JP2007132250A - 内燃機関用燃料噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関に気体燃料を噴射するものにおいて、燃焼室を形成するシリンダから逃げる燃焼熱を低減可能な内燃機関用燃料噴射装置を提供する。
【解決手段】燃焼室106に吸入空気を導くとともに、燃焼室106内に気体燃料を供給し、吸入空気と気体燃料が混合した混合気の燃焼により出力を得る内燃機関100に用いられ、断熱性を有する流体Bと気体燃料の流体Aとを燃焼室106内に独立的に噴射させる噴射手段2を備え、噴射手段2は、気体燃料の流体Aの噴射により生じる気体燃料噴霧の周縁を内部に囲むように、流体Bを、周縁と燃焼室106の内壁との間に向けて噴射する。
【選択図】図6

Description

本発明は、内燃機関用燃料噴射装置に関し、例えば内燃機関に水素燃料を噴射供給する燃料噴射装置に適用して好適なものである。
従来、例えば内燃機関の燃焼室に直接あるいは間接的に燃料噴射する燃料噴射装置が知られている(特許文献1等参照)。燃料噴射装置から供給される燃料は、吸気管あるいは燃焼室において空気と混合され、燃焼室内に可燃混合気を形成する。燃焼室内の可燃混合気はピストン運動により圧縮された後、点火装置により着火燃焼し、内燃機関の動力として利用されている。
特許文献1では、燃焼室を区画するピストンの上端面に、円筒状の凹部を設ける技術を開示している。この技術では、ピストンに円筒状の凹部を設けることにより、火炎がピストンに達するまでの時間を遅らせ、燃焼開始初期における火炎とピストンとの接触を低減し、ピストンからの冷却損失低減を狙うものである。
特開2001−159314公報
しかしながら、従来技術では、ピストンから逃げる熱を低減することができるが、燃焼室を区画するシリンダから逃げる熱を低減することはできない。
また、出願人は、燃焼室に気体燃料を噴射する気体噴射エンジンを検討している。気体燃料、例えば水素は、ガソリン等の液体燃料に比べて燃焼速度が極めて高い。このような水素などの気体燃料を燃焼室に噴射するものに、特許文献1の技術を適用したとしても、燃焼室内での冷却損失低減が不十分となる可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、内燃機関に気体燃料を噴射するものにおいて、燃焼室を形成するシリンダから逃げる燃焼熱を低減可能な内燃機関用燃料噴射装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を備える。
即ち、請求項1乃至9記載の発明では、燃焼室に吸入空気を導くとともに、燃焼室内に気体燃料を供給し、吸入空気と気体燃料が混合した混合気の燃焼により出力を得る内燃機関に用いられ、
断熱性を有する流体と気体燃料とを燃焼室内に独立的に噴射させる噴射手段を備え、
噴射手段は、気体燃料の噴射により生じる気体燃料噴霧の周縁を内部に囲むように、流体を、周縁と燃焼室の内壁との間に向けて噴射することを特徴とする。
これによると、水素などの気体燃料と断熱性を有する流体を燃焼室内に噴射する際に、この流体を、気体燃料の噴霧の周縁と、燃焼室内の内壁との間に向けて噴射することで、気体燃料の噴霧周縁を内部に囲むようにする噴射手段を備えている。これにより、気体燃料の噴霧と吸入空気が混合する噴霧周縁に着火する火炎と、燃焼室のシリンダなどの内壁との間を、断熱性を有する流体で断熱することができる。
したがって、気体燃料噴霧に着火の火炎による燃焼熱のうち、シリンダなどの内壁へ逃げる熱を低減することができる。
特に、請求項2に記載の発明では、噴射手段は、気体燃料と流体とを個別の流入経路を有して噴射させる1つの流体噴射弁であって、
流体噴射弁は、気体燃料を噴射するための第1噴孔、および流体を噴射するための第2噴孔を有するノズルボディと、ノズルボディ内に往復運動可能に収容され、第1噴孔よりの気体燃料の噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第1ニードルと、ノズルボディ内に第1ニードルと内外に二重配置され、かつ往復運動可能に収容される、第2噴孔よりの流体の噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第2ニードルと、第1ニードルおよび第2ニードルの各リフト動作を独立的に駆動可能な駆動部とを備えていることを特徴とする。
これによると、噴射手段は、気体燃料と流体とを個別の流入経路を有して噴射させる1つの流体噴射弁で構成され、内外二重配置された第1ニードルおよび第2ニードルの各リフト動作により気体燃料の噴射および噴射停止する第1噴孔と、流体の噴射および噴射停止する第2噴孔とが同じノズルボディに設けられているので、流体の噴射方向を、気体燃料の噴霧周縁と、燃焼室内の内壁との間に向けて精度よく噴射させられる。
また、請求項3に記載の発明では、噴射手段は、燃焼室へ気体燃料および流体を噴射する噴射過程において、流体を先に噴射した後に、気体燃料を後噴射することを特徴とする。
これによると、噴射手段は、内燃機関の運転状態が燃料噴射量の比較的少ない低負荷状態の場合において、流体を先に噴射した後に、気体燃料を後噴射することが好ましい。これにより、気体燃料による混合気が希薄化され過ぎるのを阻止することができるので、燃焼熱が燃焼室の内壁へ逃げるのを低減し熱効率の向上を図るのに加えて、火炎の熱発生率のピーク値を高めて熱効率を更に高効率にすることが可能である。
また、請求項4に記載の発明では、噴射手段は、燃焼室へ気体燃料および流体を噴射する噴射過程において、気体燃料を先に噴射した後に、流体を後噴射することを特徴とする。
これによると、噴射手段は、内燃機関の運転状態が燃料噴射量の比較的多い高負荷状態の場合において、気体燃料を先に噴射した後に、流体を後噴射することが好ましい。これにより、気体燃料による混合気が局所的に過濃になるのを阻止することができる。
さらに、流体を後噴射するので、燃焼室内で流体が過度に拡散するのを阻止することができ、火炎と燃焼室の内壁との間を流体で断熱する断熱効果を安定して確保することが可能である。
また、請求項5に記載の発明では、噴射手段は、気体燃料を噴射する第1噴射期間と、流体を噴射する第2噴射期間とを重複させていることを特徴とする。
これにより、気体燃料および流体のいずれか一方の噴射開始から全て噴射終了する総噴射期間を短くすることができるので、例えば点火装置による混合気を着火する着火時期の調整自由度の向上が図れる。
また、請求項6に記載の発明では、流体は、助燃性を有する加圧空気であることを特徴とする。
これによると、流体は助燃性を有する加圧空気であることが好ましい。これにより、断熱性を有する水等の液体に比べて気化潜熱により燃焼室内の熱エネルギーを奪うことない。また、入手容易な空気を利用するため、特別な気体を貯留する加圧タンクを設ける必要がなく、燃料噴射装置の構成の簡素化が図れる。
また、請求項7に記載の発明では、流体は、不活性ガスであることを特徴とする。
これによると、流体は窒素(N)やアルゴン(Ar)などの不活性ガスであるので、燃焼しないため、火炎と燃焼室の内壁との間を流体で確実に断熱することができる。
また、請求項8に記載の発明では、気体燃料は、水素であることを特徴とする。
これによると、気体燃料は、ガソリン等の液体燃料に比べて燃焼速度が高いが、特に水素は燃焼速度が極めて高いため、水素噴霧による火炎と燃焼室の内壁を流体で断熱することは、いわゆる水素エンジンの熱効率を効果的に向上させることができる。
また、請求項9に記載の発明では、流体は、気体燃料より比重が大きいことを特徴とする。
これによると、例えば気体燃料に水素を用いる場合において、流体は、水素より比重が大きい例えば二酸化炭素(CO)であることが好ましい。これにより、燃焼室内へ噴射する流体の貫徹力を、水素の貫徹力より大きくすることができるので、水素噴霧の周縁を内部に囲むように、流体を噴射させることが容易となる。
以下、本発明の燃料噴射装置を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の内燃機関用燃料噴射装置を適用する内燃機関の全体構成を示す模式的断面図である。図2は、図1中の燃料噴射装置の一実施例を示す模式的断面図である。図3は、図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、燃焼室に吸入空気を導入する吸気行程を示す断面図である。図4は、図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、圧縮行程を示す断面図である。図5は、図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、圧縮行程を示す断面図である。図6は、図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、燃焼(爆発)行程を示す断面図である。
図7は、図2中の流体噴射弁に係わるノズル本体の先端部の構成を示す部分断面図である。図8は、図2中のノズル本体の先端部の開閉状態を説明する図であって、内外二重配置された第1ニードルと第2ニードルのうち、第1ニードルが開弁している状態を示す部分断面図である。図9は、図2中の第1ニードルをリフト動作させるための駆動部の一実施例を示す模式的断面図である。図10は、図2中のノズル本体の先端部の開閉状態を説明する図であって、内外二重配置された第1ニードルと第2ニードルのうち、第2ニードルが開弁している状態を示す部分断面図である。図11は、図2中の第2ニードルをリフト動作させるための駆動部の一実施例を示す模式的断面図である。
図2に示す内燃機関用燃料噴射装置(以下、燃料噴射装置)1は、図1に示すように、気体燃料(本実施例では、水素)の噴射供給により動力を得る内燃機関、特に水素エンジンに用いられ、例えば多気筒(例えば4気筒)の水素エンジン(以下、エンジンと呼ぶ)100に用いられるものである。
エンジン100は、各気筒に燃焼室106と、ピストン104と、点火装置105と、流体噴射弁2とを備える周知の内燃機関である。なお、図1では、図面作成上、4気筒のうちの1気筒のみを示している。
燃焼室106は、ピストン104の上端面104cと、ピストン104の往復移動可能に保持するシリンダ101の内壁と、シリンダヘッド102の天井内壁とで区画されており、ピストン104の往復移動により容積が増減する。ピストン104の上端面104cは、図1に示すように、流体噴射弁の水素噴射方向に向かって遠ざかるように凹状の段差部を有する段差面を有している。なお、上端面104cは、凹状の段差部を有する段差面に限らず、略平坦面であってもよい。
燃焼室106は、吸気弁107を介して図示しない吸気管に接続し、吸入空気等の吸気が導かれる。また、燃焼室106は、排気弁109を介して図示しない排気管に接続し、燃焼ガスなどの排気(以下、排気)を排出する。詳しくは、シリンダヘッド102は、吸気管に接続し、吸気を燃焼室106へ導く吸気ポート102iと、排気管に接続し、燃焼室106から排気を排出する排気ポート102eとを備えている。なお、吸気ポート102iと吸気管は、燃焼室106へ吸気を導く吸気通路を構成する。排気ポート102eと排気管112は、燃焼室106から排気を排出する排気通路を構成する。
吸気弁107は、吸気ポート102iに導かれた吸気の燃焼室106への流れを遮断および許容する。なお、詳しくは、図1および図3に示すように、吸気弁107は、例えば図示しない吸気カムシャフトにより往復軸移動する軸部と、軸部に固定され、吸気ポート102iの内壁のシート部に着座および離座するフェイス部とを有しており、吸気弁107の軸移動するリフト量に応じて、シート部とフェイス部の間に所定の隙間Lが形成される。
また、排気弁109は、燃焼室106から排気通路への燃焼ガスの流れを遮断および許容する。吸気バルブ107、吸気カムシャフト、排気バルブ109、および排気カムシャフトは、周知構造の駆動弁装置であればいずれの構造であってもよい。駆動弁装置は、例えばエンジン100の吸気行程において吸気バルブ107を開弁し、排気バルブ109を閉弁する。また、圧縮行程および燃焼(爆発)行程では、吸気バルブ107および排気バルブ109を閉弁する。なお、吸気バルブ107および排気バルブ109は、1気筒に各2つ配置されるものでも、各1つ配置されるものであってもよい。
点火装置105は、点火対象の可燃混合気もしくは燃料(水素噴霧)に点火するための装置であって、例えば点火プラグ等の点火栓からなる。点火栓は、例えばシリンダヘッド102の天井内壁の中央に配置されている。
流体噴射弁2は、図1に示すように、気筒上面角部、例えば筒内上面としてのシリンダヘッド102の天井内壁の中央に配置されている。流体噴射弁2と点火装置105は近傍に配置される。なお、エンジン100の気筒への流体噴射弁2の搭載位置は、シリンダヘッド102の天井内壁の中央に配置されるものに限らず、シリンダヘッド102の天井内壁(例えば吸気ポート102i側)の角部等の気筒上面角部に配置されるものであってもよい。なお、この場合、流体噴射弁2の主燃料(流体A)の噴射方向に、点火装置105の火花放電部(図示せず)が配置されるように、燃料噴射弁2と点火装置105を配置するものであればよい。なお、主燃料(流体A)の貫徹力は、主燃料(流体A)の噴霧もしくはこれと吸入空気の混合した混合気が火花放電部の近傍に到達するように設定される。
なお、エンジン100の排気管内に、排気管に排出された燃焼ガスの有害成分(NOx)を酸化もしくは還元反応させて無害化する触媒部(図示せず)を設けているものであってもよい。なお、以下本実施形態では、NO、NO、NOxガスの総称として、以降文にてNOガスと呼ぶ。
燃料噴射装置1は、図1に示すように、二種類の流体A、Bを噴射する流体噴射弁2と、流体噴射弁2に供給する加圧された高圧流体A、Bを蓄圧する蓄圧装置としてのコモンレール5と、コモンレール5に加圧される流体A、Bを供給する高圧ポンプ6と、制御手段としての制御装置(以下、ECU90と呼ぶ)とを備えている。
二種類の流体A、Bは、一方を気体燃料、他方を断熱性を有する流体の組合せとし、流体については液体、気体のいずれであってもよい。流体Aおよび流体Bは、それぞれ流体タンク7a、7bに貯留されている。
なお、以下の本実施形態では、流体Aは水素(H)ガスとし、流体Bは、助燃性を有する加圧空気として説明する。また、流体Bが加圧空気の場合は、流体タンク7aに貯留した加圧空気を用いる場合に限らず、エンジン100の駆動力で駆動されるコンプレサなどの空気圧縮装置を用いてもよい。以下、空気圧縮装置を用いる加圧空気である場合であっても、説明の便宜上、流体タンク7aに貯留された加圧空気として説明する。
流体噴射弁2は、図2に示すように、略円筒形状であり、図示しない流体導入部(図中の流体流入を示す矢印方向)から流体A、Bを受け、内部に個別に形成された流体A用の流体通路23、および流体B用の流体通路123を経由して先端から流体A、Bを噴射する。
流体噴射弁2は、流体A、Bの噴射を遮断および許容する弁部としてのノズル本体10と、ノズル本体10を独立的に駆動する駆動装置80、180(図9、11参照)とを備えており、流体導入部から流体通路内に流入した流体A、Bをノズル本体10の先端からエンジン100の気筒(詳しくは燃焼室106)に噴射する。なお、高圧流体A、Bは、別個の流体経路としての高圧ポンプ6a、6bから流体配管を通ってコモンレール5a、5Bに供給される。コモンレール5a、5Bに供給された高圧流体A、Bは、コモンレール5a、5b内で一定の高圧に蓄圧され、流体配管を通って各気筒に配置された流体噴射弁2の流体導入部に導入される。導入された流体のうち余剰流体は図示しない流体出口部(図9、11中の流体リターンを示す矢印方向)を経由して流体タンク7a、7bへ戻される。なお、高圧ポンプ6a、6bは、エンジンの回転数、負荷、吸入燃料圧力、吸入空気量、冷却水の温度等に従って流体A、Bの吐出圧を調整するように設けられている。
なお詳しくは、図2に示すように、流体Aが、第1流体タンク7a、第1高圧ポンプ6a、第1コモンレール5aの流体経路の順で上記内部流体通路23に供給される。一方、流体Bが、第2流体タンク7b、第2高圧ポンプ6b、第2コモンレール5bの流体経路の順で上記内部流体通路123に供給される。
また、駆動装置80、180は、第1ニードル50および第2ニードル60を独立的に駆動可能なものであればよく、図9、11に示す周知の電磁弁などの電磁駆動部の構造に限らず、圧電素子等の通電により伸縮する駆動部材であってもよい。なお、以下の実施形態で説明する駆動装置80、180は、電磁弁とする。なお、第1電磁弁80(図9参照)と第2電磁弁180(図11参照)の構成はほぼ同じであるため、第1電磁弁80で説明する。第1電磁弁80は、図9に示すように、圧力制御室70と流体低圧側の流体タンク7aとの連通の流通および遮断をする第1弁体81と、第1弁体81を磁気吸引力する第1ソレノイド82と、第1弁体81を反吸引力方向に付勢する第1ソレノイド用スプリング83とを備えている。
次に、流体噴射弁2の構成等の詳細について、図2、および図6から図11に従って説明する。
流体噴射弁1は、図2に示すように、各ニードル60、70を駆動する駆動部80、180を内蔵するニードル駆動機構部(以下、ノズルホルダ部)20と、ノズル本体(以下、燃料噴射ノズルとも呼ぶ)10とを含んで構成されている。ノズルホルダ部20とノズル本体10は、図示しない略円筒状のリテーニングナット等の締結部材により、互いに油密に固定されている。
ノズル本体10は、弁ボディとしてのノズルボディ11と、第1ニードル50と、第1ニードル50の外側に内外二重配置される第2ニードル150と、第1ニードル50を付勢する付勢部材(以下、第1スプリング)59と、第2ニードル150を付勢する第2スプリング159とを備えている。
ノズルボディ11は、略有底円筒状に形成されており、その内部に、第1ニードル50および第2ニードル150を軸方向に往復移動可能に収容する収容孔11aが設けられている。ノズルボディ11の先端部には、収容孔11aとノズルボディ11の外壁面とを内外に貫通する第1噴孔30、第2噴孔130が設けられている。
ノズルボディ11には、第2ニードル150の外周と収容孔11aの内周との間に流体通路14が形成されており、流体通路14は、第2噴孔130へ供給する高圧流体Bの流体流路を構成している。この流体通路14は、ノズルホルダ部20に形成されている流体通路123と連通しており、コモンレール7bからの高圧流体Bが供給されるようになっている。
ノズルボディ11の収容孔11aの先端部側には、図2および図7に示すように、第1ニードル50および第2ニードル150が着座および離座する共通の弁座13が形成されている。弁座13には、流体流れの下流側に向かって第2噴孔130、第1噴孔30の順で配置されており、第2ニードル150の当接部(以下、第2当接部)151が着座および離座するシール部(以下、第2弁座部)112と、第1ニードル50の第1当接部51が着座および離座するシール部(以下、第1弁座部)12とが設けられている。
第1弁座部12は、第2弁座部112の下流側に配置されている。第2噴孔130は、第2弁座部130と、シート部材160および第1弁座部30との間に挟まれ、弁座13に形成されている。また、第1噴孔30は、第1弁座部30の下流側の弁座13に形成されている。
シート部材160は、略筒状に形成されており、第1ニードル50の外周と、第2ニードル150の内周の間に挟まれて配置されている。このシート部材160は、図示しない付勢部材もしくはシート部材160の弾性力により弁座13に向けて常に押し付けられるように構成されている。これにより、シール部と弁座13は常時気密にシールされるため、第2噴孔130の入口部へ流入しようとする流体Bと、第2噴孔30の入口部へ流入しようとする流体Aとが気密に隔離される。
このように構成することにより、流体Aと流体Bの混合が防止される。したがって、第1ニードル50および第2ニードル150が独立して開弁する際に、流体Aの水素(H)ガスを第1噴孔30から、流体Bの加圧空気を第2噴孔130からと独立して噴き分けられる。
第2ニードル150は、図2に示すように、略中空円筒状に形成されており、第2噴孔130側とは反対の端部側に第2スプリング159が設けられている。第2ニードル150は、第2スプリング159の付勢力によって、常時、第2噴孔130のある方向に向かって付勢されている。以下、噴孔のある方向のことを噴孔方向と呼び、その反対方向を、反噴孔方向と呼ぶ。
なお、第2ニードル150の第2噴孔130側の端部には、流体通路14を介して高圧流体Bが導かれており、第2ニードル150の外周側には、図示しない円錐台面(以下、第2円錐台面が設けられ、高圧流体を受圧する受圧面(以下、第2受圧面)を構成している。
第2ニードル150の内側には、図2に示すように、略円柱状に形成された第1ニードル50が軸方向に往復移動可能に収容されている。第1ニードル50の反噴孔側には、第2スプリング159が設けられており、第1ニードル50は、常時、第2スプリング159の付勢力により噴孔方向に付勢されている。
また、図2および図6に示すように、第1ニードル50外周と第2ニードルの内周(詳しくは、シート部160の内周)との間に流体通路15が形成されており、流体通路15は、第1噴孔30へ供給する高圧流体Aの流体流路を構成している。この流体通路15は、ノズルホルダ部20に形成されている流体通路23と連通しており、コモンレール7aからの高圧流体Aが供給されるようになっている。
第1ニードル50の第1噴孔30側の端部には、流体通路15を介して高圧流体Aが導かれており、第1ニードル50の外周側には、図示しない第1受圧面が設けられている。
なお、ここで、第2当接部151と第2弁座部112は、第2当接部151が第2弁座部112に当接および離座することで、当接部71、72がシール部31、32に当接および離座することで、第2噴孔130の入口部への流体Bの流れを遮断および許容する。また、第1当接部51と第1弁座部12は、第1当接部51が第1弁座部12に当接および離座することで、第1噴孔30の入口部への流体Aの流れを遮断および許容する。第1ニードル50および第2ニードル150には、第1受圧面、第2受圧面に高圧流体が作用すると、それぞれ、第1ニードル50、第2ニードル150を反噴孔方向に押し上げる力が発生する。
また、図2に示すように、各ニードル50、150の反噴孔側には、ノズルホルダ部20内の壁面で周囲が囲まれる圧力制御室70、170が設けられている。圧力制御室41にも、図示しない流体通路を通ってコモンレールからの高圧流体が供給されるようになっている。
各ニードル50、159に対応する圧力制御室41内に発生する各流体圧力と、各スプリング50、150の付勢力とによる噴孔方向の力と、各流体通路15、14内の流体圧力による反噴孔方向の力との釣り合いによって、各ニードル50、150と各弁座部12、112との離着座が決定される。
詳しくは、第2ニードル150においては、噴孔方向の力が反噴孔方向の力よりも勝るときは、第2当接部151は第2弁座部112に着座し、第2噴孔130から流体Bは噴射されない。反対に、反噴孔方向の力が噴孔方向の力よりも勝るときは、第2当接部151は第2弁座部112から離座し、第2噴孔130から流体Bが噴射される。
また、第1ニードル50においては、噴孔方向の力が反噴孔方向の力よりも勝るときは、第1当接部51は第1弁座部12に着座し、第1噴孔30から流体Aは噴射されない。反対に、反噴孔方向の力が噴孔方向の力よりも勝るときは、第1当接部51は第1弁座部12から離座し、第1噴孔30から流体Aが噴射される。
これらの力の釣り合いを調整することにより、流体の噴射を制御することができる。詳しくは、これらの力の釣り合いを調整するには、圧力制御室70、170内の流体圧力を調整することによって達成することができる。圧力制御室70、170内の流体圧力の調整は、圧力制御室70、170と図示しない流体タンク7a、7bとを結ぶノズルホルダ部20内の流体通路途中に設けられる制御弁80、180によって行われる。
制御弁80、180は、ECU90からの指令により、その作動が制御され、開弁することにより、圧力制御室70、170内の流体を流体タンクに戻し、その圧力を低下させる。また、制御弁70、170を閉弁することにより、圧力制御室70、170内にコモンレールから供給される高圧流体を蓄圧する。
ECU90は、制御処理、演算処理を行うCPU、各種プログラムおよびデータを保存する記憶装置(ROMまたはEEPROM、RAMまたはスタンバイRAM等のメモリ)、入力回路、出力回路、電源回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータと、流体噴射弁2の電磁弁80、180へ駆動電流を印加する駆動回路(以下、流体噴射弁駆動回路)、高圧ポンプ6a、6bの流体吐出量を調節する吐出量調整装置(図示せず)へ駆動電流を印加するポンプ駆動回路(図示せず)などの駆動回路とを備えている。
そして、ECU90は、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)すると、メモリ内に格納されている制御プログラムおよび制御ロジックに基づいて、例えばコモンレール5a、5b内の流体圧力等が各々制御指令値となるようにフィードバック制御するように構成されている。
ECU90は、エンジン100の運転状態等に応じてエンジン100の制御(流体噴射弁2の噴射制御や点火装置105の点火制御を含む)を行なうものであり、運転状態を検出するために種々のセンサ類からの出力を受ける。ECU90に出力されるセンサ類の一例としては、図1に示されるように、吸気管2を流れる吸入空気量を検出するエアフローセンサ91、乗員が操作するアクセル開度を検出するスロットポジションセンサ92、エンジン回転速度を検出する回転センサ93、エンジン1の冷却水温度を検出する水温センサ94、コモンレール5a、5b内の流体圧力を検出する圧力センサ95、96等がある。
ECU90により実行される各種制御は、主な制御を表すと、流体噴射弁2の流体噴射制御、点火装置105の点火時期制御等がある。例えば、流体噴射制御では、エンジン100の運転状態に基づいて、流体噴射弁2より噴射する各流体A、Bの流体噴射量および噴射時期を算出し、これらの量および時期に従って流体噴射弁2の電磁弁80、180への通電(駆動信号)を制御する。
さらに、ECU90は、上記センサ類によって検出されたエンジンの運転状態に基づいて、各流体A、Bの目標流体噴射圧力をマップや計算式等から演算し、演算によって求めた目標流体噴射圧力が、各圧力センサ95、96で検出される実流体噴射圧力と一致するようにフィードバック制御するように構成されていることが好ましい。このように各流体A、Bにおける目標流体噴射圧力の設定することによって、燃焼室106内に噴射する各流体A、Bの流体噴霧の貫徹力が調節される。これにより、各流体A、Bは、燃焼室106へ噴射され、その噴射による生じる流体噴霧形状の大きさ(詳しくは、噴霧到達距離(ペネトレーション)等の流体噴霧特性を調節することができる。
なお、本実施形態では、図2に示すように、第1噴孔30と第2噴孔130は、第1噴孔30の軸30jと第2噴孔130の軸130jとが流体噴射の下流方向で交差しないように構成されていることが好ましい。これにより、流体Aの水素(H)ガスの噴射による着火前の水素噴霧JA(図4参照)と、流体Bの加圧空気の噴射による加圧空気噴霧JB(図5参照)を混合させないようにすることができる。
さらになお、本実施形態では、図2に示すように、第1噴孔30の噴射角θ1と第2第2噴孔130の噴射角θ2は、θ1<θ2の関係を満足していることが好ましい。噴射角は、噴孔と噴孔の軸同士の開き角を表すものである。これにより、燃料噴射弁2より燃焼室106内へ噴射するとき、第1噴孔30より噴射の流体Aを、ピストン104の上端面104c側に向けて噴射する(図4参照)ことができ、第2噴孔130より噴射の流体Bを、シリンダヘッド102の天井内壁もしくはシリンダ101の内壁に向けて噴射する(図5参照)ことができる。
次に、上述の構成を有する燃料噴射装置1の作動について以下説明する。なお、流体Aの水素(H)ガス、および流体Bの加圧空気を独立的に噴射する噴射機能を、流体噴射弁2の作動でまず説明し、次に、エンジン100の燃焼室106内への流体Aおよび流体Bの噴射方法について説明する。
まず、流体噴射弁2の作動を、図2、図7、図8、および図10に従って説明する。
(流体噴射弁2の噴射停止時)
図7に示される流体噴射弁2の噴射停止時には、コモンレール5a、5b内に蓄積された比較的高圧の流体(気体燃料)A、流体Bは、それぞれ、ノズルホルダ部20内の流体通路23、123より導入され、流体通路23に流入する流体Aは、圧力制御室70、流体通路15に供給される。また、流体通路123に流入する流体Bは、圧力制御室170、流体通路14に供給される。
このとき、第1電磁弁80の第1ソレノイド82へ駆動電流が供給されていないので、第1弁体81は第1ソレノイド用スプリング83の付勢力により弁座に着座され、リターン流体通路29を遮断している。供給された流体Aは、第1圧力制御室70内にとどまるので、圧力制御室70および流体通路15の燃料圧力は、ほぼ等しくなっている。第1スプリング59の第1ニードル50を第1弁座部12に押し付けようとする付勢力によって、第1ニードル50に発生する噴孔方向の力が勝ることとなり、第1当接部51が第1弁座部12に着座されるので、流体通路15内の流体Aの水素(H)ガスが、第1噴孔30より噴射されることはない。
また、このとき、第2電磁弁180の第2ソレノイド182へ駆動電流が供給されていないので、第2弁体181は第2ソレノイド用スプリング183の付勢力により弁座に着座され、リターン流体通路129を遮断している。供給された流体Bは、第2圧力制御室170内にとどまるので、圧力制御室170および流体通路14の燃料圧力は、ほぼ等しくなっている。第2スプリング159の第2ニードル150を第2弁座部112に押し付けようとする付勢力によって、第2ニードル50に発生する噴孔方向の力が勝ることとなり、第2当接部151が第2弁座部112に着座されるので、流体通路14内の流体Bの加圧空気が、第2噴孔130より噴射されることはない。
(第1噴孔30の開時)
図8に示される流体噴射弁2の第1噴孔30の開時には、第1電磁弁80の第1ソレノイド82に駆動電流が供給される。駆動電流が供給されると、第1弁体81は、第1ソレノイド82に発生する磁気吸引力によってリフトされ、リターン流体通路29が開放される。リターン流体通路29が開放されると、第1圧力制御室70内の流体圧力が徐々に低下する。徐々に低下する第1圧力制御室70内の流体圧力が第1ニードル50の開弁圧まで低下すると、第1ニードル50に発生する反噴孔方向の力が勝り、第1当接部51が第1弁座部12から離座するので、流体通路15内の流体Aの水素(H)ガスが第1噴孔30の入口部に流入し、水素(H)ガスが第1噴孔30より噴射される。
(第2噴孔130の開時)
図10に示される流体噴射弁2の第2噴孔130の開時には、図11に示される第2電磁弁180の第2ソレノイド182に駆動電流が供給される。駆動電流が供給されると、第2弁体181は、第2ソレノイド182に発生する磁気吸引力によってリフトされ、リターン流体通路129が開放される。リターン流体通路129が開放されると、第2圧力制御室170内の流体圧力が徐々に低下する。徐々に低下する第2圧力制御室170内の流体圧力が第2ニードル150の開弁圧まで低下すると、第2ニードル150に発生する反噴孔方向の力が勝り、第2当接部151が第2弁座部112から離座するので、流体通路14内の流体Bの加圧空気が第1噴孔30の入口部に流入し、加圧空気が第2噴孔130より噴射される。
(各噴孔30、130の閉時)
エンジン100の運転状態に応じた第1噴孔30における所定の開時間が経過すると、第1ソレノイド82に駆動電流の供給が停止される。その駆動電流供給が停止されると、第1ソレノイド82の磁気吸引力が失われ、第1弁体81は、リターン流体通路29を遮断する。遮断すると、第1圧力制御室70より下流への流体Aの流出が停止されるので、第1圧力制御室70内の流体圧力が再び上昇し始める。第1圧力制御室70内の流体圧力が第1ニードル50の閉弁圧まで上昇すると、第1ニードル50に発生する反噴孔方向の力に対して噴孔方向の力が勝るようになり、第1ニードル50のリフトが低下し、第1当接部51が第1弁座部12に着座するようになる。これにより、第1噴孔30よりの水素(H)ガスの噴射が停止される。
また、同様にエンジン100の運転状態に応じた第2噴孔130における所定の開時間が経過すると、第2ソレノイド182に駆動電流の供給が停止される。その駆動電流供給が停止されると、第2ソレノイド182の磁気吸引力が失われ、第2弁体181は、リターン流体通路129を遮断する。遮断すると、第2圧力制御室170より下流への流体Bの流出が停止されるので、第2圧力制御室170内の流体圧力が再び上昇し始める。第2圧力制御室170内の流体圧力が第2ニードル150の閉弁圧まで上昇すると、第2ニードル150に発生する反噴孔方向の力に対して噴孔方向の力が勝るようになり、第2ニードル150のリフトが低下し、第2当接部151が第2弁座部112に着座するようになる。これにより、第2噴孔130よりの加圧空気の噴射が停止される。
次に、エンジン100の燃焼室106内への流体Aおよび流体Bの噴射方法については図3から図6に従って説明する。なお、図3から図6において、エンジン100の燃焼サイクルの過程と流体A、流体Bの噴射の関係を示しており、図3はエンジン100の吸入行程において流体噴射弁2よりの両流体A、Bが噴射していない状態、図4は圧縮行程の前期側において流体Aが噴射している状態、図5は圧縮行程の後期側において流体Bが噴射している状態、および図5は燃焼(爆発)行程において噴射された流体Aの噴霧による火炎と、燃焼室の内壁との間に流体Bの噴霧が挟み込まれている状態を示している。
(エンジン100の吸気行程)
図3に示す吸入行程では、燃焼室106内のピストン104が下死点に向かって下降する。吸気弁107が開弁し、吸入ポート102iより導入された吸入空気が吸気弁107のフェイス部とシート部との隙間Lから燃焼室106へ流入する。燃焼室106内に流入する吸入空気の流れは、例えば図3中の矢印方向にタンブル流を形成する。
このとき、燃料噴射弁2より流体Aおよび流体Bは噴射されていない。
(エンジン100の圧縮行程)
図4および図5に示す圧縮行程では、ピストン106が下死点に到達し、上昇し始めると、吸気弁107を開弁する。このとき、吸気弁107および排気弁109は閉弁しており、ピストン106の上昇により燃焼室106の容積が小さくなり、燃焼室106内に流れ込んだ吸入空気が断熱圧縮され、燃焼室106内の圧力および温度が上昇する。
次に、図4に示す圧縮行程の前期側において、ECU90は、燃料噴射弁2へ流体Aに係わる駆動電流を供給し、燃料噴射弁2のノズル本体10の第1ニードル50を開弁させ、第1噴孔30より流体Aの水素(H)ガスを噴射する。噴射された流体Aの水素(H)ガスは、燃焼室106内で拡散され、吸入空気と混合する。
流体Aの水素(H)ガスの噴射時期は、吸気弁107を閉じた後、比較的早期に噴射開始することが好ましい。具体的には、噴射時期を、−160°ATDC〜−80°ATDCの範囲で設定することが好ましい。これにより、流体Aの水素(H)ガスと吸入空気を十分に混合させられる。
燃料噴射弁2への流体Aに係わる電流供給は、所定の流体Aの噴射量に相当する所定の開弁期間行なわれ、その所定開弁期間が経過すると、電流供給が停止されて流体Aの水素(H)ガスの噴射が終了する。
さらに、ピストン104が上昇し、図5の圧縮行程の後期側に示すように、ピストン104が次第に上死点に近づく。この圧縮行程の後期側において、第1流体の噴射終了後、ECU90は、燃料噴射弁2へ流体Bに係わる駆動電流を供給し、燃料噴射弁2の第2ニードル150を開弁させ、第2噴孔130より流体Bの加圧空気を噴射する。
このとき、第2噴孔130より噴射される流体Bの噴射方向は、シリンダヘッド102の天井内壁面に向けて噴射される。詳しくは、流体Bが、シリンダヘッド102の天井内壁面と、先に噴射した流体Aの水素(H)ガスの噴霧JAの周縁との間に、噴射されるように、天井内壁面に沿って流体Bを噴射する。
流体Bの加圧空気の噴射時期としては、−80°ATDC〜TDCの範囲に設定されていることが好ましい。
燃料噴射弁2への流体Bに係わる電流供給は、所定の流体Bの噴射量に相当する所定の開弁期間行なわれ、その所定開弁期間が経過すると、電流供給が停止されて流体Bの加圧空気の噴射が終了する。
(エンジン100の燃焼(爆発)行程)
図6に示す燃焼(爆発)行程では、ピストン104が上死点に達すると、第2流体Bの噴射直後に、ECU90は、点火装置105を駆動制御し、流体Aの水素(H)ガスと吸入空気の混合気に点火する。混合気に点火すると、点火装置105の火花放電部の近傍を中心に、流体Aの水素(H)ガスもしくは混合気による火炎が燃焼室106内全域に火炎伝播していく。
このとき、図6に示すように、燃焼室106内の内壁のシリンダヘッド102の天井内壁の近傍やシリンダ101の内壁の近傍には、点火の直前に噴射した流体Bの加圧空気が残っている。これにより、火炎の伝播する燃焼室106内で容積空間を少なくする。火炎が、シリンダヘッド102の天井内壁の近傍やシリンダ101の内壁等の燃焼室106内壁へ接触しにくくする。
さらに、火炎とこれら燃焼室106内の内壁との間を、流体Bの加圧空気で断熱するので、火炎の燃焼熱が、シリンダヘッド102の天井内壁の近傍やシリンダ101の内壁等の燃焼室106内壁へ伝達されにくくできる。
その結果、火炎の熱が、シリンダヘッド102の天井内壁の近傍やシリンダ101の内壁等の燃焼室106内壁から燃焼室106外へ逃げるのを低減でき、冷却損失が低減できる。したがって、流体Aの水素(H)を主燃料とするいわゆる水素エンジン100の熱効率が向上する。
なお、ここで、従来の水素エンジンでの流体噴射装置を説明する。図14に示される従来の燃料噴射装置では、流体噴射弁902より噴射される流体は、主燃料の流体A(水素ガス)のみである。このため、燃料噴射弁902より水素ガスを噴射すると、水素噴霧は、吸入空気と混合して混合気を形成しながら燃焼室106内の全体に拡散していく。例えピストン104の上端面104cを、凹状の段差部を有する段差面としたとしても、燃焼室106の内壁を構成するシリンダヘッドの天井内壁やシリンダ101の内壁から、火炎の熱が逃げてしまうおそれがある。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、本実施形態では、断熱性を有する流体B(加圧空気)と、流体Aの気体燃料(水素ガス)とを燃焼室106内に独立的に噴射させる噴射手段としての流体噴射弁2を備えており、流体噴射弁2は、流体Aの噴射により生じる水素噴霧JAの周縁もしくはその水素噴霧と吸入空気との混合気の周縁を内部に囲むように、流体Bを、水素噴霧JAの周縁と燃焼室106の内壁との間に向けて噴射するように構成されている。
これによると、水素などの気体燃料の流体Aと、加圧空気などの断熱性を有する流体Bを燃焼室106内に噴射する際に、この流体Bを、気体燃料の噴霧JAの周縁と、燃焼室106内の内壁との間に向けて噴射することで、気体燃料の噴霧周縁を内部に囲むようにする燃料噴射弁2を備えている。これにより、気体燃料の噴霧JAと吸入空気が混合する噴霧周縁に着火する火炎と、燃焼室106のシリンダなどの内壁との間を、断熱性を有する流体Bで断熱することができる。
したがって、気体燃料噴霧JAに着火の火炎による燃焼熱のうち、シリンダなどの内壁の燃焼室106の内壁へ逃げる熱を低減することができる。
また、本実施形態では、上記噴射手段は、流体Aと流体Bとを個別の流入経路を有して噴射させる1つの流体噴射弁2であって、流体噴射弁2は、気体燃料である流体Aを噴射するための第1噴孔30、および流体Bを噴射するための第2噴孔130を有するノズルボディ11と、ノズルボディ11内に往復運動可能に収容され、第1噴孔30よりの流体Aの噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第1ニードル50と、ノズルボディ11内に第1ニードル50と内外に二重配置され、かつ往復運動可能に収容される、第2噴孔130よりの流体Bの噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第2ニードル150と、第1ニードル50および第2ニードル150の各リフト動作を独立的に駆動可能な駆動部80、180とを備えている。
これによると、上記噴射手段は、流体Aと流体Bとを個別の流入経路を有して噴射させる1つの流体噴射弁2で構成され、かつ内外二重配置された第1ニードル50および第2ニードル150の各リフト動作により流体Aの噴射および噴射停止する第1噴孔30と、流体Bの噴射および噴射停止する第2噴孔130とが同じノズルボディ11に設けられているので、流体Bの噴射方向を、流体Bの噴霧周縁と、燃焼室106内の内壁との間に向けて精度よく噴射させられる。
また、本実施形態では、燃料噴射弁2を有する燃料噴射装置1は、燃焼室106へ水素などの気体燃料である流体A、および断熱性を有する加圧空気などの流体Bを噴射する噴射過程において、流体Aを先に噴射した後に、流体Bを後噴射するように構成されている。
これによると、燃料噴射装置1は、内燃機関の運転状態が燃料噴射量の比較的多い高負荷状態の場合において、流体Aの気体燃料を先に噴射した後に、流体Bを後噴射することが好ましい。これにより、気体燃料による混合気が局所的に過濃になるのを阻止することができる。
さらに、流体Bを後噴射するので、燃焼室106内で流体Bが過度に拡散するのを阻止することができ、火炎と燃焼室106の内壁との間を流体Bで断熱する断熱効果を安定して確保することが可能である。
また、本実施形態では、断熱性を有する流体Bとして、助燃性を有する加圧空気を用いている。
これにより、流体Bは気体であるので、断熱性を有する水等の液体に比べて気化潜熱により燃焼室106内の熱エネルギーを奪うことない。また、入手容易な空気を利用しているので、特別な気体を貯留する加圧タンクを設ける必要がなく、燃料噴射装置1の構成の簡素化が図れる。
さらに、空気は助燃性を有するため、流体Bの加圧空気で、水素等の気体燃料噴霧JAと吸入空気が混合する噴霧周縁に着火する火炎を内部に囲うようになったとしても、内部での火炎の燃焼を阻害することはない。
さらになお、排気行程での排気弁109より燃焼室106内の排気が排出される過程において、流体Bが燃焼室106に残留したとしても、流体Bは空気であるため、吸入空気として利用できるので、エンジン100性能に影響を及ぼすことはない。
また、本実施形態では、エンジン100の主燃料として、気体燃料のうちの水素(H)ガスを使用している。
これによると、水素などの気体燃料は、ガソリン等の液体燃料に比べて燃焼速度が高いが、特に水素は燃焼速度が極めて高いため、水素噴霧による火炎と燃焼室106の内壁を流体Bで断熱することは、いわゆる水素エンジンの熱効率を効果的に向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第1の実施形態では、燃焼室106へ流体Aの水素ガス、および流体Bの加圧空気を噴射する噴射過程において、流体Aを先に噴射した後に、流体Bを後噴射するようにした。
これに対して第2の実施形態では、図12に示すように、流体Bを先に噴射した後に、流体Aを後噴射するように構成する。図12は、本実施形態の燃焼噴射装置に係わる噴射の過程を説明する図であって、内燃機関の燃焼サイクルの過程のうちの圧縮行程を示す断面図である。図13は、図12中の燃焼噴射装置の気体燃料の噴射タイミングと、内燃機関の熱発生率特性との関係を説明するグラフである。
一般に、エンジン100の運転状態が、軽負荷などの低負荷状態にある場合においては、エンジン100の主燃料である流体Aの水素ガスの噴射量が比較的少ないため、流体Aを例えば圧縮行程の前期などで早期噴射すると、流体Aの噴霧により生じる混合気が、燃焼室106内で希薄均一化する。このような混合気に点火装置105で点火した場合には、穏やかに燃焼するため、図13の破線特性に示すように熱発生率のピークが低くなる。熱発生率のピークが低くなると、ピストン104の仕事量が低下するため、熱効率が低下することになる。
これに対し、本実施形態では、図12に示すように、圧縮行程の後期に、流体Bの加圧空気を先に噴射し、流体Aの水素ガスを後噴射する。具体的には、圧縮行程の後期に、まず流体Bの加圧空気を噴射し、その流体Bの噴射最中に、主燃料である流体Aの水素を、流体Bの噴射方向より下側に向けて噴射する。そして、流体Aの噴射終了後に、点火装置105で流体Aの噴霧による混合気を点火する。
また、本実施形態では、図12に示すように、流体Aを噴射する噴射期間(以下、第1噴射期)と、流体Bを噴射する第2噴射期間とを重複させようにしている。
なお、流体Aの噴射時期は、流体Bの噴射途中に限らず、流体Bの噴射終了後であってもよい。
これにより、主燃料の流体Aを噴射してから、比較的短時間のうちに点火させるため、主燃料の流体の噴霧JAは、吸入空気と混合しにくく、混合気は、局所的に濃淡ができる。主燃料の水素ガスの濃度が濃い箇所では、燃焼が比較的早く進むため、図13の実線で示す熱発生率特性のように、高いピーク値を有する熱発生率が得ることができる。
また、主燃料の流体Aと、流体Bの噴射方向を異なる方向としているおり、かつ流体Bの噴射直後または流体Bの噴射最中に、流体Aを噴射するので、流体Bの断熱効果も確実に得られる。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、本実施形態では、燃料噴射弁2を有する燃料噴射装置1は、燃焼室106へ水素などの気体燃料である流体A、および断熱性を有する加圧空気などの流体Bを噴射する噴射過程において、流体Bを先に噴射した後に、主燃料の流体Aを後噴射するように構成されている。
これによると、燃料噴射装置1は、エンジン100の運転状態が低負荷状態の場合において、流体Bを先に噴射した後に、主燃料の流体Aを後噴射することが好ましい。これにより、流体Aの主燃料噴霧JAによる混合気が希薄化され過ぎるのを阻止することができるので、燃焼熱が燃焼室106の内壁へ逃げるのを低減し熱効率の向上を図るのに加えて、火炎の熱発生率のピーク値を高めて熱効率を更に高効率にすることが可能である。
また、本実施形態では、燃料噴射装置1は、流体Aを噴射する第1噴射期と、流体Bを噴射する第2噴射期間とを重複させている。
これにより、主燃料の流体Aの噴射量に応じて流体Aの噴射時期を調節することが可能である。したがって、流体Aおよび流体Bを独立的に噴射する燃料噴射装置1の噴射制御の自由度の向上が図れる。
(他の実施形態)
(1)以上説明した本実施形態において、エンジン100の主燃料に使用する流体Aを、水素ガスとして説明したが、主燃料としての流体Aは、水素ガスに限らず、CNG(圧縮天然ガス)などの気体燃料であってもよい。
(2)第2の実施形態では、エンジン100の運転状態が比較的低負荷な状態の場合において、燃料噴射装置1を、流体Aを噴射する第1噴射期と、流体Bを噴射する第2噴射期間とを重複させようにするように構成した。このような構成を、第1の実施形態で説明したエンジン100の運転状態が比較的高負荷な状態の場合に適用してもよい。
これにより、主燃料の流体Aの噴射量に応じて流体Aの噴射時期を調節することが可能であるので、したがって、流体Aおよび流体Bを独立的に噴射する噴射制御の自由度の向上が図れる。
さらに、流体Aおよび流体Bのいずれか一方の噴射開始から全て噴射終了する総噴射期間を短くすることができるので、流体の噴霧JAにより生じる混合気に着火する点火装置105の点火時期の調整自由度の向上が図れる。
(3)以上説明した本実施形態において、主燃料の流体Aと独立的に噴射される流体Bを、加圧空気として説明した。この流体Bは、助燃性を有する空気に限らず、窒素(N)ガスやアルゴン(Ar)などの不活性ガスであってもよく、断熱性を有する流体であればいずれでもよい。
なお、流体Bが不活性ガスの場合には、燃焼しないため、火炎と燃焼室の内壁との間を流体で確実に断熱することができる。
(4)なお、上記流体Bは、加圧空気に代えて、二酸化炭素(CO)などの比重量が比較的大きい気体とする(水素(H)<空気<二酸化炭素(CO))。
これにより、燃焼室106内へ噴射する流体Bの貫徹力を、水素の貫徹力より大きくすることができるので、水素噴霧JAの周縁を内部に囲むように、流体Bを噴射させることが容易となる。
本発明の第1の実施形態の燃料噴射装置を適用する内燃機関の全体構成を示す模式的断面図である。 図1中の燃料噴射装置の一実施例を示す模式的断面図である。 図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、燃焼室に吸入空気を導入する吸気行程を示す断面図である。 図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、圧縮行程を示す断面図である。 図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、圧縮行程を示す断面図である。 図1中の内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、燃焼(爆発)行程を示す断面図である。 図2中の燃料噴射弁に係わるノズル本体の先端部の構成を示す部分断面図である。 図2中のノズル本体の先端部の開閉状態を説明する図であって、内外二重配置された第1ニードルと第2ニードルのうち、第1ニードルが開弁している状態を示す部分断面図である。 図2中の第1ニードルをリフト動作させるための駆動部の一実施例を示す模式的断面図である。 図2中のノズル本体の先端部の開閉状態を説明する図であって、内外二重配置された第1ニードルと第2ニードルのうち、第2ニードルが開弁している状態を示す部分断面図である。 図2中の第2ニードルをリフト動作させるための駆動部の一実施例を示す模式的断面図である。 第2の実施形態の燃焼噴射装置に係わる噴射の過程を説明する図であって、内燃機関の燃焼サイクルの過程のうちの圧縮行程を示す断面図である。 図12中の燃焼噴射装置の気体燃料の噴射タイミングと、内燃機関の熱発生率特性との関係を説明するグラフである。 従来の燃料噴射装置を適用した内燃機関の燃焼サイクルの過程を説明する図であって、燃焼(爆発)行程を示す断面図である。
符号の説明
1 燃料噴射装置
2 燃料噴射弁(噴射手段)
7a 燃料タンク
7b 流体タンク
10 ノズル本体
11 ノズルボディ
11a 収容孔
12 第1弁座部(シール部)
14 第2流体通路
15 第1流体通路
20 ノズルホルダ部(ニードル駆動機構部)
30 第1噴孔
50 第1ニードル
51 第1当接部
80 第1電磁弁(駆動部、駆動装置)
82 第1ソレノイド
90 ECU(制御手段、制御装置)
100 エンジン(内燃機関)
101 シリンダ(内壁)
102 シリンダヘッド(内壁)
104 ピストン
105 点火装置
106 燃焼室
112 第2弁座部(シール部)
130 第2噴孔
150 第2ニードル
151 第2当接部
180 第2電磁弁(駆動部、駆動装置)
182 第2ソレノイド

Claims (9)

  1. 燃焼室に吸入空気を導くとともに、前記燃焼室内に気体燃料を供給し、前記吸入空気と前記気体燃料が混合した混合気の燃焼により出力を得る内燃機関に用いられ、
    断熱性を有する流体と前記気体燃料とを前記燃焼室内に独立的に噴射させる噴射手段を備え、
    前記噴射手段は、前記気体燃料の噴射により生じる気体燃料噴霧の周縁を内部に囲むように、前記流体を、前記周縁と前記燃焼室の内壁との間に向けて噴射することを特徴とする内燃機関用燃料噴射装置。
  2. 前記噴射手段は、前記気体燃料と前記流体とを個別の流入経路を有して噴射させる1つの流体噴射弁であって、
    前記流体噴射弁は、
    前記気体燃料を噴射するための第1噴孔、および前記流体を噴射するための第2噴孔を有するノズルボディと、
    前記ノズルボディ内に往復運動可能に収容され、前記第1噴孔よりの前記気体燃料の噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第1ニードルと、
    前記ノズルボディ内に前記第1ニードルと内外に二重配置され、かつ往復運動可能に収容される、前記第2噴孔よりの前記流体の噴射および噴射停止をリフト動作により切換える第2ニードルと、
    前記第1ニードルおよび前記第2ニードルの各リフト動作を独立的に駆動可能な駆動部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  3. 前記噴射手段は、前記燃焼室へ前記気体燃料および前記流体を噴射する噴射過程において、前記流体を先に噴射した後に、前記気体燃料を後噴射することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  4. 前記噴射手段は、前記燃焼室へ前記気体燃料および前記流体を噴射する噴射過程において、前記気体燃料を先に噴射した後に、前記流体を後噴射することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  5. 前記噴射手段は、前記気体燃料を噴射する第1噴射期間と、前記流体を噴射する第2噴射期間とを重複させていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  6. 前記流体は、助燃性を有する加圧空気であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  7. 前記流体は、不活性ガスであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  8. 前記気体燃料は、水素であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
  9. 前記流体は、前記気体燃料より比重が大きいことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の内燃機関用燃料噴射装置。
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