JP3745801B2 - スクロール型圧縮機およびインジェクションサイクル - Google Patents

スクロール型圧縮機およびインジェクションサイクル Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、インジェクションサイクルで使用されるスクロール型圧縮機およびインジェクションサイクルに関する
【0002】
【従来の技術】
インジェクションサイクルは、周知のように、凝縮器と蒸発器との間で2段膨張(減圧)させ、第1減圧器通過後の中間圧力を有する冷媒を、圧縮工程中の圧縮機の作動室内に噴射することによって、冷凍サイクルの効率向上を図ったものである。
【0003】
また、圧縮工程中の作動室内への冷媒噴射は、作動室内圧力と噴射圧力(気液分離器内圧力)との差圧を利用して作動室に連通するインジェクションポートから行われる。したがって、作動室内圧力が噴射圧力を上回ると、作動室内の冷媒が作動室外(気液分離器内)に逆流してしまう。そこで、従来から気液分離器とインジェクションポートとの間に逆止弁を設けて冷媒の逆流を防止していた。
【0004】
逆止弁を有する圧縮機の具体的構造としては、特開昭58−148290号公報に記載のように、固定スクロールの端板部とケーシングとの間に形成される突出室内に逆止弁を設け、その逆止弁から配管によって端板部に設けられたインジェクションポートに冷媒を導くように構成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来から所定時間インジェションポートが開いて中間圧冷媒が作動室内に噴射されているにも係わらず、所望のサイクル効率向上が達成できないという問題を有していた。
1 そこで、発明者等は種々の研究調査したところ、以下の点が明らかになった。すなわち、圧縮機の吐出圧力脈動が気液分離器内に伝播し、気液分離器内の冷媒に圧力脈動が生じていた。これに連動して噴射圧力にも脈動が生じていたため、噴射時間に対して実際に作動室内に噴射された冷媒量が所望量を下回っており、その結果、所望のサイクル効率向上が達成できないという問題を発生させていた。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、作動室内に噴射される冷媒の圧力脈動を抑制することによりインジェクションサイクルの効率向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1に記載の発明では、インジェクションポート(66、67)を可動スクロール(2)の端板部(75)形成し、作動室(Vc)内に噴射される中間圧力流体の圧力脈動を平滑化する中間圧室(73)をインジェクションポート(66、67)と連通して設けたスクロール型圧縮機であって、固定スクロール(4)の端板部(77)に組付けられたリアプレート(7)と固定スクロール(4)の端板部(77)とによって密閉空間が形成され、この密閉空間は、吐出口(69)から吐出した冷媒の脈動の平滑化を行う吐出室(Vd)と、中間圧室(73)とに分割されており、中間圧室(73)は、前記吐出室(Vd)の周囲に配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項1に記載の発明は、中間圧室(73)に中間圧力を有する流体を導く中間ポート(90)が、リアプレート(7)に設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のスクロール型圧縮機において、中間ポート(90)は、中間ポート(90)から中間圧室(73)を経て、複数個形成されたそれぞれのインジェクションポート(66、67)まで至る流体流路の流路抵抗が等しくなるような位置に設けられていることを特徴とする。また、請求項1に記載の発明では、作動室(Vc)内の流体がインジェクションポート(66、67)を通過して作動室(Vc)外へ流れ出すことを防止する逆止弁(71、72)が、固定スクロール(4)の端板部(77)に設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、ガスインジェクションサイクルにおいて、請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機(70)の中間圧室(73)に、気液分離器(63)で分離された気相または液相冷媒が、導かれるように構成れていることを特徴とする。次に作用効果を述べる。
【0011】
本発明によれば、作動室(Vc)内に噴射される中間圧力流体の圧力脈動を平滑化する中間圧室(73)をインジェクションポート(66、67)と連通して設けられているので、噴射時間(インジェクションポート(66、67)が開口している時間)内は安定的に作動室(Vc)内に流体が噴射される。したがって、噴射時間に対応した流体量が噴射されるので、所望のサイクル効率向上を図ることができる。
【0012】
また、請求項2に記載の発明によれば、中間ポート(90)は、中間ポート(90)から中間圧室(73)を経てインジェクションポート(66、67)まで至る冷媒流路の流路抵抗が等しくなるように設けられているので、各インジェクションポート(66、67)から均等に各作動室(Vc)内に流体を噴射することができる。したがって、各作動室(Vc)内の圧力が均等に上昇するので、両スクロール(2、4)の歯部(74、76)および軸受(30、31)に不適正が荷重が作用することを抑制することができる。したがって、それらの構成部品の損傷およびこれに伴う作動不良を防止することができる。さらに、各作動室(Vc)内に均等に流体が噴射されるので、各作動室(Vc)内に不均等に冷媒が噴射された場合に比べて、サイクル効率の向上を図ることができる。
【0013】
また請求項1に記載の発明では、流体は中間圧室(73)を介してインジェクションポート(66、67)に導かれるので、中間流体を導く中間ポート(90)を1つとすることができる。また、インジェクションポート(66、67)が形成されている固定スクロール(4)の端板部(77)に逆止弁(71、72)が設けられているので、作動室(Vc)から逆止弁(71、72)までのデットボリュームを極めて小さくすることができる。したがって、デットボリューム分の冷媒を吐出する仕事量(デットボリュームと吐出圧力との積)分を小さくすることができるので、スクロール型圧縮機(70)の動力損失の低減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
最初に本発明に係るスクロール型圧縮機を用いたインジェクションサイクルのを図1を用いて説明する。
【0015】
70は、本実施形態に係るスクロール型圧縮機(一点鎖線に囲まれた部分)を簡略して描いたもので、このスクロール型圧縮機(以下、単に圧縮機と呼ぶ。)70で圧縮された気相冷媒は、吐出口69から吐出されて冷媒の凝縮(液化)手段をなす凝縮器61に圧送される。62は凝縮器61で液化された冷媒を減圧する第1絞り弁(第1減圧器)で、63は第1絞り弁で減圧され気液2相状態となった冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する気液分離器である。
【0016】
64は気液2分離器63で分離された液相冷媒を減圧する第2絞り弁(第2減圧器)であり、この第2絞り弁で減圧された霧化状態の冷媒は、空気冷却手段をなす蒸発器65に流れ込み蒸発する。そして、蒸発(気化)した冷媒は、圧縮機70の吸入口68から吸入され再び圧縮される。因みに、両絞り弁62、64は固定絞り型の絞り弁である。
【0017】
また、気液分離器63で分離された気相冷媒は、後述する圧縮機70に設けられた中間圧室73、逆止弁71、72およびインジェクションポート66、67を経て圧縮機70に噴射(インジェクション)される。なお、この気相冷媒の噴射(ガスインジェクション)についての詳細は後述する。
図2は、上述のインジェクションサイクル(図1)を自動車用空調装置に適用した場合の圧縮機70の詳細構造を示す断面図である。
【0018】
5はフロントハウジングで、このフロントハウジング5内に圧入された軸受30によりクランク軸1が回転可能に支持されている。このクランク軸1は一端側に連結される図示されていない電磁クラッチを介して走行用エンジンにより駆動力を得て回転するように構成されている。なお、クランク軸1を電磁クラッチを介さないで直接電動モータ等によって駆動してもよい。
【0019】
また、クランク軸1の他端側には、クランク機構を形成するクランク部1aがクランク軸1の回転中心より所定量偏心した位置に設けられており、このクランク部1aには、軸受31を介して渦巻き状の歯部74と端板部75とから構成された可動スクロール2が回転可能に支持されている。したがって、可動スクロール2は、クランク軸1の回転に伴ってその偏心量を公転半径としてクランク軸1周りを公転運動する。ここで、クランク部1aは、駆動キーと、この駆動キーが挿入されるキー溝が形成されたブッシュとからなる周知の可変偏心機構を有する従動クランク機構としても良い。
【0020】
なお、クランク部1aには、可動スクロール2およびクランク部1aの公転に伴う振動を相殺するバランサ3が一体に形成されている。
また、10はクランク軸1とフロントハウジング5との隙間を密閉して圧縮機70内の冷媒(および冷媒に混合された潤滑油)が圧縮機70外に漏れ出すことを閉止する軸封装置で、サークリップ(止め輪)43によってフロントハウジング5内に固定されている。4は、渦巻き状の歯部76と端板部77とから構成された固定スクロールで、この固定スクロール4は、その歯部76が可動スクロール2の歯部74と噛み合うようにしてフロントハウジング5に図示されていないボルトにて固定されている。
【0021】
そして、両スクロール2、4の歯部74、76および端板部75、77によって冷媒が吸入圧縮される複数個の作動室Vcが形成される。11、12は作動室Vcの密閉性を確保するチップシールで、このチップシール11、12により歯部74、76およびこれらに接する端板部77、75間をシールする。
6は軸受31周りの可動スクロール2の自転を防止する自転防止機構で、この自転防止機構6は、フロントハウジング5および可動スクロール2の端板部75に固定された一対のリング部材6aと、両リング部材6a間に挟まれたボール6bとから構成されている。
【0022】
また、固定スクロール4の端板部77の略中央部には、圧縮された冷媒を作動室Vcから吐出する吐出口69が形成されており、この吐出口69の端板部77側には、作動室Vc内への冷媒の逆流を防止する吐出弁8および吐出弁8の最大開度を規制する弁ストッパ9が、ボルト42によって端板部77に固定されている。
【0023】
そして、固定スクロール4の端板部77の所定の位置には、所定の圧縮工程中の作動室Vc内に気液分離器63で分離された気相冷媒を噴射するインジェクションポート66、67が形成されており、両インジェクションポート66、67には、作動室Vc外への冷媒の逆流を防止する逆止弁71、72が設けられている。なお、図2から明らかなように、逆止弁71、72は端板部77内に組付けられており、両逆止弁71、72は同一構造である。
【0024】
さらに、固定スクロール4の端板部77には、リアプレート7が図示されていないボルトによって組付けられており、このリアプレート7と端板部77とによって密閉空間が形成されている。この密閉空間は、図2、3に示すように、吐出口69から吐出した冷媒の脈動の平滑化を行う吐出室Vdと、両インジェクションポート66、67に中間圧冷媒を分配するとともに中間圧冷媒の圧力脈動を平滑化する中間圧室73とに分割されている。なお、吐出室Vdはリアプレート7に設けられた図示されていない吐出ポートを通過して凝縮器61と連通している。
【0025】
また、中間圧室73の平面形状は、図3の斜線部に示すように円弧状に形成されており、気液分離器63で分離された気相冷媒をこの中間圧室73に導入する中間ポート90がリアプレート7に設けられている。この中間ポート90は、中間ポート90から中間圧室73を経て両インジェクションポート66、67まで至る冷媒流路の流路抵抗が等しくなるように、平面円弧状の中間圧室73の円弧中央部に設けられている。
【0026】
ところで、図4は逆止弁71、72の詳細構造を示しており、80はインジェクションポート66より大きい内径で、インジェクションポート66と同軸に形成された円柱状の逆止弁ポートであり、この逆止弁ポート80は端板部77の中間圧室73側から所定の深さを有して形成されている。85は冷媒が流れるインジェクション流路85aを有するストッパで、このストッパ85は、その円周側面に形成されたおねじ部によって端板部77にねじ固定されている。84はインジェクション流路85aの開閉を行うボールで、コイルスプリング86によってストッパ85側方向に押しつけられている。なお、図5は中間圧冷媒が噴射された(インジェクション流路85aが開いた)時を示しており、その作動については後述する。
【0027】
次に、本実施形態の作動について述べる。
先ず、上述のインジェクションサイクル(図1)を図3に示されるモリエル線図に則してインジェクションサイクルの作動を説明する。
図3の横軸は比エンタルピを示しており、縦軸は圧力を示している。圧縮機70で圧縮され高温高圧になった気相冷媒が凝縮器61を通過する際に冷却されて液化し、第1絞り弁62によって中間圧力まで減圧されて霧状冷媒となる。この状態で気液分離器63に導かれた冷媒は蒸発と凝縮とによる熱の授受を行って気液2相に分かれた状態となる。
【0028】
そして、気相冷媒は中間圧室73にて、その圧力脈動を平滑された後、逆止弁71、72を通過して圧縮機70のインジェクションポート66、67より作動室Vc内に噴射される。一方、液相冷媒は第2絞り弁64によってさらに減圧され、蒸発器65を通過する際に、その蒸発潜熱により空気を冷却する。その後、蒸発(気化)した気相冷媒は圧縮機70よに吸入され、インジェクションポート66、67より作動室Vc内に噴射された中間圧冷媒とともに再び圧縮される。
【0029】
次に、圧縮機70の作動について述べる。
図7〜図10は固定スクロール4に対する可動スクロール2の相対位置を、吸入完了状態から公転角度約90度毎に示している。
図7に示されているように、圧縮機70は、同圧(同体積)の作動室Vc(図7の状態a1)が同時に2つ形成される。そして、可動スクロール2の公転にとともに作動室Vcは、状態b1(図8)、状態c1(図9)、状態d1(図10)の順に、その体積を縮小させて作動室Vc内圧力を高めながら中央部に移動していく。そして、作動室Vc内の圧力が凝縮器61内の圧力を上回ったとき、吐出弁8を押し開き、作動室Vc内の冷媒は吐出口69より吐出室Vd内に吐出される。
【0030】
また、図11〜図14は、インジェクションポート66、67が閉じた状態から公転角度約90度毎に再びインジェクションポート66、67が閉じるまでを示しており、図11はインジェクションポート66、67が閉じた状態を示している。そして、可動スクロール2の公転が進むとインジェクションポート66、67は図12、13、14に示されるように開く。
【0031】
このとき、インジェクションポート66、67が連通している作動室Vcに着目すれば、状態a2(図11)、状態b2(図12)、状態c2(図13)、状態d2(図14)にの順に示されるように、次第にその体積を縮小させて作動室Vc内圧力を高めている。
したがって、インジェクションポート66、67が開いた後、作動室Vc内圧力が中間圧室73内圧力(気液分離器63内圧力)より低いときは、図5に示すように、中間圧室73内圧力によりボール84を押し開く。そして、冷媒がインジェクション流路85aからコイルスプリング86と逆止弁ポート80との隙間を経て、インジェクションポート66、67より作動室Vc内に気液分離器63で分離された気相冷媒が噴射される。なお、噴射される気相冷媒は、図1、2に示すように、中間圧室73内にてその圧力脈動を平滑化された後、作動室Vc内に噴射される。
【0032】
そして、作動室Vc内圧力が気液分離器63内圧力を上回ると、図4に示すように、圧力差によりボール84がインジェクション流路85aを閉じ、作動室Vc内への気相冷媒の噴射が終了する。ここで、仮に逆止弁71、72が設けられていない場合には、作動室Vc内圧力が気液分離器63内圧力より高いので、作動室Vc内の高圧冷媒が中間圧室73を経て気液分離器63内に逆流するという不具合が発生する。
【0033】
なお、気液分離器63内圧力は、インジェクションサイクルの負荷条件によって変動するので、作動室Vc内への噴射時間も負荷条件によって変動する。
次に本実施形態の特徴を述べる。
気相冷媒は中間圧室73にて、その圧力脈動を平滑された後、インジェクションポート66、67より作動室Vc内に噴射されるので、噴射時間(インジェクションポート66、67が開口している時間)内は安定的に作動室内に冷媒が噴射される。したがって、噴射時間に対応した冷媒量が噴射されるので、所望のサイクル効率向上を図ることができる。
【0034】
また、中間圧室73は圧縮機70の内部(リアプレート7と固定スクロール4の端板部77との間の空間)に形成されているので、気液分離器63と圧縮機70との間に新たに圧力脈動を平滑化するチャンバー(部屋)を設けなくても良い。したがって、配管ジョイント等の構成部品の増加、製造原価の上昇等を抑制してサイクル効率の向上を図ることができる。
【0035】
また、中間ポート90は、中間ポート90から中間圧室73を経て両インジェクションポート66、67まで至る冷媒流路の流路抵抗が等しくなるように中間圧室73の円弧状平面の中央部に設けられているので、両インジェクションポート66、67から均等に2つの作動室Vc内に冷媒を噴射することができる。したがって、2つの作動室Vc内の圧力が均等に上昇するので、両スクロール2、4の歯部74、76および軸受30、31に不適正が荷重が作用することを抑制することができる。したがって、それらの構成部品の損傷およびこれに伴う作動不良を防止することができる。さらに、2つの作動室Vc内に均等に冷媒が噴射されるので、2つの作動室Vc内に不均等に冷媒が噴射された場合に比べて、サイクル効率の向上を図ることができる。
【0036】
また、インジェクションポート66、67が形成されている固定スクロール4の端板部77に逆止弁71、72が設けられているので、作動室Vcから逆止弁71、72(厳密には、ボール84)までのデットボリュームを極めて小さくすることができる。したがって、デットボリューム分の冷媒を吐出する仕事量(デットボリュームと吐出圧力との積)分を減らすことができるので、圧縮機70の動力損失の低減を図ることができる。
【0037】
また、冷媒は中間圧室73を介してインジェクションポート66、67に導かれるので、圧縮機70に中間圧冷媒を導く中間ポート90を1つとすることができる。したがって、圧縮機70の加工工数の低減を図ることができるので、圧縮機70の製造原価の低減を図ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、逆止弁71、72の構造を変更したもので、以下にその構造を説明する。
【0038】
図15、16に示すように、第1実施例におけるボール84をスプール弁体91に置き換えたものである。図17はスプール弁体91の拡大図であり、円柱状のスプール弁体91にインジェクション流路を形成する穴91a、91bが形成されている。穴91bはスプール弁体91を径方向に貫通しており、穴91aと穴91bとはスプール弁体91の内部でT字状に交差している。また、スプール弁体91の円柱側面のうち、穴91bが形成されている両部位は、円柱状の溝91cが形成されている。
【0039】
次に、本実施形態に係る逆止弁の作動を述べる。
図15は逆止弁が閉じている状態を示しており、第1実施形態と同様に、作動室Vc内圧力が中間圧室73内圧力を上回っている状態である。図16は逆止弁が開いている状態を示しており、中間圧室73内圧力が作動室Vc内圧力を上回っている状態である。なお、冷媒流れは、溝91c、穴91bそして穴91bと至る流れである。
【0040】
(第3実施形態)
本実施形態は、インジェクションポートを4つとしたものである。
図18は本実施形態に係る圧縮機70の概略図であり、逆止弁ポート80の内径内に2つのインジェクションポートを形成したものである。
本実施形態では、インジェクションポート数が上述の実施形態に比べて増加しているので、冷媒がインジェクションポートを通過する際の圧力損失を小さくすることができる。したがって、気液分離後の中間圧冷媒の有する圧力エネルギーを有効に圧縮機70の圧縮仕事に利用することができるので、サイクル効率の向上をさらに図ることができる。
【0041】
(第4実施形態)
本実施形態は、上述の実施形態に係る圧縮機70を、液相冷媒を作動室Vc内に噴射するリキッドインジェクションサイクルに適用したものである。
図19は本実施形態に係るリキッドインジェクションサイクルの概略図を示しており、気液分離器63で分離された液相冷媒を作動室Vc内に噴射することを特徴としており、その他の構成は図1に示すインジェクションサイクルと同じである。したがって、気液分離器63の冷媒取り出し口位置の変更によってリキッドインジェクションサイクルを構成することができる。
【0042】
すなわち、小規模変更によってリキッドインジェクションサイクルにおいても上述のインジェクションサイクルと同様な効果を得ることができる。
ところで、本発明に係る圧縮機は、スクロール型圧縮機に限定されるものではなく、ベーンロータ式、クランク式等の他の圧縮機においても実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガスインジェクションサイクルの概略構成図である。
【図2】本実施形態に係るスクロール型圧縮機の断面図である。
【図3】中間ポート室の形状を示す説明図である。
【図4】逆止弁の拡大図である(閉状態)。
【図5】逆止弁の拡大図である(開状態)。
【図6】インジェクションサイクルの説明用モリエル線図である。
【図7】冷媒吸入完了時の可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図8】図7の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図9】図8の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図10】図9の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図11】インジェクションポートが閉じた時の可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図12】図11の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図13】図12の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図14】図13の状態から公転角度90度進んだ可動スクロールおよび固定スクロールの状態を示す状態図である。
【図15】第2実施形態に係る逆止弁の拡大図である(閉状態)。
【図16】第2実施形態に係る逆止弁の拡大図である(開状態)。
【図17】第2実施形態に係る逆止弁のスプール弁体の拡大図である。
【図18】第3実施形態に係る圧縮機の概略構成図である。
【図19】第3実施形態に係るリキッドインジェクションサイクルの概略構成図である。
【符号の説明】
61…凝縮器、62…第1絞り弁(第1減圧器)、63…気液分離器、
64…第2絞り弁(第2減圧器)、65…蒸発器、
66、67…インジェクションポート、68…吸入口、69…吐出口、
70…スクロール型圧縮機、71、72…逆止弁、73…中間圧室、
90…中間ポート。

Claims (3)

  1. 動力源から動力を得て回転し、端部に所定量偏心したクランク部(1a)を有する回転軸(1)と、
    前記クランク部(1a)に軸受(31)を介して回転可能に組付けられ、前記回転軸(1)の回転に伴い公転運動を行い、渦巻き状の可動側歯部(74)と可動側端板部(75)とからなる可動スクロール(2)と、
    前記可動側歯部(74)と噛み合うように形成された渦巻き状の固定側歯部(76)と、固定側端板部(77)とからなる固定スクロール(4)と、
    前記両スクロール(2、4)の歯部(74、76)および端板部(75、77)によって形成される作動室(Vc)内に流体を吸入する吸入口(68)と、
    前記可動スクロール(2)の公転運動により圧縮された流体を吐出する吐出口(69)と、
    前記固定側端板部(77)に形成され、前記吸入口(68)から吸入される流体の圧力と前記吐出口(69)から吐出される流体の圧力との中間圧力を有する流体を前記作動室(Vc)内に噴射するインジェクションポート(66、67)と、
    前記インジェクションポート(66、67)に連通して設けられ、前記作動室(Vc)内に噴射される流体の圧力脈動を平滑化する中間圧室(73)とを有するスクロール型圧縮機であって
    前記固定スクロール(4)の前記固定側端板部(77)のうち、前記固定側歯部(74)と反対側の端面には、前記吐出口(69)を囲むように立設した内周壁が設けられ、この内周壁の開口端を覆うように前記スクロール型圧縮機を収容するケーシングの一部であるリアプレート(7)が組付けられており、このリアプレート(7)と前記固定側端板部(77)と前記内周壁とによって、前記吐出口(69)から吐出した冷媒の脈動の平滑化を行う吐出室(Vd)が形成され、
    前記吐出室(Vd)は、前記作動室(Vc)内の圧力が、気相冷媒を凝縮する前記凝縮器(61)内の圧力を上回ったときに押し開かれる吐出弁を備え、
    前記内周壁の外側には、前記内周壁に接続し、前記固定側端板部から前記インジェクションポートを囲むように立設した外周壁が設けられ、この外周壁の開口端を覆うように前記リアプレート(7)が組み付けられており、前記リアプレート(7)と前記固定側端板部(77)と前記内周壁と前記外周壁とによって、前記作動室(Vc)内の流体が前記インジェクションポート(66、67)を通過して前記作動室(Vc)外へ流れ出すことを防止する逆止弁(71、72)が設けられた前記中間圧室(73)が形成されることで、前記中間圧室(73)は、前記吐出室(Vd)の周囲に配置されており、前記中間圧室(73)に前記中間圧力を有する流体を導く中間ポートが前記リアプレート(7)に設けられていることを特徴とするスクロール型圧縮機
  2. 前記作動室(Vc)および前記インジェクションポート(66、67)は、それぞれ複数個形成されており、
    前記中間ポート(90)は、前記中間ポート(90)から前記中間圧室(73)を経て各インジェクションポート(66、67)まで至る流体流路の流路抵抗が等しくなるような位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載のスクロール型圧縮機(70)と、
    前記スクロール型圧縮機(70)で圧縮された気相冷媒を凝縮する凝縮器(61)と、
    前記凝縮器(61)で凝縮された冷媒を減圧する第1減圧器(62)と、
    前記第1減圧器(62)で減圧された気液2相状態の冷媒を気液分離する気液分離器(63)と、
    前記気液分離器(63)で分離された気相冷媒を減圧する第2減圧器(64)と、
    前記第2減圧器(64)で減圧された冷媒を蒸発させて空気を冷却する蒸発器(65)と、を有し、
    前記気液分離器(63)で分離された気相または液相冷媒が、前記圧縮機(70)の中間圧室(73)に導かれるように構成されていることを特徴とするインジェクションサイクル。
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