JP3751156B2 - 立軸歯車変速装置の潤滑油供給機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立軸変速装置の潤滑油機構に関する。より詳細には、立軸変速装置を構成する歯車機構の歯面、軸継手あるいは軸受に対して、潤滑油を供給する潤滑油供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
立軸歯車変速装置においては、入力軸及び出力軸が上下方向(軸線方向)に並んで配置されており、該入力軸の回転は遊星歯車機構によって変速されて出力軸へ伝達される。
【0003】
図5を参照して従来の立軸変速装置について説明する。モータ直結型立軸遊星歯車減速装置150は、図中上部に位置する高速の入力軸(高速軸)1と、下部に位置する低速の出力軸(低速軸)20とを有している。入力軸1の一端には太陽歯車40が形成されており、太陽歯車40は複数の遊星歯車11と噛み合い、遊星歯車11は、ケーシング31に固定されたリング歯車16の内歯車と噛みあっている。遊星歯車11は遊星歯車軸13により回転ディスク14に取り付けられており、回転ディスク14は遊星歯車11の公転回転数で回転(自転)すると共に、出力軸セレーション22を介して、出力軸20へ回転を伝達する。
【0004】
この遊星歯車機構により、太陽歯車40、遊星歯車11およびリング歯車16の各々の歯数に従って、入力軸の回転が減速されて出力軸へ伝達される。
【0005】
ここで、上述した各種歯車の歯の接触面或いはケーシング31内部に設置された各軸受に対して、従来は次の様な潤滑方式が採用されている。先ず、減速装置の内部あるいは外部に潤滑油加圧ポンプ(図示せず)を設置して、当該ポンプによって潤滑油にヘッドを付加して、歯面或いは軸受面に強制潤滑する方法が採用されている。或いは、歯車の噛み合い部、軸受の接触部等の潤滑を必要とする部材を、全体的に潤滑油中に没して油浴潤滑する方法がとられている。
【0006】
後者、すなわち油浴潤滑する方法を採用する場合、潤滑油量を増やして油表面位置(油面)を高くすればするほど、潤滑油の撹拌による損失が増えて発熱が多くなり、潤滑油温度上昇の原因になる。そのため通常の設計法では、潤滑油面は内部の機器の潤滑に支障がない限り低く抑えている。
【0007】
しかし、この様な油浴潤滑の場合において、変速装置運転開始時には十分な潤滑油を供給できるが(潤滑油の油面がレベルA)、運転を継続すると共に、潤滑油の漏れや飛散のために油面が低下して(潤滑油の油面がレベルB)、潤滑を要する歯車の噛み合い部や軸受部等が潤滑油レベルよりも上方に位置してしまうことがある。その様な場合には何らかの強制潤滑方式を加えないと、歯車の歯の接触面や軸受の軸接触部等の潤滑油膜が破断して(油膜切れ)、接触部の摩擦抵抗が増大し、回転トルク増大の原因となってしまう。すなわち、油浴潤滑方式を採用している立軸歯車変速装置においては、潤滑油面が潤滑されるべき部材の位置より高い位置まで潤滑油で満たされることが、油浴潤滑の成立条件となるが、潤滑油の油面(レベル)が低下すると油浴潤滑の成立条件が充足されない事となってしまう。
【0008】
また、立軸変速機構においては、入力軸における軸継手や軸受位置は全体装置の上部にあり、そこまで潤滑油面を上げると、既述の通り、潤滑油の撹拌による発熱が生じるため、通常は、潤滑油面は上部の部品より下方にある。したがって、潤滑油面より上部に位置する部品への潤滑油供給が課題であった。
【0009】
このように、立軸変速装置内部の潤滑油面が低下したときには、同装置の上部に位置する部品に潤滑油が行かなくなる。
【0010】
上述した強制潤滑方式を採用すれば、上述した潤滑油供給の問題については対応する事が出来る。しかし、潤滑油加圧ポンプその他の補機を設けなければならないので構成が複雑となり、補機を駆動するために別途動力が必要となってしまうという問題点が存在する。
【0011】
そのため、潤滑油加圧ポンプ等の補機を必要とせず、簡単な機構で潤滑できる技術が望まれているが、その様な要望を満足させる技術は、従来、提供されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述した様な従来技術の問題点に鑑みて、且つ、上述した要望に応えるべく提案されたもので、立軸変速装置の変速機構の潤滑を必要とする部材に対して潤滑油を確実に供給することが出来て、しかも、特別なポンプ或いは補機の使用を必要としない様な、立軸変速装置の潤滑油供給機構を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、立軸歯車変速装置120の低速軸20を下方に配置し、高速軸1を上方に配置し、その高速軸1の下方端部と低速軸20の上方端部とを近接して設けた立軸歯車変速装置120の潤滑油供給機構において、高速軸1の端部と低速軸20の端部とを密接させる部材4を設け、その密接させる部材4の中心部に中心穴7が穿設され、高速軸1の中心に軸方向に延在する穴5が形成され、その穴5と高速軸1の軸受2−2の上部位置と連通する穴8−2が形成され、低速軸20の中心に軸方向に延在する穴6が形成され、その穴6は低レベル潤滑油面Bよりも下方に位置する半径方向の穴9−1と連通しており、それらの穴5、6は中心穴7に連通している。
【0014】
かかる構成を具備する本発明の立軸歯車変速装置の潤滑油供給機構によれば、高速軸と低速軸との速度差による遠心力の差を利用し、そして、前記潤滑油流路を用いて、潤滑油の供給が行われる。すなわち、高速軸の回転が低速側へ伝達されると、高速軸側の圧力が低くなり、低速軸側の圧力が高くなってポンプ作用を行い、低速軸の外周面まで半径方向外方へ延在する穴(潤滑油面の下方のレベル)から潤滑油を吸い込む。吸い込まれた潤滑油は、前記穴及び貫通穴によって構成される前記潤滑油流路を介して、高速軸の中心から潤滑を必要とする部材まで半径方向外方を延在する前記穴から吐出される。
【0015】
当該穴(に潤滑を必要とする部材のレベルまで延在する穴)は、噛み合い歯面や軸受等の潤滑を必要とする部材まで延在しているので、当該穴から吐出された潤滑油により、(潤滑を必要とする)部材は十分に潤滑され、油膜切れ等が防止される。
【0016】
すなわち本発明においては、低速軸の半径方向にあけた穴の外側から潤滑油を吸い込み、高速軸の半径方向穴から吐き出すように考慮したものであり、この両軸端の間を密封摺動させることにより、低速軸から潤滑油を吸込むことを可能にしている。
【0017】
本発明の実施に際して、低速軸を下方に、高速軸を上方に設置出来るのであれば、低速軸、高速軸のいずれが入力軸(或いは出力軸)であっても良い。
【0018】
また、高速軸の端部に太陽歯車を形成し、前記高速軸の端部及び低速軸の端部を密接させる部材として、当該太陽歯車と摺動するブッシュを設けるのが好ましい。或いは、下部の低速軸端と上部の高速軸端との間で潤滑油が多量に漏れ出さないように簡単なブッシュを挟む構造にするのが好ましい。
【0019】
ここで、前記(各種)穴は、一本だけ形成されていても良いし、複数本形成されていても良い。
【0020】
本発明の実施に際して、低速軸の前記密接させる部材側の端部から潤滑油面の下方のレベルまで軸方向に延在する前記穴は、例えばストレート形状の穴であるのが好ましい。そして、高速軸の前記密接させる部材側の端部から軸方向上方に潤滑を必要とする部材のレベルまで延在する穴は、例えば内ねじ形状の穴或いはストレート形状の穴であるのが好ましい。
【0021】
これに加えて、前記潤滑を必要とする部材としては、例えば、噛み合っている歯車同士の噛み合い歯面、軸受、軸継手が該当するが、それに限定されるものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0023】
図1は本発明の立軸歯車変速装置の潤滑油供給機構に対する一参考例を示している。なお、図5で示す従来技術と同一の部材には、図1においても同一の符号を付して説明している。
【0024】
図1において、全体を符号110で示すモータ直結型立軸遊星歯車減速装置において、高速の入力軸(高速軸)1が図1の上部に位置しており、低速の出力軸(低速軸)20が図1の下部に位置している。そして入力軸1と出力軸20とは、入力軸1の下方端部(軸端)と出力軸20の上方端部(軸端)とが接するほどに近接して設置されている。
【0025】
この立軸歯車変速装置110によれば、入力軸1の一端に構成された太陽歯車40を介して、入力軸1の回転を減速して出力軸20へ伝達している。すなわち、太陽歯車40は複数の遊星歯車11と噛み合っており、遊星歯車11はリング歯車16の内歯車と噛みあって、リング歯車16はケーシング31に固定されている。この様な歯車機構において、遊星歯車11は、太陽歯車40を介して伝達された入力軸1の回転或いはトルクを受けて、自転しつつ公転する。
【0026】
さらに、この遊星歯車11の中心の遊星歯車軸13は、遊星歯車軸受12により支持されており、且つ、回転ディスク14に取り付けられている。そのため、回転ディスク14は遊星歯車11の公転回転数で回転する。
【0027】
この回転ディスク14は、出力軸セレーション22を介して、出力軸20に回転或いはトルクを伝達し、出力軸20を回転する。換言すれば、出力軸セレーション22により出力軸20と結合されている回転ディスク14は、出力軸20と一体的に回転する。
【0028】
ここで、(入力軸1の軸端に加工された)太陽歯車40、遊星歯車11およびリング歯車16の各々の歯数により、出力軸の回転数は、次式
n2=n1×D1/(D1+D2)
但し
n1; 入力軸回転数
n2; 出力軸回転数
D1; 太陽歯車歯数
D2; リング歯車歯数
に従って減速される。
【0029】
上述した減速機構に関する構成は、従来技術と同様である。しかし、以下に述べる潤滑油供給に関する構成に関しては、図示の実施形態は従来技術と明確に相違する。
【0030】
図1の歯車減速機構において、高速軸1の端部と低速軸20の端部とは接触するほどに近接して設置されている。そして、高速軸1の端部と低速軸20の端部との間には、太陽歯車摺動ブッシュ4(入力軸の端部及び出力軸の端部を密接させる部材)が挾持されている。換言すれば、このブッシュ4を介して、高速軸1の端部と低速軸20の端部とが密接する。
【0031】
太陽歯車摺動ブッシュ4の中央部分には、摺動ブッシュ中心穴7(入力軸の端部及び出力軸の端部を密接させる部材の貫通穴)が穿孔されている。そして、入力軸1(高速軸1)においては、ブッシュ4に対して上方へ、入力軸1の中心に且つ軸方向へ延在する内ねじ穴状形状の穴5が形成されている。一方、出力軸20(低速軸)においては、ブッシュ4に対して下方へ、出力軸20の中心に且つ軸方向へ延在するストレート形状の穴6が形成されている。そして、内ねじ穴状形状の穴5及びストレート形状の穴6は、摺動ブッシュ中心穴7に連通している。
【0032】
入力軸1においては、その中心に形成された内ねじ穴状形状の穴5から、太陽歯車40と遊星歯車11とが噛み合っている箇所の歯面位置3に向けて、半径方向に延在する穴8−1が構成されている。
【0033】
一方、出力軸20においては、低レベルの潤滑油面Bよりも下方の位置に、半径方向へ延在する穴9−1が形成されており、穴9−1は、前記ストレート形状の穴6と出力軸20の外周面とを連通している。ここで、穴9−1に代えて、或いは穴9−1に加えて、図1において点線で示す(半径方向へ延在する)穴9−2を形成しても良い。この穴9−2も、低いレベルの潤滑油面Bよりも下方に位置している。
【0034】
なお、半径方向へ延在する穴8−1、9−1、9−2は、ストレート形状の穴として構成されている。
【0035】
この様に構成した結果、穴8−1、5、7、6、9−1(及び/又は9−2)が、潤滑油の低レベル油面の下方と上方とを連通する潤滑油流路を構成する。
【0036】
図1に示す例においては、入力軸(高速軸)1が回転して出力軸(低速側)20へ伝達されると、高速回転する側すなわち入力軸1側の方が圧力は低くなり、低速回転する側すなわち出力軸20側は圧力が高くなるので、穴8−1、5、7、6、9−1(及び/又は9−2)によって構成される前記潤滑油流路がポンプ作用を行う。すなわち、出力軸20側(高圧側)の穴9−1(及び/又は9−2)から潤滑油を吸い込み、入力軸1側(低圧側)の穴8−1から潤滑油を半径方向外方へ吐出する。換言すれば、潤滑油油面Bより下方に位置する穴9−1(及び/又は穴9−2)から潤滑油を吸い込み、潤滑油油面Bより上方に位置する穴8−1から潤滑油を吐出する。
【0037】
前述した通り、半径方向に延在する穴8−1は、太陽歯車40と遊星歯車11とが噛み合っている箇所の歯面位置3まで連通しているので、前記潤滑油流路のポンプ作用により半径方向外方へ吐出される潤滑油は、噛み合っている箇所の歯面位置3に供給されて、噛み合い歯面3における油膜切れを防止する。
【0038】
高速軸(図1の例では入力軸1)の中心に開ける穴は、上述の通り、内ねじ形状の他に、穴径を大きくしたり、或いは、上方に向かってテーパ状に拡大しても良い。
【0039】
図1の例では、運転当初にはレベルA(図1)までに滑油面があっても、飛散あるいは漏れ等の理由によりBレベルまで潤滑油面が下がり、噛み合い歯面3がBレベルよりも上方となってしまった場合でも、穴8−1、5、7、6、9−1(及び/又は9−2)によって構成される前記潤滑油流路と、入力軸1及び出力軸20の回転による遠心力とによって生じるポンプ作用によって、噛み合い歯面3に潤滑油が供給される。すなわち、入力軸1と出力軸20の回転数の差によって、遠心力の大きさが異なるので、高速回転する入力軸1の半径方向穴8−1においては半径方向内方から半径方向外方へ、低速回転する出力軸20の半径方向穴9−1(及び/又は9−2)においては半径方向外方から半径方向内方へ、潤滑油が流れる。
【0040】
但し、このような作用を発生させるためには、穴8−1と穴9−1(及び/又は9−2)との間が密封され、潤滑油流路が形成されている必要がある。そのため、入力軸1と出力軸20の間には摺動リング4を設置している。
【0041】
図2は本発明の一実施形態を示しており、立軸歯車変速装置(符号120で示す)の減速装置(図1に参考例として示したものと同一)おいて、入力軸1を支持する軸受2−2へ潤滑油を供給する実施形態を示している。
【0042】
図2において、この様な軸受2−2は、通常、符号3で示す位置(太陽歯車40と遊星歯車11とが噛み合っている箇所の歯面位置)よりも上部にある。そのため、入力軸1の軸線に沿って内部に穿孔した穴5の長さは、図1で示す参考例の場合に比較して、長くなっている。そして、入力軸1の内部には、その中心に形成された内ねじ穴状形状の穴5と、入力軸軸受2−2の内輪上部位置とを連通する(半径方向に延在する)穴8−2とが形成されている。
【0043】
ここで図2に示す様に、入力軸軸受2−2がころがり軸受の場合には、半径方向に延在する穴8−2は、内ねじ穴状形状の穴5と軸受2−2の内輪の上部とを連通するように形成される。これに対して、軸受2−2がジャーナル軸受の場合は(図示せず)、当該ジャーナル軸受2−2の中心部で且つ入力軸1との摺動面と(図示せず)、前記内ねじ穴状形状の穴5とを連通する様に、半径方向穴8−2が形成される。
【0044】
この様に構成した結果、穴9−1、6、7、5、8−2が、潤滑油の低レベル油面Bの下方と上方とを連通する潤滑油流路を構成する。入力軸(高速軸)1が回転して出力軸(低速側)20へ回転が伝達されると、入力軸1側(高速回転側)の圧力が低くなり、出力軸20側(低速回転側)の圧力が高くなる。そして、前記潤滑油流路がポンプ作用を行い、潤滑油の油面Bより下方に位置する穴9−1から潤滑油を吸い込み、潤滑油の油面Bより上方に位置する穴8−2から潤滑油を半径方向外方へ吐出する。
【0045】
半径方向に延在する穴8−2は、ころがり軸受2−2の内輪の上部にまで連通しているので、穴8−2から吐出される潤滑油は、軸受2−2へ供給されて、軸受2の油膜切れを防止する。従って、図2の実施形態においても、潤滑油面がレベルAからレベルBまで低下しても、潤滑油の供給不足による油膜切れの問題は発生しない。
【0046】
その他の構成及び作用効果は図1の参考例の場合と同様であるので、重複説明は省略する。
【0047】
図3は別の参考例を示している。図3において、立軸歯車変速装置130では、電動機132の軸134が減速装置の内部にまで達して、セレーション136を介して、入力軸1に接続されており、入力軸1は太陽歯車40と一体的に構成されている。
【0048】
図3に示す参考例では、電動機132が駆動して軸134、入力軸1が回転すると、前記図1、図2の参考例及び実施形態と同様なポンプ作用により、低下した場合の潤滑油レベルBよりも下方にある穴9、穴6、穴7、穴5を介して、潤滑油が前記セレーション136の歯面へ供給される。従って、当該セレーション136(或いはその歯面)が潤滑油レベルBよりも上方であっても、油膜切れが防止される。
【0049】
その他の構成及び作用効果は図1、図2の参考例及び実施形態の場合と同様であるので、重複説明は省略する。
【0050】
図4は別の減速装置の例を示している。この例では、立軸歯車変速装置140は、平歯車による減速装置を有している。当該減速装置において、入力軸1に直結している高速歯車40に平歯車42が噛み合っており、平歯車42は中間軸44に固定されている。中間軸44にはさらに平歯車46が固定されており、平歯車車46は出力軸20に結合された平歯車48と噛み合っている。
【0051】
入力軸1(高速軸)と出力軸20(低速軸)の間には、高速軸摺動ブッシュ4−4が設けられており、その中心には穴7が穿孔されている。出力軸20には、半径方向に延在された穴9と、軸方向に延在する穴が形成されている。そして、軸方向に延在する穴は、比較的小径の部分6−1と比較的大径の部分6−2とから構成されている。
【0052】
入力軸1には、中心部分を軸方向へ延在する比較的大径の穴5と、穴5に連通して半径方向に延在する穴8が形成されている。そして、穴9、穴6−1、穴6−2、穴7、穴5、穴8が潤滑油流路を形成している。
【0053】
そして図4の例では、歯車40と、前記減速装置の一部である歯車42との噛み合い歯面3−4へ潤滑油を供給する。当該歯面3−4は、低下した潤滑油レベルBよりも上方にあるが、図1〜図3の実施形態及び参考例と同様なポンプ作用により、出力軸20に構成された穴9(潤滑油レベルBよりも下方)から吸い込んだ潤滑油が前記潤滑油流路を介して、歯面3−4に潤滑油を供給して、油膜切れを防止する。
【0054】
その他の構成及び作用効果は、図1〜図3の実施形態及び参考例と同様であるので説明は省略する。
【0055】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、それ以外の変形、変更が可能である。例えば、図示の実施形態では、高速の入力軸が上部に、低速の出力軸が下部に位置しているが、低速の入力軸を下部に位置させて、高速の出力軸を上部に位置させることも可能である。
換言すれば、低速軸を下部に位置させて、高速軸を上部に位置させれば、本発明の使用条件を満たすのである。
【0056】
さらに、潤滑するべき箇所としては、歯車の噛み合い歯面、軸受、軸継ぎ手が示されているが、その他の箇所に対しても潤滑油の供給が可能である旨を付記する。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、立軸変速装置の歯車の噛み合い面或いは軸受の潤滑を油浴潤滑にして運転する場合に、潤滑油の漏れあるいは油面管理の不具合により、潤滑油レベルが低下しても、低下した潤滑油レベルの下方から潤滑油を吸い込み、潤滑するべき箇所(噛み合い歯面、軸受等)に潤滑油を供給することが出来る。そのため、潤滑不具合の発生を抑えることが出来る。
【0058】
さらに、高速軸と低速軸との回転差に起因するポンプ作用により潤滑油の供給を行っているので、潤滑油供給用の特別なポンプや駆動源その他の補機を設ける必要が無く、構造が煩雑化することも無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例として遊星歯車減速装置の歯車噛み合い面へ給油する場合を示す断面図。
【図2】本発明による遊星歯車減速装置の軸受へ給油する機構の一実施形態を示す断面図。
【図3】別の参考例として入力軸継手のセレーション部へ給油する場合を示す断面図。
【図4】平歯車による減速装置を示す断面図。
【図5】従来の立軸変速装置を示す断面図。
【符号の説明】
1・・・入力軸(高速軸)
2、2−2・・・入力軸軸受
3、3−4・・・太陽歯車(入力軸)と遊星歯車の噛み合い面
4、4−4・・・太陽歯車摺動ブッシュ
5・・・高速軸中心穴
6・・・低速軸中心穴
7・・・摺動ブッシュ中心穴
8・・・高速軸半径方向穴
9・・・低速軸半径方向穴
11・・・遊星歯車
12・・・遊星歯車軸受
13・・・遊星歯車軸
14・・・回転ディスク
15・・・遊星歯車摺動ブッシュ
16・・・リング歯車
20・・・出力軸(低速軸)
21・・・出力軸受
22・・・出力軸セレーション
23・・・下部シール
31・・・ケーシング
40・・・太陽歯車
42、46、48・・・平歯車
44・・・中間軸
110、120、130、140、150・・・立軸歯車変速装置
132・・・電動機
134・・・電動機の回転軸
136・・・電動機の軸と入力軸に形成されたセレーション
Claims (1)
- 立軸歯車変速装置(120)の低速軸(20)を下方に配置し、高速軸(1)を上方に配置し、その高速軸(1)の下方端部と低速軸(20)の上方端部とを近接して設けた立軸歯車変速装置(120)の潤滑油供給機構において、高速軸(1)の端部と低速軸(20)の端部とを密接させる部材(4)を設け、その密接させる部材(4)の中心部に中心穴(7)が穿設され、高速軸(1)の中心に軸方向に延在する穴(5)が形成され、その穴(5)と高速軸(1)の軸受(2−2)の上部位置と連通する穴(8−2)が形成され、低速軸(20)の中心に軸方向に延在する穴(6)が形成され、その穴(6)は低レベル潤滑油面(B)よりも下方に位置する半径方向の穴(9−1)と連通しており、それらの穴(5、6)は中心穴(7)に連通していることを特徴とする立軸歯車変速装置の潤滑油供給機構。
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