JP3746809B2 - 電話線インターフェース回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電話線インターフェース回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話線に接続されている電話機は、通常、電話線への信号帯域において、ある直流特性および規定された交流インピーダンスとを示さなければならない。これら直流特性および交流インピーダンスの仕様は国毎に異なっている。
【0003】
電話機は、その受信経路において、それ自体が送信する信号よりもレベルを低下させる装置も含まなければならない。この装置が電話線によって電話機に与えられるインピーダンスに感応することは避けられない。理想的なのは、使用される電話線によって与えられるインピーダンスに対して、電話機はそれ自体の送信信号を最もよく除去するように設計されることである。これを「最良混成平衡(best hybrid balance)」と呼ぶ。例えば、Motorola TCA3386およびTCA3388のような従来の回路では、2つのインピーダンス・ネットワークの加重加算(weighted sum)を用いて混成平衡インピーダンスを規定することによって、これを近似している。この手法は、受信路の利得が周波数に依存するようになること、および電話線に与えられるインピーダンスを規定するのに必要なインピーダンス・ネットワーク以外にも余分なインピーダンス・ネットワークを必要とするという欠点がある。これらの欠点は、多数の国で携帯用に用いることができるように設計されるプログラマブルな機器(programmable equipment)においては、各国毎に異なるネットワークが必要となるため重大である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上述の欠点を少なくとも軽減するか、或いは克服することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明は、電話線に結合するための送信経路と、前記電話線に結合するための受信経路とを有する電話線インターフェース回路を提供する。前記送信経路は、前記電話線に結合するための出力と、送信された信号を受信する第1入力と、交流および直流線電圧信号と交流および直流線電流信号とから成る第1加算信号を受信する第2入力とを有する第1増幅手段と、前記電話線を介して前記第1増幅手段の出力と前記第2入力との間に結合され、前記第1加算信号を前記第1入力における信号に実質的に等しく制限するフィードバック手段とから成る。また、前記受信経路は、前記第1加算信号を受信する第1入力と、前記交流および直流線電流信号と前記直流線電圧信号とから成る第2加算信号の実質的に2倍を受信する第2入力と、受信信号を供給する出力とから成る。このような構成により、前記電話線インターフェース回路は電話線に対して所定のインピーダンスを与えると共に、前記電話線のインピーダンスが実質的に前記所定インピーダンスに等しい時は、混成平衡を得るようにしたものである。
【0006】
一実施例では、前記交流線電流信号は、所定インピーダンスが複素数となるようなリアクタンス性素子(reactive elements)を含むネットワークを通じて前記電話線から得られる。前記ネットワークは、交流線電流信号に切り替え可能な複数のネットワークの内の1つであり、切り替えにより前記ネットワークの各々が電話線に対して異なる所定のインピーダンスを発生できるようにすることが好ましい。また、前記直流線電圧信号は、非線形処理回路手段を通じて電話線から得られ、前記インターフェース回路が前記電話線に対して所定の非線形直流特性を与えるようにすることが好ましい。更に、前記非線形処理回路手段は、前記電話線に与えられる所定の非線形直流特性を変化させることができるように、プログラマブルであることが好ましい。
【0007】
【実施例】
以下、電話線インターフェース回路の概略図を示す図面を参照しながら、一実施例を例にとって本発明を詳細に説明する。
【0008】
図示のように、このインターフェース回路は、後続各部に正確な極性の電圧を供給するダイオード・ブリッジ1を含む。また、前記インターフェース回路は、トランジスタQ1,Q2を通じて電話線に結合された演算増幅器A1を有する主フィードバック・ループを含むと共に、抵抗R0を通じての線電圧のフィードバックおよび抵抗R2を通じての線電流のフィードバックが設けられる。トランジスタQ1,Q2およびダイオード・ブリッジ1は高電圧素子であり、これら以外の回路部分の外部に設けてもよい。トランジスタQ2のコレクタはツエナー・ダイオードZ1および蓄積コンデンサ(reservoir capacitor)C4に結合されている。ツエナー・ダイオードZ1は内部電源レギュレータを簡素化して表したものである。
【0009】
前記インターフェース回路の送信部分は、入力が送信信号を受信するように結合され、出力が演算増幅器A1の反転出力に結合された平衡電圧増幅器(balanced voltage amplifier)A3を含む。送信増幅器A3の出力は、バイアス・レベルV1の出力を発生し、これが演算増幅器A1の反転入力に印加される。フィードバック全体で、演算増幅器A1の非反転入力で同一レベルを確立する。このレベルは、利得1の増幅器A6の出力において生成される。利得1の増幅器A6の出力は、抵抗R1を介して、演算増幅器A1の非反転入力に結合されている。増幅器A6はオフセットを有するので、必要とされる入力電圧V0はバイアス・レベルV1よりも低い値となる。
【0010】
整合の問題を回避するために、そして各部分間に必要な絶縁性を確保するために、入力電圧V0は、分圧器によって、バンドギャップ基準(bandgap reference)から得られ、V1基準レベルはオフセットVbeを有するバッファ増幅器A6(出力の方が高い)を通じて、入力電圧V0から得られる。
【0011】
前記インターフェース回路の受信部分は、平衡電圧増幅器A4と増幅器A2とを含む。増幅器A2と、抵抗R7,R8によって構成されたそのフィードバック・ネットワークは、利得が(約)2の電圧増幅器を形成する。増幅器A2,A4は、それらの非反転入力において、増幅器A6からのバイアス電圧V1を受信し、抵抗R7にバイアス電圧V1が戻され、直流平衡が保持される。
【0012】
交流入力インピーダンスを規定するために、RCネットワークを抵抗R3と増幅器A6との間に設ける。RCネットワークは抵抗R4,R5およびコンデンサC3によって形成されている。このネットワークは、複数例えば4つの内の1つであり、接地側で動作するスイッチ(図示せず)によって選択可能である。直流マスク(mask)との相互作用を避けるために、前記スイッチは選択されたネットワークを、増幅器A6の入力でのレベルと同一のバイアス・レベルV0に接続する。
【0013】
前記インターフェース回路において、線電圧感知抵抗R0はパルス・ダイアル仕様(pulse dialling specifications)を満足するように大きなものでなければならない。線電流感知抵抗R2は、全増分入力抵抗が小さいので、小さくなければならない。また、抵抗R3,R4,R5と共に交流入力インピーダンス・ネットワークの一部を形成し、正確さが要求されるコンデンサC3を比較的小さくできるように、抵抗R3はKΩの範囲内でなければならない。
【0014】
動作中、前記回路に印加される電圧によって電流がR0を通過する。この電流は、増幅器A5、抵抗R6,コンデンサC2および増幅器Gm2によって形成された局所フィードバック・ループのために、増幅器Gm2によって吸収される。増幅器A5の入力に発生する電圧は、増幅器Gm2のトランスコンダクタンスによって決定される。これによって、増幅器Gm3は、そのトランスコンダクタンスによって決定される電流を、抵抗R3を通じて供給する。こうして増幅器A6の入力に発生した電圧は、抵抗R1を通じて増幅器A1に結合され、線インターフェースのトランジスタQ1,Q2を駆動する。トランジスタQ2の電流は、電源レギュレータZ1,抵抗R2,ダイオード・ブリッジ1および電話線2から成るループを流れる。こうして、事実上最大の線電流を、前記回路への給電のために使用できるようになる。決定された電流レベルは、抵抗R2間に発生する負電圧が、増幅器Gm3の出力電流によって抵抗R3間に発生する正電圧を、補償するようなレベルとなる。
【0015】
線電圧をVL、線電流をILとすると、回路の接地レベルに対するトランジスタQ2のエミッタ電圧は、
VL−ILR2
となり、線電流は以下の式で与えられる。
【0016】
【数1】
ここで、gm2,gm3は増幅器Gm2,Gm3のトランスコンダクタンスである。
【0017】
したがって、以下の式が得られる。
【0018】
【数2】
増幅器Gm2のトランスコンダクタンスは、増幅器Gm2の出力に発生する電圧がIC供給電圧によって制限されるので、必然的に比較的大きくなる。線電圧が低い時にトランジスタQ2の飽和を避けるために、これは低くなければならない。結果的に、入力抵抗は外部素子(抵抗R0,R2,R3)および増幅器Gm2,Gm3のトランスコンダクタンスの比によって本質的に決定されることになる。
【0019】
入力抵抗は、トランスコンダクタンス比をプログラムすることによって、変更可能である。更に、トランスコンダクタンスを素子毎に(piecewisee)線形にすることによって、素子毎の線形特性を抵抗に与えることもできる。
【0020】
前記インターフェース回路は増幅器Gm3を電流源で置き換えることによって、定電流特性を有するようにプログラムすることができる。
【0021】
ダイオード・ブリッジ1はそのオフセット電圧を、前記回路の入力電圧に付加することは明白であろう。増幅器Gm2はゼロ電圧では電流を吸収できないので、オフセットは増幅器A5の入力でも発生させなければならない。これも入力電圧に加わる。これらのオフセットは、増幅器Gm3の出力にオフセット電流を付加することによって補償される。この電流には負温度係数が与えられ、直流マスク全体が温度に依存しないようにする。
【0022】
状況によっては、前記インターフェース回路は、電話線機器の正しくない動作のために、過剰な線電圧を受けることもある。その結果、特にヒートシンク領域を最少に抑えた場合、高電圧トランジスタの過熱や破損に至る可能性がある。加えて、国によっては、物理的にアクセス可能な機器の最高温度を制限する仕様を有することもあり、この仕様に適合しないこともある。かかる問題を回避するために、前記インターフェース回路は保護モードを備えている。
【0023】
このモードでは、抵抗R0を通過し増幅器Gm2によって吸収される電流は、直接線電圧に依存する。したがって、過剰電圧は増幅器Gm2の入力電圧を監視することによって検出される。プログラムされた直流マスクに適用される特定のスレシホールドを越えた時、信号がタイマに送られる(図示せず)。ある間隔の後、増幅器Gm3を固定電流発生器で置き換え、線電流を低い値に設定する。
【0024】
線電流を減少させると、プログラムされた間隔の後、線電圧は通常通り上昇する。不良状態が解消されても、入力電圧が検出器のスレシホールドより高い状態を保持することもある。したがって、保護モードではこのスレシホールドを高くする。
【0025】
状況によっては、短い間電話線が開放回路になっていることがある。接続が形成された時に正確な動作を確保するために、直流マスク切断コンデンサC1,C2上の電荷、そして勿論プログラム・データを保存しなければならない。通常動作では、供給蓄積コンデンサC4は余りに急激に放電するので、断線によって前記回路が給電停止モード(power-down mode)に切り替わるようにしなければならない。
【0026】
断線は、抵抗R2間の電圧を監視することによって検出される。電圧強度がスレシホールドより低いままである間は、タイマ(図示せず)に信号を送る。短い間隔の後、断線を過剰負荷信号と区別するために、プログラミング・データの保存が必要な回路を除いて、全ての回路のスイッチを切る。直流マスク切断コンデンサC1,C2に接続されている全回路ノードは、この時高インピーダンスとなる。
【0027】
「中断(break)」期間中は線電流を事実上ゼロに低下させ、「発呼(make)」期間中には線電流をその通常レベルに急速に復元させなければならない。直流マスク切断コンデンサC1,C2上の電荷およびプログラミング情報を保存するために、「中断」期間中、断線の間のように、前記インターフェース回路を給電停止に切り替える。
【0028】
前記インターフェース回路は、切り替え時の高い線電圧の遷移を受け入れつつ、直流マスク切断コンデンサC1,C2上の電荷を保存するように設計されている。
【0029】
前記回路は、IC供給電圧が十分でなければ、通常動作中はトランジスタQ2のベース駆動を行うことができないが、蓄積コンデンサC4に充電するのはトランジスタQ2である。このため、起動用回路が設けられている。これは増幅器A5の入力とトランジスタQ1のベースとの間に配置され、抵抗R0を通過する電流をトランジスタQ1のベースに転換する。この起動用回路は、供給電圧が低い場合、または前記回路が給電停止モードに切り替えられる場合にアクティブとなる。しかしながら、前記電流は、パルス・ダイアリング(pulse dialling)の「中断」期間中は、トランジスタQ1のベースで吸収される。その他の場合、線電流を維持する。勿論、給電停止命令が除去された時、「発呼」期間中に通常動作が復元される。
【0030】
また、前記インターフェース回路は、第1および第2呼出信号(ring signal)の間に送信される「発呼元識別(caller iden tification)」信号を、交換機による「オフ−フック」信号として認識せずに、受信できなければならない。この要件を満たすために、前記回路は低電流消費モードに切り替えられ、直流マスクは前記回路のみに給電するのに十分な、定電流特性にプログラムされる。識別信号は低レベルであり、しかも前記回路は送信してはいけないので、線電流は交換機の検出スレシホールドよりもかなり低い値に設定することができる。
【0031】
受容可能な低電流で必要な回路機能は維持できるが、識別信号の受信に間に合うように蓄積コンデンサC4を充電することはできない。したがって、第1呼出信号から得られる電流によってコンデンサC4を前もって充電しておく。
【0032】
音声帯域周波数では、増幅器A5,Gm2によって形成される局部フィードバック・ループは、コンデンサC2によって切断(デカップリング)される。線信号によって、電流が抵抗R0、コンデンサC1および抵抗R9,R1を介して、無視し得るインピーダンスを有するように設計されている増幅器A6の出力に流れ込む。抵抗R1間の電圧を増幅器A1の非反転入力に印加することにより、線電流がトランジスタQ2を通じて流れる。こうして抵抗R2間に発生された電圧であって、抵抗R3を介して増幅器A6の入力に結合される電圧が、負フィードバック(negative feedback)を構成する。高ループ利得を想定すると、増幅器A1の非反転入力は仮想的にアースと考えることができる。
【0033】
コンデンサC1が無視し得るインピーダンスを有すると想定すると、電流を仮想アースに加算することにより、以下のような交流線電圧vLと交流線電流iLとの関係が得られる。
【0034】
【数3】
ここで、sはラプラス演算子である。
【0035】
後の使用のために、これを以下のように定義する。
【0036】
【数4】
入力インピーダンスZINは、通常、並列RC結合回路Rb,Cbと直列な抵抗Raとして指定されるので、以下の式が得られる。
【0037】
【数5】
これらの式を一致させるため、まずRaからR2を減算する。更に、次の式を満足させる必要がある。
【0038】
【数6】
全抵抗(Ra+Rb)が最も高く抵抗R5がないネットワークでは、低周波数値を一致させるために、次の式を用いる。
【0039】
【数7】
抵抗R0,R2は直列マスクに対して予め決められており、抵抗R9は比較的小さいので、これによって抵抗R1の値が決定される。他のネットワークについては、抵抗R3が直流マスクに対して決定され、抵抗R4およびコンデンサC3の値は各場合において極およびゼロと一致するように決定されるので、抵抗R5は低周波数値が一致することを補償するように選択しなければならない。
【0040】
前記インターフェース回路は、線インピーダンスと整合がとれた時に、最適な混成平衡が得られるように設計されている。増幅器A1の反転入力における送信信号は、全体のフィードバックのために、増幅器A1の非反転入力で整合される。したがって、これは増幅器A4の非反転入力に現れることになる。線電流信号は、増幅器A6を通じて転送され、増幅器A2によって倍増され、増幅器A4の非反転入力に印加される。
【0041】
電話線2が開放回路となった場合、コンデンサC1のインピーダンスを無視すると、送信電圧利得は以下のように表わされることは明白である。
【0042】
【数8】
したがって、整合された線では、増幅器A3の出力における電圧VSのために、線電流は次のように表わされる。
【0043】
【数9】
また、増幅器A2における電圧は次のように表わされる。
【0044】
【数10】
このように、増幅器A2が2の利得を有する場合、その出力はVSに近くなり、増幅器A4の入力における差動信号は、混成平衡に要求されているように、ゼロに近い値となる。上記式から、インピーダンス整合と混成平衡とを同時に正確に得ることはできないが、増幅器A2の利得は最良の結果である2よりも若干高くなる程度であることがわかる。
【0045】
前記インターフェース回路は、整合された線に結合された時は、送信および受信の両方に対して平坦な周波数応答を有することになる。
【0046】
電話線2が開放回路となった場合、増幅器A3の出力からの送信電圧利得は、コンデンサC1のインピーダンスを無視すると、以下のように表される。
【0047】
【数11】
整合された線では、利得は単純にこの値の半分となる。
【0048】
受信の場合、整合された線では、線信号による入力電流は以下のように表わされる。
【0049】
【数12】
フィードバック全体により、増幅器A1の非反転入力における信号はゼロになるので、増幅器A4に印加された信号のみが、増幅器A2からの信号となる。これは以下の式で表される。
【0050】
【数13】
ここでMは増幅器A2の利得である。
【0051】
実際の入力インピーダンスを除いて、受信利得は理想的な平坦にはなり得ないことがわかる。しかしながら、誤差は小さいものとなる。
【0052】
以上からわかるように、本発明は、
(a)線に与えられる直流特性が、抵抗R0,R2,R3および増幅器Gm2,Gm3の利得比によって決定され;
(b)線に与えられる交流インピーダンスが、抵抗R0,R1,R2ならびに抵抗R3,R4,R5およびコンデンサC3によって形成されるネットワークによって決定され;
(c)混成平衡インピーダンスが、線に与えられる交流インピーダンスと実質的に等しく、
(d)入力インピーダンスが線に整合されている時、送信および受信利得が、周波数から実質的に独立している;
インターフェース回路を提供するものである。
【0053】
本発明によるインターフェース回路の一実施例のみを詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更や改良が可能であることは当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】電話線インターフェース回路の概略図を示す図。
【符号の説明】
1 ダイオード・ブリッジ
2 電話線
Q1,Q2 トランジスタ
A1,A2,A3,A6 演算増幅器
R0,R2,R3,R4,R5,R7 抵抗
Z1 ツエナー・ダイオード
C3,C4 蓄積コンデンサ
A4 平衡電圧増幅器
Claims (5)
- 電話線(2)に結合するための送信経路(A3)と、
前記電話線(2)に結合するための受信経路(A4)と、
前記電話線(2)から交流および直流線電圧を表す第1の信号を生成する第1のネットワーク回路(A5,GM2,GM3,R0)と、
前記電話線から交流および直流線電流を表す第2の信号を生成する第2のネットワーク回路(R2,R3,R4,R5,C3)と、を備える電話線インターフェース回路であって、
前記送信経路は、前記電話線に結合するための出力と、送信されるべき信号を受信するための第1入力と、直流バイアス信号(V1)と前記第1の信号と前記第2の信号とを組み合わせた複合信号を受信するよう結合された第2入力とを有する第1の増幅器(A1)を備え、
前記第1及び第2のネットワーク回路が、ネガティブ・フィードバック・ループ(Q1,Q2;R2,R3,A6,R1;R0,A5,GM2,GM3,A6,R1)を前記第1の増幅器(A1)の出力と第2入力との間に確立するように構成され、それにより前記電話線インターフェース回路により前記電話線に印加される交流信号の振幅が、前記送信されるべき信号に依存し、前記電話線インターフェース回路により前記電話線に印加される直流信号の振幅が、前記直流バイアス信号に依存し、且つ前記インターフェース回路により前記電話線に与えられる交流インピーダンス及び直流抵抗が、前記第1及び第2のネットワーク回路に依存し、
前記受信経路は、前記複合信号を受信するための第1入力と、前記第2の信号の大きさの2倍に実質的に等しい第3の信号を受信するよう結合された第2入力とを有する第2の増幅器(A4)を備え、
それにより、前記電話線の交流インピーダンスが前記電話線インターフェース回路により前記電話線に与えられる交流インピーダンスと整合するとき、前記電話線インターフェース回路から前記送信経路を介して送信された信号に応答して前記第2の増幅器(A4)の第1入力で受信された複合信号の線電圧及び線電流成分と、前記電話線インターフェース回路から前記送信経路を介して送信された信号に応答して前記第2の増幅器(A4)の第2入力で受信された第3の信号の線電圧及び線電流成分とが相殺するのに対して、前記第2の増幅器(A4)の第2入力で受信された第3の信号の線電圧及び線電流成分は、受信される信号が前記電話線(2)から発生するとき前記第2の増幅器(A4)の第1入力で受信された複合信号の線電圧及び線電流成分に加えられる、電話線インターフェース回路。 - 前記第2のネットワーク回路(R2,R3,R4,R5,C3)は、前記電話線に与えられるインピーダンスが複素数であるようにリアクタンス素子(C3)を備える請求項1記載の電話線インターフェース回路。
- 前記第2のネットワーク回路は、各ネットワーク回路が交流線電流信号の経路に対して切り替えられることが可能である複数のネットワーク回路(R4,R5,C3)のうちの1つであり、
それにより、前記第2のネットワークのそれぞれが、異なる所定のインピーダンスを前記電話線に与える
請求項2記載の電話線インターフェース回路。 - 前記ネガティブ・フィードバック・ループは、前記直流抵抗が非線形直流特性を有するように構成された非線形処理回路手段(A5,GM2,GM3)を備える請求項1記載の電話線インターフェース回路。
- 前記非線形処理回路手段(A5,GM2,GM3)が、2つの増幅器(GM2,GM3)を含み、
前記2つの増幅器のトランスコンダクタンス(gm2,gm3)が、前記非線形直流特性を変更できるように設定可能である
請求項4記載の電話線インターフェース回路。
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