JP3749075B2 - 発振出力切替装置及び無線電話装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの電圧制御発振回路(VCO:Voltage Controlled Oscilator)の発振出力を切り替えるための制御に関し、特に、PHS(パーソナル・ハンディホン・システム)携帯機等、TDMA(時分割多重)方式を用いた無線通信システムの携帯電話機において2つの局部発振回路を切り替えるための制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PHS等の無線通信システムでは無線基地局と携帯機との間での通信はTDMA方式により行われている。
【0003】
PHS規格では、5msの周期のTDMAフレームを8等分して8つのタイムスロット、即ち第1番目から第4番目までの4つの625μsの送信タイムスロットと第1番目から第4番目までの4つの625μsの受信タイムスロットとを定めており、通常1台のPHS携帯機は、第N番目の送信タイムスロットと第N番目の受信タイムスロットとの組である1つの時分割チャネルを用いて無線基地局との間で通信を行う。
【0004】
また最近では、PHS携帯機には、通話中に1つの時分割チャネルを用いて通信を行いながら、その他の時分割チャネルに該当する時間、即ち、通信を行っている他の送信タイムスロット及び他の受信タイムスロットにおいて、より強い電波の無線基地局をサーチすることによりシームレスハンドオーバを実現するいわゆるツインウェーブ機能を搭載したものもある。このようなPHS携帯機は、例えば、いずれかの1組の送信タイムスロット及び受信タイムスロットを用いて通信チャネルで通信を行い、1組のスロットで通話を連続して維持しつつ、同時に空いた3組のスロットで制御チャネルのサーチと通信後、通信チャネルまで移行する必要がある。
【0005】
また最近、高速にデータ通信を行うために連続する2つの時分割チャネルに相当する時間において、時分割チャネルに相当する時間毎に異なる周波数を用いてデータ通信を行うPHS携帯機も現れている。このようなPHS携帯機においても、連続する送信タイムスロットや受信タイムスロットにおいて通信周波数をある周波数から他の周波数に切り替えて通信を行う必要がある。
【0006】
これらのPHS携帯機での通信周波数の切り替えには、送受信のタイムスロット毎に2つのVCOの出力を切り替える技術が利用される。
【0007】
以下、送受信のタイムスロット毎に2つのVCOの出力を切り替えるための従来の発振出力切替方式について説明する。
【0008】
図5は、従来の発振出力切替方式を実現する発振出力切替装置の構成図である。
【0009】
発振出力切替装置900は、SPDT(SinglePole Dual Throw)スイッチ901〜903と、VCO911及び位相同期ループ(PLL:phase locked loop)回路921と、VCO912及びPLL回路922とから構成される。
【0010】
ここで、VCO911とVCO912とはそれぞれ異なる必要な周波数の発振出力信号を発生させるように調整される。また、SPDTスイッチ901〜903は、例えばガリウム砒素(GaAs)等のアイソレーション性能のよいスイッチである。
【0011】
つまり、発振出力切替装置900は、2系統の周波数発振機構を備え、2つの周波数のいずれかをSPDTスイッチを通じて出力するものである。
【0012】
図6は、従来の発振出力切替方式において各VCOに供給する電源電圧を示したタイミングチャートである。
【0013】
同図中、スロット1及びスロット2は、それぞれ625μsの送信タイムスロットを表している。
【0014】
スロット1及びスロット2の区間ではVCO911及びVCO912はそれぞれ発振出力を特定の高い周波数に固定、即ち、PLL回路による位相のロック(PLLロック)がなされている必要がある。なお、発振開始又は周波数切替から安定した周波数に固定されるまで(PLLロックするまで)の期間(PLLロック期間)は、500μs程度である。
【0015】
従って、スロット1においてVCO911の発振出力が必要である場合に、PLL回路921でPLLロックを行うPLLロック期間分だけスロット1の前から、VCO911には電源電圧を供給しなければならず、このため同図に示すように、PLL921ロック期間とスロット1とからなる期間においてVCO911に電源電圧を供給している。
【0016】
また、同様にスロット2においてVCO912の発振出力が必要であるので、同図に示すように、PLL922ロック期間とスロット2とからなる期間においてVCO912に電源電圧を供給している。各VCOに供給する電源電圧は、各VCOの出力レベルを−3dBmとするのに必要な電圧である。
【0017】
なお、SPDTスイッチ901〜903は、スロット1の期間においてVCO911の発振出力を選択して外部に出力するように制御され、スロット2の期間においてVCO912の発振出力を選択して外部に出力するように制御されるものである。アイソレーション性能を高めるために複数のSPDTスイッチが用いられている。
【0018】
図7は、従来の発振出力切替装置における各VCOの出力レベルを示す図である。
【0019】
同図では、図6に示したPLL922ロック期間における状態を示している。
【0020】
各VCOは、単体における出力レベルを−3dBmとするように電源電圧を供給されており、その発振出力信号はSPDTスイッチへとPLL用とに分割されるので、出力レベルが1/2に半減し、即ち6dB減少し、結果として各VCOは、−9dBmの出力レベルの発振出力信号をSPDTスイッチ902又は903に向けて発することになる。
【0021】
このように、両方のVCOから発振出力信号が発されているので、スイッチとしては、選択している側のVCOからの発振出力だけでなく選択していない側のVCOからの発振出力がスプリアス信号として漏れ出してしまうことを防止する性能が要求され、従来はSPDTスイッチ901〜903のようにGaAsSPDTスイッチを複数段接続してアイソレーション性能を良くしている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、GaAsSPDTスイッチ等のアイソレーション性能が良いスイッチは高価である。
【0023】
そこで、本発明は、2つのVCO間のアイソレーションを高めることにより、スイッチに要求するアイソレーション性能を従来よりも低く抑えて、スイッチにかかるコストを低減する発振出力切替装置を提供すること及びこの発振出力切替装置を含む無線電話装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る発振出力切替装置は、PLL制御により発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して外部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を外部に与える切替スイッチと、各電圧制御発振回路についてのPLLロック期間においては、当該PLLロック期間以後に当該電圧制御発振回路に電源電圧として与える電圧より低い電圧を、当該電圧制御発振回路に電源電圧として与える電源電圧制御手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係る発振出力切替方法は、PLL制御により発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して外部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を外部に与える切替スイッチとを備える装置において、前記第1及び第2の電圧制御発振回路への電源電圧の供給制御と前記切替スイッチの切替制御とを行う発振出力切替制御方法であって、第1期間において第1の電圧制御発振回路を選択し前記第1期間に続く第2期間において第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御し、前記第2期間において第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、前記第1期間内であって前記第2期間の直前の、第2の電圧制御発振回路についてのPLLロック期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与えることを特徴とする。
【0026】
ここで、PLLロック期間は、電圧制御発振回路(VCO)が発する発振出力信号の周波数を固定させるPLLロックに必要な期間であり、PLLロック期間にVCOに与える電圧は当然ながらPLLロックのために十分なものである。
【0027】
上記構成により、VCOの電源電圧としてPLLロック期間に続く出力期間に与える電圧より、PLLロック期間に与える電圧の方が低いため、一方のVCOの出力期間と他方のVCOのPLLロック期間が重複した場合を考えると、PLLロック期間においても出力期間と同一の電圧をVCOの電源電圧として与えている場合よりも、2つのVCO間のアイソレーションが高まる。従って、スイッチに要求されるアイソレーション性能は従来より低くなり、スイッチとして比較的安価なものを利用できるようになる。
【0028】
また、本発明に係る無線電話装置は、無線基地局と時分割多重方式により無線通信を行う無線電話装置であって、アンテナを介して無線基地局と通信する高周波無線部と、PLL制御により互いに異なる周波数の発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して、前記高周波無線部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を前記高周波無線部に与える切替スイッチと、前記第1及び第2の電圧制御発振回路への電源電圧の供給制御と前記切替スイッチの切替制御とを行う制御手段とを備え、前記制御手段は、第1タイムスロットにおいて第1の電圧制御発振回路を選択し前記第1タイムスロットに続く第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御し、前記第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、前記第1タイムスロット内であって前記第2タイムスロットの直前の、第2の電圧制御発振回路についてのPLLロック期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与えることを特徴とする。
【0029】
上記構成により、連続するタイムスロットで異なる周波数の発振出力を得るために2つのVCOを切り替えるスイッチに要求されるアイソレーション性能は、VCOの電源電圧を一定にしている場合よりも低くなり、無線電話装置をより安価に構成することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る発振出力切替装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0031】
<構成>
図1は、本発明の実施の形態に係る発振出力切替装置100の構成図である。
【0032】
発振出力切替装置100は、スイッチ101と、VCO111及びPLL回路121と、VCO112及びPLL回路122と、電源電圧供給部131と制御部130とから構成されるもので、PHS携帯機に内蔵され、無線基地局とアンテナを介して高周波無線通信を行うための機構に、2種類の周波数のうちいずれか一方の発振出力を供給するものである。
【0033】
ここで、電源電圧供給部131は、VCO111及びVCO112の電源端子と接続され、制御部130の制御下で、VCO111及びVCO112に電圧を供給する電源である。
【0034】
制御部130は、PHS携帯機の通信制御を行う機構の一部であり、例えばCPU及びメモリから構成され、送受信のタイムスロットに従ってスイッチ101の切替の制御を行うべくスイッチ101にスイッチ制御信号を与え、また、電源電圧供給部131を制御してVCO111及びVCO112に供給する電圧を変更する機能を有する。
【0035】
VCO111は、スイッチ101及びPLL回路121と接続され、電源電圧を供給されるとスイッチ101とPLL回路121とに発振出力信号を与えるものである。VCO111は、PLL回路121とのフィードバック制御により、電源電圧を供給されてから500μs程度で発振出力信号の発振周波数を予め定められている特定の周波数に固定するものである。
【0036】
VCO112は、VCO111と同等品であり、スイッチ101及びPLL回路122に接続され、電源電圧を供給されるとスイッチ101とPLL回路122とに発振出力信号を与えるものである。VCO112は、PLL回路122とのフィードバック制御により、電源電圧を供給されてから500μs程度で発振出力信号の発振周波数を、VCO111とは異なるように予め定められている特定の周波数に固定するものである。
【0037】
なおPLL回路121及びPLL回路122のPLLロックに必要なループバックの入力レベル、即ち、PLLロックに必要な、各VCOから供給される発振出力信号のレベルは、カタログ保証値において−15dBmであり、常温における実力値では−36dBmである。
【0038】
スイッチ101は、例えば、GaAsSPDTスイッチであり、VCO111及びVCO112と接続され、制御部130からのスイッチ制御信号に応じて切り替わり、VCO111とVCO112とのいずれか一方を選択して発振出力切替装置100の外部に接続する。つまり、スイッチ101は、スイッチ制御信号に応じてVCO111からの発振出力とVCO112からの発振出力とのいずれかを選択して、高周波無線通信を行うための機構に供給するものである。
【0039】
<動作>
図2は、発振出力切替装置100において各VCOに供給する電源電圧を示したタイミングチャートである。
【0040】
同図中、スロット1及びスロット2は、それぞれ625μsの送信タイムスロットを表している。また、PLL回路121によるPLLロックに十分な期間をPLL121ロック期間とし、PLL回路122によるPLLロックに十分な期間をPLL122ロック期間としている。PLL121ロック期間及びPLL122ロック期間は予め定めており、例えば550μsである。
【0041】
ここでは、例えば、シームレスハンドオーバを実現するために通信チャネルでの通信している以外の送受信のタイムスロットにおいて制御チャネルで強い電波の無線基地局をサーチする等のために、スロット1においてVCO111の発振出力を外部に供給する必要があり、スロット2においてVCO112の発振出力を外部に供給する必要があるという場合を例にして説明する。
【0042】
制御部130は、図2に示すように、スロット1の直前のPLL121ロック期間において、電源電圧供給部131からVCO111に2.2Vの電圧をかけるよう制御し、スロット1の期間においてVCO111に2.8Vの電圧をかけるよう制御する。
【0043】
図3は、VCOの電源電圧−出力レベル特性を示す図である。
【0044】
同図に示すように、VCO111又はVCO112に、2.2Vの電源電圧を与えると出力レベルが−9dBmとなり、また2.8Vの電源電圧を与えると出力レベルが−3dBmとなる。なお、VCOに与える電源電圧によりVCOの発振周波数が決定されるのではない。
【0045】
このVCO111の出力が、PLL121ロック期間においては−9dBmという小さいレベルのものとなっており、スロット1の期間においては−3dBmという大きなレベルのものとなっていることを、図2では出力波形の振幅の大小によって表している。
【0046】
また、制御部130は、図2に示すように、スロット2の直前のPLL122ロック期間において、電源電圧供給部131からVCO112に2.2Vの電圧をかけるよう制御し、スロット2の期間においてVCO112に2.8Vの電圧をかけるよう制御する。
【0047】
この結果、VCO112の出力は、図2に示すようにPLL122ロック期間においては小さいレベルのものとなっており、スロット2の期間においては大きなレベルのものとなっている。
【0048】
各VCOに2.8Vの電源電圧を与えた場合に、VCOの発振出力信号はスイッチ101へと各PLL回路へとに分割されるので、−3dBmなる出力レベルが1/2に半減し、即ち6dB減少し、結果として各VCOは、−9dBmの出力レベルの発振出力信号をスイッチ101及び各PLL回路に発することになる。なお、この−9dBmの出力レベルの発振出力信号は、発振出力切替装置100の外部の高周波無線通信を行うための機構に要求される出力レベルを十分満たすものである。
【0049】
また、各VCOに2.2Vの電源電圧を与えた場合にも同様に−9dBmなる出力レベルの発振出力信号は分割されて出力レベルが6dB減少し、結果として各VCOは、−15dBmの出力レベルの発振出力信号をスイッチ101及び各PLL回路に発することになる。これによりPLL121ロック期間及びPLL122ロック期間において、カタログ保証値として、PLLロックアップに必要なレベル、即ち−15dBmの発振出力信号が各PLL回路に供給されることになる。
【0050】
図4は、発振出力切替装置100における各VCOの出力レベルを示す図である。
【0051】
同図では、図2に示したPLL122ロック期間における状態を示している。
【0052】
PLL122ロック期間では、スイッチ101によりVCO111が選択されておりVCO112が選択されていない状態、即ちVCO111の発振出力信号が発振出力切替装置100の外部に出力されている状態である。
【0053】
同図に示すように、このPLL122ロック期間においては、VCO111は出力レベルが−9dBmの発振出力信号をスイッチ101に対して発し、またVCO112は出力レベルが−15dBmの信号をスイッチ101に対して発する。
【0054】
従って、図4に示した発振出力切替装置100における各VCOの出力レベルと、図7に示した従来の発振出力切替方式による各VCOの出力レベルと比較すると、スイッチに選択されていない側の出力レベルが発振出力切替装置100では、従来のものより6dB低下しており、この分だけスイッチに要求されるアイソレーション性能は従来より低くなる。
【0055】
なお、PLLロックの実力値に合わせて、制御部130がPLL121ロック期間において、電源電圧供給部131からVCO111に、2.2Vに代えて1.75Vの電圧をかけるよう制御し、またPLL122ロック期間において電源電圧供給部131からVCO112に、2.2Vに代えて1.75Vの電圧をかけるよう制御することとしてもよい。この場合は各VCOは出力レベルが−30dBmの信号を出力することになるので(図3参照)、各VCOはスイッチ及びPLL回路に対して−36dBmの発振出力信号を発する。この場合、PLL122ロック期間における各VCOの出力レベルは図4中において括弧内の数値で示している。
【0056】
つまり、実力値においては、スイッチに選択されていない側のVCOのスイッチに向けての出力レベルが、従来のものより27dBも低下し、この分だけスイッチに要求されるアイソレーション性能は従来より大幅に低くなる。
【0057】
<補足>
以上、本発明に係る発振出力切替装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限られないことは勿論である。即ち、
(1)本実施の形態では、発振出力切替装置100は、1つのスイッチ101のみを備えることとしたが、従来の発振出力切替装置900と同様に3つのスイッチにより構成されるものとしてもよい。但し、スイッチに要求されるアイソレーション性能は従来より低くなるので、より安価なスイッチを利用することが可能となる。
【0058】
また、スイッチ101は、必ずしもGaAsSPDTスイッチでなくてもよく、他の材質のスイッチであってもよい。即ち、スイッチ101としては、必要なアイソレーション性能を満たす範囲で最低限のコストのものを利用することができる。
(2)本実施の形態では、VCOに、スイッチを通じて発振出力切替え装置の外部に出力させるための期間には2.8Vの電源電圧を与え、またPLLロック期間においては2.2Vの電源電圧を与えることとしたが、本発明はこれらの電圧値に限定されることはない。即ち、外部に十分な出力レベルの発振出力信号を出力させるためにVCOに与える電圧をαとすると、その電圧αを与える直前のPLLロック期間においては、PLLロックに最低限必要な電圧以上であってαより低い電圧βをVCOに与えることにすればよい。つまり、スイッチに選択されたVCOがスイッチを通じて外部に発振出力信号を出力する出力期間においてそのVCOに与える電源電圧より、出力期間の直前のPLLロック期間においてそのVCOに与える電源電圧は、低くかつPLLロックに十分なものであることとすればよい。
【0059】
なお、本実施の形態では、VCO111とVCO112とは同等品であることとしたが、必ずしも同等でなくてもよい。同等でない場合には、各VCOに与える電圧値を各VCOについての電源電圧−出力レベル特性に応じてそれぞれ適したものにすればよい。
【0060】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る発振出力切替装置は、PLL制御により発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して外部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を外部に与える切替スイッチと、各電圧制御発振回路についてのPLLロック期間においては、当該PLLロック期間以後に当該電圧制御発振回路に電源電圧として与える電圧より低い電圧を、当該電圧制御発振回路に電源電圧として与える電源電圧制御手段とを備えることを特徴とする。
【0061】
これにより、VCOの電源電圧としてPLLロック期間に続く出力期間に与える電圧より、PLLロック期間に与える電圧の方が低いため、一方のVCOの出力期間と他方のVCOのPLLロック期間が重複した場合を考えると、PLLロック期間においても出力期間と同一の電圧をVCOの電源電圧として与えている場合よりも、2つのVCO間のアイソレーションが高まる。従って、スイッチに要求されるアイソレーション性能は従来より低くなり、スイッチとして比較的安価なものを利用できるようになる。
【0062】
また、前記発振出力切替装置は、第1期間において第1の電圧制御発振回路を選択し、前記第1期間に続く第2期間において第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御するスイッチ制御手段を備え、前記電源電圧制御手段は、前記第2期間において第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、前記第1期間内であって前記第2期間の直前の、第2の電圧制御発振回路についてのPLLロック期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与えることとしてもよい。
【0063】
これにより、各VCOからの発振出力が連続的に必要な場合において、スイッチに選択された状態となるときに与えられる電源電圧、即ち外部に出力するために必要な出力レベルを確保するために与えられる電源電圧より、スイッチに選択されていない状態となるときにPLLロックのために与えられる電源電圧の方が小さくなる。従って、両VCOが共に発振出力信号を発生している場合においても、選択されていない側であるPLLロック中のVCOからの発振出力信号のレベルが低下し、この結果、スイッチに要求されるアイソレーション性能は低くなる。
【0064】
また、本発明に係る無線電話装置は、無線基地局と時分割多重方式により無線通信を行う無線電話装置であって、アンテナを介して無線基地局と通信する高周波無線部と、PLL制御により互いに異なる周波数の発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して、前記高周波無線部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を前記高周波無線部に与える切替スイッチと、前記第1及び第2の電圧制御発振回路への電源電圧の供給制御と前記切替スイッチの切替制御とを行う制御手段とを備え、前記制御手段は、第1タイムスロットにおいて第1の電圧制御発振回路を選択し前記第1タイムスロットに続く第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御し、前記第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、前記第1タイムスロット内であって前記第2タイムスロットの直前の、第2の電圧制御発振回路についてのPLLロック期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与えることを特徴とする。
【0065】
これにより、連続するタイムスロットで異なる周波数の発振出力を得るために2つのVCOを切り替えるスイッチに要求されるアイソレーション性能は、VCOの電源電圧を一定にしている場合よりも低くなり、無線電話装置をより安価に構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る発振出力切替装置100の構成図である。
【図2】発振出力切替装置100において各VCOに供給する電源電圧を示したタイミングチャートである。
【図3】VCOの電源電圧−出力レベル特性を示す図である。
【図4】発振出力切替装置100における各VCOの出力レベルを示す図である。
【図5】従来の発振出力切替方式を実現する発振出力切替装置の構成図である。
【図6】従来の発振出力切替方式において各VCOに供給する電源電圧を示したタイミングチャートである。
【図7】従来の発振出力切替装置における各VCOの出力レベルを示す図である。
【符号の説明】
100 発振出力切替装置
101 スイッチ
111,112 VCO
121,122 PLL回路
130 制御部
131 電源電圧供給部
Claims (3)
- PLL制御により発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、
前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して外部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を外部に与える切替スイッチと、
各電圧制御発振回路に対して、電源電圧として所定電圧未満の電圧を与えてから、電源電圧として与える電圧を所定電圧に切り替える電源電圧制御手段と、
第1期間において第1の電圧制御発振回路を選択し、前記第1期間に続く第2期間において第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御するスイッチ制御手段とを備え、
前記電源電圧制御手段は、
前記第2期間において第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、
前記第1期間内であって前記第2期間の直前の、第2の電圧制御発振回路についての発振出力信号の周波数を固定させるために必要な所定期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与える
ことを特徴とする発振出力切替装置。 - 無線基地局と時分割多重方式により無線通信を行う無線電話装置であって、
アンテナを介して無線基地局と通信する高周波無線部と、
PLL制御により互いに異なる周波数の発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、
前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して、前記高周波無線部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を前記高周波無線部に与える切替スイッチと、
前記第1及び第2の電圧制御発振回路への電源電圧の供給制御と前記切替スイッチの切替制御とを行う制御手段とを備え、
前記制御手段は、
第1タイムスロットにおいて第1の電圧制御発振回路を選択し前記第1タイムスロットに続く第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御し、
前記第2タイムスロットにおいて第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、
前記第1タイムスロット内であって前記第2タイムスロットの直前の、第2の電圧制御発振回路についての発振出力信号の周波数を固定させるために必要な所定期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与える
ことを特徴とする無線電話装置。 - PLL制御により発振出力信号を発する第1及び第2の電圧制御発振回路と、前記第1及び第2の電圧制御発振回路のいずれか一方を選択して外部と接続することにより当該選択した電圧制御発振回路の発振出力信号を外部に与える切替スイッチとを備える装置において、前記第1及び第2の電圧制御発振回路への電源電圧の供給制御と前記切替スイッチの切替制御とを行う発振出力切替制御方法であって、
第1期間において第1の電圧制御発振回路を選択し前記第1期間に続く第2期間において第2の電圧制御発振回路を選択するように前記切替スイッチを制御し、
前記第2期間において第2の電圧制御発振回路に所定電圧を与え、
前記第1期間内であって前記第2期間の直前の、第2の電圧制御発振回路についての発振出力信号の周波数を固定させるために必要な所定期間において、第2の電圧制御発振回路に前記所定電圧未満の電圧を与える
ことを特徴とする発振出力切替制御方法。
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