JP3745565B2 - 粒状固体塩基性触媒およびその製法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面層のみ塩基性を持った多層構造を有する粒状触媒の製法およびその製法に関する。更に詳しくは、内部がほぼ中性物質である少なくとも2層以上の層構造を持った粒状固体塩基性触媒を提供する。即ち、内部を不活性にすることで被反応物が粒状触媒内部に滞留しても、過反応物が生成されず目的物を選択的に得ることが出来る。従って活性水素含有化合物へのアルキレンオキサイド付加重合用触媒またはアルデヒドおよび/またはケトンのアルドール化および/またはアルドール化−クロトン化用等の塩基触媒として有利に利用できる。
【0002】
【従来の技術】
各種界面活性剤、溶剤、化学品中間体、ポリウレタン樹脂原料等として有用なポリエーテル化合物は、酸性触媒または塩基触媒を用いて、アルコール類、フェノール類、アミン類、有機カルボン酸等の活性水素を有する化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させて得られる。しかしながら、酸性触媒の場合、アルキレンオキサイドの付加モル数が大きくなると副反応によりジオキサン誘導体が副生し、更に金属の腐食性が強いため、工業的生産用触媒としては不利な面が多く、一方、塩基性触媒として代表的なものは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート等で、この様な塩基性触媒を用いた場合、付加モル分布の広いポリエーテル化合物しか得られない問題があった。
【0003】
これを解決する方法として、特開平2−71841号公報に、活性水素原子を含む化合物のエトキシ化またはプロポキシ化触媒として400〜600℃で焼成したハイドロタルク石を用いることにより分子量分布の狭い反応生成物を得ることが出来、且つ、焼成ハイドロタルサイトは反応混合物に不溶であるため濾別等の簡単な方法で除去できると開示されている。また、特開平6−322098号公報ではハイドロタルサイト類と分子内に活性水素を含有する開始剤との混合系を減圧下、100〜300℃にて前処理することで、400〜600℃で焼成することもなく不必要なエネルギーを必要とせず、重合後は珪藻土系濾過助剤を用いて通常の濾過操作で分別出来ると開示されている。しかしながら以上のように得られたポリエーテルは粘性が高く、触媒を濾別によって分離できるものの速やかに濾別するためには、加熱下で、且つ、珪藻土等の濾過助剤が必要となるため、触媒の再生が困難となる。また、特開平11−71328号公報では、複合金属酸化物触媒の存在下で脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキサイドを直接付加重合した後、更にアルキレンオキサイドを直接付加重合する脂肪酸ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの製法が開示されている。
【0004】
更には、特開平11−128740号公報では、アルデヒドおよび/またはアルドール化−クロトン化用固体触媒としてハイドロタルサイトを焼成し水溶性溶媒で洗浄した平均粒径70ミクロンの固体触媒を用いることが記載されている。
【0005】
これらはいずれもハイドロタルサイト類の粉末触媒を用いており、この様な粉末触媒は、通常、反応終了後、目的物質と触媒を分離するため、濾別工程に工夫が必要である。濾別を簡単にするためには粒子サイズを大きくすれば良いが、従来の固体塩基性粒状触媒は単一組成の粒状物であったり、強度を保持するために他の配合剤との混合粒状物であるため、内部まで活性が存在する粒状触媒であった。この様な触媒は、反応時に被反応物が触媒内部に滞留するため、過反応が起こり目的とするもの以外の物質も多く生成し、いわゆる選択性が悪くなる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、塩基性触媒反応に於いて、反応後に触媒と反応生成物とを簡単に分離でき、また選択性のよい粒状塩基性触媒およびその製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、表面層のみ固体塩基性を持った多層構造を有する粒状触媒を調製するため、内部を通常触媒担体として使われる粒状アルミナの如きほぼ中性の固体物質の表面に塩基性無機粉体をコートさせ、必要に応じ200℃〜1000℃で焼成することで触媒活性は表面のみ維持し内部を不活性にする事が出来る。従って被反応物が本発明の塩基性触媒内部に滞留しても過反応を起こさず、目的物を選択的に得ることが出来る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、表面層が塩基性無機粉体で覆われ、内部が中性物質である少なくとも層以上の層構造を持った、活性水素含有化合物へのアルキレンオキサイド付加重合用触媒またはアルデヒドおよび/またはケトンのアルドール化および/またはアルドール化−クロトン化用触媒として使用するための粒状固体塩基性触媒が提供される。
【0009】
本発明にて製造される多層構造を有する粒状触媒の製造方法としては、例えば、内部(コア)をアルミナにする場合、必要に応じ各種のアルミナ粉末を、適量の水と混合し造粒装置にてアルミナコア粒子を得る。得られた湿った状態のコア粒子を、回転ディスクの整粒機でほぼ球状にする段階で、塩基性無機粉体を徐々に投入し、アルミナコア粒子表面に粉体を物理的に付着させる。この過程でアルミナが塩基性無機粉体とのバインダー的な役目を果たし、粉体を強く付着させる。回転ディスクにて湿ったアルミナ粒子を回転整粒させ、アルミナ粉体の細密充填を起し、表面に水分が滲みだした時、塩基性無機粉体を回転させながら少しずつ添加する。回転を掛けながら添加することで塩基性無機粉体もまた細密充填を起こしながら表面層に強く結合できる。ここで用いる造粒機および整粒機は特別なものを必要とせず、例えば高速撹拌型混合造粒機、転動造粒機および回転整粒機等を使用することが出来る。また、アルミナコア粒子用アルミナ粉末は各種のものを用いることが出来るが、特に粒子強度を高めるため水硬性アルミナ単独またはそれを10重量%以上添加するのが好ましい。
【0010】
更に、用途により可能で有れば、一般的な他のバインダーを使うこともでき、例えば塩基性無機粉体を添加する前にバインダーを添加したり、水の中にバインダーを溶解させて造粒することもできる。バインダーは特に限定するものでなく、有機系、無機系が利用できる。
【0011】
得られた、湿った状態の粒状塩基性触媒は、焼成する場合でも、一端乾燥させた方が粒子強度が強く、しかも、例えば流動乾燥等の高温における急速な乾燥は避けなければならない。ここで使用するアルミナは、製法によりナトリウムまたは塩素等の水可溶性塩を1重量%以下の少量含んでいても良い。
【0012】
塩基性無機粉体は、フェノールフタレインを着色させるpH8.3以上のもので、特に周期律表IIa属の酸化物、水酸化物および塩基性炭酸塩または複合金属の酸化物、水酸化物および塩基性炭酸塩であり、固体表面の塩基量を多くするためには、例えばBET法比表面積が100以上と大きい方が有利であるが、特に限定するものではない。
【0013】
塩基性無機粉体として、好ましくは、下記式(1)で示されるハイドロタルサイト類化合物、あるいは、式(1)を200〜600℃で焼成したものが好ましい。
2+ 1-X3+ X(OH)2n- x/n・mH2O (1)
(式中、M2+はMg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,CoおよびMnから成る群から選ばれる二価金属で示される少なくとも一種、M3+はAl,Fe,Cr,Mn,BiおよびCeから選ばれる三価の金属で示される少なくとも一種を含み、An-はn価のアニオンでCO3 2-,SO4 2-,HPO4 2-,OH-,NO3 -およびCl-等の少なくとも一種が例示できる。また式中xおよびmは、0<x≦0.5、0≦m≦1で示される範囲である。
前記式(1)において特に好ましいのは、M2+がMg、M3+がAlでAn-がCO3 2-あるいはOH-のハイドロタルサイト類化合物を400〜600℃で焼成したもの、あるいはアニオンがOH-であるハイドロタルサイト類化合物が好まれる。An-がOH-の場合は、アニオンがCO3 2-のハイドロタルサイト類化合物を400〜600℃で焼成した後、イオン交換水で再水和させても得ることが出来る。
【0014】
これらの塩基性無機粉体は、粒状塩基性触媒に成形した後、200〜1000℃で焼成、または、再水和することも可能である。焼成方法は、窒素雰囲気または空気中で、ロータリーキルンまたはボックス炉等で行うことが出来る。
【0015】
粒状塩基性触媒の表面に塩基性触媒が固着した事の確認は、フェノールフタレイン、トロペオリンOまたは2,4−ジニトロアニリン等の指示薬のエタノールまたはベンゼン溶液を触媒粒子に滴下させると表面層のみが塩基性色に発色することで解る。また、塩基性触媒量を測定する簡単な方法としては、エタノールまたはベンゼン中に、一定量の触媒を投入し、上記指示薬を滴下し発色させ、安息香酸または塩酸等の酸で、変色するまで中和滴定すればよい。
【0016】
以上のようにして得られた触媒は、従来公知である活性水素含有化合物へのアルキレンオキサイド付加重合用触媒またはアルデヒドおよび/またはケトンのアルドール化および/またはアルドール化−クロトン化用触媒に好適に用いることが出来る。
【0017】
例えば、ポリエーテル化合物の合成に於いて、活性水素原子を含む化合物にアルキレンオキサイドを付加重合させることが出来る。活性水素原子を含む化合物は、脂肪酸、ヒドロキシ脂肪酸、脂肪酸アミド、一価アルコール、多価アルコール、アルキルフェノール類、ビスフェノール類等を例示することが出来る。またアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1,2−または2,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等があり、好ましくはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドである。
【0018】
アルキレンオキサイドの付加重合反応方法としては、例えば、圧力容器内に活性水素原子を含む化合物と、必要量の粒状固体塩基性触媒をステンレス製金網固定層に投入し、圧力容器内を窒素ガス置換後、脱気し、ついで攪拌しながらアルキレンオキサイドを80〜200℃にて必要量導入し、導入終了後圧力が平衡になるまで80〜200℃にて反応熟成することで目的のものが得られる。反応終了後、窒素ガスを導入し反応物を抜き取る。そして新たな活性水素原子を含む化合物を導入し、脱気し、再びアルキレンオキサイドを同条件で反応させる。このようにして触媒活性が低下するまで反応を繰り返すことが出来る。触媒を固定層にすることで連続反応も可能になり、また従来の均一系触媒または粉末系固体塩基触媒と異り、特別な触媒の分離操作が不要で経済的生産効率を良くすることが可能になった。
【0019】
また同様に、アルデヒドおよび/またはケトンのアルドール化および/またはアルドール化−クロトン化縮合反応に用いる場合も、アルデヒドおよび/またはケトンを塩基性触媒の存在する反応容器へ、アルデヒドおよび/またはケトンが気化しない程度の0〜200℃で導入し30分から6時間で、β−ヒドロキシカルボニル化合物および/またはβ−不飽和カルボニル化合物を得ることが出来る。この場合も粒状固体塩基性触媒を固定層に納め反応を繰り返すことが出来る。
【0020】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を、更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
実施例1
市販の水硬性アルミナ(住友化学工業株式会社製:BK−112)2Kgに対し、1200mlのイオン交換水を徐々に加えながら、主軸3600rpm、造粒軸3600rpmで約10分間、奈良機械製作所の高速攪拌型混合造粒機(ラボラトリー・マトリックス:LMA−10)にて約2mmサイズのアルミナコア粒子を作る。得られた湿潤状態のアルミナコア粒子を表面凹凸のあるデスク状整粒機に入れ、回転させながらMg0.69Al0.31(OH)2(CO30.15・0.55H2O組成のハイドロタルサイト類化合物の乾燥粉末300gを徐々に投入した。再び粒子表面が湿ってきたところで取り出し、105℃、16時間乾燥後、1mm〜3mmサイズのものをフルイにて分け、フェノールフタレイン−エタノール指示薬で着色させたところ表面のみが赤色に着色した。さらにここで得た粒状物を500℃で1時間ボックス型電気炉にて焼成し粒状固体塩基触媒とした。分析した結果、焼成ハイドロタルサイトは8重量%であった。このものを2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液を指示薬にして0.1モルの安息香酸ベンゼン溶液にて塩基量を測定した結果、安息香酸の消費量は0.085mmol/gであった。このサンプルをNo.1とした。
【0022】
実施例2
市販のアルミナを水硬性アルミナ1Kgとα−アルミナ1Kgに対し、1050mlのイオン交換水を徐々に加えたこと、およびMg0.75Al0.25(OH)2(CO30.13・0.63H2O組成のハイドロタルサイト類化合物の乾燥粉末を150gに代えた他は、実施例1と同様にして、焼成ハイドロタルサイト4.8wt%含有粒子状固体塩基触媒を得た。2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液を指示薬にして0.1モルの安息香酸ベンゼン溶液で塩基量を測定した結果、0.062mmol/gであった。このサンプルをNo.2とした。
【0023】
実施例3
実施例1で得られた粒状固体塩基触媒の500℃焼成物100gを、1000mlの脱炭酸した室温のイオン交換水中にて1時間放置させ、取り出した固体粒子をアセトンで洗浄し炭酸ガスを吸収しないよう窒素置換しながら室温で乾燥させた。得られた粒状固体塩基触媒をフェノールフタレイン−エタノールを指示薬にして0.1Nの塩酸消費量を測定した結果1.8mmol/gであった。このサンプルをNo.3とした。
【0024】
比較例1
実施例1の高速攪拌型混合造粒機を用い、1KgのMg0.69Al0.31(OH)2(CO30.15・0.55H2O組成のハイドロタルサイト類化合物に対し1.3Kgのイオン交換水を加え実施例1の造粒機を使用して1〜3mmサイズの造粒物を得、乾燥後、500℃で1時間ボックス型電気炉にて焼成し、2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液を指示薬にして0.1モルの安息香酸ベンゼン溶液で塩基量を測定した。結果は、0.6mmol/gの塩基量であった。このサンプルをNo.4とした。
【0025】
比較例2
Mg0.69Al0.31(OH)2(CO30.15・0.55H2O組成のハイドロタルサイト類化合物を造粒せず、500℃で1時間ボックス型電気炉にて焼成し、2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液を指示薬にして0.1モルの安息香酸ベンゼン溶液で塩基量を測定した。結果は、0.65mmol/gの塩基量であった。このサンプルをNo.5とした。
【0026】
比較例3
比較例1のサンプル50gを500mlの脱炭酸した室温のイオン交換水中にて1時間放置させ、取り出した固体粒子をアセトンで洗浄し炭酸ガスを吸収しないよう乾燥させた。得られた粒状塩基触媒をフェノールフタレイン−エタノールを指示薬にして0.1Nの塩酸消費量を測定した結果21.1mmol/gであった。このサンプルをNo.6とした。
【0027】
実施例4、比較例4
攪拌および温度調節機能の付いたステンレス製のオートクレーブ中に眼開き0.5mmの金網で作った容器を固定し、サンプルNo1、2または4をそれぞれ2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液指示薬の固体塩基量で1ミリモルまたは2ミリモル相当量投入した。続いて、市販のラウリルアルコール186部(1モル)を同オートクレーブ中に投入した後、窒素ガス置換し100℃で30分間真空ポンプで排気した。次いで温度を180℃迄加温し、エチレンオキサイド176部(4モル)をゲージ圧で約4Kg/cm2を維持するよう撹拌下に導入した。導入終了後30分間攪拌を維持し反応を終了させた。得られた反応物は触媒の分離が簡単で濾別の必要がなく、シリル化後ガスクロにてエチレンオキサイドの付加モル量分率を測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
Figure 0003745565
【0029】
比較例5
金網製触媒ホルダーを使用せず、サンプルNo5を直接反応槽内に投入した以外は実施例4と同様に反応した。使用塩基性触媒量は、2,4−ジニトロアニリンのベンゼン溶液指示薬の固体塩基量で1.0ミリモルとした。結果は、エチレンオキサイド圧入時間が6時間で終了し、付加モル比ごとのガスクロマトグラム面積比(%)を表すと表1の実施例4−3と同様な結果を得たが、触媒を分離させるために、直径15cmのヌッチェを用い60℃、600mmHgの減圧で濾別したとき1Kgの反応物を得るために5時間を要した。
【0030】
実施例5
撹拌および温度調節機能の付いた反応容器に、眼開き0.5mmの金網で作った容器を固定し、金網容器内にサンプルNo3の粒状塩基触媒をフェノールフタレイン−エタノールを指示薬による0.1Nの塩酸消費量100ミリモル分を投入し、真空脱気した後窒素置換させた。その後75wt%のアセトンと25wt%のイソブチルアルデヒドの混合液を100g導入し、撹拌しながら50℃まで加温し、3時間反応させ、得られた反応液の触媒を濾別することなく取り出した。ガスクロマトグラフィー分析によって得られた結果は、イソブチルアルデヒドの変換率87%、5−メチル−4−ヒドロキシ−2−ヘキサノンの選択率は42%、5−メチル−3−ヘキセン−2−オンの選択率は35%であった。β−ヒドロキシおよびα,β−不飽和カルボニル化合物の全選択率は77%であった。
【0031】
実施例6
実施例5で用いた使用済み触媒を取り出し、ボックス型電気炉にて500℃、3時間焼成した後、実施例3に従って触媒を再生した。得られた再生の粒状固体塩基触媒をフェノールフタレイン−エタノールを指示薬にして0.1Nの塩酸消費量を測定した結果1.5mmol/gであった。この触媒を0.1N塩酸消費量100ミリモル分用いて実施例5と同様に操作した。得られた反応液をガスクロマトグラフィー分析した結果は、イソブチルアルデヒドの変換率85%、5−メチル−4−ヒドロキシ−2−ヘキサノンの選択率は40%、5−メチル−3−ヘキセン−2−オンの選択率は36%であった。β−ヒドロキシおよびα,β−不飽和カルボニル化合物の全選択率は76%であった。
【0032】
比較例6
サンプルをNo6に変えた以外は全て実施例5と同様に操作し反応物を得た。得られた反応液のガスクロマトグラフィー分析結果は、イソブチルアルデヒドの変換率45%、5−メチル−4−ヒドロキシ−2−ヘキサノンの選択率は30%、5−メチル−3−ヘキセン−2−オンの選択率は15%であった。β−ヒドロキシおよびα,β−不飽和カルボニル化合物の全選択率は45%であった。
【0033】
【発明の効果】
本発明の粒状塩基性触媒は従来から用いられている均一系触媒と異なり、触媒の分離、再生が容易であるため生産性効率が良く、製品コストを低減させることができる。

Claims (6)

  1. 表面層が塩基性無機粉体で覆われ、内部が中性物質である少なくとも層以上の層構造を持った、活性水素含有化合物へのアルキレンオキサイド付加重合用触媒またはアルデヒドおよび/またはケトンのアルドール化および/またはアルドール化−クロトン化用触媒として使用するための粒状固体塩基性触媒。
  2. 塩基性無機粉体がフェノールフタレインを赤色させるpH8.3以上のもので、周期律表IIa属の酸化物、水酸化物あるいは塩基性炭酸塩または複合金属の酸化物、水酸化物あるいは塩基性炭酸塩である請求項1記載の粒状固体塩基性触媒。
  3. 塩基性無機粉体がハイドロタルサイト類化合物粉体、もしくはハイドロタルサイト類化合物粉体の焼成物である請求項1または2記載の粒状固体塩基性触媒。
  4. 中性物質がアルミナ粒子である請求項1、2または3のいずれか記載の粒状固体塩基性触媒。
  5. 塩基性無機粉体が下記式(1)で表されるハイドロタルサイト類化合物である請求項1、2または3のいずれか記載の粒状固体塩基性触媒。
    2+ 1-X3+ X(OH)2n- x/n・mH2O (1)
    (式中、M2+はMg,Ca,Zn,Ni,Cu,Fe,CoおよびMnから成る群から選ばれる二価金属で示される少なくとも一種、M3+はAl,Fe,Cr,Mn,BiおよびCeから選ばれる三価の金属で示される少なくとも一種、An-はn価のアニオンでCO3 2-,SO4 2-,HPO4 2-,OH-,NO3 -およびCl-等の少なくとも一種を示し、また式中xおよびmは、0<x≦0.5、0≦m≦1で示される範囲である。)
  6. 内部部分の湿式造粒後、回転ディスクでの整粒時に塩基性触媒粉体を供給し、粒子表面に触媒を固着させることを特徴とする請求項1記載の粒状固体塩基性触媒の製法。
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