JP3748448B2 - 光学式情報再生方法 - Google Patents

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本発明は光学式情報記録再生に係り、特に互換性の光ディスクを用いる場合に、情報記録再生面と光学式ヘッドとの傾きによって生じる再生信号の劣化を効果的に抑制する光学式情報再生方法に関する。
光学式情報記録再生を行う光ディスク装置では、半導体レ−ザの光ビ−ムを対物レンズにより絞り込み、透明な基板越しに記録媒体上に焦点を高精度に制御し、1ミクロン径程度の微細な情報マ−クを記録再生するものである。このため、例えば「光学」第14巻第4号(1985年8月)に掲載の久保田重夫:「光ディスクにおけるアイパタ−ンのジッタ解析V」〔非特許文献1参照〕に述べられているように、光学系の収差に伴って再生信号の波形歪みが生じ、本来の記録デ−タの「0」から「1」または「1」から「0」への変化点に対して、再生信号の変化点(エッジ)が時間軸上で前後にずれる(エッジシフト)という現象が生じる。これは、再生信号の変化点に情報を与える光ディスク装置においては検出誤差の原因となる。このエッジシフトは、高密度に記録された情報マ−クを再生する際に、特に顕著となるものであって、光ヘッドを構成する光学系に許される収差量に対するばらつきの範囲(公差)は厳しくなる。
上記〔非特許文献1〕にも記述されているとおり、球面収差、非点収差、コマ収差、デフォ−カス等が光ディスク装置において問題となる典型的な収差である。このうち、コマ収差を除く3つの収差に関しては、主として光ヘッドの組立て時のばらつきや焦点合わせのためのサ−ボ回路に発生する電気的なオフセット量に依存している。一方、コマ収差は対物レンズとディスク基板との相対的な傾きにより、ディスク基板を通過する光ビ−ムが基板で屈折し、これにより光路長が変化する結果発生するものであり、光ヘッドおよびディスクの機械的な精度に大きく依存する。
まず、ディスク基板の機械的な精度に関しては、特開昭60−231930号公報〔特許文献1参照〕の背景技術において説明されているとおり、成形加工が容易であることから、一般的に多く使用されている基板材料であるポリカ−ボネイトやアクリル樹脂材料では、ディスク成形後の変形や反りが生じ易い。このため、ディスクは外周に行くほど傘状に反る傾向にあり、光ヘッドとの間に傾きが生じる。これを半径方向の傾きと定義し、このとき生じるコマ収差をラジアルコマと呼ぶ。
また、ディスク基板を回転モ−タに着脱可能に固定する際に、基板中心部に同心円状の穴を開け、金属製の部材をディスクの表裏から挟み込むように取付けておき、モ−タの回転軸に永久磁石を固定した受け部を設けて、上記金属製の部材をその磁力により固定する方法がよく採用されている。この場合、金属製の部材の取付け精度によっても、光ディスクの基準面が個々の光ディスクによってばらついてしまうことになる。この他、光ヘッド取付け時の初期調整の精度によっても、光ディスクの周方向の傾きが発生するが、この現象を、先のラジアルコマに対してタンジェンシャルコマと呼ぶ。
以上のように、光ディスクの互換性を利点としている光ディスク装置では、原理的には光ディスクごとに取り付け時の平行度がばらつき、出荷時に光ヘッドの傾き調整を厳しく行ったとしても、コマ収差の発生を完全に防ぐことができないという問題がある。
従来技術として特開昭60−231930号公報〔特許文献1参照〕に提案されている光学式記録ディスクの再生装置は、ラジアルコマによる隣接トラック上の情報マ−クからの信号の漏れ込み(クロスト−ク)を低減する目的で、光ディスクの傾き角を検出して対物レンズの傾きを調整する方式を採用している。また、タンジェンシャルコマの除去に関する従来技術として、例えば特開昭60−214463号公報〔特許文献2参照〕に記載されているように、トラック走査方向の前後の隣接情報マ−ク間の干渉(符号間干渉)を低減するのに有効である。
一方、上述した符号間干渉やクロスト−クを信号処理によって除去しようとする手法も、これまでに多く提案がなされている。特に、トラック走査方向の前後の隣接情報マ−ク間に発生する符号間干渉を波形等化によって除去する手法は、通信や磁気記録の分野で広く用いられており、近年、光ディスク装置でも、高密度記録における一つの実現手段として適用されるようになった。ところで、上述したように、光ディスク装置では光ディスクの互換性を確保する必要があるために、光スポットの状態に応じて適応的に動作する自動等化方式が望ましい。これに関する公知例としては、例えば特開平2−170613号公報〔特許文献3参照〕が挙げられる。これは、ディジタル設定可能なタップ係数設定回路を持った、タップ付遅延線で構成されたトランスバ−サルフィルタ型の等化器である。等化後の出力信号は、等化誤差検出レベルとデ−タ識別レベルの2つの判定レベルで2値化され、それぞれの「0」、「1」のディジタルデ−タの組合せに基づいて、タップ係数値と等化誤差検出レベルの更新方向(大きくするか、小さくするか)を判定して、これらを逐次更新する。この手法によれば、高転送速度のデ−タに対しても、比較的簡単な回路構成で自動等化器を実現することが可能となる。
特開昭60−231930号公報。 特開昭60−214463号公報。 特開平2−170613号公報。 久保田重夫:「光ディスクにおけるアイパタ−ンのジッタ解析V」、「光学」第14巻第4号(1985年8月)。
上述した従来技術におけるコマ収差の除去手段において、光ディスク面と光ヘッドとの相対的な傾き角を検出し、これをほぼ零(0)に調整する手法では、再生信号がコマ収差によって受ける波形歪自体を抑圧するものではないために精度が悪く、コマ収差の影響を十分に抑圧することは難しい。一方、コマ収差による波形歪みを等化器により除去する手法では、十分多くのタップ数を必要とし、回路規模やそれに伴う消費電力の増加などの不利な点が多く、製品として実現可能な規模の自動等化回路により補正する場合には、光ディスクの互換性は確保できるものの、コマ収差の増大に伴い残留波形歪みが増えるという問題があった。
本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消するものであって、光ディスクの互換を前提とする光ディスク装置等の光学式情報再生方法において、光ディスクと光ヘッドとの傾きによって発生するコマ収差により生じる再生信号の波形歪みを効果的に除去する光学式情報再生方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするもので
ある。すなわち、
請求項1に記載のように、光ディスクに記録された情報を、光スポットを照射すること
によって再生する光ヘッドと、3個以上のタップを有するトランスバーサルフィルタによ
り構成される等化器とを用いて、情報の再生を行う情報再生方法であって、
上記光ディスクには、光スポットが走査するトラックと、その内周側の隣接トラックと
外周側の隣接トラックとに、それぞれマークが形成されていて、
一方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、周方向に一定間隔ずらして設けられており、
他方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
たマークに対して、一方の隣接トラックに形成されたマークとは周方向の逆側に、一定間
隔ずらして設けられている特定領域を有し、上記マークが形成された特定領域を上記トラ
ンスバーサルフィルタにより構成される自動等化器を用いて再生して求められた最適タッ
プ係数値から、上記光ディスクと光ヘッドとの傾き誤差信号を得て、該傾き誤差信号に基
づいて上記光ディスクと光ヘッドとの傾きを補正して、上記光ディスクに記録された情報
を再生する情報再生方法とするものである。

また請求項2に記載のように、請求項1において、上記傾きは、上記光ディスクと上記光ヘッドとの周方向の傾き、半径方向の傾き、または周方向と半径方向両方の傾きの何れかである情報再生方法とするものである。
本発明の光学式情報の再生における光ディスクのロ−ディング時に、特定の記録パタ−ンを記録した領域を再生し、最低3タップのトランスバ−サルフィルタにより構成された自動等化器によって最適タップ係数値を求め、これを基に、光ディスク面と光ヘッドとの相対的な傾きに比例する誤差信号を得て、この誤差信号がほぼ零(0)となるように光ヘッドの傾きを機械的に調整して、光ディスクと光ヘッドとの傾きによって発生するコマ収差により生じる再生信号の波形歪みの除去処理を行うか、さらに上記光ディスクのロ−ディング時の波形歪みの除去処理に加えて、記録デ−タ再生時においても上記と同じ自動等化器を用いて再生信号に残留する波形歪みを除去するように上記タップ係数値を微調整することにより、光ディスクと光ヘッドとの傾きによって発生するコマ収差により生じる再生信号の波形歪みを効果的に除去するものである。
本発明の光学式情報再生方法を実施する手段は、少なくとも着脱が可能な光学式記録媒体である光ディスクと、該光ディスクに記録された情報を再生する光学式ヘッドを具備し、上記光学式ヘッドからの再生信号の波形歪みを除去する信号処理手段と、該信号処理手段から上記光ディスクと光学式ヘッドとの周方向の傾き、または半径方向の傾き、もしくは上記両方の傾き情報を得る手段と、該傾き情報から上記光ディスクと光学式ヘッドとの傾きを機械的に補正する手段を設けるものである。
そして、上記光学式ヘッドからの再生信号の波形歪みを除去する信号処理手段は、光学式ヘッドからの出力信号を等化する手段であり、該等化手段に対して適応的に等化特性を制御する手段を用いて最適化された等化特性から光学式ヘッドと光ディスクとの傾きを算出する等化手段を備えるものである。
また本発明は、光学式ヘッドにより情報を記録もしくは再生する前に、上記光ディスク面と光学式ヘッドとの傾きをおおむね除去し、残留した傾きによる波形歪みを、最適化された等化特性から光学式ヘッドと光ディスクとの傾きを算出する等化手段により除去する回路を備えるものである。そして、上記最適化された等化特性から光学式ヘッドと光ディスクとの傾きを算出する等化手段は、少なくとも3個以上のタップを有するトランスバ−サルフィルタにより構成される回路からなるものである。
〔作用〕
光ディスクと光ヘッド間に傾きがある場合は、コマ収差により再生信号に前後非対称な波形歪みが生じる。この再生信号に対して、自動等化を実行すると波形歪みの前後非対称性に応じて、1番目と3番目のタップ係数の内、どちらか一方が大きな値に収束する。これらのタップ係数値が等しくなるように、ヘッドの傾きを調整することにより、光ディスクと光ヘッド間の傾きがほぼ取り除かれる。この動作は、光ディスクのロ−ディング時に一度行えばよいので、記録デ−タの再生時における待ち時間は生じない。記録デ−タ再生時には、同じ自動等化器を用いて光ヘッド傾きの調整だけでは取りきれなかった再生信号の波形ひずみを除去するようにタップ係数値を微調整することにより、光ディスクの上下触れに伴って生じるわずかなコマ収差の影響も含めて高精度に補正することが可能となる。
以上詳細に説明したごとく、本発明の光学式情報記録再生方法および装置によれば、互換ディスクを用いることに起因する光ディスクと光ヘッド間の相対的な傾きに対して、高密度記録には必須の等化器により再生信号の波形歪みを除去し、この時の最適タップ係数値から傾き情報を得るため、少ない付加回路によって精度よく傾き角を検出することができる。さらに、光ディスクのロ−ディング時に傾き補正を行った後、残留する傾きと光ディスクの上下の触れに伴って生じる傾きの影響に対しては、自動等化することにより短い収束時間と高い信頼性で再生信号の波形歪みを除去することができる。
以下、本発明の実施例を挙げ、図面を用いてさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例では光磁気記録媒体を用いた光ディスク装置に、本発明を適用した場合を例に挙げて説明するが、追記型光ディスク装置や相変化型記録媒体を用いる光ディスク装置に対しても、本発明はその本質を失うことなく適用可能である。さらに、本実施例では光ヘッドの仕様として、レ−ザ波長を780nm(ナノメータ)、対物レンズの開口数を0.55とし、ディスク基板の機械的特性を厚みを1.2mmとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈実施例1〉
図1は、本実施例で例示する光ディスクの傾きによって発生する波形歪みを除去する装置の構成示す模式図である。なお、本実施例では光ディスクの周方向の光ヘッドの傾きを検出して発生する波形歪みを除去する場合を例に挙げ説明する。
着脱可能にスピンドル(図示せず)に固定された光ディスク1に対して、光ヘッド2から記録再生用の光スポット9が基板越しに光ディスク1の記録媒体面上に集光される。光スポット9は、光ヘッド2の内部に設けられた波長780nmの半導体レ−ザ(図示せず)からの発散するレ−ザ光束を、図示していないが、コリメ−タレンズとプリズムにより平行光束にした後、偏光特性を有するプリズム等で構成された光学系を通り、最終的に開口数が0.55の対物レンズによって集光されたものである。光ヘッド2は、ガイド機構(図示せず)に沿って、光ディスクの半径方向の前後に駆動可能である。このガイド機構全体は、光ヘッド2の駆動方向に対して回動可能であり、傾き調整機構3によって回転制御される。一方、光ヘッド2からの再生信号は、信号の識別時間間隔に相当する遅延時間を有する4個の遅延線4を通る。識別時間間隔だけ群遅延した5つの再生信号は、時系列に設けられた重み付け回路(タップ係数設定回路)5を通過した後、加算器6で加算され、出力信号となる。各重み付け回路5における重みを、以下ではタップ係数と呼び、それぞれC(−2)、C(−1)、C(0)、C(1)、C(2)とする。なお、タップ係数の値は、例えば4ビットのディジタル信号により可変である。加算器6の出力信号は、等化誤差検出とタップ係数制御部7に入力される。この等化誤差検出とタップ係数制御部7の中で、波形歪みを最小にするようにタップ係数値を更新し、これらの更新値を4ビットのディジタル信号の形で、それぞれのタップ係数の重み付け回路5に供給される。タップ係数の内、C(−1)とC(1)の更新値は、比較器8に入力され、傾き調整制御用の誤差信号Δとして、Δ=C(1)−C(−1)の値が出力される。この値は、上記傾き調整機構3に供給され、誤差信号Δが零(0)となるように光ヘッドの傾きが調節される。なお、本実施例では、タップ数を5として説明したが、タップ数が3以上あれば、本発明はその本質を失うことなく適用することが可能である。
次に、比較器8から出力される誤差信号Δが、傾き調整制御用の誤差信号となることを、図2および図3を用いて説明する。光ヘッド2が、光ディスク1に対して、傾き角θが、θ>0だけ傾いているときには、図2(a)に示すように記録ピットの再生信号波形には、前エッジ側にサイドピ−クが発生すると共に、後側エッジの信号レベルが低下する。このような波形歪みを等化器で除去するには、タップ係数C(1)を大きくして、後側エッジの信号レベルを持ち上げればよい。すなわち、誤差信号Δ>0である。逆に、光ヘッド2が、光ディスク1に対して傾き角θ<0だけ傾いているときには、図2(C)に示すように記録ピットの再生信号波形には、後エッジ側にサイドピ−クが発生すると共に、前側エッジの信号レベルが低下する。このような波形歪みを等化器で除去するには、タップ係数C(−1)を大きくして、前側エッジの信号レベルを持ち上げればよい。すなわち、誤差信号Δ<0である。このように、光ディスクの傾き角θと誤差信号Δとは正比例の関係にあることが予想される。実際に、光ディスクの傾きを考慮して計算機シュミレ−ションを行い、得られた再生信号波形を用いて、波形歪みが最小となるように等化を計算機上で実行して得られたタップ係数値から、誤差信号Δ(%)と光ディスクの傾き(ミリラジアン:mrad)との関係を求めたところ、図4に示すように、−4mradから+4mradの範囲内で、誤差信号Δは光ディスクの傾きと正比例の関係にあった。以上のことから、誤差信号Δ=0を目標点として傾き調整サ−ボを実行させることが可能であることが確認できる。なお、シミュレ−ションではレ−ザ波長780nm、レンズの開口数が0.55、ディスク基板の厚みを1.2mmとして計算した。
次に、光ディスクの傾き調整の処理フロ−を図3に示す。光ディスクがロ−ディングされた後、光ヘッドは学習用の情報ピットが記録されている学習領域に移動する。自動等化器の動作が開始され、タップ係数の値が更新される。この更新値から誤差信号Δを算出し、これが所定の設定値εより大きければ、その正負に応じて回転方向を決め、誤差信号Δの絶対値に比例した角度でヘッドを回転させる。設定値εの大きさとしては、残留歪みをどこまで許容するかによるが、例えば、−2mradから+2mradまでの傾き交差に抑えるとすれば、図4より2%に設定しておけばよい。以上のフロ−を誤差信号Δの絶対値が、設定値εより小さくなるまで繰り返す。光ディスクのロ−ディング時に傾き調整を終了した後は、傾き調整のサ−ボを止め、光ヘッドの傾きを固定する。機械的な調整で除去しきれなかった残留の傾きと、光ディスクの回転時の上下触れによるわずかな傾きによって発生するコマ収差によって再生信号に波形歪みが生じるが、これに関しては自動等化を続行させて適応的に除去することができる。
なお、本発明は光ヘッド2の回転機構を限定するものではなく、どのような回転機構を用いても本発明の本質を失うことなく適用可能である。また学習領域に記録されたピットとしては、プリピットが望ましいが光磁気ドメインであってもよく、記録ピットを限定するものではない。さらに、学習領域に関しても、その設ける場所は、光ヘッドが移動できる範囲内であれば光ディスク面のどこに設けてもよく、これによって本発明がその本質を失うものではないことは明らかである。
〈実施例2〉
図5は、本実施例で例示する光ディスクの周方向と半径方向の傾きによって発生する波形歪みを除去する装置の構成を示す模式図であって、実施例1で示した図1と異なる点は、半径方向のヘッドの傾きを検出して補正する機構を付加したところにある。
図5において、光ディスク1が装着された後、光ヘッド2は、内周から外周(もしくは外周から内周)に向けて、ヘッド駆動機構(図示せず)により、あらかじめ指定されたトラック位置に順次移動する。その間、光ヘッド位置検出器10は光ディスクの各トラックのアドレス情報を読み込み、指定されたトラック位置で停止した後、半径方向の傾き検出回路11により、ディスク1と光ヘッド2との傾き情報を得て、光ヘッド位置情報と共に、半径方向の傾き情報用メモリ12に記憶させる。半径方向の傾き情報を検出するトラック位置としては、例えば内周から外周までを8分割し、その各領域の略中心のトラックを代表トラックとする。それ以外のトラックに対する傾き情報については、補正値計算部13にて、前後の代表トラックの傾き情報から補間して算出する。この動作を終了した後、光ヘッド2が任意のトラックに移動した際、そのトラックの位置情報を光ヘッド位置検出器10で読み取り、その前後の代表トラックにおける傾き情報を半径方向の傾き情報用メモリ12から読み出し、これを補正値計算部13に入力することによって傾き補正情報を得る。これを半径方向の傾き調整機構14に送り、光ヘッド2の姿勢を制御することによって半径方向の傾きを補正する。なお、周方向の傾き補正との優先順位に関しては、本実施例において特に限定するものではない。
〈実施例3〉
図6は、本実施例で例示する光ディスクの半径方向の傾き誤差信号を求める説明図で、図7は、光ディスクの傾き(半径方向および周方向の傾き)によって発生する再生信号の波形歪みを除去する装置の構成の一例を示す模式図である。
図6に示すように、光ディスクと光ヘッドとが半径方向に傾いた場合、主光スポット16に、コマ収差によるサイドスポット17が発生し、これが隣接トラック上に干渉する。傾きが正〔図6(a)〕または負〔図6(b)〕によって、サイドスポット17は、光ディスク内周側または外周側に発生するので、学習用記録ピット18、19、20を、隣接トラック間で一定間隔ずつ、ずらして設けておくことによって、図2に示した光ディスクの傾きにより生じる波形歪みと同様に、学習用記録ピット19の再生信号波形に周方向のコマ収差によって発生する場合と同様な波形歪が生じる。この歪を除去するようにタップ係数値を最適化すると、C(1)−C(−1)の値が、光ディスクと光ヘッドの相対的な傾きの正負に応じて極性を変え、半径方向の傾き誤差信号として用いることができる。
次に、図7に示す再生信号の波形歪みを除去する装置を用いて、実際の光ヘッドの傾き補正の手順について、以下に説明する。
光ディスク1が装着された後、光ヘッド2は、ヘッド駆動機構(図示せず)により、学習用の情報ピットが記録されている学習領域に移動する。傾き補正の切替え信号を周方向の傾き調整機構3に回路経路を切り替える。その後、実施例1に示したように、周方向の傾きの補正を実行する。この手順の詳細については、実施例1において既に説明済みであるので、ここでは省略する。次に、傾き補正の切替え信号が半径方向の傾き調整機構14に回路経路を切り替える。光ヘッド2は、内周から外周(もしくは外周から内周)に向けて、ヘッド駆動機構(図示せず)により、あらかじめ指定されたトラック位置に順次移動する。その間、光ヘッド位置検出器10は光ディスクの各トラックのアドレス情報を読み込み、指定されたトラック位置で停止した後、光ディスク1と光ヘッド2との傾き情報を、タップ係数値から演算した誤差信号Δ=C(1)−C(−1)として得て、光ヘッド位置情報と共に、半径方向の傾き誤差信号用メモリ15に記憶する。半径方向の傾き誤差信号を検出するトラック位置としては、例えば内周から外周までを8分割し、その各領域のほぼ中心のトラックを代表トラックとする。それ以外のトラックに対する傾き情報については、別途、前後の代表トラックの傾き情報から補間して算出する。この動作を終了した後、光ヘッド2が任意のトラックに移動した際、そのトラックの位置情報を光ヘッド位置検出器10で読み取り、その前後の代表トラックにおける傾き誤差信号を、半径方向の傾き誤差信号用メモリ15から読み出し、これを半径方向の傾き調整機構14に送り、光ヘッド2の姿勢を制御することによって、半径方向の傾きを補正することができる。
本発明の実施例1で例示した光ディスクの傾きにより発生する再生信号の波形歪み除去装置の構成を示す模式図。 本発明の実施例1で例示した光ディスクの傾きにより生じる再生信号の波形歪の形態を示す説明図。 本発明の実施例1で例示した光ディスクの傾き調整制御の処理フローを示すブロック図。 本発明の実施例1で例示した光ディスクの傾きと誤差信号Δ値の関係を示すグラフ。 本発明の実施例2で例示した光ディスクの傾きにより発生する再生信号の波形歪み除去装置の構成を示す模式図。 本発明の実施例3で例示した光ディスクの半径方向の傾きにより生じる再生信号の波形歪みの形態を示す説明図。 本発明の実施例3で例示した光ディスクの傾きにより生じる再生信号の波形歪み除去装置の構成を示す模式図。
符号の説明
1…光ディスク
2…光ヘッド
3…周方向の傾き調整機構
4…遅延線
5…タップ係数設定回路(重み付け回路)
6…加算器
7…等化誤差検出とタップ係数制御部
8…比較器
9…光スポット
10…光ヘッド位置検出器
11…半径方向の傾き検出回路
12…半径方向の傾き情報用メモリ
13…補正値計算部
14…半径方向の傾き調整機構
15…半径方向の傾き誤差信号用メモリ
16…主光スポット
17…サイドスポット
18、19、20…学習用記録ピット




Claims (2)

  1. 光ディスクに記録された情報を、光スポットを照射することによって再生する光ヘッド
    と、3個以上のタップを有するトランスバーサルフィルタにより構成される等化器とを用
    いて、情報の再生を行う情報再生方法であって、
    上記光ディスクには、光スポットが走査するトラックと、その内周側の隣接トラックと
    外周側の隣接トラックとに、それぞれマークが形成されていて、
    一方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
    たマークに対して、周方向に一定間隔ずらして設けられており、
    他方の隣接トラックに形成されたマークは、光スポットが走査するトラックに形成され
    たマークに対して、一方の隣接トラックに形成されたマークとは周方向の逆側に、一定間
    隔ずらして設けられている特定領域を有し、上記マークが形成された特定領域を上記トラ
    ンスバーサルフィルタにより構成される自動等化器を用いて再生して求められた最適タッ
    プ係数値から、上記光ディスクと光ヘッドとの傾き誤差信号を得て、該傾き誤差信号に基
    づいて上記光ディスクと光ヘッドとの傾きを補正して、上記光ディスクに記録された情報
    を再生することを特徴とする情報再生方法。
  2. 請求項1において、上記傾きは、上記光ディスクと上記光ヘッドとの周方向の傾き、半径方向の傾き、または周方向と半径方向両方の傾きの何れかであることを特徴とする情報再生方法。
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