JP3745803B2 - リンゴ酸脱水素酵素及びその製造方法 - Google Patents

リンゴ酸脱水素酵素及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリンゴ酸脱水素酵素及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
リンゴ酸脱水素酵素は、オキザロ酢酸の定量に使用されており、また、臨床検査試薬の分野においては、現在リンゴ酸脱水素酵素を用いたGOT(グルタミン酸−オキザロ酢酸−トランスアミナーゼ)の測定が肝機能の診断に利用されている。
【0003】
従来、リンゴ酸脱水素酵素としては、ウシやブタ等の臓器由来のものと、シュードモナス・テストステロニ(Pseudomonas testosteroni)〔ジャーナル オブバクテリオロジー(J. of Bacteriol.) 123, 704(1975) 〕、バチルス・サチルス(Bacillus subtilis )〔ジャーナル オブ バクテリオロジー(J. of Bacteriol.) 240, 1118(1965)〕、プロピオニバクテリウム・シェルマーニ(Propionibacterium schermanii)〔フェデレーション プロシーディング(Federation Proceeding )33, 1490(1974)〕、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)〔ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J. Biol. Chem.) 242, 1548(1967)〕、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa )〔アーキブ バイオケミストリー バイオフィジックス(Arch. Biochem. Biophys. )109, 466(1965)〕、サーマス・サーモフィラス(Thermus thermophilus)(特開昭55−99188号公報)等の微生物由来のものが知られている。
【0004】
しかし、ブタやウシ等の高等動物の臓器由来のリンゴ酸脱水素酵素は、比活性においては満足できるもの、その保存安定性において十分満足できるものではなく、特に近年の臨床検査試薬の液状試薬への移行に対応できるだけの保存安定性を備えていないという欠点があった。また、高等動物の臓器を材料としているため、原材料の確保、大量精製の困難さ等にも問題点を有していた。
【0005】
また、微生物由来のリンゴ酸脱水素酵素は、原材料の確保や大量精製が容易であり、さらに、例えばサーマス・サーモフィラス由来の酵素は非常に保存安定性に優れていることが報告されている(特開昭55−99188号公報)が、その比活性は精製酵素標品であってもせいぜい数十U/mg蛋白質程度であるため、これらの酵素を臨床検査試薬に組み込む場合、添加する酵素量が多くなり、この結果、測定結果が酵素中に含まれる夾雑蛋白質の影響を受け易くなるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、保存安定性に優れ、かつ比活性の高いリンゴ酸脱水素酵素及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、このようなリンゴ酸脱水素酵素を求めて多数の微生物を対象に鋭意研究した結果、従来見いだされていなかったストレプトマイセス属に属する放線菌に上記の性能を有するリンゴ酸脱水素酵素が存在するということを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、第1の発明は、ストレプトマイセス属に属する微生物又はその変異株に由来し、以下の理化学的性質を有するリンゴ酸脱水素酵素を要旨とするものである。
【0009】
1)作用
次の反応を触媒する。
【0010】
【化2】
【0011】
2)基質特異性
オキザロ酢酸に対するKmが2.7×10-5Mである。
【0012】
3)至適pH及び安定pH範囲
オキザロ酢酸還元反応における、至適pHが8〜9であって、pH7〜11で安定である。
【0013】
4)分子量
セファデックスG−100ゲルクロマトグラフィーによる測定で72,000である。
【0014】
5)保存安定性
100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中、室温(25℃)で20日間放置した後、95%以上の残存活性を有する。
【0015】
6)熱安定性
100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中、50℃で15分間の処理で失活は見られない。
【0016】
7)比活性
オキザロ酢酸還元反応において、1000U/mg蛋白質以上である。
【0017】
また、第2の発明は、ストレプトマイセス属に属する微生物又はその変異株を培養し、培養物からリンゴ酸脱水素酵素を採取することを特徴とする上記のリンゴ酸脱水素酵素の製造方法を要旨とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明のリンゴ酸脱水素酵素の理化学的性質を示す。
【0019】
(1)作用
下記の反応を触媒する。
【0020】
【化3】
【0021】
(2)基質特異性
0.5〜20×10-5Mのオキザロ酢酸を含む95mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)に、最終濃度が1U/ミリリットルとなるように酵素を加えて30℃で反応させて反応速度を求め、Lineweaver-Burk プロットを作成した。この結果、オキザロ酢酸に対するKm値は2.7×10-5Mであった。
【0022】
また、0.5〜20×10-5MのNADHを含む95mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)に、最終濃度が1U/ミリリットルとなるように酵素を加えて30℃で反応させて反応速度を求め、Lineweaver-Burk プロットを作成した。この結果、NADHに対するKm値は1.4×10-5Mであった。
【0023】
(3)至適pH及び安定pH範囲
0.5mMのオキザロ酢酸及び0.25mMのNADHからなるアッセイミクスチャーを基質とし、各pHの100mMの緩衝液中で30℃で5分間反応させた結果、図1に示すとおり、至適pHは8〜9であった。また、各pHの100mMの緩衝液中で4℃で24時間放置した後の残存活性を測定した結果、図2に示すとおり、pH7〜11で優れた安定性を示し、pH9付近で最も安定であった。なお、緩衝液としては、pH4〜6は酢酸緩衝液、pH6〜8は燐酸緩衝液、pH8〜9はトリス−塩酸緩衝液、pH8.5〜11はグリシン緩衝液を用いた。また、本発明においてリンゴ酸脱水素酵素の活性は、以下の方法により測定した。
0.5mMのオキザロ酢酸及び0.25mMのNADHを含む95mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)1ミリリットルに10マイクロリットルの酵素溶液を加えて30℃で5分間反応させ、この間の340nmの吸光度の減少値を測定した。1分間当たりの吸光度の減少値をΔA340 とし、次式により活性値を算出した。なお、本発明において1Uとは、1分間に1μMのNADHをNADに変換する酵素量をいう。
【0024】
【数1】
【0025】
図1は本発明の酵素の酵素活性に対するpHの影響を示すグラフであり、縦軸に酵素活性を、横軸にpHを示しており、酵素活性は測定値が最高値を示したときの活性を100とした相対活性で表した。また、図2は、本発明の酵素の安定性に対するpHの影響を示すグラフであり、縦軸に残存活性を、横軸にpHを示しており、残存活性は測定値が最高値を示したときの活性を100とした相対活性で表した。
【0026】
(4)作用適温の範囲
0.5mMのオキザロ酢酸及び0.25mMのNADHからなるアッセイミクスチャーを基質とし、95mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中で10〜70℃で5分間反応させた結果、作用適温は20〜50℃であった。
【0027】
(5)分子量
セファデックスG−100ゲルクロマトグラフィーによる測定で72,000である。
【0028】
(6)保存安定性
100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中で室温(約25℃)で20日間放置した後、90%以上の残存活性を有する。
【0029】
(7)熱安定性
100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)に酵素を10U/ミリリットルになるように加え、20〜65℃の各温度において15分間インキュベートした後の残存活性を測定した結果、図3に示すとおり、50℃で15分間の処理で失活は見られなかった。図3は本発明の酵素の安定性に対する温度の影響を示すグラフであり、縦軸に残存活性を、横軸に温度を示しており、残存活性は測定値が最高値を示したときの活性を100とした相対活性で表した。
【0030】
(8)比活性
ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一のバンドを与える本発明の酵素の精製標品の比活性はオキザロ酢酸還元反応において、1000U/mg蛋白質以上である。
なお、本発明において蛋白量はプロテインアッセイキット(バイオラッド社製)を用いて測定した。
【0031】
次に、本発明の酵素を得るには、本発明の酵素の産生能を有する微生物、例えば、ストレプトマイセス属に属する微生物又はその変異株を培養し、その培養物より目的とする酵素を採取すればよい。その具体的菌株として、ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.) W108〔以下、W108と略記する。(FERM P−14935)〕が挙げられる。
【0032】
このW108株の菌学的性質を放線菌の同定実験法(日本放線菌研究会編)に従って調べた結果を以下に示す。
【0033】
(a)形態的性質
(1)菌糸
気菌糸形成 有
基生菌糸の分断 無
(2)胞子
胞子連鎖 有
(b)培養的性質
ISP−2寒天平板培養 裏面の色相は淡黄色、気菌糸の色相は白色、色素の生産は認められない
ISP−2寒天平板培養 裏面の色相は淡黄色、気菌糸の色相は白色〜灰色、色素の生産は認められない
(c)生理学的性質
生育温度範囲 20〜55℃(至適生育温度45℃)
メラニン様色素の合成 無
炭素源の利用性
L−アラビノース 可
D−フラクトース 可
D−グルコース 可
イノシトール 可
D−マンニトール 可
ラフィノース 可
L−ラムノース 不可
シュークロース 可
D−キシロース 可
(d)化学分類学的性質
細胞壁タイプ I型
LL−ジアミノピメリン酸 有
meso−ジアミノピメリン酸 無
ジアミノ酪酸 有
グリシン 有
アスパラギン酸 無
オルニチン 無
リジン 無
アラビノール 無
ガラクトース 無
キノン系 MK-9(H8,H6,H4)
以上の結果よりバージィーズ・マニュアル・オブ・システマティック・バクテリオロジー〔Bergey's Mannual of systematic Bacteriology vol. 4(1989)〕を基に検索したところ、W108株はストレプトマイセス属に属する放線菌であると同定された。この菌株は新規なリンゴ酸脱水素酵素を生産する点において新規な菌株であると判断できることから、ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.) W108と命名し、平成7年5月22日に通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託した。その寄託番号は、FERM P−14935である。
【0034】
本発明においては、この他にも、W108株の自然的及び人工的変異株は勿論、ストレプトマイセス属に属する菌種でリンゴ酸脱水素酵素産生能を有する菌株はすべて使用することができる。また、それらのリンゴ酸脱水素酵素遺伝子を組み入れた組換え微生物も生産菌として使用することができる。
【0035】
これらの菌株を培養する際の培地としては、一般によく用いられる培地を使用することができる。具体的には、炭素源としては、グルコース、シュークロース、マルトース、グリセロール、廃糖蜜、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸等が利用でき、窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー等の無機及び有機の窒素源が利用できる。また、必要に応じて各種のミネラル、無機塩類、ビタミン等を添加して培養することもできる。
【0036】
培養条件としては、通常、好気的条件で行われ、液体培養、固体培養のどちらでもよい。培養温度としては、20〜55℃、好ましくは30〜50℃、さらに好ましくは40〜45℃で行うのがよい。また、培養時のpHとしては、4〜9、好ましくは5〜8、さらに好ましくは6〜7がよい。また、培養時間としては、3〜48時間、好ましくは6〜24時間、さらに好ましくは8〜16時間がよいが、培養の条件により最適条件が変わることは言うまでもない。このような条件で培養することにより、菌体内にリンゴ酸脱水素酵素を生成、蓄積させることができる。
【0037】
このように培養して得られた培養物から本発明の酵素を精製取得する方法としては、通常の酵素精製手段を組み合わせて行えばよい。例えば、培養物から遠心分離、ろ過等の一般的な菌体回収方法により得た菌体を超音波、フレンチプレス、自己消化、有機溶媒処理、界面活性剤処理、リゾチーム等の酵素処理等により破砕し、緩衝液等で菌体内に含まれる酵素を抽出する。このようにして得られた粗酵素液をDEAE−セルロース、DEAE−セファロース、Q−セファロース、ホスホセルロース(以上、ファルマシア製)等のイオン交換樹脂、チバクロンブル−H−ERD(ICI社製)、チバクロンイエローHE−3G、ブルーセファロースCL−6B(ファルマシア製)等のアフィニティークロマト用樹脂、フェニルセファロース、オクチルセファロースCL−4B(ファルマシア製)等の疎水クロマト用樹脂、セファデックスG100、G200等のゲルろ過用樹脂を組み合わせて用い、クロマトグラフィーにより目的の酵素を精製することができる。また、カラムクロマトグラフィーの前処理として硫酸ストレプトマイシンや硫酸プロタミンによる除核酸処理を行ってもよい。さらに、溶媒を用いる分別沈澱、硫酸アンモニウム等の塩類を用いる塩析を適宜組み合わせて精製に用いることができる。
【0038】
【実施例】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例中の%は重量%を示す。
【0039】
実施例1
1%グルコース、1%シュークロース、1%ファーマメディア、0.5%大豆粉、1%変性でんぷん、0.5%ポリペプトン、0.2%炭酸カルシウムからなる培地(pH6.7)500ミリリットルにW108株を接種し、45℃で3日間振とう培養した。このようにして得た培養液を1.5%グルコース、1%酵母エキス、0.2%ポリペプトン、0.2%炭酸カルシウムからなる培地(pH6.7)20リットルを仕込んだ30リットルスケールのジャーファーメンターに接種し、45℃、通気条件20リットル/分、撹はん400rpmで12時間培養を行った後、遠心分離にて菌体を回収し、780gの湿菌体を得た。
【0040】
得られた湿菌体のうち20gを2mMのEDTA及び2mMの2−メルカプトエタノールを含む25mMの燐酸緩衝液(pH8)180ミリリットルに懸濁し、超音波破砕機(KUBOTA INSONATOR 201M )を用いて120ワットで15分破砕した。その後、遠心分離により未破砕の菌体及び菌体残査を除き、粗酵素液を得た。このようにして得られた粗酵素液を上記の25mMの燐酸緩衝液で平衡化したDEAEセファロースFF(ファルマシア社製)カラム(100ミリリットル)にアプライした。このカラムを同緩衝液で洗浄した後、0〜0.5Mの塩化カリウムの直線濃度勾配により、リンゴ酸脱水素酵素を溶出した。活性画分を集め、1Mの硫酸アンモニウムを含む25mMの燐酸緩衝液(pH6)で平衡化したフェニルセファロースCL−4B(ファルマシア社製)カラム(100ミリリットル)にアプライした。1Mの硫酸アンモニウムを含む25mMの燐酸緩衝液(pH6)で洗浄後、0.5〜0Mの硫酸アンモニウムによる直線濃度勾配により、リンゴ酸脱水素酵素を溶出した。リンゴ酸脱水素酵素画分を集め、透析により硫酸アンモニウムを除いた後、25mMの燐酸緩衝液(pH6)で平衡化したブルーセファロースCL−6B(ファルマシア社製)カラム(100ミリリットル)にアプライした。同緩衝液で洗浄した後、0〜0.5Mの塩化カリウムの直線濃度勾配によりリンゴ酸脱水素酵素を溶出した。このようにして比活性1250.4(U/mg)のリンゴ酸脱水素酵素を得ることができた。このようにして得られたリンゴ酸脱水素酵素は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一なバンドを与えた。以上に述べた精製の各ステップでの比活性、活性の回収率等を表1にまとめた。
【0041】
【表1】
【0042】
参考例1、比較例1、2
実施例1で得たリンゴ酸脱水素酵素(参考例1)と、ブタ心臓由来のリンゴ酸脱水素酵素(ベーリンガーマンハイム社製、比較例1)及びサーマス・サーモフィラス由来のリンゴ酸脱水素酵素(天野製薬社製、比較例2)との比活性を測定した。
その結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
参考例2、比較例3
実施例1で得たリンゴ酸脱水素酵素(参考例2)と、ブタ心臓由来のリンゴ酸脱水素酵素(ベーリンガーマンハイム社製、比較例3)の保存安定性を以下のようにして測定した。
それぞれの酵素を10U/ミリリットルとなるように100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)で希釈した後、28℃の恒温槽で42日間保存した。この間の残存活性を経時的に測定した。
【0045】
その結果を図4に示す。図4は本発明のリンゴ酸脱水素酵素及びブタ心臓由来のリンゴ酸脱水素酵素の保存安定性を示すグラフであり、縦軸に残存活性を、横軸に日数を示した。なお、残存活性は、保存開始時の活性を100とした相対活性で示した。
【0046】
表2及び図4からわかるように、本発明のリンゴ酸脱水素酵素は比活性が高く、また保存安定性に優れている。これに対して、サーマス・サーモフィラス由来のリンゴ酸脱水素酵素は比活性が低く、また、ブタ心臓由来のリンゴ酸脱水素酵素は比活性は高いものの保存安定性がよくない。
【0047】
【発明の効果】
本発明のリンゴ酸脱水素酵素は、保存安定性に優れ、かつ比活性が高い。このため、本発明のリンゴ酸脱水素酵素は、オキザロ酢酸の定量やGOT(グルタミン酸−オキザロ酢酸−トランスアミナーゼ)の検査用試薬に用いることに適している。
また、本発明の製造方法によれば、このような酵素を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリンゴ酸脱水素酵素の活性に対するpHの影響を示すグラフである。
【図2】本発明のリンゴ酸脱水素酵素の安定性に対するpHの影響を示すグラフである。
【図3】本発明のリンゴ酸脱水素酵素の安定性に対する温度の影響を示すグラフである。
【図4】本発明のリンゴ酸脱水素酵素及びブタ心臓由来のリンゴ酸脱水素酵素の保存安定性を示すグラフである。

Claims (2)

  1. ストレプトマイセス属に属する微生物又はその変異株に由来し、以下の理化学的性質を有するリンゴ酸脱水素酵素。
    1)作用
    次の反応を触媒する。
    2)基質特異性
    オキザロ酢酸に対するKmが2.7×10-5Mである。
    3)至適pH及び安定pH範囲
    オキザロ酢酸還元反応における、至適pHが8〜9であって、pH7〜11で安定である。
    4)分子量
    セファデックスG−100ゲルクロマトグラフィーによる測定で72,000である。5)保存安定性
    100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中、室温(25℃)で20日間放置した後、95%以上の残存活性を有する。
    6)熱安定性
    100mMのトリス−塩酸緩衝液(pH9)中、50℃で15分間の処理で失活は見られない。
    7)比活性
    オキザロ酢酸還元反応において、1000U/mg蛋白質以上である。
  2. ストレプトマイセス属に属する微生物又はその変異株を培養し、培養物からリンゴ酸脱水素酵素を採取することを特徴とする請求項1記載のリンゴ酸脱水素酵素の製造方法。
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