JP3811617B2 - 電池とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池ケース内に電極群や電解液等の発電要素を封入してなる密閉型の電池とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、各種ポータブル型の電気機器の発達に伴い、その駆動電源となる電池が重要なキーデバイスの1つとしてその開発が重要視されている。その電池のうちでも充電可能なニッケル水素蓄電池やリチウムイオン二次電池といった小型二次電池は、携帯電話やノートパソコンあるいはビデオカメラ等を始めとして、近年ではハイブリッド電気自動車の駆動電源等としての用途にも開発が進み、益々その需要が拡がりつつある。
【0003】
このような電池は、円筒型と角型とに大別される。円筒型電池は、帯状の正極板1と負極板2との間にセパレータ3を介在させた電極群4を渦巻き状に巻回して電池ケース5内に収容する(本実施形態を示す図2参照)構造のため、単位体積当たりのエネルギ密度が高い。一方、角型電池は図7に示すように、正極板1と負極板2との間にセパレータ3を介在させた電極群4を積層して電池ケース5内に収容する構造が一般的であり、この点を比較すれば円筒型電池は生産性に優れ、低コストである。ところが、複数本をパックケースに収容して電池パックを構成する場合等では円筒型電池は、無駄な残空間つまりデッドスペースが多くなって空間効率が悪い(本実施形態の比較例を示す図5参照)上に、収納空間内での安定性も悪いので、電気機器の小型化や薄型化に対し不向きである。
【0004】
これに対し角型電池は、空間効率が高い上に収納空間内に安定した状態で収容できるものの、前記積層構造のため、電池容量を高めるために極板の積層枚数を多くすると接続線6(図7)の数が多くなる等、生産コストもかかってしまう。その上、円筒型電池と比較して密閉化が困難であり、信頼性が劣るという短所を有している。
【0005】
この密閉化の方法として角型電池では封口板とケース開口部との接合部をレーザー溶接する方法が一般的であるが、この方法は製造コストが高くなる上に、溶接状態を安定化させるためのレーザーの条件管理が難しく、信頼性が高い方法であるとはいえない。さらに図7のような角型電池において封口体10と開口部を円筒型電池と同様にかしめ方式により封口する方法が、特開昭63−221551号公報等に開示されている。しかしこの方法では、封口体10により密閉するための電池ケースの側面への環状溝の形成が困難であり、さらに角筒状のケース開口端部をかしめる際に各角部にゆがみが生じやすいため、円筒型電池をかしめる場合よりも密閉性が低いという問題がある。
【0006】
そこで図9に示すように角筒状の胴部12を有する電池ケースの開口頭部11を円筒状に形成し、その円筒状部分をかしめる方法が考えられる。このかしめ方法として、例えば特開昭58−112259号公報に開示されている円筒状電池ケースのかしめ方法(図8を参照)を図9に示す電池ケースのかしめ方法に転用した場合に考えられる電池の製造方法を説明する。
【0007】
電池ケース5に前記電極群を収容後、ホルダ部7に電池ケース5の底部を挿入し、電池ケース5をその底部側から軸方向に押圧力を付与した状態で、上部固定部8にて電池ケース5の開口部を固定化し、その後所定の回転数で上部固定部8を回転させて電池ケース5を回転させる。この状態で、電池ケース5を底部側から軸方向に押圧しながら、溝付け用ローラ9を所定の圧力で電池ケース5の側面に圧接することによって開口部近傍に環状溝5aを形成する。そしてこの環状溝5aの形成により内方に膨出した環状支持部5bに封口体10(図9)を支持させると共に、電池ケース5の開口部を内方に折り曲げて、この開口端部と前記環状支持部5bとの間に封口体10をかしめ固定することにより電池内を密閉している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上記従来例に用いる環状溝の形成方法を、図9に示すような角筒状の胴部12と円筒状の開口頭部11を有する電池の製造方法に用いた場合には、電池ケース5の底部側から軸方向に押圧力が付与されているので、角筒状の胴部12側から環状溝5aへの材料供給がスムーズに行われないため、環状溝5aを開口頭部11と胴部12の境界部に形成した場合には、材料供給が殆ど無い状態で溝付け用ローラ9によって局部的に延ばされてしまい、その部分の肉厚が薄くなり変形や切断という問題が生じる。
【0009】
そこで、電池ケース5の底部側から押圧する従来の方法により、環状溝5aを形成する場合には、材料供給のために環状溝5aの下部にいくらかの円筒状部分5cを残した状態(本実施形態との比較例図6(b)参照)で環状溝5aを形成させなければならず、環状溝5aの下部の円筒状部分5cの内側は無駄な空間となり、電池ケース5の内部空間の損失という問題が生じる。
【0010】
そこで本発明は、複数本を収納する際の空間効率が良い角型電池の特徴を活かした上で、電池ケースの内部空間の損失を招かない位置に形成した環状溝を利用したかしめ加工により、信頼性の高い密閉化を行えることのできる電池とその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の電池は、電池ケースの角筒状の胴部内に電極群および電解液が収容され、前記電池ケースの円筒状の開口頭部側面に環状溝が形成されることによって内方に膨出した環状支持部に、封口体が支持されると共に、電池ケースの開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と前記環状支持部との間に前記封口体をかしめ固定することにより密閉された電池であって、前記環状溝は、円筒状の開口頭部と角筒状の胴部の境界部に位置しており、前記電池ケースの胴部は、各角部が所定のアール形状に形成された略正方形状の横断面形状を有していることを特徴としている。
【0012】
この電池によれば、空間効率が高く収納空間内に安定した状態で収容できる角型電池の特徴を発揮しながら、円筒状の開口頭部に環状溝が形成され、その環状溝の形成により内方に膨出した環状支持部と電池ケースの開口端部との間に、円筒型電池と同様のかしめ方式により封口体がかしめ固定されているので、封口が容易であり密閉性にも優れたものとなる。また環状溝は、円筒状の開口頭部と、電極群と電解液が収容される角筒状の胴部との境界部に位置しているので、電池ケースの内部空間の損失が少ない。
【0013】
また電池ケースの胴部の各角部を所定のアール形状に形成した略正方形状の横断面形状を有するようにしているので、ケース加工が容易であると共に、前記円筒状の開口頭部や前記環状溝の形成の際に塑性変形が容易であり、過充電や過放電時の内圧上昇に対する耐圧性にも優れている。なお、複数個を並置状態でパックケースに収納して電池パックを構成する場合または電気機器の電池収納部に収納する場合に、電池同士が互いに接触した際に損傷や打痕が発生するといった不具合を未然に防止できる。
【0014】
また上記電池において、電極群を、帯状の正極板と負極板との間にセパレータを介在させて巻回し、電池ケースの胴部の横断面形状に対応した横断面形状に形成すれば、生産性が良くなり、単位体積当たりのエネルギ密度が高くなる。
【0015】
上記目的を達成するために本発明の電池の製造方法は、横断面形状が各角部に所定のアール形状部を有する略正方形状の電池ケース内に電極群を収容し、前記電池ケースの開口頭部を円筒状に圧縮成形して、電池ケースが円筒状の開口頭部と角筒状の胴部とを有する形状となるようにした後、電池ケースに開口部側から軸方向に押圧力を付与した状態で、電池ケースを回転させながら溝付け用ローラを、前記開口頭部の前記胴部に隣接する側面部分に側方から押し付けることによって環状溝を形成し、その内方に膨出した環状支持部に、封口体を支持させた後に電解液を注入し、電池ケースの開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と前記環状支持部との間に前記封口体をかしめ固定することにより電池内を密閉することを特徴としている。
【0016】
この電池の製造方法によれば、円筒状の開口頭部の角筒状の胴部に隣接する側面部分に環状溝を形成し、その環状溝の形成により内方に膨出した環状支持部と電池ケースの開口端部との間に、円筒型電池と同様のかしめ方式により封口体をかしめ固定させることができるので、封口が容易であり密閉性にも優れた電池を、空間効率が高く収納空間内に安定した状態で収容できる角型電池の特徴を維持した上で製造することができる。また、電池ケースの開口部側から押圧しながら環状溝を形成しているので、環状溝を形成するための充分な材料の供給を図ることができ、ほぼ均一な肉厚で寸法安定性に優れた環状溝を、円筒状の開口頭部と角筒状の胴部との境界部に確実に形成することができる。したがって、底部側から押圧していた従来例のように境界部の下部に材料供給のための円筒状部分を残す必要がなく、電池ケースの内部空間の損失が少なくなる。しかも電極群を、横断面が各角部に所定のアール形状部を有する略正方形状の電池ケースに収容するので、前記円筒状の開口頭部や前記環状溝の形成の際に塑性変形が容易になるし、また過充電や過放電時の内圧上昇に対する耐圧性にも優れ、複数個を並置状態でパックケースに収納して電池パックを構成する場合または電気機器の電池収納部に収納する場合に、電池同士が互いに接触した際に損傷や打痕が発生するといった不具合を未然に防止できる電池を製造することができる。
【0017】
尚、前記アール形状部の曲率半径を例えば4〜7mmに設定すると好適である。
【0018】
また上記方法において、電極群を、帯状の正極板と負極板との間にセパレータを介在させて巻回して円柱状とした後、これが電池ケースの横断面形状に対応した横断面形状となるように圧縮成形を施してから、電池ケース内に圧入状態で挿入すれば、その挿入の際に緊迫度が僅かに緩んで円形状への復元力で膨れ出る状態に僅かに変形し、上述したアール形状部の内側にデッドスペースを残さずに電池ケースの内面に対しそれぞれ密接することにより、単位体積当たりのエネルギ密度が高い電池を生産性良く製造することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。尚、従来例と同様の部分は同符号を付して説明する。また本発明は下記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
【0020】
図1は本発明の実施形態の電池を示す斜視図、図2は図1のA−A’線断面図である。この電池は、各角部が所定のアール形状に形成された略正方形状の横断面形状を有する有底角筒状の電池ケース5の胴部12の内部に、帯状の正極板1と負極板2とこれらの間にセパレータ3を介在して巻回してなる電極群4が収容され、電池ケース5内に電解液が注入される。
【0021】
電池ケース5の開口頭部11は円筒状に形成され、その側面に形成した環状溝5aにより内方に膨出した環状支持部5bに、絶縁ガスケット13を介して封口体10が載置支持された後、開口頭部11の開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と環状支持部5bとの間に封口体10をかしめ固定することにより、電池内が密閉された構造になっている。
【0022】
電極群4は、それぞれ帯状となった正極板1、負極板2およびセパレータ3を渦巻き状に巻回して円柱状とした後に、これに金型による圧縮成形を施すことにより、電池ケース5の横断面形状に対応する略正方形状にして、電池ケース5内に圧入状態で挿入されている。これにより、電極群4は胴部12内に挿入されたときに、緊迫度が僅かに緩んで元の円形状への復元力で膨れ出る状態に僅かに変形して、電池ケース5の内面に対しそれぞれ密接する。
【0023】
またこの電池は、電池ケース5の各角部が所定のアール形状、例えば曲率半径が4〜7mmに形成されたアール形状部5dを有しているので、ケース加工が容易であると共に、円筒状の開口頭部11や環状溝5aの形成の際に塑性変形が容易であり、過充電や過放電時の内圧上昇に対する耐圧性にも優れている。また上述のように円柱状に巻回した電極群4を圧縮成形して電池ケース5内に圧入する際にもデッドスペースを残さない。さらに図5に後述するように、複数個を並置状態でパックケースに収納して電池パック17を構成する場合または電気機器の電池収納部に収納する場合には、電池同士が互いに接触した際に損傷や打痕が発生するといった不具合を未然に防止できる。
【0024】
図3は、本実施形態の製造方法を工程順に示した斜視図である。まず、(a)に示すように、電池ケース5を上述したようなアール形状部5dを有する横断面形状が略正方形状の有底角筒状に形成する。そして電極群4を、正極板1と負極板2とこれらの間にセパレータ3を介在して重ね合わせた状態で渦巻き状に巻回した後に、電池ケース5の横断面形状に対応する横断面略正方形状に圧縮成形する。この電極群4の上端面には、正極集電体16が溶接され、正極集電体16の上には上方に突出した正極リード片14が溶接されている。また、電極群4の下端面には、負極リード片15と一体になった負極集電体(図2)が下方に溶接されている。このように形成された電極群4を電池ケース5内に挿入する。
【0025】
電極群4を電池ケース5内に挿入した後に、電極群4の中央の孔から溶接用電極棒を挿入して、負極集電体15のリード片を押圧させて下方に突出させると共に電池ケース5の底面に抵抗溶接させる。
【0026】
次に、電池ケース5に対し、その開口部の近傍箇所に対して金型による圧縮成形が施して、(b)に示すように、円筒状の開口頭部11を形成し、その内側に絶縁ガスケット13を嵌め込む。
【0027】
その後、(c)に示すように開口頭部11の側面に環状溝5aを形成し、電池ケース5内に電極群4を固定するが、環状溝5aの形成方法について図4を参照して説明する。
【0028】
まずホルダ部7に電池ケース5の底部を挿入した後、上部固定部8をホルダ部7に所定の圧力で押圧し、上部固定部8にて開口頭部11を固定化し、所定の回転数でホルダ部7を回転させて電池ケース5を回転させる。この状態で電池ケース5を開口部側から軸方向に所定の押圧力を付与した状態で、電池ケース5を回転させながら溝付け用ローラ9を、開口頭部11の側面に側方から押し付けることによって環状溝5aを形成する。その後、電池ケース5内に、図3(c)に示す電極群4の中央の孔から所定量のアルカリ電解液を注入した後、環状溝5aによって内方に膨出した環状支持部5bに、絶縁ガスケット13を介して封口体10を支持させる。
【0029】
そしてこの状態で図3(d)に示すように、開口頭部11の開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と環状支持部5bとの間に封口体10をかしめ固定することにより、電池内を密閉化して電池を構成する。
【0030】
(実施例)
以下に本発明の一実施例について詳細な説明を行う。この実施例において電池を以下のようにして製作した。
【0031】
すなわち水酸化ニッケルを活物質として含む、高さ34mm、幅250mm、厚み0.62mmである帯状の正極板と、水素吸蔵合金を活物質として含む、高さ34mm、幅310mm、厚み0.36mmである帯状の負極板とを親水化処理を施したポリプロピレン製のセパレータを介在させて巻回し、上部に正極集電体を下部に負極集電体を溶接して電極群を構成した。
【0032】
電池ケースとしては、各角部をR6でアール形状にした1辺21mmの略正方形状の断面を有する肉厚0.3mm、高さ45mmである鉄にニッケルメッキを施した金属製ケースを用いて、図3で説明した製造工程および図4で説明した環状溝の形成方法によって電池を製作した。尚、開口頭部11は上部7mmにあたる部分までを直径21mmの円筒状に圧縮成形を施した。
【0033】
上記によって得られた電池に初充放電を行い、高さ42mm、横断面の正方形の1辺が21mm、標準容量3600mAhである電池Aを製作した。
【0034】
(比較例1)
上記のようにして製作した電池Aと、比較例として高さ42mm、直径21mm、標準容量3000mAhである円筒型電池Bを、組電池とした際の電池パック17内での空間効率の違いを以下に比較する。
【0035】
1例として図5に、電動工具用の電池パック17に電池Aと比較例の電池Bをそれぞれ9本ずつ収納した場合をそれぞれ(a)、(b)に示している。電池Bの場合と比べて、本実施例の電池Aを収納した電池パック17は、残空間が少なく空間効率が優れていると云う角型電池の特徴を発揮している。しかも、本実施例の電池Aは、上記実施形態で示したようにアール形状部5dを有しているので、このような電池パック17を構成する場合または電気機器の電池収納部に収納する場合に、電池同士が互いに接触した際に損傷や打痕が発生するといった不具合を未然に防止できる。その上、一般的な円筒型電池のかしめ方式を採用できるように、開口頭部11を円筒状にし、その円筒状部分を封口するための環状溝5aの形成方法を、環状溝5aより下方が角筒状をした電池の形状を考慮して押圧方向を変えているので、胴部12が角筒状の角型電池の構造を有しながら生産性が良く、封口部分への信頼性が高い円筒型電池の特徴も発揮できる。
【0036】
以下、この環状溝部分の構造について従来の環状溝の形成方法を用いたものと比較して説明する。
【0037】
(比較例2)
この比較例2においては、環状溝を形成するために、従来例の図8で示したような電池ケースの底部側から押圧(実施例では図4で示したように電池ケースの開口部側から押圧)した状態で、溝付け用ローラを開口頭部と胴部との境界部の側面に圧接させる方法を採ったこと以外は、上記実施例と同様の方法にて電池を製作した。
【0038】
その結果、底部側からは材料が殆ど供給されないので、環状溝の部分が溝付け用ローラによって局部的に延ばされてしまい、肉厚が均一にならないためにその一部が切断したり、あるいは変形したりするものが多発し、安定した環状溝を形成させることができなかった。そのため、開口頭部が円筒状で胴部が角筒状の電池に環状溝を形成するには、図1のB−B’線で断面した要部拡大図である図6(b)に示すように、材料供給のために環状溝5aの下部にいくらかの円筒状部分5cを残した状態で環状溝5aを形成させなければならないが、これでは環状溝5aの下部の円筒状部分5cの内側は無駄な空間となり、電池ケース5の内部空間の損失という問題が生じていた。そこで本実施例では図6(a)に示すように、電池ケース5の開口部側から押圧することで環状溝5aを形成するための充分な材料供給を図ることができるので、円筒状の開口頭部11と角筒状の胴部12との境界部に、均一な肉厚を確保し、寸法安定性に優れた環状溝5aを確実に形成することができ、前記内部空間の損失が少なくなる。
【0039】
尚、上記実施例では正極板にニッケル極を用い、負極板に水素吸蔵合金極を用いたニッケル水素蓄電池の場合について説明を行ったが、他の電池、例えばニッケルカドミウム蓄電池やリチウムイオン二次電池等についても同様の効果が得られる。
【0040】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数本を収納する際の空間効率が良い角型電池の特徴を活かした上で、円筒状の開口頭部と角筒状の胴部との境界位置に形成した環状溝を利用したかしめ加工によって、電池ケースの内部空間の損失を少なくし、信頼性の高い密閉化を行えることのできる電池とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る電池を示す斜視図。
【図2】 図1のA−A’線断面図。
【図3】 同実施形態の製造工程を順に示した斜視図。
【図4】 同実施形態に用いる環状溝の形成方法を示す断面図。
【図5】 本発明の実施例の電池と円筒型電池とを比較した上面図。
【図6】 同実施例の電池と従来の環状溝の形成方法を用いた角型電池とを比較するため、図1のB−B’線で断面した要部拡大図。
【図7】 従来の角型電池の1例を示す斜視図。
【図8】 円筒型電池に用いる従来の環状溝の形成方法を示す断面図。
【図9】 従来の環状溝の形成方法を用いて角型電池に環状溝を形成した場合の状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 電極群
5 電池ケース
5a 環状溝
5b 環状支持部
5c 環状溝より下部の円筒状部分(従来例)
5d アール形状部
9 溝付け用ローラ
10 封口体
11 開口頭部
12 胴部
13 絶縁ガスケット
14 正極リード片
15 負極集電体
16 正極集電体
Claims (5)
- 電池ケースの角筒状の胴部内に電極群および電解液が収容され、前記電池ケースの円筒状の開口頭部側面に環状溝が形成されることによって内方に膨出した環状支持部に、封口体が支持されると共に、電池ケースの開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と前記環状支持部との間に前記封口体をかしめ固定することにより密閉された電池であって、前記環状溝は、円筒状の開口頭部と角筒状の胴部の境界部に位置しており、前記電池ケースの胴部は、各角部が所定のアール形状に形成された略正方形状の横断面形状を有していることを特徴とする電池。
- 電極群は、帯状の正極板と負極板との間にセパレータを介在させて巻回し、電池ケースの胴部の横断面形状に対応した横断面形状に形成されている請求項1記載の電池。
- 横断面形状が各角部に所定のアール形状部を有する略正方形状の電池ケース内に電極群を収容し、前記電池ケースの開口頭部を円筒状に圧縮成形して、電池ケースが円筒状の開口頭部と角筒状の胴部とを有する形状となるようにした後、電池ケースに開口部側から軸方向に押圧力を付与した状態で、電池ケースを回転させながら溝付け用ローラを、前記開口頭部の前記胴部に隣接する側面部分に側方から押し付けることによって環状溝を形成し、その内方に膨出した環状支持部に、封口体を支持させた後に電解液を注入し、電池ケースの開口端部を内方に折り曲げ、この開口端部と前記環状支持部との間に前記封口体をかしめ固定することにより電池内を密閉することを特徴とする電池の製造方法。
- アール形状部の曲率半径は4〜7mmである請求項3記載の電池の製造方法。
- 電極群は、帯状の正極板と負極板との間にセパレータを介在させて巻回して円柱状とした後、これが電池ケースの横断面形状に対応した横断面形状となるように圧縮成形を施してから、電池ケース内に圧入状態で挿入する請求項3または4記載の電池の製造方法。
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