JP3744331B2 - 感震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は感震装置、特にガスメータに設けた感震器からのオン・オフ信号に基づいて地震による振動であるか否かを判別する感震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、感震装置として、感震器からの信号のオン時間及びオフ時間の変動状態を監視し、その変動量の平均値が、規定値以上であれば地震による振動であり、規定値未満であれば衝撃による振動であると判別するものが公知である(特許第2699403号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記感震装置では誤動作が多い。すなわち、感震器は内部の硬球が振動してスイッチをオン・オフさせる構造となっている。このため、衝撃による振動の初期・中期・末期で硬球の振動状態が相違し、初期及び末期の出力が不規則となる。したがって、このような不規則な出力をも含めて平均値を算出すると、衝撃による振動であるにも拘わらず、地震であると誤判別され易くなる。
【0004】
また、前記感震装置ではアルゴリズムが複雑である。すなわち、感震器からの信号のオン時間及びオフ時間の変動量の平均値を算出するためのマイクロコンピュータの処理は複雑である。このため、高性能で高価なマイクロコンピュータが必要となる。特に、振動の初期及び末期の不規則な出力による悪影響を排除しようとすれば、益々処理が複雑となり、より一層高価なマイクロコンピュータが必要となる。
【0005】
そこで、本発明は、検出された振動が地震によるものであるか否かを簡単かつ安価に判別することのできる感震装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、
振動によりオン・オフ信号を出力する感震器と、
該感震器から出力されるオン・オフ信号に基づいて地震による振動であるか否かを判別する判別手段とを備えた感震装置において、
前記判別手段は、
前記感震器から出力されるオン・オフ信号の周期を順次計時する計時部と、
該計時部で順次計時される周期の変動時間が、設定時間以下となる連続回数を計数する計数部と、
前記感震器からの出力のうち、第2の設定オフ時間以上のオフ時間をそれぞれ間に持つ第2の設定オン時間以上のオン時間であるオン信号の回数を計数する第2の計数部と、
前記計数部での計数値が設定回数未満であると共に、前記第2の計数部での計数値が第2の設定回数以上である場合にのみ地震による振動であると判別する判別処理を行う判別部とで構成したものである。
【0007】
この構成により、衝撃による振動であれば、振動中期に計時部で順次計時される周期の変動時間が連続的に設定時間以下となるので、地震による振動であると誤判別されることがなくなる。また、計時部で順次計時される周期の変動時間が設定値以下となる連続回数が設定回数以上となるか否かを判断するだけであるので、判別手段に於ける処理が簡素化され、安価な構成とすることが可能となる。
【0008】
前記判別手段は、さらに、前記感震器からのオン信号の入力により判別処理を開始し、オフ信号の入力が所定時間以上となることにより判別処理を停止する判別時期決定部を備えてもよい。また、判別処理は、感震器からのオン信号の入力による判別処理の開始から一定時間だけ行うようにしてもよい。
【0010】
前記判別手段は、さらに、前記計時部で順次計時される周期が、第3の設定時間以上となる回数を計数する第3の計数部を備え、前記判別部は、前記計数部での計数値が設定回数未満であると共に、前記第2の計数部での計数値が第2の設定回数以上であり、かつ、前記第3の計数部での計数値が第3の設定回数以上の場合にのみ地震による振動であると判別すると、より一層正確に判別することができる。
【0011】
前記感震器を、振動レベルの違いに応じて動作する2種類以上で構成すると、地震の強度の違いをも検出することが可能となる点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る感震装置のブロック図である。この感震装置は、ガスメータ1内に設けられる2種類の感震器2a,2bと、各感震器2a,2bから出力されるオン・オフ信号に基づいて、検出された振動が地震によるものであるか否かを判別する判別ユニット3とで構成されている。
【0013】
感震器2a,2bは共に、振動によりケーシング内に収容した硬球が移動し、その上方に設けた蓋部を介してスイッチがオン・オフする従来周知の構造である。一方の感震器2aは、ガス漏れ等の危険度がかなり高い大型の地震による振動に基づく加速度が硬球に作用することによりオン・オフ信号を出力する。残る感震器2bは、前記感震器2aよりも小さな加速度が硬球に作用することによりオン・オフ信号を出力する。
【0014】
判別ユニット3は、計時部4、第1計数部5、第2計数部6、判別時期決定部7、及び判別部8を備える。ここでは、判別ユニット3には安価なカスタムICを使用している(マイクロコンピュータを使用することも可)。
【0015】
前記計時部4は、前記感震器2a,2bから出力されるオン・オフ信号の各周期の時間を計時する。すなわち、オン信号の立ち上りから次のオン信号の立ち上りまでの経過時間を測定する。
【0016】
前記第1計数部5は、計時部4で順次計時される周期の変動時間Sが第1設定時間T1以下となる連続回数N1を計数する。すなわち、ある1周期Tnと、次の1周期Tn+1との時間差の絶対値(変動時間S:|Tn−Tn+1|)を算出し、この絶対値が連続して第1設定時間T1以下となる連続回数N1を計数する。
【0017】
前記第2計数部6は、感震器2a,2bからの信号のオン時間TONが第2設定オン時間T2ON以上となり、オフ時間TOFFが第2設定オフ時間T2OFF以上となる回数をそれぞれ計数する。
【0018】
前記判別時期決定部7は、判別処理の開始及び停止時期を決定する。すなわち、判別処理の開始時期を感震器2a,2bからのオン信号の入力があったか否かにより決定し、停止時期をオフ信号の入力が所定時間経過したか否かにより決定する。
【0019】
前記判別部8は、以下に詳述するように、第1計数部5で計数される連続回数N1が第1設定回数K1未満であると共に、第2計数部6で計数される回数N2が第2設定回数K2以上である場合にのみ地震による振動であると判別し、又、各感震器2a,2bからの出力に基づいて地震の強度を判別する。
なお、第1設定時間T1、第2設定オン時間T2ON、第2設定オフ時間TOFF、第1設定回数K1、及び第2設定回数K2は、予め実験等により地震と衝撃とを適切に判別可能な値を求めておく。
【0020】
次に、前記構成からなる感震装置の動作(振動判別処理)について、図4のフローチャートに従って説明する。
感震器2a,2bからオン信号の入力があれば(ステップS1)、計時部4により、感震器2a又は2bから出力されるオン・オフ信号の周期、及び、オン信号又はオフ信号の時間(オン時間TON又はオフ時間TOFF)を計時する(ステップS2)。
【0021】
ところで、感震器2a,2bが設けられるガスメータ1は、地震により振動する場合と、衝撃すなわちガスメータ1に物が当たる等により振動する場合とがある。地震による振動波形は、例えば、図2(a)に示すように変化し、感震器2a,2bから出力されるオン・オフ信号は図2(b)に示すようにランダムなものとなる。一方、衝撃による振動波形は、図3(a)に示すように減衰する規則正しいものであり、感震器2a,2bから出力されるオン・オフ信号も図3(b)に示すように出力されるはずであるが、実際には図3(c)に示すように振動初期及び振動末期に大きく変動する。
【0022】
そこで、第1計数部5により、ある1周期Tnと、次の1周期Tn+1との時間差の絶対値(変動時間S:|Tn−Tn+1|)を算出し(ステップS3)、この変動時間Sが第1設定時間T1以下となったか否かを判断する(ステップS4)。
【0023】
前記図3(c)に示すように、衝撃による振動に基づいて出力されるオン・オフ信号であれば、振動初期には不規則であるが、振動中期に安定し、変動時間Sが連続的に第1設定時間T1以下となる。そこで、変動時間Sが第1設定時間T1以下となれば、その連続回数N1を計数し(ステップS5)、第1設定時間T1を超えればクリアする(ステップS6)。
【0024】
そして、連続回数N1が第1設定回数K1以上であるか否かを判断する(ステップS7)。連続回数N1が第1設定回数K1以上であれば、振動が衝撃によるものであると判断する(ステップS13)。一方、連続回数N1が第1設定回数K1未満であれば、第2計数部6により、感震器2a又は2bからの出力のうち、第2設定オフ時間T2OFF以上となるオフ信号(オフ時間TOFF)をそれぞれ間に持つオン信号(オン時間TON)が第2設定オン時間T2ON以上であるか否かを判断する(ステップS8)。そして、そのようなオン信号の時間(オフ時間TON)が第2設定オン時間T2ON以上である回数N2を計数する(ステップS9)。
【0025】
前記ステップS1〜S9までの処理は、感震器2a又は2bから出力されるオフ信号が所定時間経過して時間切れとなるまで、すなわち振動があるレベル以下に低下するまで繰り返す(ステップS10)。
【0026】
時間切れとなるまでに、ステップS7で連続回数N1が第1設定回数K1以上であると判断されなければ、続いて、前記ステップS9で計数した回数N2が第2設定回数K2以上であるか否かを判断する(ステップS11)。回数N2が第2設定回数K2以上であれば、地震であると判断する(ステップS12)。しかし、回数N2が第2設定回数K2未満であれば、たとえ連続回数N1が第1設定回数K1未満であったとしても、振動が衝撃によるものであると判断する(ステップS13)。
【0027】
このように、前記実施形態に係る振動判別処理によれば、第1設定時間T1以下となる変動時間Sの連続回数N1が第1設定回数K1未満であるか否か、オン時間TONが第2設定オン時間T2ONを超えている回数N2が第2設定回数K2以上であるか否かの判断を行うだけでよいので、アルゴリズムが簡略化され、判別ユニット3にそれ程性能を要求されることもなく、安価なカスタムICを使用することが可能となる。また、連続回数N1が第1設定回数K1未満であるか否かのみならず、オン時間TONが第2設定オン時間T2ONを超えている回数N2が第2設定回数K2以上であるか否かの判断を行うようにしたので、感震器2a,2bの鋼球の慣性力や鋼球とケーシング等との摩擦力が原因で、オン時間TONが長くなった場合の誤判別を防止することができる。
【0028】
その後、各感震器2a,2bからの出力毎に、地震によるものであるのか、衝撃によるものであるのかが判断されれば、次表に従って最終的な判断を行う(ステップS14)。
【0029】
【表1】
Figure 0003744331
【0030】
これによれば、より小さな加速度で動作する感震器2aにより、地震に基づくものであるか否かを判別し、大きな加速度で動作する感震器2bにより、地震の強度を判別するようにしているので、感震器を1つだけ設ける場合に比べてより一層正確な判別が可能となる。また、さらに感度の異なる感震器を設けることで、震度階をも検出させることも可能である。
【0031】
なお、前記実施形態では、第1計数部5及び第2計数部6での計数結果によって地震によるものか否かの判別を行うようにしたが、さらに第1計時部5で計時された各周期の時間が第3設定時間以上となる回数を計数する第3計数部を設けて次のような判別を行うようにしてもよい。
【0032】
すなわち、第3計数部でオン・オフ信号の各周期の時間が第3設定時間以上であるか否かを判断し、第3設定時間以上となる回数を計数する。計数は、感知器2a又は2bからオン信号の入力が開始されてから一定時間経過するまで、あるいはオフ信号が所定時間以上続くまで行う。その結果、回数が第3設定回数以上であれば、第1設定時間T1以下となる変動時間Sの連続回数N1が第1設定回数K1未満であると共に、オン信号又はオフ信号の時間(オン時間TON又はオフ時間TOFF)が所定時間を超える回数N2が第2設定回数K2以上であることを条件に、地震による振動であると判断する。一方、前記2条件を満足していても、オン・オフ信号の周期が第3設定時間以上となる回数が第3設定回数未満であれば、衝撃による振動であると判断する。
【0033】
これによれば、地震により振動する場合と衝撃により振動する場合とで、周期の長さが相違する点に着目することにより、感震器2a,2bからの出力周期が短くなる場合や、ガスメータ1が不規則に振動する場合であっても、振動が衝撃によるものか地震によるものかを適切に判断することが可能となる。
【0034】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、感震器から出力されるオン・オフ信号の各周期の変化時間が設定時間以下となる連続回数に基づいて、検出された振動が地震によるものであるか否かを判別するようにしたので、複雑な処理を必要とすることなく、的確に判別することができ、装置自体も安価に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る感震装置のブロック図である。
【図2】 地震による振動波形(a)、そのときの感震器の出力波形(b)、及び変動時間の推移(c)を示すグラフである。
【図3】 衝撃による振動波形(a)、そのときの感震器の理想的な出力波形(b)、そのときの実際の出力波形(c)、及び変動時間の推移(d)を示すグラフである。
【図4】 図1に示す感震装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…ガスメータ 2…感震器
3…判別ユニット 4…計時部
5…第1計数部 6…第2計数部
7…判別時期決定部 8…判別部

Claims (4)

  1. 振動によりオン・オフ信号を出力する感震器と、
    該感震器から出力されるオン・オフ信号に基づいて地震による振動であるか否かを判別する判別手段とを備えた感震装置において、
    前記判別手段は、
    前記感震器から出力されるオン・オフ信号の周期を順次計時する計時部と、
    該計時部で順次計時される周期の変動時間が、設定時間以下となる連続回数を計数する計数部と、
    前記感震器からの出力のうち、第2の設定オフ時間以上のオフ時間をそれぞれ間に持つ第2の設定オン時間以上のオン時間であるオン信号の回数を計数する第2の計数部と、
    前記計数部での計数値が設定回数未満であると共に、前記第2の計数部での計数値が第2の設定回数以上である場合にのみ地震による振動であると判別する判別処理を行う判別部とで構成したことを特徴とする感震装置。
  2. 前記判別手段は、さらに、前記感震器からのオン信号の入力により判別処理を開始し、オフ信号の入力が所定時間以上となることにより判別処理を停止する判別時期決定部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の感震装置。
  3. 前記判別手段は、さらに、前記計時部で順次計時される周期が、第3の設定時間以上となる回数を計数する第3の計数部を備え、前記判別部は、前記計数部での計数値が設定回数未満であると共に、前記第2の計数部での計数値が第2の設定回数以上であり、かつ、前記第3の計数部での計数値が第3の設定回数以上の場合にのみ地震による振動であると判別することを特徴とする請求項1又は2に記載の感震装置。
  4. 前記感震器は、振動レベルの違いに応じて動作する2種類以上で構成したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感震装置。
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