JP3752190B2 - 流動型バレル研磨装置およびバレル研磨方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する分野】
本発明は、研磨槽内に被加工物(以下、ワークという)と研磨材(以下、メディアという)を投入し、前記研磨槽の底部に回転自在に設けた皿状底盤の回転で前記ワークとメディアが混合されて形成されたマスを旋回流動させ相互の摩擦力によってワークを研磨する流動型バレル研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
流動型バレル研磨装置には、ワークと成形メディアを旋回流動させて研磨を行う乾式の流動型バレル研磨装置と、前記ワークと成形メディアに粉末或いは液体のコンパウンドと水を添加し旋回流動させて研磨を行う湿式の流動型バレル研磨装置とがあり、ワークの加工条件が着色しない美麗な研磨面を必要とする場合や高研磨力を必要とする場合には、化学的にワーク研磨面の品質向上効果やメディアの研磨力の促進効果があるコンパウンドと水を添加する湿式の流動型バレル研磨装置が用いられる。しかしながら、湿式の流動型バレル研磨装置は使用済みのコンパウンドと水を処理するための廃水処理装置を必要とするため、ワークの加工条件が前記したような場合以外には乾式の流動型バレル研磨装置が多く用いられている。なお、乾式の流動型バレル研磨装置と湿式の流動型バレル研磨装置の基本構成とその研磨機構は同様であって、以下、その基本構成とその研磨機構を説明する。
【0003】
従来の流動型バレル研磨装置は、研磨槽と該研磨槽の底部に回転自在に設けた皿状底盤とで構成され、該研磨槽内にその内容積に対してワークとメディアの全容積が略1/4となるように投入して皿状底盤を回転させると、図4に示すように、前記ワークとメディアが混合されてマスを形成し、該マスが皿状底盤の回転方向に沿って研磨槽の内壁面に向け流動する水平流動と、該水平流動が研磨槽の内壁面に到達したのち該研磨槽の内壁面に沿って上昇し、最上部で研磨槽の中心部に方向転換して流下する垂直流動とが組み合わされて旋回流動し、該マス中でワークとメディアの相互摩擦による研磨力によってワークの表面或いはエッジ部が研磨される。しかしながら、乾式の流動型バレル研磨装置の研磨力は湿式の流動型バレル研磨装置のそれと比較すると低いもので、特に、乾式の流動型バレル研磨装置の研磨力において研磨機構の大幅な変更をせずに湿式の流動型バレル研磨装置の研磨力に匹敵する研磨方法およびその装置の開発が望まれている。
そこで、本発明者らは従来の流動型バレル研磨装置における研磨槽内のマスの旋回流動状況を解析した結果、マスの垂直流動の最上部で研磨槽の中心部に向け方向転換して流下する図4に示した斜線部にマスの旋回流動を妨げる遮蔽物が無く、ワークとメディアが自由に旋回流動して該ワークとメディアの摩擦力が弱まり研磨力が減少する研磨力弱小領域があることに着目した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとするところは前記研磨槽内の研磨力弱小領域を無くし、研磨槽内のワークとメディアの相互摩擦による研磨力を大幅に向上させ、乾式の流動型バレル研磨装置においても湿式の流動型バレル研磨装置に匹敵する研磨力を得ることができる流動型バレル研磨装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために成された請求項1の流動型バレル研磨装置は、研磨槽に投入したワークとメディアを該研磨槽内にある皿状底盤の回転により旋回流動させて混合されたマスを形成してワークを研磨するようにした流動型バレル研磨装置において、加圧手段を備えた落とし蓋状の蓋状加圧板を、研磨槽内に装入されて流動するマスの上面全部を塞ぐように研磨槽の内部に昇降自在に設け、前記皿状底盤の回転により生じる遠心力によって研磨槽の内壁に沿って上昇するマスを、蓋状加圧板の加圧力により押圧して該マスの上昇エネルギーを加圧力に変換させることを特徴とするものである。なお、蓋状加圧板が開口部を備えたものであることが好ましく、蓋状加圧板の材質を弾性体にすることができ、蓋状加圧板の加圧手段を昇降機構方式或いは重錘方式としてマスの加圧力を調節することができる。
また請求項5の発明は、研磨槽に投入したワークとメディアを該研磨槽内にある皿状底盤の回転により旋回流動させて混合されたマスを形成してワークを研磨するようにした流動型バレル研磨装置において、前記皿状底盤の回転により生じる遠心力によって研磨槽の内壁に沿って上昇するマスを押圧して該マスの上昇エネルギーを加圧力に変換させる蓋状加圧板を、研磨槽内に装入されて流動するマスの上面の一部または全部を塞ぐように研磨槽の内部に設けるとともに、この蓋状加圧板とは別に、研磨槽の上部開口端に圧力気体供給口を有する上蓋を開閉若しくは着脱自在に装着して、該上蓋と前記蓋状加圧板との間に加圧室を形成したことを特徴とするものである。なお、蓋状加圧板に開口筒を設けるとともに、上蓋に前記蓋状加圧板の開口筒が嵌合する連接筒を設けてあり、マスを押圧する蓋状加圧板の加圧力が過加圧の場合にこの前記開口筒と連接筒を通じて過加圧力を除去することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施形態を示す。
図1は本発明の1実施形態を示すもので、研磨槽1の底部には駆動源5により水平回転する皿状底盤2を設けてあり、該皿状底盤2の外周端部2Aは、ワークとメディアが皿状底盤2の盤面上の中央部から研磨槽1の内壁面に向け形成するマスの水平流動が前記研磨槽1の内壁面に沿って上方に向けて上昇する垂直流動に形成され易くするために上方に湾曲されており、これと共に前記研磨槽1との間には摺接隙間4を形成してある。更に、皿状底盤2のマスが水平流動する盤面にはマスの旋回流動中に発生する研磨粉のみを吸引する補助吸引盤7付きの複数個の吸引口6を有した研磨機構を基本構成とする流動型バレル研磨装置において、研磨槽1にワークとメディアを投入し皿状底盤2を回転させて形成したマスの上面の開口部8の周囲に重錘9を載置或いは固定して加圧する落とし蓋状の蓋状加圧板3を装着し、該蓋状加圧板3の装着位置hは研磨槽1の上方部を開放した状態で皿状底盤2を回転させて形成したマスの最大高さHより低い位置とし、該蓋状加圧板3が研磨槽1の内壁面に沿って上昇する垂直流動のマスを加圧した状態で前記蓋状加圧板3と皿状底盤2の間にマスの旋回流動部1Aを形成する。なお、前記蓋状加圧板3の装着位置hは研磨槽1内に投入されるワーク、およびメディアの形状或いは研磨量を決定する加圧力の違いによって異なるものであるが、常に前記マスの最大高さHよりも低い位置とされるもので、前記旋回流動部1A内のマスを旋回流動可能な範囲で加圧すれば、旋回流動部1Aの内容積に対してワークとメディアが占める容積の割合が高くなり、ワークとメディアの摩擦による研磨力を向上できるものである。また、この図1における蓋状加圧板3には開口部8を設けてあり、その形状と材質は、マスが研磨槽1の内壁面に沿って上昇した最上部で研磨槽1の中心部に方向転換して流下し易くするために下方に向け湾曲させお椀状とした非弾性体とし、前記開口部8の周囲に重錘9を載置するか固定してマスへの加圧手段を重錘方式とした実施形態を示すが、開口部8は蓋状加圧板3の加圧力が過加圧の場合の加圧力を調整するためのものであり、また、図示しない集塵機に接続する研磨槽1の底板10に設けた集塵配管11よりマスの旋回流動中に発生する研磨粉を前記摺接隙間4と複数個の吸引口6を介して集塵する際の外気取入口にもなるが、本発明に関するシステム上ではこれは補助機能的のものであって無くても良いものである。また、蓋状加圧板3の材質も非弾性体に限定するものでなく弾性体であっても良いものであり、さらに、加圧手段は図示しないエアーシリンダーや油圧シリンダーなどからなる昇降機構方式としてもよいものである。
【0007】
図2は、本発明の他の実施形態を示すもので、その研磨機構は前記の図1を以て説明した基本構成と同様であって、研磨槽21内のワークとメディアが旋回流動して形成するマスの上面に開口筒26を設けた落とし蓋状の蓋状加圧板23を装着すると共に、前記研磨槽21の上部開口端25に前記蓋状加圧板23の開口筒26をスライド可能に勘合せしめる外筒27と圧力気体供給口28を有する上蓋24を開閉自在または着脱自在に装着し、該研磨槽21内を蓋状加圧板23によって間仕切りされた上方部に平面から見てドーナツ形状の加圧室29を形成すると共に、下方部の前記蓋状加圧板23と皿状底盤22との間にマスの旋回流動部21Aを形成し、前記圧力気体供給口28より加圧室29内に圧力気体を供給してその気体圧で前記蓋状加圧板23がマスを加圧することとなる。なお、この図2は、上蓋24の外筒27と蓋状加圧板23の開口筒26を設けた実施形態を示すが、開口筒26は前記した図1の実施形態で説明した開口部8と同様の機能を有するものであって、本発明においては、該上蓋24の外筒27と該蓋状加圧板23の開口筒26は無くても良いものであるのと相俟って、加圧室29の形状は前記のようにドーナツ状に限定するものでもなく、また、蓋状加圧板23の材質は非弾性体でも弾性体でも良いものである。
【0008】
図3は本発明の別の実施形態を示すもので、その研磨機構は前記説明の図1に示す基本構成と同様であるが、研磨槽31にワークとメディアを投入して皿状底盤32を回転させて形成されるマスの上方に位置される開口部34とその周囲に載置或いは固定された重錘9とを備えた開閉自在な蓋状加圧板33を研磨槽31の上部に設けたものであって、この蓋状加圧板33の装着位置hは、前記研磨槽1の上方部が開放された状態で皿状底盤32を回転させて形成したマスの最大高さより低い位置とし、蓋状加圧板33が研磨槽31の内壁面に沿って上昇する垂直流動のマスを押圧した状態で前記蓋状加圧板33と皿状底盤32の間にマスの旋回流動部31Aを形成するように前記研磨槽31の高さを調節したものである。なお、この図3では、蓋状加圧板33に開口部34を設けてあり、また、蓋状加圧板33の形状と材質は前記図1の説明と同様とするが、加圧手段を昇降機構方式とする場合は、前記蓋状加圧板33の材質を弾性体とする。なお、蓋状加圧板33が研磨槽31の内壁面に沿って上昇する垂直流動のマスを押圧した状態で前記蓋状加圧板33と皿状底盤32の間にマスの旋回流動部31Aを形成するように前記研磨槽31の高さを調節できるようにするには、図示はされていないが、図3に示されたような研磨槽31の底部が槽壁に沿って昇降動できるようにするか、同じく図示はされていないが、蓋状加圧板33の外径を研磨槽31の上部開口より槽壁に沿って槽内に入り込む程度で、この蓋状加圧板33が所定位置に保持されるように研磨槽31とは別部材に保持させて研磨槽31全体が昇降動できるようにするなどの手段をとればよい。
【0009】
また、図1に示す蓋状加圧板3、図2に示す蓋状加圧板21、図3に示す蓋状加圧板33の材質に関し、金属や強化性樹脂などの非弾性体とした場合には、マスが接する内面に例えばウレタンゴムなどの耐摩耗性ライニングを施して用い、これに対して弾性体とした場合は、その硬さがゴム硬度計20゜〜90゜(好ましくは40゜〜60゜)、板厚1mm〜20mm(好ましくは3mm〜6mm)の弾力性と耐摩耗性を具備するウレタンゴムなどが用いられる。
【0010】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明方法を詳細に説明する。
<試験1>
試験条件は、内径440mm、内容量40リットルの研磨槽に、一辺が6mmの三角チップ型メディアを20リットルとSPCC材で54mm幅、27mm高さ、4.5mm厚さの半ドーナツ形状のプレス成形品をワークとした該ワークを約1リットル投入し、研磨槽の上方部を開放して皿状底盤の回転数を200min-1としてマスの最大盛り上がり高さH1が得られた従来例1と、皿状底盤の回転数を350min-1としてマスの最大盛り上がり高さH2が得られた従来例2、および本発明に係る蓋状加圧板の周囲を研磨槽に固定した厚さを5mm、材質を45゜(ゴム硬度計)のゴム製とし中央部に内径200mmの開口部8を設けた弾性体とし該蓋状加圧板の装着高さを皿状底盤の回転数を200min-1とした前記マスの最大盛り上がり高さH1に対して約0.7H1とした実施例1、および、皿状底盤の回転数を350min-1とした前記マスの最大盛り上がり高さH2に対して約0.7H2とした実施例2の各々の研磨時間を60minおよび120minとした研磨量の違いを図6に示す。なお、実施例1および実施例2の加圧手段である重錘は双方とも無しとし、蓋状加圧板の弾性力のみで該蓋状加圧板の前記装着高さを保持するものである。
【0011】
図6より、ワークの材質をSPCC材として従来の研磨装置と本発明の研磨装置における研磨量の違いを比較すれば、皿状底盤の回転数が200min-1で研磨時間が60minでの従来例1と実施例1とを比較すると、従来例1の研磨量が約10mgであるのに対し、実施例1では約90mgであり、本発明は従来例1の9倍の飛躍的な研磨量を得ることができ、研磨時間が120minにおいては従来例1の研磨量が約20mgであるのに対し、実施例1では150mg超であって、本発明は従来例1と比較すると7.5倍の飛躍的な研磨量を得ることの確認ができた。また、皿状底盤の回転数が350min-1で研磨時間が60minでの従来例2と実施例2とを比較すると、従来例2の研磨量が11mg超であるのに対し、実施例2では175mg超であり、本発明は従来例1の15倍超の飛躍的な研磨量を得ることができ、研磨時間が120minにおいては従来例2の研磨量が23mg超であるのに対し、実施例2では325mg超であって、本発明は従来例2と比較すると14倍超の飛躍的な研磨量を得ることの確認ができた。
【0012】
また、ワークの材質をSPCC材とし皿状底盤の回転数が200min-1と350min-1の違いによる従来の研磨装置と本発明の研磨装置に関する個々の研磨量の違いを研磨時間が60minと120minとで別々に比較すれば、従来の研磨装置における研磨時間が60minでの皿状底盤の回転数が200min-1の従来例1では約10mgであるのに対し、皿状底盤の回転数が350min-1の従来例2では11mg超であり、研磨時間が120minでの従来例1が約20mg超であるのに対し、従来例2は約23mgであって、何れも皿状底盤の回転数が350min-1の従来例2の研磨量が200min-1の従来例1の研磨量の1.1倍超であるのに対して、本発明の研磨装置における研磨時間が60minでの皿状底盤の回転数が200min-1の実施例1では約90mgであるのに対し、皿状底盤の回転数が350min-1の実施例2では175mg超であり、回転数が350min-1の実施例2の研磨量が回転数が200min-1の実施例1の研磨量の1.9倍超であり、研磨時間が120minでの実施例1が150mg超であるのに対し、実施例2は325mg超であり、回転数が350min-1の実施例2の研磨量が回転数が200min-1の実施例1の研磨量の2.1倍超であって、本発明の蓋状底盤の回転数を増大させた場合に研磨量が増大する影響度は、従来例のそれと比較すると若干ではあるが優れていることが確認できた。
【0013】
<試験2>
試験条件は、内径440mm、内容量40リットルの研磨槽に、マスの投入条件を、SS400材で製作した外径22mm、15mm厚さの円柱形状のワーク(=試験片)を10個(=0.06リットル弱)と一辺が6mmの三角チップ型メディアを20リットル投入した場合、および、一辺が15mmの三角チップ型メディアを20リットル投入した場合の2例に対して、研磨槽の上方部を開放して皿状底盤の回転数を200min-1としたマスの最大盛り上がり高さH3、および皿状底盤の回転数を350min- 1 としてマスの最大盛り上がり高さH4が得られた従来の研磨装置による従来例3の4例、および前記4例の研磨条件に対して本発明に係る蓋状加圧板の材質を前記試験1と同様とした弾性体とし、該蓋状加圧板の装着高さを皿状底盤の回転数が200min-1とした前記マスの最大盛り上がり高さH3に対して約0.6H3とし皿状底盤の回転数が350min-1とした前記マスの最大盛り上がり高さH4に対して約0.6H4とし加圧手段の重錘を無しとした実施例3、同じく重錘を5kgとした実施例4、重錘を10kgとした実施例5の3条件を加えた12例の合計16例の結果を図7に示す。なお、前記16例の研磨時間は総て60minとするもので、また、本発明の実施例3は加圧手段の重錘は無しとし蓋状加圧板の弾性力がワークを加圧した状態で装着高さを保持するものである。
以下、図7より、ワーク(=試験片)の材質をSS400材とし、従来の研磨装置と本発明の研磨装置におけるメディアの種類と、皿状底盤の回転数と、蓋状加圧板の加圧力の違いによる研磨量の違いを比較する。
【0014】
本発明の弾性体よりなる蓋状加圧板に対して重錘を無しとして蓋状加圧板の弾性力がワークを加圧した状態となる実施例3の4例と、従来例3の4例とを各々比較すれば、6mmの三角チップ型のメディアで皿状底盤の回転数が200min-1における本発明の実施例3の研磨量が70mg超に対して、従来例3の研磨量が約10mgであり、本発明の実施例3は従来例3と比較すると7倍の研磨量を得ることができ、皿状底盤の回転数が350min-1における本発明の実施例3の研磨量が約140mgに対して、従来例3の研磨量が30mg超であり、本発明の実施例3は従来例3と比較すると4.6倍超の飛躍的な研磨量を得ることの確認ができた。また、15mmの三角チップ型のメディアで皿状底盤の回転数が200min-1における本発明の実施例3の研磨量が190mg超に対して、従来例3の研磨量が約80mgであり、本発明の実施例3は従来例3と比較すると2.3倍超の研磨量を得ることができ、皿状底盤の回転数が350min-1における本発明の実施例3の研磨量が250mg超に対して、従来例3の研磨量が175mg超であり、本発明の実施例3は従来例3と比較すると1.4倍超の研磨量を得ることの確認ができた。
【0015】
また、従来例3の4例と蓋状加圧板の加圧手段を重錘式としてその加圧力を5kgにした実施例4の4例、および、同じく加圧力を10kgにした実施例5の4例の6mm、15mmの各三角チップ型のメディア、皿状底盤の回転数が200min-1 にしたそれぞれの比較においても、図7に示すように、前記実施例3で得られた研磨量よりさらに増大した研磨量が得られ、蓋状加圧板への加圧力を増大することによって増大した研磨量が得られることの確認ができた。
【0016】
<試験3>
試験条件は、内径440mm、内容量40リットルの研磨槽に実施例6〜21の各ワークと、15mmの各三角チップ型のメディアの投入比率を表1に示す比率とし、総容積が20リットルとなるように調整投入し、蓋状加圧板の材質をゴム製のものとし、各ワークのマスの最大盛り上がり高さHに対して、蓋状加圧板の装着高さh(0.5〜0.9H)と、蓋状加圧板の加圧力(無し、0.5〜20kg)と、皿状底盤の回転数(200min-1 、350min-1)を、各ワークに対して最良の条件に設定し、所望の加工効果が得られた研磨時間の結果を、従来の研磨方法での研磨時間も併記して表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
本発明の前記表1に示す実施例6〜実施例21は、何れも研磨時間が従来の研磨方法よりも大幅に短縮され、従来の研磨時間の4〜50%という飛躍的な短縮化を図ることができた。特に、研磨力が大である実施例6の湿式流動型バレル研磨装置、および、実施例10の湿式回転型バレル研磨装置、比較的小物のバリ取り、R付けを目的とした実施例17の乾式の遠心型バレル研磨装置との比較においても本発明の流動型バレル研磨装置の方が研磨時間を要さず研磨力が優れていることを確認することができた。
【0019】
【発明の効果】
本発明は以上の説明から明らかなように、研磨槽に投入したワークとメディアを該研磨槽内にある皿状底盤の回転により旋回流動させて混合されたマスを形成してワークを研磨する流動型バレル研磨装置において、皿状底盤の回転により生じる遠心力によって研磨槽の内壁に沿って上昇するマスを押圧して該マスの上昇エネルギーを加圧力に変換させる蓋状加圧板を設けてあるので、前記表1に示すように、乾式としても研磨時間を飛躍的に短縮することができ、従来の湿式の流動型バレル研磨装置や、複数個のバレルポットを有する乾式の遠心型バレル研磨装置に優る研磨力を有しており、特に、水処理装置を必要としている湿式の流動型バレル研磨装置に替わる研磨装置として水処理装置を不要にすることもでき、環境改善、トータルコストの低減などの利点を具備するものである。
従って、本発明は従来の流動型バレル研磨装置および流動型バレル研磨方法の問題点を解決したものとして工業的価値極めて大なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る流動型バレル研磨装置の1実施形態を示す正面の部分断面図である。
【図2】加圧手段を圧力気体方式にした本発明に係る流動型バレル研磨装置の他の実施形態を示す正面の部分断面図である。
【図3】研磨槽の高さを蓋状加圧板がマスを押圧するように調節した本発明に係る流動型バレル研磨装置の別の実施形態を示す正面の部分断面図である。
【図4】従来の乾式の流動型バレル研磨装置におけるマスの流動状態を示す説明図である。
【図5】従来の乾式の流動型バレル研磨装置におけるマスの流動状態を示す一部切欠斜視図である。
【図6】本発明の実施例1、2と従来例1、2の研磨量を比較する棒グラフ図である。
【図7】本発明の実施例3、4、5と、従来例3の研磨量を比較する折れ線グラフ図である。
【符号の説明】
1 研磨槽
21 研磨槽
31 研磨槽
2 皿状底盤
22 皿状底盤
32 皿状底盤
3 蓋状加圧板
23 蓋状加圧板
33 蓋状加圧板
Claims (6)
- 研磨槽に投入したワークとメディアを該研磨槽内にある皿状底盤の回転により旋回流動させて混合されたマスを形成してワークを研磨するようにした流動型バレル研磨装置において、加圧手段を備えた落とし蓋状の蓋状加圧板を、研磨槽内に装入されて流動するマスの上面全部を塞ぐように研磨槽の内部に昇降自在に設け、前記皿状底盤の回転により生じる遠心力によって研磨槽の内壁に沿って上昇するマスを、蓋状加圧板の加圧力により押圧して該マスの上昇エネルギーを加圧力に変換させ、研磨力を向上させるようにしたことを特徴とする流動型バレル研磨装置。
- 蓋状加圧板が、開口部を備えたものであることを特徴とする請求項1に記載の流動型バレル研磨装置。
- 蓋状加圧板の材質を弾性体にしたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の流動型バレル研磨装置。
- 蓋状加圧板の加圧手段を、昇降機構方式或いは重錘方式としてマスの加圧力を調節するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の流動型バレル研磨装置。
- 研磨槽に投入したワークとメディアを該研磨槽内にある皿状底盤の回転により旋回流動させて混合されたマスを形成してワークを研磨するようにした流動型バレル研磨装置において、前記皿状底盤の回転により生じる遠心力によって研磨槽の内壁に沿って上昇するマスを押圧して該マスの上昇エネルギーを加圧力に変換させる蓋状加圧板を、研磨槽内に装入されて流動するマスの上面の一部または全部を塞ぐように研磨槽の内部に設けるとともに、この蓋状加圧板とは別に、研磨槽の上部開口端に圧力気体供給口を有する上蓋を開閉若しくは着脱自在に装着して、該上蓋と前記蓋状加圧板との間に加圧室を形成したことを特徴とする流動型バレル研磨装置。
- 蓋状加圧板に開口筒を設けるとともに、上蓋に前記蓋状加圧板の開口筒が嵌合する連接筒を設けてあり、マスを押圧する蓋状加圧板の加圧力が過加圧の場合にこの前記開口筒と連接筒を通じて過加圧力を除去することを特徴とする請求項5に記載の流動型バレル研磨装置。
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