JP3752026B2 - アミド誘導体及びこれを含有する外用剤組成物 - Google Patents

アミド誘導体及びこれを含有する外用剤組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に角層のバリアー機能を根本的に改善する(正常なバリアー機能を維持し、バリアー機能の低下を回復させ補強する)効果を有し、かつ配合安定性に優れる新規なアミド誘導体及びこれを含有する外用剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
表皮、特に角層は、身体の最表層に存在する極薄の表皮由来成分であり、生体外からの種々の刺激や侵入を防御するばかりでなく、体内の成分や水分の損失、蒸散を防ぐ等の働きを有している。このような角層の保護効果、すなわちバリアー機能は、表皮生理機能の恒常性を司るのに重要である。
【0003】
このバリアー機能が、種々の内的原因、あるいは紫外線等の種々の外的原因により低下すると、皮膚に炎症を生じたり、肌荒れや老化を助長する等の様々なスキントラブルを起こす結果となる。そのため角層のバリアー機能の維持・補強は、人の健全な日常生活を行う上においても大変重要であることは言うまでもない。
【0004】
そこで、このような皮膚のトラブルの発生を防止あるいは改善するため、種々の天然由来成分や化学合成された成分を配合した皮膚外用剤が開発されてきたが、これらの皮膚外用剤は、皮膚表面に被膜を形成させることにより皮膚の保湿やバリアー機能を補う効果を得ようとするものが主であり、これらは、あくまでも一時的に皮膚表面に被膜を形成させることにより皮膚のバリアー機能を補填するにすぎず、本質的にバリアー機能を改善(維持・補強)させる効果は、充分には期待できないものであった。
【0005】
そこで、本出願人は、先に、皮膚のバリアー機能を本質的に改善する効果を有する皮膚外用剤として、下記一般式(2)
【0006】
【化6】
Figure 0003752026
【0007】
(式中、R12は炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R13は炭素数3〜39の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、R14は水素原子、炭素数10〜40の直鎖若しくは分岐鎖の飽和若しくは不飽和の炭化水素基又はアシル基を示す。)
で表わされるアミド誘導体を含有する皮膚外用剤(特開平2−306952号公報)、更に次の一般式(3)
【0008】
【化7】
Figure 0003752026
【0009】
(式中、R15は炭素数10〜40の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R16は炭素数1〜39の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、R17は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R18は水素原子、又は酸素原子を含有してもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖若しくは環構造を持つ炭化水素基を示す。)
で表わされるアミド誘導体を含有する皮膚外用剤(特開平7−70030号公報)を提案した。また、スコットらも、同様の構造を有するアミド誘導体を含有する化粧品組成物を提案している(特開平4−225907号及び特開平4−342553号公報)。
【0010】
これらのアミド誘導体は、角層に作用して本質的に皮膚のバリアー機能を改善する効果を有するものであるが、皮膚外用剤に配合する場合には、基剤に対する溶解性等の配合性及び配合安定性の点で必ずしも満足し得るものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、皮膚に適用することにより、角層のバリアー機能を本質的に改善(維持・補強)し、かつ皮膚外用剤に配合する場合に、肌荒れや炎症を予防・治療し、更には皮膚の老化を予防することができ、かつ低融点化、低結晶性化又は基剤に対する溶解性の向上等の改善により、配合性や配合安定性等が向上したアミド誘導体及びこれを含有する皮膚外用剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
斯かる実情に鑑み本発明者らは鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表わされる新規アミド誘導体及びこれを含有する外用剤組成物が上記目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
【0013】
すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0014】
【化8】
Figure 0003752026
【0015】
(式中、R1 は炭素数1〜40の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R2 は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R3 は水素原子、ヒドロキシル基、又はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を示し、R4 は炭素数1〜39の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、
【0016】
【化9】
Figure 0003752026
【0017】
(ここで、R6 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R7 は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環構造を持つ炭化水素基を示し、R8 及びR9 は同一又は異なって、水素原子、又は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖若しくは環構造を持つ炭化水素基を示すか、R8 及びR9 が一緒になって酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の二価の炭化水素基を形成してもよく、R10はカルボニル基、メチレン基又は単結合を示し、R11は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖、若しくは環構造を持つ炭化水素基又は水素原子を示し、R10が単結合のときはR11は水素原子である)
ただし、R5
【0018】
【化10】
Figure 0003752026
【0019】
で表わされるアミド誘導体を提供するものである。
また、本発明は当該アミド誘導体を含有する外用剤組成物を提供するものである。
【0020】
本発明のアミド誘導体は、角層のバリアー機能を本質的に改善(維持・補強)する効果を有し、かつ外用剤組成物に配合する場合に、融点や結晶性が低く、基剤に対する溶解性や安定性が良好で、基剤に安定・容易に配合可能である。従って、本発明のアミド誘導体を含有する外用剤組成物は、皮膚に適用することにより、角層のバリアー機能を本質的に改善し、皮膚炎症や肌荒れ等の改善・予防効果が得られるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明のアミド誘導体は、前記一般式(1)で表わされるものであるが、式中R1 で示される炭素数1〜40の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基は飽和でも不飽和でもよく、具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル、n−イコシル、n−ヘニコシル、n−ドコシル、n−トリコシル、n−テトラコシル、n−ペンタコシル、n−ヘキサコシル、n−ヘプタコシル、n−オクタコシル、n−ノナコシル、n−トリアコンチル、n−ヘントリアコンチル、n−ドトリアコンチル、n−トリトリアコンチル、n−テトラトリアコンチル、n−ペンタトリアコンチル、n−ヘキサトリアコンチル、n−ヘプタトリアコンチル、n−オクタトリアコンチル、n−ノナトリアコンチル、n−テトラコンチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘニコセニル、トコセニル、トリコセニル、テトラコセニル、ペンタコセニル、ヘキサコセニル、ヘプタコセニル、オクタコセニル、ノナコセニル、トリアコンテニル、ヘントリアコンテニル、ドトリアコンテニル、トリトリアコンテニル、テトラトリアコンテニル、ペンタトリアコンテニル、ヘキサトリアコンテニル、ヘプタトリアコンテニル、オクタトリアコンテニル、ノナトリアコンテニル、テトラコンテニル、イソステアリル、2−エチルヘキシル、2−ヘプチルウンデシル、9,12−オクタデカジエニル基等が挙げられる。
【0022】
1 としては、このうち炭素数1〜26の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が好ましく、炭素数4〜26の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基が更に好ましく;炭素数4〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基が特に好ましく;炭素数4〜18の直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基が殊更好ましく;具体的にはブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、メチル分岐イソステアリル及びドコサニル基等がより殊更好ましい。
なお、ここで、R1 としてメチル分岐イソステアリル基を用いる場合、ダイマー酸製造時の副生物であるイソステアリン酸を還元して製造されるイソステアリルアルコール由来のイソステアリル基を用いるのが好ましい。
【0023】
2 で示される炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、1−メチルエチレン、1−メチルトリメチレン、2−メチルトリメチレン、1,1−ジメチルエチレン、1−エチルエチレン、1−メチルテトラメチレン、2−エチルトリメチレン基等が挙げられる。R2 としては、このうち炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基が好ましく;メチレン、エチレン及びトリメチレン基が特に好ましい。
【0024】
また、R3 は水素原子、ヒドロキシル基、又はヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を示し、該アルコキシ基の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、1−メチルエトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−ヒドロキシエチルオキシ、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基等が挙げられる。このうち、R3 としては、水素原子、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、2−ヒドロキシエチルオキシ基、及び2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基が好ましく;水素原子、ヒドロキシル基、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、1−メチルエトキシ、2−エチルヘキシルオキシ、2−ヒドロキシエチルオキシ、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシ基が特に好ましい。
【0025】
4 の炭素数1〜39の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、イコサメチレン基、ヘニコサメチレン基、ドコサメチレン基、トリコサメチレン基、テトラコサメチレン基、ペンタコサメチレン基、ヘキサコサメチレン基、ヘプタコサメチレン基、オクタコサメチレン基、ノナコサメチレン基、ヘプタデカン−1,11−ジイル基、8−ヘプタデセン−1,11−ジイル基等が挙げられる。このうちR4 としては、直鎖かつ飽和の二価の炭化水素基が好ましく、特にその炭素数が5〜31のもの、具体的には、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘントリアコンタメチレン基が特に好ましい。
【0026】
【化11】
Figure 0003752026
【0027】
ここでR6 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示すが、この炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐鎖のプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキシニル基が挙げられる。R6 としては、水素原子が好ましい。
7 で示される酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環構造を持つ炭化水素基としては、ヒドロキシ基(−OH)、エーテル結合(−O−)、ケトン(−C(=O)−)、カルボキシル基(−COOH)及びカルボキレート結合(−COO−)の1種又は2種以上を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘントリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、n−トリトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル基、n−ペンタトリアコンチル基、n−ヘキサトリアコンチル基、n−ヘプタトリアコンチル基、n−オクタトリアコンチル基、n−ノナトリアコンチル基、n−テトラコンチル基、3−ヘプチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、8−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、メチル分岐イソヘプタデシル基、12−ペンタコシル基、シクロヘキシルエチル基、8−ヘプタデセニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基、コレステリル基、8−ヒドロキシオクチル基、11−ヒドロキシウンデシル基、14−ヒドロキシテトラデシル基、15−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−ジヒドロキシヘプタデシル基、11,12−ジヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、11−メトキシヘプタデシル基、11−エトキシヘプタデシル基、11−ベンジルオキシヘプタデシル基、11−メトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−エトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−ベンジルオキシ−8−ヘプタデセニル基、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)デシル基、8,9−(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12−ビス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12:14,15−トリス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、11,12−(イソプロピリデンジオキシ)−8−ヘプタデセニル基、8−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)オクチル基、8−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕オクチル基、10−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕デシル基、10−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕デシル基、14−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔ポリオキシプロピレン(5)〕テトラデシル基、8−〔6−(2−ヒドロキシエトキシ)ヘキシロキシ〕オクチル基、11−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル〕ウンデシル基、11−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシカルボニル〕ウンデシル基、11−アセトキシ−8−ヘプタデセニル基等の炭化水素基が挙げられる。このうち、R7 としては炭素数7〜25の分岐鎖又は環構造を有する飽和の炭化水素基又は次の式
【0028】
【化12】
Figure 0003752026
【0029】
〔式中、R7′は二重結合、水酸基及びエーテル結合から選ばれる1個又は2個以上を有する炭素数6〜15の炭化水素基を示し、nは7〜15の整数を示す〕で表わされる基が好ましく、特にメチル分岐イソヘプタデシル基、8−ヘプタデシル基、8−ヘプタデセニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基、11−ヒドロキシウンデシル基、14−ヒドロキシテトラデシル基、15−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−ジヒドロキシヘプタデシル基、11,12−ジヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、11−メトキシヘプタデシル基、11−エトキシヘプタデシル基、11−ベンジルオキシヘプタデシル基、11−メトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−ベンジルオキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12−ビス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12:14,15−トリス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、11,12−(イソプロピリデンジオキシ)−8−ヘプタデセニル基、8−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)オクチル基、8−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕オクチル基、10−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕デシル基、10−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕デシル基、14−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、8−〔6−(2−ヒドロキシエトキシ)ヘキシロキシ〕オクチル基、14−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔ポリオキシプロピレン(5)〕テトラデシル基等の基が好ましい。
なお、ここで、R7′としてメチル分岐イソヘプタデシル基を用いる場合、ダイマー酸製造時の副生物であるイソヘプタデシル酸を還元して製造されるイソヘプタデシルアルコール由来のイソヘプタデシル基を用いるのが好ましい。
【0030】
8 及びR9 は同一又は異なって、水素原子、又は酸素原子を含有してもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖若しくは環構造を持つ炭化水素基を示すか、R8 及びR9 が一緒になって酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の二価の炭化水素基を形成してもよいが、ここで、酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環構造を持つ炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシアルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキリデンジオキシ基、ポリオキシアルキレン基、アシル基、アシルオキシ基等が置換してもよい炭化水素基が挙げられる。当該炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イコシル、ドトリアコンチル、イソステアリル、2−エチルヘキシル、9−オクタデセニル、9,12−オクタデカジエニル、9,12,16−オクタデカトリエニル、コレステリル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、12−ヒドロキシオクタデシル、12−ヒドロキシ−9−オクタデセニル、9,10−ジヒドロキシオクタデシル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、12−メトキシオクタデシル、12−エトキシオクタデシル、12−ベンジロキシオタデシル、12−メトキシ−9−オクタデセニル、12−ベンジロキシ−9−オクタデセニル、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)オクタデシル、15−[ポリオキシプロピレン(5)]ペンタデシル、9−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)ノニル、3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ベンジル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜21のものがより好ましい。
【0031】
一方、R8 とR9 が一緒になって形成する酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の二価の炭化水素基としては、飽和でも不飽和でもよく、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、アルケニルオキシ基、ヒドロキシアルケニルオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキリデンジオキシ基、ポリオキシアルキレン基、アシル基、アジオキシ基等が置換していてもよい二価の炭化水素基が挙げられるが、アルキレン基、アルケニレン基、アルキレン−O−アルキレン基又はアルケニレン−O−アルケニレン基がより好ましく、具体例としては、テトラメチレン、ペンタメチレン、3−オキソペンタメチレン基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜8のものがより好ましい。
【0032】
8 又はR9 のより好ましい具体例としては、水素原子、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、メチル分岐イソステアリル、2−エチルヘキシル、9−オクタデセニル、9,12−オクタデカジエニル、9,12,16−オクタデカトリエニル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、12−ヒドロキシオクタデシル、12−ヒドロキシ−9−オクタデセニル、9,10−ジヒドロキシオクタデシル、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、12−メトキシオクタデシル、12−エトキシオタデシル、12−ベンジロキシオクタデシル、12−メトキシ−9−オクタデセニル、12−ベンジロキシ−9−オクタデセニル、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)オクタデシル、15−[ポリオキシプロピレン(5)]ペンタデシル、9−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)ノニル、3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、フェニル、ベンジル基が挙げられる。
【0033】
10はカルボニル基、メチレン基又は単結合であり、R10が単結合のときはR11は水素原子である。R11で示される酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環構造を持つ炭化水素基としては、ヒドロキシ基(−OH)、エーテル結合(−O−)、ケトン(−C(=O)−)、カルボキシル基(−COOH)及びカルボキシレート結合(−COO−)の1種又は2種以上を有していてもよい炭化水素基が挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコシル基、n−ヘニコシル基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコシル基、n−ペンタコシル基、n−ヘキサコシル基、n−ヘプタコシル基、n−オクタコシル基、n−ノナコシル基、n−トリアコンチル基、n−ヘントリアコンチル基、n−ドトリアコンチル基、n−トリトリアコンチル基、n−テトラトリアコンチル基、n−ペンタトリアコンチル基、n−ヘキサトリアコンチル基、n−ヘプタトリアコンチル基、n−オクタトリアコンチル基、n−ノナトリアコンチル基、n−テトラコンチル基、3−ヘプチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、8−ヘプタデシル基、イソヘプタデシル基、メチル分岐イソヘプタデシル基、12−ペンタコシル基、シクロヘキシルエチル基、8−ヘプタデセニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基、コレステリル基、8−ヒドロキシオクチル基、11−ヒドロキシウンデシル基、14−ヒドロキシテトラデシル基、15−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−ジヒドロキシヘプタデシル基、11,12−ジヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、11−メトキシヘプタデシル基、11−エトキシヘプタデシル基、11−ベンジルオキシヘプタデシル基、11−メトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−エトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−ベンジルオキシ−8−ヘプタデセニル基、9,10−(イソプロピリデンジオキシ)デシル基、8,9−(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12−ビス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12:14,15−トリス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、11,12−(イソプロピリデンジオキシ)−8−ヘプタデセニル基、8−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)オクチル基、8−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕オクチル基、10−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕デシル基、10−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕デシル基、14−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔ポリオキシプロピレン(5)〕テトラデシル基、8−〔6−(2−ヒドロキシエトキシ)ヘキシロキシ〕オクチル基、11−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシカルボニル〕ウンデシル基、11−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシカルボニル〕ウンデシル基、11−アセトキシ−8−ヘプタデセニル基等の炭化水素基が挙げられる。このうち、R11としては炭素数7〜25の分岐鎖又は環構造を有する飽和の炭化水素基又は次の式
【0034】
【化13】
Figure 0003752026
【0035】
(式中、R11′は二重結合、水酸基及びエーテル結合から選ばれる1個又は2個以上を有する炭素数6〜15の炭化水素基を示し、mは7〜15の整数を示す)で表わされる基が好ましく、特にメチル分岐イソヘプタデシル基、8−ヘプタデシル基、8−ヘプタデセニル基、8,11−ヘプタデカジエニル基、8,11,14−ヘプタデカトリエニル基、11−ヒドロキシウンデシル基、14−ヒドロキシテトラデシル基、15−ヒドロキシペンタデシル基、11−ヒドロキシヘプタデシル基、11−ヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−ジヒドロキシヘプタデシル基、11,12−ジヒドロキシ−8−ヘプタデセニル基、11−メトキシヘプタデシル基、11−エトキシヘプタデシル基、11−ベンジルオキシヘプタデシル基、11−メトキシ−8−ヘプタデセニル基、11−ベンジルオキシ−8−ヘプタデセニル基、8,9−(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12−ビス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、8,9:11,12:14,15−トリス(イソプロピリデンジオキシ)ヘプタデシル基、11,12−(イソプロピリデンジオキシ)−8−ヘプタデセニル基、8−(6−ヒドロキシヘキシロキシ)オクチル基、8−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕オクチル基、10−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕デシル基、10−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕デシル基、14−〔2−(ヘキシロキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、8−〔6−(2−ヒドロキシエトキシ)ヘキシロキシ〕オクチル基、14−〔2−(ブトキシ)エトキシ〕テトラデシル基、14−〔ポリオキシプロピレン(5)〕テトラデシル基等の基が好ましい。
【0036】
本発明のアミド誘導体において、最も好ましい化合物は、前記のR1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R7 、R8 、R9 、R10及びR11がそれぞれ上述の特に好ましい範囲の基である場合を組合わせた化合物である。
【0037】
本発明のアミド誘導体は、特に限定されるものではないが、例えば下記の反応式で示す方法により合成することができる。
【0038】
【化14】
Figure 0003752026
【0039】
〔式中、R1 〜R7 は前記と同じものを示し、R19及びR20は水素原子又は低級アルキル基を示す〕
すなわち、グリシジルエーテル(4)とアミン(5)とを反応させてアミノアルコール誘導体(6)を得る。一方アミノカルボン酸誘導体(7)とカルボン酸誘導体(8)又は酸クロリド(9)とを反応させてアミドカルボン酸誘導体(10)を得る。このようにして得られた化合物(6)と化合物(10)を脱水剤又は塩基触媒の存在下で反応させれば目的とするアミド誘導体(1−A)を得ることができる。
【0040】
詳細には、次の如くして製造すればよい。
アミノアルコール誘導体(6)は、グリシジルエーテル(4)とアミン(5)を、無溶媒で、あるいは水又はメタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、あるいはこれらの任意の混合溶媒中等において、室温〜150℃で反応させることにより得ることができる。
【0041】
一方、アミドカルボン酸誘導体(10)は、アミノカルボン酸誘導体(7)とカルボン酸誘導体(8)又は酸クロリド(9)とを無溶媒あるいはクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、あるいはこれらの任意の混合溶媒中等において、ピリジン、トリエチルアミン等の第三級アミン等の塩基又は酸又はジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤の存在下、若しくはこれらの無存在下、反応させることにより得ることができる。
【0042】
上記の如くして製造したアミノアルコール誘導体(6)とアミドカルボン酸誘導体(10)とをジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤の存在下で反応させるか、若しくは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート等の塩基性触媒の存在下、常圧〜0.01mmHgの減圧下に室温〜150℃で反応させることにより、本発明のアミド誘導体(1−A)を製造することができる。この際、塩基性触媒の使用量はアミノアルコール誘導体(6)に対して0.01〜0.2当量が好ましく、また反応により生じるアルコールを系外に除去しながら行うと、反応が速く進行するので好ましい。
【0043】
【化15】
Figure 0003752026
【0044】
〔式中、R1 〜R4 、R8 及びR9 は前記と同じものを示し、R21は水素原子又は低級アルキル基を示す。〕
すなわち、アミン(11)とジカルボン酸誘導体(12)とを脱水剤の存在下で反応させてカルボン酸誘導体(13)を得る(工程1)。前記の反応によって得られた化合物(6)と化合物(13)を脱水剤又は塩基触媒の存在下で反応させれば目的とするアミド誘導体(1−B)を得ることができる(工程2)。
【0045】
各工程における反応は次の通りである。
【0046】
工程1)
カルボン酸誘導体(13)は、アミン(11)とジカルボン酸誘導体(12)とを無溶媒あるいはクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、あるいはこれらの任意の混合溶媒中等において、ピリジン、トリエチルアミン等の第三級アミン等の塩基の存在下又は無存在下、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0047】
工程2)
前記の如くして製造したアミノアルコール誘導体(6)とカルボン酸誘導体(13)とをジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水剤の存在下で反応させるか、又は水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコラート等の塩基性触媒の存在下、常圧〜0.01mmHgの減圧下に室温〜150℃で反応させることにより、本発明のアミド誘導体(1−B)を製造することができる。この際、塩基性触媒の使用量はアミノアルコール誘導体(6)に対して0.01〜0.2当量が好ましく、また反応により生じるアルコールを系外に除去しながら行うと、反応が速く進行するので好ましい。
【0048】
また、アミン化合物(6)にジカルボン酸ジ低級アルキルエステル(R21OCO-R4-COOR21)を反応させることにより、R8 がR3-R2-であり、R9 がR1O-CH2CH(OH)CH2-である化合物を製造することができる。この反応は、通常のアミド化反応に従って行えばよい。
【0049】
【化16】
Figure 0003752026
【0050】
(式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は前記一般式(1)における場合と同じ意味を表わし、R22は炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
【0051】
すなわち、前記のアミン誘導体(6)に対して、塩基触媒の存在下でヒドロキシ脂肪酸低級アルキルエステル(14−C)又はヒドロキシ脂肪酸ラクトン(15)を作用させ、生成する低級アルコールを留去しつつ反応させることによりアミド誘導体(1−C)を製造することができる。
【0052】
【化17】
Figure 0003752026
【0053】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 及びR11は前記一般式(1)における場合と同じ意味を表わし、R22は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R23はメチル基、フェニル基又はp−トルイル基を示し、Xは塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。)
【0054】
すなわち、ヒドロキシ脂肪酸(14)若しくはヒドロキシ脂肪酸エステル(14−C)とアルキルハライド(16)若しくはスルホン酸アルキルエステル(17)とを塩基の存在下で反応させることによりエーテル化脂肪酸エステル(14−D)を得、これとアミン誘導体(6)とを塩基触媒存在下で作用させ、生成するアルコールを留去しつつ反応させることにより、アミド誘導体(1−D)を製造することができる。
【0055】
【化18】
Figure 0003752026
【0056】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R11及びR22は前記と同じ)
【0057】
すなわち、ヒドロキシ脂肪酸エステル(14−C)と脂肪酸(18)とを適当な脱水剤、〔例えば、
【0058】
【化19】
Figure 0003752026
【0059】
の存在下に縮合させてアシル脂肪酸エステル(14−E)とし、又は、ヒドロキシ脂肪酸エステル(14−C)にカルボン酸クロリド(19)を反応させてアシル脂肪酸エステル(14−E)とし、これと前記の方法で得られるアミン誘導体(6)とを塩基触媒存在下で作用させ、生成するアルコールを留去しつつ反応させることによりアミド誘導体(1−E)を製造することができる。
【0060】
このようにして得られる本発明のアミド誘導体(1)は、角層間の脂質膜に浸透し、角層のバリアー機能を改善(維持・補強)する効果を有するものである。
【0061】
本発明のアミド誘導体(1)は、公知の方法により精製することができる。アミド誘導体(1)を外用剤組成物に配合する場合、純度100%に精製した精製物でも、特に精製を行わずに中間体や反応副生成物を含んだ純度70〜100%の混合物でも、効果、性能に優れ、かつ安全性にも問題がない。また本発明化合物には水和物に代表わされる溶媒和物も含まれる。
【0062】
本発明の外用剤組成物は、通常外用剤に用いられる基剤(担体)に本発明のアミド誘導体(1)を含有させてなるもので、その使用形態は、薬用皮膚外用剤及び化粧料に大別される。
【0063】
薬用皮膚外用剤としては、例えば、薬効成分を含有する各種軟膏剤を挙げることができる。軟膏剤としては、油性基剤をベースとするもの、水中油型又は油中水型の乳化系基剤をベースとするもののいずれであってもよい。油性基剤としては、特に制限はなく、例えば植物油、動物油、合成油、脂肪酸及び天然又は合成のグリセライド等が挙げられる。薬効成分としては、特に制限はなく、例えば鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等を必要に応じて適宜使用することができる。
【0064】
また、化粧料として使用する場合は、必須成分である本発明のアミド誘導体(1)の他に、化粧料成分として一般に使用されている油分、界面活性剤、保湿剤、紫外線吸収剤、美白剤、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、増粘剤、色素類、香料等を任意に組合せて配合することができる。
【0065】
化粧料としては、種々の形態、例えば、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化粧料、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤、ヘアートニック、整髪料、ヘアリンス、ヘアトリートメント、養毛剤、育毛剤等の化粧料とすることができる。
【0066】
本発明の皮膚外用剤におけるアミド誘導体(1)の配合量は、特に制限されないが、通常、乳化型の皮膚外用剤の場合には、全組成の0.001〜50重量%(以下、単に%で示す)が好ましく、スクワラン等の液状炭化水素を基剤とする油性の皮膚外用剤の場合には、全組成の0.01〜50%が好ましく、いずれの場合も特に好ましくは0.5〜20%である。
【0067】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0068】
実施例1
一般式(1)において、R5
【0069】
【化20】
Figure 0003752026
【0070】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−a)の製造:
【0071】
【化21】
Figure 0003752026
【0072】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−a)の製造:
攪拌装置、滴下ロート、窒素導入管及び蒸留装置を備えた2リットルフラスコに、3−メトキシプロピルアミン(5−a)743.2g(8.34mol)及びエタノール150mlを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱攪拌しつつ、これにヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)165.9g(0.56mol)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間攪拌した後、エタノール及び過剰の3−メトキシプロピルアミンを減圧下に加熱留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(6−a)196.5gを得た(収率91%対ヘキサデシルグリシジルエーテル)。
【0073】
(2)9,10:12,13−ビス(イソプロピリデンジオキシ)オクタデカン酸(8−a)の製造:
攪拌装置を備えた2リットルフラスコに、リノール酸メチル147.2g(0.5mol)、メタクロロ過安息香酸203.2g(1.18mol)及びジクロロメタン500mlを仕込み、室温で18時間攪拌を行った。反応終了後、析出しているメタクロロ安息香酸を濾別し、チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、溶媒を減圧留去し、残渣をアルミナショートカラムクロマトグラフィーで精製し、9,10:12,13−ジエポキシオクタデカン酸メチルを得た。
【0074】
次に、攪拌装置及び滴下ロートを備えた2リットルフラスコに、アセトン1162g(20mol)及び三フッ化ホウ素・エーテル錯体3.55g(25mmol)を仕込み、室温で攪拌しながら上記で得られた9,10:12,13−ジエポキシオクタデカン酸メチルを3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間攪拌を行って反応を完結させた。次いで、この反応混合物に重炭酸ソーダを加えて中和後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、9,10:12,13−ビス(イソプロピリデンジオキシ)オクタデカン酸メチル201.2gを得た(収率91%)。
【0075】
次に、攪拌装置を備えた2リットルフラスコに、上記で得られた9,10:12,13−ビス(イソプロピリデンジオキシ)オクタデカン酸メチル141.6g(0.32mol)及びエタノール400mlを仕込み、ここに、水酸化カリウム35.8g(0.64mol)を溶解した水40ml及びエタノール400mlからなる溶液を加え、50℃で1時間攪拌した。次いで、この反応混合物を塩酸で中和し、クロロホルムで抽出後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(8−a)132.0gを得た(収率96%)。
【0076】
(3)12−アミノドデカン酸メチル(7−a)の製造:
攪拌装置を備えた3リットルフラスコに、12−アミノドデカン酸200.0g(0.93mol)、メタノール600g及び硫酸100g(1.0mol)を仕込み、60℃で5時間攪拌した。反応混合物を放冷後、塩化メチレンで希釈し、炭酸ナトリウム水溶液で中和した。減圧下で溶媒を留去した後、アルミナショートカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(7−a)201.7gを得た(収率95%)。
【0077】
(4)12−〔9,10:12,13−ビス(イソプロピリデンジオキシ)オクタデカノイルアミノ〕ドデカン酸メチル(10−a)の製造:
攪拌装置を備えた1リットルフラスコに、上記(2)で得た化合物(8−a)34.3g(80mmol)、上記(3)で得た化合物(7−a)22.9g(100mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール18.4g(120mmol)及びクロロホルム500mlを仕込み、室温で攪拌しながら、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド33.0gを加え、更に24時間室温で攪拌した。反応終了後、析出している白色固体を濾別し、減圧濃縮した後に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(10−a)33.1gを得た(収率68%)。
【0078】
(5)アミド誘導体(1−a)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び蒸留装置を備えた100mlフラスコに、上記(1)で得た化合物(6−a)11.6g(30mmol)及び上記(4)で得た化合物(10−a)20.1g(33mmol)を仕込み、N2雰囲気下80℃で攪拌しながらナトリウムメトキシド28%メタノール溶液0.58g(3mmol)を滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌し、更に減圧下(10Torr)80℃で6時間攪拌し、反応を完結させた。反応混合物を冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的のアミド誘導体(1−a)25.6gを得た(収率88%)。
【0079】
得られたアミド誘導体(1−a)の物性は次の通りである。
淡黄色固体
融点;46〜48℃
IR(KBr,cm-1); 3350, 2940, 2880, 1615, 1540, 1465, 1380, 1215,
1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.10-2.05(m,82H),
2.15(t,J=7.5Hz,2H), 2.38(t,J=7.5Hz,2H),
3.15-4.20(m,18H), 3.33(s,3H), 5.35-5.50(m,1H)
【0080】
実施例2
一般式(1)において、R5
【0081】
【化22】
Figure 0003752026
【0082】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−b)の製造:
【0083】
【化23】
Figure 0003752026
【0084】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−メトキシエチルアミン(6−b)の製造:
実施例1の(1)において、3−メトキシプロピルアミン(5−a)の代わりに2−メトキシエチルアミン(5−b)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−b)を得た。
【0085】
(2)12−リノレオイルアミノドデカン酸メチル(10−b)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに実施例1の(3)で得た化合物(7−a)45.9g(200mmol)、トリエチルアミン30.4g(300mmol)及び塩化メチレン300gを仕込み、室温で攪拌しながら、リノール酸クロリド(9−b)65.8g(220mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に室温で1時間攪拌し、反応を完結させた。
【0086】
得られた反応混合物を飽和食塩水で洗浄後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(10−b)88.3gを得た(収率90%)。
【0087】
(3)アミド誘導体(1−b)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−b)を用い、また化合物(10−a)の代わりに上記(2)で得た化合物(10−b)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−b)を得た。
【0088】
得られたアミド誘導体(1−b)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;56〜58℃
IR(KBr,cm-1); 3320, 2925, 2860, 1640, 1615, 1545, 1470, 1210,
1110, 1060, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.80-1.00(m,6H), 1.10-1.80(m,62H),
1.95-2.15(m,4H), 2.15(t,J=7.5Hz,2H),
2.30-2.50(m,2H), 2.70-2.90(m,2H), 3.15-4.05(m,17H),
2.50-5.50(m,5H)
【0089】
実施例3
一般式(1)において、R5
【0090】
【化24】
Figure 0003752026
【0091】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−c)の製造:
【0092】
【化25】
Figure 0003752026
【0093】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミン(6−c)の製造:
実施例1の(1)において、化合物(5−a)の代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノール(5−c)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い標記化合物(6−c)を得た。
【0094】
(2)アミド誘導体(1−c)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−c)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例2の(2)で得た化合物(10−b)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−c)を得た。
【0095】
得られたアミド誘導体(1−c)の物性は次の通りである。
無色固体
融点;73〜74℃
IR(KBr,cm-1); 3315, 2925, 2855, 1620, 1545, 1465, 1210, 1110,
1060, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.80-1.00(m,6H), 1.10-1.75(m,62H),
1.95-2.25(m,4H), 2.15(t,J=7.6Hz,2H), 2.30-2.50(m,2H),
2.70-2.85(m,2H), 3.15-4.10(m,19H), 5.25-5.50(m,5H)
【0096】
実施例4
一般式(1)において、R5
【0097】
【化26】
Figure 0003752026
【0098】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−d)の製造:
【0099】
【化27】
Figure 0003752026
【0100】
(1)12−メトキシ−9−オクタデセン酸(8−d)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び冷却管を備えた1リットルフラスコに、60%水素化ナトリウム24g(0.6mol)及びジメチルホルムアミド500mlを仕込み、N2雰囲気下40℃で攪拌しながら、リシノール酸エチル163.3g(0.5mol)のヨウ化メチル142g(1.0mol)溶液を1時間かけて滴下し、滴下終了後、更に40℃で6時間攪拌した。得られた反応混合物にヘキサンを加え、塩化アンモニウム水溶液及びチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、12−メトキシ−9−オクタデセン酸エチル155.8gを得た(収率92%)。
【0101】
次に、攪拌装置を備えた1リットルフラスコに、上記で得た12−メトキシ−9−オクタデセン酸エチル68.1g(0.2mol)、エタノール600ml及び50%水酸化カリウム水溶液45gを仕込み、50℃で4時間攪拌した。得られた反応混合物にヘキサンを加え、3N塩酸で中和後、飽和食塩水で洗浄した。減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(8−d)58.3gを得た(収率93%)。
【0102】
(2)アミド誘導体(1−d)の製造:
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(8−d)を用いる以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−d)を得た。
【0103】
得られたアミド誘導体(1−d)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;56〜58℃
IR(KBr,cm-1); 3310, 2900, 1610, 1545, 1470, 1110, 950, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.10-1.78(m,66H)
1.83(t,J=6.0Hz,2H), 1.95-2.10(m,2H),
2.15(t,J=7.6Hz,2H), 2.18-2.30(m,2H),
2.36(t,J=7.5Hz,2H), 3.10-3.60(m,14H), 3.33(s,3H),
3.34(s,3H), 3.85-4.05(m,1H), 5.30-5.60(m,3H)
【0104】
実施例5
一般式(1)において、R5
【0105】
【化28】
Figure 0003752026
【0106】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−e)の製造:
【0107】
【化29】
Figure 0003752026
【0108】
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに実施例4の(1)で得た化合物(8−d)を用い、また化合物(6−a)の代わりに実施例3の(1)で得た化合物(6−c)を用いる以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−e)を得た。
【0109】
得られたアミド誘導体(1−e)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;69〜70℃
IR(KBr,cm-1); 3310, 2895, 2870, 1605, 1540, 1460, 1105, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.80-0.97(m,6H), 1.10-1.80(m,66H),
1.95-2.30(m,4H), 2.15(t,J=7.7Hz,2H),
2.30-2.50(m,2H), 3.10-4.15(m,20H), 3.34(s,3H),
5.35-5.55(m,3H)
【0110】
実施例6
一般式(1)において、R5
【0111】
【化30】
Figure 0003752026
【0112】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−f)の製造:
【0113】
【化31】
Figure 0003752026
【0114】
攪拌装置及び水素導入管を備えた1リットルフラスコに、実施例4で製造した化合物(1−d)9.1g(10.3mmol)、5%パラジウムカーボン1.5g及びエタノール370mlを仕込み、水素雰囲気下、室温で22時間攪拌した。得られた反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的のアミド誘導体(1−f)9.06gを得た(収率99%)。
【0115】
得られたアミド誘導体(1−f)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;58〜60℃
IR(KBr,cm-1); 3330, 2920, 1630, 1550, 1470, 1205, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.2Hz,6H), 1.05-1.80(m,74H),
1.83(t,J=5.9Hz,2H), 2.15(t,J=7.6Hz,2H),
2.36(t,J=7.5Hz,2H), 3.05-3.60(m,14H), 3.31(s,3H),
3.33(s,3H), 3.85-4.00(m,1H), 5.35-5.50(m,1H)
【0116】
実施例7
一般式(1)において、R5
【0117】
【化32】
Figure 0003752026
【0118】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−g)の製造:
【0119】
【化33】
Figure 0003752026
【0120】
(1)12−ベンジルオキシ−9−オクタデセン酸(8−g)の製造:
実施例4の(1)において、ヨウ化メチルの代わりに臭化ベンジルを用いる以外は、実施例4の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(8−g)を得た。
【0121】
(2)アミド誘導体(1−g)の製造:
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(8−g)を用いる以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−g)を得た。
【0122】
得られたアミド誘導体(1−g)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;56〜58℃
IR(KBr,cm-1); 3335, 2900, 1625, 1550, 1470, 1105, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.10-1.75(m,66H),
1.83(t,J=5.9Hz,2H), 1.95-2.10(m,2H),
2.14(t,J=7.6Hz,2H), 2.25-2.45(m,2H),
2.37(t,J=7.6Hz,2H), 3.15-3.60(m,14H),
3.33(s,3H), 3.85-4.00(m,1H),
4.53(dd,J=11.7Hz,20.0Hz,2H), 5.30-5.55(m,3H),
7.20-7.45(m,5H)
【0123】
実施例8
一般式(1)において、R5
【0124】
【化34】
Figure 0003752026
【0125】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−h)の製造:
【0126】
【化35】
Figure 0003752026
【0127】
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに実施例7の(1)で得た化合物(8−g)を用い、また化合物(6−a)の代わりに実施例3の(1)で得た化合物(6−c)を用いる以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−h)を得た。
【0128】
得られたアミド誘導体(1−h)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;70〜71℃
IR(KBr,cm-1); 3330, 2900, 1630, 1615, 1545, 1470, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.10-1.80(m,66H),
1.95-2.15(m,2H), 2.14(t,J=7.6Hz,2H), 2.25-2.40(m,2H),
2.38(t,J=7.4Hz,2H), 3.15-3.85(m,18H),
3.85-4.20(m,2H), 4.53(dd,J=11.7Hz,19.9Hz,2H),
5.27-5.55(m,3H), 7.25-7.40(m,5H)
【0129】
実施例9
一般式(1)において、R5
【0130】
【化36】
Figure 0003752026
【0131】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−i)の製造:
【0132】
【化37】
Figure 0003752026
【0133】
(1)12−ベンジルオキシ−オクタデカン酸(8−i)の製造:
実施例4の(1)において、リシノール酸エチルの代わりに12−ヒドロキシオクタデカン酸メチルを用い、またヨウ化メチルの代わりに臭化ベンジルを用いる以外は、実施例4の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(8−i)を得た。
【0134】
(2)アミド誘導体(1−i)の製造:
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(8−i)を用いる以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い目的のアミド誘導体(1−i)を得た。
【0135】
得られたアミド誘導体(1−i)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;59〜61℃
IR(KBr,cm-1); 3320, 2900, 1615, 1545, 1470, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.5Hz,6H), 1.00-1.95(m,76H),
2.15(t,J=7.5Hz,2H), 2.36(t,J=7.5Hz,2H),
3.15-3.60(m,14H), 3.33(s,3H), 3.85-4.00(m,1H),
4.50(s,2H), 5.35-5.50(m,1H), 7.20-7.45(m,5H)
【0136】
実施例10
一般式(1)において、R5
【0137】
【化38】
Figure 0003752026
【0138】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−j)の製造:
【0139】
【化39】
Figure 0003752026
【0140】
(1)メチル分岐イソステアロイルアミノドデカン酸メチル(10−j)の製造:
実施例2の(2)において、リノール酸クロリド(9−b)の代わりにメチル分岐イソステアリン酸クロリド(9−j)を用いる以外は、実施例2の(2)と同様に製造を行い標記化合物(10−j)を得た。
【0141】
(2)アミド誘導体(1−j)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(10−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−j)を得た。
【0142】
得られたアミド誘導体(1−j)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;60〜63℃
IR(KBr,cm-1); 3415, 3330, 2940, 2860, 2330, 1645, 1615, 1550,
1470, 1380, 1215, 1110, 1050, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.75-0.98(m,9H), 0.98-1.80(m,73H),
1.83(t,J=5.7Hz,2H), 2.15(t,J=7.6Hz,2H),
2.37(t,J=7.5Hz,2H), 3.15-3.60(m,13H), 3.33(s,3H),
3.80-4.00(m,1H), 5.35-5.50(m,1H)
【0143】
実施例11
一般式(1)において、R5
【0144】
【化40】
Figure 0003752026
【0145】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−k)の製造:
【0146】
【化41】
Figure 0003752026
【0147】
(1)N−(3−メチル分岐イソステアロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−エチルアミン(6−k)の製造:
実施例1の(1)において、3−メトキシプロピルアミン(5−a)の代わりにエチルアミン(5−k)を用い、またヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにメチル分岐イソステアリルグリシジルエーテル(4−k)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−k)を得た。
【0148】
(2)アミド誘導体(1−k)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−k)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−k)を得た。
【0149】
得られたアミド誘導体(1−k)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;61〜64℃
IR(KBr,cm-1); 3400, 2930, 2865, 1625, 1540, 1470, 1380, 1230,
1210, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.75-1.00(m,12H), 1.00-1.85(m,77H),
2.15(t,J=7.6Hz,2H), 2.35(t,J=7.6Hz,2H),
3.15-3.60(m,11H), 3.80-4.00(m,1H), 5.35-5.50(m,1H)
【0150】
実施例12
一般式(1)において、R5
【0151】
【化42】
Figure 0003752026
【0152】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−l)の製造:
【0153】
【化43】
Figure 0003752026
【0154】
(1)化合物(8−l)〔前記反応式における一般式(8)において、R7 が下記に示すものである化合物〕の合成:
【0155】
【化44】
Figure 0003752026
【0156】
攪拌装置、滴下ロート及び冷却管を備えた200mlフラスコに、15−ヒドロキシペンタデカン酸イソプロピル10.0g(33.9mmol)、ジメチルホルムアミド25ml及び60%水素化ナトリウム0.4g(10mmol)を仕込み、ここにプロピレンオキシド19.7g(339mmol)を加えて、100℃で18時間攪拌した。反応終了後、50%水酸化ナトリウム水溶液8g及びエタノール80mlを加え、60℃で1時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合物に水を加え、ヘキサンで洗浄した。3N塩酸で酸性とした後、イソプロピルエーテルで抽出し、減圧濃縮することにより、標記化合物の粗精製物(8−l)17.0gを得た(粗収率92%)。
【0157】
(2)11−アミノウンデカン酸メチル(7−l)の製造:
実施例1の(3)において、12−アミノドデカン酸の代わりに11−アミノウンデカン酸を用いる以外は実施例1の(3)と同様に製造を行い、標記化合物(7−l)を得た。
【0158】
(3)アミド誘導体(1−l)の製造:
実施例1の(4)〜(5)において、化合物(8−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(8−l)を用い、また化合物(7−a)の代わりに上記(2)で得た化合物(7−l)を用いた以外は、実施例1の(4)〜(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−l)を得た。
【0159】
得られたアミド誘導体(1−l)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;47〜55℃
IR(KBr,cm-1); 3330, 2920, 1620, 1540, 1465, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.75-1.00(m,3H), 1.00-1.85(m,約83H),
1.85-2.05(m,4H), 2.15(t,J=7.5Hz,2H),
2.30-2.50(m,2H), 3.10-4.40(m,約30H),
5.45-5.65(m,1H)
【0160】
実施例13
一般式(1)において、R5
【0161】
【化45】
Figure 0003752026
【0162】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−m)の製造:
【0163】
【化46】
Figure 0003752026
【0164】
(1)オクタデカノイルアミノデカン酸メチル(10−m)の製造:
実施例2の(2)において、リノール酸クロリド(9−b)の代わりにオクタデカン酸クロリド(9−m)を用いる以外は、実施例2の(2)と同様に製造を行い標記化合物(10−m)を得た。
【0165】
(2)アミド誘導体(1−m)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(10−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(10−m)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い目的のアミド誘導体(1−m)を得た。
【0166】
得られたアミド誘導体(1−m)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;63〜64℃
IR(KBr,cm-1); 3335, 2925, 1650, 1620, 1550, 1470, 1215, 1010, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.05-1.75(m,76H),
1.83(t,J=5.8Hz,2H), 2.15(t,J=7.5Hz,2H),
2.36(t,J=7.5Hz,2H), 3.15-3.60(m,13H),
3.33(s,3H), 3.85-4.00(m,1H), 5.30-5.60(m,1H)
【0167】
実施例14
一般式(1)において、R5
【0168】
【化47】
Figure 0003752026
【0169】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−n)の製造:
【0170】
【化48】
Figure 0003752026
【0171】
(1)N−(3−ブチロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−n)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにブチルグリシジルエーテル(4−n)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−n)を得た。
【0172】
(2)アミド誘導体(1−n)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−n)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−n)を得た。
得られたアミド誘導体(1−n)の物性は次の通りである。
【0173】
無色油状物
IR(NaCl,cm-1 ); 3320, 2930, 2860, 1630, 1550, 1460, 1380, 1220, 1120,
750
1H-NMR(CDCl3,δ);0.70-0.95(m,9H), 1.10-1.71(m,49H),
1.72-1.94(m,2H), 2.12(t,J=7.6Hz,2H),
2.33(t,J=7.6Hz,2H), 3.14-3.60(m,13H), 3.79-4.00(m,1H),
5.34-5.56(m,1H)
【0174】
実施例15
一般式(1)において、R5
【0175】
【化49】
Figure 0003752026
【0176】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−o)の製造:
【0177】
【化50】
Figure 0003752026
【0178】
(1)N−(3−オクチロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−o)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにオクチルグリシジルエーテル(4−o)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−o)を得た。
【0179】
(2)アミド誘導体(1−o)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−o)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−o)を得た。
得られたアミド誘導体(1−o)の物性は次の通りである。
【0180】
白色固体
IR(KBr,cm-1); 3320, 2930, 2860, 1630, 1550, 1470, 1380, 1260, 1210,
1120, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.72-0.99(m,9H), 0.99-1.95(m,57H),
1.83(t,J=7.6Hz,2H), 2.16(t,J=7.6Hz,2H),
2.39(t,J=7.6Hz,2H), 3.10-3.62(m,13H), 3.33(s,3H),
3.82-4.02(m,1H), 5.35-5.58(m,1H)
【0181】
実施例16
一般式(1)において、R5
【0182】
【化51】
Figure 0003752026
【0183】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−p)の製造:
【0184】
【化52】
Figure 0003752026
【0185】
(1)N−(3−ドデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−p)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにドデシルグリシジルエーテル(4−p)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−p)を得た。
【0186】
(2)アミド誘導体(1−p)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−p)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−p)を得た。
得られたアミド誘導体(1−p)の物性は次の通りである。
【0187】
白色固体
IR(KBr,cm-1); 3330, 2930, 1650, 1560, 1470, 1380, 1260, 1215, 1100,
750
1H-NMR(CDCl3,δ);0.72-1.00(m,9H), 1.00-1.95(m,65H),
1.83(t,J=7.6Hz,2H), 2.16(t,J=7.6Hz,2H),
2.38(t,J=7.6Hz,2H), 3.10-3.58(m,13H), 3.33(s,3H),
3.80-4.00(m,1H), 5.35-5.60(m,1H)
【0188】
実施例17
一般式(1)において、R5
【0189】
【化53】
Figure 0003752026
【0190】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−q)の製造:
【0191】
【化54】
Figure 0003752026
【0192】
(1)N−(3−オクタデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−q)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにオクタデシルグリシジルエーテル(4−q)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−q)を得た。
【0193】
(2)アミド誘導体(1−q)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−q)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−q)を得た。
得られたアミド誘導体(1−q)の物性は次の通りである。
【0194】
白色固体
融点;66.5〜69℃
IR(KBr,cm-1); 3400, 2930, 2860, 1640, 1550, 1470, 1380, 1260, 1210,
1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.72-0.98(m,9H), 1.05-1.80(m,77H), 1.81-1.94(m,2H),
2.13(t,J=7.6Hz,2H), 2.35(t,J=7.6Hz,2H),
3.15-3.60(m,13H), 3.40(s,3H), 3.79-4.00(m,1H),
5.35-5.52(m,1H)
【0195】
実施例18
一般式(1)において、R5
【0196】
【化55】
Figure 0003752026
【0197】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−r)の製造:
【0198】
【化56】
Figure 0003752026
【0199】
(1)N−(3−メチル分岐イソステアリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−r)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにメチル分岐イソステアリルグリシジルエーテル(4−k)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−r)を得た。
【0200】
(2)アミド誘導体(1−r)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−r)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−r)を得た。
得られたアミド誘導体(1−r)の物性は次の通りである。
【0201】
白色粘重固体
IR(KBr,cm-1); 3320, 2930, 2860, 1640, 1550, 1470, 1380, 1220, 1110,
750
1H-NMR(CDCl3,δ);0.70-1.00(m,12H), 1.02-1.82(m,74H), 1.82-1.97(m,4H),
2.14(t,J=7.6Hz,2H), 2.34(t,J=7.6Hz,2H),
3.14-3.60(m,13H), 3.38(s,3H), 3.80-4.00(m,1H),
5.34-5.50(m,1H)
【0202】
実施例19
一般式(1)において、R5
【0203】
【化57】
Figure 0003752026
【0204】
であり、R1 〜R7 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−s)の製造:
【0205】
【化58】
Figure 0003752026
【0206】
(1)N−(3−ドコサノロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−3−メトキシプロピルアミン(6−s)の製造:
実施例1の(1)において、ヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)の代わりにドコサニルグリシジルエーテル(4−s)を用いる以外は、実施例1の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(6−s)を得た。
【0207】
(2)アミド誘導体(1−s)の製造:
実施例1の(5)において、化合物(6−a)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−s)を用い、また化合物(10−a)の代わりに実施例10の(1)で得た化合物(10−j)を用いた以外は、実施例1の(5)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−s)を得た。
得られたアミド誘導体(1−s)の物性は次の通りである。
【0208】
白色固体
融点;69.5〜71.0℃
IR(KBr,cm-1); 3400, 2930, 2860, 1640, 1620, 1550, 1470, 1380, 1260,
1210, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.71-1.00(m,9H), 1.02-1.80(m,85H), 1.81-1.97(m,2H),
2.15(t,J=7.6Hz,2H), 2.34(t,J=7.6Hz,2H),
3.14-3.60(m,13H), 3.38(s,3H), 3.78-4.00(m,1H),
5.34-5.52(m,1H)
【0209】
実施例20
一般式(1)において、R5
【0210】
【化59】
Figure 0003752026
【0211】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−t)の製造:
【0212】
【化60】
Figure 0003752026
【0213】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−2−ヒドロキシエチルアミン(6−t)の製造:
攪拌装置、滴下ロート、窒素導入管及び蒸留装置を備えた2リットルフラスコに、2−アミノエタノール(5−a)611g(10.0mol)及びエタノール122gを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱攪拌しつつ、これにヘキサデシルグリシジルエーテル(4−a)243g(0.82mol)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に80℃で2時間攪拌した後、エタノール及び過剰の2−アミノエタノールを減圧下に加熱留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(6−t)262gを得た(収率90%対ヘキサデシルグリシジルエーテル)。
【0214】
(2)ドデカン2酸モノメチル(12−t)の製造:
攪拌装置及び窒素導入管を備えた2リットルフラスコに、ドデカン2酸69.1g(0.3mol)、メタノール500ml及び硫酸1.47g(0.015mol)を仕込み、窒素雰囲気下で60℃で24時間加熱攪拌した。このものを水1リットルで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(12−t)36.3gを得た(収率50%対ドデカン2酸)。
【0215】
(3)11−(N−(2−エチルヘキシル)カルバモイル)ウンデカン酸メチル(13−t)の製造:
攪拌装置及び窒素導入管を備えた500mlフラスコに、ドデカン2酸モノメチル(12−t)4.40g(18mmol)、2−エチルヘキシルアミン(11−t)2.33g(18mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール3.04g(22.5mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド4.64g(22.5mmol)及びクロロホルム150mlを仕込み、室温で24時間攪拌した。生じた沈殿をろ過して除き、溶媒を減圧下に留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(13−t)5.12gを得た(収率80%対ドデカン2酸モノメチル(12−t))。
【0216】
(4)アミド誘導体(1−t)の製造:
攪拌装置及び窒素導入管を備えた50mlフラスコに、上記(1)で得た化合物(6−t)1.72g(4.8mmol)、上記(3)で得た化合物(13−t)1.42g(4.0mmol)及び28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液0.077g(0.4mmol)を仕込み、80℃/10Torrで減圧下に12時間加熱攪拌した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(1−t)2.92gを得た(収率80%対化合物(13−t))。
【0217】
得られたアミド誘導体(1−t)の物性は次の通りである。
【0218】
白色固体
融点;62〜63℃
IR(NaCl,cm-1);3312, 2932, 2860, 1644, 1556, 1468, 1380, 1234, 1116,
754
1H-NMR(CDCl3,δ);0.89(br t,J=6.4Hz,9H), 1.15-1.85(m,55H),
2.16(t,J=7.5Hz,2H), 2.40(t,J=7.5Hz,2H),
3.16-4.10(m,13H), 5.48(br,1H)
【0219】
実施例21
一般式(1)において、R5
【0220】
【化61】
Figure 0003752026
【0221】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−u)の製造:
【0222】
【化62】
Figure 0003752026
【0223】
(1)ドデカン2酸ジメチルの製造:
攪拌装置及び窒素導入管を備えた2リットルフラスコに、ドデカン2酸69.1g(0.3mol)、メタノール500ml及び硫酸1.47g(0.015mol)を仕込み、窒素雰囲気下で60℃で24時間加熱攪拌した。このものを水1リットルで洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下に留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物25.5gを得た(収率33%対ドデカン2酸)。
【0224】
(2)アミド誘導体(1−u)の製造:
攪拌装置及び窒素導入管を備えた500mlフラスコに、上記(1)で得たドデカン2酸ジメチル5.02g(19.4mmol)、化合物(6−t)21.0g(58.3mmol)及び28%ナトリウムメトキシド/メタノール溶液0.75g(3.9mmol)を仕込み、80℃/10Torrで減圧下に十二時間加熱攪拌した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(1−u)12.2gを得た(収率69%対ドデカン2酸ジメチル)。
【0225】
得られたアミド誘導体(1−u)の物性は次の通りである。
【0226】
白色固体
融点;49〜50℃
IR(NaCl,cm-1);3396, 2928, 2856, 1624, 1470, 1424, 1366, 1212, 1118,
754
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(t,J=6.3Hz,6H), 1.15-1.75(m,76H),
2.40(t,J=7.5Hz,4H), 3.23-4.13(m,22H)
【0227】
実施例22
一般式(1)において、R5
【0228】
【化63】
Figure 0003752026
【0229】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−v)の製造:
【0230】
【化64】
Figure 0003752026
【0231】
(1)9,12−オクタデカジエニルアミン(11−v)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び窒素導入管を備えた1リットルフラスコに、テトラヒドロフラン50ml及び水素化リチウムアルミニウム5.69g(0.15mol)を仕込み、窒素雰囲気下室温で攪拌しつつ、これにリノール酸アミド14.0g(0.05mol)を30分間かけて滴下した。滴下終了後、更に60℃で12時間攪拌した後、硫酸ナトリウム10水和物16g(0.05mol)を投入して過剰の水素化リチウムアルミニウムを分解した。系内の固形分をろ過して除き、溶媒を減圧下に留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(11−v)9.05gを得た(収率68%対リノール酸アミド)。
【0232】
(2)11−(N−(9,12−オクタデカジエニル)カルバモイル)ウンデカン酸メチル(13−v)の製造:
実施例20の(3)において、(11−t)の代わりに上記(1)で得た化合物(11−v)を用いた以外は、実施例20の(3)と同様に製造を行い、標記化合物(13−v)を得た。
【0233】
(3)アミド誘導体(1−v)の製造:
実施例20の(4)において、化合物(13−t)の代わりに上記(2)で得た化合物(13−v)を用いた以外は、実施例20の(4)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−v)を得た。
【0234】
得られたアミド誘導体(1−v)の物性は次の通りである。
【0235】
白色固体
融点;82〜83℃
IR(NaCl,cm-1);3320, 2924, 2852, 1618, 1538, 1464, 1430, 1370, 1262,
1106
1H-NMR(CDCl3,δ);0.85-0.91(m,6H), 1.15-1.70(m,62H), 1.99-2.18(m,6H),
2.39(t,J=7.5Hz,2H), 2.77(t,J=5.7Hz,2H),
3.18-4.20(m,15H), 5.22-5.44(m,5H)
【0236】
実施例23
一般式(1)において、R5
【0237】
【化65】
Figure 0003752026
【0238】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−w)の製造:
【0239】
【化66】
Figure 0003752026
【0240】
(1)11−(N,N−ジオクタデシルカルバモイル)ウンデカン酸メチル(13−w)の製造:
実施例20の(3)において、(11−t)の代わりにジステアリルアミン(11−w)を用いた以外は、実施例20の(3)と同様に製造を行い、標記化合物(13−w)を得た。
【0241】
(2)アミド誘導体(1−w)の製造:
実施例20の(4)において、化合物(13−w)の代わりに上記(2)で得た化合物(13−t)を用いた以外は、実施例20の(4)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−w)を得た。
【0242】
得られたアミド誘導体(1−w)の物性は次の通りである。
【0243】
無色油状物
IR(NaCl,cm-1);3388, 2928, 2856, 1732, 1644, 1460, 1378, 1304, 1110,
862, 752, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(t,J=6.1Hz,9H), 1.10-2.00(m,108H),
2.22(t,J=7.6Hz,2H), 2.39(t,J=7.5Hz,2H),
3.15-4.20(m,17H)
【0244】
実施例24
一般式(1)において、R5
【0245】
【化67】
Figure 0003752026
【0246】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−x)の製造:
【0247】
【化68】
Figure 0003752026
【0248】
(1)アミド誘導体(1−x)の製造:
実施例22の(3)において、化合物(13−v)の代わりに実施例2(1)で得た化合物(6−b)を用いた以外は、実施例22の(3)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−x)を得た。
【0249】
得られたアミド誘導体(1−x)の物性は次の通りである。
【0250】
白色固体
融点;57〜59℃
IR(NaCl,cm-1);3324, 2920, 2854, 1620, 1540, 1458, 1426, 1366, 1264,
1102
1H-NMR(CDCl3,δ);0.86-0.89(m,6H), 1.10-1.70(m,62H), 2.00-2.18(m,6H),
2.39(t,J=7.5Hz,2H), 2.77(t,J=5.7Hz,2H),
3.18-4.24(m,17H), 5.26-5.42(m,5H)
【0251】
実施例25
一般式(1)において、R5
【0252】
【化69】
Figure 0003752026
【0253】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−y)の製造:
【0254】
【化70】
Figure 0003752026
【0255】
(1)イソステアリルアミン(11−y)の製造:
実施例22の(1)において、リノール酸アミドの代わりにイソステアリン酸アミドを用いる以外は、実施例22の(1)と同様に製造を行い、標記化合物(11−y)を得た。
【0256】
(2)11−(N−イソステアリルカルバモイル)ウンデカン酸メチル(13−y)の製造:
実施例13の(3)において、(11−t)の代わりに上記(1)で得た化合物(11−y)を用いる以外は、実施例13の(3)と同様に製造を行い、標記化合物(11−y)を得た。
【0257】
(3)アミド誘導体(1−y)の製造:
実施例20の(4)において、化合物(6−t)の代わりに実施例1(1)で得た化合物(6−a)を、また化合物(13−t)の代わりに上記(2)で得た化合物(13−y)を用いた以外は、実施例20の(4)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−y)を得た。
【0258】
得られたアミド誘導体(1−y)の物性は次の通りである。
【0259】
白色固体
融点;61〜64℃
IR(NaCl,cm-1);3416, 3328, 2924, 2854, 1644, 1616, 1548, 1470, 1378,
1214, 1112, 952, 722
1H-NMR(CDCl3,δ);0.82-0.91(m,9H), 1.05-1.76(m,74H), 1.83(m,2H),
2.15(t,J=7.6Hz,2H), 2.37(t,J=7.5Hz,2H),
3.18-3.59(m,16H), 3.90(m,1H), 5.41(br,1H)
【0260】
実施例26
一般式(1)において、R5
【0261】
【化71】
Figure 0003752026
【0262】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−z)の製造:
【0263】
【化72】
Figure 0003752026
【0264】
(1)アミド誘導体(1−z)の製造:
実施例22の(3)において、化合物(6−t)の代わりに実施例3(1)で得た化合物(6−c)を用いた以外は、実施例22の(3)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−z)を得た。
【0265】
得られたアミド誘導体(1−z)の物性は次の通りである。
【0266】
白色固体
融点;78〜79℃
IR(NaCl,cm-1);3322, 2926, 2854, 1620, 1540, 1468, 1434, 1368, 1264,
1104
1H-NMR(CDCl3,δ);0.85-0.89(m,6H), 1.15-1.80(m,62H), 2.00-2.18(m,6H),
2.38(t,J=7.5Hz,2H), 2.77(t,J=5.7Hz,2H),
3.18-4.15(m,19H), 5.28-5.46(m,5H)
【0267】
実施例27
一般式(1)において、R5
【0268】
【化73】
Figure 0003752026
【0269】
であり、R1 〜R9 で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−α)の製造:
【0270】
【化74】
Figure 0003752026
【0271】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−エチルアミン(6−α)の製造:
攪拌装置、滴下ロート、窒素導入管及び蒸留装置を備えた2リットルフラスコに、70%エチルアミン水溶液500ml(約6mol)を仕込み、室温、窒素雰囲気下で攪拌しつつ、これにヘキサデシルグリシジルエーテル119g(0.4mol)をエタノール500mlに溶かした溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に室温で5時間攪拌した後、エタノール、水及び過剰のエチルアミンを減圧下に加熱留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、白色固体の標記化合物(6−α)133gを得た(収率96%対ヘキサデシルグリシジルエーテル)。
【0272】
(2)11−(4−モルホリンカルボニル)ウンデカン酸メチル(13−α)の製造:
実施例20の(3)において、(11−t)の代わりにモルホリン(11−α)を用いる以外は、実施例20の(3)と同様に製造を行い、標記化合物(13−α)を得た。
【0273】
(3)アミド誘導体(1−α)の製造:
実施例20の(4)において、化合物(13−t)の代わりに上記(2)で得た化合物(13−α)を用いた以外は、実施例20の(4)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−α)を得た。
【0274】
得られたアミド誘導体(1−α)の物性は次の通りである。
【0275】
無色油状物
IR(NaCl,cm-1);2924, 2854, 1620, 1540, 1470, 1384, 1224, 1120, 768
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(t,J=6.3Hz,6H), 1.07-1.75(m,47H),
2.28-2.41(m,J=7.5Hz,4H), 3.29-4.10(m,18H)
【0276】
実施例28
一般式(1)において、R5
【0277】
【化75】
Figure 0003752026
【0278】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−β)の製造:
【0279】
【化76】
Figure 0003752026
【0280】
(1)アミド誘導体(1−β)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び蒸留装置を備えた100mlフラスコに、実施例1(1)で得た化合物(6−a)11.6g(30mmol)及び16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチル(14−β)9.0g(33mmol)を仕込み、窒素雰囲気下80℃で攪拌しながらナトリウムメトキシド28%メタノール溶液0.58g(3mmol)を滴下した。滴下終了後、80℃で1時間攪拌し、更に減圧下(10Torr)80℃で10時間攪拌し、反応を完結させた。反応混合物を冷却後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的のアミド誘導体(1−β)15.7gを得た(収率83%)。
【0281】
得られたアミド誘導体(1−β)の物性は次の通りである。
白色固体
融点;64〜66℃
IR(KBr,cm-1);3370, 3320, 2900, 1625, 1470, 1120, 1060, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(t,J=8.8Hz,3H), 0.95-2.00(m,56H),
2.30-2.50(m,2H), 3.25-4.20(m,14H),
3.33(s,3H)
【0282】
実施例29
一般式(1)において、R5
【0283】
【化77】
Figure 0003752026
【0284】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−γ)の製造:
【0285】
【化78】
Figure 0003752026
【0286】
(1)16−(9Z,12Z−オクタデカジエニロキシ)ヘキサデカン酸メチル(14−γ)の製造:
攪拌装置、滴下ロート、温度計及び還流冷却器を備えた300ml4ツ口フラスコに、16−ヒドロキシヘキサデカン酸2.72g(10mmol)、無水テトラヒドロフラン50ml、無水ヘキサメチルホスホリルトリアミド5ml及び水素化ナトリウム0.24g(10mmol)を入れ、窒素気流下、室温で30分間攪拌した。次いで、この混合物を−70℃まで冷却し、1.6Nブチルリチウムヘキサン溶液6.25ml(10mmol)を加えた後、30分かけて室温まで加温し、ここで水素化ナトリウム0.24g(10mmol)を加えて更に30分間室温で攪拌した。次に、ここにp−トルエンスルホン酸9Z,12Z−オクタデカジエニルエステル(17−γ)9.25g(22mmol)を滴下し、65℃で18時間加熱攪拌し、次いでこの反応混合物に無水メタノール150mlを加え、更に65℃で1時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却後、塩化アンモニウム水溶液で過剰のアルカリを中和し、トルエンで反応混合物を抽出し、溶媒を減圧留去後、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(14−γ)0.72gを得た(収率13.5%)。
【0287】
(2)アミド誘導体(1−γ)の製造:
実施例28の(2)において、化合物(14−β)の代わりに上記(1)で得た化合物(14−γ)を用いた以外は、実施例28の(1)と同様にして製造を行い、目的のアミド誘導体(1−γ)を得た。
【0288】
白色固体
融点;51〜52℃
IR(KBr,cm-1);3300, 2910, 2850, 1615, 1465, 1100, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.80-0.95(m,6H), 0.95-1.95(m,74H),
1.95-2.15(m,4H), 2.25-2.50(m,2H),
2.65-2.90(m,2H), 3.33(s,3H), 3.20-4.25(m,16H),
5.20-5.45(m,4H)
【0289】
実施例30
一般式(1)において、R5
【0290】
【化79】
Figure 0003752026
【0291】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−δ)の製造:
【0292】
【化80】
Figure 0003752026
【0293】
(1)N−(3−ヘキサデシロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミン(6−δ)の製造:
実施例28の(1)において、3−メトキシプロピルアミンの代わりに2−(2−アミノエトキシ)エタノールを用いた以外は、実施例28の(1)と同様に製造を行い標記化合物(6−δ)を得た。
【0294】
(2)16−(9Z,12Z−オクタデカジエノイルオキシ)ヘキサデカン酸メチル(14−δ)の製造:
攪拌装置、滴下ロート及び温度計を備えた300mlフラスコに、16−ヒドロキシヘキサデカン酸メチル4.30g(15mmol)、リノール酸8.41g(13mmol)、トリフェニルホスフィン7.87g(30mmol)及びテトラヒドロフラン100mlを仕込み、室温で攪拌下にアゾジカルボン酸ジエチル5.22g(30mmol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に室温で4時間攪拌した後、溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製することにより、標記化合物(14−δ)6.76gを得た(収率82%)。
【0295】
(3)アミド誘導体(1−δ)の製造:
実施例28の(2)において、化合物(6−β)の代わりに上記(1)で得た化合物(6−γ)を用い、また化合物(14−β)の代わりに上記(2)で得た化合物(14−γ)を用いた以外は、実施例28の(2)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−δ)を得た。
【0296】
白色固体
融点;48〜49℃
IR(KBr,cm-1);3315, 2925, 2855, 1615, 1465, 1440, 1215, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.80-1.00(m,6H), 1.00-1.75(m,70H),
1.95-2.50(m,8H), 2.65-2.80(m,2H),
3.20-4.35(m,17H), 4.05(t,J=6.6Hz,2H), 5.25-5.50(m,4H)
【0297】
実施例31
一般式(1)において、R5
【0298】
【化81】
Figure 0003752026
【0299】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−ε)の製造:
【0300】
【化82】
Figure 0003752026
【0301】
(1)16−(12−メトキシ−9−オクタデセノイルオキシ)ヘキサデカン酸メチルの製造:
実施例30の(2)において、リノール酸の代わりに実施例4(1)で得た化合物を用いた以外は、実施例30の(2)と同様に製造を行い、標記化合物を得た。
【0302】
(2)アミド誘導体(1−ε)の製造:
実施例28の(2)において、化合物(14−β)の代わりに上記(1)で得た化合物を用いた以外は、実施例28の(2)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−ε)を得た。
【0303】
白色固体
融点;48〜50℃
IR(KBr,cm-1);3310, 2900, 2870, 1610, 1550, 1465, 1105, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz,6H), 1.10-1.95(m,76H),
1.95-2.10(m,2H), 2.10-2.55(m,6H),
3.10-3.70(m,12H), 3.33(s,3H), 3.34(s,3H),
3.80-4.05(m,1H), 4.05(t,J=6.6Hz,2H),
5.30-5.60(2H)
【0304】
実施例32
一般式(1)において、R5
【0305】
【化83】
Figure 0003752026
【0306】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−ζ)の製造:
【0307】
【化84】
Figure 0003752026
【0308】
攪拌装置及び水素導入管を備えた1リットルフラスコに、実施例4で製造した化合物(1−ε)10.2g(11.3mmol)、5%パラジウムカーボン1.5g及びエタノール300mlを仕込み、水素雰囲気下、室温で26時間攪拌した。得られた反応混合物を濾過し、濾液を減圧濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより、目的のアミド誘導体(1−ζ)9.3gを得た(収率95%)。
【0309】
白色固体
融点;52〜53℃
IR(KBr,cm-1);3330, 2930, 1625, 1550, 1210, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.88(br t,J=6.4Hz), 1.10-1.95(m,84H),
2.29(t,J=7.5Hz,2H), 7.39(t,J=7.5Hz,2H),
3.00-3.70(m,12H), 3.32(s,3H), 3.33(s,3H),
3.80-4.00(m,1H), 4.05(t,J=6.6Hz,2H)
【0310】
実施例33
一般式(1)において、R5
【0311】
【化85】
Figure 0003752026
【0312】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−aa)の製造:
【0313】
【化86】
Figure 0003752026
【0314】
(1)(メチル分岐イソステアロイルイルオキシ)ヘキサデカン酸メチルの製造:
実施例30の(2)において、リノール酸の代わりにメチル分岐イソステアリン酸を用いた以外は、実施例30の(2)と同様に製造を行い、標記化合物を得た。
【0315】
(2)アミド誘導体(1−aa)の製造:
実施例28の(2)において、化合物(14−β)の代わりに上記(1)で得た化合物を用いる以外は実施例28の(2)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−aa)を得た。
【0316】
白色固体
融点;55〜57℃
IR(KBr,cm-1);3335, 2930, 1630, 1550, 1465, 1110, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.75-1.00(m,9H), 1.00-1.95(m,83H),
2.29(t,J=7.5Hz,2H), 2.40(t,J=7.5Hz,2H),
3.15-4.00(m,12H), 3.33(s,3H),
4.05(t,J=6.6Hz,2H)
【0317】
実施例34
一般式(1)において、R5
【0318】
【化87】
Figure 0003752026
【0319】
であり、R1 〜R11で示される基が次に示すものであるアミド誘導体(1−ab)の製造:
【0320】
【化88】
Figure 0003752026
【0321】
(1)アミド誘導体(1−ab)の製造:
実施例28の(1)において、化合物(6−v)の代わりに実施例11(1)で得た化合物を用い、また化合物(14−v)の代わりに実施例33の(1)で得た化合物を用いた以外は、実施例28の(2)と同様に製造を行い、目的のアミド誘導体(1−ab)を得た。
【0322】
白色固体
融点;54〜57℃
IR(KBr,cm-1);3380, 2930, 1625, 1550, 1470, 1380, 1210, 1100, 720
1H-NMR(CDCl3,δ);0.75-1.00(m,12H), 1.00-1.85(m,85H),
2.29(t,J=7.5Hz,2H), 2.40(t,J=7.5Hz),
3.15-4.00(m,10H), 4.05(t,J=6.6Hz,2H)
【0323】
以上の実施例中に示した本発明のアミド誘導体は、先に特開平2−306952号公報で提案した一般式(2)で表わされる化合物及び特開平7−70030号公報で提案した一般式(3)で表わされる化合物に比べて、融点が低く、基剤に対する溶解性や安定性にも優れ、皮膚外用剤に配合する場合に配合性及び配合安定性に優れていた。
【0324】
試験例1
下記表1及び表2に示す本発明のアミド誘導体10%及びスクワラン90%からなる本発明の外用剤組成物(本発明品)をそれぞれ調製し、これらの外用剤について下記の試験方法により経皮水分蒸散量及び経皮吸収量を測定評価した。また、比較としてスクワランのみからなる外用剤(比較品)についても同様の試験評価を行った。その結果を下記表1及び表2に示す。
【0325】
(試験方法)
必須脂肪酸を含まない飼料のみでウィスター(Wister)系雄性ラットを飼育し、必須脂肪酸欠乏症の症状を有するラットを本試験に用いた。これら必須脂肪酸欠乏症ラットの背部を丁寧に剃毛した後、評価外用剤を1日1回3週間塗布した。なお、それぞれの評価外用剤に対して1群5匹ずつを本試験に供した。3週間後、下記の項目について試験を行った。
【0326】
(1)経皮水分蒸散量
温水で試験ラットの背部を洗浄後、1時間静置(室温23℃、湿度45%)後、皮膚からの水分蒸散量をエバポリメーターにて測定した。バリアー機能が正常なラットでは、通常、経皮水分蒸散量の値は10以下であるが、必須脂肪酸欠乏症ラットでは、20〜30以上の高値を示す。これは、角層のバリアー機能が低下しているために、経皮水分蒸散量が上昇したためと考えられている。すなわち、経皮水分蒸散量の値が高い程角層のバリアー機能が低下し、肌荒れを起こしていることを示している。従って、この経皮水分蒸散量の値を測定することにより、本発明品の外用剤としての効果を検討することができる。
なお、測定値は平均値で示した。
【0327】
(2)経皮吸収量
37℃の温水でラットの背部を洗浄後、背部皮膚を切取り、経皮吸収用チャンバーに表皮側を上にして固定した。下部受器にはリン酸緩衝塩類溶液を満たし、表皮上部には37KBqの14C−サリチル酸を含むリン酸緩衝塩類溶液1mlを加え静置した。2時間後、下部受器から1mlのリン酸緩衝塩類溶液を抜取り、浸透してきた14C−サリチル酸の放射活性量を測定することにより評価した。なお、正常なバリアー機能が維持されている健常ラットでは本実験時間(2時間)では14C−サリチル酸は殆ど浸透しないが、バリアー機能障害を起こした必須脂肪酸欠乏症ラットでは有意に14C−サリチル酸の浸透量が増加する。測定値は、平均値で示した。
【0328】
【表1】
Figure 0003752026
【0329】
【表2】
Figure 0003752026
【0330】
上記表1及び表2に示す結果から明らかな通り、本発明のアミド誘導体を含有する本発明品はいずれも、スクワランのみを含有する比較品に比べて経皮水分蒸散量及び経皮吸収量を抑制する効果に優れるものである。
【0331】
【発明の効果】
本発明のアミド誘導体は、角層のバリアー機能を本質的に改善(維持・補強)する効果を有し、かつ皮膚外用剤に配合する場合に、融点や結晶性が低く、基剤に対する溶解性や安定性が良好で、基剤に安定・容易に配合可能である。従って、本発明のアミド誘導体を含有する本発明の皮膚外用剤は、皮膚に適用することにより、角層のバリアー機能を本質的に改善し、皮膚炎症や肌荒れ等の改善・予防効果が期待できるものである。

Claims (5)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0003752026
    (式中、R1 は炭素数1〜40の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を示し、R2 は炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示し、R3 は水素原子、ヒドロキシル基、又はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基を示し、R4 は炭素数1〜39の直鎖又は分岐鎖の二価の炭化水素基を示し、
    Figure 0003752026
    (ここで、R6 は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基を示し、R7 は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖又は環構造を持つ炭化水素基を示し、R8 及びR9 は同一又は異なって、水素原子、又は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖若しくは環構造を持つ炭化水素基を示すか、R8 及びR9 が一緒になって酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の二価の炭化水素基を形成してもよく、R10はカルボニル基、メチレン基又は単結合を示し、R11は酸素原子を含有していてもよい炭素数1〜40の直鎖、分岐鎖、若しくは環構造を持つ炭化水素基又は水素原子を示し、R10が単結合のときはR11は水素原子である)
    ただし、R5
    Figure 0003752026
    で表わされるアミド誘導体。
  2. 1 が炭素数4〜26の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基であり;R2 が炭素数1〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり;R3 が水素原子、ヒドロキシル基、又はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基であり;R4 が炭素数5〜31の直鎖の飽和の二価の炭化水素基であり;R5
    Figure 0003752026
    (ここで、R6 が水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素基であり;R7 がヒドロキシ基、エーテル結合、ケトン、カルボキシル基及びカルボキシレート結合から選ばれる1又は2以上を有していてもよい炭素数7〜25の直鎖、分岐鎖又は環構造を有する炭化水素基であり;R8 及びR9 が同一又は異なって水素原子又はヒドロキシ基、エーテル結合、ケトン、カルボキシル基及びカルボキシレート結合から選ばれる1又は2以上を有していてもよい炭素数7〜25の直鎖、分岐鎖又は環構造を有する炭化水素基であるか、R8 及びR9 が一緒になって炭素数1〜40のアルキレン、アルケニレン、アルキレン−O−アルキレン又はアルケニレン−O−アルケニレンを形成してもよく、R10がカルボニル基、メチレン基又は単結合であり;R11がヒドロキシ基、エーテル結合、ケトン、カルボキシル基及びカルボキシレート結合から選ばれる1又は2以上を有していてもよい炭素数7〜25の直鎖、分岐鎖又は環構造を有する炭化水素基又は水素原子であり、R10が単結合のときはR11は水素原子である)、ただし、R5
    Figure 0003752026
    のとき、R3 はヒドロキシル基ではないものである請求項1記載の化合物。
  3. 1 が炭素数4〜22の直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物を含有することを特徴とする外用剤組成物。
  5. 医薬又は化粧料として使用するものである請求項4記載の組成物。
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