JP3747920B2 - 半導体メモリ装置および電子機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ダイナミック型のメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリアレイを有する半導体メモリ装置内のワード線の活性化制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリ装置としては、一般的にDRAMやSRAMが用いられている。良く知られているように、DRAMはSRAMに比べて安価で大容量であるが、リフレッシュ動作が必要である。一方、SRAMはリフレッシュ動作は不要で使い易いが、DRAMに比べて高価であり、また容量が小さい。
【0003】
DRAMとSRAMの利点を両方備えるように開発された半導体メモリ装置として、仮想SRAM(VSRAM,Virtually Static RAM)が知られている。仮想SRAM(「擬似SRAM(PSRAM,Pseudo Static RAM )」とも呼ばれる)は、DRAMと同じダイナミック型のメモリセルを含むメモリセルアレイを備えているとともに、リフレッシュタイマを内蔵しており、リフレッシュ動作を内部で実行している。このため、仮想SRAMに接続される外部装置(例えばCPU)は、リフレッシュ動作を意識せずに仮想SRAMにアクセス(データの読み出しや書き込み)することが可能である。このような仮想SRAMの特徴は、「リフレッシュの透過性」と呼ばれる。
【0004】
従来の仮想SRAMでは、半導体メモリ装置の動作状態に応じたリフレッシュ動作が実行されている。例えば、外部からのアクセスが実行される動作状態(以下、「オペレーションモード」と呼ぶ)の場合、リフレッシュタイマが一定の周期で発生するリフレッシュタイミング信号の発生後に、外部アクセスのタイミングを示す外部アクセスタイミング信号に応じてリフレッシュ実行タイミングを決定して、リフレッシュ動作を実行させている。また、外部からのアクセスが実行されない動作状態(以下、「スタンバイモード」と呼ぶ)の場合、リフレッシュタイミング信号の発生に応じてリフレッシュ実行タイミングを決定して、リフレッシュ動作を実行させている。
【0005】
また、リフレッシュタイミング信号の発生サイクル(以下「リフレッシュサイクル」と呼ぶ)のサイクル時間(リフレッシュサイクルタイム)は、例えば、以下のように設定されている。すなわち、従来の仮想SRAMでは、メモリセルを行単位でリフレッシュする構成となっている。このため、リフレッシュサイクルタイムをTrcとし、メモリセルアレイの行数をm(mは1以上の整数)とすると、全てのメモリセルをリフレッシュするのに必要なリフレッシュタイムTsumは、リフレッシュサイクルタイムTrcをm倍した値(m・Trc)となる。このとき、1つのメモリセルのリフレッシュは、リフレッシュタイムTsumごとに1回実行されることになるため、リフレッシュサイクルタイムTrcの値は、各メモリセルのリフレッシュがリフレッシュタイムTsumごとに1回であってもデータ保持可能なように設定されている。
【0006】
なお、仮想SRAMにおけるリフレッシュ動作については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−74945号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の仮想SRAMでは、外部アクセスタイミング信号を、外部から入力されるアドレスの変化に基づいて発生させている。このため、仮に、リフレッシュタイミング信号が発生していても、アドレスの変化が発生しないと外部アクセスタイミング信号が発生しないので、リフレッシュ実行タイミングが決定されずにリフレッシュが延期されることになる。
【0009】
リフレッシュが延期されると、その分だけリフレッシュタイムTsumが長くなることになり、この結果、各メモリセルのリフレッシュの間隔が長くなって、データ保持できなくなる可能性が高くなる。この問題を解決するために、従来の仮想SRAMでは、「所定時間以上連続で、同じアドレスをアクセスし続けてはいけない」という制限(「ロングレート制限」あるいは「ロングサイクル制限」とも呼ぶ)を設けて対応することが一般的である。
【0010】
しかしながら、SRAMにはロングレート制限がないため、従来の仮想SRAMは、リフレッシュの透過性の点で改善の余地があり、このロングレート制限をなくすことが望まれている。
【0011】
この発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、仮想SRAMのような半導体メモリ装置のロングレート制限をなくすことができる技術を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明による半導体メモリ装置は、ダイナミック型のメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイを有する半導体メモリ装置であって、
外部装置から要求されるアクセス動作の基準タイミングを示す外部アクセスタイミング信号として、前記外部装置から供給される外部アドレスの変化に基づいてアクティブ状態に変化するパルス信号を発生する外部アクセスタイミング信号発生部と、
前記メモリセルアレイのリフレッシュ動作の基準タイミングを示すリフレッシュタイミング信号を発生するためのリフレッシュタイマと、
前記メモリセルアレイに対するリードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュの実行を制御するアクセス制御部と、を備え、
前記アクセス制御部は、
前記外部装置から供給されるライトイネーブル信号が、データの書き込み要求を示すアクティブ状態に変化した後、非アクティブ状態に戻るタイミングで、前記リードアクセスおよびリフレッシュのうちの、いずれの動作も実行されていない場合には、前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングに従って、一定の期間ライトアクセスを実行させることを特徴とする。
【0013】
上記発明の半導体メモリ装置は、ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングに基づいて、ライトアクセスを実行することができるので、ライトイネーブル信号がアクティブ状態に変化している期間において、アクセス動作としてのライトおよびリードのどちらのアクセスも実行されていない状態で、リフレッシュの要求が発生している場合には、一定の期間リフレッシュを実行させることができる。これにより、仮想SRAMのような半導体メモリ装置において、従来問題となっていた、ロングレート制限を無くすことができる。
【0014】
なお、前記アクセス制御部は、
前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングにおいて、前記リードアクセスおよびリフレッシュのうちの、いずれかの動作が実行されている場合には、前記いずれかの動作の終了後に、一定の期間ライトアクセスを実行させることが好ましい。
【0015】
こうすれば、実行中の動作が中断しないようにすることができる。
【0016】
また、前記アクセス制御部は、
前記外部アクセスタイミング信号が、アクティブ状態である期間において、前記リードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュのうちの、いずれかの要求が発生したとしても、前記リードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュのいずれの動作の開始も禁止することが好ましい。
【0017】
こうすれば、外部アドレスが変化して外部アクセスタイミング信号がアクティブ状態となっている期間中に、いずれかの動作が開始されたとした場合に比べて、次の動作の開始までの時間を短くすることができる。
【0018】
なお、上記半導体メモリ装置において、
前記ライトイネーブル信号がアクティブ状態において供給される外部アドレスおよび外部データを保持する保持部を備えており、
前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングに従って前記ライトアクセスが実行される場合には、前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻る前のアクティブ状態における外部アドレスおよび外部データとして前記保持部に保持されている外部アドレスおよび外部データを用いてライトアクセスが実行されるようにすることが好ましい。
【0019】
こうすれば、容易に、保持部に保持されている外部アドレスおよび外部データを用いて容易にライトアクセスを実行することが可能である。
【0020】
また、上記半導体メモリ装置において、
前記ライトアクセスは、1ワードの書き込みデータのうちの上位バイトまたは下位バイトごとに実行されるようにしてもよい。
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、半導体メモリ装置、半導体メモリ装置のライト制御方法、および、半導体メモリ装置を備えた電子機器等の形態で実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.半導体メモリ装置の端子構成と動作状態の概要:
B.半導体メモリ装置内部の構成:
B1.全体構成:
B2.行コントロール回路:
B.2.1.リード実行信号発生部:
B.2.2.ライト実行信号発生部:
B.2.3.リフレッシュ実行信号発生部:
B.2.4.各発生部の動作:
B3.アドレスバッファおよびデータ入力バッファ:
B3.1.アドレスバッファ:
B3.2.データ入力バッファ:
C.オペレーションモードにおける動作:
C1.リードアクセス:
C2.アーリライトアクセス:
C3.ディレイライトアクセス:
D.電子機器への適用例:
E.変形例:
【0022】
A.半導体メモリ装置の端子構成と動作状態の概要:
図1は、本発明の半導体メモリ装置の一実施例としてのメモリチップ100の端子構成を示す説明図である。メモリチップ100は、以下のような端子を有している。
【0023】
A0〜A19:アドレス入力端子(20本),
#CS:チップセレクト入力端子,
#WE:ライトイネーブル入力端子,
#OE:アウトプットイネーブル入力端子,
#LB:下位バイトイネーブル入力端子,
#UB:上位バイトイネーブル入力端子,
IO0〜IO15:入出力データ端子(16本)。
【0024】
なお、以下の説明では、端子名と信号名とに同じ符号を用いている。端子名(信号名)の先頭に「#」が付されているものは、負論理であることを意味している。アドレス入力端子A0〜A19と入出力データ端子IO0〜IO15はそれぞれ複数本設けられているが、図1では簡略化されて描かれている。また、電源端子等の以下の説明で特に必要としない他の端子は省略されている。
【0025】
このメモリチップ100は、通常の非同期型SRAMと同じ手順でアクセスすることが可能な仮想SRAM(VSRAM)として構成されている。ただし、SRAMと異なり、ダイナミック型のメモリセルが用いられているので、所定期間内にリフレッシュが必要となる。このため、メモリチップ100の内部には、リフレッシュタイマ60が内蔵されている。本明細書では、外部装置(制御装置)からのデータの読み出しや書き込みの動作を「外部アクセス」あるいは単に「アクセス」と呼び、内蔵されたリフレッシュコントローラによるリフレッシュ動作を「内部リフレッシュ」または単に「リフレッシュ」と呼ぶ。また、リフレッシュを「RF」と略す場合もある。
【0026】
メモリチップ100の内部には、入力されたアドレスA0〜A19の中のいずれか1ビット以上が変化したことを検出するためのアドレス遷移検出回路70が設けられている。そして、メモリチップ100内の回路は、アドレス遷移検出回路70から供給されるアドレス遷移検出信号に基づいて動作する。このアドレス遷移検出信号が本発明の外部アクセスタイミング信号に相当する。なお、以下の説明では、アドレス遷移検出回路70を「ATD回路」とも呼び、アドレス遷移検出信号ATD(外部アクセスタイミング信号)を「ATD信号」とも呼ぶ。
【0027】
図1に示すチップセレクト信号#CSは、メモリチップ100の動作状態を制御するための信号である。図2は、チップセレクト信号#CSの信号レベルに応じたメモリチップ100の動作状態の区分を示す説明図である。なお、本明細書において、「Hレベル」は2値信号の2つのレベルのうちの「1」レベルを意味し、「Lレベル」は「0」レベルを意味している。
【0028】
チップセレクト信号#CSがLレベル(アクティブ)のときは、内部の動作状態がオペレーションモードとなり、リード/ライト・オペレーションサイクル(以下、単に「オペレーションサイクル」または「リード/ライトサイクル」とも呼ぶ)が行われる。オペレーションサイクルでは、外部アクセスの実行が可能であり、適時、内部リフレッシュが実行される。
【0029】
チップセレクト信号#CSがHレベルのときには、内部の動作状態がスタンバイモードとなる。スタンバイモードでは、外部アクセスの実行が禁止されるため、すべてのワード線が非活性状態とされる。但し、内部リフレッシュが行われるときには、リフレッシュアドレスで指定されたワード線は活性化される。
【0030】
なお、リフレッシュ動作は、オペレーションモードでは第1のリフレッシュモードに従って実行され、スタンバイモードでは第2のリフレッシュモードに従って実行される。第1のリフレッシュモードでは、リフレッシュタイマ60がリフレッシュタイミング信号を発生した後で、かつ、リードアクセス及びライトアクセスのどちらも実行されていない時にリフレッシュ動作が開始される。一方、第2のリフレッシュモードでは、リフレッシュタイミング信号が発生すると直ちにリフレッシュ動作が開始される。このように、このメモリチップ100は、2つの動作状態にそれぞれ適したリフレッシュモードに従ってリフレッシュを実行する。
【0031】
図1に示すアドレスA0〜A19は、20ビットであり、1メガワードのアドレスを指定する。また、入出力データIO0〜IO15は、1ワード分の16ビットのデータである。すなわち、アドレスA0〜A19の1つの値は16ビット(1ワード)に対応しており、一度に16ビットの入出力データIO0〜IO15を入出力することができる。
【0032】
オペレーションサイクルにおいて、ライトイネーブル信号#WEがLレベルになるとライトサイクルと判断され、Hレベルになるとリードサイクルと判断される。また、アウトプットイネーブル信号#OEがLレベルになると、入出力データ端子IO0〜IO15からの出力が可能になる。下位バイトイネーブル信号#LBや上位バイトイネーブル信号#UBは、1ワード(16ビット)のうちの下位バイトごと及び上位バイトごとに読み出しや書き込みを行うための制御信号である。
【0033】
図3は、メモリチップ100の動作の概要を示すタイミングチャートである。図2に示した2つの動作状態(オペレーションモード、スタンバイモード)のいずれであるかは、チップセレクト信号#CSの変化に応じて、随時判断される。
【0034】
図3の最初の3つのサイクルでは、チップセレクト信号#CSがLレベルであるので、動作状態がオペレーションモードとなり、オペレーションサイクルが実行されている。オペレーションサイクルでは、ライトイネーブル信号#WEのレベルに応じて読み出し(リードサイクル)と書き込み(ライトサイクル)のいずれかが実行される。また、アウトプットイネーブル信号#OEのレベルに応じて、具体的には、Lレベルになると入出力データ端子IO0〜IO15からの出力が可能になる。
【0035】
なお、ATD信号の最短周期Tc(すなわち、アドレスA0〜A19の変化の最短周期)は、このメモリチップ100のサイクルタイム(「サイクル周期」とも呼ばれる)に相当する。サイクルタイムTcは、例えばランダムアクセスにおいては約50nsから約100nsの範囲の値に設定される。
【0036】
図3の3番目のサイクルの終了以降は、チップセレクト信号#CSがHレベルに立ち上がっているので、動作状態がスタンバイモードとなっている状態を示している。
【0037】
B.半導体メモリ装置内部の構成:
B1.全体構成:
図4は、メモリチップ100の内部構成を示すブロック図である。このメモリチップ100は、メモリブロック20と、アドレスバッファ30と、データ入出力ブロック40と、を備えている。
【0038】
メモリブロック20は、メモリセルアレイ22と、行デコーダ24と、列デコーダ26と、ゲートブロック28と、を備えている。メモリセルアレイ22の構成は、典型的なDRAMのメモリセルアレイと同じである。すなわち、メモリセルアレイ22は、1トランジスタ1キャパシタ型の複数のメモリセルがマトリクス状に配列されたものである。各メモリセルには、ワード線WLとビット線対CSL(データ線対とも呼ばれる)とが接続されている。なお、本例では、行方向に4096列、列方向に256×16列(4096列)、すなわち、1メガワード(16メガビット)のメモリセルがマトリクス状に配列されている。行デコーダ24は、行ドライバを含んでおり、アドレスバッファ30から供給される内部アドレスINtAD(A0〜A19)のうちの12ビットの行アドレスRowAD(A8〜A19)に従って、メモリセルアレイ22内の4096本のワード線のうちの1本を選択して活性化する。列デコーダ26は、列ドライバを含んでおり、アドレスバッファ30から供給される内部アドレスINtADのうちの8ビットの列アドレスColAD(A0〜A7)に従って、メモリセルアレイ22内の(256×16)組のビット線対のうちの1ワード(16ビット)分のビット線対を同時に選択する。ゲートブロック28には、リードアンプ28aおよびライトドライバ28bが含まれており、データ入出力ブロック40とメモリセルアレイ22との間のデータのやり取りを可能とする。なお、メモリブロック20内には、図示しないプリチャージ回路やセンスアンプなども設けられている。
【0039】
アドレスバッファ30は、外部装置から与えられたアドレスAD(A0〜A19、「外部アドレスExtAD」とも呼ぶ)、あるいは、後述するリフレッシュコントロール回路64から与えられたリフレッシュアドレスRfAD(RA8〜RA19)を他の内部回路に供給する回路である。外部アドレスExADかリフレッシュアドレスRfADかの選択は、後述する行コントロール回路80から与えられるアドレス制御信号ADCTLに従って行われる。
【0040】
そして、外部アクセスが実行される場合には、12ビットの行アドレスRowAD(A8〜A19)と8ビットの列アドレスColAD(A0〜A7)とによって1ワード(16ビット)分のメモリセルが選択される。選択されたメモリセルに対応する1ワード分のデータは、ゲートブロック28のリードアンプ28a及びデータ入出力ブロック40のデータ出力バッファ42を介して読み出され、あるいは、データ入出力ブロック40のデータ入力バッファ44及びゲートブロック28のライトドライバ28bを介して書き込まれる。また、リフレッシュが実行される場合には、12ビットの行アドレスRowAD(RA8〜RA19)によって選択されるワード線が活性化されて、このワード線に接続されているメモリセルのリフレッシュが実行される。なお、アドレスバッファ30の詳細については、さらに後述する。
【0041】
メモリチップ100は、さらに、バッファブロック50と、リフレッシュタイマ60と、リフレッシュコントロール回路64と、ATD(アドレス遷移検出)回路70と、行コントロール回路80と、列コントロール回路90と、を備えている。
【0042】
バッファブロック50は、ライトイネーブル信号#WEが入力されるバッファ52と、下位バイトイネーブル信号#LBおよび上位バイトイネーブル信号#UBが入力されるバッファ54と、アウトプットイネーブル信号#OEが入力されるバッファ56と、を含んでいる。各バッファ52,54,56には、チップセレクト信号#CSが入力されており、チップセレクト信号#CSに応じて各信号が内部の回路に供給されることをマスクする。なお、以下では、各バッファ52,54,56の出力信号名は、それぞれ対応する入力信号と同じ名称を付することとする。
【0043】
リフレッシュタイマ60は、例えば、リングオシレータによって構成される。リフレッシュ周期は、例えば、約32μsに設定されている。
【0044】
リフレッシュコントロール回路64は、リフレッシュタイマ60から供給されるリフレッシュ周期信号RFTMに基づいて、リフレッシュ要求のタイミングを示すタイミング信号を生成し、リフレッシュタイミング信号RFRQFとして行コントロール回路80に供給する。また、リフレッシュコントロール回路64は、リフレッシュタイミング信号RFRQFに応じて、12ビットのリフレッシュアドレスRfAD(RA8〜RA19)を発生し、アドレスバッファ30に供給する。このリフレッシュアドレスRfADの値は、リフレッシュ要求が発生したときに、より具体的には、リフレッシュタイミング信号RFRQFが非アクティブからアクティブに変化したときに、1つインクリメントされる。なお、このリフレッシュアドレスRfADは、例えば、12ビットのカウンタにより発生させることができる。
【0045】
ATD回路70は、外部装置から供給された20ビットのアドレスA0〜A19の中のいずれかに変化があるか否か検出し、変化が検出されたときには、図3(a)に示すようなパルス状のATD信号を生成する。
【0046】
行コントロール回路80は、リード実行信号#EXRと、ライト実行信号#EXWと、リフレッシュ実行信号#RFと、カラムイネーブル信号#CEを出力し、外部アクセスおよびリフレッシュを制御する。具体的には、リード実行信号#EXRと、ライト実行信号#EXWと、リフレッシュ実行信号#RFと、カラムイネーブル信号#CEとのそれぞれの信号レベルを設定して、行デコーダ24におけるワード線の活性化を制御するとともに、列コントロール回路90を介して列デコーダ26におけるビット線対の選択を制御することによって行われる。なお、行コントロール回路80は、ATD信号と、リフレッシュタイミング信号RFRQFと、ライトイネーブル信号#WEとに応じて動作する。行コントロール回路80については、さらに後述する。
【0047】
列コントロール回路90は、リードゲート信号RDおよびライトゲート信号WTを出力し、外部アクセスを制御する。具体的には、リードゲート信号RDとライトゲート信号WTとのそれぞれの信号レベルを設定して、列デコーダ26におけるビット線対の選択と、リードアンプ28aまたはライトドライバ28bの動作と、を制御する。なお、列コントロール回路90は、行コントロール回路80から与えられたカラムイネーブル信号#CEと、ライトイネーブル信号#WEと、下位バイトイネーブル信号#LBおよび上位バイトイネーブル信号#UBと、に応じて動作する。
【0048】
B2.行コントロール回路:
図5は、行コントロール回路80に含まれるリード実行信号発生部82、ライト実行信号発生部84、およびリフレッシュ実行信号発生部86の内部構成の一例を示す説明図である。以下では、リード実行信号発生部82、ライト実行信号発生部84、およびリフレッシュ実行信号発生部86の順に内部構成を説明し、その後、タイミングチャートを用いてそれぞれの動作を説明する。
【0049】
B2.1.リード実行信号発生部:
リード実行信号発生部82は、反転入力型のRSフリップフロップ(以下、単に「FF」と呼ぶ)202と、ワンショット回路204(One Shot)と、反転入力型のORゲート206およびインバータ208と、を備えている。ワンショット回路204の出力はFF202のセット端子(#S)に入力され、ORゲート206の出力はインバータ208を介してFF202のリセット端子(#R)に入力されている。ワンショット回路204は、ATD信号の立ち下がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化する短パルス信号を、FF202のセット信号として出力する。ORゲート206には、ライトイネーブル信号#WEおよびリード実行信号#EXRが入力されており、ORゲート206およびインバータ208は、ライトイネーブル信号#WEまたはリード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)である場合にLレベルとなる信号を、FF202のリセット信号として出力する。従って、FF202の出力Q202は、ATD信号がLレベルに変化すると直ちにHレベルにセットされ、ライトイネーブル信号#WEまたはリード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベルにリセットされる。なお、FF202の出力Q202は、「リード要求信号RDRQ」として利用される。
【0050】
リード実行信号発生部82は、さらに、反転入力反転出力型のFF210および遅延回路212(RAS Delay)と、2つの3入力のNANDゲート214,218および反転入力型の2入力のANDゲート216と、ワンショット回路220と、を備えている。第1のNANDゲート214には、リード要求信号RDRQと、ライト実行信号#EXWと、リフレッシュ実行信号#RFとが入力されており、ANDゲート216には、ATD信号と第1のNANDゲート214の出力信号とが入力されている。第1のNANDゲート214およびANDゲート216は、ライト実行信号#EXWおよびリフレッシュ実行信号#RFがHレベル(非アクティブ)、すなわち、ライトアクセスおよびリフレッシュが実行されておらず、かつ、ATD信号がLレベルである場合においてのみ、リード要求信号RDRQのレベルに応じた信号RDRQAを出力する。以下では、この出力信号RDRQAを「マスクリード要求信号RDRQA」と呼ぶ。
【0051】
また、第2のNANDゲート218には、マスクリード要求信号RDRQAと、遅延ライト実行信号#EXWCと、遅延リフレッシュ実行信号#RFCとが入力されている。第2のNANDゲート218は、遅延ライト実行信号#EXWCおよび遅延リフレッシュ実行信号#RFCがHレベル(非アクティブ)である場合においてのみ、マスクリード要求信号RDRQAのレベルに応じた信号#RDRQBを出力する。遅延ライト実行信号#EXWCは、後述するように、ライト実行信号#EXWのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、ワード線のプリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。また、遅延リフレッシュ実行信号#RFCも、同様に、リフレッシュ実行信号#RFのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、プリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。すなわち、第2のNANDゲート218は、マスクリード要求信号RDRQAがアクティブ(Hレベル)へ変化するタイミングに対して、ワード線のプリチャージに要する期間分だけ遅らせたタイミングでアクティブに変化する信号#RDRQBを出力する。以下では、この出力信号#RDRQBを、「遅延リード要求信号#RDRQB」と呼ぶ。
【0052】
ワンショット回路220は、遅延リード要求信号#RDRQBの立ち下がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化するパルス信号を、FF210のセット信号として出力する。FF210の出力#Q210は、遅延リード要求信号#RDRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベル(アクティブ)にセットされる。FF210の出力#Q210は、遅延回路212を介してFF210のリセット信号としてFF210に入力されている。これにより、FF210の出力#Q210は、遅延回路212の遅延量に応じた期間だけLレベル(アクティブ)を維持した後直ちにHレベル(非アクティブ)にリセットされる。FF210の出力#Q210は、リード実行信号#EXRとして出力される。なお、遅延回路212の遅延量は、リード実行信号#EXRのアクティブ(Lレベル)の期間が、ワード線を活性化してリードアクセスをするために設計される期間となるように設定される。
【0053】
リード実行信号発生部82は、また、反転入力型のORゲート222およびインバータ224と、遅延回路226(RP Delay)と、を備えている。ORゲート222には、リード実行信号#EXRと、リード実行信号#EXRを遅延回路226で遅延させた信号と、が入力されており、インバータ224の出力のLレベルからHレベルへの変化のタイミングは、リード実行信号#EXRのLレベルからHレベルへの変化のタイミングに対して遅延回路226の遅延量に応じた期間だけ遅れる。インバータ224の出力信号は、遅延リード実行信号#EXRCとして利用される。なお、遅延回路226の遅延量は、遅延リード実行信号#EXRCのアクティブ(Lレベル)の期間が、リード実行信号#EXRのアクティブ(Lレベル)の期間よりも、ワード線のプリチャージに要する期間に相当する期間だけ長くなるように設定される。
【0054】
B2.2.ライト実行信号発生部:
ライト実行信号発生部84は、反転入力型のFF232と、ワンショット回路234と、を備えている。ワンショット回路234の出力はFF232のセット端子(#S)に入力されている。ワンショット回路234は、ライトイネーブル信号#WEの立ち下がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化するパルス信号を、FF232のセット信号として出力する。従って、FF232の出力Q232は、ライトイネーブル信号#WEがLレベルに変化すると直ちにHレベルにセットされる。また、FF232のリセット端子(#R)には、ライト実行信号#EXWが入力されており、ライト実行信号#WEがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベルにリセットされる。なお、FF232の出力Q232は、「ライト要求信号WTRQ」として利用される。
【0055】
ライト実行信号発生部84は、さらに、反転入力反転出力型のFF240および遅延回路242(RAS Delay)と、2つの3入力のNANDゲート244,248および反転入力型の2入力のANDゲート246と、ワンショット回路250と、を備えている。第1のNANDゲート244には、ライト要求信号WTRQと、リード実行信号#EXRと、リフレッシュ実行信号#RFと、が入力されており、ANDゲート246には、ATD信号と第1のNANDゲート244の出力信号とが入力されている。第1のNANDゲート244およびANDゲート246は、リード実行信号#EXRおよびリフレッシュ実行信号#RFがHレベル(非アクティブ)、すなわち、リードアクセスおよびリフレッシュが実行されておらず、かつ、ATD信号がLレベルである場合においてのみ、ライト要求信号WTRQのレベルに応じた信号を遅延回路247を介して出力する。以下では、遅延回路247から出力される信号WTRQAを、「マスクライト要求信号WTRQA」と呼ぶ。
【0056】
また、第2のNANDゲート248には、マスクライト要求信号WTRQAと、遅延リード実行信号#EXRCと、遅延リフレッシュ実行信号#RFCとが入力されている。第2のNANDゲート248は、遅延リード実行信号#EXRCおよび遅延リフレッシュ実行信号#RFCがHレベル(非アクティブ)である場合においてのみ、マスクライト要求信号WTRQAのレベルに応じた信号を出力する。遅延リード実行信号#EXRCは、上述したように、リード実行信号#EXRのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、ワード線のプリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。また、遅延リフレッシュ実行信号#RFCは、後述するように、リフレッシュ実行信号#RFのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、プリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。すなわち、第2のNANDゲート248は、マスクライト要求信号WTRQAがアクティブ(Hレベル)へ変化するタイミングに対して、ワード線のプリチャージに要する期間分だけ遅らせたタイミングでアクティブに変化する信号#WTRQBを出力する。以下では、この第2のNANDゲート248の出力信号#WTRQBを、「遅延ライト要求信号#WTRQB」と呼ぶ。
【0057】
ワンショット回路250は、遅延ライト要求信号#WTRQBの立ち下がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化するパルス信号を、FF240のセット信号として出力する。FF240の出力#Q240は、遅延ライト要求信号#WTRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベル(アクティブ)にセットされる。FF240の出力#Q240は、遅延回路242を介してFF240のリセット信号としてFF240に入力されている。これにより、FF240の出力#Q240は、遅延回路242の遅延量に応じた期間だけLレベル(アクティブ)を維持した後直ちにHレベル(非アクティブ)にリセットされる。FF240の出力#Q240は、ライト実行信号#EXWとして出力される。なお、遅延回路242の遅延量は、ライト実行信号#EXWのアクティブ(Lレベル)の期間が、ワード線を活性化してライトアクセスをするために設計される期間となるように設定される。
【0058】
ライト実行信号発生部84は、また、反転入力型のORゲート252およびインバータ254と、遅延回路256(RP Delay)と、を備えている。ORゲート252には、ライト実行信号#EXWと、ライト実行信号#EXWを遅延回路256で遅延させた信号と、が入力されており、インバータ254の出力のLレベルからHレベルへの変化のタイミングは、ライト実行信号#EXWのLレベルからHレベルへの変化のタイミングに対して遅延回路256の遅延量に応じた期間だけ遅れる。インバータ264の出力信号は、遅延ライト実行信号#EXWCとして利用される。なお、遅延回路256の遅延量は、遅延ライト実行信号#EXWCのアクティブ(Lレベル)の期間が、ライト実行信号#EXWのアクティブ(Lレベル)の期間よりも、ワード線のプリチャージに要する期間に相当する期間だけ長くなるように設定される。
【0059】
B2.3.リフレッシュ実行信号発生部:
リフレッシュ実行信号発生部86は、反転入力型のFF272と、ワンショット回路274と、を備えている。ワンショット回路274の出力はFF272のセット端子(#S)に入力されている。ワンショット回路274は、リフレッシュタイミング信号RFRQFの立ち上がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化するパルス信号を、FF272のセット信号として出力する。従って、FF272の出力Q272は、リフレッシュタイミング信号RFRQFがHレベルに変化すると直ちにHレベルにセットされる。また、FF272のリセット端子(#R)には、リフレッシュ実行信号#RFが入力されており、リフレッシュ実行信号#RFがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベルにリセットされる。なお、FF272の出力Q272は、リフレッシュ要求信号RFRQとして利用される。
【0060】
リフレッシュ実行信号発生部86は、さらに、反転入力反転出力型のFF280および遅延回路282と、2つの3入力のNANDゲート284,288および反転入力型の2入力のANDゲート286と、ワンショット回路290と、を備えている。第1のNANDゲート284には、リフレッシュ要求信号RFRQと、リード実行信号#EXRと、ライト要求信号WTRQと、が入力されている。ANDゲート286には、ATD信号と第1のNANDゲート284の出力信号と、が入力されている。第1のNANDゲート284およびANDゲート286は、リード実行信号#EXRおよびライト実行信号#EXWがHレベル(非アクティブ)、すなわち、リードアクセスおよびライトアクセスが実行されておらず、かつ、ATD信号がLレベルである場合においてのみ、リフレッシュ要求信号RFRQのレベルに応じた信号を遅延回路287を介して出力する。以下では、遅延回路287から出力される信号RFRQAを、「マスクリフレッシュ要求信号RFRQA」と呼ぶ。なお、遅延回路287の遅延量は、遅延回路247の遅延量以上の大きさに設定される。
【0061】
また、第2のNANDゲート288には、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAと、遅延リード実行信号#EXRCと、遅延ライト実行信号#EXWCとが入力されている。第2のNANDゲート288は、遅延リード実行信号#EXRCおよび遅延ライト実行信号#EXWCがHレベル(非アクティブ)である場合においてのみ、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAのレベルに応じた信号を出力する。遅延リード実行信号#EXRCは、上述したように、リード実行信号#EXRのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、ワード線のプリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。また、遅延ライト実行信号#EXWCも、上述したように、ライト実行信号#EXWのアクティブ(Lレベル)の期間に比べて、プリチャージに要する期間分だけアクティブ(Lレベル)の期間が長い信号である。すなわち、第2のNANDゲート288は、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAがアクティブ(Hレベル)へ変化するタイミングに対して、ワード線のプリチャージに要する期間分だけ遅らせたタイミングでアクティブに変化する信号#RFRQBを出力する。以下では、この第2のNANDゲート288の出力信号#RFRQBを、「遅延リフレッシュ要求信号#RFRQB」と呼ぶ。
【0062】
ワンショット回路290は、遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBの立ち下がりエッジを検出すると直ちにLレベルに変化するパルス信号を、FF280のセット信号として出力する。FF280の出力#Q280は、遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると直ちにLレベルにセットされる。FF280の出力#Q280は、遅延回路282を介してFF280のリセット信号としてFF280に入力されている。これにより、FF280の出力#Q280は、遅延回路282の遅延量に応じた期間だけLレベル(アクティブ)を維持した後直ちにHレベル(非アクティブ)にリセットされる。FF280の出力#Q280は、リフレッシュ実行信号#RFとして出力される。なお、遅延回路282の遅延量は、リフレッシュ実行信号#RFのアクティブ(Lレベル)の期間が、ワード線を活性化してリフレッシュアクセスをするために設計される期間となるように設定される。
【0063】
リフレッシュ実行信号発生部86は、また、反転入力型のORゲート292およびインバータ294と、遅延回路296(RP Delay)と、を備えている。ORゲート292には、リフレッシュ実行信号#RFと、リフレッシュ実行信号#RFを遅延回路296で遅延させた信号と、が入力されており、インバータ294の出力のLレベルからHレベルへの変化のタイミングは、リフレッシュ実行信号#RFのLレベルからHレベルへの変化のタイミングに対して遅延回路306の遅延量に応じた期間だけ遅れる。インバータ294の出力信号は、遅延リフレッシュ実行信号#RFCとして利用される。なお、遅延回路296の遅延量は、遅延リフレッシュ実行信号#RFCのアクティブ(Lレベル)の期間が、リフレッシュ実行信号#RFのアクティブ(Lレベル)の期間よりも、ワード線のプリチャージに要する期間に相当する期間だけ長くなるように設定される。
【0064】
B.2.4.各発生部の動作:
図6は、リード実行信号#EXR、ライト実行信号#EXW、およびリフレッシュ実行信号#RFの発生タイミングを示すタイミングチャートである。図示しないチップセレクト信号#CSがLレベル(アクティブ)であるオペレーションモードにおいては、外部から与えられるアドレスADが変化すると、これに応じてATD信号が発生する。図6(c)に示すATD信号は、図6(a)に示すアドレスADの変化に応じて、時刻t10から時刻t14までの間、および、時刻t20から時刻t24までの間で、Hレベル(アクティブ)に変化している場合を示している。また、図6(b)に示すライトイネーブル信号#WEは、時刻t10よりも前の時刻t08においてLレベル(アクティブ)からHレベル(非アクティブ)に変化し、また、時刻t16から時刻t18までの間Lレベル(アクティブ)に変化する場合を示している。また、図6(d)に示すリフレッシュタイミング信号RFRQFは、ATD信号がHレベルである時刻t20から時刻t24までの間の時刻t22においてHレベル(アクティブ)に変化する場合を示している。
【0065】
ライトイネーブル信号#WEが、図6(b)に示すように、時刻t08において、Lレベル(アクティブ)からHレベル(非アクティブ)に変化すると、ライト要求信号WTRQは、図6(f)に示すように、Hレベル(アクティブ)に変化する。このとき、仮に、リード実行信号#EXRおよびリフレッシュ実行信号#RFがHレベル(非アクティブ)であり、かつ、ATD信号がLレベル(非アクティブ)ならば、マスクライト要求信号WTRQAはライト要求信号WTRQの変化に応じて変化する。さらに、遅延リード実行信号#EXRCおよび遅延リフレッシュ実行信号#RFCがHレベル(非アクティブ)であるならば、遅延ライト要求信号#WTRQBは、マスクライト要求信号WTRQAの変化に応じて変化する。しかしながら、リフレッシュ実行信号#RFおよび遅延リフレッシュ実行信号#RFCは、図6(p)および図6(s)に示すように、ATD信号がHレベル(アクティブ)である時刻t10から時刻t14までの間でHレベル(非アクティブ)に変化している。このため、マスクライト要求信号WTRQAは、図6(j)に示すように、後述するタイミングでHレベル(アクティブ)に変化するまで、Lレベル(非アクティブ)の状態に維持される。同様に、遅延ライト要求信号#WTRQBも、図6(k)に示すように、後述するタイミングでLレベル(アクティブ)に変化するまで、Hレベル(非アクティブ)の状態に維持される。また、ライト要求信号WTRQも、後述するタイミングでLレベル(非アクティブ)に変化するまで、Hレベル(アクティブ)の状態に維持される。
【0066】
時刻t14でATD信号がLレベルに変化すると、リード要求信号RDRQは、図6(e)に示すように、これに応じてHレベル(アクティブ)に変化する。このとき、図6(o)に示すライト実行信号#EXWおよび図6(p)に示すリフレッシュ実行信号#RFがHレベル(非アクティブ)であり、かつ、ATD信号もLレベルであるので、マスクリード要求信号RDRQAは、図6(h)に示すように、リード要求信号RDRQのHレベル(アクティブ)への変化に応じてHレベル(アクティブ)に変化する。また、このとき、図6(r)に示す遅延ライト実行信号#EXWCおよび図6(s)に示す遅延リフレッシュ実行信号#RFCもHレベル(非アクティブ)であるので、遅延リード要求信号#RDRQBは、図6(i)に示すように、マスクリード要求信号RDRQAのHレベル(アクティブ)への変化に応じてLレベル(アクティブ)に変化する。遅延リード要求信号#RDRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると、リード実行信号#EXRは、図6(n)に示すように、一定の期間Trasの間だけLレベル(アクティブ)に変化する。また、遅延リード実行信号#EXRCは、図6(q)に示すように、リード実行信号#EXRよりも一定の期間Tprだけ長くLレベル(アクティブ)となる。リード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じてリード要求信号RDRQは、Lレベル(非アクティブ)に変化する。
【0067】
ここで、時刻t14でATD信号がLレベルに変化したとき、これに応じてマスクライト要求信号WTRQAもHレベル(アクティブ)に変化しようとする。このとき、マスクライト要求信号WTRQAは、遅延回路247(図5)により遅延されているので、仮に、マスクリード要求信号RDRQAと遅延前のマスクライト要求信号WTRQAとが、ATD信号がLレベルに変化した時点で同時に変化したとしても、マスクライト要求信号WTRQAの変化のほうが遅くなる。このため、リード実行信号#EXRのほうがライト実行信号#EXWよりも優先してLレベル(アクティブ)に変化することになる。この結果、リード実行信号#EXRが優先してLレベル(アクティブ)に変化し、遅延ライト要求信号#WTRQBはHレベル(非アクティブ)の状態に維持され、ライト要求信号WTRQもHレベル(アクティブ)の状態が維持されて、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化することがマスク(禁止)される。
【0068】
リード実行信号#EXRが一定の期間Trasの間Lレベルとなった後Hレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じてマスクライト要求信号WTRQAがHレベル(アクティブ)に変化し、さらに、遅延リード実行信号#EXRCがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じて遅延ライト要求信号#WTRQBがLレベル(アクティブ)に変化する。遅延ライト要求信号#WTRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると、ライト実行信号#EXWは、図6(o)に示すように、一定の期間Trasの間だけLレベル(アクティブ)に変化する。また、遅延ライト実行信号#EXWCは、図6(r)に示すように、ライト実行信号#EXWよりも一定の期間Tprだけ長くLレベル(アクティブ)となる。なお、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じてライト要求信号WTRQは、Lレベル(非アクティブ)に変化する。
【0069】
時刻t18でライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化すると、ライト要求信号WTRQは、再びHレベル(アクティブ)に変化する。このとき、リード実行信号#EXR、リフレッシュ実行信号#RF、遅延リード実行信号#EXRC、および遅延リフレッシュ実行信号#RFCのいずれもがHレベル(非アクティブ)であり、かつ、ATD信号もLレベルであるので、マスクライト要求信号WTRQAは、ライト要求信号WTRQのHレベル(アクティブ)への変化に応じてHレベル(アクティブ)に変化する。また、遅延ライト要求信号#WTRQBは、マスクライト要求信号WTRQAのHレベル(アクティブ)への変化に応じてLレベル(アクティブ)に変化する。遅延ライト要求信号#WTRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると、ライト実行信号#EXWはLレベル(アクティブ)に変化し、遅延ライト実行信号#EXWCもLレベル(アクティブ)となる。また、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じてライト要求信号WTRQは、Lレベル(非アクティブ)に変化する。
【0070】
時刻t22でリフレッシュタイミング信号RFRQFがHレベル(アクティブ)に変化すると、リフレッシュ要求信号RFRQは、図6(g)に示すように、これに応じてHレベル(アクティブ)に変化する。このとき、仮に、リード実行信号#EXRおよびライト実行信号#EXWがHレベル(非アクティブ)であり、かつ、ATD信号がLレベルならば、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAはリフレッシュ要求信号RFRQの変化に応じて変化する。さらに、遅延リード実行信号#EXRCおよび遅延ライト実行信号#EXWCがHレベル(非アクティブ)であるならば、遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBは、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAの変化に応じて変化する。しかしながら、リフレッシュ要求信号RFRQは、図6(g)に示すように、ATD信号がHレベルである時刻t20から時刻t24までの間でHレベルに変化している。また、ライト実行信号#EXWおよび遅延ライト実行信号#EXWCは、Lレベル(アクティブ)状態となっている。このため、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAは、図6(l)に示すように、後述するタイミングでHレベル(アクティブ)に変化するまで、Lレベル(非アクティブ)の状態に維持される。同様に、遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBも、図6(m)に示すように、後述するタイミングでLレベル(アクティブ)に変化するまで、Hレベル(非アクティブ)の状態に維持される。また、ライト要求信号WTRQも、後述するタイミングでLレベル(非アクティブ)に変化するまで、Hレベル(アクティブ)の状態に維持される。
【0071】
また、時刻t24でATD信号がLレベルに変化すると、リード要求信号RDRQは、これに応じてHレベル(アクティブ)に変化する。このとき、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)の状態であるため、マスクリード要求信号RDRQAは、ライト実行信号#EXWがHレベル(アクティブ)となるまで、Lレベル(非アクティブ)の状態に維持される。同様に、遅延リード要求信号#RDRQBも、遅延ライト実行信号#EXWCがHレベル(非アクティブ)となるまで、Hレベル(非アクティブ)の状態に維持される。また、リード要求信号RDRQも、Hレベル(アクティブ)の状態が維持される。
【0072】
ライト実行信号#EXWが一定の期間Lレベル(アクティブ)となった後Hレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じてマスクリード要求信号RDRQAがHレベル(アクティブ)に変化し、さらに、遅延ライト実行信号#EXWCがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じて遅延リード要求信号#RDRQBがLレベル(アクティブ)に変化する。遅延リード要求信号#RDRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると、リード実行信号#EXRは、一定の期間Trasの間だけLレベル(アクティブ)に変化する。また、遅延リード実行信号#EXRCは、リード実行信号#EXRよりも一定の期間Tprだけ長くLレベル(アクティブ)となる。なお、リード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じてリード要求信号RDRQは、Lレベル(非アクティブ)に変化する。
【0073】
ここで、ライト実行信号#EXWがHレベル(非アクティブ)に変化したとき、これに応じてマスクリフレッシュ要求信号RFRQAもHレベル(アクティブ)に変化しようとする。このとき、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAは、遅延回路287(図5)により遅延されているので、仮にライト実行信号#EXWがLレベルに変化した時点でマスクリード要求信号RDRQAと、遅延前のマスクリフレッシュ要求信号RFRQAとが同時刻に変化したとしても、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAの変化のほうが遅くなる。このため、リード実行信号#EXRのほうがリフレッシュ実行信号#RFよりも優先してLレベル(アクティブ)に変化することになる。この結果、リード実行信号#EXRがリフレッシュ実行信号#RFに優先してLレベル(アクティブ)に変化し、遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBはHレベル(非アクティブ)の状態に維持され、リフレッシュ要求信号RFRQもHレベル(アクティブ)の状態が維持される。
【0074】
リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じてマスクリフレッシュ要求信号RFRQAがHレベル(アクティブ)に変化し、さらに、遅延リード実行信号#EXRCがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じて遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBがLレベル(アクティブ)に変化する。遅延リフレッシュ要求信号#RFRQBがLレベル(アクティブ)に変化すると、リフレッシュ実行信号#RFは、図6(p)に示すように、一定の期間Trasの間だけLレベル(アクティブ)に変化する。また、遅延リフレッシュ実行信号#RFCは、図6(s)に示すように、リフレッシュ実行信号#RFよりも一定の期間Tprだけ長くLレベル(アクティブ)となる。なお、リフレッシュ実行信号#RFがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じてリフレッシュ要求信号RFRQは、Lレベル(非アクティブ)に変化する。
【0075】
以上のように、リード実行信号発生部82、ライト実行信号発生部84、およびリフレッシュ実行信号発生部86では、リード実行信号#EXR、ライト実行信号#EXW、およびリフレッシュ実行信号#RFを生成する。
【0076】
B3.アドレスバッファおよびデータ入力バッファ:
上述したように、リード実行信号#EXRがライト実行信号#EXWやリフレッシュ実行信号#RFに優先してLレベル(アクティブ)に変化してリードアクセスが優先して実行される場合には、ライトアクセスのためのアドレス(以下、「書き込みアドレス」とも呼ぶ)およびデータ(以下、「書き込みデータ」とも呼ぶ)をライトアクセスが実行されるまで保持しておく必要がある。そこで、アドレスバッファおよびデータ入力バッファは、例えば、以下で示すように構成される。
【0077】
B3.1.アドレスバッファ:
図7は、アドレスバッファ30の内部構成を示す説明図である。図7は、20ビットのアドレスA0〜A19のうち、行アドレスRowADに相当するアドレスA8〜A19のうちの1つのアドレスADn(nは8〜19の整数)に対応するアドレスバッファブロックを示している。
【0078】
このアドレスバッファブロックは、反転入力型のANDゲート302およびインバータ304と、2つのラッチ306,308と、ワンショット回路310と、3つのスイッチ312,314,316と、を備えている。ANDゲート302には、アドレスADnおよびチップセレクト信号#CSが入力されている。このANDゲート302およびインバータ304は、チップセレクト信号#CSに応じてアドレスADnの入力を第1のラッチ306に供給するか否かを制御する。すなわち、チップセレクト信号#CSがLレベル(アクティブ)である場合には、アドレスADnは第1のラッチ306に供給され、チップセレクト信号#CSがHレベル(非アクティブ)である場合には、第1のラッチ306への供給がマスクされる。
【0079】
第1のラッチ306は、ATD信号のレベルに応じて、入力されたアドレスADnの値をラッチする。より具体的には、第1のラッチ306は、ATD信号がHレベルである間は、入力されるアドレスADnの変化に応じて、出力Q306が変化する。そして、ATD信号がLレベルに変化すると、その変化時刻におけるアドレスADnの値がラッチされて出力Q306から出力される。この出力Q306は、リードアクセスにおけるリードアドレスRADnとして利用される。第1のラッチ306の出力Q306は、第2のラッチ308に接続されている。
【0080】
ワンショット回路310は、ライト要求信号WTRQの立ち上がりエッジを検出すると直ちにHレベルに変化する短パルス信号WTEQAを生成する。短パルス信号WTEQAは、第2のラッチ308に入力される。
【0081】
第2のラッチ308は、短パルス信号WTEQAに応じて、第1のラッチ306の出力Q306をラッチする。より具体的には、ライト要求信号WTRQのHレベル(アクティブ)への変化に応じて発生した短パルス信号WTRQAがLレベルに変化した時刻(以下、「ライト要求信号WTRQがHレベルに変化した時刻の近傍」と呼ぶ)において、第1のラッチ306の出力Q306の値をラッチして出力Q308から出力する。この出力Q308は、ライトアクセスにおけるライトアドレスWADnとして利用される。
【0082】
リードアドレスRADnは第1のスイッチ312に入力されており、ライトアドレスWADnは第2のスイッチ314に入力されている。第3のスイッチ316には、リフレッシュアドレスRfADnが入力されている。3つのスイッチ312,314,316の出力は共通に接続されており、内部アドレスIntADnとして出力される。第1〜第3のスイッチ312,314,316は、例えば、トランスファゲートにより構成されている。
【0083】
第1のスイッチ312には制御信号としてリード実行信号#EXRが入力されており、第2のスイッチ314にはライト実行信号#EXWが入力されており、第3のスイッチにはリフレッシュ実行信号#RFが入力されている。これにより、リード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)となって、リードアクセスが実行される時には、第1のスイッチがオンとなって、第1のラッチ306でラッチされているリードアドレスRADnが内部アドレスIntADとして出力される。そして、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)となって、ライトアクセスが実行されるときには、第2のスイッチがオンとなって、第2のラッチ308でラッチされているライトアドレスWADnが内部アドレスIntADとして出力される。また、リフレッシュ実行信号#RFがLレベル(アクティブ)となって、リフレッシュが実行されるときには、第3のスイッチがオンとなって、リフレッシュアドレスRfADnが内部アドレスIntADとして行でコーダ24や列デコーダ26(図4)に供給される。
【0084】
なお、列アドレスに相当するアドレスA0〜A7に対応するアドレスバッファブロックは、リフレッシュアドレスが無いので、第3のスイッチ316が省略された構成となる。
【0085】
以上のように、第1および第2のラッチ306,308により、ライト要求信号WTRQがHレベル(非アクティブ)に変化した時刻近傍におけるアドレスADn、すなわち、書き込みアドレスをラッチし、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)の間に内部アドレスIntADnとして出力することができる。これにより、上述したように、ライトアクセスに優先してリードアクセスやリフレッシュが実行されるような場合においても書き込みアドレスを保持しておくことができる。
【0086】
なお、ATD信号と、ライト要求信号WTRQと、リード実行信号#EXRと、ライト実行信号#EXWと、リフレッシュ実行信号#RFと、が図4に示したアドレス制御信号ADCTLに相当する。
【0087】
B3.2.データ入力バッファ:
図8は、データ入力バッファ44の内部構成を示す説明図である。図8は、16ビットの入力データ端子IO0〜IO15から入力される16ビットの入力データD0〜D15のうちの1つのデータDm(mは0〜15の整数)に対応するデータ入力バッファブロックを示している。
【0088】
このデータ入力バッファブロックは、遅延回路322(Delay)と、2つのラッチ324,326と、ワンショット回路328と、を備えている。入力データDmは、遅延回路322を介して第1のラッチ324に入力される。ワンショット回路328は、ライトイネーブル信号#WEの立ち上がりエッジを検出すると直ちにHレベルに変化する短パルス信号WEAを生成する。短パルス信号WEAは、第1のラッチ324に入力される。
【0089】
第1のラッチ324は、短パルス信号WEAに応じて、入力データDmをラッチする。より具体的には、ライトイネーブル信号#WEのHレベル(非アクティブ)への変化に応じて発生した短パルス信号WEAがLレベルに変化した時刻(以下、「ライトイネーブル信号#WEがHレベルに変化した時刻近傍」と呼ぶ)における入力データDm、すなわち、書き込みデータをラッチして出力Q324から出力する。この出力Q324は、第2のラッチ326に入力される。
【0090】
第2のラッチ326は、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化した時刻における第2のラッチ324の出力Q324の値をラッチして出力Q326から出力する。この出力Q326は、ライトアクセスにおけるライトデータIntDmとしてライトドライバ28b(図4)に供給される。
【0091】
以上の第1および第2のラッチ324,326により、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化した時刻近傍における入力データDm、すなわち、書き込みデータをラッチし、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)の間保持して、ライトドライバ28bに供給することができる。これにより、上述したように、ライトアクセスに優先してリードアクセスが実行されるような場合においても書き込みデータを保持しておくことができる。
【0092】
C.オペレーションモードにおける動作:
以下では、オペレーションモードにおける動作を、通常のリードアクセスと、通常のライトアクセスと、特殊なライトアクセスとに分けて説明する。なお、説明を省略するが、スタンバイモードにおいては、リフレッシュタイミング信号RFTMの発生周期ごとにリフレッシュが実行される。
【0093】
C1.リードアクセス:
図9は、リードアクセス動作のタイミングチャートである。ATD信号は、図9(e)に示すように、図9(a)に示すアドレスADの変化に応じて、時刻t30,t40,t50においてHレベルに変化し、時刻t30から時刻t40までと、時刻t40から時刻t50までの各期間では、それぞれオペレーションサイクルが実行されている。具体的には、ライトイネーブル信号#WEが、図9(c)に示すようにHレベルに固定されており、それぞれリードアクセスが実行されるサイクルを示している。なお、時刻t30から時刻t40までの第1番目のサイクルは、リードアクセスのみが実行される場合を示している。また、時刻t40から時刻t50までの第2番目のサイクルは、時刻t45においてリフレッシュタイミング信号RFTMがHレベル(アクティブ)に変化してリフレッシュ要求が発生しており、リードアクセスとともにリフレッシュが実行される場合を示している。
【0094】
時刻t30から時刻40までの第1番目のオペレーションサイクルにおいて、時刻t34でATD信号がLレベルに立ち下がると、これに応じてリード実行信号#EXR(図9(g))が一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。リード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが、図9(j)に示すように活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEが図9(k)に示すようにLレベル(アクティブ)となり、リードゲート信号RDが図9(l)に示すようにHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが図9(n)に示すように選択されて、データが読み出される。読み出されたデータは、図示しないラッチ信号によってラッチされる。ラッチされたデータは、アウトプットイネーブル信号#OEが図9(b)に示すようにLレベル(アクティブ)の期間において、図9(d)に示すように読み出しデータDOUTとして入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から出力される。なお、図9(j)の信号波形は、便宜上複数のワード線の波形を1つのワード線の波形として示している。また、図9(n)の信号波形も、便宜上複数のビット線対の波形を1つのビット線対の波形として示している。また、以下の説明で図示するタイミングチャートにおいても同様である。
【0095】
時刻t40から時刻t50までの第2番目のオペレーションサイクルにおいて、時刻t44でATD信号がLレベルに立ち下がると、第1番目のオペレーションサイクルと、同様に、リード実行信号#EXRがLレベルに変化してリードアクセスが実行される。リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)に変化すると、選択されたメモリセルからの実際の読み出し動作は終了し、ワード線も非活性化される。このため、リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)に変化後、時刻t45において、リフレッシュタイミング信号RFRQFが図9(f)に示すようにHレベル(アクティブ)に変化した場合、たとえ、アウトプットイネーブル#OEがLレベル(アクティブ)となって、読み出しデータが出力されている最中であっても、リフレッシュ実行信号#RFを図9(i)に示すようにLレベル(アクティブ)として、ワード線WLを活性化させることができるので、リフレッシュを実行することが可能である。
【0096】
以上説明したように、本実施例のメモリチップ100では、1つのリードサイクルにおいて、リード実行信号#EXRを一定の期間だけLレベル(アクティブ)として読み出し動作を行い、リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)になった後、次のサイクルが開始されるまでの間に、リフレッシュを実行させることができる。これにより、リフレッシュをATD信号に関係なく実行させることができる。この結果、リードオペレーションにおいて、ロングレート制限を無くすことが可能である。
【0097】
C2.アーリライトアクセス:
図10は、通常のライト(「アーリライト」と呼ばれる)アクセス動作のタイミングチャートである。図10(e)に示すように、ATD信号が、図10(a)に示すアドレスADの変化に応じて、時刻t60,t70,t80においてHレベルに変化しており、時刻t60から時刻t70までと、時刻t70から時刻t80までの各期間では、それぞれオペレーションサイクルが実行されている。具体的には、時刻t60から時刻t70までの第1番目のサイクルでは、ライトイネーブル信号#WEは、図10(c)に示すようにATD信号がLレベルに立ち下がる時刻t64よりも前の時刻t61でLレベル(アクティブ)になっており、リード実行信号#EXRは図10(g)に示すようにLレベル(アクティブ)になることはないので、アーリライトアクセスが実行される。また、時刻t70から時刻t80までの第2番目のサイクルにおいても、ライトイネーブル信号#WEは、ATD信号が立ち下がる時刻t74よりも前の時刻t71でLレベル(アクティブ)になっており、同様に、アーリライトアクセスが実行されている場合を示している。
【0098】
時刻t60から時刻t70までの第1番目のサイクルでは、時刻t67でライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じてライト実行信号#EXWが図10(h)に示すように一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが図10(j)に示すように活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEが図10(k)に示すようにLレベル(アクティブ)となり、ライトゲート信号WTが図10(m)に示すようにHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが図10(n)に示すように選択される。このとき、入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から入力されたデータDINが、選択されたメモリセルに書き込まれる。
【0099】
時刻t70から時刻t80までの第2番目のサイクルにおいても、時刻t77でライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化すると、第1番目のサイクルと同様に、これに応じてライト実行信号#EXWが一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEがLレベル(アクティブ)となり、ライトゲート信号WTがHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが選択される。このとき、入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から入力されたデータDINが、選択されたメモリセルに書き込まれる。
【0100】
ここで、実際の書き込み動作は、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)になった後に実行される。従って、第1番目のサイクルにおける時刻t67に対応して、ライト実行信号#EXWが一定の期間Lレベル(アクティブ)になった後、第2番目のサイクルにおける時刻t77に対応して、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化するまでの間、外部からのアクセスが何も実行されない期間となる。そこでリフレッシュタイミング信号RFRQFが、図10(f)に示すように時刻t75でHレベル(アクティブ)に変化した場合、この外部からのアクセスのない期間において、リフレッシュ実行信号#RFを図10(i)に示すように、一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化させて、ワード線WLを活性化させることにより、リフレッシュを実行することが可能である。
【0101】
以上説明したように、本実施例のメモリチップ100では、1つのライトサイクルにおいて、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化後に実際の書き込み動作を行っている。このため、ライトイネーブル信号#WEがLレベル(アクティブ)である期間、すなわち、従来、書き込み動作が行われていた期間にリフレッシュを実行することが可能である。これにより、ライトオペレーションにおいても、ロングレート制限を無くすことが可能となる。
【0102】
C3.ディレイライトアクセス:
図11は、特殊なライト(「ディレイライト」と呼ばれる)アクセス動作のタイミングチャートである。図11(e)に示すように、ATD信号が、図11(a)に示すアドレスADの変化に応じて、時刻t100,t110,t120においてHレベルに変化しており、時刻t100から時刻t110までと、時刻t110から時刻t120までの各期間では、それぞれオペレーションサイクルが実行されている。時刻t100から時刻t110までの第1番目のサイクルは、ATD信号がLレベルに立ち下がる時刻t104よりも後の時刻t106で、ライトイネーブル信号#WEが図11(c)に示すようにLレベル(アクティブ)になっているので、いったんリードアクセス動作が実行された後、ライトアクセスが実行されるディレイライトアクセスの場合を示している。また、時刻t110から時刻t120までの第2番目のサイクルにおいても、ライトイネーブル信号#WEは、ATD信号が立ち下がる時刻t114よりも後の時刻t116でLレベル(アクティブ)になっており、同様に、ディレイライトアクセスが実行される場合を示している。
【0103】
時刻t100から時刻t110までの第1番目のサイクルでは、時刻t104でATD信号がLレベルに立ち下がると、これに応じてリード実行信号#EXRが図11(g)に示すように一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。リード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが図11(j)に示すように活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEが図11(k)に示すようにLレベル(アクティブ)となり、リードゲート信号RDが図11(l)に示すようにHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが図11(n)に示すように選択されて、データが読み出される。ただし、このサイクルは、リードサイクルではなく、ライトサイクルであるので、アウトプットイネーブル信号#OEは図11(b)に示すようにHレベル(アクティブ)に固定されており、入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から読み出しデータは出力されない。
【0104】
そして、時刻t108でライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化すると、これに応じてライト実行信号#EXWが図11(h)に示すように一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEがLレベル(アクティブ)となり、ライトゲート信号WTが図11(m)に示すようにHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが選択される。このとき、入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から入力されたデータDINが、選択されたメモリセルに書き込まれる。
【0105】
また、リフレッシュタイミング信号RFRQFが、図11(f)に示すように時刻t105でHレベル(アクティブ)に変化しているので、リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)になると、リフレッシュ実行信号#RFが、図11(i)に示すように、上述したワード線のプリチャージに要する期間の経過後Lレベル(アクティブ)に変化し、ワード線WLが活性化して、リフレッシュが実行される。
【0106】
時刻t110から時刻t120までの第2番目のサイクルにおいても、同様に、時刻t118でライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)に変化すると、第1番目のサイクルと同様に、これに応じてライト実行信号#EXWが一定の期間Lレベル(アクティブ)に変化する。ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化すると、これに応じて、入力された行アドレスに対応するワード線WLが活性化される。また、これに応じて、カラムイネーブル信号#CEがLレベル(アクティブ)となり、ライトゲート信号WTがHレベル(アクティブ)となって、入力された列アドレスに対応するビット線対CSLが選択される。このとき、入出力データ端子IO(=IO0〜IO15)から入力されたデータDINが、選択されたメモリセルに書き込まれる。
【0107】
また、時刻t114でATD信号がLレベルに立ち下がると、通常、これに応じてリード実行信号#EXRがLレベルに変化する。しかしながら、ここでは、前のサイクルの時刻t108におけるライトイネーブル信号#WEのHレベル(非アクティブ)への変化に応じて変化したライト実行信号#EXWが、まだLレベル(アクティブ)のままである。このため、リード実行信号#EXRは、ライト実行信号#EXWがHレベル(非アクティブ)になり、上述したワード線のプリチャージ期間の経過後Lレベル(アクティブ)に変化し、同様に、リードアクセスが実行される。
【0108】
図12は、ディレイライトアクセス動作の別のタイミングチャートである。時刻t130から時刻t140までの第1番目のサイクルも、図12(e)に示すATD信号がLレベルに立ち下がる時刻t134よりも後の時刻t136で、ライトイネーブル信号#WEが図12(c)に示すようにLレベル(アクティブ)に変化しているので、ディレイライトサイクルの場合を示している。また、時刻t140から時刻t150までの第2番目のサイクルも、ATD信号がLレベルに立ち下がる時刻t144よりも後の時刻t146で、ライトイネーブル信号#WEがLレベル(アクティブ)に変化しており、ディレイライトサイクルの場合を示している。
【0109】
時刻t130から時刻t140までの第1番目のサイクルでは、時刻t134でATD信号がLレベルに立ち下がると、これに応じてリード実行信号#EXRが図12(g)に示すようにLレベル(アクティブ)に変化し、リードアクセス動作が実行される。
【0110】
時刻t138でライトイネーブル信号#WEがHレベルに変化すると、通常は、これに応じてライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化して、ライトアクセスが実行される。ただし、このサイクルでは、時刻t138の少し前に、図12(f)に示すように、リフレッシュタイミング信号RFRQFがHレベル(アクティブ)に変化し、これに応じて、リフレッシュ実行信号#RFが図12(i)に示すようにLレベル(アクティブ)となる。このため、ライト実行信号#EXWは、図12(h)に示すようにHレベル(非アクティブ)のままとなる。
【0111】
また、ATD信号がLレベルに立ち下がる時刻t144において、ライトイネーブル信号#WEがHレベルとなっているので、ライト実行信号#EXWもリフレッシュ実行信号#RFもHレベル(非アクティブ)であれば、直ちにリード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)となって、リードアクセスが実行される。しかしながら、ここでは、リフレッシュ実行信号#RFがLレベル(アクティブ)となっているので、リフレッシュ実行信号#RFがHレベル(非アクティブ)になり、上述したワード線のプリチャージ期間の経過後に、ライト実行信号#EXWに優先してリード実行信号#EXRがLレベル(アクティブ)に変化する。そして、リード実行信号#EXRがHレベル(非アクティブ)になり、ワード線のプリチャージ期間が経過後に、前のサイクルの時刻t138におけるライトイネーブル信号#WEのHレベル(非アクティブ)への変化に応じて、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化し、ライトアクセスが実行される。そして、その後、時刻t148におけるライトイネーブル信号#WEのHレベル(非アクティブ)への変化に応じて、さらに、ライト実行信号#EXWがLレベル(アクティブ)に変化し、ライトアクセスが実行される。
【0112】
以上のように、ディレイライトアクセスが実行される場合には、ATD信号がLレベルに立ち下がったときに、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)であった場合には、次に実行される動作として、ライトアクセスおよびリフレッシュに優先してリードアクセスが選択される。このように、リードアクセスを優先するようにしているのは、以下の理由による。
【0113】
リードアクセスは高速であることが望まれており、リードアクセスの要求があったら、直ちにリードアクセスを実行することが好ましい。しかしながら、リード要求信号RDRQ(図5,6参照)は、上述したように、ATD信号がLレベルに立ち下がったときに、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)である場合に発生する。従って、ディレイライトアクセスであるかリードアクセスであるかはリード要求信号RDRQが発生する時点ではわからない。そこで、たとえ、ディレイライトアクセスが実行されるサイクルであっても、ATD信号がLレベルに立ち下がったときに、ライトイネーブル信号#WEがHレベル(非アクティブ)であったときには、先にライト要求またはリフレッシュ要求が発生していたとしても、次に実行される動作としては、ライトアクセスおよびリフレッシュに優先してリードアクセスを選択することとしている。
【0114】
また、図6のタイミングチャートを用いて説明したように、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間においては、マスクリード要求信号RDRQA、マスクライト要求信号WTRQA、およびマスクリフレッシュ要求信号RFRQAのHレベル(アクティブ)への変化はマスク(禁止)され、ライトアクセスおよびリフレッシュのいずれの動作も新たに開始されないように設定されている。仮に、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間中に、いずれかの動作が開始されたとすると、その動作が実行されている期間だけ、次の動作が開始されるのが遅くなることになる。例えば、次の動作がリードアクセスだとすれば、リードアクセスの開始が遅くなることになる。従って、ATD信号がHレベルの期間において、新たな動作が開始されないようにすれば、例えば、リードアクセスが開始れるまでの時間を短くすることができるので、リードアクセスにおけるアクセス速度を速くすることが可能となる。
【0115】
D.電子機器への適用例:
図13は、本発明による半導体メモリ装置を利用した電子機器の一実施例としての携帯電話機の斜視図である。この携帯電話機700は、本体部710と、蓋部720とを備えている。本体部710には、キーボード712と、液晶表示部714と、受話部716と、本体アンテナ部718とが設けられている。また、蓋部720には、送話部722が設けられている。
【0116】
図14は、図13の携帯電話機700の電気的構成を示すブロック図である。CPU730には、バスラインを介して、キーボード712と、液晶表示部714を駆動するためのLCDドライバ732と、SRAM740と、VSRAM742と、EEPROM744とが接続されている。
【0117】
SRAM740は、例えば高速なキャッシュメモリとして利用される。また、VSRAM742は、例えば画像処理用の作業メモリとして利用される。このVSRAM742(擬似SRAMあるいは仮想SRAMと呼ばれる)としては、上述したメモリチップ100を採用することができる。EEPROM744は、携帯電話機700の各種の設定値を格納するために利用される。
【0118】
携帯電話機700の動作を一時的に停止させるときには、VSRAM742をスタンバイ状態に維持しておくことができる。こうすれば、VSRAM742が内部リフレッシュを自動的に行うので、VSRAM742内のデータを消失させずに保持しておくことが可能である。特に、本実施例のメモリチップ100は比較的大容量なので、画像データなどの大量のデータを長時間保持し続けることができるという利点がある。また、本実施例のメモリチップ100は、リフレッシュ動作を意識する必要がないので、SRAMと同様に用いることができるという利点がある。
【0119】
E.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0120】
図5に示すように、実施例の行コントロール回路80に含まれているライト実行信号発生部84では、ATD信号が反転入力型のANDゲート246に入力されており、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間には、マスクライト要求信号WTRQAの発生を禁止している。また、リフレッシュ実行信号発生部86も、ATD信号が反転入力型のANDゲート286に入力されており、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間には、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAの発生を禁止している。これにより、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間において、ライト実行信号#EXWおよびリフレッシュ実行信号#RFがLレベル(アクティブ)になることを禁止しして、新たな動作が開始されないようにしている。しかしながら、ANDゲート246,286へのATD信号の入力を省略して、ATD信号がHレベル(アクティブ)の期間において、マスクライト要求信号WTRQAの発生およびマスクリフレッシュ要求信号RFRQAの発生を禁止しないようにするようにしてもよい。ただし、実施例のように、ATD信号がHレベルの期間において、マスクリフレッシュ要求信号RFRQAの発生を禁止する方が、上述したように、リードアクセスにおけるアクセス速度の点て有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体メモリ装置の一実施例としてのメモリチップ100の端子構成を示す説明図である。
【図2】 チップセレクト信号#CSの信号レベルに応じたメモリチップ100の動作状態の区分を示す説明図である。
【図3】 メモリチップ100の動作の概要を示すタイミングチャートである。
【図4】 メモリチップ100の内部構成を示すブロック図である。
【図5】 行コントロール回路80に含まれるリード実行信号発生部82、ライト実行信号発生部84およびリフレッシュ実行信号発生部86の内部構成を示すブロック図である。
【図6】 リード実行信号#EXR、ライト実行信号#EXW、およびリフレッシュ実行信号#RFの発生タイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】 アドレスバッファ30の内部構成を示す説明図である。
【図8】 データ入力バッファ44の内部構成を示す説明図である。
【図9】 リードアクセス動作のタイミングチャートである。
【図10】 アーリライトアクセス動作のタイミングチャートである。
【図11】 ディレイライトアクセス動作のタイミングチャートである。
【図12】 ディレイライトアクセス動作の別のタイミングチャートである。
【図13】 本発明による半導体メモリ装置を利用した電子機器の一実施例としての携帯電話機の斜視図である。
【図14】 図13の携帯電話機700の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…メモリチップ
20…メモリブロック
22…メモリセルアレイ
24…行デコーダ
26…列デコーダ
28…ゲートブロック
28a…リードアンプ
28b…ライトドライバ
30…アドレスバッファ
40…データ入出力ブロック
42…データ出力バッファ
44…データ入力バッファ
50…バッファブロック
52,54,56…バッファ
60…リフレッシュタイマ
64…リフレッシュコントロール回路
70…アドレス遷移検出(ATD)回路
80…行コントロール回路
82…リード実行信号発生部
84…ライト実行信号発生部
86…リフレッシュ実行信号発生部
90…列コントロール回路
202…RSフリップフロップ(FF)
204…ワンショット回路
206…ORゲート
208…インバータ
210…RSフリップフロップ(FF)
212…遅延回路
214…NANDゲート
216…ANDゲート
218…NANDゲート
220…ワンショット回路
222…ORゲート
224…インバータ
226…遅延回路
232…RSフリップフロップ(FF)
234…ワンショット回路
240…RSフリップフロップ(FF)
242…遅延回路
244…NANDゲート
246…ANDゲート
248…NANDゲート
250…ワンショット回路
252…ORゲート
254…インバータ
256…遅延回路
272…RSフリップフロップ(FF)
274…ワンショット回路
280…RSフリップフロップ(FF)
282…遅延回路
284…NANDゲート
286…ANDゲート
288…NANDゲート
290…ワンショット回路
292…ORゲート
294…インバータ
296…遅延回路
302…NANDゲート
304…インバータ
306,308…ラッチ
310…ワンショット回路
312,314,316…スイッチ
322…遅延回路
324,326…ラッチ
328…ワンショット回路
700…携帯電話機
710…本体部
712…キーボード
714…液晶表示部
716…受話部
718…本体アンテナ部
720…蓋部
722…送話部
730…CPU
732…LCDドライバ
740…SRAM
742…VSRAM
744…EEPROM

Claims (7)

  1. ダイナミック型のメモリセルがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイを有する半導体メモリ装置であって、
    外部装置から要求されるアクセス動作の基準タイミングを示す外部アクセスタイミング信号として、前記外部装置から供給される外部アドレスの変化に基づいてアクティブ状態に変化するパルス信号を発生する外部アクセスタイミング信号発生部と、
    前記メモリセルアレイのリフレッシュ動作の基準タイミングを示すリフレッシュタイミング信号を発生するためのリフレッシュタイマと、
    前記メモリセルアレイに対するリードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュの実行を制御するアクセス制御部と、を備え、
    前記アクセス制御部は、
    前記外部装置から供給されるライトイネーブル信号が、データの書き込み要求を示すアクティブ状態に変化した後、非アクティブ状態に戻るタイミングで、前記リードアクセスおよびリフレッシュのうちの、いずれの動作も実行されていない場合には、前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングに従って、一定の期間ライトアクセスを実行させることを特徴とする半導体メモリ装置。
  2. 請求項1記載の半導体メモリ装置であって、
    前記アクセス制御部は、
    前記ライトイネーブル信号がアクティブ状態に変化している期間において、前記アクセス動作としてのライトおよびリードのどちらのアクセスも実行されていない状態で、前記リフレッシュタイミング信号に基づいてリフレッシュの要求が発生している場合には、一定の期間リフレッシュを実行させることを特徴とする半導体メモリ装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の半導体メモリ装置であって、
    前記アクセス制御部は、
    前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングにおいて、前記リードアクセスおよびリフレッシュのうちの、いずれかの動作が実行されている場合には、前記いずれかの動作の終了後に、一定の期間ライトアクセスを実行させることを特徴とする半導体メモリ装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の半導体メモリ装置であって、
    前記アクセス制御部は、
    前記外部アクセスタイミング信号がアクティブ状態である期間において、前記リードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュのうちの、いずれかの要求が発生したとしても、前記リードアクセス、ライトアクセス、およびリフレッシュのいずれの動作の開始も禁止することを特徴とする半導体メモリ装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の半導体メモリ装置であって、
    前記ライトイネーブル信号がアクティブ状態において供給される外部アドレスおよび外部データを保持する保持部を備えており、
    前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻るタイミングに従って前記ライトアクセスが実行される場合には、前記ライトイネーブル信号が非アクティブ状態に戻る前のアクティブ状態における外部アドレスおよび外部データとして前記前記保持部に保持されている外部アドレスおよび外部データを用いてライトアクセスが実行されることを特徴とする半導体メモリ装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の半導体メモリ装置であって、
    前記ライトアクセスは、1ワードの書き込みデータのうちの上位バイトまたは下位バイトごとに実行されることを特徴とする半導体メモリ装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の半導体メモリ装置を備える、電子機器。
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