JP3748741B2 - X線管の熱陰極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はX線管の熱陰極に関し、特に、熱電子エミッタを発熱体で支持する構造の熱陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線管の熱陰極として代表的なものはタングステン製のコイルフィラメントであるが、近年、X線発生装置の大電流化に伴い、この種のコイルフィラメントよりも熱陰極の性能を向上させることが求められている。そこで、X線管の熱電子エミッタとして、タングステンよりも熱電子放射性能の優れた六ホウ化ランタン(LaB6)を使うようになってきている。この六ホウ化ランタンを使う場合には、これをそのままフィラメント形状に加工してこれに直接電流を流して熱陰極とする場合もあるし(特開平10−321119号公報の図1や図14を参照)、カーボン等の発熱体にこれを取り付けて熱陰極とする場合もある(特開平10−321119号公報の図9と図10を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
六ホウ化ランタンをフィラメント形状に加工した場合や、六ホウ化ランタンを発熱体に取り付けた場合のいずれにおいても、六ホウ化ランタンの表面のうち、X線管のターゲットに対向した正面部分から熱電子が放射されることはもちろんであるが、側面(ターゲットに対向していない表面)からも熱電子が放射されることになる。このような側面からの熱電子放射があると、ターゲット上の焦点がぼやける(例えば、副焦点が生じて輝度むらが生じる)という問題が生じる。また、側面からの熱電子放射まで考慮して所望の焦点サイズに電子流を集束させるためには、ウェーネルト電極の形状を複雑に工夫する必要がある。
【0004】
さらには、ターゲット上で正確な焦点形状を作るためには、ウェーネルト電極と熱陰極の熱電子放射面との相対的な位置関係を設計通りに正確に位置決めする必要がある。したがって、ウェーネルト電極と熱陰極とを組み立てる際に高い精度が要求され、その組立誤差が焦点形状や焦点サイズのばらつきの原因になる。
【0005】
この発明は上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、熱電子エミッタを発熱体で支持する構造のX線管の熱陰極において、ターゲット上で設計通りの焦点形状及び焦点サイズを実現できるような熱陰極を提供することにある。この発明の別の目的は、熱電子エミッタからの横方向への熱電子放射をなくしてターゲット上の焦点の輝度むらを少なくできる熱陰極を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の熱陰極は、発熱体に凹部を形成して、この凹部の底面の一部分に熱電子エミッタの表面を露出させたものである。そして、熱電子エミッタの露出面が凹部の底面から実質的に突き出ないようにしたものである。このようにすることで、凹部の側壁によって電子流を集束させるようにして、ウェーネルト電極で電子流を集束させる従来技術と比較して、ターゲット上で設計通りの焦点形状及び焦点サイズを実現できる。また、熱電子エミッタの側面が露出していないので、熱電子エミッタから横方向への熱電子放射がなくなり、X線管の焦点の輝度むらが少なくなる。
【0007】
発熱体の材料としてはカーボンが適しており、特にガラス状カーボンが好ましいが、グラファイトを使うこともできる。熱電子エミッタを構成する熱電子放射材料の材質は特に制限されないが、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル、各種のホウ化物などを使うことができる。その中でも特に六ホウ化ランタン(LaB6)が適している。X線管のターゲットの材質に応じて熱電子放射材料の材質を選択することもできる。例えば、EXAFS測定におけるコンタミネーション対策としては、ターゲットと熱電子放射材料との組み合わせとして、タングステンのターゲットに対して、熱電子放射材料としてタングステンやTaB2を使うことができ、モリブデンのターゲットに対して、熱電子放射材料としてモリブデンや六ホウ化ランタンを使うことができる。
【0008】
この熱陰極は、次のようにして作ることができる。まず、発熱体に凹部を形成する。次に、その凹部の底面に熱電子放射材料を埋め込むための埋め込み用凹部を形成する。それから、(1)埋め込み用凹部に熱電子放射材料の粉末を充填してこれを焼結するか、あるいは、(2)埋め込み用凹部に、所定の形状に加工した熱電子放射材料を接着固定する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の熱陰極の第1の実施形態の斜視図であり、図2はその正面図である。図1において、この熱陰極は発熱体10と熱電子エミッタ24とで構成されている。発熱体10はガラス状カーボン(glassy carbon)でできている。ガラス状カーボンは電気抵抗が黒鉛よりも非常に大きく、通電経路を長くしなくても(形状を複雑にしなくても)、タングステンコイルを使う場合と同程度の電力で熱電子放射材料を十分な温度に加熱できる。また、ガラス状カーボンは、グラファイトに比べて、溝を加工する際にエッジをシャープに加工できるので、加工精度が高い。この発熱体10は、1対の通電用の端子12、14と、1対の脚部16、18と、エミッタ支持部20とからなる。エミッタ支持部20の上面には溝22(凹部)が形成されている。
【0010】
図3は図2のA−A線で切断した切断面の拡大図である。エミッタ支持部20の上面に形成された溝22(凹部)は、1対の側壁26、28と平坦な底面30とを備えている。底面30の埋め込み用凹部32には熱電子エミッタ24が埋め込まれている。熱電子エミッタ24の表面は、底面30の一部分に露出していて、その露出面は底面30と同一平面上にある。具体的な寸法例を示すと、溝22の両側にある突出部34の幅aは0.2mmであり、熱電子エミッタ24の露出面の外縁から側壁26、28までの距離bは0.2mmであり、熱電子エミッタ24の露出面(図1に示すように細長い矩形である)の幅cは0.8mmである。側壁26、28の高さdは0.2mmであり、熱電子エミッタ24の厚さeは0.2mmであり、エミッタ支持部20の厚さf(底面30のところにおける厚さ)は0.6mmである。熱電子エミッタ24の長さL(図1を参照)は12mmである。したがって、熱電子エミッタ24の露出面のサイズは0.8mm×12mmである。
【0011】
この実施形態では、側壁26、28は底面30に対して垂直になっているが、側壁26、28を底面30に対して90度以外の角度をなすようにしてもよい。例えば、後述する図8の等電位線に沿うように、図3の上方に行くにしたがって側壁26、28が外側に広がるように傾斜させてもよい。さらに、その場合に、側壁26、28の断面形状を放物線などの湾曲形状にしてもよい。
【0012】
熱電子エミッタ24は、埋め込み用凹部32の内部に熱電子放射材料の粉末を充填してこれを焼結固着したものである。熱電子放射材料の粉末としては六ホウ化ランタンを使用した。粉末の粒径としては0.1μm〜50μmの範囲内のものを使用でき、好ましくは0.1μm〜10μmの範囲内ものを使用する。この粉末を埋め込み用凹部32の内部に充填するのに、次の3種類の方法を試した。いずれの方法も使うことができる。
【0013】
第1の充填方法では、埋め込み用凹部32の内部に六ホウ化ランタンの粉末をそのまま充填して、上から平板で押さえつけた。そのとき、粉末の表面が底面30と同じ高さになるようにした。
【0014】
第2の充填方法では、六ホウ化ランタンの粉末を酢酸ブチル(液体)に懸濁させて粘土状にしてから、これを「へら」を用いて埋め込み用凹部32の内部に塗り込んだ。そのとき、この粘土状の混合物が底面30と同じ高さになるようにした。酢酸ブチルは六ホウ化ランタンを加熱させれば蒸発することになる。
【0015】
第3の充填方法では、埋め込み用凹部32の内面に市販のカーボン接着剤を塗ってから、その上に六ホウ化ランタンの粉末を充填した。そのとき、粉末の表面が底面30と同じ高さになるようにした。カーボン接着剤には、六ホウ化ランタンとの密着性を向上させるために炭化ホウ素(B4C)を混ぜておいてもよい。
【0016】
上述のようにして埋め込み用凹部32の内部に六ホウ化ランタンの粉末を充填したら、この発熱体10を通電して粉末を焼結する。具体的には、六ホウ化ランタン粉末を充填した発熱体10を開放型のX線管に取りつける。そして、X線管の内部を真空に排気しながら、この発熱体に通電する。その際、発熱体の両端に印加する電圧を徐々に増加させて、温度上昇を緩やかにする。例えば、1〜2時間をかけて1000℃程度まで温度上昇させる。これによって、まず、六ホウ化ランタンの粉末のガス出しを実行する。それと同時に、発熱体による加熱と自己の発熱とによる温度上昇によって、粉末が焼結する。ここで、焼結とは、粉末材料がその融点以下の温度で熱処理されて粉末が互いに結合して一体化することを意味する。六ホウ化ランタンの融点は2720℃と高温であるから、それよりもかなり低い温度に加熱して、この粉末を焼結している。この熱陰極を使用して電子流を発生させるときは、熱電子エミッタが1400〜1500℃の温度になるように発熱体に電流を流している。
【0017】
粉末を充填する際は、上述のように粉末の表面が底面と同じ高さにするのが一般的であるが、粉末の表面が底面よりもわずかに下がっていても構わない。すなわち、熱電子エミッタの表面が、底面よりも突き出さなければよいのであって、底面と同じ高さか、それよりもわずかに下がっていればよい。
【0018】
なお、六ホウ化ランタンの粉末を埋め込み用凹部32に充填して焼結固着させる代わりに、単結晶体または焼結体のブロック状の六ホウ化ランタンを埋め込み用凹部32とほぼ同じ大きさに加工して、これを埋め込み用凹部32の内部に接着固定してもよい。
【0019】
図4は図1の熱陰極からX線管のターゲット34に向けて熱電子を放射させた様子を示す正面図である。図4のように、熱電子エミッタの細長い露出面の長手方向と電子流とを含む平面に対して垂直な方向から見ると、熱電子エミッタから放射された熱電子は互いにほぼ平行な電子流36となってターゲット34に向かう。したがって、ターゲット34上の焦点の長手方向のサイズは、熱電子エミッタの長手方向のサイズLとほぼ同じ12mmとなる。すなわち、図4の方向から見ると、電子流36はほとんど集束されない。図1を見ると分かるように、熱電子エミッタ24の長手方向の両側には溝22の側壁が存在しないので、熱電子エミッタの長手方向と電子流とを含む平面内では、電子流は溝22の側壁による電子レンズの作用を受けることがなく、ほとんど集束しない。
【0020】
ウェーネルト電極38は熱陰極40の周囲に設けられているが、このウェーネルト電極38は熱陰極40の周囲の電界を安定させる働きをするものであって、電子流を集束するための電子レンズとしての機能は果たしていない。この点で従来のウェーネルト電極とは異なる。ウェーネルト電極38の電位は例えば熱陰極40の電位(例えばマイナス60kV)と同じである。
【0021】
図5は図4のB−B線断面図である。すなわち、熱電子エミッタの細長い露出面の幅方向と電子流とを含む平面に対して垂直な方向から見ている。この方向から見ると、熱電子エミッタから放射された電子流36はターゲット34に向かって集束していく。図6は図5の熱電子エミッタ付近の拡大図である。熱電子エミッタ24から放射された電子流36は、溝の側壁26、28によって形成された電界によって集束されながら、ターゲットに向かう。この場合、発熱体に形成された凹部の側壁26、28が電子レンズを作る機能を果たしている。ターゲットと熱電子エミッタ24との距離を12.5mmに設定した場合、幅が0.8mmの熱電子エミッタ24から放射された電子流36は、ターゲット上では幅が0.1mmに集束する。したがって、この実施形態では、0.8mm×12mmのサイズの熱電子放射面から放射された電子流がターゲット上では0.1mm×12mmのサイズの焦点に集束することになる。このように、熱電子エミッタ24の熱電子放射面のサイズを焦点サイズよりも大きくして、熱電子エミッタからの電子流を絞って焦点を作るのが好ましい。こうすると、電子流の電流(X線管の管電流に等しい)を大きくとることができて、高出力のX線を発生することができる。なお、熱電子エミッタ24の熱電子放射面のサイズは、焦点サイズと同程度までは小さくすることができる。図6の方向から見た場合でも、この実施形態におけるウェーネルト電極38は電子レンズを作る機能は果たしていない。
【0022】
図3において、この熱陰極では、熱電子エミッタ24は、エミッタ支持部20の凹部22の底面30に埋め込まれていて、底面30から突き出していない。したがって、熱電子エミッタ24の幅cの外側の側面25は露出しておらず、この側面25から熱電子が放射されることはない。側面25から熱電子が放出されてしまうと、側壁26、28の作る電子レンズの作用で電子流を絞る場合に、その電子レンズの収差が大きくなって、ターゲット上の焦点に輝度むらが生じる恐れがある。これに対して、この実施形態では側面25から熱電子が放出されないので、焦点の輝度むらが少なくなる。
【0023】
ところで、図1を見ると分かるように、熱電子エミッタ24の長手方向の両端部では、熱電子エミッタ24の側面27が露出している。理想的には、この長手方向の両端部でも熱電子エミッタ24の側面27が露出しない方が好ましい。しかし、この長手方向については、凹部の側壁で電子流を絞っていないので(すなわち、熱電子エミッタ24の長手方向のサイズとターゲット上の焦点の長手方向のサイズはどちらも12mmである)、この方向では電子レンズの収差を考える必要がなくて、長手方向の両端部の側面27から放出される熱電子の影響で焦点がぼやけたり輝度むらが生じたりすることはない。結局、熱電子エミッタの側面のうち、少なくとも電子レンズで絞る方向の側面が露出していないことが大切である。
【0024】
図3において、熱電子エミッタ24の露出面の外縁と側壁26、28との距離bは、熱陰極を製造するときの加工精度によって一定に定まり、熱陰極の組立精度には影響しない。したがって、ターゲット上に集束する焦点のサイズは設計通りに正確に定まることになる。これに対して、従来のようにウェーネルト電極によって電子流を集束させる場合には、焦点サイズは、ウェーネルト電極と熱陰極とを組み立てるときの組立精度に依存し、所望の設計サイズからずれる恐れがある。
【0025】
図3において、熱陰極の各部の寸法を、上述の数値から、a=0.3mm、b=0.3mm、c=0.4mmに変更すると、ターゲットと熱陰極の距離を12.5mmにしたままで、ターゲット上の焦点サイズは0.2mm×12mmとなる。
【0026】
次に、熱陰極の周辺の電界について、従来技術と本発明とを比較して説明する。図7は従来の熱陰極の周辺の電界を示した模式図である。この熱陰極はタングステン製のコイルフィラメント42である。このコイルフィラメント42を取り囲むようにウェーネルト電極44が設けられている。このウェーネルト電極44によって、コイルフィラメント42の周囲には図示したような電界46(X線管の管電圧による等電位線を表わしている)が形成されている。等電位線のカーブが電子レンズの役割を果たす。コイルフィラメント42からは熱電子がいろいろな方向に放射されるが、電子流48は電界46で絞られてターゲット34上に集束する。電子流48をターゲット34上で所望のサイズに集束させるためにはウェーネルト電極44の形状を複雑に工夫する必要がある。この例では、円形のコイルフィラメント42から放射される熱電子を集束させるために、ウェーネルト電極の溝45を非常に深くしている。また、このようにウェーネルト電極44の形状を工夫しても、ターゲット34上の焦点に輝度むらが生じやすい。
【0027】
図8は本発明の熱陰極の周辺の電界を示した模式図である。発熱体50とウェーネルト電極58とによって図示したような電界52が形成されている。熱電子エミッタ54から放射される熱電子は、熱電子エミッタ54の表面に垂直な方向に放出され、その電子流56は電界52によって絞られてターゲット34上に集束する。熱電子エミッタ54の周辺における電界52のカーブは発熱体50に形成された凹部によって作られている。
【0028】
図9はこの発明の熱陰極の第2の実施形態の一部を示した斜視図である。熱電子エミッタの周辺だけを拡大して図示している。発熱体60の上端面は1mm×1mmの正方形であり、ここに、内径が0.5mmの円形の凹部62が形成されている。そして、この凹部62の底面の中央に直径が0.3mmの熱電子エミッタ64(露出面は円形である)が埋め込まれている。凹部62の円環状の側壁66が電子流を集束させる役割を果たしている。この熱陰極を用いるとターゲット上に直径0.02mmの焦点を作ることができる。
【0029】
図10はこの発明の熱陰極の第3の実施形態の斜視図であり、図11はその正面図である。概略円環状の発熱体68には概略円環状の熱電子エミッタ70が埋め込まれている。そして、この熱電子エミッタ70を取り囲むように、概略円環状の突出部72が発熱体68に形成されている。この突出部72の内側が凹部となる。円環状の熱電子エミッタ70の内径は3mmであり、外径は4mmである。また、突出部72の内径は5mmである。突出部72の内壁74(円環状の側壁)が電子流を集束させる役割を果たしている。この熱陰極を用いるとターゲット上に直径0.1mmの焦点76を作ることができる。ところで、この熱陰極は、ターゲットの焦点76に対向する位置に熱電子放射面が存在しないようにしたものであり、この種の熱陰極(ターゲットの焦点に対向する位置に熱電子放射面が存在しないタイプ)の詳細については特開平10−302688号公報に開示されている。
【0030】
図12は図11のC−C線断面図である。概略円環状の熱電子エミッタ70から放射された電子流78は、突出部72の内壁74によって作られた電界で集束されて、ターゲットに向かうことになる。
【0031】
【発明の効果】
この発明のX線管の熱陰極は、発熱体の凹部の底面に熱電子エミッタを設けて、凹部の側壁によって電子流を集束させるようにしたので、ウェーネルト電極で電子流を集束させる従来技術と比較して、ターゲット上で設計通りの焦点形状及び焦点サイズを実現できる。また、熱電子エミッタの側面が露出していないので、熱電子エミッタから横方向への熱電子放射がなくなり、X線管の焦点の輝度むらが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の熱陰極の第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の熱陰極の正面図である。
【図3】図2のA−A線で切断した切断面の拡大図である。
【図4】図1の熱陰極からX線管のターゲットに向けて熱電子を放射させた様子を示す正面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】図5の熱電子エミッタ付近の拡大図である。
【図7】従来の熱陰極の周辺の電界を示した模式図である。
【図8】本発明の熱陰極の周辺の電界を示した模式図である。
【図9】本発明の熱陰極の第2の実施形態の一部を示した斜視図である。
【図10】本発明の熱陰極の第2の実施形態の斜視図である。
【図11】図10の熱陰極の正面図である。
【図12】図11のC−C線断面図である。
【符号の説明】
10 発熱体
20 エミッタ支持部
22 溝(凹部)
24 熱電子エミッタ
26、28 側壁
30 底面
34 ターゲット
36 電子流
38 ウェーネルト電極
Claims (4)
- 熱電子エミッタを発熱体で支持する構造のX線管の熱陰極において、次の(イ)から(ニ)までの特徴を備える熱陰極。
(イ)前記発熱体に凹部が形成されている。
(ロ)前記凹部は、側壁と平坦な底面とを備えている。
(ハ)前記底面の一部分に前記熱電子エミッタの表面が露出しており、この露出面は前記底面から実質的に突き出していない。
(ニ)前記露出面の外縁は前記側壁から所定距離だけ離れている。 - 請求項1に記載の熱陰極において、前記凹部が、1対の側壁を有する矩形の溝からなり、前記熱電子エミッタの露出面の形状は矩形であることを特徴とする熱陰極。
- 請求項1に記載の熱陰極において、前記凹部が、円環状の側壁を有する円形であり、前記熱電子エミッタの露出面の形状も円形であることを特徴とする熱陰極。
- 請求項1から3までのいずれか1項に記載の熱陰極において、前記発熱体の材料がガラス状カーボンであり、前記熱電子エミッタの材料が六ホウ化ランタンであることを特徴とする熱陰極。
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