JP3748024B2 - 合成鋼管杭の排土低減施工方法 - Google Patents

合成鋼管杭の排土低減施工方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、地盤中にソイルセメント柱を造成しながら、鋼管を回転圧入する工法において、排土量の低減を図れるようにした施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
場所打ち杭や既製杭の埋設施工、例えばプレボーリング工法や中掘り工法などでは、杭施工に伴い大量の排土(杭体積の50〜110%)が発生するが、その排土の処分を巡っては大きな環境問題となっている。これらの工法に対し、合成鋼管杭(鋼管杭とソイルセメント柱との複合杭)による施工では、その発生残土量が1/2〜1/5程度(杭体積の10〜30%)にまで低減されており、環境に優しい工法と評価されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、合成鋼管杭の施工では、比較的少量ながらセメント分を含んだ排土が発生するため、施工現場環境に与える影響や、排土の処理コストの点で、更なる改善が求められていた。
【0004】
そこで、ソイルセメントの配合を変える(セメントミルクの注入量(率)を減らす)ことにより、セメントミルク注入率の低減に応じて排土量を減少できることが自明のことから、現在は、杭体積の40%の注入率を25%程度まで下げることが行われている。しかし、杭体の品質や施工性を確保するために必要なセメントミルク注入量は最低限確保する必要(注入率で25%程度)があり、従って、ソイルセメント配合条件の変更だけでは、大幅な排土量の低減は困難とされていた。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、合成鋼管杭施工におけるさらなる排土抑制を図ろうとするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、埋設する鋼管を、その先端部外面に排土制御翼(以下、制御翼という)を設けた構造のものとする。この制御翼は、鋼管の軸線と傾斜しており、連続または不連続に形成した螺旋翼、あるいは複数の傾斜した翼板を突設する。
【0007】
本発明では、ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設する合成鋼管杭の施工において、セメントミルクの噴出孔と掘削翼及び攪拌翼を備えた施工装置を上記鋼管中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管を、それに突設した制御翼のネジ込み方向に回転、圧入する。
【0008】
これにより、制御翼が回転して、掘削ヘッドからセメントミルクを注入することにより製造されたソイルセメントを鋼管外周方向に一部取り込みながら、鋼管外側のソイルセメントを上方に押し上げようとする。このとき、制御翼より上方のソイルセメントの自重による液圧(Ps)及び鋼管外周と掘削孔壁との狭い空間を流動しようとする(粘性の高い)ソイルセメントと掘削孔壁との摩擦力(Pp)との和が反力となり、抑制翼の上面においてソイルセメントの圧力が部分的に高まる。この圧力の高まりが、杭側方の軟弱地盤を加圧する付加圧力(Pw)を発生させる。
【0009】
この付加圧力(Pw)を含めた側方への圧力が、杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)上回ると、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤上処理、つまり地上への排土が抑制される。
【0010】
この場合、付加圧力(Pw)をより高めて、施工を効果的に行うには、地盤の性状に応じて、制御翼の形状、構造、鋼管の回転速度、掘進速度及び掘削攪拌ヘッドの回転数などの施工条件を総合的に決定するようにする。
【0011】
また、本発明では、ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設する合成鋼管杭の施工において、セメントミルクの噴出孔と掘削翼及び攪拌翼を備えた施工装置を上記鋼管中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管を、それに突設した制御翼の反ネジ込み方向に回転、圧入する。
【0012】
これにより、制御翼が回転して、掘削ヘッドからセメントミルクを注入することにより造成された鋼管外側のソイルセメントを下方に押し下げようとする。このため、抑制翼の下面においてソイルセメントの圧力が部分的に高まる。この圧力の高まりが、杭側方の軟弱地盤を加圧する付加圧力(Pw)発生させる。この付加圧力(Pw)を含めた側方への圧力が、杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)を上回ると、鋼管をネジ込み方向に回転させた場合と同様に、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤内処理、つまり地上への排土が抑制される。
【0013】
この場合も、付加圧力(Pw)をより高めて、施工をより効果的に行うには、地盤の性状に応じて、制御翼の形状、構造、鋼管の回転速度、掘進速度及び掘削攪拌ヘッドの回転数などの施工条件を総合的に決定するようにする。
【0014】
また、本発明では、上記の各方法において、造成されるソイルセメントの粘性を地盤の性状に応じた配合により制御する。このソイルセメントの配合条件は、W/C=60〜180%、単位セメント量=100〜400kg/土m程度の範囲内で選定する。それによって、排土低減効果がより向上する。
【0015】
そこで、本発明の構成について、添付の図面を参照して説明すると、請求項1の施工方法は、ソイルセメント柱20を築造しながら、その中に鋼管1を埋設する合成鋼管杭の施工において、鋼管1の先端部外面に、その管軸に対して傾斜するとともに、掘削径より小径とした排土制御翼2を突設し、セメントミルクの噴出孔13と掘削翼15及び攪拌翼17を備えた施工装置10を鋼管1中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管1を、それに突設した排土制御翼2のネジ込み方向に回転、圧入することを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2の施工方法は、ソイルセメント柱20を造成しながら、その中に鋼管1を埋設する合成鋼管杭の施工において、鋼管1の先端部外面に、その管軸に対して傾斜するとともに、掘削径より小径とした排土制御翼2を突設し、セメントミルクの噴出孔13と掘削翼15及び攪拌翼17を備えた施工装置10を鋼管1中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管1を、それに突設した排土制御翼2の反ネジ込み方向に回転、圧入することを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項3の方法は、請求項1または2の方法において、掘削土砂とセメントミルクとの混合によるソイルセメントの性状を、W/C=60〜180%、単位セメント量=100〜400 kg/土m程度の範囲内で選定することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の施工過程を示し、図2は使用する鋼管の先端部の一実施例を示し、図3は同他の実施例を示したものである。
【0019】
まず、請求項1に対応する第1の方法について説明する。この方法で使用する鋼管は、図1、図2に示すように鋼管1本体の先端部外面に制御翼2が突設されている。この制御翼2は、鋼管1のほぼ半巻きにわたる半環状の傾斜した螺旋形翼板の一対2a,2bが対向しお互いに傾斜を同方向にするとともに、端部が管軸方向に所要の距離離れた状態で設けられ、それらの端部間には間隙3、3が形成されている。なお、制御翼2は1段だけでなく複数段取付けてもよく、その取り付け位置も鋼管1の先端部に限定されない。
【0020】
合成鋼管杭を施工するには、上記の鋼管1と施工装置10を使用して行う。施工装置10は、地上に設置された施工機(図示を略す)の回転押圧装置に接続する中空回転軸11の下端に、セメントミルクの噴出孔13とビット14及び掘削翼15を備えた掘削ヘッド12と、その上方位置に掘削翼15より長く突出して先端部を地中に突入させる折り畳み式の共回り防止翼16が、さらにその上方位置に、攪拌翼17が設けられたものとなっている。
【0021】
施工装置10を、攪拌翼17より下方部分を鋼管1の先端から突出させた状態で鋼管1内に設置し、その状態で、施工位置10を押圧、回転させながら先端よりセメントミルクを噴出させていく。それによりビット14と掘削翼15により地盤には鋼管1より大径の掘削孔20が削成され、掘削された土砂は、回転する攪拌翼17によりセメントミルクと混合、攪拌されて均質なソイルセメント21となり、掘削の進行によって、地盤中にソイルセメント柱22が造成されていく。
【0022】
それと同時に、鋼管1の方も回転圧入され、造成されたソイルセメント21の中に挿入されて行くことになる。その際、鋼管1は、傾斜した制御翼2のネジ込み方向に回転させる。このとき、掘削ヘッド12先端の注入圧により生ずるセメントミルクの上方流れの速度と鋼管1の掘削速度の和(相対速度、Vr)より、鋼管の回転により制御翼2がソイルセメント21を上方に押し上げるよう作用するため、結果的に生じるソイルセメント21の速度(Vw)が大きくなる(Vw≧Vr)ように各種施工条件(掘進速度、鋼管回転数、翼の角度・分割数)を設定する。
【0023】
これにより、制御翼2が回転して、掘削ヘッド12からセメントミルクを注入することにより造成されたソイルセメント21を鋼管1外周方向に一部取り込みながら、鋼管1外側のソイルセメント21を上方に押し上げようとする。このとき、制御翼2より上方のソイルセメント21の自重による液圧(Ps)及び鋼管1外周と掘削孔壁との狭い空間を流動しようとする(粘性の高い)ソイルセメント21と掘削孔壁との摩擦力(Pp)との和が反力となり、翼の上面においてソイルセメント21の圧力が部分的に高まる。この圧力の高まりが、杭側方の軟弱地盤を加圧する付加圧力(Pw)を発生させる。
【0024】
この付加加圧(Pw)を含めた側方への圧力が、杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)を上回ると、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤内処理、つまり地上への排土が抑制される。
【0025】
従来の施工では一般に、ソイルセメント21は、掘削した土砂にセメントミルクが加わったものであるから、地盤の性状や飽和度などにより、注入したセメントミルクの約50%から最大でセメントミルク注入量と同じ容積のものが余剰排土となって地上に流出することになる。また、合成鋼管杭に用いるソイルセメント21の自重による液圧(Ps)は周辺地盤の受働抵抗(Ph)より小さい場合が多い。排土量を低減させるためにセメントミルクの注入率を下げると、この差はさらに拡がる。しかし、本発明によれば、排土抑制翼の効果により発生する付加圧力(Pw)により、排土の地盤内処理、つまり排土低減が可能となる。
【0026】
なお、杭長が短い場合や下杭の施工時には、ソイルセメントの自重による液圧(Ps)及びソイルセメントと掘削孔壁との摩擦力(Pp)が小さいため排土は地上へも排出される場合もあるが、杭先端深度が深くなるにつれ(中、上杭施工時)鋼管内ソイルセメントの上昇が抑えられ鋼管内にスペースが生じるようになり、施工終了時点で鋼管内スペースに下杭施工時に一部排出されたソイルセメントを埋め戻すことも可能である。
【0027】
図3は、制御翼の他の実施例を示したものである。この実施例の制御翼2は、鋼管1の先端部外周に、4個に分割して形成された傾斜翼板2c,2d,2e,2fが周方向に横列状に突設され、翼板2c〜2fの各端部間には間隙3,3が形成されている。なお、それら翼板2c〜2fの外周形状は弧状となっているが、それに限定されるものではなく、また、翼板2c〜2fには、図示のようにソイルセメント21の流通をよくするための抜き孔5を設けることもできる。
【0028】
次に、本発明方法による排土低減化が特に効果を奏し得る地盤及び杭長の条件と、その時の各種施工条件について一例を述べる。
【0029】
(1)杭の長さは、ソイルセメント比重と制御翼による横方向圧力により、地盤を横方向に変形させ得るだけの加圧が可能な杭長にする。現実的には杭長10m程度以上である。
【0030】
(2)杭を施工する地盤は、深度5m程度以深に、N値が3程度の軟弱な中間層を5m程度以上含んでいること。
【0031】
(3)掘進速度は0.5〜1.5m/分程度とする。
【0032】
(4)鋼管の回転数は6回転/分程度とする。
【0033】
(5)制御翼は、クリアランス(ソイルセメント柱の径と翼径の差の半分)が50〜150mm程度、傾斜角は管軸直角に対して約15度、分割数は管周方向に2〜4分割とする。ただし、周辺地盤をソイルセメント中に巻き込んだり、鋼管の回転圧入抵抗が増大したりしないように、鋼管芯と掘削孔芯のずれが生じないように適切な対策を講じることができれば、クリアランスが50mmより小さくてもよい。
【0034】
次に、請求項2に対応する第2の方法について説明する。この方法は、特に軟弱な地層の多い地盤に好適である。この方法で使用する鋼管は、図1、図2に示すように鋼管1本体の先端部外面に制御翼2が突設されているもので、請求項1で使用するものと同様であるので、説明は省略する。
【0035】
上記の鋼管1と施工装置10を使用して、ソイルセメント柱22を造成しながら合成鋼管杭を施工する方法も、請求項1における方法と同様であるが、造成されたソイルセメント21の中に鋼管1を挿入する際には、鋼管1は、傾斜した制御翼2の反ネジ込み方向に回転、圧入する。
【0036】
これにより、制御翼2が回転して、掘削ヘッド12からセメントミルクを注入することにより築造された鋼管外側のソイルセメント21を下方に押し下げようとする。このため、翼の下面においてソイルセメント21の圧力が部分的に高まる。この圧力の高まりが、杭側方の軟弱地盤を加圧する付加圧力(Pw)を発生させる。この付加圧力(Pw)を含めた側方への圧力が、杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)を上回ると、鋼管1をネジ込み方向に回転せた場合と同様に、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤内処理、つまり地上への排土が抑制される。
【0037】
なお、第2の方法においても、図3の実施例において説明した、各種の制御翼を適用することができる。
【0038】
請求項3に対応する第3の方法では、上記第1の方法または第2の方法において、注入するソイルセメントの配合条件を、地盤の性状に応じ、それに適合した粘性となるように制御する。ソイルセメントの配合条件は、W/C=60〜180%、単位セメント量=100〜400kg/土m程度の範囲内で選定する。そして、セメントミルクの注入率(ソイルセメント柱を造成する対象土と注入するセメントミルクの体積比)が10〜50%程度以下として、ソイルセメントの粘性が、フロー値で160mm程度以下と、大きくなるようにする。
【0039】
【実施例】
本発明方法による排土低減の効果確認実験を行ったので、これを次に示す。
地盤条件:図4に示す
杭長:57.5m
ソイルセメント柱径:1400mm
鋼管径:1000mm
排土制御翼:円周方向2分割の傾斜翼、鋼管軸に対する角度は15度、翼高さは表1参照
鋼管の回転方向:排土制御翼のネジ込み方向
実験の結果:表1に示す
【0040】
【表1】
Figure 0003748024
但し、セメントミルク注入率=注入したセメントミルク体積/杭体積
排土率=排土体積/杭体積
【0041】
No.1とNo.2の結果から、セメントミルクの注入率に応じて、排土が低減できることがわかる。また、No.2とNo.3、No.4の比較から、同一注入率であっても、制御翼の適用により、上、中杭の施工時の排土が減少しており、制御翼による効果が実証された。制御翼を用いた場合には、鋼管内ソイルセメントよりも鋼管外ソイルセメントの流動性が向上し、また鋼管外にソイルセメントが押しやられることで、鋼管内のソイルセメントの上昇が抑えられたため、排土量がマイナスになったと考えられる。制御翼を用いたNo.3とNo.4については、セメントミルクの注入率が27%に対してトータルの排土がマイナスであったことから、出来上がりソイルセメント柱径が掘削径より200mm程度は拡大していると推定され、杭周辺の軟弱地盤が押し拡げられていると推定される。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の方法によれば、ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設していくにあたり、鋼管の先端部外面に突設した制御翼のネジ込み方向に回転、圧入するので、造成されたソイルセメントを鋼管外周方向に一部取り込みながら、鋼管外側のソイルセメントを上方に押し上げようとするが、このとき、翼より上方のソイルセメントの自重による液圧(Ps)及び鋼管外周と掘削孔壁との狭い空間を流動しようとする(粘性の高い)ソイルセメントと掘削孔壁との摩擦力(Pp)との和が反力となり、翼の上面においてソイルセメントの圧力が部分的に高まることにより、杭側方の軟弱地盤を加圧する付加圧力(Pw)を発生させながら施工が進むので、この付加圧力(Pw)を含めた側方への圧力が杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)を上回ると、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤内処理、つまり地上への排土が抑制される。そして、地盤の性状に応じて、制御翼の形状、構造、鋼管の回転速度、掘進速度及び掘削攪拌ヘッドの回転数などの施工条件を総合的に決定するようにすることで、排土の低減効果をより向上させることができる。
【0043】
また、請求項2の方法では、ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設していくにあたり、鋼管の先端部外面に突設した制御翼の反ネジ込み回転、圧入するので、制御翼が回転して、掘削ヘッドからセメントミルクを注入することにより築造された鋼管外側のソイルセメントを下方に押し下げようとするため、翼の下面においてソイルセメントの圧力が部分的に高まることにより、杭側方の軟弱地盤を付加圧力(Pw)を発生させながら施工がすすむので、この付加圧力(Pw)を含めた側方への圧力が杭周辺地盤の受働抵抗(Ph)を上回ると、鋼管をネジ込み方向に回転させた場合と同様に、周辺の軟弱地盤が押し拡げられて、発生した排土が地上に排出されることなく地盤内処理、つまり地上への排土が抑制される。そして、この場合も、地盤の性状に応じて、制御翼の形状、構造、鋼管の回転速度、掘進速度及び掘削攪拌ヘッドの回転数などの施工条件を総合的に決定するようにすることで、排土の低減効果をより向上させることができる。
【0044】
特に、請求項3の方法では、造成されるソイルセメントの粘性を地盤の性状に応じた配合により制御することを付加しているので、排土の低減がより一層効果的に行える。
【0045】
また、排土を完全地中処理すると、杭周辺地盤に側方圧や変位を生ずるため、近接構造物への影響が懸念される場合は、地盤の性状に応じて、制御翼の形状、構造、鋼管の回転速度、掘進速度及び掘削攪拌ヘッドの回転数などの施工条件を総合的に決定するようにすることにより、地上排出比率を上げることでこの影響を軽減できる。また、積極的に周辺地盤の改良効果を期待したい場合は、完全地中処理とすることで、周辺地盤に比較的大きな側方変位を生じせしめることにより周辺地盤を締め固める効果がさらに向上し、杭支持力(周面摩擦力度及び先端支持力)の向上に寄与できる。(同時埋設工法の合成鋼管杭は、原理的に周辺地盤に側圧を与える工法であるが、更にこの効果が向上する)。
【0046】
さらに、鋼管を回転圧入していることで、抑制翼によって鋼管外側のソイルセメントの攪拌が促進され、ソイルセメントの品質(均質性)が向上する。
【0047】
また、周辺地盤への影響が、施工により先端閉塞が生じる排土杭(地盤を押しのけつつ地中に貫入する杭で、基本的に施工による地上への排土が無い)に比べ軽微である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による施工過程を示した側断面図である。
【図2】本発明において使用する鋼管の排土抑制翼を設けた部分の一実施例を示したもので、(イ)は側面図、(ロ)は(イ)の直角方向からみた側面図、(ハ)は平面図である。
【図3】同他の実施例を示したもので、(イ)は側面図、(ロ)は平面図である。
【図4】地盤の性状を示した図である。
【符号の説明】
1 鋼管
2 排土制御翼
2a,2b,2c,2d,2e,2f 翼板
3,4 間隙
10 施工装置
11 回転軸
12 掘削ヘッド
13 噴出口
14 ビット
15 掘削翼
16 共回り防止翼
17 攪拌翼
20 掘削孔
21 ソイルセメント
22 ソイルセメント柱

Claims (3)

  1. ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設する合成鋼管杭の施工において、鋼管の先端部外面に、その管軸に対して傾斜するとともに、掘削径より小径とした排土制御翼を突設し、セメントミルクの噴出孔と掘削翼及び攪拌翼を備えた施工装置を鋼管中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管を、それに突設した排土制御翼のネジ込み方向に回転、圧入することにより鋼管杭側方の地盤を加圧する付加圧力を発生させることを特徴とする、合成鋼管杭の排土低減施工方法。
  2. ソイルセメント柱を造成しながら、その中に鋼管を埋設する合成鋼管杭の施工において、鋼管の先端部外面に、その管軸に対して傾斜するとともに、掘削径より小径とした排土制御翼を突設し、セメントミルクの噴出孔と掘削翼及び攪拌翼を備えた施工装置を鋼管中に挿通、突出させ、地盤の掘削とセメントミルクの注入と混合攪拌を行いながら掘進すると同時に、鋼管を、それに突設した排土制御翼の反ネジ込み方向に回転、圧入することにより鋼管杭側方の地盤を加圧する付加圧力を発生させることを特徴とする、合成鋼管杭の排土低減施工方法。
  3. 掘削土砂とセメントミルクとの混合によるソイルセメントの性状を、W/C=60〜180%、単位セメント量=100〜400kg/土m 程度の範囲内で選定することを特徴とする、請求項1または2記載の合成鋼管杭の排土低減施工方法。
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