JP3751765B2 - 円筒型電池の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有底円筒型の電池ケース内に発電要素が収納されてなる円筒型電池を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ノート型パソコン、携帯電話機およびビデオカメラなどの様々な携帯用電子機器の普及と進歩に伴い、それらの駆動用電源としては高性能、安全性および信頼性の高い電池が望まれており、このような要件を満たす電池として、特に、ニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池が注目されている。すなわち、これらの電池は、高エネルギ密度を有するとともに自己放電が少なく、極めて長い貯蔵寿命を有するなどの特長を備えているため、携帯用電子機器の小型軽量化に大きく寄与できるからである。
【0003】
このような電池は、例えば、図4に示すような構造になっている。すなわち、同図には、有底円筒型の電池ケース1で外装された円筒型電池を図示してあり、電池ケース1は負極端子を兼ねている。この電池ケース1内には、正極活物質を有する帯状の正極板3と負極活物質を有する帯状の負極板4との間にセパレータ7を介在して重ね合わせた積層物を、負極板4を正極板3に対し外側に配して渦巻き状に巻回してなる電極体2が収納されている。この電極体2は電池ケース1内に注液された電解液(図示せず)と共に発電要素を構成する。
【0004】
電池ケース1の上端開口部は、閉塞蓋板9、安全弁のゴム弁体10、外部端子板(通常は正極端子を兼ねる)11により構成された封口体8を、電池ケース1の外周面に形成した環状溝13により内方に膨出した環状支持部14に、絶縁ガスケット12介在して載置支持させるとともに、電池ケース1の上端の開口周縁部を内方に折り曲げてかしめ加工することにより、液密に封止されている。
【0005】
上述のような円筒型電池の製造に際して、渦巻き状の電極体2の外径は、電池ケース1内に円滑に挿入できるように、電池ケース1の内径よりも若干小さく設定される。これは、渦巻き状であることから必然的に外形が真円とならない電極体2を電池ケース1内に挿入するときに、電極体2の外周部が電池ケース1の内周面にこすれて極板崩れが生じるのを防止するためである。この場合、電池ケース1の内周面と電極体2との間には小さな隙間が生じるので、電極体2には、ゆるみが生じて正,負極板3,4の緊縛度が低下する。そのため、単位体積当たりの発電要素の収納容量が低下してエネルギ密度が低下する。これに対して、渦巻き状に巻回した電極体2の外周部をテーピングして緊縛度を保持する方法も提案されているが、この場合には、電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間がそのまま維持されるため、電極体2が電池ケース1内で揺動してリード片のちぎれなどの別の問題が生じ、電池としての信頼性が低下する。
【0006】
そこで、従来では、上述のような問題を解消するものとして、スウェージ方式(回転しながら互いに接離する方向に往復動する一対の金型で電池ケース1の外周面を両側から間欠的に叩打して絞る方式)により電池ケース1を縮径して円筒型電池を製造する技術(特開平10-27584号公報参照)が提案されている。この円筒型電池は、電池ケース1を、電池完成時の所定の外径よりも僅かに大きな外径に形成しておき、この電池ケース1内に所要量の電極体2を収納したのちに、電池ケース1における電極体2の収納箇所のみを所定の外径に縮径することにより、電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間を無くし、続いて、電池ケース1に対して、環状溝13の形成、電解液の注液および封口体8の挿入を順次行い、この封口体8で電池ケース1の上端開口部を密閉しない状態において、電池ケース1の封口体8を収納している開口部近傍箇所を所定の外径に縮径し、最後に、電池ケース1の縮径した開口周縁部を内方に折り曲げてかしめ加工することにより、電池ケース1を封止する工程を経て製造される。
【0007】
上記の円筒型電池では、電池完成時の所定の外径よりも大きな外径に形成した電池ケース1内に電極体2を挿入するので、電極体2を可及的に大きな径としながらも電池ケース1内に円滑に挿入でき、また、電池ケース1の縮径によって電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間を無くしているので、電極体2にゆるみによる緊縛度の低下が生じない効果を得られる。ところが、電池ケース1における電極体2の収納箇所を所定の外径に縮径して電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間が無くなった状態として電解液を注入するので、所要量の電解液を注入することが困難となる。これに対して、電解液に圧力を付与して注入する手段などを用いて所要量の電解液を強制的に注入したとしても、電池ケース1の上端開口部を封口体8で密閉しない状態において電池ケース1の開口近傍箇所を縮径する際に、電解液が電池ケース1の開口部から飛び出してしまう。したがって、上記の製造方法で得られる円筒型電池は、電解液の不足によって充放電サイクルの寿命が低下するという問題がある。
【0008】
また、上述のスウェージ方式で電池ケース1を縮径する場合には、例えば、約50mmの長さの電池ケース1を0.6 mm縮径するのに約4秒の加工時間を必要とし、生産性が低い難点がある上に、電池ケース1の外周面全体に圧力を均等に付加するのが難しいことから、縮径後の電池ケース1の真円度が低く、電池としての品位が低下する欠点もある。
【0009】
上記とは別に、従来では、図5および図6に示すような工程を経て円筒型電池を製造する方法(特公昭62-409818 号公報参照)も提案されており、以下に、その製造方法について説明する。
【0010】
同図(a),(b)は電池ケース1の外周面の所定箇所に環状溝13を形成する溝入れ工程を示す。電池ケース1は電池完成時の所定の外径dよりも若干大きな外径Dに形成されており、この電池ケース1内に電極体2が収納される。したがって、電極体2は、上記外径Dに対応する可及的に大きな径となるように渦巻き状に巻回しながらも、電池ケース1内に極板崩れが生じることのないように容易に挿入できる。このとき、電池ケース1の内周面と電極体2との間には僅かな寸法sの隙間20が存在する。
【0011】
電極体2を収納した電池ケース1は、その下部を回転自在のホルダ基台17に嵌め込んで支持され、その電池ケース1の上端開口部には中型18が(b)に示すように嵌め込まれる。つぎに、電池ケース1の外周面の所定箇所には溝形成用ローラ19が回転しながら押し付けられるとともに、(b)に示すように、電池ケース1がホルダ基台17及び中型18によって回転される。これにより、電池ケース1の外周面には環状溝13が形成され、且つ電池ケース1の内周面には環状溝13の形成によって膨出した環状支持部14が形成される。
【0012】
続いて、(c)に示すように、電池ケース1内には注液管26によって電解液21が注入される。このとき、電池ケース1は大きな外径Dのままに保持されているから、所要量の電解液21を容易に注入することができる。
【0013】
つぎに、(d),(e)に示す封口工程が行われる。先ず、電池ケース1内には、図4に示した封口体8が挿入されて環状支持部14上に載せられる。続いて、封口用金型22が電池ケース1の上端部に向けて下動されると、電池ケース1の開口周縁部は、封口用金型22の傾斜面となった加工ガイド面22aに沿いながら内方に折り曲げられていくとともに、封口用金型22のかしめ加工面22bによって封口体8上にかしめ加工され、電池ケース1の開口部が封口体8によって仮封口される。すなわち、ここで、電池ケース1における封口体8を収納する箇所は、大きな外径Dを有した状態でかしめ加工されるから、電池ケース1と封口体8との間には僅かな隙間が存在しており、電池ケース1の開口部は完全な封止状態とならない仮封口される。
【0014】
最後に、図6(f),(g)に示す縮径工程が行われる。封口体8で上端開口部を仮封口された電池ケース1は、その封口体8を含む上端部を押さえ支持具23によって吊り下げ状態に支持された状態で、上動してくるほぼ円筒状の縮径装置24の内部に挿通される。縮径装置24におけるほぼ円筒形の外体ボックス25の内周面には、(f)に示すように、電池ケース1を所定の外径dに縮径するための縮径用金型27が着脱自在に嵌め込まれ、この縮径用金型27が固定具28によって固定されている。したがって、電池ケース1は、縮径用金型27の内部を通過し終えたときに、(g)に示すように、長手方向の全体が縮径用金型27によって所定の外径dに縮径される。このように電池ケース1を所定の外径dに縮径することにより、電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間20を無くして、電極体2にゆるみによる緊縛度の低下が生じないようにしている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の円筒型電池の製造方法では、図7(a)に示すように、所定の外径dよりも大きな外径Dとした電池ケース1内に必要量の電極体2および電解液を収納したのちに上端開口部を封口体8で仮封口した状態において、電池ケース1の全体をその長手方向に沿って所定の外径dに縮径するので、縮径寸法〔(D−d)÷2〕を0.2 mm以上に比較的大きく設定した場合には、図7(b)に示すように、電池ケース1における環状溝13の形成箇所が、縮径の際の圧力を受けて座屈し、垂れ下がる状態に変形してしまう。この変形に伴って、絶縁ガスケット12は封口体8から離れる状態に変形してしまう不都合が生じる。
【0016】
そのため、電池ケース1の内周面と電極体2との隙間20に存在していた電解液21は、電池ケース1が底部から上方に向けて縮径されるのに伴い上方に押し出されたときに、その一部が封口体8とこれから離れるように変形した絶縁ガスケット12との間、或いは電池ケース1の内周面と絶縁ガスケット12との間に存在する隙間内に侵入し、その侵入した電解液21が漏液の通路になってしまうので、耐漏液性が著しく低下する。
【0017】
一方、電池ケース1における封口体8を保持している開口周縁部は、封口体8に対しかしめ加工が終了した状態で縮径され、封口体8も縮径の際の圧力を受けて変形してしまので、封口体8による封口耐圧機能が劣化し、ひいては耐漏液性の低下を招く。したがって、上記の製造方法によって製造された円筒型電池には、封口耐圧および耐漏液性が著しく低下するという問題がある。
【0018】
そこで本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、単位体積当たりの発電要素のエネルギ密度が高く、信頼性、封口耐圧および耐漏液性にそれぞれ優れた円筒型電池を製造することのできる方法を提供することを目的とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の円筒型電池の製造方法は、正極板と負極板との間にセパレータを介在して渦巻き状に巻回した電極板を、電池完成時の所定の外径よりも大きな外径に形成した電池ケース内に収納する電極体収納工程と、前記電池ケースにおける前記電極体の収納箇所に対し上部箇所を所定の外径に縮径する上部縮径工程と、前記電池ケース内に電解液を注入する注液工程と、
前記電池ケースの所定の径とした上部箇所に封口体を挿入して開口部を封口する封口工程と、前記電池ケースにおける未縮径箇所の全体を電池ケースの内周面と渦巻き状に巻回した電極板の外周面との間の隙間を無くしうる外径に縮径する縮径工程とを有することを特徴としている。
【0020】
この円筒型電池の製造方法では、電池完成時の所定の外径よりも大きな外径とした電池ケース内に、可及的に大きな径とした電極体を極板崩れを生じることなく容易に収納でき、且つ所要量の電解液を容易を注入でき、さらに、電池ケースを所定の外径に縮径して電池ケースの内周面と電極体との間の隙間を無くすので、単位体積当たりのエネルギ密度および信頼性が共に高い円筒型電池を得ることができる。
【0021】
また、電池ケースにおける電極体の収納箇所に対し上部箇所を所定の外径に縮径した状態として、電池ケースの開口部を封口体により正規の封止状態に封口したのちに、電池ケースにおける電極体の収納箇所を所定の外径に縮径するので、電池ケースにおける封口体の収納箇所や封口体は、何ら外力を受けないことから、変形などが生じることがなく、電池ケースの開口周縁部をかしめ加工して封口したときの高い封口耐圧をそのまま維持する。
【0022】
さらに、縮径工程において封口体が変形しないことから、環状溝は縮径時の外力を受けて内方に向けて膨らむ状態に変形するが、電池ケースにおける絶縁ガスケットとの接触箇所は、縮径加工前の接触角度を維持して絶縁ガスケットに密着する状態をそのまま保持する。したがって、この製造方法により製造した円筒型電池は、高い封口耐圧と耐漏液性とを共に確保できる優れたものとなる。
【0023】
上記発明において、上部縮径工程ののちに、縮径によって所定の外径とした上部箇所の外周面に環状溝を形成して前記電池ケースの内周面に封口体を支持する環状支持部を形成する溝入れ工程を行うことが好ましい。
【0024】
これにより、環状溝は、電池ケースにおける所定の外径に縮径した箇所に形成するので、電池ケースの大きな外径の箇所に環状溝を形成したのちに電池ケースを所定の外径に縮径する場合のような座屈によって垂れ下がる形状に変形するといったことが生じない。
【0025】
また、上記発明における電池ケースの縮径工程において、電池ケースの未縮径箇所に対し複数回の縮径を繰り返して外径を徐々に小さく縮径しながら所定の外径とすることが好ましい。
【0026】
これにより、電池ケースを極めて円滑に所定の外径に縮径することができるとともに、電池ケースにおける環状溝の形成箇所の変形をさらに低減でき、電池ケースと絶縁ガスケットの接触箇所を封口加工時の密着状態に一層確実に保持することができるから、封口耐圧と耐漏液性とをさらに高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1および図2は本発明の円筒型電池の製造方法における製造工程を順に示した工程図で、図1(a),(b)は上部縮径工程、同図(c),(d)は溝入れ工程、同図(e)は注液工程、図2(f),(g)は封口工程、同図(h),(i)は縮径工程をそれぞれ示す。
【0028】
先ず、図1(a)に示すように、電池ケース1は電池完成時の所定の外径dよりも若干大きな外径Dに形成されており、この電池ケース1内に電極体2が挿入して収納される。したがって、電極体2は、上記外径Dに対応する可及的に大きな径となるよう渦巻き状に巻回して容量アップを図りながらも、電池ケース1内に極板崩れが生じることなく容易に挿入できる。このとき、電池ケース1の内周面と電極体2との間には僅かな寸法sの隙間20が存在する。
【0029】
そして、電池ケース1における開口部近傍の上部箇所を縮径するに際して、電極体2を収納した電池ケース1は、その下部を回転自在のホルダ基台17に嵌め込んで支持される。その電池ケース1の上部の開口部近傍箇所は、上部縮径装置29が矢印で示すように下動して嵌まり込むことによって、(b)に示すように、電池完成時の所定の外形dに縮径される。
【0030】
すなわち、上部縮径装置29は、有頭円筒状の外体ボックス30の内周面に、電池ケース1の上部を所定の外径dに縮径する口径を有する絞り加工部31aと傾斜面となった加工ガイド面31bとを有する縮径用金型31が嵌め込み固定されているとともに、外径dとほぼ同じ径の円径に形成された押さえ面32aを下部に備えた押さえ中子32が外体ボックス30内に摺動自在に収納され、外体ボックス30の内部における押さえ中子32の上方箇所にコイルスプリング33が収納された構成になっている。
【0031】
したがって、電池ケース1の上部は、上部縮径装置29の下動に伴い外体ボックス30内に挿入したのち、縮径用金型31の加工ガイド面31bに沿って内方に折り曲げられていき、上端部が絞り加工部31aによって規制された所定の外径dに縮径される。上部縮径装置29が下限位置まで下動した時点では(b)に示すように、電池ケース1の上部は、その開口端面に押さえ中子32の押さえ面32aがコイルスプリング33の付勢力により下方向に押し付けられている。そして、上部縮径装置29が上昇する際、コイルスプリング33の付勢力により押さえ中子32が電池ケース1の上端部を下方向に押しつけることにより、電池ケース1が金型31より離脱される。
【0032】
つぎに、上部箇所を所定の外径dに縮径された電池ケース1には、(c),(d)に示す工程を経て環状溝13が形成される。すなわち、電池ケース1における所定の外径dに縮径された上端開口部には中型18が(c)に示すように嵌め込まれる。つぎに、電池ケース1の外周面における所定箇所には溝形成用ローラ9が回転しながら押し付けられるとともに、(d)に示すように、電池ケース1がホルダ基台17及び中型18によって回転される。これにより、電池ケース1の外周面には環状溝13が形成され、且つ電池ケース1の内周面には環状溝13の形成によって膨出した環状支持部14が形成される。ここで、環状溝13は、電池ケース1における所定の外径dに縮径された上部箇所と大きな外径Dの箇所との中間箇所に、封口体8に対応する所定形状に形成される。
【0033】
続いて、(e)に示すように、電池ケース1内には注液管26によって電解液21が注入される。このとき、電池ケース1における電極体2の収納箇所は大きな外径Dのままに保持されているから、所要量の電解液21を容易に注入することができる。
【0034】
つぎに、図2(f),(g)に示す封口工程が行われる。先ず、(f)に示すように、電池ケース1における所定の外径dに縮径された開口近傍箇所の内部には、図4に示した封口体8が嵌め込まれて環状支持部14上に載せられる。続いて、封口用金型34が電池ケース1の上端部に向けて下動されると、電池ケース1の開口周縁部は、封口用金型34の傾斜面となった加工ガイド面34aに沿いながら内方に折り曲げられていくとともに、封口用金型34のかしめ加工面34bによって封口体8上にかしめ加工され、電池ケース1の開口部が封口体8によって封止される。この封口工程は、電池ケース1における封口体8によって封口する上部箇所のみが電池完成時の所定の外径dに縮径されて、その所定の外径dとなった箇所に形成された環状支持部14に封口体8を支持させた状態で行うから、従来方法における図5(d),(e)の封口工程での仮封口とは異なり、電池ケース1の開口部は電池完成時の正規の封口状態に封止される。
【0035】
最後に、(h),(i)に示す縮径工程が行われる。封口体8で上端開口部を封口された電池ケース1は、その封口体8を含む上端部を押さえ支持具37によって吊り下げ状態に支持された状態で、上動してくるほぼ円筒状の縮径装置24の内部に挿通される。縮径装置24におけるほぼ円筒形の外体ボックス25の内周面には、(h)に示すように、電池ケース1を所定の外径dに縮径するための縮径用金型27が嵌め込まれ、この縮径用金型27が固定具28によって固定されている。縮径用金型27は、電池ケース1を所定の外径dに縮径する口径を有する絞り加工部27aと傾斜面となった加工ガイド面27bとを一体に備えている。したがって、電池ケース1は、縮径用金型27の内部を通過し終えたときに、(i)に示すように、長手方向における上部を除く全体が絞り加工部27aによって所定の外径dに縮径される。このように電池ケース1が所定の外径dに縮径されることにより、電池ケース1の内周面と電極体2との間の隙間20が無くなり、電極体2にゆるみによる緊縛度の低下が生じない。
【0036】
上記の縮径工程は、図3(a)に示すように、電池ケース1の上部が所定の外径dに縮径されて開口部が封口体8で封口された状態において、電池ケース1における電極体2の収納箇所についてのみ行われるだけである。したがって、電池ケース1における封口体8による封口箇所は縮径用金型27の絞り加工部27aに対し単に挿通するだけあるから、電池ケース1における封口体8の収納箇所や封口体8は、何ら外力を受けないことから、変形などが生じることがなく、前述の封口工程において電池ケース1の開口周縁部をかしめ加工して封口したときの高い封口耐圧をそのまま維持する。
【0037】
また、この縮径工程では、電池ケース1における封口体8による封口箇所が何ら外力を受けないので、電池ケース1における電極体2の収納箇所が縮径されたときに、図3(b)に示すように、環状溝13が縮径時の外力を受けて内方に向けて膨らむ状態に変形するが、電池ケース1における絶縁ガスケット12との接触箇所は、(a)との比較から明らかなように、縮径加工前の180 °の接触角度を維持して絶縁ガスケット12に密着する状態をそのまま保持する。したがって、この製造方法により製造した円筒型電池は、所要量の電極体2と電解液21とを電池ケース1内に収納し、且つ電池ケース1の内周面と電極体2との間に隙間20を無くして単位体積当たりのエネルギ密度を高めながらも、高い封口耐圧と耐漏液性とを共に確保できる優れたものとなる。
【0038】
なお、上記縮径工程において電池ケース1の内圧が上昇するが、その内圧は、ゴム弁体10などにより構成された安全弁の作動圧力よりも十分に小さいものであり、縮径工程での電池ケース1の内圧上昇によって安全弁が作動することがない。例えば、実測によると、外径が10mmの単4形の円筒型電池の製造に際しては、0.3 mm〜0.6 mmの縮径(したがって、縮径前の電池ケース1の外径Dは10.3mm〜10.6mm)を行うが、この縮径工程において上昇する電池ケース1の内圧は4kg/cm2〜5kg/cm2程度であり、安全弁の作動圧力は15kg/cm2〜20kg/cm2程度に設定されている。
【0039】
また、上記実施の形態における図2(h),(i)の縮径工程では、単一の縮径装置24を用いて電池ケース1における電極体2の収納箇所を一工程で縮径する場合について説明しているが、複数回の縮径工程を繰り返して電池ケース1を縮径前の外径Dからを徐々に縮径していき、最終回の縮径工程によって所定の外径dまで縮径するように構成すると好適である。この各縮径工程では、絞り加工部27aの口径が順次小さくなった複種類の縮径用金型27を縮径装置24に対しその都度取り替え装着して行うか、或いは絞り加工部27aの口径が順次小さくなった複種類の縮径用金型27を個々に装着した複数の縮径装置24を用いて行う。このように複数回に分割した縮径工程を行って電池ケース1の大きな外径Dを所定の外径dに縮径することにより、電池ケース1における環状溝13の形成箇所の変形を一層低減でき、電池ケース1と絶縁ガスケット12との接触箇所を封口加工時の密着状態のまま保持することができ、封口耐圧と耐漏液性とを一層高めることができる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明の円筒型電池の製造方法によれば、電池ケースにおける電極体の収納箇所に対し上部箇所を所定の外径に縮径した状態として、電池ケースの開口部を封口体により正規の封止状態に封口したのちに、電池ケースにおける電極体の収納箇所を電池ケースの内周面と渦巻き状に巻回した電極板の外周面との間の隙間を無くしうる外径に縮径するようにしたので、電池ケースにおける封口体の収納箇所や封口体は、何ら外力を受けないことから、変形などが生じることがなく、電池ケースの開口周縁部をかしめ加工して封口したときの高い封口耐圧をそのまま維持する。
【0041】
また、縮径工程において封口体が変形しないことから、環状溝は縮径時の外力を受けて内方に向けて膨らむ状態に変形して、電池ケースにおける絶縁ガスケットとの接触箇所は、縮径加工前の接触角度を維持して絶縁ガスケットに密着する状態をそのまま保持する。したがって、この製造方法により製造した円筒型電池は、高い封口耐圧と耐漏液性とを共に確保できる優れたものとなる。
【0042】
さらに、電池完成時の所定の外径よりも大きな外径とした電池ケース内に、可及的に大きな径とした電極体を極板崩れを生じることなく容易に収納でき、且つ所要量の電解液を容易に注入でき、さらに、電池ケースを所定の外径に縮径して電池ケースの内周面と電極体との間の隙間を無くすので、単位体積当たりのエネルギ密度および信頼性が共に高い円筒型電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒型電池の製造方法における前半の製造工程を順に示した工程図で、(a),(b)は上部縮径工程、(c),(d)は溝入れ工程、(e)は注液工程。
【図2】同上の製造方法における後半の製造工程を順に示した工程図で、(f),(g)は封口工程、(h),(i)は縮径工程。
【図3】(a)は同上製造方法における封口工程後の要部の縦断面図、(b)は縮径工程後の完成電池の要部の縦断面図。
【図4】本発明の方法により製造される円筒型電池を示す縦断面図。
【図5】従来の円筒型電池の製造方法における前半の製造工程を順に示した工程図で、(a),(b)は溝入れ工程、(c)は注液工程、(d),(e)は封口工程。
【図6】同上の製造方法における最後の製造工程である縮径工程の工程図。
【図7】(a)は同上製造方法における封口工程後の要部の縦断面図、(b)は縮径工程後の完成電池の要部の縦断面図。
【符号の説明】
1 電池ケース
2 電極体
3 正極板
4 負極板
7 セパレータ
8 封口体
13 環状溝
14 環状支持部
21 電解液
d 所定の外径
D 大きな外径
Claims (3)
- 正極板と負極板との間にセパレータを介在して渦巻き状に巻回した電極板を、電池完成時の所定の外径よりも大きな外径に形成した電池ケース内に収納する電極体収納工程と、
前記電池ケースにおける前記電極体の収納箇所に対し上部箇所を所定の外径に縮径する上部縮径工程と、
前記電池ケース内に電解液を注入する注液工程と、
前記電池ケースの所定の径とした上部箇所に封口体を挿入して開口部を封口する封口工程と、
前記電池ケースにおける未縮径箇所の全体を電池ケースの内周面と渦巻き状に巻回した電極板の外周面との間の隙間を無くしうる外径に縮径する縮径工程とを有することを特徴とする円筒型電池の製造方法。 - 電極体収納工程ののち、上部縮径工程を経て、縮径によって所定の外径とした上部個所の外周面に環状溝を形成して前記電池ケースの内周面に封口体を支持する環状支持部を形成する溝入れ工程を行い、その後注液工程、封口工程を経て、縮径工程により円筒形電池を製造することを特徴とする円筒型電池の製造方法。
- 電池ケースの縮径工程において、電池ケースの未縮径箇所に対し複数回の縮径を繰り返して外径を徐々に小さく縮径しながら所定の外径とするようにした請求項1または2に記載の円筒型電池の製造方法。
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