JP3746645B2 - 光ファイバ歪み計測装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、FBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッグ回折格子)を用いた光ファイバ歪み計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば風車や橋脚等の物体の寿命を推定する場合、対象とする物体の歪みを計測し、この歪みから物体の寿命を推定する方法が取られている。上記物体の歪みを計測する場合、FBG(ファイバブラッグ回折格子)を用いる方法が考えられている。上記FBGを用いて物体の歪みを計測する方法としては、例えば特開昭8−94328号公報に開示されているような干渉計によるものが知られている。この干渉計による歪み計測方法は、例えば図7に示すようにして行なわれる。すなわち、光源1からの投射光は、光ファイバ2及び方向性結合器3を介してブラッグ反射型導波路4に入射する。このブラッグ反射型導波路4では、入射波が反射して戻る際にブラッグ格子と光波の波長との関係で定まる特定のスペクトルのみが反射光となる。
上記ブラッグ反射型導波路4は、歪み計測部に接着されるもので、計測部の歪みによって変形を受けると、導波路4のブラッグ格子は、同率の変動を受けて反射光のスペクトルの中心値が変動する。上記ブラッグ反射型導波路4からの反射光は、方向性結合器3を通り、光分岐器5で分離され、互いに異なる長さの光ファイバ6、7を透過して干渉計に送られ、干渉縞を生じる。そして、ブラッグ反射型導波路4からの反射光の波長が変化すると、干渉縞の位置が移動するので、この干渉縞の移動数から光の明暗を検出してその明暗数をカウントし、このカウント値からブラッグ反射型導波路4に加わる歪み量の相対値を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように干渉計を使用し、干渉縞の移動数から光の明暗を検出してその明暗数をカウントすることにより、そのカウント値からブラッグ反射型導波路4に加わる歪み量の相対値を求めることができる。
しかし、上記従来のように干渉計を使用し、干渉縞により歪み計測を行なうようにした場合、光ファイバ(光路)の長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境では使用することができない。
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、光ファイバ(光路)の長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を確実に行なうことができる光ファイバ歪み計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、歪み計測部に接着され、前記光源からの投射光に対して歪みに対応した波長の光を反射するファイバブラッグ回折格子と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光をその波長に対応した強度に変換して出力するフィルタと、前記フィルタの出力光を電気信号に変換する計測用受光素子と、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光を電気信号に変換する参照用受光素子と、前記計測用受光素子及び参照用受光素子から出力される信号の強度比から前記ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0006】
第2の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、第1の発明において、第2の演算手段で求めた歪み変化量を出力する出力手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
第3の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
第4の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、前記複数の計測用受光素子及び参照用受光素子のアナログ出力信号を順次時分割により選択してデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路から出力される前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
第5の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、前記第3又は第4の発明において、複数のファイバブラッグ回折格子を直列に接続したことを特徴とする。
【0010】
第6の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、前記第1ないし第5の発明においけるフィルタをファイバブラッグ回折格子を用いて構成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図である。図1において、11は光源で、図2(a)に示すように波長特性(周波数特性)がほぼ平坦な光、すなわち所定の波長帯域(周波数帯域)に亘って強度がほぼ平坦な光を発生する。上記光源11としては極力広帯域のものを使用する。上記光源11から投射される光は、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッグ回折格子)14に入射される。上記計測用FBG14は、図2(b)に示すように入射光に対して所定の波長(周波数)の光を反射するように設定される。上記計測用FBG14は、歪み測定を行なう部分に接着されるもので、図2(b)に破線で示すように測定部の歪みに従って反射光の波長(周波数)が変化する。
【0013】
上記計測用FBG14の反射光は、光カプラ13で光ファイバ15側の光路を通り、更に光カプラ16で光ファイバ17、18に分岐する。光ファイバ17に分岐した反射光は、FBGフィルタ19を介して計測用受光素子20に入射する。上記FBGフィルタ19は、図2(c)に示すように波長と強度との関係が三角形となるようなフィルタ特性に設定される。
【0014】
また、上記光カプラ16から光ファイバ18側の光路に分岐した反射光は、そのまま参照用受光素子21に入射する。上記受光素子20、21に入射した反射光は、電気信号に変換され、例えばコンピュータ等を使用した処理装置22に入力される。この処理装置22は、計測用受光素子20により受光した反射光の強度に対し、受光素子21により受光した反射光の強度により、光源11、計測用FBG14あるいは光路の環境等による光の強度変化を補正して測定部の歪みを求め、表示装置23に出力して表示する。
【0015】
図3は上記計測用FBG14の構成例を示したもので、(a)は外観斜視図、(b)は側断面図である。計測用FBG14は、例えばガラスや透明プラスチック等を用いたクラッド31と、このクラッド31の中心部に埋め込まれたコア32により構成されている。上記コア32は、クラッド31より屈折率が高い材質のものが使用される。上記コア32の側面には、その長さ方向に沿って一定間隔の屈折率分布が付けられ、周期的な回折格子33が形成される。
【0016】
上記のように構成された計測用FBG14は、光源11からの投射光が一端に入射すると、回折格子33の間隔(屈折率変化の周期)により定まる特定の波長のみ反射され、その他の波長の光はクラッド31に散乱される。すなわち、回折格子33の間隔をNd、反射光の波長をλbとすると、
λb=2Nd
の関係となる。
【0017】
上記計測用FBG14を歪み測定部分に接着すると、測定部の歪みに従って計測用FBG14が伸縮し、回折格子33の間隔変化に応じて反射光の波長λbが変化する。
【0018】
また、FBGフィルタ19は、上記計測用FBG14と同様の構成であるが、図2(c)に示すように通過する光の波長と強度との関係が三角形となるようなフィルタ特性、すなわち、ある設定波長において強度が最大で、波長が短くなるに従って強度が順次低下するようなフィルタ特性に設定される。例えば回折格子33を構成する格子の間隔を順次変化させて各波長の反射率を変えることにより、通過する光の各波長の減衰率を任意に調整することができる。
【0019】
次に上記第1実施形態の動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。先ず、光源11から図2(a)に示すような波長特性が平坦な光を投射し、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG14に入射する(ステップA1)。計測用FBG14は、光源11からの光が入射すると、回折格子33の間隔に応じて特定の波長の光を反射する。すなわち、計測用FBG14は、回折格子33の間隔が初期設定時から変化がなければ、図2(b)の実線aに示すように所定波長の光を反射する。この場合、測定部の歪み変化すると、すなわち、計測用FBG14の回折格子33の間隔が変化すると、その変化量に応じて反射光の波長が図2(b)の破線b、あるいは破線cに示すように変化する。上記計測用FBG14の反射光a、b、cの強度は、基本的には同じレベルである。
【0020】
上記計測用FBG14からの反射光は、光カプラ13から光ファイバ15の光路を通り、更に光カプラ16で光ファイバ17、18の光路に分岐される。光ファイバ17に分岐された反射光は、FBGフィルタ19を介して計測用受光素子20に入射する。上記FBGフィルタ19は、上記図2(c)に示したように通過する光の波長と強度との関係が三角形のフィルタ特性となっているので、上記計測用FBG14の反射光a、b、cが通過すると、図2(d)に示すように反射光aの強度が1番強く、反射光b、cの順に強度が小さくなる。上記FBGフィルタ19から出力される反射光は、計測用受光素子20で電気信号に変換され、処理装置22に送られる(ステップA2)。上記計測用受光素子20により得られる反射光の強度をIgとする。
【0021】
また、上記光カプラ16から光ファイバ18に分岐された信号は、参照用受光素子21で電気信号に変換され、処理装置22へ送られる(ステップA3)。上記参照用受光素子21により得られる反射光の強度をInとする。
処理装置22は、計測用受光素子20から送られてくる反射光の強度Igと、参照用受光素子21から送られてくる反射光の強度Inの比から周波数の変化を算出する(ステップA4)。今例えば計測用FBG14の周波数−歪み特性が
Δε=k1×ΔF
但し、Δε:歪み、k1:比例係数、ΔF:周波数変化、
とし、FBGフィルタ19の周波数−強度特性が
G=k2×ΔF
但し、G:強度、k2:比例係数、
とする。処理装置22は、計測用受光素子20から送られてくる反射光の強度Igと、参照用受光素子21から送られてくる反射光の強度Inの比Rを
R=Ig/In
により求め、次に歪みに伴う周波数変化ΔFを
ΔF=R/k2
により求める。
【0022】
更に、処理装置22は、上記周波数変化ΔFから歪み変化量Δεを
Δε=k1×ΔF
により求める(ステップA5)。そして、処理装置22は、上記のようにして求めた歪み変化量Δεを歪み値として表示装置23に表示する(ステップA6)。なお、上記計測した歪み値は、必要に応じてプリンタにより印刷するようにしても良い。
【0023】
本発明は、上記実施形態に示したように、計測用FBG14で歪みに応じて計測される波長の変化(周波数の変化)をFBGフィルタ19及び計測用受光素子20により電圧の変化として取り出し、処理装置22にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしているので、光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境、例えば風車や橋脚等においても歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができる。また、干渉計を使用しないので、受光系をコンパクトにでき、かつ外乱に強いセンサシステムを構築することができる。
なお、本発明では、計測用受光素子20と共に参照用受光素子21を設け、計測用FBG14の反射光の強度を計測し、その強度比を求めているので、光源11、計測用FBG14あるいは光路の環境等による光の強度変化を補正でき、高精度の歪み計測が可能である。
【0024】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図5は本発明の第2実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図である。上記第1実施形態が1つの点について歪み計測を行なう場合について示したものであるのに対し、この第2実施形態は多点を同時計測する場合の例について示したものである。
【0025】
図5に示すように光源11から投射される光は、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG14a、14b、…、14nに入射される。上記計測用FBG14a、14b、…、14nは、各歪み計測部に接着されるもので、光ファイバにより直列に接続される。上記計測用FBG14a、14b、…、14nは、第1実施形態における計測用FBG14と同様のものであるが、反射光の周波数(波長)がそれぞれ異なる周波数F1、F2、…、Fnに設定される。
【0026】
上記計測用FBG14の反射光は、光カプラ13で光ファイバ15側の光路を通り、波長分岐器41に入力される。この波長分岐器41は、計測用FBG14a、14b、…、14nからの反射光をそれぞれ帯域毎に分岐し、更に光カプラ16a、16b、…、16nにより2分岐する。各光カプラ16a、16b、…、16nで分岐された一方の反射光は、それぞれFBGフィルタ19a、19b、…、19nを介して計測用受光素子20a、20b、…、20nに入射する。上記FBGフィルタ19a、19b、…、19nは、第1実施形態におけるFBGフィルタ19と同等の特性を有している。
【0027】
また、上記光カプラ16a、16b、…、16nにより分岐された他方の反射光は、それぞれ参照用受光素子21a、21b、…、21nに入射する。上記計測用受光素子20a、20b、…、20n、及び参照用受光素子21a、21b、…、21nは、それぞれ入射光を電気信号に変換してA/D変換回路42に入力する。このA/D変換回路42は、処理装置22からの指令により動作し、受光素子20a、20b、…、20n、21a、21b、…、21nからのアナログ信号を時分割により順次選択すると共に、デジタル信号に変換して処理装置22へ出力する。処理装置22は、計測用受光素子20a、20b、…、20n及び参照用受光素子21a、21b、…、21nからの信号を第1実施形態の場合と同様にして処理し、各計測用FBG14a、14b、…、14nにおける歪みを求め、各計測用FBG14a、14b、…、14nと計測した歪み値とを対応させて表示装置23に表示する。また、上記計測した歪み値は、必要に応じてプリンタにより印刷するようにしてもよい。
【0028】
上記第2実施形態において、光源11からの投射光は、図6(a)に示すように平坦な周波数特性を有しているが、計測用FBG14a、14b、…、14nを通過すると、図6に示すように順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなる。すなわち、光源11からの投射光が計測用FBG14aを通過すると図6(b)に示すように周波数F1の帯域が除かれたものとなり、次に計測用FBG14bを通過すると図6(c)に示すように更に周波数F2の帯域が除かれたものとなる。以下、同様に光源11からの投射光が計測用FBGを通過する毎に図6(d)、(e)に示すように順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなる。
【0029】
上記のように光源11からの投射光は、計測用FBG14a、14b、…、14nを通過する毎に順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなるが、各計測用FBG14a、14b、…、14nには必要な周波数帯域を持つ投射光が供給される。
【0030】
そして、各計測用FBG14a、14b、…、14nからの反射光は、波長分岐器41で、各計測用FBG14a、14b、…、14nに対応した周波数帯域に分岐され、一方はFBGフィルタ19a、19b、…、19nを介して計測用受光素子20a、20b、…、20nに入射し、他方はそのまま参照用受光素子21a、21b、…、21nに入射する。
【0031】
処理装置22は、A/D変換回路42に指令を与え、計測用受光素子20a、20b、…、20n及び参照用受光素子21a、21b、…、21nからの各周波数帯域毎の信号を時分割により順次選択して取り込み、第1実施形態の場合と同様にして各計測用FBG14a、14b、…、14nにおける歪みを求め、各計測用FBG14a、14b、…、14nと歪み値とを対応させて表示装置23に表示する。この場合、計測用受光素子20a、20b、…、20nと共に参照用受光素子21a、21b、…、21nを設け、計測用FBG14a、14b、…、14nの反射光の強度を計測してその強度比を求めているので、計測用FBG14a、14b、…、14nへの入射光の周波数特性が平坦でなくても、歪み計測を確実に行なうことができる。
【0032】
上記第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができると共に、1台の歪み計測装置で複数箇所の歪みを同時に計測することが可能となる。従って、複数箇所における歪みを効率的に計測でき、システムを安価に構成することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、計測用FBGで歪みに応じて計測される波長の変化(周波数の変化)をFBGフィルタ及び計測用受光素子により電圧の変化として取り出し、処理装置にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしたので、光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができる。
【0034】
また、本発明は、それぞれ反射光の周波数(波長)が異なる値に設定された複数の計測用FBGを直列に接続し、各計測用FBGからの反射光を波長分岐器により所定の周波数帯域に分岐し、これら各周波数帯域毎の信号をFBGフィルタ及び計測用受光素子により電圧の変化として取り出し、処理装置にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしたので、1台の歪み計測装置で複数箇所の歪みを同時にかつ効率的に計測することが可能となり、システムを安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における各部の特性を示す図。
【図3】(a)は同実施形態における計測用FBGの外観斜視図、(b)は同側断面図。
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における各計測用FBGを通過する投射光の周波数と強度との関係を示す図。
【図7】従来の歪み計測装置の構成図。
【符号の説明】
11 光源
12 光ファイバ
13 光カプラ
14、14a〜14n 計測用FBG
15、17、18 光ファイバ
16、16a〜16n 光カプラ
19、19a〜19n FBGフィルタ
20、20a、20n 計測用受光素子
21、21a〜21n 参照用受光素子
22 処理装置
23 表示装置
31 クラッド
32 コア
33 回折格子
41 波長分岐器
42 A/D変換回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、FBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッグ回折格子)を用いた光ファイバ歪み計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば風車や橋脚等の物体の寿命を推定する場合、対象とする物体の歪みを計測し、この歪みから物体の寿命を推定する方法が取られている。上記物体の歪みを計測する場合、FBG(ファイバブラッグ回折格子)を用いる方法が考えられている。上記FBGを用いて物体の歪みを計測する方法としては、例えば特開昭8−94328号公報に開示されているような干渉計によるものが知られている。この干渉計による歪み計測方法は、例えば図7に示すようにして行なわれる。すなわち、光源1からの投射光は、光ファイバ2及び方向性結合器3を介してブラッグ反射型導波路4に入射する。このブラッグ反射型導波路4では、入射波が反射して戻る際にブラッグ格子と光波の波長との関係で定まる特定のスペクトルのみが反射光となる。
上記ブラッグ反射型導波路4は、歪み計測部に接着されるもので、計測部の歪みによって変形を受けると、導波路4のブラッグ格子は、同率の変動を受けて反射光のスペクトルの中心値が変動する。上記ブラッグ反射型導波路4からの反射光は、方向性結合器3を通り、光分岐器5で分離され、互いに異なる長さの光ファイバ6、7を透過して干渉計に送られ、干渉縞を生じる。そして、ブラッグ反射型導波路4からの反射光の波長が変化すると、干渉縞の位置が移動するので、この干渉縞の移動数から光の明暗を検出してその明暗数をカウントし、このカウント値からブラッグ反射型導波路4に加わる歪み量の相対値を求めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように干渉計を使用し、干渉縞の移動数から光の明暗を検出してその明暗数をカウントすることにより、そのカウント値からブラッグ反射型導波路4に加わる歪み量の相対値を求めることができる。
しかし、上記従来のように干渉計を使用し、干渉縞により歪み計測を行なうようにした場合、光ファイバ(光路)の長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境では使用することができない。
【0004】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、光ファイバ(光路)の長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を確実に行なうことができる光ファイバ歪み計測装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、歪み計測部に接着され、前記光源からの投射光に対して歪みに対応した波長の光を反射するファイバブラッグ回折格子と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光をその波長に対応した強度に変換して出力するフィルタと、前記フィルタの出力光を電気信号に変換する計測用受光素子と、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光を電気信号に変換する参照用受光素子と、前記計測用受光素子及び参照用受光素子から出力される信号の強度比から前記ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0006】
第2の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、第1の発明において、第2の演算手段で求めた歪み変化量を出力する出力手段を設けたことを特徴とする。
【0007】
第3の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0008】
第4の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、計測用の光を投射する光源と、複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、前記複数の計測用受光素子及び参照用受光素子のアナログ出力信号を順次時分割により選択してデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前記A/D変換回路から出力される前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段とを具備したことを特徴とする。
【0009】
第5の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、前記第3又は第4の発明において、複数のファイバブラッグ回折格子を直列に接続したことを特徴とする。
【0010】
第6の発明に係る光ファイバ歪み計測装置は、前記第1ないし第5の発明においけるフィルタをファイバブラッグ回折格子を用いて構成したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図である。図1において、11は光源で、図2(a)に示すように波長特性(周波数特性)がほぼ平坦な光、すなわち所定の波長帯域(周波数帯域)に亘って強度がほぼ平坦な光を発生する。上記光源11としては極力広帯域のものを使用する。上記光源11から投射される光は、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG(Fiber Bragg Grating:ファイバブラッグ回折格子)14に入射される。上記計測用FBG14は、図2(b)に示すように入射光に対して所定の波長(周波数)の光を反射するように設定される。上記計測用FBG14は、歪み測定を行なう部分に接着されるもので、図2(b)に破線で示すように測定部の歪みに従って反射光の波長(周波数)が変化する。
【0013】
上記計測用FBG14の反射光は、光カプラ13で光ファイバ15側の光路を通り、更に光カプラ16で光ファイバ17、18に分岐する。光ファイバ17に分岐した反射光は、FBGフィルタ19を介して計測用受光素子20に入射する。上記FBGフィルタ19は、図2(c)に示すように波長と強度との関係が三角形となるようなフィルタ特性に設定される。
【0014】
また、上記光カプラ16から光ファイバ18側の光路に分岐した反射光は、そのまま参照用受光素子21に入射する。上記受光素子20、21に入射した反射光は、電気信号に変換され、例えばコンピュータ等を使用した処理装置22に入力される。この処理装置22は、計測用受光素子20により受光した反射光の強度に対し、受光素子21により受光した反射光の強度により、光源11、計測用FBG14あるいは光路の環境等による光の強度変化を補正して測定部の歪みを求め、表示装置23に出力して表示する。
【0015】
図3は上記計測用FBG14の構成例を示したもので、(a)は外観斜視図、(b)は側断面図である。計測用FBG14は、例えばガラスや透明プラスチック等を用いたクラッド31と、このクラッド31の中心部に埋め込まれたコア32により構成されている。上記コア32は、クラッド31より屈折率が高い材質のものが使用される。上記コア32の側面には、その長さ方向に沿って一定間隔の屈折率分布が付けられ、周期的な回折格子33が形成される。
【0016】
上記のように構成された計測用FBG14は、光源11からの投射光が一端に入射すると、回折格子33の間隔(屈折率変化の周期)により定まる特定の波長のみ反射され、その他の波長の光はクラッド31に散乱される。すなわち、回折格子33の間隔をNd、反射光の波長をλbとすると、
λb=2Nd
の関係となる。
【0017】
上記計測用FBG14を歪み測定部分に接着すると、測定部の歪みに従って計測用FBG14が伸縮し、回折格子33の間隔変化に応じて反射光の波長λbが変化する。
【0018】
また、FBGフィルタ19は、上記計測用FBG14と同様の構成であるが、図2(c)に示すように通過する光の波長と強度との関係が三角形となるようなフィルタ特性、すなわち、ある設定波長において強度が最大で、波長が短くなるに従って強度が順次低下するようなフィルタ特性に設定される。例えば回折格子33を構成する格子の間隔を順次変化させて各波長の反射率を変えることにより、通過する光の各波長の減衰率を任意に調整することができる。
【0019】
次に上記第1実施形態の動作を図4に示すフローチャートに従って説明する。先ず、光源11から図2(a)に示すような波長特性が平坦な光を投射し、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG14に入射する(ステップA1)。計測用FBG14は、光源11からの光が入射すると、回折格子33の間隔に応じて特定の波長の光を反射する。すなわち、計測用FBG14は、回折格子33の間隔が初期設定時から変化がなければ、図2(b)の実線aに示すように所定波長の光を反射する。この場合、測定部の歪み変化すると、すなわち、計測用FBG14の回折格子33の間隔が変化すると、その変化量に応じて反射光の波長が図2(b)の破線b、あるいは破線cに示すように変化する。上記計測用FBG14の反射光a、b、cの強度は、基本的には同じレベルである。
【0020】
上記計測用FBG14からの反射光は、光カプラ13から光ファイバ15の光路を通り、更に光カプラ16で光ファイバ17、18の光路に分岐される。光ファイバ17に分岐された反射光は、FBGフィルタ19を介して計測用受光素子20に入射する。上記FBGフィルタ19は、上記図2(c)に示したように通過する光の波長と強度との関係が三角形のフィルタ特性となっているので、上記計測用FBG14の反射光a、b、cが通過すると、図2(d)に示すように反射光aの強度が1番強く、反射光b、cの順に強度が小さくなる。上記FBGフィルタ19から出力される反射光は、計測用受光素子20で電気信号に変換され、処理装置22に送られる(ステップA2)。上記計測用受光素子20により得られる反射光の強度をIgとする。
【0021】
また、上記光カプラ16から光ファイバ18に分岐された信号は、参照用受光素子21で電気信号に変換され、処理装置22へ送られる(ステップA3)。上記参照用受光素子21により得られる反射光の強度をInとする。
処理装置22は、計測用受光素子20から送られてくる反射光の強度Igと、参照用受光素子21から送られてくる反射光の強度Inの比から周波数の変化を算出する(ステップA4)。今例えば計測用FBG14の周波数−歪み特性が
Δε=k1×ΔF
但し、Δε:歪み、k1:比例係数、ΔF:周波数変化、
とし、FBGフィルタ19の周波数−強度特性が
G=k2×ΔF
但し、G:強度、k2:比例係数、
とする。処理装置22は、計測用受光素子20から送られてくる反射光の強度Igと、参照用受光素子21から送られてくる反射光の強度Inの比Rを
R=Ig/In
により求め、次に歪みに伴う周波数変化ΔFを
ΔF=R/k2
により求める。
【0022】
更に、処理装置22は、上記周波数変化ΔFから歪み変化量Δεを
Δε=k1×ΔF
により求める(ステップA5)。そして、処理装置22は、上記のようにして求めた歪み変化量Δεを歪み値として表示装置23に表示する(ステップA6)。なお、上記計測した歪み値は、必要に応じてプリンタにより印刷するようにしても良い。
【0023】
本発明は、上記実施形態に示したように、計測用FBG14で歪みに応じて計測される波長の変化(周波数の変化)をFBGフィルタ19及び計測用受光素子20により電圧の変化として取り出し、処理装置22にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしているので、光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境、例えば風車や橋脚等においても歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができる。また、干渉計を使用しないので、受光系をコンパクトにでき、かつ外乱に強いセンサシステムを構築することができる。
なお、本発明では、計測用受光素子20と共に参照用受光素子21を設け、計測用FBG14の反射光の強度を計測し、その強度比を求めているので、光源11、計測用FBG14あるいは光路の環境等による光の強度変化を補正でき、高精度の歪み計測が可能である。
【0024】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図5は本発明の第2実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図である。上記第1実施形態が1つの点について歪み計測を行なう場合について示したものであるのに対し、この第2実施形態は多点を同時計測する場合の例について示したものである。
【0025】
図5に示すように光源11から投射される光は、光ファイバ12及び光カプラ13を介して計測用FBG14a、14b、…、14nに入射される。上記計測用FBG14a、14b、…、14nは、各歪み計測部に接着されるもので、光ファイバにより直列に接続される。上記計測用FBG14a、14b、…、14nは、第1実施形態における計測用FBG14と同様のものであるが、反射光の周波数(波長)がそれぞれ異なる周波数F1、F2、…、Fnに設定される。
【0026】
上記計測用FBG14の反射光は、光カプラ13で光ファイバ15側の光路を通り、波長分岐器41に入力される。この波長分岐器41は、計測用FBG14a、14b、…、14nからの反射光をそれぞれ帯域毎に分岐し、更に光カプラ16a、16b、…、16nにより2分岐する。各光カプラ16a、16b、…、16nで分岐された一方の反射光は、それぞれFBGフィルタ19a、19b、…、19nを介して計測用受光素子20a、20b、…、20nに入射する。上記FBGフィルタ19a、19b、…、19nは、第1実施形態におけるFBGフィルタ19と同等の特性を有している。
【0027】
また、上記光カプラ16a、16b、…、16nにより分岐された他方の反射光は、それぞれ参照用受光素子21a、21b、…、21nに入射する。上記計測用受光素子20a、20b、…、20n、及び参照用受光素子21a、21b、…、21nは、それぞれ入射光を電気信号に変換してA/D変換回路42に入力する。このA/D変換回路42は、処理装置22からの指令により動作し、受光素子20a、20b、…、20n、21a、21b、…、21nからのアナログ信号を時分割により順次選択すると共に、デジタル信号に変換して処理装置22へ出力する。処理装置22は、計測用受光素子20a、20b、…、20n及び参照用受光素子21a、21b、…、21nからの信号を第1実施形態の場合と同様にして処理し、各計測用FBG14a、14b、…、14nにおける歪みを求め、各計測用FBG14a、14b、…、14nと計測した歪み値とを対応させて表示装置23に表示する。また、上記計測した歪み値は、必要に応じてプリンタにより印刷するようにしてもよい。
【0028】
上記第2実施形態において、光源11からの投射光は、図6(a)に示すように平坦な周波数特性を有しているが、計測用FBG14a、14b、…、14nを通過すると、図6に示すように順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなる。すなわち、光源11からの投射光が計測用FBG14aを通過すると図6(b)に示すように周波数F1の帯域が除かれたものとなり、次に計測用FBG14bを通過すると図6(c)に示すように更に周波数F2の帯域が除かれたものとなる。以下、同様に光源11からの投射光が計測用FBGを通過する毎に図6(d)、(e)に示すように順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなる。
【0029】
上記のように光源11からの投射光は、計測用FBG14a、14b、…、14nを通過する毎に順次対応する周波数の帯域が除かれたものとなるが、各計測用FBG14a、14b、…、14nには必要な周波数帯域を持つ投射光が供給される。
【0030】
そして、各計測用FBG14a、14b、…、14nからの反射光は、波長分岐器41で、各計測用FBG14a、14b、…、14nに対応した周波数帯域に分岐され、一方はFBGフィルタ19a、19b、…、19nを介して計測用受光素子20a、20b、…、20nに入射し、他方はそのまま参照用受光素子21a、21b、…、21nに入射する。
【0031】
処理装置22は、A/D変換回路42に指令を与え、計測用受光素子20a、20b、…、20n及び参照用受光素子21a、21b、…、21nからの各周波数帯域毎の信号を時分割により順次選択して取り込み、第1実施形態の場合と同様にして各計測用FBG14a、14b、…、14nにおける歪みを求め、各計測用FBG14a、14b、…、14nと歪み値とを対応させて表示装置23に表示する。この場合、計測用受光素子20a、20b、…、20nと共に参照用受光素子21a、21b、…、21nを設け、計測用FBG14a、14b、…、14nの反射光の強度を計測してその強度比を求めているので、計測用FBG14a、14b、…、14nへの入射光の周波数特性が平坦でなくても、歪み計測を確実に行なうことができる。
【0032】
上記第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができると共に、1台の歪み計測装置で複数箇所の歪みを同時に計測することが可能となる。従って、複数箇所における歪みを効率的に計測でき、システムを安価に構成することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、計測用FBGで歪みに応じて計測される波長の変化(周波数の変化)をFBGフィルタ及び計測用受光素子により電圧の変化として取り出し、処理装置にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしたので、光路である光ファイバの長さが変化するような環境、あるいは振動の多い環境においても、歪み計測を簡単かつ確実に行なうことができる。
【0034】
また、本発明は、それぞれ反射光の周波数(波長)が異なる値に設定された複数の計測用FBGを直列に接続し、各計測用FBGからの反射光を波長分岐器により所定の周波数帯域に分岐し、これら各周波数帯域毎の信号をFBGフィルタ及び計測用受光素子により電圧の変化として取り出し、処理装置にて参照光強度との比較により歪み変化量を算出するようにしたので、1台の歪み計測装置で複数箇所の歪みを同時にかつ効率的に計測することが可能となり、システムを安価に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図。
【図2】同実施形態における各部の特性を示す図。
【図3】(a)は同実施形態における計測用FBGの外観斜視図、(b)は同側断面図。
【図4】同実施形態における動作を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の第2実施形態に係る光ファイバ歪み計測装置の構成を示すブロック図。
【図6】同実施形態における各計測用FBGを通過する投射光の周波数と強度との関係を示す図。
【図7】従来の歪み計測装置の構成図。
【符号の説明】
11 光源
12 光ファイバ
13 光カプラ
14、14a〜14n 計測用FBG
15、17、18 光ファイバ
16、16a〜16n 光カプラ
19、19a〜19n FBGフィルタ
20、20a、20n 計測用受光素子
21、21a〜21n 参照用受光素子
22 処理装置
23 表示装置
31 クラッド
32 コア
33 回折格子
41 波長分岐器
42 A/D変換回路
Claims (6)
- 計測用の光を投射する光源と、
歪み計測部に接着され、前記光源からの投射光に対して歪みに対応した波長の光を反射するファイバブラッグ回折格子と、
波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光をその波長に対応した強度に変換して出力するフィルタと、
前記フィルタの出力光を電気信号に変換する計測用受光素子と、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光を電気信号に変換する参照用受光素子と、
前記計測用受光素子及び参照用受光素子から出力される信号の強度比から前記ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段と
を具備したことを特徴とする光ファイバ歪み計測装置。 - 計測用の光を投射する光源と、
歪み計測部に接着され、前記光源からの投射光に対して歪みに対応した波長の光を反射するファイバブラッグ回折格子と、
波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光をその波長に対応した強度に変換して出力するフィルタと、
このフィルタの出力光を電気信号に変換する計測用受光素子と、
前記ファイバブラッグ回折格子からの反射光を電気信号に変換する参照用受光素子と、
前記計測用受光素子及び参照用受光素子から出力される信号の強度比から前記ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段と、
前記第2の演算手段で求めた歪み変化量を出力する出力手段と
を具備したことを特徴とする光ファイバ歪み計測装置。 - 計測用の光を投射する光源と、
複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、
前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、
波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、
前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、
前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、
前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段と
を具備したことを特徴とする光ファイバ歪み計測装置。 - 計測用の光を投射する光源と、
複数の歪み計測部にそれぞれ接着され、前記光源からの投射光に対し歪みに対応したそれぞれ異なる波長の光を反射する複数のファイバブラッグ回折格子と、
前記複数のファイバブラッグ回折格子からの反射光を対応する周波数帯域毎に分岐する波長分岐器と、
波長と強度との関係が三角形となる出力特性を有し、前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光をその波長に対応した強度に変換して出力する複数のフィルタと、
前記各フィルタの出力光をそれぞれ電気信号に変換する複数の計測用受光素子と、
前記波長分岐器により分岐された各周波数帯域毎の反射光を電気信号に変換する複数の参照用受光素子と、
前記複数の計測用受光素子及び参照用受光素子のアナログ出力信号を順次時分割により選択してデジタル信号に変換するA/D変換回路と、
前記A/D変換回路から出力される前記各対応する計測用受光素子及び参照用受光素子の出力信号の強度比から前記各ファイバブラッグ回折格子の反射光の周波数変化を求める第1の演算手段と、
前記第1の演算手段により求めた周波数変化に比例係数を乗じて前記各ファイバブラッグ回折格子の歪み変化量を算出する第2の演算手段と
を具備したことを特徴とする光ファイバ歪み計測装置。 - 前記複数のファイバブラッグ回折格子は、直列に接続したことを特徴とする前記請求項3又は4記載の光ファイバ歪み計測装置。
- 前記フィルタは、ファイバブラッグ回折格子を用いて構成したことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の光ファイバ歪み計測装置。
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