JP3747040B2 - 還元性イオン水製造装置 - Google Patents
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また、摂取した糖質や脂質が細胞内で燃焼してエネルギーを産生するときには、酸性物質である二酸化炭素と乳酸が生成される。通常は生成した酸性物質は酸塩基平衡によって中和されたり、排泄されたりするが、血行障害が生じると酸性物質が蓄積して細胞内外の体液が酸性化し代謝酵素活性が著しく低下する。このような体液の酸性化が病気を引き起こす第2の要因となる。
ところが、化石燃料の燃焼や森林破壊のため大気中の炭酸ガス濃度が増加したり、オゾン層の破壊によって地上に到達する有害紫外線強度が強くなっている。このような大気汚染環境下で、マイナスイオン量が著しく減少し逆にプラスイオン量が増大している。また、電化製品の電磁波などによってもマイナスイオンが奪われている。このように、地球の環境破壊が拡大するに伴って、大気中のマイナスイオンが著しく減少して来ている。
こうした事態を改善するためには、良い自然環境で得られるものと同じ機能を持ったマイナスイオンを人体に供給することが望まれる。また、マイナスイオンを多量に含有する水を経口的に摂取しても体内の活性酸素を減少させることができる。
さらに、還元性マイナスイオン水を洗顔水としたり化粧水の下地として利用することにより、健康な美しい肌を維持する美容効果が期待できる。
結局、電子が供給されると酸素分子が還元して水分子に変化するので、水の酸化還元電位(ORP)は低下し、水素イオンが消費されるので水はアルカリ側に遷移する。ORPとは、簡単に言えば、溶液中の電子の量を反映するものと言うことができる。
この状態の水にさらに電子を加えると、水素イオンが還元されて水素原子になり、また活性水素の一部は結合して水素分子となる。このとき、水のORPはさらに低下し、pH値も一段と上昇する。この水を一般に還元水と呼ぶ。
近年、家庭などで使われる電解式の浄水器は、直流の負電極を水中に浸してpH値の高い還元水を生成させようとするものである。
開示された装置は、交流を昇圧した正弦波に近似した静電電圧を印加することにより水中の分子を解離しイオン化してマイナスイオンを生成する装置で、電子発生電極には必要なだけ電子が供給されるようになっている。
たとえば、特許文献2には、イオン交換樹脂を併用することにより緩衝物イオンを除去して効率よく電解を起こすようにした電解式浄水器が開示されている。
こうして得られた還元水と呼ばれる水について、還元能力を調べてみると、水道水と大きな差がないことが分かる。
さらに、従来型装置で生成したマイナスイオンは水道水中に存在する活性酸素を還元するどころか、活性酸素の量を増加させることが分かった。
従来の電解式浄水器を通した還元水と水道水についてORPを測定すると、水道水では619mVであるのに対して還元水では287mVと数値的にはある程度低くなったが、マイナスの値にはならなかった。
また、これらの水の還元力を推定するため、フェトン反応で発生した活性酸素種、すなわちヒドロキシルラジカル(・OH)に対する消去能を調べた。
そこで、過酸化水素とDMPOと試料水と硫酸第一鉄を取って、フリーラジカルモニタ(ESR)にかけると、試料のヒドロキシルラジカルスペクトルR1とR2が得られる。
また、溶存水素計を用いて溶存水素を測定すると、水道水と還元水はいずれも0.9ppbと同じ値になり、水素イオンに対する還元効果を奏していない。
このように、従来一般の電解式浄水器では、必ずしも還元性能が十分ではなく、還元水と呼べるものではないことが分かった。
なお、波形整形器は、電気絶縁性材料で形成した筐体の壁に互いに絶縁された1対の電極板を備え、電極板の間に所定の水分を含む多孔質粒子を充填し、所定の圧力を印加した上で気密に密閉して形成することができる。
波形整形器の出力電位は、−5000Vから−6000Vを中心とした±50Vから±150Vの範囲内で急峻な電圧低下端を有する鋸状波形であることが好ましい。
また、導電性容器には、円錐形凹みを備えて、ここに水を入れてマイナスイオン化するようにしてもよい。
水を入れた容器に陰極針を挿入して装置を稼働させると、マイナスイオンが陰極針から水中に供給される。
発明者らの研究によると、本発明の還元性イオン水製造装置で製造したマイナスイオン水は、従来のマイナスイオン発生装置で得られたものより酸化還元電位が還元側に低いばかりでなく、水中の溶存水素を測定すると、従来のものでは水素成分が検出されないのに、本発明のイオン水製造装置で製造したマイナスイオン水では溶存水素が大量に検出されている。溶存水素は水素イオンが還元されて生成されたものと考えられることから、本発明の装置で製造したイオン水は還元性が格段に強いことが分かる。
なお、活性酸素量も、従来装置で得られたマイナスイオン水中ではかえって増加するのに対して、本発明の治療器で得られてマイナスイオンを含む水では顕著に減少していることからも、還元性に大きな差があることが認められる。
しかし、次のような作用機構が考えられる。
陰極針の静電電位が上昇してある閾値を超えると陰極針周辺の分子に電子を移転してイオン化することにより放電が起こり、静電電位値が低下する。波形整形器の電気容量は大きくないので、陰極針に貯留していた電子量は限りがあり、したがってイオン化する分子の数は制限される。放電が止まる電位まで低下すると、陰極針には波形整形器の高抵抗を介して電子が注入されているのでマイナス電位が徐々に上昇する。
これに対して、コロナ放電などにより分子が解離して生成するマイナスイオンは、一緒に生成するプラスイオンが近辺に存在するため、直ちに合体して消滅する場合が多く、寿命が短いものと思われる。
波形整形器は、電気絶縁性材料で形成した筐体の壁に互いに絶縁された1対の電極板を備え、電極板の間に所定の水分を含む多孔質粒子を充填し、所定の圧力を印加した上で気密に密閉することにより形成することができる。
なお、多孔質粒子を中蓋で押すと電気抵抗値が変化するので、一方の電極板に高電圧を接続して他方の電極板の電圧を観察し適当な電圧降下になる圧力を掛けた状態で固定するようにすれば再現性良く波形整形器を調製することができる。
この範囲内では、マイナスイオン発生の効率が特に高い。なお、中心電圧が−4000V以下ではマイナスイオン発生効率が低くなる。
特に、導電性容器に円錐形の窪みを設けて、ここに水を入れるようにしたものでは、電圧を印加した陰極針を水の入った窪みの中心線にそって沈めていき、放電する音が聞こえた位置で止めて固定するようにすれば、最も良好な運転状態を再現して高収率で還元水を得ることができる。
このように、本発明の還元性イオン水製造装置により強い還元力を有する還元水を効率よく製造することができるようになった。
図1から図5は本発明に係る還元性イオン水製造装置の実施例に関する図面、図6は還元性イオンの人体への影響を検証する実験結果を示す図面である。
図1は本実施例の還元性イオン水製造装置のブロック図、図2は導電性容器の斜視図を含んだ等価回路図である。
還元性イオン水製造装置の要部は、電源アダプタ1、直流高負電圧発生器2、波形整形器3、陰極針4、導電性容器5から構成される。
図3は、本実施例に使用する波形整形器の1例で、図示した波形整形器3は、たとえば合成樹脂で形成された非導電性の筐体31と内蓋32で気密の空間を形成し、この気密な空間に所定の水分を含有した多孔質粒子33を詰めたものである。
外蓋34は、内蓋32の中側と外気との気通を防止して内部構造が確定した後で回路特性が変化しないようにするため、および内蓋32の調整位置が変化しても素子の外観が変わらないように形状を整えるために設けられる。
多孔質粒子33として利用する軽石の石粒は、筐体31内に詰める前に、十分に水洗いした上たとえば相対湿度62%に調整した恒温恒湿槽内に長時間滞在させることにより、細孔内部まで適度な水分を行き渡らせて電気特性を目的に即したものにしておく。
なお、軽石は形状や大きさが不定で表面が適当に柔らかいため、一旦相互の位置関係が収まると、その後は位置が変化しにくく、波形整形器3としての回路特性も変化しにくい。
100Hz近辺の低周波領域における電気伝導度すなわちコンダクタンスGは1.8×10−8S(=56MΩ)程度であるが、周波数の増加に伴って上昇し、10MHz付近でほぼ10−5S(100kΩ)まで変化する。なお、50MHz付近からコンダクタンスが急増して電子を通りやすくすることが読みとれる。
一方、電気容量すなわちキャパシタンスCは、低周波領域で15pF程度であるが、周波数の増加に伴って緩やかな曲線を描いて低下し、500kHz付近から3pF程度に収束する。なお、電気容量も50MHz付近から急増するような特性を示している。
しかし、極く単純化して言えば、波形整形器3はたとえば図2中に示すような自動可変コンデンサ41と自動可変抵抗42の並列回路で表現することができる。たとえば、10kHz付近では5pF、1MΩ程度に調整される。
図5は、好適例として軽石を用いた波形整形器を組み込んだ装置について、イオン化処理中に陰極針4に印加される電圧波形、すなわち波形整形器3の出力波形を観察した結果である。横軸に時間の経過を100μs/divで示し、縦軸に電圧変化を示す。
比較の対象とするイオン水は、本実施例と対比しやすいように、本実施例に使用する陰極針4と導電性容器5に水道水を入れて処理したものとした。
得られた測定値はケースによって若干異なるが、いずれの場合もほぼ同様の傾向を示した。
得られる測定値はケースによって若干異なるが、いずれの場合もほぼ同様の傾向を示す。
本実施例の装置により得られた還元イオン水は、正しく還元作用を起こすので、飲用することにより体内のマイナスイオンを増加させて活性酸素などの酸化作用を抑制し、病気に対する自然治癒力をサポートする。
実験は、10人の被験者を還元イオン群と対比群の2群に分けて、還元イオン群の被験者を波形整形器を付けた装置で還元イオンを雰囲気中に供給した部屋に収容し、対比群の被験者を従来型の換気用送風機を用いた部屋に収容して、被験者ごとに22時30分頃と翌朝7時頃に特性値を測定し特性値変化を評価するものである。被験者にはどちらの部屋に収容されているかを知らさないで試験を行った。
図6(1)は、被験者ごとに試験前と試験後の血液のpHを測定して試験によるアルカリ化の度合いを調べた結果で、図中左側に表した対比群の5人が全て血液を酸性化しているのに対して、右側に表した還元イオン群では1人が変化がない他は全ての被験者がアルカリ化している。これから、本実施例の装置は人の血液をアルカリ化する効果があることが明確になった。
図6(2)は、リンパ球数に対する影響を測定した結果である。対比群の被験者は全てリンパ球数が減少しているのに、還元イオン群では全てが増加している。
図6(3)は、乳酸値の変化を測定した結果である。ここでも、対比群の被験者が乳酸値を増加させているのに、還元イオン群では全ての被験者が乳酸値を大きく減少させている。
図6(5)は、血糖値への影響を調べた結果である。対比群では一部に血糖値を大きくしたものもいるのに対して、還元イオン群では全ての被験者が血糖値を減少させ、減少量も大きい。
図6(6)は、血液中の好中球(白血球)への影響を調べた結果である。ここでも、対比群が全て増加させているのに対して、還元イオン群の被験者は全て減少させている。
また、健康な者に対しても健康を保持する効果がある。さらに、還元イオン水を直接皮膚に用いたり化粧液の溶液基剤として用いたりすることにより美容にも効果がある。なお、還元イオン水の効果は、人以外の動物や植物にも効果が期待される。
また、波形整形器として、多孔質粒子を詰める空間が単純な直方体になっているものを示したが、電子流路をより長くして絶縁破壊を防止するため、筐体内に適宜仕切板を仕込んで流路がジグザグになるようにしても良い。流路が長くなれば、電流路の単位長さあたりの電界強度が減少するので、局所的な絶縁破壊を防止して、安定な電流を確保することができ、素子の寿命も長くなる効果がある。
また、導電性容器は円錐型の窪みを付けたものとしたが、たとえば楔状の溝として、いくつかの陰極針が溝の壁と平行に並ぶようにしてもよい。また、窪みに水の入り口と出口を備えて、連続的に被処理水を供給し、処理後の還元イオン水を連続的に取り出すようにしても良い。
2 直流高負電圧発生器
3 波形整形器
4 陰極針
5 導電性容器
6 水
31 筐体
32 内蓋
33 多孔質粒子
34 外蓋
35,36 電極板
37 接着剤
38,39 リード
41 自動可変コンデンサ
42 自動可変抵抗
Claims (6)
- 負電圧出力端子とアース端子を備えて高電圧直流電気を供給する高電圧直流電源と、電極間の抵抗値が高い容量性の回路素子であって該高電圧直流電源の入力端子に接続して入力した電気出力波形を整形し安定した高電圧パルスを生成する波形整形器と、該波形整形器の出力端子に接続して前記高電圧パルスを出力する陰極針と、前記アース端子に接続された導電性容器を備えた装置であって、前記導電性容器に水を張って前記陰極針を挿入し前記高電圧パルスを印加して還元性イオン水を製造する還元性イオン水製造装置。
- 前記波形整形器は、前記高電圧電源から入力した電気出力波形を整形し急激な電圧降下端を持ちその後ほぼ直線的に電圧を回復する周期がほぼ50μsから150μsの安定した高電圧パルスを生成することを特徴とする請求項1記載の還元性イオン水製造装置。
- 前記波形整形器が、電気絶縁性材料で形成した筐体と、該筐体の壁に互いに絶縁された1対の電極板を備え、該電極板の間に所定の水分を含む多孔質粒子を充填し、所定の圧力を印加した上で気密に密閉したものであることを特徴とする請求項2記載の還元性イオン水製造装置。
- 前記多孔質粒子が軽石の石粒であることを特徴とする請求項3記載の還元性イオン水製造装置。
- 前記波形整形器の出力電位がほぼ−6000Vを中心とした±50Vから±150Vの範囲内で急峻な電圧低下端を有する鋸状波形となることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の還元性イオン水製造装置。
- 前記導電性容器が水を入れる円錐形凹みを有することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の還元性イオン水製造装置。
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