JP6252955B2 - ナノバブルによる殺菌方法及びこれに用いるナノバブルの発生装置 - Google Patents
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Description
本発明は、ナノバブルによる殺菌方法及びこれに用いるナノバブルの発生装置に関し、特に、通電方式によるナノバブル発生装置によって生成されるナノバブルによる殺菌方法に関する。
ナノ、マイクロバブル水は、現在、食品(殺菌)飲料水、化粧品、液晶製造、医療(殺菌、細胞保存、抗菌作用)水産資源・植物栽培(溶材酸素工場、成長促進)、電子機器基板等の洗浄、海洋環境・船体の摩擦抵抗低減化など多彩な分野からその活用が期待されるに至っている。
そして、種々の構成のナノバブルの製造装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。特許文献1は、殺菌水の製造装置を開示し、その構成は、有効塩素含有水を気体と混合し、スタティックミキサー内で渦のせん断力によって気泡を破細する。その後、絞り弁を通過する際、溶液を大気圧へ解放し、過飽和状態となった気体をマイクロバブルとして再気泡化させ、これに更に超音波エネルギーを供給するという装置である。
特許文献2に記載の装置は、液体を分流し、分流の一方側で気体と混合しマイクロバブルを生成し、再度合流させ、孔付き板と、それに近接して設けられる衝突板に供給してナノバブルを製造する構成である。
さらに、特許文献3に記載のナノバブル発生装置は、加圧した気体をノズルより液体中に放出して高速の気流とすることにより、液体と気体の摩擦を発生させて、気体をせん断することでナノバブルを発生させるものである。
しかし、上記のように、これまで提案されているナノバブル発生装置は、いずれも気体と液体を混合する構成を有し、その際、生成される気泡を更に、剪断力により破断し、あるいは衝突板に衝突させ、あるいは気体と液体との摩擦により、ナノバブルを生成する構造である。
かかる構造から、小型化を目指しているが、構造が複雑となり、一般家庭、病医院等で使用可能なような小型化を実現することは難しい。
本発明は、電解質イオン中で通電することにより水は電気分解され気泡が生じる。そして、本発明者等は、この気泡の大きさは、電極間の通電条件を変えることにより、制御出来ることを発見した。さらに、バブルの生成から所定時間後にナノバブルの密度が高く殺菌効果が高いことを確認した。したがって、本発明の目的は、通電方式によるナノバブル発生装置により生成されるナノバブルによる殺菌方法を提供することにある。
上記目的を達成する本発明に従う通電方式による発生装置によって生成されるナノバブルによる殺菌方法の第1の側面は、第1の電極棒と、前記第1の電極棒と異なる種類の第2の電極棒を有し、前記第1の電極棒と第2の電極棒は、間隔を置いて並行に配置され、更に、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に、直流電流を供給する電源を有し、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒は、電解質イオン水中で前記電源により通電されるバブル発生装置によりバブルを発生させ、時間経過において密度の高くなる320nmを中央値とする200〜400nmのナノバブルにより嫌気性菌を含む菌全般を殺菌することを特徴とする。
上記目的を達成する本発明に従う通電方式による発生装置によって生成されるナノバブルによる殺菌方法の第1の側面において、前記時間経過は、前記バブル発生後15〜30分経過後であることを特徴とする。
上記目的を達成する本発明に従う通電方式による発生装置によって生成されるナノバブルによる殺菌方法の第2の側面は、第1の電極棒と、前記第1の電極棒と異なる第2の電極棒を有し、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒は、間隔を置いて並行に配置され、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に直流通電してバブルを発生する装置を用いた殺菌方法であって、前記第1の電極をチタンで陽極側の電極棒とし、前記第2の電極棒を白金で陰極側の電極棒とし、前記チタンの電極棒と前記白金の電極棒を電解質イオン水中で前記電源により通電してバブルを発生させ、前記バブルの発生から15〜30分後の密度の高くなる320nmを中央値とする200nm〜400nmのナノバブルを殺菌に使用することを特徴とする。
本発明に従う通電方式による発生装置によって生成されるナノバブルによる殺菌方法は、簡易な構造でナノバブルを発生することが可能で有り、発生したナノバブルの殺菌能が確認された。よって、ナノバブル発生装置は、種々の適用が可能である。
以下に図面に従い、本発明に従うナノバブルによる殺菌方法及びこれに用いるナノバブルを発生する通電方式によるナノバブル発生装置について説明する。
図1は、本発明に従うナノバブルによる殺菌方法に用いる通電方式によるナノバブル発生装置の適用実施例の概略構成を示す図である。図1に示す例は、本発明のナノバブルによる殺菌方法に用いるナノバブル発生装置をポット容器に組み込んで、例えばうがい水の製造器として構成したものである。
蓋付きの注ぎ口を有するポット容器2内に、本発明のナノバブル発生装置1が固定して組み込まれている。ポット容器2内に、電解質イオン水3、例えば、通常の水道水を満たす。
ナノバブル発生装置1にはAC100V電源を直流に変換するAC/DCコンバータ10が接続されている。
図2は、かかるポット容器2内に組み込まれている本発明に従うナノバブルによる殺菌方法に用いる通電方式によるナノバブル発生装置の構成例である。
2種類の異なる導電棒12、13が交互に平行に配列され、複数の導電棒12の端部が、一端側で、共通電極14に接続されている。一方、複数の導電棒13の端部が、反対側端部で共通電極15に接続されている。共通電極14、15側は、それぞれ絶縁性支持体11L、11Rにより固定されている。
電極となる導電棒12、13として白金、金、チタンなど身体に優しい金属が使用できる。また浄水の目的ではアルミ、ステンレス等多様な金属が使用できる。特に、銅は殺菌性が強い金属と考えられる。この様な金属の特性から目的に応じた電極材料の選択が可能である。
ここで、導電棒12、13の断面形状として円形の他に、四角形と多角形とすることが可能である。
さらに、実施例としては、陽極(+)側に接続される導電棒12としてチタンの金属棒を使用し、陰極(−)側に接続される導電棒13として白金の金属棒を使用している。導電棒13が白金のみであると高価であるので、チタンの金属棒の表面に白金をコーティングしたものであっても良い。また、上記の通り、チタンと白金の代わりに、アルミおよびステンレス金属等アレルギーを考慮した電極であれば、いずれにも代替が可能である。
また、陽極(+)側と陰極(−)側の対応を相互に入れ替えても作動可能である。
さらに、絶縁性支持体11Rの部分で、AC/DCコンバータ10の出力が、導電棒12側に陽極(+)側電極、導電棒13側に陰極(−)側電極が対応する様に接続される。
AC/DCコンバータ10は、例としてAC100V電源をDC12V、0.2Aの電圧に変換する。
この様な構成で、2種類の異なる導電棒12、13が交互に平行に配列された状態のナノバブル発生装置1を電解質イオン水中に配置し、直流電流を供給する。これにより、電解質イオン水が電気分解されて気泡が発生する。
図3は、理解容易なように気泡が発生した様子を示す図である。ビーカー4に電解質イオン水(水道水)を満たし、本発明に従う図2に示したナノバブル発生装置1を電解質イオン水中に浸して気泡を発生させた状態である。後に説明するように、上部の白い部分が気泡であり、400nmより大きい径のマイクロバブルが主体である。さらに、400nm以下の径のバブルが水中に存在する。
[ナノバブル水のバブル形態観察及び分布状況]
ここで、上記の図2の構成のナノバブル発生装置1を用いて、電解質イオン水によりナノバブル水を生成した。電極棒として、1mm径のチタン電極棒と白金電極棒を用い、平行する電極棒間の間隔を1mmとした。チタン電極棒を陽極、白金棒を陰極に対応させて直流電流(DC12V、0.2A)を供給した。
ここで、上記の図2の構成のナノバブル発生装置1を用いて、電解質イオン水によりナノバブル水を生成した。電極棒として、1mm径のチタン電極棒と白金電極棒を用い、平行する電極棒間の間隔を1mmとした。チタン電極棒を陽極、白金棒を陰極に対応させて直流電流(DC12V、0.2A)を供給した。
ファイバー光学動的光散乱光度計(大塚電子八王子研究所パーティクルカウンタ)を用いて測定した。サンプルは、ナノバブル発生装置1で20分間バブルを発生後、5、15、30、45、60分経過後におけるバブル形状を観察測定した。その後のバブルの存在は、ペン型赤色レーザー発光器により肉眼で確認した。
図4、図5、図6、図7は、それぞれナノバブル発生装置1で20分間バブルを発生後、5分、15分、30分及び60分経過後におけるバブル粒径値と散乱強度分布の関係を示すヒストグラムである。
図4において、ナノバブルは、320nmを中央値とする200〜400nmに分布していた。さらに時間経過後の図5〜図7からバブル発生当初は、マイクロバブルが多く混在するが、図6に示す30分経過後の散乱強度分布としてナノバブル密度が最も高かった。
図8は、上記図4から図7の散乱強度分布を重ね書きした折れ線グラフである。このグラフからナノバブルが320nmを中央値とする200〜400nmに分布していることが判る。
上記の観察において、バブル発生器には、1μm以上のマイクロバブルが混在している。
そして、マイクロバブルは1時間程度掛けて次第に浮き上がり消失する。はじける前のバブルに火を近づけると小さく引火して破裂する。したがって、バブルは、水素ガスのバブルと考えられる。
バブル発生時、電解質イオン水は、図3に示したようにマイクロバブルにより上層部が白濁するが、次第に消失し全体が透明になりナノバブルだけが残存する。ナノバブルは、視認できず、上記のとおりレーザー光照射によって気泡を光らせることで存在が確認出来た。24時間以降もレーザー光によるナノバブルは確認出来たが密度は下がっていると思われる。
結果として、200nm〜400nmのナノバブル水は発生15〜30分が最も高く、しだいに密度を下げて行く傾向が窺えた。したがって、使用目的によっては、短時間で使い切ることが望ましいと考えられる。
[ナノバブル水の殺菌能]
次に、上記のとおり、作業時間を考慮して、散乱強度分布としてナノバブル密度が最も高かったバブル発生後20分経過時のナノバブル水を使用して、その殺菌能比較試験を行った。
次に、上記のとおり、作業時間を考慮して、散乱強度分布としてナノバブル密度が最も高かったバブル発生後20分経過時のナノバブル水を使用して、その殺菌能比較試験を行った。
1)科学的性状
次の4種類の性状の資料を用意した。
a)煮沸による脱塩処理した電解質イオン水(原水)
b)煮沸による脱塩処理したナノバブル水
c)未処理の原水
d)未脱塩処理のナノバブル水
上記4種類の資料の科学的性状は次の様であった。
水温(℃) pH 有効塩素濃度(mg/ml) オゾン濃度(mg/ml)
a) 24.4 6.6 0 0
b) 24.5 6.7 0 0
c) 24.1 6.5 0.30 0
d) 24.6 6.6 0.35 0
次の4種類の性状の資料を用意した。
a)煮沸による脱塩処理した電解質イオン水(原水)
b)煮沸による脱塩処理したナノバブル水
c)未処理の原水
d)未脱塩処理のナノバブル水
上記4種類の資料の科学的性状は次の様であった。
水温(℃) pH 有効塩素濃度(mg/ml) オゾン濃度(mg/ml)
a) 24.4 6.6 0 0
b) 24.5 6.7 0 0
c) 24.1 6.5 0.30 0
d) 24.6 6.6 0.35 0
2)殺菌率(3系統の平均値で算出)
Staphylococus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 500,000 290,000
b) 500,000 34,000 88%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Escherichia coli NBR3972(大腸菌)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 450,000 420,000
b) 450,000 200,000 52%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Aggregatibacter actinomycetemcomitans(歯周病菌一)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 1,300,000 1,100,000
b) 1,300,000 120,000 89%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Porphyromonas gingivalis JCM12257(歯周病菌二)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 480,000 50,000
b) 480,000 <10 99.98%
(10として算出)
c) 480,000 10
d) 480,000 <10 c)の対照が検出以下のため算出不能
上記試験に基づいて、次のように纏められる。
Staphylococus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 500,000 290,000
b) 500,000 34,000 88%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Escherichia coli NBR3972(大腸菌)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 450,000 420,000
b) 450,000 200,000 52%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Aggregatibacter actinomycetemcomitans(歯周病菌一)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 1,300,000 1,100,000
b) 1,300,000 120,000 89%
c)、d)は、有効塩素濃度が有り、検出下限以下
Porphyromonas gingivalis JCM12257(歯周病菌二)については、次の様であった。
菌数:時間(0分) 10分処理 殺菌率
a) 480,000 50,000
b) 480,000 <10 99.98%
(10として算出)
c) 480,000 10
d) 480,000 <10 c)の対照が検出以下のため算出不能
上記試験に基づいて、次のように纏められる。
本発明に従うナノバブルによる殺菌方法に用いるナノバブル発生装置の原理は、通電方式によるナノバブル発生方式であり、電解質を含む水の電気分解を原理とする。したがって、水素を含むバブルが上昇・圧壊した後、水中に残存するバブルは、マイナスイオンに取り囲まれた酸素のナノバブルと考えられる。マイナスイオンに取り囲まれた酸素の微粒気泡は、プラス荷電の種々の菌と電気的に会合し易いと考えられる。
酸素を主体とするナノバブル中にオゾンは検出されなかった。原水に含まれる塩素はバブル化しても減退せず、ナノバブル水の殺菌能検討には脱塩素する必要が認められた。
脱塩素電解質イオン水を用いたナノバブル水により以下の結果が導かれた。
図4〜図7のヒストグラムにおけるバブルの散乱強度分布から、よりバブルが高密度となるバブル発生後実質20分前後のものを使用し、対象試験菌にナノバブル水を10分間被爆させ、菌数の増減を検討した。
その結果は、次の通りであった。すなわち、Escherichia coli NBR3972(大腸菌)の殺菌率は52%、Staphylococus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)の殺菌率は88%、Aggregatibacter actinomycetemcomitans(歯周病菌一)は89%、Porphyromonas gingivalis JCM12257(歯周病菌二)は99.98%である。
10分被爆で常在菌叢をある程度残し、菌数を整える目的に十分な制菌効果が得られると判断できる。
また、菌の大きさは、Staphylococus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)が1×1μm、Escherichia coli NBR3972(大腸菌)が1×2〜6μm、そしてAggregatibacter actinomycetemcomitans(歯周病菌一)が0.1×0.2μmであり、菌の大きさが殺菌率に影響していると考えられる。
対象菌としてEscherichia coli NBR3972(大腸菌)は、一般細菌の指標として検討したものであり、口腔内の意義は、少ないと思われる。また、ナノバブル水の身体全体の洗浄等の応用には、被爆時間との関係もあり検討を必要とする。
一方、小型の菌で口腔内の常在菌であるStaphylococus aureus NBRC12732(黄色ブドウ球菌)には効率に殺菌効果を示した。さらに、歯周病の原因菌であるAggregatibacter actinomycetemcomitansにも効率に殺菌効果を示した。
上記結果は、ナノバブルの殺菌能は菌の大きさに依存し、ナノバブルが菌と会合出来れば十分な殺菌性を発揮できると推察された。
一般的にナノバブルは、液層への浸透性が高く粘液内にも移行しやすいと言われている。歯周病の炎症部位は、歯間に満たされる粘液深部に嫌気性の歯周病菌が介在することにより慢性炎症を引き起こす。標準的な治療は隙間の歯垢を掻き出すものである。治療により歯間部が広げられると歯周病菌は更に深部に進み、口腔内環境が更に悪化する可能性がある。
ナノバブルは粘液中に浸透し嫌気性環境に巣くう歯周病菌にナノ泡粒として会合することが想定され、嫌気性の口腔内環境を改善することが期待される。
[具体的な適用例]
次に、上記した本発明の、ナノバブル発生装置1により生成されるナノバブルによる殺菌方法の制菌能を考慮した具体的な適用例について更に説明する。
次に、上記した本発明の、ナノバブル発生装置1により生成されるナノバブルによる殺菌方法の制菌能を考慮した具体的な適用例について更に説明する。
図9A、図9Bは、図1の実施例構成に対して、携帯容易な構造にしたナノバブル発生装置1の実施例構成である。図9Cは、図9A、図9Bの実施例構成の使用形態を説明する図である。
図9Aは、コードレスでバッテリを有する形態、図9Bは、電源コードを通し、商用電源で使用する形態である。
図9A、図9Bにおいて、ナノバブル発生装置1は、ナノバブル発生部Iと本体部IIを有する構造である。ナノバブル発生部Iは、2種類の電極棒12,13を有し、2本の第1の種類の電極棒12と、第1の種類と異なる第2の種類の電極棒13を交互に平行に間隔を置いて並ぶように端部が固定部11で固定されている。第1の種類の電極棒12と、第1の種類と異なる第2の種類の電極棒13を入れ替えて配置してもよい。
さらに、2種類の電極棒12,13のそれぞれを1本ずつとして、平行に並べて対にした構成でもよい。ただし、この場合は、同じ電流では、バブル発生に要する時間が長くなる。
図9Aの構成例では、本体部IIには、電源部としてバッテリ20が収納され、更に詳細図示を省略しているが、バッテリ20の出力電圧を昇圧する昇圧回路、タイマーそして、電流制御としてPWM(パルス幅制御)機能を有する制御部22を有する。電圧及び、電流更に通電時間が制御される、制御部22の陽極(+)出力端子と、陰極(−)出力端子が、それぞれ第1の種類の電極棒12と第2の種類の電極棒13に接続される。
制御指示部21により、前記電圧及び、電流更に通電時間の設定が使用者により行われる。
なお、バッテリ20は、乾電池、あるいは充電可能なバッテリとすることが出来る。
図9Bは、商用電源で使用する形態であり、100Vの商用電源をAC/DCコンバータ23を通して、本体部IIの制御部22に入力する。本体部IIの制御部22は、図9Aについて説明したと同じであるので、同様の説明は省略する。
図9Cは、図9A、図9Bに示した携帯容易な構造にしたナノバブル発生装置1の使用方法である。
コップ24に水道水を満たし、これに制御指示部21により電圧、電流、更に動作時間を設定してナノバブル発生装置1のナノバブル発生部Iをコップ内に浸ける状態にする。これにより、先に図1〜図3において説明したように、コップ内の水道水にナノバブルが発生する。したがって、コップ内に発生したナノバブル水は、上記したようにその殺菌能力が確かめられたので、口腔内洗浄に使用することが出来る。
図10は、ナノバブル発生装置1を利用した、据え置き型のナノバブル水を提供する装置の実施例構成を示す図である。
筐体内にナノバブル発生装置1を水26が満たされたタンク25内に配置する。このナノバブル発生装置1には、先の実施例構成で説明したように、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ23により得られる直流電圧が、制御部22を通して供給される。
制御部22により、ナノバブル発生装置1への直流電流の大きさ、供給時間が制御される。制御部22は、更に、ポンプ27を駆動する電力を供給する。ポンプ27は、水タンク25と導水管により繋がれているので、制御部22により制御されて、水タンク25内のナノバブル水を吸い上げて、配管28を通して、排出する。したがって、排出されるナノバブル水をコップ24で受けて、飲料あるいは、口腔内洗浄に使用することが出来る。
さらに、図11は、他の適用例であり、ナノバブル水により、バスタブ内の湯を正常に保つためのシステムに本発明に従うナノバブル発生装置1を用いる構成例である。
すなわち、かかる図11の構成ではバスタブ30内に張られた湯水31中に、ナノバブル発生装置1を沈める。この時、入浴者の体とナノバブル発生装置1の電極とが接触しないように、絶縁体の外装に覆われるようにしている。
外部には、防水ボックス32を有し、防水ボックス32内に、商用電源から供給される交流電圧を直流電圧に変換するAC/DCコンバータ23により得られる直流電圧により充電されるバッテリ20と、制御部22を有する。したがって、バッテリ20と、制御部22は、防水ボックス32の防水構造で保護される。
すなわち、商用電源から切り離されて防水ボックス32のみを浴室内に置くことができる。防水ボックス32内の制御部22により、先の構成例と同様に、PWM機能を有してバスタブ内のナノバブル発生装置1に供給される直流電流が制御される。
上記したように、本発明に従うナノバブルによる殺菌方法に用いるナノバブルの発生装置は、簡易な構造でナノバブルを発生することが可能であり、発生したナノバブルの殺菌能が確認された。よって、上記したように生成されたナノバブルの殺菌能を考慮して、種々の適用が可能である。一例として、ナノバブル水を飲料として、あるいはナノバブル水を使用する種々の洗浄装置を構成して提供することが可能である。
1 ナノバブル発生装置
2 ポット容器
3 電解質イオン水
10、23 AC/DCコンバータ
11L、11R 電極棒支持体
12 陽極側電極棒
13 陰極側電極棒
14、15 共通電極
20 バッテリ
21 制御指示部
22 制御部
2 ポット容器
3 電解質イオン水
10、23 AC/DCコンバータ
11L、11R 電極棒支持体
12 陽極側電極棒
13 陰極側電極棒
14、15 共通電極
20 バッテリ
21 制御指示部
22 制御部
Claims (7)
- 第1の電極棒と、前記第1の電極棒と異なる種類の第2の電極棒を有し、前記第1の電極棒と第2の電極棒は、間隔を置いて並行に配置され、更に、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に、直流電流を供給する電源を有し、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒は、電解質イオン水中で前記電源により通電されるバブル発生装置によりバブルを発生させ、
時間経過において密度の高くなる320nmを中央値とする200〜400nmのナノバブルにより嫌気性菌を含む菌全般を殺菌する、
ことを特徴とするナノバブルによる殺菌方法。 - 請求項1において、
前記時間経過は、前記バブル発生後15〜30分経過後である、
ことを特徴とする通電方式によるナノバブルによる殺菌方法。 - 第1の電極棒と、前記第1の電極棒と異なる第2の電極棒を有し、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒は、間隔を置いて並行に配置され、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に直流通電してバブルを発生する装置を用いた殺菌方法であって、
前記第1の電極をチタンで陽極側の電極棒とし、前記第2の電極棒を白金で陰極側の電極棒とし、
前記チタンの電極棒と前記白金の電極棒を電解質イオン水中で前記電源により通電してバブルを発生させ、
前記バブルの発生から15〜30分後の密度の高くなる320nmを中央値とする200nm〜400nmのナノバブルを殺菌に使用する、
ことを特徴とするナノバブルによる殺菌方法。 - 請求項1のナノバブルによる殺菌方法に用いるナノバブルの発生装置であって、
所定容器と、
第1の電極棒と、
前記第1の電極棒と異なる種類の第2の電極棒を有し、
前記第1の電極棒と第2の電極棒は、前記所定容器内に間隔を置いて並行に配置され、
更に、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に、直流電流を供給する電源を有し、
前記第1の電極棒と前記第2の電極棒に、電解質イオン水中で前記電源により通電してバブルを発させ、
嫌気性菌を含む菌全般を殺菌するための、時間経過において密度の高くなる320nmを中央値とする200〜400nmのナノバブルを生成する、
ことを特徴とするナノバブルの発生装置。 - 請求項1のナノバブルによる殺菌方法に用いるナノバブルの発生装置であって、
第1の電極棒と、
前記第1の電極棒と異なる種類の第2の電極棒を有し、
前記第1の電極棒と第2の電極棒は、間隔を置いて並行に配置され、
更に、前記第1の電極棒と前記第2の電極棒間に、直流電流を供給する電源を有し、
前記第1の電極棒と前記第2の電極棒に、電解質イオン水中で前記電源により通電してバブルを発させるナノバブル発生装置と、
前記ナノバブル発生装置により発生されるナノバブルであって、時間経過において密度の高くなる320nmを中央値とする200〜400nmの、嫌気性菌を含む菌全般の殺菌を行うためのナノバブルを被殺菌対象に供給する手段を有する、
ことを特徴とするナノバブルの発生装置。 - 請求項4又は5において、
前記時間経過は、前記バブル発生後15〜30分経過後である、
ことを特徴とするナノバブルの発生装置。 - 請求項4又は5において、
前記第1の電極をチタンで陽極側の電極棒とし、前記第2の電極棒を白金で陰極側の電極棒とする、
ことを特徴とするナノバブルの発生装置。
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