JP3747822B2 - アイドル停止車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、停車時にエンジンを自動的に停止させるアイドル停止車両の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
交差点における信号待ち等でエンジンの自動停止、自動再起動を行うことにより、燃料消費の抑制と排出ガスの低減を図ったアイドル停止車両が知られている。
【0003】
このようなアイドル停止車両では、エンジンが停止するとエンジンにより駆動されるオイルポンプも停止し、変速機に油圧が供給されない状態になるため、エンジンを再起動する際にオイルポンプが作動するものの変速機の油圧上昇が遅れ、クラッチ係合遅れによるエンジンの空吹けが生じる可能性があった。
【0004】
これを防止するため、特開平8−14076号公報には、変速機油圧保持供給手段としてアキュムレータあるいは電動油圧ポンプを設け、エンジン停止時も自動変速機へ油圧を供給し続けることで、クラッチ係合遅れによるエンジンの空吹けを防止する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとしている問題点】
しかしながら、この従来技術ではエンジンの空吹きは防止できるものの、エンジン停止中も自動変速機の変速クラッチ、バルブ群に油圧を供給し続ける構成のため、変速機油圧保持供給手段としてアキュムレータあるいは電動油圧ポンプを用いた場合は変速クラッチ、バルブ群からの漏れによる圧力低下を考慮すると装置の大型化が避けられなかった。
【0006】
また、変速機油圧保持供給手段として電動油圧ポンプを用いた場合はアキュムレータに比べ高価となり、さらに電力消費も発生するので燃料消費を抑制するという本来の効果が低下する恐れもあった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題を鑑みてなされたものであり、アイドル停止車両において、エンジン再起動時の空吹きを防止しつつ装置の車両への搭載性も向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、変速機と、エンジンにより駆動される油圧源と、油圧源からの油圧に基づいて前記変速機の変速を制御する油圧制御手段とを備え、所定の運転条件でエンジンの自動停止、自動再起動を行うアイドル停止車両において、前記変速機の上方に配置され、前記油圧源から供給される作動油を貯留するオイルタンクを備え、アイドル停止時に、前記オイルタンクから作動油を重力によって前記油圧制御手段に供給し、前記油圧制御手段は、動力伝達要素への油圧の供給を制御する第1制御弁と、この第1制御弁への油圧を制御する第2制御弁とを備え、アイドル停止中に前記第1、第2制御弁を開口する。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記油圧源と前記オイルタンクとを連通する油圧回路と、この油圧回路に流量を制御する手段と、この流量制御手段と並列に前記オイルタンクから前記油圧源方向への作動油の流通のみを許可する一方向弁とを備える。
【0011】
第3の発明は、第1の発明において、前記オイルタンクの容量は、アイドル停止時間と、単位時間当たりに排出される作動油流量とに基づき算出される。
【0012】
【発明の効果】
第1の発明では、変速機の上方にオイルタンクを配置し、このオイルタンクからのオイルをアイドル停止時に変速制御手段へ重力によって供給するようにしたので、アイドル停止時の油圧回路内の油圧の低下を防止し、エンジン始動直後でもクラッチの係合遅れを防止し、エンジンの空吹けを防止できる。
【0013】
また、エンジン停止時に油圧回路にオイルを供給するための電動油圧ポンプやアキュムレータを用いる必要がないので、コストの低減が図れ、小型化でき、車両搭載性を向上できる。さらには、電動油圧ポンプ使用による電力の消費も回避できる。
【0014】
オイルタンクは、アキュムレータのような高い圧力を維持する構造を有する必要がないので、小型化および廉価にすることができる。
【0015】
さらに、油圧制御手段は、動力伝達要素への油圧の供給を制御する第1制御弁と、この第1制御弁への油圧を制御する第2制御弁とを備え、アイドル停止中に第1、第2制御弁を開口することで、アイドル停止中に確実に油圧制御手段に作動油を補給することができる。
【0016】
第2の発明では、油圧源とオイルタンクとを連通する油圧回路と、この油圧回路に流量を制御する手段と、この流量制御手段と並列にオイルタンクから油圧源方向への作動油の流通のみを許可する一方向弁とを備えたので、オイルタンクに供給されるオイルの流量を流量制御手段により制御することができ、またオイルタンクからのオイルの供給流量を一方向弁により制御することができる。
【0017】
第3の発明では、オイルタンクの容量は、アイドル停止時間と、単位時間当たりに排出される作動油流量とに基づき算出されるので、オイルタンクの容量を最適にすることができ、車両に搭載する上で省スペース化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
図1は本発明が適用されるアイドル停止車両の概略構成を示す。このアイドル停止車両は、エンジン1と無段変速機17を備え、図示しない各種センサからの信号に基づきコントローラ7がこれらを制御するというものである。特に、信号待ち等の停車時に所定の条件が成立すると、コントローラ7はエンジン1の自動停止、自動再起動を行う。
【0020】
エンジン1と無段変速機17との間にはトルクコンバータ10及び前後進切替機構11が介装されている。トルクコンバータ10の入力軸には油圧源として油圧ポンプ(油圧源)14が連結されており、油圧ポンプ14により発生した油圧は油圧制御回路101(油圧制御手段)に供給される。また、前後進切替機構11は遊星歯車機構19を主体に構成され、油圧制御回路101に駆動される前進クラッチ12と後進クラッチ13を選択的に締結することにより入力軸15の回転方向を切り替えることができる。
【0021】
ここで無段変速機17は、プライマリプーリ16と、セカンダリプーリ26と、それらに掛け回されるVベルト24とから構成されるいわゆるVベルト式の無段変速機である。なお、本実施形態では、Vベルト式の無段変速機を用いたが、これに限られず、通常の有段自動変速機に適用することも可能である。
【0022】
従動軸28にはアイドラギヤ48と噛合う駆動ギヤ46が固定され、アイドラギヤ48のアイドラ軸52に設けたピニオンギヤ54がファイナルギヤ55と噛合っている。そして、ファイナルギヤ55は差動装置56を介してドライブシャフト57を駆動する。
【0023】
上記のような駆動力伝達の際に、図示しないシリンダ室の油圧を制御してプライマリプーリ16の可動円錐板及びセカンダリプーリ26の可動円錐板を軸方向へ変位させ、Vベルト24との接触半径を変更すると、無段変速機17の変速比を変えることができる。
【0024】
例えば、プライマリプーリ16のプーリ溝の幅を拡大すれば、セカンダリプーリ26側のVベルト24の接触半径は相対的に大きくなり、大きな変速比(Low側)が得られる。逆に、プライマリプーリ16のプーリ溝の幅を縮小すれば小さな変速比(Hi側)が得られる。
【0025】
このようなプライマリプーリ16とセカンダリプーリ26のプーリ溝幅の制御は、上記プライマリプーリ16とセカンダリプーリ26への油圧を油圧制御回路101が制御することで、無段変速機17の変速比を制御する。
【0026】
さらに、油圧制御回路101を構成し、油圧ポンプ14からオイルが供給されるライン圧制御弁(第2制御弁)60の下流に接続されたクラッチ圧回路41には、図2に示すように、シフトレバー81に応動するマニュアル弁(第1制御弁)107が接続され、マニュアル弁107の位置に応じて前進クラッチ12または後進クラッチ13へ油圧が供給される。
【0027】
以上の構成は、本出願人による特開平9−242855号公報に開示された油圧制御回路とほぼ同じであるが、本実施形態では、さらに油圧ポンプ14からの油圧を保持するとともに、コントローラ7からの油圧供給指令を受けて保持した油圧を無段変速機17の動力伝達要素(前進クラッチ12あるいは後進クラッチ13)に供給することができる変速機油圧保持供給回路9が油圧制御回路101に備えられる。そして、ライン圧制御弁60とマニュアル弁107の間には、この変速機油圧保持供給回路9からの油圧を導く油圧回路が接続される。
【0028】
図2は本発明の自動変速機の油圧回路へのオイル充填構造を説明する概略図である。
【0029】
本発明のオイル充填構造は、変速機17の上方にオイルを貯留するオイルタンク35を設置し、エンジン1稼動中にオイルタンク35にオイルを貯留するもので、アイドル停止中(すなわち、エンジン1と油圧ポンプ14は停止中)に、オイルタンク35からオイルが重力による自然落下により油圧回路に供給、充填されて、エンジン起動時に油圧の立ち上がりの遅れを防止するものである。
【0030】
エンジン1の出力軸と同軸に連結されたオイルポンプ(油圧源)14は、エンジン1運転時には油圧回路31を通じてオイルパン32からオイルを吸い込み、そのオイルを油圧回路34を介してオイルタンク35に吐出する。また一方で、油圧ポンプ14は油圧回路33を通じてオイル(作動油)を油圧制御回路101に供給する。油圧供給回路101からオイルが油圧回路37からオイルパン32に排出されることでオイルは循環する。
【0031】
また、オイルタンク35の許容貯留量を超えたオイルは、油圧回路36からオイルパン32に排出され、オイルを循環させる。
【0032】
図3はオイル充填構造の詳細を示す構成図であり、油圧ポンプ14とオイルタンク35を連通する上下方向に配置した油圧回路34には、オイルタンク35へ供給するオイルの流量を調整するためのオリフィス(流量制御手段)38(本実施形態ではφ1程度のオリフィスを想定する)が設置され、また逆止弁(一方向弁)39がオリフィス38と並列に設置される。この逆止弁39は、オイルポンプの稼動による油圧回路34内の圧力の上昇とともに、油圧ポンプ14からオイルタンク35へのオイルの供給を遮断し、油圧ポンプ14の停止時には開放され、オイルタンク35からのオイルを油圧ポンプ14側に重力によって流出させる。
【0033】
油圧ポンプ14は、油圧回路34から分岐した油圧回路33を通じてオイルを油圧制御回路101の一部を構成するライン圧制御弁60に供給する。ライン圧制御弁60から排出されたオイルは、例えば、ライン圧制御弁60と油圧回路41によって連通するマニュアル弁107に供給され、マニュアル弁107の切換によって、前進クラッチ12または後進クラッチ13に供給されて車両の前後進を制御する。
【0034】
また、ライン圧制御弁60から排出されたオイルをオイルパン32に戻すための油圧回路37が設けられ、油圧回路のドレンとして使用される。
【0035】
図4は逆止弁39の詳細構成を示す図である。逆止弁39はその開口部を上下方向に配置され、その内部を上下に区画する隔壁39bと、この隔壁39bによって区画された上側の空間に収装されたボール39aを備える。ここで隔壁39bはオイルが通過できるような、たとえば金網で形成する。
【0036】
油圧ポンプ14が稼動し、オイルが逆止弁39に供給されることで、図4に示すようにボール39aは、オイルの油圧によって上昇し、逆止弁39の上部開口を閉口し、オイルタンク35へのオイルの流通を遮断する。油圧ポンプ14の停止時にはボール39aは図4において破線で示すように、重力によって降下し、隔壁39bに接して位置し、オイルタンク35からのオイルを下流の油圧回路33に重力によって供給する。
【0037】
次に作用を説明する。
【0038】
まず、エンジン1が稼動している通常走行時、つまり油圧ポンプ14が作動している場合には、油圧ポンプ14の起動とともにオイルの油圧が上昇し、この油圧を逆止弁39に作用させて、逆止弁39を遮蔽し、オリフィス38を通じてのみオイルタンク35にオイルを供給する。
【0039】
したがって、オリフィス38の作用によりオイルタンク35に連通する油圧回路34の流路抵抗は上昇し、オイルタンク35へのオイルの供給流量は制限される。この状態でのオイルタンク35への供給流量は、φ1程度のオリフィス38であれば、図5に示すように1.2〜2L/min程度の比較的少ない流量で供給される。
【0040】
ここで、アイドル停止時の変速機17の油圧回路に必要なオイルの流量から求められるオイルタンク35の容量は、後述するように2.5L程度であり、1〜2分程度の短時間でオイルタンク35へのオイルの供給を終了することができる。このオイルタンク35の容量は、アイドリング中に必要なオイルの流量と排出ガス量を測定する方法である10・15モードの走行途中でのアイドル停止時間が85秒程度であることから定めた容量であるが、これは容量を決定する一例であり、これに限られるものではない。
【0041】
なお、通常、オイルタンク35にオイルを供給するときのエンジン回転数は1000〜2000rpmであり、このときの油圧ポンプ14の吐出流量は12〜24L/minであるので、オイルタンク35にオイルを供給しても、他の油圧回路へのオイルの供給に支障が生じる恐れはない。つまり、変速機17の歯車の潤滑やクラッチの冷却のために、オイルを油圧回路から各構成部材に供給する必要がある。これは運転状態にかかわらず必要なオイルであり、このため、油圧回路内のオイルが油圧回路外に放出され、潤滑や冷却に用いられたオイル分を補給するため、油圧回路にオイルを供給する必要が生じるのである。前述の油圧ポンプ14のオイル吐出流量は、オイルタンク35にオイルを供給することを考慮しても他の油圧回路に供給するオイルの流量に影響の及ばない吐出流量である。
【0042】
したがって、逆止弁39は、油圧ポンプ14が稼動し、油圧ポンプ14からオイルが供給される時には、オイルタンク35へのオイルの供給を遮断し、オリフィス38を通過するオイルのみがオイルタンク35に供給されることになり、オリフィス38の形状によって、オイルタンク35に供給される流量を制御することができる。オリフィス38によってオイルタンク35への流量を制限することによって、油圧ポンプ14から他の構成に供給されるオイルの流量に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0043】
次に、車両が停車したアイドル停止時、つまり油圧ポンプ14が停止している時には、ボール39aに油圧がほぼ作用せず(たとえば、0.025MPa程度以下の油圧の場合)、ボール39aが重力により落下し、隔壁39bに接しているので、重力によってオイルタンク35内のオイルが逆止弁39を通過する。さらにオイルは、油圧ポンプ14方向に流れ、油圧回路33と41へ供給される。アイドル停止時にはライン圧制御弁60は、油圧回路33と油圧回路41とを連通する位置に維持され、マニュアル弁107も停止前の状態で維持されるため、ライン圧制御弁60とマニュアル弁107およびマニュアル弁107の下流にオイルが供給される。このようにして、オイルタンク35からのオイルは、油圧回路中で不足したオイルを補給することができる。
【0044】
このとき、油圧回路に供給されるオイルの流量は、通常のアイドル停止を行わない車両の車両停止時のアイドル状態(エンジンとオイルポンプとが稼動状態)で、図6に示すように約8L/minの流量である。対して本発明の車両停止時にエンジン1と油圧ポンプ14を停止するアイドル停止車両の場合には、オイルタンク35から供給されるオイルの油圧は、オイルが重力の作用によって逆止弁39を通じて供給されるので低く、その流量は後述するように最大約1.8L/minである。
【0045】
ここで、油圧回路に作用する油圧とオイルタンク35のオイルの流入、流出流量について説明する。
【0046】
図5は、車両走行時のオイルタンク35にオイルを供給する場合の油圧ポンプ14の吐出圧とオイルタンク35へのオイルの流量の関係を示している。車両の通常走行時の油圧回路に作用する油圧は、0.5〜1.5MPaであり、このとき直径φ1程度のオリフィス38からオイルタンク35に流入するオイルの流量は、オイルポンプの吐出圧とほぼ比例関係を示し、1.2〜2L/minとなる。
【0047】
一方、図6に示した車両停止時(エンジン1はアイドリング運転時)のオイルポンプの供給油圧は、通常0.45〜0.6MPa(流量にして8L/min)であり、これに対して油圧回路に補給すべき供給油圧は0.025MPaで、オイルポンプの供給油圧の1/20程度である。
【0048】
補給する油圧が、油圧ポンプ14の流量の1/20程度であれば、その流量はアイドル時にオイルポンプの吐出流量の1/20(オイルの粘性的に油圧比例で決まる場合)〜1/4.5(オリフィス的に油圧の平方根で決まる場合)となり、0.2〜1.8L/min程度の流量で足りることになる。したがって、重力によってオイルが1.8L/min程度流通する逆止弁39を設置すればよい。
【0049】
ここで、排出ガス量を測定する方法である10・15モードの走行途中でのアイドル停止時間が85秒程度であることを考慮して、オイルタンク35の必要容量は、約2.5Lとなる。なお、本実施形態のように変速機の上方にオイルタンク35を用いずに、通常のアキュムレータを用いた場合には、油圧回路に供給されるオイルの油圧が高くなり、潤滑や冷却に使用されるオイル量が増加し、よって補給するオイル量が増加することで、アキュムレータの容量が大型化し、車載が困難となり、または容量を維持したままでは、85秒間にオイルを供給することができないことになる。
【0050】
前述した流量の条件は、オイルポンプの性能やオリフィスの形状等によって定められるものであって、本実施形態は一例を示したに過ぎず、これらを考慮して最適な条件を見出せばよい。
【0051】
したがって、車両がアイドル停止中の油圧ポンプ14が稼動していない時に、変速機の上方に設置したオイルタンク35からオイルを重力によって変速機17に供給することができ、変速機の潤滑や冷却に用いられて減量したオイル分を補給することができる。これによりアイドル停止時の油圧回路内の油圧の低下を防止し、エンジン始動直後でもクラッチの係合遅れを防止し、エンジンの空吹けを防止できる。
【0052】
また、エンジン停止時に油圧回路にオイルを供給するための電動油圧ポンプやアキュムレータを用いる必要がないので、コストの低減が図れ、小型化でき、車両搭載性を向上できる。さらには、電動油圧ポンプ使用による電力の消費も回避できる。
【0053】
オイルタンクは、アキュムレータのような高い圧力を維持する構造を有する必要がないので、小型化および廉価にすることができる。
【0054】
オイルポンプとオイルタンクとを連通する油圧回路にオリフィスを設けたので、オイルタンクに供給されるオイルの流量を制御することができる。またオリフィスと並列にオイルタンクへのオイルの供給を遮断する逆止弁を設置したので、オイルタンクへのオイルの供給をオリフィスによってのみ制御することができるとともに、オイルタンクからオイルを逆止弁を通じて油圧回路に供給することができる。
【0055】
図7は本発明の第2実施形態を示している。これは、第1実施形態のオイルタンク35からオーバフローしたオイルをオイルパン32に戻す油圧回路36を廃止し、油圧ポンプ14からオイルタンク35に供給されるオイルをオイルタンク35の上方から供給する油圧回路40aとオイルタンク35のオイルを油圧回路33に供給する油圧回路40bを備える。ここで、油圧回路40aにオリフィス38が、また油圧回路40bに逆止弁39がそれぞれ設置される。さらに油圧回路40aのオイルタンク35側の出口部先端には、オイルタンク35へのオイルの流量を制御するためのフロート弁42が設置されており、オイルタンク35内のオイルの量が所定量に達した時に、油圧回路40aの出口を遮蔽し、オイルタンク35へのオイルの供給を停止する。なお、オイルタンク35へのオイルの供給を停止する手段としてフロート弁を用いたが、これに限らず、例えば電磁弁を用いることも可能である。
【0056】
この構成とすることにより、オイルのオーバフローのための油圧回路を廃止でき、簡素な構成とすることができる。
【0057】
図8に示す第3の実施形態は、第2の実施形態の構成に加えて、オイルタンク35内のオイルの流量を所定流量以上に調整するための油圧回路40cと、その油圧回路に切換弁43を設けた構成である。
【0058】
この構成とすることにより、変速機のオイルリザーバタンクとしての機能をオイルタンク35に備えることができる。
【0059】
本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内でさまざまな変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるアイドル停止車両の概略構成図である。
【図2】同じくアイドル停止時のオイル充填構造を説明する概略図である。
【図3】同じくアイドル停止時のオイル充填構造を説明する回路図である。
【図4】同じく逆止弁の構造を説明する図である。
【図5】同じく車両走行時のオイルタンクへ流入するオイル流量を説明する図である。
【図6】同じく車両アイドル停止時のオイルタンクから流出するオイル流量を説明する図である。
【図7】第2の実施形態のアイドル停止時のオイル充填構造を説明する回路図である。
【図8】第3の実施形態のアイドル停止時のオイル充填構造を説明する回路図である。
【符号の説明】
14 オイルポンプ
17 変速機
32 オイルパン
35 オイルタンク
38 オリフィス
39 逆止弁
Claims (3)
- 変速機と、エンジンにより駆動される油圧源と、油圧源からの油圧に基づいて前記変速機の変速を制御する油圧制御手段とを備え、所定の運転条件でエンジンの自動停止、自動再起動を行うアイドル停止車両において、
前記変速機の上方に配置され、前記油圧源から供給される作動油を貯留するオイルタンクを備え、
アイドル停止時に、前記オイルタンクから作動油を重力によって前記油圧制御手段に供給し、前記油圧制御手段は、動力伝達要素への油圧の供給を制御する第1制御弁と、この第1制御弁への油圧を制御する第2制御弁とを備え、アイドル停止中に前記第1、第2制御弁を開口することを特徴とするアイドル停止車両。 - 前記油圧源と前記オイルタンクとを連通する油圧回路と、この油圧回路に流量を制御する手段と、この流量制御手段と並列に前記オイルタンクから前記油圧源方向への作動油の流通のみを許可する一方向弁とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のアイドル停止車両。
- 前記オイルタンクの容量は、アイドル停止時間と、単位時間当たりに排出される作動油流量とに基づき算出されることを特徴とする請求項1に記載のアイドル停止車両。
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