JP2006266111A - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 筒内に供給される吸気のO総量を減らすことなく燃焼の抑制を可能にすることを目的とする。
【解決手段】 エンジン100の燃焼室106へ燃焼に係わる流体を噴射供給する、第1噴孔30および第2噴孔40とが形成されるノズルボディ11と、第1噴孔30よりの前記流体の噴射有無を、ノズルボディ11内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える外側ニードルとしての第1ニードル50と、第2噴孔40よりの前記流体の噴射有無を、第1ニードル50内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える内側ニードルとしての第2ニードル60と、燃焼に係わる二種類の前記流体をNガスと燃料し、第1噴孔30および第2噴孔40の各噴孔に個別に導く流路15、16、17と流路18を備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料噴射装置に関し、例えば内燃機関に二種類の燃焼に係わる流体を噴射供給する燃料噴射装置に適用して好適なものである。
燃料噴射装置としては、例えば内燃機関の燃焼室に直接燃料噴射する燃料噴射弁が知られている(特許文献1参照)。燃料噴射弁から噴射された燃料は微粒化され、燃焼室内の空気と混合しながら発達し、自己着火により燃焼し、内燃機関の動力として利用されている。近年、内燃機関、例えばディーゼルエンジンの分野では、燃焼を制御する技術が機関性能を左右する重要な性能改善手段となってきている。
燃焼制御手段として、排気ガス還流装置(EGR)を用いて吸気ガス中に混合するEGRガス量を調節するものがある。この技術ではEGRガス量の制御により燃焼を制御し、NOx低減を狙うものである。
特許文献1では、筒内に、燃料と、燃料以外の水等の流体の二種類の流体を噴射する技術が開示されている。この技術は、構造上から同一噴孔より燃料噴射中に不活性流体を遅れて噴射させることにより、噴孔で燃料と不活性流体が混合する。これにより、筒内に噴射される燃料を希薄化させ、燃焼速度を調節し、NOx低減を狙うものである。
特開平11−30164公報
しかしながら、上記EGRガス量制御による従来技術では、EGRガスが高温であるため、燃焼温度の抑制には限界がある。そのため、比較的大量のEGRガスを吸気ガス中へ供給した場合、O濃度が全体的に減少するので、スート(Soot)やSOFからなるPMの増加が懸念される。また、特許文献1による従来技術では、同一噴孔により、燃料噴射開始に遅れて後から流体を噴射することにより燃料の希薄化を行なう構造になっており、あらかじめ、燃料を噴射する領域に不活性流体を噴射することができないため、初期燃焼時の急激な燃焼を抑制することは難しい。よって、この技術によるNOx低減には限界がある。また、同一噴孔から燃料と不活性流体を混ぜて噴射させるため、燃料濃度が局所的に希薄化し、燃焼のばらつきを生じさせ、HCやPM生成量増加を招いてしまう。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、筒内に供給される吸気のO総量を減らすことなく燃焼の抑制を可能にすることを目的とする。
また、別の目的は、筒内に供給される吸気のO総量を減らすことなく燃焼の抑制を可能にするとともに、排気の有害成分のNOxとPMを同時に抑制可能な燃料噴射装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至8記載の発明では、気筒の燃焼室へ燃焼に係わる流体を噴射供給する、第1噴孔および第2噴孔とが形成されるノズルボディと、第1噴孔よりの流体の噴射有無を、ノズルボディ内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える外側ニードルと、第2噴孔よりの流体の噴射有無を、外側ニードル内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える内側ニードルと、燃焼に係わる二種類の流体を燃料流体とこの燃料流体の燃焼速度を調整する不活性な流体とし、これら二種類の流体は、気体、液体を問わないものとし、燃料流体と不活性流体を第1噴孔および第2噴孔の各噴孔に個別に導く流路を備えること特徴としている。
これによると、燃料流体と不活性流体を噴き分けることが可能である。これにより、燃焼室の吸気ガス内に局所に燃料流体と不活性流体を噴射することで、筒内の燃焼室に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度の制御が可能となり、従って燃焼の抑制等の燃焼制御を行なうことができる。
また、請求項2に記載の発明では、前記流路は、外側ニードルの外周とノズルボディの内周との間の第1隙間で形成され、気体の流れる第1流路と、内側ニードルの外周と外側ニードルの内周との間の第2隙間で形成され、燃料の流れる第2流路と、外側ニードルの前記内周に収容され、前記第2流路と前記第1流路の連通を遮断可能な仕切り部材とを備えることを特徴としている。
これにより、二種類の流体つまり燃料流体と不活性流体の流れを、それぞれ、内外に二重に配置された内側ニードルと、外側ニードルと、ノズルボディ内との間の隙間で形成される第2流路、第1流路と、その流路に対応する第2噴孔、第1噴孔とからなる二系統とすることができる。さらに、第1流路と第2流路を区画する外側ニードルには、その外側ニードルの内周に仕切り部材が設けられているので、前記第2流路と前記第1流路の間の燃料流体と不活性流体の混合が防止される。
また、請求項3に記載の発明では、外側ニードルは、第1噴孔の周縁全周をシートすることを特徴としている。
不活性流体として用いられる流体(窒素、二酸化炭素)は燃料等の液体に比べて分子の大きさが比較的小さいため、比較的僅かな隙間でしかない場合であってもその隙間から漏れ易い。これに対して請求項3に記載の発明では、不活性流体の噴射および噴射停止をする外側ニードルは、第1噴孔の周縁全周をシートするので、第1噴孔からの漏れ防止が確実にできる。
また、請求項4乃至8記載の発明では、請求項1から請求項3に記載の燃料噴射装置は、燃焼室へ空気、もしくは空気と排気の一部を吸気ガスとして導くとともに、燃焼室に充填された吸気ガス内の局所に燃料流体および不活性流体を噴射供給される内燃機関に用いられ、
内側ニードルおよび外側ニードルを独立的に駆動して燃料流体および不活性流体を燃焼室内に噴射させ、燃焼室内にて不活性流体噴射により生じる噴射領域に燃料流体噴射により生じる燃料噴霧を混合させる噴射制御手段を備えていること特徴としている。
これによると、噴射制御手段は、着火前の燃料噴霧を、二酸化炭素などの不活性流体の噴射領域内に混合させるように、燃焼室の吸気ガス内の局所に燃料流体と不活性流体を噴射させられる。したがって、筒内の燃焼室に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度の制御が可能とする燃料および不活性流体の噴射時期の調節ができる。
また、請求項5に記載の発明では、噴射制御手段は、燃焼室内へ燃料流体および不活性流体を噴射する噴射時期を、不活性流体の噴射開始後に燃料流体を不活性流体とオーバラップして噴射、あるいは不活性流体の噴射終了後に燃料流体の噴射開始とすることを特徴としている。
これにより、着火前の燃料噴霧の周りを先行して噴射させている不活性流体の噴霧で局所的にO濃度を減少させ、燃料リッチにし燃焼速度を抑制する。その後、不活性流体の噴霧の拡散と、吸気ガスの流動により燃料噴霧に対し、従来技術の大量EGRの場合に比べてO濃度を増加させることができる。したがって、1燃焼中の前半と後半とで燃焼速度の調節をし、燃焼の制御ができる。
また、請求項6に記載の発明では、噴射制御手段は、燃焼室内で生成される燃焼ガス中のNO生成量が、内燃機関の運転状態により予測される所定のNO生成量を越えているか否かに応じて、不活性流体の噴射量を調節することを特徴としている。
これにより、例えば内燃機関の運転状態により求められるNO生成量の閾値に基づいて不活性流体の噴射量をフィードバック制御することが可能である。
また、請求項7に記載の発明では、前記二種類の流体は、燃焼用の液体燃料と、燃焼速度調整用の窒素および二酸化炭素のうちのいずれかとし、窒素および二酸化炭素を大気および排気ガスのいずれかより分離する分離装置を備え、窒素および二酸化炭素は、分離装置により供給されることを特徴としている。
これによると、不活性流体として、内燃機関の排出ガスもしくは吸気ガスの空気の供給源である周囲大気から分離した窒素および二酸化炭素のいずれかを利用するので、内燃機関の運転を継続しながら、噴射供給するための不活性流体を効率的に貯留することが可能である。
また、請求項8に記載の発明では、前記二種類の流体は、燃焼用の液体燃料と、燃焼速度調整用の窒素および二酸化炭素のうちのいずれかとし、窒素および二酸化炭素を貯留するタンクを備え、窒素および二酸化炭素は、タンクにより供給されることを特徴としている。
また、請求項9乃至10記載の発明では、燃焼室へ空気、もしくは空気と排気の一部を吸気ガスとして導くとともに、燃焼室に充填された吸気ガス内に燃料流体および不活性流体を噴射供給される内燃機関に用いられ、
燃料流体および不活性な流体を燃焼室内の吸気ガス内の局所に噴射させて、燃焼室内にて不活性流体噴射により生じる噴射領域に燃料流体の燃料噴射により生じる燃料噴霧を混合させる噴射手段を備えていること特徴としている。
これにより、噴射手段は、燃焼室の吸気ガス内の局所に燃料流体と二酸化炭素などの不活性流体を噴射させ、例えば着火前の燃料噴霧を、不活性流体の噴霧内に混合させられる。したがって、筒内の燃焼室に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度の制御が可能となり、従って燃焼の抑制等の燃焼制御を行なうことができる。
また、請求項10に記載の発明では、噴射手段は、燃料流体と不活性流体とを個別の流入経路を有して噴射させる1つの燃料噴射弁を有していることを特徴としている。
これにより、燃料流体と不活性流体を同一の燃料噴射弁から噴射するので、燃料流体の燃料噴射により生じる燃料噴霧を不活性流体噴射により生じる不活性流体の噴霧領域に混合されるように、燃焼室の吸気ガス内の局所に向かって燃料流体および不活性流体を噴射することができる。

以下、本発明の燃料噴射装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料噴射装置の構成を示す模式的断面図である。図2は、図1の燃料噴射装置を適用する内燃機関を示す模式図である。図3は、 図1中の燃料噴射装置に係わる弁部の主要部を示す部分的断面図である。図4は、図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルおよび外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。図5は、図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルおよび外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。図6は、図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルおよび外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。図7は、図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルが開弁し、外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。図8は、図1中の駆動装置の一実施例を示す模式的断面図である。図9は、図2中の内燃機関の燃焼サイクル過程と燃料流体および不活性流体の噴射タイミングとの関係を示すタイムチャートである。図10は、燃料噴射装置に係わる弁部から噴射される燃料流体および不活性流体の噴霧の一実施例を示す模式図であって、図10(a)は着火時での噴霧状態、図10(b)は燃焼後半の噴霧状態を示す模式的断面図である。なお、図11は、燃焼室内の当量比と温度との関係を示すグラフである。図12は、燃焼室内の当量比と温度との関係を示すグラフである。図9において、図9(a)は熱発生率、図9(b)は噴射率、図9(c)は流体Aの燃料噴射の駆動信号、図9(d)は流体Bの不活性流体の噴射の駆動信号、図9(e)は筒内圧を示している。
図1に示す燃料噴射装置1は、内燃機関の気筒の燃焼室に直接噴射するように構成されている。詳しくは、燃料噴射装置1は、図2に示すように、燃料の噴射供給により動力を得る内燃機関100、特にディーゼルエンジンに用いられ、例えば多気筒(例えば4気筒)ディーゼルエンジン(以下、エンジンと呼ぶ)100に用いられている。
図2に示すように、エンジン100は、シリンダブロック101と、シリンダヘッド102と、ピストン104と、シリンダブロック(以下、シリンダと呼ぶ)101の内周壁、ピストン104およびシリンダヘッド102の天井内壁とで区画される燃焼室106とを備え、燃焼室106に噴射供給された燃料の自己着火により燃焼する周知の内燃機関である。なお、ピストン104のシリンダ101内周壁内における往復運動はコンロッド(図示せず)を介してクランクシャフト(図示せず)の連続回転運動に変換される。燃焼室106は、ピストン104の往復移動により容積が増減する。なお、ここで、図2では、図面作図上、4気筒のうちの1気筒のみを示している。
シリンダヘッド102は、図1に示すように、吸入空気が流れる通路を形成する吸気管117に接続し、吸入空気が導かれる吸気ポート102iと、燃焼ガス等のガスが流れる通路を形成する排気管119に接続し、燃焼ガスを排出する排気ポート102eとを備えている。
図2に示すように、吸気弁(以下、吸気バルブと呼ぶ)107は、吸気ポート102iの内壁に着座、および離座することで、吸気ポート102iに導かれた吸入空気の燃焼室106への流れを遮断および許容する。なお、詳しくは、図2に示すように、吸気バルブ107は、例えば図示しない吸気カムシャフトにより往復軸移動する軸部107bと、軸部107bに固定され、吸気ポート102iの内壁(詳しくは内壁のシート部)に着座および離座するフェイス部107aとを有しており、吸気バルブ107の軸移動するバルブリフト量に応じて、シート部とフェイス部107aの間に所定の隙間が形成される。
また、排気弁(以下、排気バルブと呼ぶ)109は、同様に、図示しない排気カムシャフトにより往復軸移動する軸部109bと、軸部109bに固定され、排気ポート102eの内壁(詳しくは内壁のシート部)に着座および離座するフェイス部109aとを有しており、例えば離座することで開弁し、排気バルブ109の軸移動するバルブリフト量に応じて、シート部とフェイス部109aの間に所定の隙間が形成される。
なお、吸気バルブ107、吸気カムシャフト、排気バルブ109、および排気カムシャフトは、周知構造の駆動弁装置であればいずれの構造であってもよい。駆動弁装置は、例えばエンジン100の吸気行程において吸気バルブ107を開弁し、排気バルブ109を閉弁する。また、圧縮行程および燃焼行程では、吸気バルブ107および排気バルブ109を閉弁する。なお、吸気バルブ107および排気バルブ109は、1気筒に各2つ配置されるものでも、各1つ配置されるものであってもよい。
なお、エンジン100の排気管119内に、排気管119に排出された燃焼ガスの有害成分(NOx)を酸化もしくは還元反応させて無害化する触媒部(図示せず)を設けているものであってもよい。
なお、以下本実施形態では、NO、NO、NOxガスの総称として、以降文にてNOガスと呼ぶ。
燃料噴射装置1は、図1に示すように、二種類の流体A、Bを噴射する燃料噴射弁2と、燃料噴射弁2に供給する加圧された高圧流体A、Bを蓄圧する蓄圧器としてのコモンレール5と、コモンレール5に加圧された流体A、Bを供給する高圧ポンプ6と、制御手段としてのECU90とを備えている。なお、二種類の流体A、Bは、液体と気体の組合せとし、燃焼に係わる流体であればよい。
なお、以下の本実施形態では、流体Aは可燃性燃料(以下、燃料と呼ぶ)とし、流体Bは、不活性流体としての窒素(N)ガスとして説明する。
燃料噴射弁2は、略円筒形状であり、図示しない燃料導入部(図中の燃焼に係わる燃料等の流体流入を示す矢印方向)から流体A、Bを受け、内部の燃料通路23、24を経由して先端から流体A、Bを噴射する。燃料噴射弁2は、流体A、Bの噴射を遮断および許容する弁部と、弁部を駆動する駆動装置80(図8参照)とを備えており、燃料導入部から燃料通路内に流入した流体A、Bを弁部からエンジン100の気筒(詳しくは燃焼室106)に噴射供給する。なお、高圧ポンプ6から燃料配管を通ってコモンレール5に供給された高圧流体A、Bは、コモンレール5内で一定の高圧に蓄圧され、燃料配管を通って各気筒に配置された燃料噴射弁2の燃料導入部に導入される。導入された流体のうち余剰流体は図示しない燃料出口部(図6中の燃料リターンを示す矢印方向)を経由して燃料タンク7へ戻される。なお、高圧ポンプ6は、エンジンの回転数、負荷、吸入燃料圧力、吸入空気量、冷却水の温度等に従って流体A、Bの吐出圧を調整するように設けられている。
なお詳しくは、図1に示すように、流体Aが、燃料タンク7a、高圧ポンプ6a、コモンレール5aの燃料経路の順で上記内部燃料通路24に供給される。一方、流体Bが、不活性流体タンク7b、高圧ポンプ6b、コモンレール5bの燃料経路の順で上記内部燃料通路23に供給される。
なお、ここで、流体Aおよび流体Bは、それぞれ請求範囲に記載の燃焼に係わる二種類の流体を構成している。流体Aは燃料、流体Bは不活性流体(本実施例ではNガス)を構成する。なお、Nガスは、燃料タンク7bに気体もしくは液体として貯留されている。なお、以下の本実施形態では、Nガスを不活性流体タンク7bに貯留するものとする。
駆動装置80は、外側ニードルとしての第1ニードル50および内側ニードルとしての第2ニードル60を独立的に駆動可能なものであればよく、図8に示す周知の電磁弁などの電磁駆動部の構造に限らず、圧電素子等の通電により伸縮する駆動部材であってもよい。なお、以下の実施形態で説明する駆動装置80は、電磁弁とする。
燃料噴射弁2は、図1および図3に示すように、ノズルボディ11、ノズルボディ11内に往復移動可能に収容されている第1ニードル50と第2ニードル60、および電磁弁80とから構成されている。なお、ノズルボディ11、第1ニードル50、および第2ニードル60は、流体A、Bの噴射を遮断および許容する弁部を構成する。電磁弁80は、弁部を油圧により駆動する電磁駆動部を構成する。なお詳しくは、ノズルボディ11と第1ニードル50と第2ニードル60は、流体A、Bの流通および遮断を行なう弁部の本体(以下、ノズル本体と呼ぶ)10を構成する。ノズル本体10は、上記燃料導入部を有する弁ハウジング20にリテーニングナット19などの締結部材により結合されている。
ノズルボディ11は、図1に示すように、有底の略中空円筒状体であって、内部に第1ニードル50および第2ニードル60を往復移動可能に収容する案内孔11aと、弁座12と、噴孔30、40とが形成されている。この案内孔11aは、ノズルボディ11の内部に軸方向に延びており、第1ニードル50および第2ニードル60を軸方向移動可能に収容している。また、案内孔11aは、一方の端部側が圧力制御室としての背圧室70に接続し、他方の端部側が弁座12に接続している。
弁座12は、図1および図3に示すように、略円錐面状に形成されており、弁座12の流体流れの下流側には、第1噴孔30、第2噴孔40が形成されている。なお、第2ニードル60の下端面65と弁座12とで区画されるサック部19を有している。サック部19は、ノズルボディ11の先端側に袋状に小空間の容積をもって形成されるサックホールである。なお、ここで、サック部19は、袋状の所定の空間容積を有するサック室を構成する。
なお、ここで弁座12は、内側ニードルとしての第2ニードル60および外側ニードルとしての第1ニードル50が離座および着座する各弁座を構成している。なお、弁座12および案内孔11aは、ノズルボディ11の内周を構成している。
弁座12に、第1ニードル50の当接部(以下、第1当接部と呼ぶ)55a、55bが当接および離間可能に配置されている。また、弁座12に、第2ニードル60の第2当接部61が当接および離間可能に配置されている。第2当接部61はいわゆる線シール部であって、理論的には円の形状である。第1当接部55a、55bはいわゆる二重シール部であって、噴孔30の周縁全体をシールすることが可能な形状である。
なお、ここで、第1当接部55a、55bと弁座12は、第1当接部55a、55bが弁座12に当接および離間することで、図3、図4、図5、図6、および図7に示すように、流体A、Bの流れを遮断および許容する第1シール部S1、第2シール部S2を構成している。また、第2当接部61と弁座12は、第2当接部61が弁座12に当接および離間することで、図3、図4、および図7に示すように、流体Bの流れを遮断および許容する第3シール部S3を構成している。第1シール部S1と第2ール部S2は、第1ニードル50の閉弁時に、第1噴孔30への流体A流れの上流側位置をシートするシート部を構成している。第3シール部S2は、第2ニードル60の閉弁時に、第2噴孔40への流体B流れの上流側位置をシートするシート部を構成している。なお、第2ール部S2は、第1ニードル50の閉弁時に、第1噴孔30への流体A流れの下流側位置をシートする機能を有する。また、第2シール部S2は、第2ニードル60の開弁時に、第1噴孔30への流体B流れの上流側位置をシートする機能を有する。
噴孔30、40は、図1および図3に示すように、ノズルボディ11の内外を連通する通路として形成される。なお、ここで、噴孔(以下、第1噴孔と呼ぶ)30は、第1シール部S1および第2シール部S2の下流側に配置され、第1シール部S1および第2シール部S2により遮断および許容される燃料を噴射する第1の燃料噴射手段を構成する。また、噴孔(以下、第2噴孔と呼ぶ)40は、第3シール部S3の下流側に配置され、第3シール部S3により遮断および許容される燃料を噴射する第2の燃料噴射手段を構成する。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第1噴孔30と第2噴孔40は、第1噴孔30の軸30jと第2噴孔40の軸40jとが流体噴射の下流方向で交差するように構成されていることが好ましい。なお詳しくは、本実施形態では、交差角αが鋭角に構成されている。これにより、第1噴孔30から噴射される流体Bの噴霧と第2噴孔40から噴射される流体Aの噴霧が燃焼室106内の所定の同一領域内(所定の局所とも呼ぶ)に到達し、両噴霧が混合するようにすることができる。これにより、例えば燃焼室106に流入した吸気ガス内で、流体Aの噴射による着火前の燃料噴霧を、流体Bの噴射によるNガスの噴霧内に混合させるように、燃焼室106の吸気ガス内の局所に向けて流体Aと流体Bを噴射させられる。
油溜り室14は、図1に示すように、案内孔11aを形成する内壁中途部で、環状の凹部に形成されている。この油溜り室14には、流体Bが供給される燃料供給通路23が接続されている。
第1ニードル50は略円筒状に形成されており、所定の隙間(第1隙間)を介して案内孔11aに遊嵌されている。第1ニードル50の反噴孔側には、背圧室70内の油圧を受ける第1上端面53が形成され、第1ニードル50の噴孔側には、弁座12に対向し、略円錐状の第1下端面55が形成されている。第1下端面55は、弁座12に対してやや傾斜するように配置されている。第1当接部55a、55bは、第1上端面53の内周側に形成されている。第1当接部55a、55bが弁座12に着座および離座することにより、第1ニードル50が閉弁および開弁され、従って第1噴孔30からの流体Bの遮断および許容がなされる。なお、第1下端面55と弁座12の間には、着座および離座により伸縮する隙間(第1隙間)が形成され、第1隙間としての燃料通路16、17が形成されている。
なお、本実施形態では、第1上端面53の第1噴孔30に対向する部位には、略凹状の溝部55eが略円環状に形成されていることが好ましい。これにより、第1噴孔30に対向する位置に形成される溝部55eの両周縁(詳しくは第1当接部55a、55b)を第1および第2シート部S1、S2として構成することができる。したがって、第1噴孔30の周縁を第1ニードル50でシートする場合での第1ニードル50のシート部形状として、第1噴孔30の周縁を溝部55eの両周縁の第1当接部55a、55bで、いわゆる二重シートすることができる。その結果、第1噴孔30への流体A流れに対して第1シール部S1および第2シール部S2で二重シートするので、第1噴孔30への流体A流れを遮断する油密機能の向上が図れる。
さらになお、上記の溝部55eは、第1ニードル50の第1下端面55側を肉盗みしているため、溝部55e付近の第1ニードル50の部位(詳しくは第1当接部55a、55b)は、第1ニードル50の他の部位に比べて剛性が僅かに弱く形成される。これにより、第1当接部55a、55bは弁座12に同時に着座するのではなく、第1シール部S1側の第1当接部55aが弁座12にまず着座した後(図5参照)、第2シール部S2側の第1当接部55bが弁座12に着座するようにすることができる(図6参照)。したがって、第2シール部S2側の第1当接部55bが弁座12に着座するまでの間、第1シール部S1側の第1当接部55aが弁座12に強く押し付けられることになるので、第1シール部S1での気密を強くし、第1シール部S1の流体A流れを遮断する油密機能の向上が図れる。
第1上端面53と背圧室70との間には、背圧室70を形成するスリーブ22が配置されており、スリーブ22と、ニードル50側に固定される座58との間に、付勢手段としての第1スプリング59が配置されている。第1スプリング59は、弁座12に着座する着座方向にスプリング座部58を付勢するように構成されている。背圧室70内の圧力を調整することにより、第1ニードル50を軸方向に往復移動される。なお、第1ニードル50の外周と、その外周に対向するノズルボディ11の案内孔11aの内周との間には、所定の隙間(以下、第1隙間と呼ぶ)が形成され、第1の隙間による燃料通路15が形成されている(図1参照)。燃料通路15は、油溜り室14を介して供給された高圧の流体Bを第1噴射孔30側へ導く燃料経路を構成する。
第2ニードル60は、図1および図3に示すように、略円柱状に形成されており、第1ニードル50の内部に往復移動可能に収容されている。詳しくは第1ニードル50の内周52に往復移動可能に収容されている。第2ニードル60の反噴孔側には、背圧室70内の油圧を受ける上端面が形成され(図1参照)、第2ニードル60の噴孔側には、弁座12に対向し、第2下端面65が形成されている。第2下端面65は、第2当接部61に対して内周側に配置されている。
図1に示すように、鍔部63と背圧室70との間には、付勢手段としての第2スプリング69が配置されており、第2スプリング69は、弁座12に着座する着座方向に鍔部63を付勢するように構成されている。背圧室70内の圧力を調整することにより、第2ニードル60を軸方向に往復移動される。なお、第1ニードル50の内周と第2ニードル60の外周との間には、所定の隙間(以下、第2の隙間と呼ぶ)が形成され、第2の隙間による燃料通路18を設けている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第1ニードル50の内周52の下端部側に収容され、燃料通路18と燃料通路16、17との間を仕切る仕切り部材156が設けられていることが好ましい。これにより、燃料通路18と燃料通路16、17間の流体Aと流体Bの混合が防止される。したがって、第1ニードル50および第2ニードル60が独立して開弁する際に、流体BのNガスを第1噴孔30から、流体Aの燃料を第2噴孔40からと独立して噴き分けられる。
背圧室70には、燃料供給通路24とリターン通路29とが接続されている。その入口には入口絞り(図示せず)が、出口には出口絞り(図示せず)が設けられている。なお、燃料供給通路24は、背圧室70と油溜り室14とへ高圧流体Aを供給するために途中で分岐されている。リターン通路29は背圧室70内の余剰流体を燃料タンクへ戻すリターン燃料経路と接続している。なお、このリターン燃料経路の下流側には、リターン通路29と燃料タンク側の低圧通路との連通、遮断を切換える電磁弁80が設けられている。入口絞りと出口絞りの流路断面積の面積比を電磁弁80によって調整することにより、背圧室70への高圧流体の流入量と流出量のバランスが調整できる。従って、背圧室70の流体圧力の上昇、下降速度が調整される。
なお、ここで、背圧室70は、第1ニードル50と第2ニードル60に着座方向の圧力を作用させる共用の圧力制御室を構成する。
電磁弁80は、図8に示すように、制御弁81を備え、その上部にソレノイド82と第3スプリング83とが設けられている。ソレノイド82に駆動電流が供給されていない場合、制御弁81は第3スプリング83の付勢力により図示しない弁座に着座し、リターン通路29を遮断する。駆動電流が供給される場合、制御弁81はソレノイド82に発生する励磁吸引力により弁座より離座し、リターン通路29を開放する。なお、駆動電流は、ECU90によりエンジン100の運転状態に応じて求められたタイミングでソレノイド82に供給される。
制御手段としてのECU90は、図示しないリードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、マイクロプロセッサ(CPU)、入力ポート、出力ポートを相互に双方向性バスで接続した公知構成のマイクロコンピュータとして構成されている。このECU90は、燃料噴射弁2への通電期間を制御する。エンジンの回転速度、吸気管圧力(または吸入空気量)、冷却水温等のエンジンの運転状態を検出する図示しない各種センサ(図示せず)の信号を読み込み、エンジン用の各種プログラム(図示せず)に従って、燃料噴射弁2の電磁駆動部の動作を制御する。なお、詳しくは、クランクシャフトの回転状態に応じて720°CA毎にパルス信号を出力する基準位置センサ91と、より細かなクランク角毎(例えば、30°CA毎)にパルス信号を出力する回転角センサとが設けられている。エンジン100の図示しないシリンダ(ウォータジャケット)などには、冷却水温を検出するための水温センサ92が配設されている。吸気管117には、吸入空気流量を検出するエアフローメータなどが配設されている。排気管119には、排ガス中の酸素濃度等に比例し、空燃比信号を出力する空燃比センサなどが設けられている。また、運転者の要求等を検出するためのアクセルペダルセンサ、スロットル開度センサ等が設けられている。
なお、本実施形態では、排気管119内には、NO濃度を検出するNOセンサ98が設けられている。ECU90は、NOセンサ98から、燃焼室106から排出された燃焼ガス中のNO濃度を検出し、その検出値をフィードバックさせることで、流体BのNガスの最適な供給量(詳しくは最適噴射量)を決定する。そして、その噴射量に基づいて燃料噴射弁2を駆動制御する。なお、ここで、ECU90は、燃料噴射弁2の噴射動作を制御する噴射手段と、NO濃度に基づいて流体BのNガスを噴射する不活性流体噴射量を決定する不活性流体噴射量決定手段とを構成している。なお、燃料噴射弁2とECU90は、請求範囲に記載の噴射手段を構成する。
ECU90は、燃料噴射弁2を駆動制御し、燃焼室106内に流体BのNガスおよび流体Aの燃料を噴射する。Nガスおよび燃料を噴射方法としては、まず、Nガスの噴射をする。Nガスの噴射開始後に、燃料をNガスの噴射にオーバラップして噴射する(図9参照)。なお具体的には、Nガスの噴射は上死点(TDC)前の圧縮行程中のクランク角度CA1に開始される。また、燃料の噴射は上死点(TDC)前の圧縮行程中のクランク角度CA2に開始される(CA1<CA2)。なお、燃料噴射弁2の燃料の噴射圧およびNガスの噴射は、少なくとも噴射開始時点の筒内圧(詳しくは燃焼室106内の圧力)より高く設定されていることが好ましい。これにより、燃焼室106の吸気ガス内の局所に向けて噴射し、所定の領域に噴霧が形成される(図10(a)および図10(b)参照)。
ECU90による燃料噴射弁2からのNガスおよび燃料の上記噴射制御により、図10(a)に示される燃料の着火時の燃焼の初期過程では、先に噴射により生じているNガスの不活性流体噴霧内に、燃料噴射により生じた燃料噴霧を混合させられる。これにより、着火時の混合気中の燃料噴霧の周りは不活性流体噴霧に覆われ、O2濃度が局部的に減少するので、燃料リッチの状態となる。したがって、初期燃焼の燃焼速度を抑制できる。その結果、初期燃焼時での急激な燃焼(図9(a)に示す破線特性の熱発生率)を抑制できる。なお、着火時の当量比φと筒内(燃焼室内)の温度Tを示す図11のように、燃料噴霧の周りの局部的なO2濃度の低下により当量比φが増加し、燃焼時に燃料リッチな領域を形成する。
一方、図10(b)に示される燃焼後半では、燃焼室106内を不活性流体噴霧は拡散し、吸気ガスも燃焼により残留した吸気ガスの部分が流動するため、不活性流体噴霧と残留した吸気ガスの混合が生じる。不活性流体噴霧と残留した吸気ガスの混合の結果、燃料噴霧の周りのO2濃度が増え、燃料リーンの状態となる。なお、図12に示すように、燃焼後半では、不活性流体のNガスと、空気(詳しくはO)とが筒内流動による拡散により混合するので、燃料噴霧の周りのO2濃度の増加し、当量比φが低下する。これより、燃焼後期におけるスート(Soot)の生成を抑制するとともに、スート(Soot)の酸化促進が図れる。
なお、従来技術の比較的大量のEGRガスを吸気ガス中へ供給するものの場合では筒内のO濃度が全体的に減少しているため、燃焼後半においてO2濃度不足によりスート(Soot)が増加するとともに、スート(Soot)の酸化が抑制されていた。これに対し、本実施形態では、燃焼後半においてO2濃度が増加するので、スート(Soot)の生成を抑制するとともに、スート(Soot)の酸化を促進することができる。
なお、本実施形態では、Nガスを貯留する不活性流体タンク7bには、Nガスを供給装置として、大気などの空気から窒素(N)を分離する分離装置9と、分離装置されるN2を効率的に抽出する吸引ポンプ8とが設けられていることが好ましい。エンジン100の吸気ガスの吸気と同じ供給源である周囲大気から、分離装置9によりNガスを分離抽出することができる。したがって、エンジン100の運転を継続しながら、噴射供給するためのNガスを効率的に貯留することが可能である。
なお、分離装置9は、ゼオライト系の分離膜としての透過膜9aを有しており、空気の主要構成の酸素(O)分子と窒素(N)分子を、分子径の差(O分子<N分子)から、透過膜9aによりNガスを抽出するものである。なお、分離装置9は、吸気管117とは分岐した配管118に配置する構成に限らず、吸気管117に配置するものであってもよい。
上述の構成を有する燃料噴射装置1の作動について以下説明する。
(噴射停止時)
コモンレール5a、5b内に蓄積された比較的高圧の流体A、Bは、燃料供給通路23、24を通って、図1に示すように背圧室70と燃料通路15に供給される。このとき、ソレノイド82へ駆動電流が供給されていないので、制御弁81は第3スプリング83の付勢力により弁座に着座され、リターン通路29を遮断している。供給された流体Aは、背圧室70内にとどまるので、圧力制御室70および燃料通路15の燃料圧力は、ほぼ等しくなっている。第1ニードル50を弁座12に押し付けようとする付勢力が、リフトさせようとする付勢力よりも大きいので、第1当接部55a、55bが弁座12に着座され、燃料通路15内の流体BのNガスは第1噴孔30より噴射されることはない(図3の二点鎖線の状態を参照)。また、第2ニードル60を弁座12に押し付けようとする付勢力が、リフトさせようとする付勢力よりも大きいので、第2当接部61が弁座12に着座され、背圧室70内の流体Aの燃料は第2噴孔40より噴射されることはない(図3の二点鎖線の状態を参照)。
(第1噴孔30の開口への作動)
制御弁81に駆動電流がソレノイド82に供給されると、制御弁81は、ソレノイド82の発生する磁気吸引力によってリフトされ、リターン通路29が開放される。リターン通路29が開放されると、背圧室70内の燃料圧力が低下する。なお、この圧力は、第1入口絞り71と第1出口絞り72の面積比に応じて所定の下降速度で低下する。背圧室70内の燃料圧力が第1ニードル50の開弁圧まで低下すると、第1ニードル50がリフトされ、第1当接部55a、55bが弁座12から離座し、第1ニードル50が開弁される(図4参照)。第1ニードル50が開弁されると、燃料通路15、16、17の流体BのNガスが第1噴孔30に流入し、Nガスが図4に示すように第1噴孔30から噴射される。なお、このニードル50、60リフトパターンは、図9に示すように、圧縮行程中のクランク角度CA1に流体BのNガスを、燃料噴射に先駆けてまず噴射させる。
(第2噴孔40の開口への作動)
制御弁81に駆動電流がソレノイド82に供給されると、制御弁81は、ソレノイド82の発生する磁気吸引力によってリフトされ、リターン通路29が開放される。リターン通路29が開放されると、背圧室70内の燃料圧力が低下する。背圧室70内の燃料圧力が第2ニードル60の開弁圧まで低下すると、第2ニードル60がリフトされ、第2当接部61が弁座12から離座し、第2ニードル60が開弁される。第2ニードル60が開弁されると、背圧室70および燃料通路18の流体Aの燃料が第2噴孔40に流入し、燃料が第2噴孔40から噴射される(図7参照)。なお、このニードル50、60リフトパターンは、流体BのNガスの噴射終了後に、圧縮行程中のTDC直前で、流体Aの燃料を噴射することが可能である。
(第1噴孔30および第2噴孔40の開口への作動)
上記の第1噴孔30の開口過程において、第1当接部55a、55bが弁座12から離座すると、第1シール部S1および第2シール部S2のシール状態が解除され、燃料通路15、16、17から流体BのNガスが流入する。流体BのNガスは第1噴孔30から噴射される。また、上記の第2噴孔40の開口過程において、第2当接部61が弁座12から離座すると、第3シール部S3のシール状態が解除され、背圧室70および燃料通路18から流体Aが流入する。流体Aの燃料は第2噴孔40から噴射される。なお、このニードル50、60リフトパターンでは、図9に示すように、流体BのNガスの噴射開始後に、燃料をそのNガスの噴射にオーバラップするように、流体Aの燃料を圧縮行程中のクランク角度CA1で噴射させることが可能となる。
(噴射停止への作動)
エンジン100の運転状態に応じた所定の開弁時間が経過すると、ソレノイド82への駆動電流の供給が停止される。駆動電流の供給が停止されると、ソレノイド82の磁気吸引力が失われ、制御弁81はリターン通路29を遮断する。すると、出口絞りから下流への燃料流出が停止されるので、背圧室70内の圧力は再び上昇し始める。背圧室70内の圧力が第1ニードル50の閉弁圧まで上昇すると第1ニードル50が閉弁し、そして第2ニードル60の閉弁圧まで上昇すると第2ニードル60が閉弁する。その結果、第1噴孔30および第2噴孔40からの燃料および尿素の噴射が停止される(図3の二点鎖線の状態を参照)。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)本実施形態では、流体BのNガスおよび流体Aの燃料を噴射手段としての燃料噴射弁2を備え、
その燃料噴射弁2を、エンジン100の燃焼室106へ燃焼に係わる流体を噴射供給する、第1噴孔30および第2噴孔40とが形成されるノズルボディ11と、第1噴孔30よりの前記流体の噴射有無を、ノズルボディ11内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える外側ニードルとしての第1ニードル50と、第2噴孔40よりの前記流体の噴射有無を、第1ニードル50内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える内側ニードルとしての第2ニードル60と、燃焼に係わる二種類の前記流体をNガスと燃料し、第1噴孔30および第2噴孔40の各噴孔に個別に導く流路15、16、17と流路18を備えているように構成している。
これにより、燃焼に係わる二種類の流体として燃料とNガスを噴射するものにおいて、液体の燃料と気体のNガスを噴き分けることが可能である。これにより、燃焼室106の吸気ガス内に局所に燃料とNガスを噴射することで、燃焼室106に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度の制御が可能となり、従って燃焼の抑制等の燃焼制御を行なうことができる。
(2)なお、本実施形態では、上記流路は、第1ニードル50の外周とノズルボディ11の内周との間の第1隙間で形成され、気体の流れる第1流路としての燃料通路15、16、17と、第2ニードル60の外周と第1ニードル50の内周との間の第2隙間で形成され、燃料の流れる第2流路としての燃料通路18と、第1ニードル50の内周の先端部側に収容され、燃料通路18と燃料通路15、16、17の連通を遮断可能な仕切り部材156とを備えるように構成されている。
これにより、二種類の流体つまり燃料とNガスの流れを、それぞれ、内外に二重に配置された第2ニードル60と、第1ニードル50と、ノズルボディ11内との間の隙間で形成される燃料通路18、燃料通路15、16、17と、その燃料通路に対応する第2噴孔40、第1噴孔30とからなる二系統とすることができる。さらに、燃料通路15、16、17と燃料通路18を区画する第1ニードル50には、その第1ニードル50の内周52の先端部側に仕切り部材156が設けられているので、燃料通路15、16、17と燃料通路18間の燃料とNガスの混合が防止される。
(3)さらになお、本実施形態では、第1ニードル50は、第1噴孔30の周縁全体をシートするように構成されている。
気体は燃料等の液体に比べて分子の大きさが比較的小さいため、比較的僅かな隙間でしかない場合であってもその隙間から漏れ易い。これに対して本実施形態では、気体の噴射および噴射停止を行なう第1ニードル50は、第1噴孔30の周縁全周をシートするようにするので、第1噴孔30からの気体漏れの防止が確実にできる。
(4)さらになお、本実施形態では、第1ニードル50は、第1噴孔30に対向する位置に溝部55eが設けられている。
これによると、第1噴孔30の周縁を第1ニードル50でシートする場合での第1ニードル50のシート部形状として、第1ニードル50の第1下端部55に形成された溝部55eの両周縁(詳しくは第1当接部55a、55b)を第1シート部S1および第2シート部S2とし、第1噴孔30の周縁を溝部55eの両周縁の第1当接部55a、55bでいわゆる二重シートすることができる。その結果、第1噴孔30への流体A流れに対して第1シール部S1および第2シール部S2で二重シートするので、第1噴孔30への流体A流れを遮断する油密機能の向上が図れる。
(5)さらになお本実施形態では、上記の溝部55eは、第1ニードル50の第1下端面55側を凹状に肉盗みしているため、溝部55e付近の第1ニードル50の部位(詳しくは第1当接部55a、55b)は、第1ニードル50の他の部位に比べて剛性が僅かに弱く形成される。これにより、第1当接部55a、55bは弁座12に同時に着座するのではなく、第1シール部S1側の第1当接部55aが弁座12にまず着座した後、第2シール部S2側の第1当接部55bが弁座12に着座するようにすることができる。したがって、第2シール部S2側の第1当接部55bが弁座12に着座するまでの間、第1シール部S1側の第1当接部55aが弁座12に強く押し付けられることになるので、第1シール部S1での気密を強くし、第1シール部S1の流体A流れを遮断する油密機能の向上が図れる。
(6)なお、第2シール部S2側の第1当接部55bは、第2ニードル60の開弁時に、第1噴孔30への流体B流れの上流側位置をシートする機能を有する。これにより、第1噴孔30への燃料混入の防止が図れる。
(7)さらになお、本実施形態では、第1ニードル50および第2ニードル60を独立的に駆動して燃料およびNガスを燃焼室106内の局所に噴射させ、燃焼室106内にてNガス噴射により生じるNガス噴霧に燃料の燃料噴射により生じる燃料噴霧を混合させるECU90を備えている。
これによると、ECU90は、着火前の燃料噴霧を、Nガス噴霧内に混合させるように、燃焼室106の吸気ガス内の局所に燃料とNガスを噴射させられる。したがって、燃焼室106に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度制御を可能とする燃料およびNガスの噴射時期の調節ができる。
(8)なお、本実施形態では、ECU90は、燃焼室106内へ燃料およびNガスを噴射する噴射時期を、不活性流体BのNガスの噴射開始後に燃料をNガスとオーバラップして噴射するように構成されている。
これにより、着火前の燃料噴霧の周りを先行して噴射開始していたNガスの噴霧で局所的にO濃度を減少させ、燃料リッチにし燃焼速度を抑制することができる(図11参照)。その後の燃焼後半では、Nガスの噴霧の拡散と、残留吸気ガスや燃焼ガスの流動により燃料噴霧に対し、例えば従来技術の大量EGRの場合に比べてO濃度を増加させることができる(図12参照)。したがって、1燃焼中の前半と後半とで燃焼速度の調節をし、燃焼の制御ができる。
(9)なお、上記噴射時期は、不活性流体BのNガスの噴射開始後に、流体Aの燃料をNガスとオーバラップして噴射する燃料およびNガスの各噴射時期(本実施例ではフランク角度CA1、CA2)に限らず、Nガスの噴射終了後に燃料の噴射開始とするものであってもよい。
(10)さらになお、本実施形態では、Nガスを貯留する不活性流体タンク7bには、Nガスを供給装置として、大気などの空気から窒素(N)を分離する分離装置9と、分離装置されるN2を効率的に抽出する吸引ポンプ8とが設けられていることが好ましい。エンジン100の吸気ガスの吸気と同じ供給源である周囲大気から、分離装置9によりNガスを分離抽出することができる。したがって、エンジン100の運転を継続しながら、噴射供給するためのNガスを効率的に貯留することが可能である。
(11)なお、以上説明した本実施形態において、流体BのNガスおよび流体Aの燃料を噴射手段としての燃料噴射弁2およびECU90を備え、噴射手段2、90は、燃料およびNガスを燃焼室106の吸気ガス内の局所に噴射させて、燃焼室106内にて流体BのNガス噴射により生じるNガス噴霧に、流体Aの燃料の燃料噴射により生じる燃料噴霧を混合させるようにしている。これにより、噴射手段2、90は、燃焼室106の吸気ガス内の局所に燃料とNガスを噴射させ、例えば着火前の燃料噴霧を、Nガスの噴霧内に混合させられる。したがって、燃焼室106に供給される吸気ガスのO総量を減らすことなく、局所的にO濃度の制御が可能となり、従って燃焼の抑制等の燃焼制御を行なうことができる。
なお、噴射手段2、90は、燃料とNガスとを個別の流入経路としての燃料通路18と燃料通路15、16、17を有して噴射させる1つの燃料噴射弁2を有していることが好ましい。これにより、燃料とNガスを同一の燃料噴射弁2から噴射するので、流体Aの燃料の燃料噴射により生じる燃料噴霧を、流体BのNガス噴射により生じるNガス噴霧に混合されるように、燃焼室106の吸気ガス内の局所に向かって燃料およびNガスを噴射することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第1の実施形態では、NOセンサ98により、燃焼室106から排出された燃焼ガス中のNO濃度を検出し、その検出値に基づいて流体BのNガスの最適な供給量(詳しくは最適噴射量)を決定していた。
これに対し、第2の実施形態では、図13に示すように、エンジン100の運転状態より求められる所定のNO濃度を閾値とし、この閾値を越えているか否かに応じて、Nガスの噴射量を調節するようにする。図13は、実施形態に係わるタイミングチャートであって、NO濃度と不活性流体の噴射量との関係を示すタイムチャートである。図13において、横軸はエンジン100の燃焼サイクルの回数、縦軸は、NOセンサ98で検出したNO濃度と、不活性流体であるNガスの噴射の駆動信号のパルス幅を示している。図13において、検出したNO濃度が、図中の閾値を越えた場合には、Nガスの噴射の駆動信号のパルス幅を大きくし、Nガスの噴射量を増やすようにフィードバックする。このようなフィードバックを燃焼サイクル間で繰り返すことで、燃焼サイクル数Naでフィードバック制御による適合を完了する。
この様な構成にしても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第3、第4、および第5の実施形態)
第3、第4、および第5の実施形態では、第1の実施形態で説明した流体Bの不活性流体タンク7bに不活性流体を供給する供給装置の他の実施例を説明する。
第3の実施形態では、図14に示すように、流体BのNガスを貯留する不活性流体タンク7bと、高圧ポンプ6bとの間に、不活性流体タンク7bを予め高圧チャージするレギュレータなどの圧力調整装置4を設ける。図14は、第3の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。
第4の実施形態では、図15に示すように、空気からN2ガスを分離する分離装置9に代えて、排気ガスから二酸化炭素(CO)を分離する分離装置109とする。図15は、第4の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。なお、分離装置9は、CO分離のゲル膜等の透過膜109aを有しており、排気ガスから、透過膜109aによりCOガスを抽出するものである。
第5の実施形態では、第4の実施形態で説明した流体BのCOガスを貯留する不活性流体タンク7bと、高圧ポンプ6bとの間に、図16に示すように、不活性流体タンク7bを予め高圧チャージするレギュレータなどの圧力調整装置4を設ける。図14は、第3の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。
これら第3乃至第5の実施形態の様に構成しても、エンジン100の吸気ガスの吸気と同じ供給源である周囲大気もしくは排出ガスから、分離装置9によりNガスもしくはCOガスを分離抽出することができる。したがって、エンジン100の運転を継続しながら、噴射供給するためのNガスもしくはCOガスを効率的に貯留することが可能である。
(他の実施形態)
以上説明した本実施形態において、エンジン100の燃焼室106に吸気ガスとして吸入されるものを空気としたが、排気ガス還流装置(EGR)を有するエンジン100とし、そのEGRから供給された排出ガスの一部と空気を吸気ガスとして燃焼室106に導くものであってもよい。
なお、以上説明した第1および第2の実施形態おいて、NOセンサ98の代わりに、排気バルブ109の直後に、図示しない温度センサを設けて、排出ガス温度よりNO生成量
を予測することにより、不活性流体のNガスの噴射供給量(噴射量)を決定するように構成してもよい。
以上説明した本実施形態では、燃焼室に噴射する燃料と不活性流体を、液体と気体として説明したが、液体と気体の組合せに限らず、液体と液体、気体と気体の組合せとするように構成してもよい。
本発明の第1の実施形態の燃料噴射装置の構成を示す模式的断面図である。 図1の燃料噴射装置を適用する内燃機関を示す模式図である。 図1中の燃料噴射装置に係わる弁部の主要部を示す部分的断面図である。 図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルが閉弁し、外側ニードルが開弁している状態を示す部分断面図である。 図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルおよび外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。 図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルおよび外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。 図1中の弁部の開閉状態を説明する図であって、内側ニードルが開弁し、外側ニードルが閉弁している状態を示す部分断面図である。 図1中の駆動装置の一実施例を示す模式的断面図である。 図2中の内燃機関の燃焼サイクル過程と燃料流体と不活性流体の噴射タイミングとの関係を示すタイムチャートである。 燃料噴射装置に係わる弁部から噴射される燃料流体および不活性流体の噴霧の一実施例を示す模式図であって、図10(a)は着火時での噴霧状態、図10(b)は燃焼後半の噴霧状態を示す模式的断面図である。 燃焼室内の当量比と温度との関係を示すグラフである。 燃焼室内の当量比と温度との関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係わるタイミングチャートであって、NO濃度と不活性流体の噴射量との関係を示すタイムチャートである。 第3の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。 第4の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。 第5の実施形態に係わる不活性流体の供給装置を示す模式図である。
符号の説明
1 燃料噴射装置
2 燃料噴射弁
7a 燃料タンク
7b 不活性流体タンク
8 吸引ポンプ
9 分離装置
9a 透過膜
10 ノズル本体
11 ノズルボディ
12 弁座
15、16、17 燃料通路(第1流路)
18 燃料通路(第1流路)
30 第1噴孔
40 第2噴孔
50 第1ニードル(外側ニードル)
55a、55b 第1当接部
59 第1スプリング
60 第2ニードル(内側ニードル)
61 第2当接部
69 第2スプリング
70 背圧室(圧力制御室)
80 電磁弁(駆動装置)
90 ECU(制御手段)
98 NOセンサ
100 エンジン(内燃機関)
102 排気管(排気通路)
106 燃焼室
S1 第1シール部
S2 第2シール部
S3 第2シール部

Claims (10)

  1. 気筒の燃焼室へ燃焼に係わる流体を噴射供給する、第1噴孔および第2噴孔とが形成されるノズルボディと、
    前記第1噴孔よりの前記流体の噴射有無を、前記ノズルボディ内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える外側ニードルと、
    前記第2噴孔よりの前記流体の噴射有無を、前記外側ニードル内部への往復動可能な収容によるリフト動作により切換える内側ニードルと、
    燃焼に係わる二種類の前記流体を燃料流体とこの燃料流体の燃焼速度を調整する不活性な流体とし、これら二種類の流体は、気体、液体を問わないものとし、
    前記燃料流体と前記不活性流体を前記第1噴孔および前記第2噴孔の各噴孔に個別に導く流路を備えること特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記流路は、
    前記外側ニードルの外周と前記ノズルボディの内周との間の第1隙間で形成され、前記気体の流れる第1流路と、
    前記内側ニードルの外周と前記外側ニードルの内周との間の第2隙間で形成され、前記燃料の流れる第2流路と、
    前記外側ニードルの前記内周に収容され、前記第2流路と前記第1流路の連通を遮断可能な仕切り部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 外側ニードルは、前記第1噴孔の周縁全周をシートすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料噴射装置。
  4. 請求項1から請求項3に記載の燃料噴射装置は、前記燃焼室へ空気、もしくは空気と排気の一部を吸気ガスとして導くとともに、前記燃焼室に充填された前記吸気ガス内の局所に燃料流体および不活性流体を噴射供給される内燃機関に用いられ、
    前記内側ニードルおよび前記外側ニードルを独立的に駆動して前記燃料流体および前記不活性流体を前記燃焼室内に噴射させ、
    前記燃焼室内にて前記不活性流体噴射により生じる噴霧領域に前記燃料流体噴射により生じる燃料噴霧を混合させる噴射制御手段を備えていること特徴とする燃料噴射装置。
  5. 前記噴射制御手段は、前記燃焼室内へ前記燃料流体および前記不活性流体を噴射する噴射時期を、前記不活性流体の噴射開始後に前記燃料流体を前記不活性流体とオーバラップして噴射、あるいは前記不活性流体の噴射終了後に前記燃料流体の噴射開始とすることを特徴とする請求項4に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記噴射制御手段は、
    前記燃焼室内で生成される燃焼ガス中のNO生成量が、内燃機関の運転状態により予測される所定のNO生成量を越えているか否かに応じて、前記不活性流体の噴射量を調節することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記二種類の流体は、燃焼用の液体燃料と、燃焼速度調整用の窒素および二酸化炭素のうちのいずれかとし、
    前記窒素および前記二酸化炭素を大気および排気ガスのいずれかより分離する分離装置を備え、
    前記窒素および前記二酸化炭素は、前記分離装置により供給されることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記二種類の流体は、燃焼用の液体燃料と、燃焼速度調整用の窒素および二酸化炭素のうちのいずれかとし、
    前記窒素および前記二酸化炭素を貯留するタンクを備え、
    前記窒素および前記二酸化炭素は、前記タンクにより供給されることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  9. 燃焼室へ空気、もしくは空気と排気の一部を吸気ガスとして導くとともに、前記燃焼室に充填された前記吸気ガス内に燃料流体および不活性流体を噴射供給される内燃機関に用いられ、
    前記燃料流体および前記不活性な流体を前記燃焼室内の吸気ガス内の局所に噴射させて、前記燃焼室内にて前記不活性流体噴射により生じる噴射領域に前記燃料流体の燃料噴射により生じる燃料噴霧を混合させる噴射手段を備えていること特徴とする燃料噴射装置。
  10. 前記噴射手段は、前記燃料流体と前記不活性流体とを個別の流入経路を有して噴射させる1つの燃料噴射弁を有していることを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102007028091A1 (de) * 2007-06-20 2008-12-24 Daimler Ag Kraftstoffversorgungssystem
JP2010144706A (ja) * 2008-12-22 2010-07-01 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ガスタービンシステム
WO2015014476A1 (de) * 2013-07-30 2015-02-05 L'orange Gmbh Dual-fuel-kraftstoffinjektor

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