合いを保持できる無縫製編物製品を得るという発想はなかった。
また別に、光触媒剤を用いた自己清浄品が提案されている(特許文献4参照)。この提案では、自己清浄品として、証明器具、レンジフード、キッチン周り品、トイレ周り品、寝具やカーテン等の他に、制服、背広、靴下、下着、コート、ジャンバー、セーター、トレーナー、ワイシャツ、ズボン、着物、スカート、ストッキングおよびタイツ等の衣類が挙げられているが、実施例では、光触媒塗料をレンジフードのフード部に塗布すること、観賞用水槽の内壁に塗布することは記載されているものの、無縫製編物製品についての加工については開示されていない。この提案では、光触媒を自己清浄品に形成する方法として、担持、塗布または蒸着等が挙げられ、自己清浄品の表面に実用に耐えうる強度で形成できればいずれの方法でもよいとしているが、無縫製編物製品についてこれらの手段を用いても、最終製品たる無縫製編物製品そのものの表裏面と内部の全面に、光触媒剤を付着ムラなく均一に付着せしめ、柔軟な風合いを保持できる無縫製編物製品を得ることはできない。
特開2001−248062号公報 特開2001−248062号公報 特開2002−339239号公報 特開平9−192496号公報
本発明の目的は、抗菌消臭加工された無縫製編物製品であって、その無縫製編物製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめ、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れた無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成せんとするものであって、本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、無縫製編物製品を、光触媒剤を含有する処理液に投入し、該処理液を循環させながら浴中加工処理を施すことを特徴とする無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法である。
また、本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、予め準備された無縫製編物製品を、光触媒剤とバインダーをそれぞれ0.5〜7.0重量%含有する20〜60℃の温度の水性処理液中に投入し、該水性処理液を循環させながら浴中加工処理後、脱水し、絞液することなく乾燥することを特徴とする無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法である。
本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法の好ましい態様によれば、前記の編物は、丸編組織、ヨコ編組織または経編組織で構成されており、特に好ましくは、丸編地の変形インタ−ロック組織、ヨコ編地のゴム編組織または経編地のアトラス編組織で構成されており、また、前記の編物は、主に(A)ポリエステル繊維、ナイロン繊維および綿繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維と、(B)ポリウレタン繊維で構成されている。
また、本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法の好ましい態様によれば、前記の無縫製編物製品として好適な製品は、スポーツウェアまたはインナーウェアー、フェイスマスクまたはタオル、あるいはペットウェアーである。
本発明によれば、その表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に保持してなる、抗菌性と消臭性に優れた無縫製編物製品が得られる。本発明では、光触媒剤が無縫製編物製品の全面に付着ムラなく実質的に均一に保持されているから、風合いも硬くならない。また、本発明の無縫製編物製品は、耐洗濯耐久性に優れており、50回の家庭洗濯でも抗菌性と消臭性能が低下しない。また、染料堅牢度が高い。すなわち、耐光、洗濯堅牢度が大きく変色せず、さらに、家庭での洗濯が可能であり洗濯によって収縮しない。
また、本発明で得られる無縫製編物製品は、無縫製の編物生地からなるから、着用または使用に際しフィット感およびシルエット性に優れている。
また、縫い糸を使用しないために、無縫製編物製品は製品全体に光触媒剤が付与され、抗菌性および消臭性の効果が極めて優れている。
本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、織編物等の繊維布帛でなく、予め準備されたそのままの状態で使用または着用できる無縫製編物製品そのものを、光触媒剤を含む処理液中に入れて処理液を循環させた浴中で加工処理し、脱水、乾燥して、その光触媒剤を縫製繊維製品の全面を覆うように保持せしめる加工方法である。
織編物等の繊維布帛を光触媒剤を含む液で浸漬処理しマングルで絞液し乾燥して、予め光触媒剤で加工した編織物とした場合、これを無縫製編物製品にするためには、そのように加工された織編物を裁断し、それを所定の製品に縫製することになる。そのため、得られた縫製繊維製品には、光触媒剤は付着しているが、光触媒剤を縫製繊維製品の全面を覆うように保持させることはできない。
本発明において、無縫製編物製品とは、例えば、経編組織または緯編組織で筒状の編地が連続編成され、かつ縫製されることなく立体的に仕上げられた編物製品で、そのままの状態で着用または使用できるものである。また、経編組織および丸編組織で編成・染色仕上げ加工した布帛を超音波カットあるいは融断カット等でカットした布帛パ−ツを低融点フィルムで張音波熱接着し、縫い糸で縫製されることなく立体的に仕上げられた編物製品で、そのままの状態で着用または使用できる。したがって、これらの無縫製編物製品は、完成した無縫製編物製品として市場に流通し得るものである。
本発明では、このように予め編成された既成の無縫製編物製品を、光触媒剤を含む処理液中に投入し直接無縫製編物製品を循環させた処理液中で浴中加工処理するから、光触媒剤液が無縫製編物製品の表裏面に付着されるだけでなく、無縫製編物製品の複雑な構造内部にまで浸入し保持される。すなわち、光触媒剤は、無縫製編物製品の表裏面および繊維布帛等の裁断面を覆うだけでなく、無縫製編物製品を構成する編物間、糸条や単繊維間隙等の構造内部にまで浸透し、無縫製編物製品の全面に付着ムラなく実質的に均一に保持されている。このような無縫製編物製品を得るための具体的な加工手段については、後述する。
図1は、無縫製編物製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤が保持された本発明の抗菌消臭加工された無縫製編物製品のイメージを説明するための断面図である。図1の抗菌消臭加工された無縫製編物製品1において、光触媒剤2は無縫製編物製品1の生地3の全面に保持されている。図1では、無縫製編物製品1の生地3の内部構造は図示していないが、本発明においては、光触媒剤2が無縫製編物製品1の表裏面および編物の裁断面を覆うだけでなく、無縫製編物製品1を構成する編物間、糸条や単繊維間隙等の構造内部にまで光触媒剤2が浸透していることが特徴である。
このように、光触媒剤2は、無縫製編物製品を構成している繊維材料の全面に保持されているので、柔軟な風合いを保ち、耐洗濯耐久性に優れており抗菌性と消臭性能が劣れず、また、染料堅牢度が高くて、耐光、洗濯堅牢度が大きく変色せず、さらに、家庭での洗濯によって収縮しないという効果が得られる。
本発明で対象とする無縫製編物製品は、予め撥水加工処理等の化学的後加工が施されていない製品であることが好ましい。予め撥水加工処理等の化学的後加工が施されていると、本発明の光触媒剤を含む処理液による浴中加工が十分に機能しない場合がある。
本発明で用いられる無縫製編物製品は、主に(A)ポリエステル繊維、ナイロン繊維および綿繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維と、(B)ポリウレタン繊維等で構成することができる。
特に、光触媒剤を効率よく繊維全体に付着させるには、ポリエステル繊維加工糸、ナイロン繊維加工糸および綿糸からなる群から選ばれた繊維糸と、ポリウレタン繊維糸の比率(重量部)を、80〜98:2〜20の範囲とすることが好ましい。
また、本発明で用いられる無縫製編物製品は、主にポリエステル繊維と綿の混紡糸または主にポリエステル加工糸、あるいはこれらと綿糸および/またはスパンデックス糸使いの編織物で構成することができる。
本発明の加工に好適に用いられる無縫製編物製品は、編成された編物で構成されており、インナーウェアやスポーツウェアのように用途によっては伸縮性のある衣料として機能するものであることが好ましい。そのため、本発明で用いられる無縫製編物製品は、主にナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編物、または主に綿糸とナイロン加工糸とスパンデックス糸使いの編物で構成されていることが好ましい。
本発明で用いられる無縫製編物製品を構成する編組織としては、緯編みおよび経編みのいずれも採用される。緯編みとしては、平編み、ゴム編み(リブ編み)、パール編みおよび両面編みの基本4原組織、およびそれらの基本4原組織をベースにした変化組織が挙げられる。
また、経編みは、縦方向から供給された糸条が針に巻き付けられ、縦方向に編み目を作っていくが、その針に糸条を巻き付ける巻き付け方により閉じ目と開き目が形成される。
経編みの組織としては、ハーフ編み、逆ハーフ編み、クインズコード編みおよびダブルアトラス編み等の基本組織、およびおよびそれらの基本組織をベースにした変化組織が挙げられる。
編組織は緯編みとしては、平編み、リブ編みおよびパイル編みを組み合わせものが好ましい。また、経編みとしては、ハ−フ編み、編み目編およびクインズコ−ド編みの組み合わせが好ましい。特に、丸編地の変形インタ−ロック組織、ヨコ編地のゴム編組織または経編地のアトラス編組織で構成されている編物が好ましく用いられる。
本発明で用いられる無縫製編物製品は、例えば、完全無縫製コンピュータ緯編み機を用いて、無縫製編物製の編立を行う無縫製編立システムを用いて一発編成し製品化することができる。編出しから袖と身頃を同時に編みはじめ、さらに形成編みによって肩と衿等を同時編成し編機上で完成品を作り上げる。このような無縫製編立システムを用いて製造された無縫製編物製品は、“ホールガーメント”(登録商標)(島精機製作所製)として市販され知られている。
無縫製編物製の編立によれば、例えば、前身頃、後身頃、衿および袖を同時編成して完成品とすることができ、従来必要であった身頃や袖等の個々の裁断やそれらの縫製等の加工を必要としない。
また、本発明で用いられる無縫製編物製品は、好適には丸編み機等により連続的に編成することができる。
本発明においては、上記のように編み機で編成された無縫製編物製品は、必要があれば、裁断し、または不要部分をカットし除去することを許容するものである。裁断・カット方法としては、融断カットがほつれ防止に有効であり、また、裁断部分に熱融着糸を使い、そのほつれ防止に対応させることができる。
本発明で用いられる無縫製編物製品としては、インナーウェア、スポーツウェア、ユニフォーム類、またはシャツ、ブラジャー、靴下、パンティストッキング、タイツおよびショーツ等のその他の一般衣料が挙げられる。また、フェイスマスク、リストバンドおよび各種タオル等の身の回り品が挙げられる。特に、ショ−ツ、フエイスマスクおよびTシャツに最適である。
本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、また、無縫製編物製品のひとつとしてペットウェアーの加工にも好適である。犬や猫等のペットのために、種々のペット用品が提供されているが、ペットが直に使用または着用するペットウェアーは、継続使用または着用によりペットの体臭や汚れが付着して不快な臭気を発生させる。本発明によれば、ペットウェアーの不快な臭気等の発生を継続して防止すことができ衛生的である。ペットウェアーとしては、服、靴下、パンツおよび帽子などが挙げられる。
図2〜図6は、本発明で用いられる無縫製編物製品を例示する図面代用写真である。具体的に、図2はショーツ製品、図3と図4はドックウェア製品、および図5と図6はフェイスマス製品をそれぞれ示している。
本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、上記した無縫製編物製品を、光触媒剤を含む循環している処理液中で直接浴中加工処理し、その光触媒剤を縫製製品の全面に保持させてなるものである。
光触媒剤を含む処理液には、光触媒剤の他に、通常少なくとも1種のバインダーが含まれており、その他に必要に応じ、光触媒剤とバインダーを分散するための分散剤と、繊維への吸水剤等が含まれている。
本発明で用いられる光触媒剤は、紫外線により励起され、強い酸化力によって有機物を酸化分解する特性を有するものであり、具体的には、アナターゼ型やルチル型と呼ばれる結晶型の構造をもつものが含まれる。光触媒剤としては、例えば、光半導体粉末と金属粉体とを組み合わせた光触媒剤が挙げられる、光半導体粉末には、例えば、TiO、CdS、CdSe、WO、Fe23、SrTiO2およびKNbO3等が挙げられる。また、金属粉末としては、例えば、金、銀、銅および白金等が挙げられる。
光触媒剤は水で希釈され、光触媒剤を含む水性の処理液中において、光触媒剤の割合は好ましくは0.5〜7.0重量%であり、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
また、バインダーは、光触媒剤を繊維に固着保持する機能を有するもので、そのバインダーとしては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、セルロース誘導体、フタル酸樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂およびフッ素樹脂等が挙げられる。バインダーも水で希釈され光触媒剤を含む水性処理浴中において、バインダーの割合は好ましくは0.5.0〜7.0重量%であり、より好ましくは1.0〜3.0重量%である。
光触媒剤を含む水性処理液中において、分散剤と吸水剤の割合は、それぞれ好ましくは1〜2重量%程度である。
無縫製編物製品は、かかる光触媒剤を含む処理液中で浴中加工処理され、脱水、乾燥後、それぞれの製品の形態を保持するためのセットが施される。処理液中での処理温度は、20〜60℃の範囲の温度が好ましく、循環している浴中で数十分加工することで行うことができる。より好ましい処理温度は20〜30℃の範囲であり、より好ましい処理時間は10〜15分の範囲である。
循環している処理液とは、例えば、パドル染色機の回転羽根を浴中回転することにより、処理液が循環する。
また、乾燥は、好適には80℃以下の温度で十分乾燥するまでの時間行うことが好ましく、製品にもよるが20分〜30分程度で乾燥させることかできる。
本発明においては、無縫製編物製品は、処理液中で所定の処理後、脱水され、そしてマングル等で強制的絞液されることなく処理液から取り出され、乾燥に供されることが重要である。ロール等による絞りによる絞液が施されると、光触媒剤の縫製編物製品への付着が不均一になるとともに、無縫製編物製品自体の形態や柔軟な風合いを保持することができなくなる。
本発明により抗菌消臭加工された無縫製編物製品は、抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いでフィット感じ保持でき、耐選択耐久性と染色堅牢性に優れているので、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きい分野、中でもスポーツウェアやインナーウェア等に好適である。また、フェイスマスク、靴下、リストバンド、タイツおよびショ−ツ等の身の回り品の加工にも有用である。
また、本発明により抗菌消臭加工された無縫製編物製品は、無縫製編物地で構成されているため、着用また使用時にフィット感に優れ、シルエット性も高い。
(実施例1)
ナイロン6フィラメント繊維糸(44T−24F−セミダル)90重量%とポリウレタン繊維糸(22T−1F)10重量%使いのシングル経編混編品(編組織はハ−フ)からなる図2に示したショ−ツは、編成後、融断カットした部分を低融点フィルム(ダイアミドフィルム2401、融点80〜115℃)で超音波熱接着させた、一切縫い針を使用せずに、無縫製繊維ショ−ツ製品にしたものである。
得られた無縫製繊維ショ−ツ製品を、パドル染色機の中に入れ、光触媒剤とアクリルバインダ−を水で15倍に希釈した、光触媒剤0.5%owf濃度、アクリルバインダ−0.5%owf濃度のレサイプ条件下で、浴比1:20の循環している水性処理液中で、処理温度25℃で20分間の浴中加工を行い、脱水し、絞液せずに乾燥温度80℃、乾燥時間20分を施し乾燥した後、105℃の温度のスチ−ムで型セットを行った。光触媒剤は、ショ−ツ製品の表裏面と編組織内部の全面を均等に付着保持されていた。得られたショ−ツ製品は、家庭洗濯20回および50回後の抗菌性と消臭性をクリア−し、かつ、色目変化もなく、染色堅牢度も良好で、風合いもソフトで変化せず、寸法安定性の良好な無縫製光触媒加工製品が得られた。結果を表1に示す。評価は、SEK基準によるものである。
(実施例2)
ポリエステル繊維先染加工糸(167T/2−48F−セミダル)と22Tのポリウレタン繊維糸を、ナイロン繊維加工糸(78T−34F−セミダル)でカバリングし、シングルカバ−リング糸(混成率:ナイロン繊維加工糸90重量%/ポリウレタン繊維糸10重量%)を得た。このシングルカバ−リング糸とポリエステル繊維先染加工糸を用いて、島精機製作所の完全無縫製コンピュ−タ緯編み機で編成した無縫製製品からなる図3と図4に示したドックウェア(混成率:ポリエステル先染加工糸80重量%、ナイロン繊維加工糸15重量%、ポリウレタン糸5重量%)製品を編成した(編組織:ゴム編)。得られた無縫製のドックウェア製品を、実施例1と同様にして浴中加工処理し、ドックウェア製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤がムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯50回後でも問題はなかった。結果を表2に示す。評価は、SEK基準によるものである。
(実施例3)
実施例1のショ−ツ製品と同素材の図5と図6に示したフェイスマクス製品(編組織:ハ−フ編)を、実施例1と同様にして浴中加工処理し、表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持させた。結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯50回後でも問題はなかった。結果を表3に示す。評価は、SEK基準によるものである。
(実施例4)
綿糸(40/1s)と56Tのポリウレタン繊維糸を、ナイロン繊維加工糸(78T−34F−セミダル)でカバリングし、シングルカバ−リング糸(混成率:ナイロン繊維加工糸90重量%)を得た。このシングルカバ−リング糸と綿糸を用いて、島精機製作所の完全無縫製コンピュ−タ緯編み機で編成した無縫製製品からなるTシャツ(混成率:綿糸80重量%、ナイロン繊維加工糸15%重量、ポリウレタン繊維糸5重量%)製品を編成した(編組織:パイル編)。得られた無縫製のTシャツ製品を、実施例1と同様にして浴中加工処理し、Tシャツ製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤がムラなく実質的に均一に付着保持させた。その結果は、実施例1と同様で、家庭洗濯20回後および家庭洗濯50回後でも問題はなかった。結果を表4に示す。評価は、SEK基準によるものである。
本発明の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法は、抗菌消臭加工された無縫製編物製品であって、その編物製品の表裏面と内部の全面に光触媒剤を付着ムラなく実質的に均一に付着保持せしめたので抗菌性と消臭性に優れ、かつ、柔軟な風合いを保持でき耐選択耐久性と染色堅牢性に優れた無縫製編物製品を得る加工方法である。そのため、かかる抗菌性、消臭性および防汚性の要求が大きく、またフィット感が求められる無縫製編物からなるインナーウェアやフェイスマスク等に好適である。
図1は、本発明の光触媒が全面に保持された抗菌消臭加工された無縫製編物製品のイメージを説明するための断面図である。 図2は、本発明で用いられる無縫製編物製品(実施例1)を例示する図面代用写真である。 図3は、本発明の実施例2で用いられる他の無縫製編物製品を例示する図面代用写真である。 図4も、本発明実施例2で用いられる無縫製編物製品を例示する図面代用写真である。 図5は、本発明の実施例3で用いられる他の無縫製編物製品を例示する図面代用写真である。 図6も、本発明の実施例3で用いられる他の無縫製編物製品を例示する図面代用写真である。
符号の説明
1:無縫製編物製品
2:光触媒剤
3:編物生地

Claims (7)

  1. 無縫製編物製品を、光触媒剤を含有する処理液に投入し、該処理液を循環させながら浴中加工処理を施すことを特徴とする無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  2. 予め準備された無縫製編物製品を、光触媒剤とバインダーをそれぞれ0.5〜7.0重量%含有する20〜60℃の温度の水性処理液中に投入し、該水性処理液を循環させながら浴中加工処理後、脱水し、絞液することなく乾燥することを特徴とする無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  3. 編物が、丸編組織、緯編組織または経編地編組織で構成されている請求項1または2記載の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  4. 編物が、主に(A)ポリエステル繊維、ナイロン繊維および綿繊維からなる群から選ばれた少なくとも1種の繊維と、(B)ポリウレタン繊維で構成されている請求項1〜3のいずれかに記載の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  5. 無縫製編物製品が、スポーツウェアまたはインナーウェアーである請求項1〜4のいずれかに記載の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  6. 無縫製編物製品が、フェイスマスクまたはタオルである請求項1〜4のいずれかに記載の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
  7. 無縫製編物製品が、ペットウェアーである請求項1〜4のいずれかに記載の無縫製編物製品の抗菌消臭加工方法。
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JP7474550B2 (ja) 2020-06-19 2024-04-25 小松マテーレ株式会社 マスク

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