JP3752121B2 - 燃料噴射装置および燃料噴射方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状をエンジンの運転状況に応じて変化させる燃料噴射装置および燃料噴射方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンでは、燃焼室に吸入された空気を高い圧縮比で圧縮するとともに、この圧縮により高温・高圧となった空気中に燃料を噴射し、この燃料粒の自己着火により燃焼を行っている。このため、近年のディーゼルエンジンの排ガス規制強化に対応するためには、燃料が圧縮熱によって着火燃焼し易いように、燃料噴射圧力の高圧化や燃料噴射時期の変更といった様々な対策が必要となってきている。
【0003】
ところで、従来のディーゼルエンジンに用いられる燃料噴射ノズルは、加圧された燃料が供給される複数の噴孔を有しており、これら噴孔から噴射された燃料が燃焼室内に噴霧を形成するようになっている。この燃料の噴霧形状や燃料粒の分散状態は、燃焼に大きな影響を及ぼすことが知られており、ディーゼルエンジンの性能はもとより有害成分の発生を左右する要因となる。
【0004】
すなわち、燃焼室内に燃料粒が行き届かないような領域が存在すると、そこにある空気は燃焼に寄与しないとともに、逆に燃料粒が密集した領域では、空気が不足気味となって不完全燃焼を起こし、すすが発生する。このため、燃焼室に燃料を噴射するに当たっては、燃料粒が燃焼室内において均等に分布するような噴霧を形成することが望ましい。
【0005】
しかしながら、この噴霧の形状やそれに伴う燃料粒の到達距離は、燃料噴射ノズルの噴孔の形状や噴射圧力等によって決定されてしまい、刻々と変化するエンジンの運転状況に応じて自由に制御することができない。
【0006】
このことから、最近、燃料の高圧噴射に依存せずに燃料の噴霧形状を任意に変化させる技術が提案され、「日本機械学会論文集(B編)65巻632号(1999-4)、論文No.98-1497」に開示されている。この先行技術では、燃料に液化CO2を溶解させた液化CO2混合燃料を用いることで、燃焼室に噴射される燃料粒の微粒化を促進するとともに、噴霧の広域拡散化を図り、ディーゼルエンジンの低公害化の実現を目指している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この先行技術によると、燃料以外に格別な液化CO2を必要とするとともに、高圧に加圧されたCO2を蓄えておく高圧容器、液化状態を安定に維持しつつ液化CO2と燃料とを任意な割合で混合するための増圧器およびこの増圧器を駆動する空気ポンプやレギュレータのような数多くの補機類を必要とする。
【0008】
このため、混合燃料を燃料噴射ノズルに供給するシステム全体が複雑かつ大規模なものとなり、その分、コストが増大するとともに、燃料供給経路の保守点検に手間を要するといった不具合が生じてくる。
【0009】
本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、エンジンの運転状況に適した燃焼状態を得ることができ、有害成分の発生を抑制できるとともに、燃料供給系を単純なものとしてコストを低減できる燃料噴射装置および燃料噴射方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る燃料噴射装置は、
エンジンのシリンダヘッドに取り付けられる噴射ユニットを備えている。この噴射ユニットは、燃料が供給される燃料通路と、エンジンに同期して駆動され、上記燃料通路に供給された燃料を加圧する燃料加圧機構と、ノズルニードルによって開閉され、上記加圧された燃料を上記エンジンの燃焼室に噴射する噴孔と、上記燃料通路のうち上記燃料加圧手段よりも燃料の流れ方向に沿う上流側の燃料導入部に設置され、エンジンの運転状況に基づいて上記燃料導入部を開閉することにより上記燃料通路内の燃料の圧力を制御する電磁弁と、を含んでおり、
上記燃料通路の燃料導入部に、上記噴孔がノズルニードルによって閉じられ、かつ上記電磁弁が閉じられている期間中に加圧された気体を供給する供給機構を接続し、この供給機構から上記燃料導入部の燃料中に混入される気体の量をエンジンの運転状況に応じて調整することで、上記噴孔の内部に形成されるキャビティの発生領域および大きさを変化させ、上記噴孔から上記燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状を制御することを特徴としている。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る燃料噴射方法は、
エンジンに同期して駆動されるプランジャにより燃料通路に供給された燃料を加圧するとともに、
上記プランジャよりも燃料の流れ方向に沿う上流側において上記燃料通路をエンジンの運転状況に応じて開閉することにより、上記燃料通路内の燃料の圧力を制御し、
上記燃料通路内の燃料が所定の圧力に達した時に上記燃料通路の下流端に連なる噴孔を開いてこの噴孔から上記エンジンの燃焼室に燃料を噴射する方法であって、
上記燃料通路および上記噴孔が閉じられている期間中に、加圧された気体を上記プランジャよりも上流側に位置する上記燃料通路の燃料導入部に供給するとともに、
上記燃料導入部において上記燃料中に混入される気体の量をエンジンの運転状況に応じて調整することで、上記噴孔の内部に形成されるキャビティの発生領域および大きさを変化させ、上記噴孔から上記燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状を制御することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図5にもとづいて説明する。
【0013】
図1は、例えば発電機、舶用機械あるいは建設機械等に用いられるディーゼルエンジンの燃料噴射システムを開示している。この燃料噴射システムは、噴射ユニットとして機能する電子制御式のユニットインジェクタ1を装備している。ユニットインジェクタ1は、エンジン2のシリンダヘッド3に取り付けられている。シリンダヘッド3は、ピストン4の頂部と協働して燃焼室5を構成しており、この燃焼室5にユニットインジェクタ1を通じて燃料が噴射されるようになっている。
【0014】
ユニットインジェクタ1は、インジェクタボディ7と、このインジェクタボディ7の先端部にリテーニングナット8を介して同軸状に固定されたノズルホルダ9、ディスタンスピース10およびノズルボデー11とを含んでいる。
【0015】
インジェクタボディ7は、プランジャバレル7aと、このプランジャバレル7aと一体化された電磁弁取り付け部7bとを備えている。プランジャバレル7aの内部には、シリンダ12と、このシリンダ12の底に連なる加圧室13とが形成されている。
【0016】
シリンダ12には、燃料加圧機構として機能するプランジャ14が軸方向に摺動可能に嵌合されている。このプランジャ14の先端は、加圧室13に臨んでいる。プランジャ14の加圧室13と反対側の端部には、タペット15が連結されている。タペット15は、プランジャバレル7aに支持されているとともに、このプランジャバレル7aの外方に突出されている。そして、タペット15は、プランジャスプリング16を介してプランジャ14を加圧室13から引き出す方向に付勢されている。
【0017】
タペット15は、ロッカアーム18、プッシュロッド19およびカムフォロア20を介して燃料噴射用カム軸21に連携されている。ロッカアーム18は、ロッカー軸22を介してシリンダヘッド3に支持されており、このロッカアーム18の一端がタペット15に突き当たっている。プッシュロッド19は、ロッカアーム18の他端とカムフォロア20との間に介在されている。カムフォロア20は、エンジン2のクランクケース(図示せず)に回動可能に支持されているとともに、タペットローラ23を介して燃料噴射用カム軸21上のカム24に回転自在に接している。燃料噴射用カム軸21は、エンジン2のクランク軸(図示せず)によって図1の時計周り方向に回転駆動されるようになっている。
【0018】
カム24は、基礎円24aと、この基礎円24aから径方向外側に向けて円弧状に張り出すプランジャ上昇域24bと、このプランジャ上昇域24bの最大輪郭位置から基礎円24aの接線方向に延びるプランジャ下降域24cとを有している。そのため、燃料噴射用カム軸21が駆動されると、タペットローラ23がカム24の基礎円24a、プランジャ下降域24cおよびプランジャ上昇域24bに繰り返し接触するので、カムフォロア20がカム24の輪郭形状に応じた揺動運動を繰り返す。このカムフォロア20の揺動運動は、プッシュロッド19、ロッカアーム18およびタペット15を介してプランジャ14に伝えられ、これによりプランジャ14が軸方向に往復動するようになっている。
【0019】
図2に示すように、ノズルボデー11は、その先端に小径な円頂部26を有している。円頂部26は、燃焼室5の中心部に突出されているとともに、この燃焼室5に開口された複数の噴孔27を有している。
【0020】
ノズルボデー11の内部には、ガイド孔28が形成されている。ガイド孔28は、円頂部26に隣接された一端に燃料溜り室29を有し、この燃料溜り室29は、ノズル挿入孔30を通じて噴孔27に連なっている。また、ガイド孔28の燃料溜り室29とは反対側の他端は、ノズルホルダ9の内部のスプリング収容室31に連なっている。
【0021】
ガイド孔28には、ノズルニードル32が軸方向に摺動可能に嵌合されている。ノズルニードル32の一端は、燃料溜り室29を貫通しており、このノズルニードル32の一端にノズル挿入孔30を開閉する先細り状に尖ったシール部33が形成されている。このため、ノズルニードル32は、ノズル挿入孔30を塞ぐ閉じ位置と、ノズル挿入孔30を開放する開き位置とに亙って往復動可能にノズルボデー11に支持されている。
【0022】
ノズルニードル32のシール部33とは反対側の端部は、ディスタンスピース10を貫通してスプリング収容室31に臨んでいる。スプリング収容室31には、プレッシャスプリング34が収容されている。プレッシャスプリング34は、スプリングリテーナ35を介してノズルニードル32をノズル挿入孔30に向けて付勢しており、このノズルニードル32を常に閉じ位置に保持している。
【0023】
図1や図2に示すように、ユニットインジェクタ1は、燃料通路36を有している。燃料通路36は、インジェクタボディ7、ノズルホルダ9、ディスタンスピース10およびノズルボデー11の内部に連続して形成されている。燃料通路36の上流端は、インジェクタボディ7の電磁弁取り付け部7bに導かれているとともに、燃料通路36の下流端は、燃料溜り室29に連なっている。また、燃料通路36は、プランジャバレル7aの内部において、上記加圧室13に連なっている。そのため、燃料通路36は、加圧室13を境としてこの加圧室13よりも上流側に位置された燃料導入部36aと、加圧室13よりも下流側に位置された燃料吐出部36bとに区分けされている。
【0024】
燃料通路36の燃料導入部36aは、燃料導管37を介してフィードポンプ38に連なっている。このフィードポンプ38は、燃料タンク39に蓄えられた燃料を一定のフィード圧で燃料通路36に供給するためのものであり、このフィードポンプ38と燃料通路36を結ぶ燃料導管37の途中には、上流側から順に燃料フィルタ40および減圧弁41が設置されている。
【0025】
燃料導管37は、減圧弁41の下流側で分岐された燃料戻し管42を有している。燃料戻し管42は燃料タンク39に連なっており、この燃料戻し管42の途中には、燃料導管37から燃料タンク39に向かう燃料の流通のみを許容する逆止弁43が設置されている。
【0026】
図1および図3に示すように、インジェクタボディ7の電磁弁取り付け部7bには、上向きに開口された凹部46が形成されている。凹部46は、燃料通路36の燃料導入部36aに連なる第1および第2の連通口47a,47bを有している。第1の連通口47aは、燃料導入部36aの上流部分を介して燃料導管37に連なっている。第2の連通口47bは、燃料導入部36aの下流部分を介して加圧室13に連なっている。
【0027】
凹部46には、燃料噴射時期を制御する電磁弁50が設置されている。電磁弁50は、ポペット弁51と、このポペット弁51を駆動する電磁ソレノイド52とを備えている。ポペット弁51は、弁体53を支持するハウジング54を有している。ハウジング54は、凹部46の開口端にねじ込まれた固定部材55を介して凹部46に固定されている。
【0028】
図3に示すように、ハウジング54は、その中央部にガイド孔56を有する筒状をなしている。ハウジング54の外周面には、周方向に連続する燃料供給溝57が形成されている。この燃料供給溝57は、第1の連通口47aを介して燃料導入部36aの上流部分に連なっている。
【0029】
上記弁体53は、ハウジング54のガイド孔56内に軸方向に摺動可能に嵌合されている。この弁体53の軸方向に沿う中間部には、周方向に連続する溝部59が形成されている。溝部59は、ガイド孔56の内周面と協働して燃料室60を構成している。この燃料室60は、ハウジング54の内部に形成した複数の供給孔61を通じて燃料供給溝57に連なっている。
【0030】
図3に最も良く示されるように、燃料室60の底部60aは、弁体53の径方向外側に向けて広がるように拡張されている。底部60aは、上記第2の連通口47bに連なっており、この底部60aに臨むガイド孔56の角部には、テーパ状の弁座面62が形成されている。また、弁体53の溝部59の下端部には、弁座面62に接離するシール部63が形成されている。
【0031】
このため、弁体53は、シール部63が弁座面62に着座する閉じ位置と、シール部63が弁座面62から離脱する開き位置とに亙って昇降動可能にハウジング54に支持されている。そして、弁体53が閉じ位置に移動された状態では、燃料室60と第2の連通口47bとの連通が遮断され、燃料通路36の燃料導入部36aの下流部分、加圧室13および燃料通路36の燃料吐出部36bが密閉された閉空間に移行するようになっている。
【0032】
弁体53は、上向きに突出する弁軸65を備えている。弁軸65の外周部分には、プレッシャスプリング66が装着されており、このプレッシャスプリング66は弁体53を常に開き位置に押し下げている。また、弁軸65は、固定部材55を貫通しており、この弁軸65の貫通端となる上端にアーマチュア67がねじ止めされている。
【0033】
図1に示すように、ポペット弁51の駆動部となる電磁ソレノイド52は、上記凹部46が開口された電磁弁取り付け部7bの上面にスペーサ69を介して設置されている。電磁ソレノイド52は、電磁コイル70と、この電磁コイル70を保持する保持枠71とを有し、上記アーマチュア67と向かい合っている。この電磁ソレノイド52は、カバー72によって覆われている。
【0034】
電磁弁50の電磁ソレノイド52は、エンジンコントローラ74から出力される制御信号によって励磁される。エンジンコントローラ74は、CPU75と、エンジンの運転状況に最適な燃料噴射時期を記憶したROM76とを備えている。CPU75には、エンジン2を運転している過程において、例えばエンジン回転数、スロットル開度あるいは吸入空気温度のような実際のエンジン2の運転状況を示す各種の信号S1が入力される。そして、CPU75は、この信号S1にもとづいてその時のエンジン2の運転状況を総合的に判断するとともに、この運転状況に最適な燃料噴射時期をROM76から読み出し、この燃料噴射時期を実現するような制御信号S2を電磁ソレノイド52に送出するようになっている。
【0035】
このため、エンジンコントローラ74からの制御信号S2によって電磁ソレノイド52が励磁されると、この電磁ソレノイド52にアーマチュア67が吸引され、ポペット弁51の弁体53がプレッシャスプリング66の付勢力に抗して開き位置から閉じ位置に引き上げられる。これにより、弁体53のシール部63が弁座面62に着座し、ポペット弁51が閉じられるので、燃料通路36の燃料導入部36aが遮断される。
【0036】
また、電磁ソレノイド52の励磁が解除されると、ポペット弁51の弁体53がプレッシャスプリング66によって閉じ位置から開き位置に強制的に押し戻され、弁体53のシール部63が弁座面62から離脱する。これにより、ポペット弁51が開かれ、燃料通路36の燃料導入部36aが開放される。
【0037】
したがって、ポペット弁51は、電磁ソレノイド52によって図4に示すような所定のタイミングで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0038】
図1に示すように、インジェクタボディ7の電磁弁取り付け部7bの内部には、燃料通路36の燃料導入部36aに連なる合流通路78が形成されている。合流通路78と燃料導入部36aとの合流部分は、電磁弁50よりも燃料の流れ方向に沿う下流側に位置されているとともに、上記加圧室13よりも上流側に大きくずれている。
【0039】
合流通路78の上流端には、燃料中に加圧された空気(大気)を混合させるための気体供給機構80が接続されている。気体供給機構80は、加圧源としての空気ポンプ81と、この空気ポンプ81で加圧された空気を合流通路78に導く通路としての空気配管82と、この空気配管82の途中に設置された制御弁83とを有している。
【0040】
制御弁83は、2位置形の切換弁にて構成され、空気入口83a、空気出口83bおよび大気開放口83cを有している。制御弁83の空気入口83aは、流量計84を介して空気ポンプ81の吐出口に連なっている。制御弁83の空気出口83bは、減圧弁85および空気ポンプ81から合流通路76に向かう空気の流れのみを許容する逆止弁86を介して合流通路78に連なっている。また、大気開放口83cは、排気管87を介して大気中に開放されている。
【0041】
制御弁83は、空気入口83aと大気開放口83cとを連通させる第1の切り換え位置と、空気入口83aと空気出口83bとを連通させる第2の切り換え位置とに切り換え操作が可能であり、図示しない電磁ソレノイドのような駆動部を介して常に第1の切り換え位置に保持されている。
【0042】
制御弁83の駆動部は、エンジンコントローラ74から出力される制御信号S3に基づいて、制御弁83を第1の切り換え位置から第2の切り換え位置又は第2の切り換え位置から第1の切り換え位置に切り換え操作するようになっており、この制御弁83が第2の切り換え位置に保持される時間は、エンジン2の運転状況に応じて適宜設定されるようになっている。
【0043】
すなわち、エンジンコントローラ74のROM76は、エンジン2の運転状況に応じた最適な空気の噴射時期および噴射量をデータとして記憶している。また、CPU75は、上記信号S1を元にエンジン2の運転状況を監視しているので、このエンジン2が多量の燃料を燃焼室5に噴射する高負荷運転域に移行したと判断した時に、その時のエンジン2の運転状況に最適な空気の噴射時期および噴射量をROM76から読み出し、この空気噴射を実現するような制御信号S3を制御弁83の駆動部に送出するようになっている。
【0044】
このため、本実施の形態では、エンジン2が高負荷運転域に移行した時に、加圧された空気が空気配管82を通じて合流通路78に強制的に供給される。
【0045】
次に、上記燃料噴射システムの作動について説明する。
【0046】
エンジン2のクランク軸によって燃料供給用カム軸21が回転駆動されると、カム24の輪郭に基づいてカムフォロア20が揺動運動する。このカムフォロア20の揺動運動は、プッシュロッド19、ロッカアーム18およびタペット15を介してプランジャ14に伝えられ、このプランジャ14が往復動される。
【0047】
具体的には、カムフォロア20がカム24の基礎円24aに接している状態では、カムフォロア20は揺動することなく静止されており、この時、プランジャ14は加圧室13から最も引き上げられた上死点位置に保持されている。
【0048】
カムフォロア20が基礎円24aからプランジャ下降域24cに乗り移ると、プランジャスプリング16の付勢力に抗してプランジャ14が押し下げられ、加圧室13の容積が減じられる。この加圧室13の容積は、カムフォロア20がプランジャ下降域24cの最大輪郭位置に乗り移り、プランジャ14が下死点位置に押し下げられた時点で最も小さくなる。
【0049】
カムフォロア20がプランジャ下降域24cからプランジャ上昇域24bに乗り移ると、プランジャ14を押し下げようとする力が消失するので、プランジャスプリング16によってプランジャ14が押し上げられ、加圧室13の容積が次第に増加する。したがって、プランジャ14は、カム24の輪郭形状にもとづいて往復動を繰り返す。
【0050】
プランジャ14が上昇に転じて加圧室13の容積が増大すると、この加圧室13が負圧となる。この際、電磁弁50は、電磁ソレノイド52が励磁されない限り燃料通路36の燃料導入部36aを開放しているので、加圧室13にフィードポンプ38からの燃料が流れ込み、加圧室13や燃料溜り室29内の燃料圧力が一定のフィード圧に保たれる。
【0051】
この状態において、プランジャ14が下降に転じて加圧室13の容積が減じられても、上記燃料導入部36aは電磁弁50によって開放されたままにあるので、加圧室13内の燃料は、燃料通路36の燃料導入部36aに逃され、ここから燃料導管37および燃料戻し管42を通じて燃料タンク39に戻される。よって、加圧室13や燃料通路36に満たされた燃料の圧力が上昇することはない。
【0052】
電磁弁50の電磁ソレノイド52がエンジンコントローラ74からの制御信号S2に基づいて励磁されると、アーマチュア67がプレッシャスプリング66に抗して吸引され、このアーマチュア67に連結された弁体53が開き位置から閉じ位置に引き上げられる。このため、燃料通路36の燃料導入部36aが遮断され、加圧室13や燃料通路36の燃料吐出部36bが密閉空間に移行する。
【0053】
この電磁ソレノイド52の励磁は、図4に示すタイミングチャートから明らかなように、上記プランジャ14が下降に転じた以降になされ、これにより加圧室13内の燃料の圧力が上昇する。この圧力上昇に追従して燃料溜り室29内の燃料圧力が急激に上昇し、この燃料の圧力がノズルニードル32のシール部33に作用する。
【0054】
これにより、ノズルニードル32は、シール部33をノズル挿入孔30から離脱させようとする方向の力を受ける。そして、この力がプレッシャスプリング34の押圧力を上回ると、ノズルニードル32が閉じ位置から開き位置に向けて押し上げられ、ノズル挿入孔30から離脱する。よって、燃料溜り室29内の加圧された燃料がノズル挿入孔30に流入し、ここから噴孔27を介して燃焼室5に噴射される。
【0055】
電磁ソレノイド52の励磁が燃料の噴射開始と略同期して停止されると、アーマチュア67の吸引が解除され、ポペット弁51の弁体53がプレッシャスプリング66によって閉じ位置から開き位置に押し戻される。これにより、燃料通路36の燃料導入部36aが開放されるので、加圧室13や燃料溜り室29内の燃料圧力が燃料のフィード圧まで急激に低下し、ノズルニードル32がプレッシャスプリング34によって閉じ位置に押し戻される。そのため、ノズル挿入孔30が閉じられ、噴孔27からの燃料の噴射が終了するとともに、燃料通路36に再び燃料が供給される。
【0056】
図4に示すように、燃料の噴射が終了すると、カムフォロア20がカム24のプランジャ上昇域24bに乗り移り、プランジャ14が上昇に転じる。このプランジャ14の上昇により加圧室13が負圧となり、この加圧室13に燃料が流れ込む。また、これと同期して電磁弁50の電磁ソレノイド52がエンジンコントローラ74からの制御信号S2を受けて励磁され、弁体53が開き位置から閉じ位置に引き上げられる。このため、燃料通路36の燃料導入部36aが遮断され、加圧室13や燃料通路36の燃料吐出部36bが密閉空間に移行するので、加圧室13や燃料溜り室29の燃料圧力は、カムフォロア20がカム24のプランジャ上昇域24bから基礎円24a上を移動する過程、つまりプランジャ14が上昇する間、フィード圧に保たれる。
【0057】
ところで、エンジンコントローラ74によってエンジン2が高負荷運転域にあると判断された場合には、図4のタイミングチャートに示すように、プランジャ14が上昇に転じている期間中、つまり、ノズルニードル32によって噴孔27が閉じられ、かつ電磁弁50の電磁ソレノイド52が励磁されている時に、エンジンコントローラ74からの制御信号S3が制御弁83の駆動部に入力される。
【0058】
これにより、制御弁83が第1の切り換え位置から第2の切り換え位置に操作され、空気ポンプ81で加圧された大気が空気配管82を通じてインジェクタボディ7の内部の合流通路78に流れ込むとともに、ここから燃料通路36の燃料導入部36aの下流部分に導かれる。
【0059】
制御弁83は、電磁ソレノイド52の励磁が解除される以前に第2の切り換え位置から第1の切り換え位置に復帰する。これにより、合流通路78と空気ポンプ81との連通が遮断され、加圧された空気が合流通路78や燃料通路36の燃料導入部36aの下流部分に密封される。
【0060】
やがて、電磁ソレノイド52の励磁が解除されて燃料導入部36aが開放されると、上記空気が充填された燃料導入部36aの下流部分にフィードポンプ38からの燃料が流れ込み、これら燃料と空気とが互いに混じり合う。プランジャ14が下降に転じた後に、電磁弁50の電磁ソレノイド52が励磁されると、空気が過剰に溶け込んだ燃料がプランジャ14によって加圧され、噴孔27を通じて燃焼室5に噴射される。そのため、図5に示すように、燃焼室5内に噴孔27の形状に応じて拡散する雲状の噴霧mが形成される。
【0061】
ノズルニードル32が開き位置に押し上げられた時、空気が過剰に溶け込んだ高圧な燃料は、ノズル挿入孔30から径の小さな噴孔27に流れ込み、ここで急激に絞られた後に燃焼室5に噴射される。そのため、噴孔27内がノズル挿入孔30内よりも低圧となり、この圧力が蒸気圧以下に低下すると、図5に示すように、噴孔27の内面にキャビティCが発生する。このキャビティCの発生領域や大きさは、燃料中に溶け込んだ空気の混入割合に応じて変化する。
【0062】
図5の(A)は、燃料に対する空気の混入割合が少ない場合のキャビティCの発生領域および大きさを示している。この状態では、キャビティCの発生領域は、噴孔27の内面の狭い範囲に止まっており、なおかつ噴孔27の内面からの張り出し高さも小さく抑えられている。そのため、燃焼室5に形成される噴霧mは、噴孔27からの噴霧角θ1が小さく、かつノズルボデー11の中心から噴霧mの先端までの到達距離L1が長い細長い形状となる。
【0063】
図5の(B)は、燃料に対する空気の混入割合が多い場合のキャビティCの発生領域および大きさを示している。この状態では、キャビティCの発生領域は、図5の(A)との比較において明らかなように、噴孔27の長さ方向に拡大されているとともに、噴孔27の内面からの張り出し高さが大きくなっている。このため、キャビティCの存在により、見かけ上、噴孔27の長さが短縮されるとともに、口径が縮小された状態となる。よって、燃焼室5に形成される噴霧mは、噴孔27からの噴射角θ2が上記噴霧角θ1よりも大きく、ノズルボデー11の中心から噴霧mの先端までの到達距離L2が上記到達距離L1よりも短い太い形状となる。
【0064】
したがって、エンジン2の運転状況に応じて燃料中に混入される空気の量を増減調整することで、噴孔27内に積極的にキャビデーションを生じさせて、この噴孔27内に形成されるキャビティCの発生領域や大きさを変化させることができる。このため、燃料の噴霧mの形状を適切に制御することができ、エンジンの運転状況が刻々と変化しても、燃焼室5内の各部において空気と燃料との混合状態を均等化することができる。
【0065】
よって、燃料の着火性が良好となって、低・中負荷運転域から高負荷運転域までの全ての運転域に亙って最適な燃焼状態を維持することができ、黒煙や有害成分の発生を抑制することができる。
【0066】
また、本実施の形態のように、エンジン2が高負荷運転域に移行した時に、燃料中により多くの空気を混ぜるようにすれば、高負荷運転域での未燃焼成分の発生を確実に防止できる。
【0067】
この点について具体的に述べると、高負荷運転域では燃焼室5に多量の燃料を高圧で噴射する必要があるので、燃焼室5に形成される噴霧mの先端がピストン4の頂部や燃焼室5の周面に到達し、燃料粒がピストン4の頂部や燃焼室5の周面に付着することがあり得る。このため、燃料の気化が不十分のうちに自己着火しようとするので、燃料が燃え難くなり、未燃焼の燃料成分が燃焼室5から大気中に排出されてしまう。よって、高負荷運転域においてHCの排出量が増大することになる。
【0068】
これに対し、高負荷運転域において燃料中に混入させる空気量を多くし、図5の(B)に示すように、噴孔27内に積極的にキャビテーションを発生させることで、燃焼室5に形成される噴霧mの形状を太くて短いものとすれば、噴霧mの先端がピストン4の頂部や燃焼室5の周面に到達することはなく、ここに燃料粒が付着し難くなる。よって、燃料と空気との混合が良好となり、未燃焼の燃料成分が発生し難くなって、高負荷運転域でのHCの排出量を低減することができる。
【0069】
しかも、上記構成によれば、燃料中に付加されるのは、単なる空気(大気)であることから容易に得ることができ、上記従来の先行技術のような格別な液化CO2を準備する必要はない。それとともに、液化CO2を蓄えたり、液化CO2と燃料とを任意な割合で混合する増圧器のような種々の補機類が不要となり、上記先行技術との比較において燃料の噴射システム全体の構成を大幅に簡略化することができる。
【0070】
よって、コストの低減が可能となるとともに、燃料噴射システムの保守点検作業を容易に行えるといった利点がある。
【0071】
なお、燃料に混ぜ合わせる気体は、空気に特定されるものではなく、例えばエンジン2の排出ガスの一部あるいはクランクケースに吹き抜けたブローバイガスの一部を空気ポンプ81に導くとともに、この空気ポンプ81で加圧して燃料通路36に供給するようにしても良い。
【0072】
また、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図6に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0073】
この第2の実施の形態は、エンジン2がターボ過給機100を装備している場合に、このターボ過給機100を気体の加圧源として利用したものであり、それ以外のユニットインジェクタ1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態と同様である。そのため、第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0074】
図6に示すように、ターボ過給機100は、エンジン2の排気管(図示せず)に接続されたタービン部101と、エンジン2の吸気管(図示せず)に接続されたコンプレッサ部102とを備えている。
【0075】
タービン部101は、エンジン2の高温・高圧な排出ガスが導かれる排気入口103を有し、この排気入口103に排出ガスの一部を取り出す第1の連通管104が接続されている。コンプレッサ部102は、加圧された吸入空気が導かれる吸気出口105を有し、この吸気出口105に加圧された吸入空気の一部を取り出す第2の連通管106が接続されている。これら第1および第2の連通管104,106は、夫々逆止弁110,111を介して合流管107に接続されている。逆止弁110,111は、ターボ過給機100から合流管107に向かう排出ガス又および吸入空気の流れのみを許容するものである。そして、合流管107は、空気配管82の上流端に接続されている。
【0076】
このような構成において、エンジン2の運転中、ターボ過給機100のタービン部101に導かれた高温・高圧な排出ガスの一部は、排気入口103から第1の連通管104に流れ込む。同様にコンプレッサ部102で加圧された高圧な吸入空気の一部は、吸気出口105から第2の連通管106に流れ込む。
この場合、第1および第2の連通管104,106は、夫々逆止弁110,111を有するので、排出ガス又は吸入空気のうちより高圧な気体のみが逆止弁110又は111通過して合流管107に流れ込み、ここから空気配管82に送り込まれる。
【0077】
エンジン2が低・中負荷運転域にある時は、制御弁83は第1の切り換え位置に保持されているので、上記排出ガス又は吸入空気は、制御弁83から排気管87に導かれ、ユニットインジェクタ1の燃料通路36に供給されることはない。
【0078】
エンジン2が高負荷運転域に移行し、エンジンコントローラ74からの制御信号S2によって制御弁83が第1の切り換え位置から第2の切り換え位置に操作されると、ターボ過給機100から取り出された高圧な排出ガス又は吸入空気が制御弁83を介してインジェクタボディ7の合流通路78に送り込まれ、ここから燃料通路36の燃料導入部36aに流れ込む。
【0079】
このため、電磁ソレノイド52の励磁が解除されて、燃料通路36の燃料導入部36aが開放されると、上記排出ガス又は吸入空気が充填された燃料導入部36aの下流部分にフィードポンプ38からの燃料が流れ込み、これら燃料と排出ガス又は吸入空気とが互いに混じり合う。プランジャ14が下降に転じた後に、電磁弁50の電磁ソレノイド52が励磁されると、排出ガス又は吸入空気が過剰に溶け込んだ燃料がプランジャ14によって加圧され、噴孔27を通じて燃焼室5に噴射される。
【0080】
したがって、エンジン2の運転状況に応じて燃料中に混入される排出ガス又は吸入空気の量をエンジンコントローラ74によって増減調整すれば、上記第1の実施の形態と同様に、燃焼室5に噴射される燃料の噴霧mの形状を適切に制御することができる。
【0081】
なお、上記第2の実施の形態においては、タービン部101に導かれた排出ガスの一部又はコンプレッサ部102で加圧された吸入空気の一部を逆止弁110,111を介して燃料通路36に供給するようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば排出ガスの一部が導かれる第1の連通管104のみを空気配管82に接続したり、あるいは吸入空気の一部が導かれる第2の連通管106のみを空気配管82に接続しても良い。
【0082】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、気体が過剰に溶け込んだ高圧な燃料は、小径な噴孔を通過する際に急激に絞られた後に燃焼室に噴射されるので、この噴孔内にキャビティが発生し、このキャビティの発生領域や大きさは、燃料中に溶け込んだ気体の混入割合に応じて変化する。
【0083】
このため、エンジンの運転状況に応じて燃料中に混入される気体の量を増減調整することで、燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状を適切に制御することができ、それ故、エンジンの運転状況が刻々と変化しても、燃焼室内の各部において空気と燃料との混合状態を均等化することができる。
【0084】
よって、燃料の着火性が良好となって、低・中負荷運転域から高負荷運転域までの全ての運転域に亙って最適な燃焼状態を維持することができ、黒煙や有害成分の発生を抑制することができる。
【0085】
しかも、燃料中に付加されるのは、単なる空気やエンジンの排出ガスのような容易に得られる気体であるから、格別な液化CO2を準備する必要はない。それとともに、液化CO2を蓄えたり、液化CO2と燃料とを任意な割合で混合する増圧器のような種々の補機類が不要となるので、燃料噴射装置全体の構成を大幅に簡略化することができ、その分、コストの低減が可能となるとともに、燃料噴射システムの保守点検作業を容易に行えるといった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る燃料噴射システムの断面図。
【図2】ノズルボデーの部分を拡大して示すユニットインジェクタの断面図。
【図3】ポペット弁の部分を拡大して示す電磁弁の断面図。
【図4】燃料の圧力と電磁弁の励磁タイミングおよび制御弁の切り換えタイミングとの関係を示すタイミングチャート。
【図5】(A)は、燃料中に混入される空気量が少ない時の燃料の噴霧形状を示す断面図。
(B)は、燃料中に混入される空気量が多い時の燃料の噴霧形状を示す断面図。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る燃料噴射システムの断面図。
【符号の説明】
1…ノズルユニット(ユニットインジェクタ)
2…ディーゼルエンジン
5…燃焼室
14…プランジャ
27…噴孔
32…ノズルニードル
36…燃料通路
36a…燃料導入部
50…電磁弁
80…気体供給機構

Claims (9)

  1. 燃料が供給される燃料通路と、エンジンに同期して駆動され、上記燃料通路に供給された燃料を加圧する燃料加圧機構と、ノズルニードルによって開閉され、上記加圧された燃料を上記エンジンの燃焼室に噴射する噴孔と、上記燃料通路のうち上記燃料加圧手段よりも燃料の流れ方向に沿う上流側の燃料導入部に設置され、エンジンの運転状況に基づいて上記燃料導入部を開閉することにより上記燃料通路内の燃料の圧力を制御する電磁弁と、を含む噴射ユニットと
    上記燃料通路の燃料導入部に接続され、上記噴孔がノズルニードルによって閉じられ、かつ上記電磁弁が閉じられている期間中に上記燃料導入部に加圧された気体を供給する供給機構と、を備え、
    上記供給機構から上記燃料導入部の燃料中に混入される気体の量をエンジンの運転状況に応じて調整することで、上記噴孔の内部に形成されるキャビティの発生領域および大きさを変化させ、上記噴孔から上記燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状を制御することを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 請求項1の記載において、上記供給機構は、気体を加圧する加圧源とこの加圧源で加圧された気体が供給されるとともに、上記燃料通路の燃料導入部に連なる供給通路とこの供給通路に設置され、上記電磁弁および上記噴孔が夫々閉じられている期間中にエンジンの運転状況に応じて操作されて加圧された気体を上記燃料導入部に導くための制御弁とこの制御弁と燃料導入部との間に設置され、上記制御弁から燃料導入部に向かう気体の流れのみを許容する逆止弁とを備えていることを特徴とする燃料噴射装置。
  3. 請求項2の記載において、上記供給通路は、上記電磁弁よりも燃料の流れ方向に沿う下流側にて上記燃料導入部に接続されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかの記載において、上記気体は、大気、エンジンの排出ガス又はブローバイガスのいずれかであることを特徴とする燃料噴射装置。
  5. 請求項2又は請求項3の記載において、上記加圧源は、上記エンジンに装備されたターボ過給機であり、また、上記供給通路の上流端は、上記ターボ過給機のタービン部の排気入口又は上記ターボ過給機のコンプレッサ部の吸気出口の少なくともいずれか一方に接続されていることを特徴とする燃料噴射装置。
  6. 請求項2、請求項3又は請求項5のいずれかの記載において、上記制御弁は、上記加圧源で加圧された気体を上記供給通路の外部に導く第1の切り換え位置と、上記加圧源で加圧された気体を上記燃料導入部に導く第2の切り換え位置とを有する2位置切換弁であり、この切換弁は、上記電磁弁および上記噴孔が閉じられている期間中に上記第1の切り換え位置から上記第2の切り換え位置に切り換え操作されることを特徴とする燃料噴射装置。
  7. 請求項6の記載において、上記制御弁は、エンジンの運転状況を示す各種の信号に基づき実際のエンジンの運転状況を総合的に判断するコントローラによって上記第1の切り換え位置又は第2の切り換え位置のいずれかに選択的に切り換え操作されるとともに、上記第2の切り換え位置に保持される時間が設定されることを特徴とする燃料噴射装置。
  8. 請求項6の記載において、上記制御弁は、上記エンジンが高負荷運転域に移行した時に上記第1の切り換え位置から上記第2の切り換え位置に切り換え操作されることを特徴とする燃料噴射装置。
  9. エンジンに同期して駆動されるプランジャにより燃料通路に供給された燃料を加圧するとともに、
    上記プランジャよりも燃料の流れ方向に沿う上流側において上記燃料通路をエンジンの運転状況に応じて開閉することにより、上記燃料通路内の燃料の圧力を制御し、
    上記燃料通路内の燃料が所定の圧力に達した時に上記燃料通路の下流端に連なる噴孔を開いてこの噴孔から上記エンジンの燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射方法において、
    上記燃料通路および上記噴孔が閉じられている期間中に、加圧された気体を上記プランジャよりも上流側に位置する上記燃料通路の燃料導入部に供給するとともに、
    上記燃料導入部において上記燃料中に混入される気体の量をエンジンの運転状況に応じて調整することで、上記噴孔の内部に形成されるキャビティの発生領域および大きさを変化させ、上記噴孔から上記燃焼室に噴射される燃料の噴霧形状を制御することを特徴とする燃料噴射方法。
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