JP3748448B2 - 光学式情報再生方法 - Google Patents
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以上のように、光ディスクの互換性を利点としている光ディスク装置では、原理的には光ディスクごとに取り付け時の平行度がばらつき、出荷時に光ヘッドの傾き調整を厳しく行ったとしても、コマ収差の発生を完全に防ぐことができないという問題がある。
ある。すなわち、
請求項1に記載のように、光ディスクに記録された情報を、光スポットを照射すること
によって再生する光ヘッドと、3個以上のタップを有するトランスバーサルフィルタによ
り構成される等化器とを用いて、情報の再生を行う情報再生方法であって、
上記光ディスクには、光スポットが走査するトラックと、その内周側の隣接トラックと
外周側の隣接トラックとに、それぞれマークが形成されていて、
一方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、周方向に一定間隔ずらして設けられており、
他方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、一方の隣接トラックに形成されたマークとは周方向の逆側に、一定間
隔ずらして設けられている特定領域を有し、上記マークが形成された特定領域を上記トラ
ンスバーサルフィルタにより構成される自動等化器を用いて再生して求められた最適タッ
プ係数値から、上記光ディスクと光ヘッドとの傾き誤差信号を得て、該傾き誤差信号に基
づいて上記光ディスクと光ヘッドとの傾きを補正して、上記光ディスクに記録された情報
を再生する情報再生方法とするものである。
〔作用〕
光ディスクと光ヘッド間に傾きがある場合は、コマ収差により再生信号に前後非対称な波形歪みが生じる。この再生信号に対して、自動等化を実行すると波形歪みの前後非対称性に応じて、1番目と3番目のタップ係数の内、どちらか一方が大きな値に収束する。これらのタップ係数値が等しくなるように、ヘッドの傾きを調整することにより、光ディスクと光ヘッド間の傾きがほぼ取り除かれる。この動作は、光ディスクのロ−ディング時に一度行えばよいので、記録デ−タの再生時における待ち時間は生じない。記録デ−タ再生時には、同じ自動等化器を用いて光ヘッド傾きの調整だけでは取りきれなかった再生信号の波形ひずみを除去するようにタップ係数値を微調整することにより、光ディスクの上下触れに伴って生じるわずかなコマ収差の影響も含めて高精度に補正することが可能となる。
図1は、本実施例で例示する光ディスクの傾きによって発生する波形歪みを除去する装置の構成示す模式図である。なお、本実施例では光ディスクの周方向の光ヘッドの傾きを検出して発生する波形歪みを除去する場合を例に挙げ説明する。
着脱可能にスピンドル(図示せず)に固定された光ディスク1に対して、光ヘッド2から記録再生用の光スポット9が基板越しに光ディスク1の記録媒体面上に集光される。光スポット9は、光ヘッド2の内部に設けられた波長780nmの半導体レ−ザ(図示せず)からの発散するレ−ザ光束を、図示していないが、コリメ−タレンズとプリズムにより平行光束にした後、偏光特性を有するプリズム等で構成された光学系を通り、最終的に開口数が0.55の対物レンズによって集光されたものである。光ヘッド2は、ガイド機構(図示せず)に沿って、光ディスクの半径方向の前後に駆動可能である。このガイド機構全体は、光ヘッド2の駆動方向に対して回動可能であり、傾き調整機構3によって回転制御される。一方、光ヘッド2からの再生信号は、信号の識別時間間隔に相当する遅延時間を有する4個の遅延線4を通る。識別時間間隔だけ群遅延した5つの再生信号は、時系列に設けられた重み付け回路(タップ係数設定回路)5を通過した後、加算器6で加算され、出力信号となる。各重み付け回路5における重みを、以下ではタップ係数と呼び、それぞれC(−2)、C(−1)、C(0)、C(1)、C(2)とする。なお、タップ係数の値は、例えば4ビットのディジタル信号により可変である。加算器6の出力信号は、等化誤差検出とタップ係数制御部7に入力される。この等化誤差検出とタップ係数制御部7の中で、波形歪みを最小にするようにタップ係数値を更新し、これらの更新値を4ビットのディジタル信号の形で、それぞれのタップ係数の重み付け回路5に供給される。タップ係数の内、C(−1)とC(1)の更新値は、比較器8に入力され、傾き調整制御用の誤差信号Δとして、Δ=C(1)−C(−1)の値が出力される。この値は、上記傾き調整機構3に供給され、誤差信号Δが零(0)となるように光ヘッドの傾きが調節される。なお、本実施例では、タップ数を5として説明したが、タップ数が3以上あれば、本発明はその本質を失うことなく適用することが可能である。
図5は、本実施例で例示する光ディスクの周方向と半径方向の傾きによって発生する波形歪みを除去する装置の構成を示す模式図であって、実施例1で示した図1と異なる点は、半径方向のヘッドの傾きを検出して補正する機構を付加したところにある。
図5において、光ディスク1が装着された後、光ヘッド2は、内周から外周(もしくは外周から内周)に向けて、ヘッド駆動機構(図示せず)により、あらかじめ指定されたトラック位置に順次移動する。その間、光ヘッド位置検出器10は光ディスクの各トラックのアドレス情報を読み込み、指定されたトラック位置で停止した後、半径方向の傾き検出回路11により、ディスク1と光ヘッド2との傾き情報を得て、光ヘッド位置情報と共に、半径方向の傾き情報用メモリ12に記憶させる。半径方向の傾き情報を検出するトラック位置としては、例えば内周から外周までを8分割し、その各領域の略中心のトラックを代表トラックとする。それ以外のトラックに対する傾き情報については、補正値計算部13にて、前後の代表トラックの傾き情報から補間して算出する。この動作を終了した後、光ヘッド2が任意のトラックに移動した際、そのトラックの位置情報を光ヘッド位置検出器10で読み取り、その前後の代表トラックにおける傾き情報を半径方向の傾き情報用メモリ12から読み出し、これを補正値計算部13に入力することによって傾き補正情報を得る。これを半径方向の傾き調整機構14に送り、光ヘッド2の姿勢を制御することによって半径方向の傾きを補正する。なお、周方向の傾き補正との優先順位に関しては、本実施例において特に限定するものではない。
図6は、本実施例で例示する光ディスクの半径方向の傾き誤差信号を求める説明図で、図7は、光ディスクの傾き(半径方向および周方向の傾き)によって発生する再生信号の波形歪みを除去する装置の構成の一例を示す模式図である。
図6に示すように、光ディスクと光ヘッドとが半径方向に傾いた場合、主光スポット16に、コマ収差によるサイドスポット17が発生し、これが隣接トラック上に干渉する。傾きが正〔図6(a)〕または負〔図6(b)〕によって、サイドスポット17は、光ディスク内周側または外周側に発生するので、学習用記録ピット18、19、20を、隣接トラック間で一定間隔ずつ、ずらして設けておくことによって、図2に示した光ディスクの傾きにより生じる波形歪みと同様に、学習用記録ピット19の再生信号波形に周方向のコマ収差によって発生する場合と同様な波形歪が生じる。この歪を除去するようにタップ係数値を最適化すると、C(1)−C(−1)の値が、光ディスクと光ヘッドの相対的な傾きの正負に応じて極性を変え、半径方向の傾き誤差信号として用いることができる。
光ディスク1が装着された後、光ヘッド2は、ヘッド駆動機構(図示せず)により、学習用の情報ピットが記録されている学習領域に移動する。傾き補正の切替え信号を周方向の傾き調整機構3に回路経路を切り替える。その後、実施例1に示したように、周方向の傾きの補正を実行する。この手順の詳細については、実施例1において既に説明済みであるので、ここでは省略する。次に、傾き補正の切替え信号が半径方向の傾き調整機構14に回路経路を切り替える。光ヘッド2は、内周から外周(もしくは外周から内周)に向けて、ヘッド駆動機構(図示せず)により、あらかじめ指定されたトラック位置に順次移動する。その間、光ヘッド位置検出器10は光ディスクの各トラックのアドレス情報を読み込み、指定されたトラック位置で停止した後、光ディスク1と光ヘッド2との傾き情報を、タップ係数値から演算した誤差信号Δ=C(1)−C(−1)として得て、光ヘッド位置情報と共に、半径方向の傾き誤差信号用メモリ15に記憶する。半径方向の傾き誤差信号を検出するトラック位置としては、例えば内周から外周までを8分割し、その各領域のほぼ中心のトラックを代表トラックとする。それ以外のトラックに対する傾き情報については、別途、前後の代表トラックの傾き情報から補間して算出する。この動作を終了した後、光ヘッド2が任意のトラックに移動した際、そのトラックの位置情報を光ヘッド位置検出器10で読み取り、その前後の代表トラックにおける傾き誤差信号を、半径方向の傾き誤差信号用メモリ15から読み出し、これを半径方向の傾き調整機構14に送り、光ヘッド2の姿勢を制御することによって、半径方向の傾きを補正することができる。
2…光ヘッド
3…周方向の傾き調整機構
4…遅延線
5…タップ係数設定回路(重み付け回路)
6…加算器
7…等化誤差検出とタップ係数制御部
8…比較器
9…光スポット
10…光ヘッド位置検出器
11…半径方向の傾き検出回路
12…半径方向の傾き情報用メモリ
13…補正値計算部
14…半径方向の傾き調整機構
15…半径方向の傾き誤差信号用メモリ
16…主光スポット
17…サイドスポット
18、19、20…学習用記録ピット
Claims (2)
- 光ディスクに記録された情報を、光スポットを照射することによって再生する光ヘッド
と、3個以上のタップを有するトランスバーサルフィルタにより構成される等化器とを用
いて、情報の再生を行う情報再生方法であって、
上記光ディスクには、光スポットが走査するトラックと、その内周側の隣接トラックと
外周側の隣接トラックとに、それぞれマークが形成されていて、
一方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、周方向に一定間隔ずらして設けられており、
他方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、一方の隣接トラックに形成されたマークとは周方向の逆側に、一定間
隔ずらして設けられている特定領域を有し、上記マークが形成された特定領域を上記トラ
ンスバーサルフィルタにより構成される自動等化器を用いて再生して求められた最適タッ
プ係数値から、上記光ディスクと光ヘッドとの傾き誤差信号を得て、該傾き誤差信号に基
づいて上記光ディスクと光ヘッドとの傾きを補正して、上記光ディスクに記録された情報
を再生することを特徴とする情報再生方法。 - 請求項1において、上記傾きは、上記光ディスクと上記光ヘッドとの周方向の傾き、半径方向の傾き、または周方向と半径方向両方の傾きの何れかであることを特徴とする情報再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004003206A JP3748448B2 (ja) | 2004-01-08 | 2004-01-08 | 光学式情報再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004003206A JP3748448B2 (ja) | 2004-01-08 | 2004-01-08 | 光学式情報再生方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP19463093A Division JP3560351B2 (ja) | 1993-04-06 | 1993-08-05 | 光学式情報記録再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004146060A JP2004146060A (ja) | 2004-05-20 |
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Family Applications (1)
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- 2004-01-08 JP JP2004003206A patent/JP3748448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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