JP3749918B2 - 酸素分圧制御による試料作製装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸素分圧制御による試料作製装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ある種の金属の酸化物を合成する際、極めて低い酸素分圧に制御する必要があることが知られている。例えば、Sr2MoO4という物質を例にとって説明すると、この物質はその酸化還元電位からの推測として、その合成の際、10-21気圧という極めて低い酸素分圧を保つ必要があることが、Lindblomらにより報告されている(B.Lindblom and R.Rosen,Acta.Chem.Scand.A40,452(1986))。このような極めて低い酸素分圧は、通常の真空ポンプでは到達不可能であるため、彼らは原料のSrOとMoO2混合物の隣にSrOとMo金属粉末を混合したものを置いて、真空容器に入れるという封管法を用いた。この方法により、彼らはとにかくSr2MoO4という物質を得ることには成功した。
【0003】
しかしながら、安定してSr2MoO4等の酸化物を作製することが困難である。なぜなら、この方法では酸素分圧が低くなり過ぎるため、不純物相として原料金属の単体が析出してしまうという問題点があった。したがって、前記従来のSrOとMo金属粉末の混合物によって酸素分圧を制御する方法では、Mo金属ならびにSr3Mo27等の不純物相が原料側に析出してしまって単相の試料が得られないという重大な問題点があった(U.Steiner and W.Reichelt, Z.Naturforsch. 53b,110(1998))。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らによって、酸素分圧を適正に制御する手段として、Ti23,V23,Nb23,NbO2等の酸化物を酸素分圧制御剤として用いて、封管法でSr2MoO4等の酸化物試料を作製することが提案されている。
【0005】
しかしながら、このように酸素分圧を適正に制御する手段として、Ti23,V23,Nb23,NbO2等の酸化物を酸素分圧制御剤として用いて封管法で試料を作製することは、封管内の酸素分圧がSr2MoO4等の原料と酸素分圧制御剤としての酸化物との間の酸素のやり取りによって偶発的平衡状態に決まり、しかも、その酸素分圧が加熱温度によって変動するため、所望のかつ一様な酸化物を再現性良く得ることは容易ではない。さらに、この方法では、目的とする酸化物作製のための原料以外の物質を酸素分圧制御剤として必要とするので,その物質の設置スペースも必要になり,それだけ試料作製室が大型化するのみならず、試料作製室が大型化することによって、試料作製室内を適正な極めて低い酸素分圧に制御するための所要時間も長くなり、その極めて低い酸素分圧状態に維持することも困難であるといった改善すべき課題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような試料作製の原料以外の物質を用いないで、所望の機能性酸化物等の試料を作製することが可能な、極低酸素分圧制御による試料作製装置を提供することを目的とする。
【0007】
なお、機能性酸化物とは、電気伝導性、超伝導性、磁性、熱電性、光学性等の諸機能のうち一つ以上を有する酸化物をいう。
【0008】
本発明(1)〜(6)は、上記の上記課題を解決するためになされたものであって、本発明(1)は、
不活性ガスを酸素ポンプを通じて試料作製室に供給する供給通路と、
試料作製室から排出された不活性ガスを前記酸素ポンプに還流させるリターン配管とを備えるとともに、
前記酸素ポンプの下流側の供給通路に配設けられた供給ガス用の酸素センサによるモニタ値に基づいて、前記酸素ポンプから前記試料作製室に供給される不活性ガス中の酸素分圧を 10 -21 10 -30 気圧に制御する酸素分圧制御部を備えたことを特徴とする酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(2)は、前記リターン配管に別の酸素センサを配設し、前記別の酸素センサのモニタ値を酸素分圧制御部に入力するようにしたことを特徴とする本発明(1)の酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(3)は、前記試料作製室で作製される試料が、機能性酸化物,超高純度元素,金属間化合物および1種以上の金属と他の元素との化合物のいずれかであることを特徴とする本発明(1)または本発明(2)の酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(4)は、前記試料作製室で作製される機能性酸化物が、遷移金属酸化物であり、前記1種以上の金属と他の元素との化合物が1種以上の金属とホウ素,炭素,珪素,窒素,リン,ヒ素,アンチモン,フッ素,塩素,臭素およびヨウ素の元素群から選択された1種以上の元素との化合物であることを特徴とする本発明(3)の酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(5)は、前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、Ti、 V 、Cr、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Reの遷移金属中から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことを特徴とする本発明(4)に記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(6)は、前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの中から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことを特徴とする本発明(4)の酸素分圧制御による試料作製装置。
本発明(7)は、前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、SrMoO 3 、Sr 2 MoO 4 、Sr 3 Mo 2 7 、CaMoO 3 、BaMoO 3 、Sr 2 NbO 4 、Sr 2 VO 4 、Y 2 Mo 2 7 、Nd 2 Mo 2 7 、Eu 2 Mo 2 7 Y [1-x-y] Nd x Eu y Mo 2 7 0 ≦x,y≦ 1 )、NaWO 3 、Sr 0.86 NbO 3 、Nd 2-x Ce x Cu 2 4 0 ≦x≦ 0.5 )、Pr 2-x-y La x Ce y Cu 2 4 0.5 ≦x≦ 1.5 0 ≦y≦ 0.5. )の中のいずれかであることを特徴とする本発明(4)の酸素分圧制御による試料作製装置。
【0009】
本発明の酸素分圧制御による試料作製装置は、ガス供給源から供給された不活性ガス中の酸素分圧を 10 -21 〜1× 10 -30 気圧に制御する電気化学的な酸素ポンプを備える酸素分圧制御装置と、酸素分圧制御された不活性ガスを送り込む試料作成室とを備えることを特徴とするものであるから、酸素分圧制御装置の酸素ポンプで酸素分圧を 2 × 10 -21 〜1× 10 -30 気圧に制御した不活性ガスを送り込んだ試料作成室で、従来の高い酸素分圧下では得られなかった新規な機能性酸化物,超高純度金属,金属間化合物、1種以上の金属と他の元素との化合物等の試料を作成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は本発明の酸素分圧制御による試料作製装置について説明するブロック構成図を示す。図1において、1は酸素分圧制御装置で、不活性ガスの供給弁2と、このガス供給弁2を通った不活性ガスの流量を設定値に制御するマスフローコントローラ3と、このマスフローコントローラ3を通った不活性ガスを例えば1×10-21〜1×10-30気圧程度の極めて低い酸素分圧に制御可能な電気化学的な酸素ポンプ4と、酸素ポンプ4で制御された極めて低い酸素分圧を有する不活性ガスの酸素分圧をモニタし後述するフローティングゾーン式単結晶育成装置等よりなる試料作製室(11)に供給する供給ガス用の酸素センサ5と、試料作製室(11)から排出されたガスの酸素分圧をモニタする酸素センサ6と、酸素センサ6を通った排気ガスの開閉用の排気弁7と、所望の酸素分圧値を設定する酸素分圧設定部8と、前記供給ガス用の酸素センサ5および排気ガス用の酸素センサ6によるモニタ値を前記酸素分圧設定部8による設定値と比較して前記酸素ポンプ4から送り出される不活性ガスの酸素分圧を所定値に制御するPID制御方式等の酸素分圧制御部9と、前記酸素分圧設定部8による酸素分圧設定値と供給ガス用の酸素センサ5および排気ガス用の酸素センサ6によるモニタ値とを表示する酸素分圧表示部10とを備えている。
【0012】
11は試料作製室で、前記供給ガス用の酸素センサ5を通った不活性ガスが供給されて、極めて低い酸素分圧下で機能性酸化物等の試料が作製される。この試料作製室11の構成については後述する。試料作製室11で使用された使用済みの不活性ガスは、前記排気ガス用の酸素センサ6を通って排気弁7に送り出される。
【0013】
前記試料作製室11で試料作製に使用された使用済みの不活性ガスは、前述のように酸素センサ6で酸素分圧値をモニタされてから、リターン配管12を通って酸素ポンプ4に戻される。そのリターン配管12の途中には、使用済みのリターンガス中の異物を除去する異物除去手段13が設けられている。
【0014】
また、酸素ポンプ4にリターンさせる使用済みガスは、出来るだけ脈流を伴なわず連続的にリターンさせることが望ましいので、図1の異物除去手段13から酸素ポンプ4に到るリターン配管内に、例えば、連続的に差圧を与える羽根車等の連続的差圧手段14を設けることが望ましい。
【0015】
前記電気化学的な酸素ポンプ4は、各種の構成のものが採用できるが、例えば、図2の概略構成図に示すように、扁平な円柱状の密閉容器20の周面部に酸化物イオン伝導性を有する固体電解質21を配置し、この固体電解質21の内外両面に白金よりなるネット状の電極22,23を設けて、密閉容器20内に不活性ガスを供給するようにしたものである。前記固体電解質21としては、例えば、一般式(ZrO2)1-x-y(In23)x(Y23)y(0<x<0.20、0<y<020、0.08<x+y<0.20)で表されるジルコニア系を利用できる。そして、前記電極22,23間に直流電源Eから電流Iを流すと、密閉容器20内に存在する酸素分子(O2)が固体電解質21によって電気的に還元されてイオン(O2-)化され、固体電解質21を通して再び酸素分子(O2)として密閉容器20の外部に放出するので、この密閉容器20の外部に放出された酸素分子を空気等の補助気体をキャリアガスとして排気することにより、密閉容器20に供給される不活性ガス中の酸素分子を除去して、その酸素分圧を制御できるものである。
【0016】
上記の電気化学的な酸素ポンプ4を構成する固体電解質21は、上記に例示したもの以外に、例えば、BaおよびInを含む複合B酸化物であって、この複合酸化物のBaの一部をLaで固溶置換したもの、特に、原子数比{La/(Ba+La)}を0.3以上としたものや、さらにInの一部をGaで置換したものや、一般式{Ln1-xSrxGa1-(y+z)MgyCoz3、ただし、Ln=La,Ndの1種または2種、x=0.05〜0.3、y=0〜0.29、z=0.01〜0.3、y+z=0.025〜0.3}で示されるものや、一般式{Ln(1-x)xGa(1-y-z)B1yB2z3-d、ただし、Ln=La,Ce,Pr,Nd,Smの1種または2種以上、A=Sr,Ca,Baの1種または2種以上、B1=Mg,Al,Inの1種または2種以上、B2=Co,Fe,Ni,Cuの1種または2種以上}で示されるものや、一般式{Ln2-xMxGe1-yLyO5、ただし、Ln=La,Ce,Pr,Sm,Nd,Gd,Yd,Y,Sc、M=Li,Na,K,Rb,Ca,Sr,Baの1種もしくは2種以上、L=Mg,Al,Ga,In,Mn,Cr,Cu,Znの1種もしくは2種以上}や、一般式{La(1-x)SrxGa(1-y-z)MgyAl23、ただし、0<x≦0.2、0<y≦0.2、0<z<0.4}や、一般式{La(1-x)xGa(1-y-z)B1yB2z3、ただし、Ln=La,Ce,Pr,Sm,Ndの1種もしくは2種以上、A=Sr,Ca,Baの1種もしくは2種以上、B1=Mg,Al,Inの1種もしくは2種以上、B2=Co,Fe,Ni,Cuの1種もしくは2種以上、x=0.05〜0.3、y=0〜0.29、z=0.01〜0.3、y+z=0.025〜0.3}等が採用できる。
【0017】
このような酸化物イオン伝導体を有する固体電解質21を備える電気化学的な酸素ポンプ4は単独で用いてもよいが、例えば、ゲッタ材と組み合わせることによって、酸素分圧の制御を促進するようにしてもよい。
【0018】
次に、上記図1に示す構成の試料作製装置の動作について説明する。まず、酸素分圧設定部8によって、所望の酸素分圧、例えば、1×10-21〜1×10-30気圧に設定する。すると酸素分圧設定部8によって設定された酸素分圧に設定するための制御信号が、酸素分圧制御部9から酸素ポンプ4に送られる。その制御信号によって酸素ポンプ4の電流Iが制御されて、ガス供給弁2およびマスフローコントローラ3を通って酸素ポンプ4に供給されたN2,Ar,He等の不活性ガス中の酸素分圧が、酸素分圧設定部8によって設定された10-21〜10-30気圧に制御される。
【0019】
このように極めて低い酸素分圧に制御された不活性ガスは、酸素センサ5によってその酸素分圧がモニタされた後、試料作製室11に供給される。同時にそのモニタ値が酸素分圧表示部10に表示されるとともに、酸素分圧制御部9に入力される。このようにして、酸素センサ5でモニタされたモニタ値が酸素分圧制御部9に入力され、酸素分圧設定部8で設定した設定値と比較されて、酸素ポンプ4で酸素分圧が制御された不活性ガスが、酸素分圧設定部8で設定した酸素分圧に制御されているかどうかチェックされる。そして、もし、酸素センサ5でモニタされた酸素分圧が酸素分圧設定部8で設定された酸素分圧と一致していなければ、酸素分圧制御部9から酸素ポンプ4に制御信号を出力して、酸素ポンプ4に流れる電流Iを調整して、酸素ポンプ4から試料作製室11に送られる不活性ガスが設定された酸素分圧になるように制御される。
【0020】
また、試料作製室11を通って排気される使用済みガスの酸素分圧が酸素センサ6によってモニタされて、そのモニタ値が酸素分圧制御部9に入力され、酸素分圧設定部8で設定値と比較される。そして、酸素センサ6でモニタされたモニタ値は、次のような利用法が採用できる。
【0021】
すなわち、試料作製室11に機能性酸化物等の原料を供給していない状態、または原料を供給して未だ加熱していない状態で、酸素センサ6でモニタされた排気ガスの酸素分圧が、酸素分圧設定部8で設定した酸素分圧とずれていれば、試料作製室11のどこかで漏れを生じているとものとして、音および光のいずれか一方または両方で警報を発して点検あるいは修理を促す。あるいは、必要に応じて、さらにガス供給弁2を閉止して、不活性ガスの無駄な消費を防止する。
【0022】
このようにして、試料作製室11には、酸素分圧が2×10 -1 〜1×10-30気圧に制御された不活性ガスが供給され、この酸素分圧が目的とする酸化物の平衡圧力に制御された不活性ガスの雰囲気下で、原料を加熱して所望の機能性酸化物、例えば、Sr2MoO4等の試料が作製される。
【0023】
試料作製室11で作製される機能性酸化物としては、上記のSr2MoO4だけでなく、Ti,V,Cr,Cu、Zr,Nb,Hf,Ta,W,Reの遷移金属の中から選択された1つ以上の元素を含む遷移金属酸化物であってもよい。また、上記の遷移金属の中から選択された遷移金属に、さらにCa,Sr,Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの中から選択された1つ以上の元素を含む遷移金属酸化物であってもよい。
【0024】
本発明により作製される機能性金属酸化物について、より具体的に述べると、上記のSr2MoO4の他に、例えば、SrMoO3,Sr3MoO7,CaMoO3,BaMoO3,Sr2NbO4,Sr2VO4,Y2Mo27,Nd2Mo27,Eu2Mo27,Y[1-x-y]NdxEuyMo27(0≦x,y≦1),NaWO3,Sr0.86NbO3,Nd2-xCexCu24(0≦x≦0.5),Pr2-x-yLaxCeyCu24(0.5≦x≦1.5,0≦y≦0.5.)等であってもよい。
【0025】
これらのうち、Sr2MoO4,Sr2NbO4等は超伝導材料として有用であり、SrMoO3,CaMoO3,BaMoO3等はLSIの配線、超伝導酸化物積層時の基板用材料として有用である。また、NaWO3は触媒として、Sr2VO4,Y2Mo27は磁性体として、Sr0.86NbO3は光学材料として有用である。
【0026】
また、本発明で作製する試料は、上記の機能性酸化物のみならず、例えば珪素,鉄等の高純度金属や、例えばNb3Sn,UGe2等の金属間化合物、例えばGaN,LaFe4Sb12,MgB2,HfNCl等の化合物であってもよい。
【0027】
また、試料作製室11は、作製する試料によって各種の構成が採用できる。例えば、密閉容器内に坩堝を置いてその中に原料を入れて高周波加熱やレーザ加熱するようにしてもよいが、最も望ましいのは、後で詳述する赤外線加熱方式のフローティングゾーン式単結晶育成装置を用いることである。
【0028】
前記リターン配管12は、試料作製室11から排気された使用済みの不活性ガスを酸素ポンプ4にリターンさせて再利用するためのものである。すなわち、前述のように、1×10-21〜1×10-30気圧の極めて低い酸素分圧に制御された不活性ガスを得ようとすれば、かなり高能力の酸素ポンプ4が必要とされ、もし、試料作製室11に供給する不活性ガスをすべて新しい供給ガスで賄おうとすれば、酸素ポンプ4の負荷が大きくなり、設備が大型化および高額化するだけでなく、設置スペースも大きくなるし、酸素分圧を所定値に制御するための費用も嵩む。しかし、試料作製室11から排出される使用済みの不活性ガスは、酸素ポンプ4で酸素分圧制御されて試料作製室11に供給される不活性ガスに比較すれば、当然、酸素分圧は高いが、新しい供給ガスに比較すれば格段に低い酸素分圧の状態にある。そこで、リターン配管12を設けて、試料作製室11から排気された使用済みの不活性ガスを酸素ポンプ4にリターンさせて再利用すれば、新しい不活性ガスのみを供給する場合に比較して、供給ガスの使用量が低減できるだけでなく、酸素ポンプ4の負荷が低減されて小型化および低価格化が実現でき、その設置スペースも小さくできるし、酸素分圧を所定値に制御するための経費も低減できる。
【0029】
なお、リターン配管12は、試料作製室11から排出された不活性ガスを直接酸素ポンプ4にリターンさせて再利用してもよいが、試料作製室11で作製する機能性酸化物等の試料によっては、試料作製中に煤やガス等の異物を発生することがあるため、必要に応じて、図1に示すように、リターン配管12の途中に異物除去手段13を設けて、排気ガス中の異物を除去するようにすれば、酸素ポンプ4の汚染が軽減されて、酸素ポンプ4の長寿命化ができる。
【0030】
この異物除去手段13としては、例えば、物理的に異物の通過を阻止するHEPAフィルタ等のフィルタや、物理化学的に異物をトラップする冷却やモレキュラーシーブ等であってもよい。なお、異物がリターン配管12の内壁面に堆積した場合に備え、リターン配管12をベーキングしたり、不動態化処理を施したりしてもよい。
【0031】
次に、試料作製室11として好適するフローティングゾーン式単結晶育成装置について説明する。図3は、熱源にハロゲンランプを用いた双楕円型の単結晶育成装置30の正断面図で、図4は図3のA−A線に沿う横断面図を示す。
【0032】
図3および図4において、31,32は対称形の2つの回転楕円面鏡で、各々の一方の焦点F0,F0が一致するように対向結合させて加熱炉を構成する。この回転楕円面鏡31,32の内面、すなわち反射面は、赤外線を高反射率で反射させるために金めっき処理が施されている。33,34は各回転楕円面鏡31,32の他方の焦点F1,F2付近に固定配置した、例えば、ハロゲンランプ等の赤外線ランプである。35は各回転楕円面鏡31,32の一致した焦点F0に位置する被加熱部で、上方から鉛直方向に延びる上結晶駆動軸36の下端に固定した原料棒37と、下方から鉛直方向に延びる下結晶駆動軸38の上端に固定された結晶棒39とを突き合わせたものである。前記上結晶駆動軸36および下結晶駆動軸38は、図示しないサーボモータ等のモータで回転自在に駆動されるように構成されている。なお、図3では、前記上結晶駆動軸36および下結晶駆動軸38の軸受シール部の細部は、省略している。
【0033】
上記の単結晶育成装置30によれば、回転楕円面鏡31,32の第1,第2の焦点F1,F2に配置された赤外線ランプ33,34から照射される赤外線を、上記回転楕円面鏡31,32で反射させ、共通の焦点F0に位置する被加熱部35に集光させて赤外線加熱する。この赤外線加熱による輻射エネルギにより、被加熱部35の原料棒37の下端および結晶棒39の上端を加熱溶融させながら、円滑に接触させることにより、図5に示すように、原料棒37と結晶棒39間の被加熱部35でフローティングゾーンを形成させる。そして、下端に原料棒37を固定した上結晶駆動軸36と上端に結晶棒39を固定した下結晶駆動軸38とを共に回転させ、かつ、同期してゆっくり下方に向かって移動させることによって、原料棒37と結晶棒39間の被加熱部35が次第に原料棒37側に移動していって、結晶が成長していき機能性酸化物等の試料が作製される。なお、図5における37aは原料棒37側の固液境界面を示し、39aは結晶棒側の固液境界面を示している。
【0034】
このようなフローティングゾーン式の単結晶育成装置30を用いれば、ハロゲンランプ等の赤外線ランプ33,34から照射される赤外線を、上記回転楕円面鏡31,32の全面で反射させ、共通の焦点F0に位置する被加熱部35に集光させて赤外線加熱するので、比較的低出力の小さい赤外線ランプ33,34で、被加熱部35を高温度に加熱できるのみならず、赤外線ランプ33,34の入力電力を制御することで、被加熱部35の温度を容易かつ確実に制御できる。
【0035】
また、原料棒37および結晶棒39の融液部が他の物質に接触しないフローティング状態で機能性酸化物等の試料が作製できるので、坩堝式に比較して坩堝から溶出する不純物によって作製される機能性酸化物等の試料の純度を低下させることがなく、高純度の機能性酸化物等の試料を容易に作製することができる。
【0036】
図6は本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に用いる別の実施形態の単結晶育成装置40の正断面図で、図7は図6のB−Bに沿う横断面図である。この単結晶育成装置40は、図3および図4に示す単結晶育成装置の回転楕円面鏡31,32内において、原料棒37および結晶棒39が配置された空間m1を、赤外線ランプ33,34が配置された空間m2と区画して、試料作製室41を形成する透明な石英管42を設けて、上記試料作製室41に結晶育成に対して好適な極めて低い酸素分圧の不活性ガスを充満させ、一方、赤外線ランプ33,34を安全に点灯させるために、赤外線ランプ33,34を空冷する。
【0037】
このような単結晶育成装置40を用いれば、回転楕円面鏡31,32内において、石英管42によって限定された空間m1を試料作製室41とするので、図3および図4に示す回転楕円面鏡31,32からなる加熱炉全体を試料作製室とする単結晶育成装置30に比較して、試料作製室41の容積が格段に小さくなり、したがって、この試料作製室41を短時間で極めて低い酸素分圧に制御でき、かつ、その制御状態を容易に維持できる利点がある。
【0038】
なお、上記実施形態のように、石英管42を用いる代わりに、原料棒37および結晶棒39を収容する試料作製室41を構成する2枚の石英板を用いてもよい。
【0039】
図8は本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適するさらに他の実施形態に係る単結晶育成装置50の正断面図を示し、図9は図8のC−C線に沿う横断面図で、図10は被加熱部35の拡大正面図を示す。この単結晶育成装置50は、前記図6および図7に示す単結晶育成装置40において、被加熱部35の温度を適正にして、融液の形状を良好にするようにしたものである。すなわち、フローティングゾーンの原料棒37側固液境界面37a近傍および結晶棒39側固液境界面39a近傍にそれぞれ先端を配置し、原料棒37および結晶棒39の固液境界面近傍を取り囲むように、遮光物51,52を配設させ、原料棒37側固液境界面37a近傍および結晶棒39側固液境界面39a近傍に遮光物51,52の影を与えるようにしている。
【0040】
このように、原料棒37側固液境界面37a近傍および結晶棒39側固液境界面39a近傍に遮光物51,52の影を与えることにより、影の部分では赤外線吸収停止はもちろん、却って熱反射を招来させて、温度勾配を遮光物51,52がない場合よりも急峻にできる。さらに、高温領域を狭くできる。したがって、フローティングゾーンの長さが不所望に長くならず、溶融状態を整えるためのランプパワーの微調整も容易になり、かつ、フローティングゾーンの融液は重力作用による自重によって垂れ下がることなく安定することとなり、フローティングゾーンを維持することが容易になり、機能性酸化物等の単結晶育成条件を整え、単結晶育成が容易かつ確実に行えるようになる。
【0041】
図11は本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適するさらに他のフローティングゾーン式単結晶育成装置60の正断面図である。図11において、ガスの供給および排気部分を除くと図6と基本的に同様であるため、図6と同一部分には同一参照符号を付して、その説明を省略する。
【0042】
図11において、61は酸素ポンプ4で不活性ガス中の酸素分圧が2×10 -1 〜1×10-30気圧に制御され、酸素センサ5でその酸素分圧値がモニタされた不活性ガスが供給されるガス導入管で、図示例では結晶棒39を支持する下結晶駆動軸38の近傍に設けられている。62は試料作製室41で使用された使用済みガスが排気されるガス排気管で、図示例では原料棒37を支持する上結晶駆動軸36の近傍に設けられている。
【0043】
上記上結晶駆動軸36および下結晶駆動軸38は、それぞれ軸受シール部63および67で回転自在に支持されるとともにシールされている。この軸受シール部63および67は、それぞれ軸受64,68によって上結晶駆動軸36,下結晶駆動軸38を回転自在に保持するとともに、2重のシール材、例えばOリング65a,65bおよび69a,69bによって2重にシールされており、各2重のOリング65a,65b間および69a,69b間には、中間室66,70が設けてある。
【0044】
そして、前記排気管62は途中を省略しているが、前記中間室66および70の一側端に接続されており、各中間室66および70の他側端は、酸素センサ6(図示省略)からリターン配管12を介して酸素ポンプ4に接続されている。なお、リターン配管12は、各中間室66および70から別々に出ているが、1本に統合されてもよい。また、酸素ポンプ4にリターンさせる使用済みガスは、出来るだけ脈流を伴なわず連続的にリターンさせることが望ましいので、図1の異物除去手段13から酸素ポンプ4に到るリターン配管内に、例えば、羽根車等の連続的差圧手段14を設けることが望ましい。
【0045】
次に、図11の単結晶育成装置60の動作について説明する。酸素ポンプ4で酸素分圧が2×10 -1 〜1×10-30気圧に制御された不活性ガスは、ガス導入管61から試料作製室41内に供給され、試料作製室41の酸素分圧が2×10 -1 〜1×10-30気圧に制御された不活性ガス中で機能性酸化物等の試料が作製される。
【0046】
使用済みのガスは、ガス排気管62から排気されて、中間室66および70に供給され、酸素センサ6で酸素分圧がモニタされた上でリターン配管12を通って酸素ポンプ4に戻される。酸素ポンプ4に戻された使用済みガスは、酸素ポンプ4で再び酸素分圧が制御されて、酸素センサ5でモニタされて、再び単結晶育成装置60のガス導入管61から試料作製室41に入る。
【0047】
ここで、リターン配管12を通って酸素ポンプ4に戻されるリターンガスは、当然、そのままでは試料作製室41に供給することはできないが、新規な供給ガスに比較すると既に酸素分圧が制御されているので、酸素ポンプ4は、新しいガスを供給する場合に比較して、その負荷が軽減されるとともに、新規な供給ガスの使用量を低減することができる。
【0048】
また、前記2つのシール材であるOリング65,69によって高いシール性が得られるのみならず、万一、2つのOリング65,69が劣化しても、2つのOリング65,69の間に設けた中間室66,70によって、試料作製室41を極めて低い酸素分圧に維持することができる。すなわち、万一、2つのOリング65,69のうち外方側Oリング65a,69aのシール性が低下した場合は、このOリング65a,69a部を通って中間室66,70に外気が浸入するが、中間室66,70に浸入した外気は、使用済みガスとともに酸素ポンプ4に送られるので、試料作製室41に外気が浸入するのを防止できる。また、万一、2つのOリング65,69のうち内方側Oリング65b,69bのシール性が低下した場合には、このOリング65b,69b部を通って中間室66,70に試料作製室41から不活性ガスがリークするが、中間室66,70にリークした不活性ガスは、使用済みガスとともに酸素ポンプ4に送られるので、試料作製室41の酸素分圧が乱されることはない。なお、試料作製室41と中間室66,70とでは、酸素ポンプ4からの不活性ガスの圧送のために、試料作製室41の方が中間室66,70よりも圧力が高いので、中間室66,70から試料作製室41に使用済みガスが逆流することはない。
【0049】
なお、上記のように、2つのOリング65a,65b間および69a,69b間にそれぞれ中間室66および70を形成した場合は、上記実施形態の他に以下のような他の実施形態を採用することができる。
【0050】
その一つの実施形態は、中間室66,70に使用済みガスを流す代わりに、中間室66,70を真空引きするものである。このように中間室66,70を真空引きすると、試料作製室41の全圧をPA、中間室66,70の全圧をPB、大気圧をPCとすると、PA>PB、かつPB<PCであるため、万一、2つのOリング65,69のうち外方側Oリング65a,69aのシール性が低下した場合は、このOリング65a,69a部を通って中間室66,70に外気が浸入するが、中間室66,70に浸入した外気は、中間室66,70の真空引きによって除去されるので、試料作製室41に外気が浸入するのを防止できる。また、万一、2つのOリング65,69のうち内方側Oリング65b,69bのシール性が低下した場合には、このOリング65b,69b部を通って中間室66,70に試料作製室41から不活性ガスがリークするが、中間室66,70にリークした不活性ガスは、中間室66,70の真空引きによって除去されるので、試料作製室41の酸素分圧が乱されることはない。
【0051】
他の一つの実施形態は、中間室66,70に使用済みガスを流す代わりに、中間室66,70にレギュレータを用いて不活性ガスを導入するものである。このように中間室66,70に不活性ガスを導入して、試料作製室41の全圧をPA、中間室66,70の全圧をPB、大気圧をPCとし、PA>PB>PCの関係に設定おけば、万一、2つのOリング65,69のうち外方側Oリング65a,69aのシール性が低下した場合は、このOリング65a,69a部を通って中間室66,70に外気が浸入しようとするが、中間室66,70の全圧PBが大気圧PCよりも高い(PB>PC)ので、中間室66,70には大気が浸入しないので、試料作製室41に外気が浸入するのを防止できる。また、万一、2つのOリング65,69のうち、内方側のOリング65b,69bのシール性が低下した場合には、このOリング65b,69b部を通って中間室66,70に試料作製室41から不活性ガスがリークするが、中間室66,70にリークした不活性ガスは、中間室66,70の不活性ガスとともに除去されるので、試料作製室41の酸素分圧が乱されることはない。
【0052】
本発明は上記実施形態に示したもののみならず、その精神を逸脱しない範囲で各種の変形が可能である。
【0053】
例えば、上記図3ないし図11の実施形態においては、いずれも双楕円型の回転楕円面鏡31,32を有するものについて説明したが、単楕円型あるいは3個以上の多楕円型回転楕円面鏡を有するものであってもよい。
【0054】
また、図3〜図4、図8〜図9の単結晶育成装置30,50においては、結晶駆動軸の軸受シール部については図示していないが、上記単結晶育成装置60で説明した軸受シール部63,67を採用してもよい。このような2重Oリングシール構造の軸受シール部63,67を採用すると、Oリングによるシールがより確実になって、試料作製室41内をより容易かつ確実に所定の酸素分圧に維持することができる。この場合、2重Oリングの中間室66,70は、上記単結晶育成装置60のように、使用済みガスの酸素ポンプ4へのリターン経路として利用してもよいし、上記他の2実施形態で説明したように、真空引きまたは不活性ガスを流すようにしてもよい。
【0055】
さらに、上記図8および図9に示す実施形態においては、フローティングゾーンの原料棒37側固液境界面37a近傍および結晶棒39側固液境界面39a近傍にそれぞれ遮光物51,52を配設させ、原料棒37側固液境界面37a近傍および結晶棒39側固液境界面39a近傍に遮光物51,52の影を与える場合について説明したが、遮光物51,52のいずれか一方のみを設置するようにしてもよい。
【0056】
さらにまた、上記実施形態では、試料作製室11の酸素分圧を1×10-21〜1×10-30気圧に制御する場合について説明したが、作製する機能性酸化物等の試料によっては、それよりも高い酸素分圧で作製することが適当なものがあるので、酸素分圧制御部9は、2×10 -1 〜1×10-30気圧の範囲で連続的に制御できるものであることが望ましい。
【0057】
また、図3〜図11の実施形態では、試料作製室として赤外線加熱方式のフローティングゾーン式単結晶育成装置を用いる場合について説明したが、高周波加熱方式や、レーザ加熱方式のフローティングゾーン式単結晶育成装置、あるいはその他の結晶育成装置を用いることができる。
【0058】
さらに、図11の上記実施形態では、2重のシール材として、Oリングを用いた場合について説明したが、Vパッキングやオイルシールなどの他のシール材を用いてもよい。
【0059】
【発明の効果】
【0060】
本発明の酸素分圧制御による試料作製装置は、ガス供給源から供給された不活性ガス中の酸素分圧を 10 -21 〜1× 10 -30 気圧に制御する電気化学的な酸素ポンプを備える酸素分圧制御装置と、酸素分圧制御された不活性ガスを送り込む試料作成室とを備えることを特徴とするものであるから、酸素分圧制御装置の酸素ポンプで酸素分圧を 2 × 10 -21 〜1× 10 -30 気圧に制御した不活性ガスを送り込んだ試料作成室で、従来の高い酸素分圧下では得られなかった新規な機能性酸化物,超高純度金属,金属間化合物、1種以上の金属と他の元素との化合物等の試料を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の酸素分圧制御による試料作製装置について説明する概略構成図である。
【図2】 本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適する電気化学的な酸素ポンプの原理を説明する概略構成断面図である。
【図3】 本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適する単結晶育成装置の正断面図である。
【図4】 図3のA−A線に沿う横断面図である。
【図5】 図3の単結晶育成装置における被加熱部の拡大正面図である。
【図6】 本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適する他の単結晶育成装置の正断面図である。
【図7】 図6のB−B線に沿う横断面図である。
【図8】 本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適するさらに他の単結晶育成装置の正断面図である。
【図9】 図8のC−C線に沿う横断面図である。
【図10】 図8の単結晶育成装置における被加熱部の拡大正面図である。
【図11】 本発明の酸素分圧制御による試料作製装置に好適するさらに他の単結晶育成装置における正断面図である。
【符号の説明】
1 酸素分圧制御装置
4 酸素ポンプ
5、6酸素センサ
8 酸素分圧設定部
9 酸素分圧制御部
10 酸素分圧表示部
11 試料作製
12 リターン配管
13 異物除去手段
20 密閉容器
21 固体電解質
22、23 電極
30、40、50、60 単結晶育成装置
31、32 回転楕円面鏡
33、34 赤外線ランプ
35 被加熱部
37 原料棒
39 結晶棒
41 試料作製
42 石英管
51、52 遮光物
61 ガス供給管
62 ガス排気管
63、67 軸受シール部
64、68 軸受
65、69 シール材(Oリング)
66、70 中間室
0 各回転楕円面鏡の一方の焦点
1、F2 各回転楕円面鏡の他方の焦点
1、m2 空間

Claims (7)

  1. 不活性ガスを酸素ポンプを通じて試料作製室に供給する供給通路と、
    試料作製室から排出された不活性ガスを前記酸素ポンプに還流させるリターン配管とを備えるとともに、
    前記酸素ポンプの下流側の供給通路に配設けられた供給ガス用の酸素センサによるモニタ値に基づいて、前記酸素ポンプから前記試料作製室に供給される不活性ガス中の酸素分圧を 10 -21 10 -30 気圧に制御する酸素分圧制御部を備えたことを特徴とする酸素分圧制御による試料作製装置。
  2. 前記リターン配管に別の酸素センサを配設し、前記別の酸素センサのモニタ値を酸素分圧制御部に入力するようにしたことを特徴とする請求項記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
  3. 前記試料作製室で作製される試料が、機能性酸化物,超高純度元素,金属間化合物および1種以上の金属と他の元素との化合物のいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
  4. 前記試料作製室で作製される機能性酸化物が、遷移金属酸化物であり、前記1種以上の金属と他の元素との化合物が1種以上の金属とホウ素,炭素,珪素,窒素,リン,ヒ素,アンチモン,フッ素,塩素,臭素およびヨウ素の元素群から選択された1種以上の元素との化合物であることを特徴とする請求項3に記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
  5. 前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、Ti、 V 、Cr、Cu、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Reの遷移金属中から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項4に記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
  6. 前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの中から選択された少なくとも1つ以上の元素を含むことを特徴とする請求項4に記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
  7. 前記試料作製室で作製される遷移金属酸化物が、SrMoO 3 、Sr 2 MoO 4 、Sr 3 Mo 2 7 、CaMoO 3 、BaMoO 3 、Sr 2 NbO 4 、Sr 2 VO 4 、Y 2 Mo 2 7 、Nd 2 Mo 2 7 、Eu 2 Mo 2 7 Y [1-x-y] Nd x Eu y Mo 2 7 0 ≦x,y≦ 1 )、NaWO 3 、Sr 0.86 NbO 3 、Nd 2-x Ce x Cu 2 4 0 ≦x≦ 0.5 )、Pr 2-x-y La x Ce y Cu 2 4 0.5 ≦x≦ 1.5 0 ≦y≦ 0.5. )の中のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の酸素分圧制御による試料作製装置。
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