JP3748961B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気の吹出し方向を変更する風向変更装置を備えた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の風向変更板を連動板でつなぎ、風向変更板の方向を一度に変更する風向変更装置は実公昭61-23225号公報に記載されたものがある。この公報に記載の風向変更装置は、一般に合成樹脂で風向変更板と連動板を別部品として形成し、これらを吹出枠を構成する枠体に組付けているものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述した風向変更装置では、その組立てに手間と時間がかかる、すなわちコストがかかるので、風向変更板、連動板、枠体を合成樹脂で一体成形したものもある(特開平8-178343号公報参照)。このように、風向変更板、連動板、枠体を一体成形したものにおいては、金型で一度に風向変更装置を成形でき、組立コストを低く抑えてコストダウンに役立つものであるが、その風向変更板の方向を定めるストッパの摩擦などが小さいと、風向変更板が元の位置に戻ってしまうことがある。これは、合成樹脂で一体に風向変更板や枠体を成形しているので、これら部品がつながっており、金型で成形された方向以外に風向板が向けられた場合、金型で成形された方向に、その弾性力によって戻ろうとする力が加わりやすいためである。また、摩擦を大きくすると風向変更板の方向を変えるときに大きな力を必要とし、あまり望ましくない。
【0004】
この発明は、風向変更板の方向を定められるようにした風向変更装置を備えた空気調和機を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、熱交換器(4)と、この熱交換器(4)からのドレンを溜めるドレンパン(6)と、前記熱交換器(4)に空気を供給す るための送風機(7)と、前記熱交換器(4)を通過した空気の吹出し方向を変えるための風向変更装置(8)とを備え、この風向変更装置(8)は、通風路を構成する吹出枠(22)の少なくとも一部を形成する上側の枠体(8C)と下側の枠体(8H)、これら上下の枠体(8C、8H)にそれぞれ支持部(8J、8K)で支持される複数の風向変更板(8A、8A)、及びこれら複数の風向変更板(8A、8A)の方向を連動させるための連動板(8D)とで構成される共に、これら上下の枠体(8C、8H)、複数の風向変更板(8A、8A)及び連動板(8D)を合成樹脂で一体成形して成る空気調和機において、前記風向変更板(8A、8A)の前面側あるいは背面側のいずれか一方側に前記支持部(8J、8K)を位置させると共に、前記風向変更板(8A、8A)の他方側に略球面状のストッパ片(8E)を設け、前記ストッパ片(8E)に嵌合する円弧状に配列して設けた多数の窪み(22C、22C)を前記吹出枠(22)に備え、前記風向変更装置(8)の前記上側の枠体(8C)には、この風向変更装置(8)を前記ドレンパン(6)に止めるための止め部(8B)と、ドレンパン(6)の外側前面に付設される断熱材(21)を保持するための押え部(8F)とが、一体に形成されていることを特徴とする。
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の空気調和機の実施例を図面に基づき説明する。図1に示す1は分離型空気調和機の室内機(空気調和機)で、図示しない室外機とユニット間配管で接続されるものである。
【0010】
この室内機1の外装体は、前面側の外装体2Aと、この外装体に着脱自在に取付けられる吸込グリル2Bと、背面側の外装体2Cとで構成されている。3は据付板で、この据付板は室内壁の上部に取付けられ、この据付板に前記室内機1が引掛けられて据付けられるものである。4は熱交換器で、冷房運転やドライ運転時に冷却器として機能し、暖房運転時には加熱器として機能するものである。5は空気清浄フィルタの保持部、6はドレンパン、7はクロスフローファン(送風機)、8Aは縦羽根とも呼ばれている風向変更羽根(風向変更板)、9は横羽根とも呼ばれている風向変更羽根、10は収納空間で、梱包時や左配管時に熱交換器4から延びた補助冷配管が収納される。11はこの収納空間10の外装体2Cに取付けられる断熱材である。
【0011】
尚、空気清浄フィルタや、このフィルタと吸込グリルとの間に配置されるエアフィルタは図示しない。
【0012】
12は補助配管押えで、収納空間10の中間部分で補助冷媒管13を押えるものである。また、この補助冷媒管13と室内機1の左側からのユニット間配管とをつなぐ場合には、据付板3の引掛片3Aに室内機1を引掛けている状態で、この補助配管押え12を回動させて据付板3に突っ張らせることによって、室内機1を据付板3から浮かせることができ、室内機1と据付板3との間を作業空間として利用することができるようになっている。
【0013】
図2に示す14は配管押えで、熱交換器4から延びた補助冷媒管13を収納空間10外で押えるものである。15はこの配管押えの右下部に形成された押え部で、この押え部で図2に示すように室内機背面側から見て断熱材11の左側上部11Aを押えるようにしている。16は取付け用の開口で、この開口に背面側の外装体2Aに設けた爪17が嵌り込むように配管押え14を外装体に取付けることによって、配管押え14が外装体2Cに取付けられる。
【0014】
また、18は配管押え14に形成されているネジ孔で、このネジ孔にネジを挿入しボス19にネジ止めすることができるようになっている。このため、前記爪17が欠けるようなことがあっても、ネジ止めにより配管押え14を外装体2Cに取付けることもできるようになっている。
【0015】
図3や図4に示す21は断熱材で、図1や4図に示すように、ドレンパン6の外側前面に風向変更装置8の止め部8Bで止められる際に、押え部8Fで抑えられる。
【0016】
8C、8Hは枠体、8Dは連動板、8Eはストッパ片、8Gは吹出枠22に固定するための固定片で、これら風向変更羽根8A、止め部8B、枠体8C、連動板8D、ストッパ片8E、押え部8F、止め部8G、枠体8Hは、例えば射出成形により合成樹脂で一体成形されている。このため、これらを組立てる必要はない。
【0017】
22はドレンパン6と合成樹脂で一体成形した吹出枠で、風向変更羽根9も取付けられる。22Aは上側の枠、22Bは下側の枠である。
【0018】
前記ストッパ片8Eは、背面側の半分が球状、いわゆる半球状に形成されている(図5、図6参照)。勿論、半球状でなく球状でもよく、その摺動方向に対して、略球面状に形成されていれば摺動がよいので望ましい。
【0019】
21Aは断熱材に形成された切欠きで、ドレンパンの取付具6Eと固定片8Bとを避けるものである。
【0020】
図5に示す8Jは上側の枠体8Cと風向変更板8Aの前面側(一方側)とをつなぐ支持部で、その拡大円内に図(図6参照)を示すように、そのヒンジ8L(図6参照)部は肉薄に形成されている。8Kは下側の枠部8Hと風向変更板8Aの前面側とをつなぐ支持部で、そのヒンジ部も肉薄に形成されている。このため、風向変更板の方向を変えやすくなっている。8Iは開口部で、ワイヤーを通すことによって、人間の指などが空気調和機の奥の方に入りにくくすることができる。
【0021】
図7に示す22Cは、前記ストッパ片8Eが嵌り込む円弧状に配列された(図7を参照)多数の窪みで、これら多数の窪み22C、22Cは、吹出枠22の背面側にあたる下側の枠22Bに形成されており、前面側に設けられた場合に比べて見えにくいため、美観を損なわないようになっている。また、これら多数の窪み22C、22Cは、別部品を取り付けるものではなく、吹出枠に一体に設けられているので、取付ける手間などのコストアップを招く要因になりにくい。
【0022】
このように構成された空気調和機では、その風向変更装置8をドレンパン6に組付ける際に、断熱材21をドレンパン6の前面側に配置することによって、断熱材21と一緒に風向変更装置8をドレンパン8に取付けることができるようになっている。これにより、空気調和機の組立てコストを節約することができる。
【0023】
組立てられた空気調和機が室内壁に据付られると、風向変更装置8の風向変更板8Aを調整することになる。例えば、室内機1が部屋の隅側に据付けられた場合には、風向変更板8Aを部屋の中央側に向けた方が部屋の全体を冷房、あるいは暖房することができるので、一般には望ましい。
【0024】
しかし、このとき、複数の風向変更板8Aは枠体8C、8Hにその支持部8J、8Kでつながれており、かつ、合成樹脂で一体成形されているので、風向変更板8Aを変更した方向から、室内機1の前方側に戻りやすい。しかし、この風向変更装置8では、その風向変更板8の背面側にストッパ片8Eが設けられており、そのストッパ片8Eが、窪み22Cに嵌り込んで固定されるので、その風向変更板8Aの位置が保持される。このとき、風向変更板8Aを保持するためのストッパ片8Eや、窪み22Cが支持部8J、8Kと離れた位置に設けられているため、その保持する力は小さくても充分に保持できるものである。例えば、支持部近くにストッパ片を設けた場合は、その支点となる支持具に近いため、その保持する力を大きくしなければ、風向変更板の方向を保持できない。また、この保持する力が大きくなるように構成すると、風向変更板の方向を変えるのに大きな力を必要とし、使い勝手が悪くなるものであるが、この実施例に記載のものではその使い勝手が悪くなることもない。
【0025】
また、窪み22Cとストッパ片8Eが室内機1の背面側に位置し、室内機1の吹出口の奥側に位置して見えにくいため、これらが見えることによる風向変更装置8、及び空気調和機の美観を損ねることが極力防止されている。
【0026】
更に、この風向変更板方向を変更する場合も、ストッパ片が球状に形成されていて、窪みと、窪み同士の間を滑らかに動くので、風向変更板の方向を変えるのも非常に容易となっている。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、風向変更板と枠体とをつなぐ支持部の反対側にあたる他方側の風向変更板にストッパ片を形成し、このストッパ片に嵌り合う窪みを備えたので、ストッパ片が支点となる支持具と離れていて小さな力で風向変更板の方向を定めることができ、その風向変更板の方向を変更する場合も小さな力で、方向を変えることができる。また、ストッパ片や、窪みも特別に付加する部品ではなく、風向変更板などと一体に設けられるので、価格の上昇も抑えることができる。
【0028】
また、ストッパ片を略球面状に形成したことにより、略球面状のストッパ片が窪みと窪み同士の間とを滑らかに動くので、風向変更板の動きがスムーズとなり、風向変更板の方向の変更を行いやすい。
【0029】
【0030】
更に、風向変更装置の上側の枠体には、風向変更装置をドレンパンに止めるための止め部と、ドレンパンに取付けられる断熱材を保持するための押え部を一体に形成したので、風向変更装置をドレンパンに取付けると同時に、ドレンパンに断熱材を取付けることができるので、組立てに要する時間と手間とを省き、組立てコストを低下させ、延いては空気調和機の製造コストを低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の空気調和機の室内機を示す断面図である。
【図2】 同空気調和機の室内機の背面図である。
【図3】 同空気調和機のドレンパンと断熱材と風向変更装置とを正面側から見た外観図である。
【図4】 空気調和機のドレンパンと断熱材と風向変更装置との関係を示す断面図である。
【図5】 ドレンパンを上方側から見た外観図である。
【図6】 風向変更装置を側面から外観図である。
【図7】 風向変更装置の要部断面図である。
【図8】 図5に示すVIII方向から見た風向変更装置の外観図である。
【図9】 図5に示すIX方向から見た風向変更装置の外観図である。
【符号の説明】
1 室内機(空気調和機)
4 熱交換器
6 ドレンパン
7 クロスフローファン(送風機)
8 風向変更装置
8A 風向変更板
8B 止め部
8C 枠体
8D 連動板
8E ストッパ片
8F 押え部
8J、8K 支持部
21 断熱材
22C 窪み
Claims (1)
- 熱交換器(4)と、この熱交換器(4)からのドレンを溜めるドレンパン(6)と、前記熱交換器(4)に空気を供給するための送風機(7)と、前記熱交換器(4)を通過した空気の吹出し方向を変えるための風向変更装置(8)とを備え、この風向変更装置(8)は、通風路を構成する吹出枠(22)の少なくとも一部を形成する上側の枠体(8C)と下側の枠体(8H)、これら上下の枠体(8C、8H)にそれぞれ支持部(8J、8K)で支持される複数の風向変更板(8A、8A)、及びこれら複数の風向変更板(8A、8A)の方向を連動させるための連動板(8D)とで構成される共に、これら上下の枠体(8C、8H)、複数の風向変更板(8A、8A)及び連動板(8D)を合成樹脂で一体成形して成る空気調和機において、
前記風向変更板(8A、8A)の前面側あるいは背面側のいずれか一方側に前記支持部(8J、8K)を位置させると共に、前記風向変更板(8A、8A)の他方側に略球面状のストッパ片(8E)を設け、
前記ストッパ片(8E)に嵌合する円弧状に配列して設けた多数の窪み(22C、22C)を前記吹出枠(22)に備え、
前記風向変更装置(8)の前記上側の枠体(8C)には、この風向変更装置(8)を前記ドレンパン(6)に止めるための止め部(8B)と、ドレンパン(6)の外側前面に付設される断熱材(21)を保持するための押え部(8F)とが、一体に形成されていることを特徴とする空気調和機。
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