JP3744288B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スクロール圧縮機に関するもので、特に、冷凍機や空調機等に用いられる冷媒ガス用圧縮機に好適なスクロール圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図9には、例えば特開昭59−99085号公報に開示された従来のスクロール圧縮機の構成と動作を模式的に表す。図において、1は固定側鏡板(図示せず)とこの固定側鏡板上に直立して形成された渦巻状の固定側ラップ3からなる固定スクロール、4は旋回側鏡板(図示せず)とこの旋回側鏡板上に直立して形成された渦巻状の旋回側ラップ6からなる旋回スクロールであり、この固定側ラップ3と旋回側ラップ6とを互いに干渉することなく組み合せ、旋回スクロール4を固定スクロール1に対して自転させることなく公転させることにより、この固定側ラップ3と旋回側ラップ6および前記の固定側鏡板と旋回側鏡板とによって形成された圧縮室21および22の容積を徐々に減少させ、圧縮室21、22内に吸込まれた冷媒ガスを圧縮した後、固定スクロール1の固定側鏡板に形成された吐出口19から吐出するよう構成されている。
【0003】
以下、図9の(1)〜(4)を用いて、この従来装置の動作について詳しく説明する。まず、図9(1)においては、固定側ラップ3の内壁面3iと旋回側ラップ6の外壁面6oとによって形成された圧縮室21および固定側ラップ3の外壁面3oと旋回側ラップ6の内壁面6iとによって形成された圧縮室22内には各ラップ3、6の外側端部から吸込まれた冷媒ガスが封入されている。この状態で、旋回スクロール4が固定スクロール1に対して時計方向に90度および180度回転すると、それぞれ、図9(2)、(3)で示される状態となり、旋回スクロール4の回転に伴って圧縮室21および22の容積が減少し、内部の作動ガスが圧縮される。
【0004】
次に、旋回スクロール4がさらに回転して、回転角度が270度になると、図9(4)の状態となり、圧縮室21および22内の冷媒ガスは、図9(3)と図9(4)の中間で吐出口19に連通する最内室23に一体化される。続いて、旋回スクロール4が360度回転すると図9(1)の状態に戻り、この間、各ラップ3、6の外側端部に生じた間隙から圧縮室21および22内に新しい冷媒ガスが吸込まれるとともに、図9(4)で最内室23内に一体化された冷媒ガスは、図9(2)〜(3)へと旋回スクロール4がさらに回転されることにより、最内室23内でさらに圧縮され、吐出圧力となった時点で、固定スクロール1の固定側鏡板上に形成された吐出口19から外部に吐出される。
【0005】
図10には、上記図9に示された固定スクロール1の固定側ラップ3の渦巻きの始点近傍の詳細な構造を示す。図に示すように、固定側ラップ3の内壁面3iは、内向面インボリュート曲線51とこの内向面インボリュート曲線51に滑らかに接続する大円52により、また、外壁面3oは、外向面インボリュート曲線53により構成されている。また、渦巻きの始点となる中心先端部3cは内壁面3iと外壁面3oに滑らかに接続する小円54で構成されており、大円52および小円54の半径RlおよびRsは、インボリュート基礎円の半径(a)、インボリュートの歯厚角(α)、渦巻きの巻始め部の定義角(β)によって、
Rs=a*(1/(2*(π-β))+α-β/2) (1)
Rl=a*(1/(2*(π-β))+(π-α)-β/2) (2)
となるよう構成されている。
【0006】
なお、図中、点100は大円52の中心、点200は小円54の中心、点300は内向面インボリュート曲線51と大円52の接続点、点400および500は小円54と外向面インボリュート曲線53および大円52の接続点であり、点300を始点とする破線は内壁面3iの内向面インボリュート曲線51を渦巻きの始点まで延長した場合の仮想曲線である。また、この特開昭59−99085号公報に開示されたスクロール圧縮機では、固定スクロール1の固定側ラップ3と旋回スクロール4の旋回側ラップ6とは、全く同一形状に構成されている。
【0007】
図11には、上記図10のような特性曲線を有するスクロール圧縮機の図9(2)〜図9(4)の過程でのラップ3および6の中心先端部3c、6cの位置変化の様子を示す。図11に示すように、このスクロール圧縮機では、旋回スクロール4の旋回時に旋回スクロール4と固定スクロール1の側面接触点が小円54と大円52の接続点500に至るまで継続するので、ラップ3および6によって形成された最内室23の容積が旋回スクロール4の回転に伴って実質的に零となるまで圧縮することができ、最内室23が圧縮室21および22に連通する際に、最内室23で圧縮された高圧の冷媒ガスが再度圧縮室21、22に逆流することがなく、圧縮に用いられた動力の損失が少ない圧縮機を得ることができる。
【0008】
また、渦巻きの始点近傍をインボリュート曲線51で構成する場合(図10中の破線)に比べて、ラップの歯厚(ts)を厚くできるので、渦巻の強度が向上するといった特徴がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図9ないし図11に示した従来のスクロール圧縮機では、ラップ3および6によって形成された最内室23の容積が旋回スクロール4の回転に伴って実質的に零となるまで圧縮されるよう構成されているため、内部容積比が大きくなって過圧縮ロスを生じるといった問題点があった。
【0010】
また、ラップ3および6の渦巻きの始点近傍の外壁面3o、6oをインボリュート曲線で、内壁面3i、6iを円弧で構成しているため、この部分の歯厚(ts)が厚くなり、この結果、吐出口19の設置スペースが限定され、冷媒ガスの流路面積が狭くなって吐出時の圧力損失が増大し、圧縮機の効率が低下するといった問題点があった。
【0011】
さらに、この従来装置においては、固定スクロール1および旋回スクロール4のラップ3、6を同一形状としているため、固定スクロール1と旋回スクロール4とを異なる材料で構成する場合に、材料強度の低い方に合わせて各部の寸法を決定すると、もう一方にとっては過剰設計になるといった問題点もあった。
【0012】
これに対して、特開平10−169574号公報には、固定スクロールの吐出口の周囲に溝形状の段差部を設けるとともに、ラップの中心先端部に切り欠き部を設け、作動ガスの吐出過程時の通路を確保することにより、油の流動に伴う通路損失と過圧縮による動力損失の低減を図るとともに、油圧縮を防止するよう構成したスクロール型ヘリウム圧縮機が開示されている。しかしながら、このスクロール圧縮機においても、前記切り欠き部をラップの中心先端部のみに設けたため、圧縮室と最内室とが前記段差部によって連通する時点では、前記切り欠き部が流路として機能せず、圧縮室から最内室間への作動ガスの流路を十分に大きくできないといった問題点があった。また、圧縮室から最内室への作動ガスの流路面積を大きくするためには、この切り欠き部の流路を大きくする必要があるが、この場合、圧縮室と最内室が連通するタイミングが変化し、圧縮比が変化することにより、所定の圧力が得られなくなるといった問題点もあった。
【0013】
また、圧縮室から最内室への作動ガスの流路面積を大きくするため、鏡板に設けた前記段差部の深さを深くした場合、鏡板を厚くして強度を確保する必要があり、これに伴って、圧縮機の重量や大きさが増大するといった問題点もあった。
【0014】
この発明は、従来装置の上記のような問題点を解消するためになされたもので、この発明の第1の目的は、圧縮室と最内室が連通する際の作動ガスの流路面積を拡大することができ、圧縮室から吐出口へ至る作動ガスの流路損失(圧力損失)が小さい、高効率なスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0015】
また、この発明の第2の目的は、固定スクロールおよび旋回スクロールのラップの強度を確保しつつ、圧縮室と最内室が連通する際の作動ガスの流路面積を拡大することが可能なスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0016】
また、この発明の第3の目的は、圧縮室と最内室が連通するタイミングを変更することなく、圧縮室と最内室が連通する際の作動ガスの流路面積を拡大することが可能なスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0017】
さらに、この発明の第4の目的は、鏡板の厚さを増大させることなく、圧縮室と最内室が連通する際の作動ガスの流路面積を拡大することが可能なスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスクロール圧縮機は、上記の目的を達成するために、固定側鏡板上に渦巻状の固定側ラップを直立して設けた固定スクロールと、旋回側鏡板上に渦巻状の旋回側ラップを直立して設けた旋回スクロールとを備え、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとを互いに組み合わせ、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを旋回運動させることにより、前記ラップの渦巻外周側から、前記固定側ラップ、前記旋回側ラップ、前記固定側鏡板および前記旋回側鏡板とによって形成される圧縮室に作動ガスを吸入するとともに、前記圧縮室を前記ラップの中心方向に移動させながら容積を減少させることによって前記作動ガスを圧縮し、前記固定スクロールの中央部に設けた吐出口から吐出するよう構成されたスクロール圧縮機において、前記旋回側ラップの内壁面がインボリュート曲線と大円とにより構成されるとともに、前記旋回側ラップの外壁面がインボリュート曲線により構成され、前記旋回側ラップの内壁面に沿って、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる切り欠き部を設け、この切り欠き部は、前記旋回側ラップの内壁面が前記大円により構成された部分において、前記外壁面から前記切り欠き部側面までの歯厚が一定となるように構成されたものである。
【0019】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記旋回スクロールの旋回中に、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる位置に、前記切り欠き部の始点を設けたものである。
【0020】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの内壁面をインボリュート曲線と大円とにより、また、外壁面をインボリュート曲線により、さらに、前記ラップの渦巻きの始点を前記内壁面と前記外壁面に接続する小円によって構成するとともに、前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの前記大円の半径Rlf、Rloおよび前記小円の半径Rsf、Rsoを、それぞれ、旋回半径rに対して、
Rsf+r≦Rlo
Rso+r≦Rlf
なる関係を満たすよう構成し、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面上の前記インボリュート曲線と前記大円の接続点に、前記切り欠き部の始点を設けたものである。
【0021】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記ラップの歯厚が一定となるよう、前記切り欠き部を形成したものである。
【0022】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記切り欠き部を、前記ラップの高さ方向において、前記鏡板と反対側に形成したものである。
【0023】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記切り欠き部を、前記ラップの全高に対して形成したものである。
【0024】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記ラップの渦巻きの中心先端部に、内壁面から外壁面へと連通する先端切り欠き部を設けたものである。
【0025】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けたものである。
【0026】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けるとともに、前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点とを一致させたものである。
【0027】
また、この発明に係るスクロール圧縮機は、前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる時点とを一致させたものである。
また、この発明におけるスクロール圧縮機は、固定側鏡板上に渦巻状の固定側ラップを直立して設けた固定スクロールと、旋回側鏡板上に渦巻状の旋回側ラップを直立して設けた旋回スクロールとを備え、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとを互いに組み合わせ、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロール圧縮機において、前記固定側ラップの内壁面がインボリュート曲線と大円とにより構成されるとともに、前記固定側ラップの外壁面がインボリュート曲線により構成され、前記固定側ラップの内壁面に沿って切り欠き部を設け、この切り欠き部は、前記固定側ラップの内壁面が前記大円により構成された部分において、前記外壁面から前記切り欠き部側面までの歯厚が一定となるように構成されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に、この発明による実施の形態1であるスクロール圧縮機の側面断面図を示す。図において、1は、平板状の固定側鏡板2上に渦巻状の固定側ラップ3を直立して設けた固定スクロール、4は、平板状の旋回側鏡板5上に渦巻状の旋回側ラップ6を直立して設けた旋回スクロールであり、固定スクロール1と旋回スクロール4とは、互いに固定側ラップ3と旋回側ラップ6を内側にして干渉することなく組み合わされるとともに、旋回スクロール4の背面に設けられた旋回機構7およびモータ8によって旋回スクロール4が駆動され、上部フレーム9を介して密閉容器10に固定された固定スクロール1に対して旋回運動するよう構成されている。
【0029】
また、旋回機構7は、モータ8の回転子11に結合されたクランク軸12と、クランク軸12の回転運動を旋回運動に変換するクランク部13と、旋回側鏡板5の背面に形成されクランク部13が挿入される旋回軸受け14と、密閉容器10に固定された上部フレーム9および下部フレーム15に設けられ、クランク軸12の両端を支承する軸受け16、17を備えている。
【0030】
また、これら固定スクロール1、旋回スクロール4、旋回機構7およびモータ8は密閉容器10内に収納されるとともに、密閉容器10には外部から冷媒ガスを密閉容器10内に吸入するための吸入口18が接続され、吸入口18によって吸入された冷媒ガスが固定スクロール1および旋回スクロール4の外周側に供給され、固定スクロール1と旋回スクロール4によって圧縮された高圧の冷媒ガスが固定スクロール1の固定側鏡板2の中央部に形成された吐出口19から吐出されるよう構成されている。
【0031】
以下、上記図1を用いてスクロール圧縮機の動作について説明する。モータ8によりクランク軸12が回転すると、旋回スクロール4は、旋回機構7の働きによって、固定スクロール1に対して自転することなく旋回運動する。この時、従来装置の図9において示したように、固定スクロール1と旋回スクロール4の固定側鏡板2と固定側ラップ3、および、旋回側鏡板5と旋回側ラップ6間には、対称な一対の密閉された圧縮室21および22が形成され、この一対の圧縮室21、22が、旋回スクロール4の回転に伴って渦巻きの中心部へ移動しながらその容積を減少させることにより、吸入口18から吸入されたガスが圧縮され、吐出口19から吐出される。
【0032】
図2および図3には、この実施の形態1のスクロール圧縮機の固定側ラップ3と旋回側ラップ6の構成を表す平面図および斜視図を示す。図に示すように、この実施の形態1では、固定側ラップ3および旋回側ラップ6の渦巻きの始点近傍の内壁面3iおよび6iに沿って、各ラップ3、6の高さ方向の各鏡板2、5の反対側に切り欠き部31、32が形成されるとともに、各ラップ3、6の渦巻きの始点である中心先端部3c、6cには内壁面3iおよび6iと外壁面3oおよび6o間を直線状に削除、連通した先端切り欠き部33、34が形成されている。なお、図2において、図9と同一または相当部分は同一符号を付し、説明を省略する。
【0033】
図4には、上記図2の渦巻きの始点近傍のより詳細な構造を示す。図に示すように、固定側ラップ3および旋回ラップ6の内壁面3iおよび6iは、それぞれ、内向面インボリュート曲線51、55とこの内向面インボリュート曲線51、55に滑らかに接続する大円52、56とにより、また、外壁面3oおよび6oは、外向面インボリュート曲線53、57により構成されている。また、内壁面3iおよび6iと外壁面3oおよび6oとは、それぞれ、渦巻きの始点において内壁面3iおよび6iと外壁面3oおよび6oに滑らかに接続する小円54、58によって接続されており、大円52、56および小円54、58の半径Rlf、RloおよびRsf、Rsoは、インボリュート基礎円の半径(a)、インボリュートの歯厚角(α)および渦巻きの巻始め部の定義角(β)から、式
Rs=a*(1/(2*(π-β))+α-β/2) (3)
Rl=a*(1/(2*(π-β))+(π-α)-β/2) (4)
によって与えられるRsおよびRlを用いて、
Rs−Rso=Rlo−Rl=δo (5)
Rs−Rsf=Rlf−Rl=δf (6)
となるよう構成されている。
【0034】
なお、図中、点100fおよび100oは、それぞれ、大円52および56の中心、点200fおよび200oは、それぞれ、小円54および58の中心、点300fおよび300oは、それぞれ、内向面インボリュート曲線51と大円52およびインボリュート曲線55と大円56の接続点、点400f、400oおよび500f、500oは小円54,58と外向面インボリュート曲線53、57および大円52、56との接続点であり、図に示すように、切り欠き部31および32は、内壁面3iおよび6i上の接続点300fおよび300oを始点として、内向面インボリュート曲線51、55に接続する1個または複数個の円弧またはインボリュート曲線を接続することにより、切り欠き部31、32が形成された部分のラップの歯厚tsが、ほぼ
ts=2*a*α (7)
a:インボリュート基礎円の半径
α:インボリュートの歯厚角
で一定となるよう構成されている。
【0035】
また、上記(5)、(6)式において、δoおよびδfは任意に設定可能なパラメータであり、固定スクロール1と旋回スクロール4とで材料が異なる場合等においては、δ0≠δfとすることにより、強度の弱い方の小円半径を大きくすることも可能である。例えば、この実施の形態1においては、回転時の慣性質量を小さくするため、旋回スクロール4をアルミニウム製、また、固定スクロール1を鋳物製としているため、旋回スクロール4の小円の半径Rsoに対して固定スクロール1の小円の半径Rsfを、Rso>Rsfとなるよう設定することにより、十分な強度が得られるよう構成している。
【0036】
さらに、上記(5)、(6)式において、旋回半径rに対して、Rso<Rlf−r かつ Rsf<Rlo−rとすれば、円弧52および56の範囲内での固定側ラップ3と旋回側ラップ6の相互干渉を防ぐことができ、また、Rso=Rlf−r、Rsf=Rlo−rとすれば、円弧52および56範囲内での渦巻きの側面接触も可能である。なお、この実施の形態1では、Rso<Rlf−r かつ Rsf<Rlo−r とすることにより、旋回スクロール4の旋回時、各ラップの中心先端部3c、6cが、切り欠き部31、32の始点であり、また、インボリュート曲線51、55と大円52、56との接続点である300f、300oにおいて内壁面3iおよび6iから離れるよう構成されている。
【0037】
以下、図4を用いて、この実施の形態1における切り欠き部31および32の作用について説明する。図4において、各ラップ3、6の小円54、58と外向面インボリュート曲線53、57との接続点400fおよび400oは、他方のラップの内壁面上の接続点300oおよび300fと接触する位置にあり、圧縮室21、22と最内室23とが連通する直前の状態を示している。ここで、この状態から旋回スクロール4が時計方向に旋回すると、各ラップ3、6の中心先端部3c、6cは他方のラップの内壁面から離れ、圧縮室21、22と最内室23とが連通する。一方、上記したように、切り欠き部31および32はこの接続点300fおよび300oを始点として形成されているため、図4の状態から旋回スクロール4が旋回すると、上記と同じタイミングで、圧縮室21、22と最内室23が切り欠き部31、32によって連通する。こうして、旋回スクロール4の旋回に伴って、内壁面3i、6iとラップ3、6の中心先端部3c、6c間の隙間によって構成される流路に加えて、切り欠き部31、32の流路が同時に機能するため、圧縮室21、22から最内室23への流路面積が増大し、圧縮室21、22から最内室23を介して吐出口19に流れ込む冷媒ガスの圧力損失を減少させることができる。
【0038】
図5には、この実施の形態1によるスクロール圧縮機の旋回スクロール4の公転角と圧縮室21、22内の圧力の関係を示す。図において、実線がこの実施の形態1による圧力変化であり、破線が圧力損失が大きい場合の圧力変化である。図5に示すように、切り欠き部31、32および先端切り欠き部33、34の効果により、圧縮室21、22と最内室23が連通した直後の圧縮室21、22から最内室23および吐出口19への圧力損失が減少し、この結果、斜線部に相当する圧縮仕事(横軸を圧縮容積と考えた場合、斜線部が圧力損失に伴う動力損失となる)が削減され、圧縮機の効率が改善されることが分かる。
【0039】
また、図6には、圧縮室21、22と最内室23とが連通する直前の圧力条件においてラップ3、6の根元部に発生する応力を有限要素法により計算し、各ラップ3、6に切り欠き部31、32を設けた場合と切り欠き部31、32がない場合とで比較した結果を示す。図から分かるように、切り欠き部31、32を形成した場合と、形成しない従来型のものとで、強度的にほとんど差がないことがわかる。このように、この実施の形態1によれば、切り欠き部31、32を各ラップ3、6の歯先の先端部分に設けるとともに、歯厚tsがほぼ一定となるよう切り欠き部31、32を形成したため、切り欠き部31、32を導入し、流路面積を拡大したにもかかわらず、ラップ3、6の強度を低下させることがなく、信頼性が高く高効率なスクロール圧縮機を得ることができる。
【0040】
以上説明したように、この実施の形態1によれば、固定側ラップ3および旋回側ラップ6の渦巻きの始点近傍の内壁面3iおよび6iに沿って切り欠き部31および32を設けたため、圧縮室21および22から最内室23に流れ込む冷媒ガスの流路面積を拡大することができ、圧力損失が低減されることによって高効率なスクロール圧縮機を得ることができる。
【0041】
また、固定側ラップ3および旋回側ラップ6の内壁面3iおよび6iに沿って形成した切り欠き部31および32により、圧縮室21、22から最内室23に流れ込む冷媒ガスの流路面積を拡大するよう構成したため、圧縮比を変更することなく流路面積を拡大することができるとともに、切り欠き部31、32の始点を調整することより、圧縮室21、22と最内室23とが連通するタイミングを調整することができる。
【0042】
また、切り欠き部31、32の始点を、旋回スクロール4の旋回時に、旋回側ラップ6および固定側ラップ3の中心先端部6c、3cが、それぞれ、固定側ラップ3の内壁面3iおよび旋回側ラップ6の内壁面6iから離れる点である内向面インボリュート曲線51、55と大円52、56との接続点300f、300oに設定したため、切り欠き部31、32によって流路面積が拡大されるタイミングと、圧縮室21、22と最内室23が連通するタイミングとを一致させることができ、流路面積が相乗的に拡大されて、圧力損失が一層低減される効果がある。
【0043】
また、固定側ラップ1および旋回側ラップ4の両方に切り欠き部31、32を設けたため、冷媒ガスが圧縮室21、22から最内室23に流動する際の圧力損失がより少なくなり、旋回スクロール4の旋回運動が円滑になるとともに、冷媒ガスが圧縮室21、22から最内室23に流れ込むタイミングを両方の圧縮室21、22で一致させるよう構成したため、旋回運動が一層スムーズになる効果がある。
【0044】
また、固定側ラップ3および旋回側ラップ6の中心先端部3c、6cにラップの内壁面3i、6iと外壁面3o、6oとを連通する先端切り欠き部33、34を設けたため、圧縮室21、22から最内室23に至る流路面積がより拡大され、圧力損失が一層低減される効果がある。
【0045】
また、切り欠き部31、32を、切り欠き部分の固定ラップ3および旋回ラップ6の歯厚tsがほぼ一定となるよう構成したため、固定ラップ3および旋回ラップ6の強度を確保しつつ、圧縮室21、22から最内室23への流路面積を拡大できる効果がある。
【0046】
また、切り欠き部31、32を各ラップ3、6の高さ方向の歯先の先端部に形成したため、ラップ3、6の歯先の根元部および切欠き部31、32に発生する応力を緩和することができ、ラップ3、6の強度の低下を防止できる効果がある。
【0047】
また、固定側鏡板2および旋回側鏡板5を平板の状態のままで流路の拡大を行なうことができるため、各鏡板2、5の厚さを増大する必要がなく、圧縮機の軽量化および小型化が可能となる効果がある。
【0048】
なお、上記実施の形態1では、切欠き部31、32をラップ3、6の鏡板2、5とは反対側の歯先端部に形成した例を示したが、鏡板2、5側の歯先の根元部に切り欠き部を形成することも可能であり、また、圧縮比が小さく、圧縮室21、22と最内室23の圧力差が小さい場合には、渦巻きの始点近傍の強度をそれほど大きく設定する必要がないため、切欠き部31、32をラップ3、6の高さ全体にわたって構成してもよく、この場合、流路面積がさらに増大することにより、吐出時の圧力損失が一層低減され、より高効率なスクロール圧縮機を得ることができる。
【0049】
また、この実施の形態1では、切り欠き部31、32および先端切り欠き部33、34の切り欠き高さを同一としたが、それぞれ、異なる高さに構成してもよいことはもちろんである。また、上記実施の形態1では、固定側ラップ1および旋回側ラップ4の両方に切り欠き部31、32を設けた例を示したが、どちらか一方に設けてもよい。
【0050】
さらに、上記実施の形態1では、ラップ3、6の中心先端部3c、6cが、接続点300f、300oにおいて、他方のラップ3、6の内壁面3i、6iから離れる場合について説明したが、Rso=Rlf−r、Rsf=Rlo−rとし、円弧52および56範囲内で渦巻きが側面接触する場合についても、同様の効果が得られる。
【0051】
実施の形態2.
図7には、この発明の実施の形態2であるスクロール圧縮機の固定側ラップ3と旋回側ラップ6の組み合せ時の平面断面図を示す。図において、35は固定スクロール1の固定側鏡板2の内面側の吐出口19の周囲に座ぐりによって形成された凹形形状の段差部であり、段差部35の外縁の輪郭線36は、円弧やインボリュート曲線の組み合せによって構成されている。
【0052】
以下、図7を用いてこの実施の形態2の動作について説明する。この図は、各ラップ3、6の中心先端部3c、6cが他方のラップの内壁面の接続点300f、300oから離れ、圧縮室21、22と最内室23とが連通する直前の状態を示している。ここで、段差部35の輪郭線36は、旋回側ラップ6の外壁面6oの外周側に接するよう構成されており、この状態から旋回スクロール4がさらに旋回すると、各ラップ3、6の中心先端部3c、6cが他方のラップの内壁面から離れ、圧縮室21、22と最内室23が連通するとともに、これと同じタイミングで、旋回側ラップ6の背面の圧縮室22と最内室23もしくは吐出口19とが溝状の段差部35によって連通されるよう構成されている。なお、図中、図2と同一または相当部分は、同一符号を付し、説明を省略する。
【0053】
図8には、この実施の形態2における、圧縮室21、22から最内室23へ流れ込む冷媒ガスの流路面積と旋回スクロール4の公転角との関係を示す。図より、切り欠き部31、32および段差部35を設けたことにより、従来のスクロール圧縮機に比べて、固定スクロール1の背面の圧縮室21から最内室23に至る流路面積および旋回スクロール4の背面の圧縮室22から最内室23に至る流路面積とも大幅に増加していることがわかる。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態2によれば、各ラップ3、6の内壁面3iおよび6iに沿って切り欠き部31および32を形成するとともに、固定スクロール1の固定側鏡板2上に、圧縮室22と吐出口19とを連通させる段差部35を形成したため、圧縮室22から最内室23もしくは吐出口19への流路面積を一層拡大することができ、圧力損失を低減できるとともに、より高効率なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0055】
また、各ラップ3、6の始点の中心先端部分3c、6cが他方のラップの内壁面から離れ、圧縮室21、22と最内室23が連通するタイミングで、圧縮室22と最内室23もしくは吐出口19とが溝状の段差部35によって連通されるよう構成したため、流路面積を相乗的に拡大することができ、圧力損失を一層小さくすることができる。
【0056】
なお、上記実施の形態2においては、段差部35を固定スクロール1側にのみ設けた例を示したが、旋回スクロール4側に設けてもよく、この場合も、圧縮室21と吐出口19とが最内室23を介して連通するため、同様の効果を得ることができる。
【0057】
また、上記実施の形態1および実施の形態2においては、作動ガスとして冷媒ガスを使用した例を示したが、空気やヘリウムガス等、その他のガスでも良く、全く同様の効果を奏する。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0059】
固定側鏡板上に渦巻状の固定側ラップを直立して設けた固定スクロールと、旋回側鏡板上に渦巻状の旋回側ラップを直立して設けた旋回スクロールとを備え、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとを互いに組み合わせ、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを旋回運動させることにより、前記ラップの渦巻外周側から、前記固定側ラップ、前記旋回側ラップ、前記固定側鏡板および前記旋回側鏡板とによって形成される圧縮室に作動ガスを吸入するとともに、前記圧縮室を前記ラップの中心方向に移動させながら容積を減少させることによって前記作動ガスを圧縮し、前記固定スクロールの中央部に設けた吐出口から吐出するよう構成されたスクロール圧縮機において、前記旋回側ラップの内壁面がインボリュート曲線と大円とにより構成されるとともに、前記旋回側ラップの外壁面がインボリュート曲線により構成され、前記旋回側ラップの内壁面に沿って、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる切り欠き部を設け、この切り欠き部は、前記旋回側ラップの内壁面が前記大円により構成された部分において、前記外壁面から前記切り欠き部側面までの歯厚が一定となるように構成されたため、前記圧縮室から前記吐出口に流れ込む冷媒ガスの流路面積を拡大することができ、圧力損失が低減されることによって高効率なスクロール圧縮機を得ることができる。
【0060】
また、前記旋回スクロールの旋回中に、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる位置に、前記切り欠き部の始点を設けたため、前記切り欠き部によって流路面積が拡大されるタイミングと、前記圧縮室と前記吐出口とが連通するタイミングとを一致させることができ、流路面積がより拡大されて、圧力損失を一層低減できる効果がある。
【0061】
また、前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの鏡板側の内壁面をインボリュート曲線と大円により、また、外壁面をインボリュート曲線により、さらに、前記ラップの渦巻きの始点を前記内壁面と前記外壁面に接続する小円によって構成するとともに、前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの前記大円の半径Rlf、Rloおよび前記小円の半径Rsf、Rsoを、それぞれ、旋回半径rに対して、
Rsf+r≦Rlo
Rso+r≦Rlf
なる関係を満たすよう構成し、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面上の前記インボリュート曲線と前記大円の接続点に、前記切り欠き部の始点を設けたため、前記切り欠き部によって流路面積が拡大されるタイミングと、前記圧縮室と前記吐出口とが連通するタイミングとを一致させることができ、流路面積が拡大されて、圧力損失を一層低減できる効果がある。
【0062】
また、前記ラップの歯厚が一定となるよう、前記切り欠き部を形成したため、前記ラップの強度を確保しつつ、前記圧縮室から前記吐出口への流路面積を拡大できる効果がある。
【0063】
また、前記切り欠き部を、前記ラップの高さ方向において、前記鏡板と反対側に形成したため、前記ラップの強度を低下させることなく、前記圧縮室から前記吐出口への流路面積を拡大できる効果がある。
【0064】
また、前記切り欠き部を、前記ラップの全高に対して形成したため、前記圧縮室から前記吐出口への流路面積をより拡大でき、圧力損失を一層低減することができる。
【0065】
また、前記ラップの渦巻きの中心先端部に、内壁面から外壁面へと連通する先端切り欠き部を設けたため、前記圧縮室から前記吐出口への流路面積をより拡大でき、圧力損失を一層低減することができる。
【0066】
また、前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けたため、前記圧縮室から前記吐出口への流路面積をより拡大でき、圧力損失を一層低減することができる。
【0067】
また、前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けるとともに、前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点とを一致させたため、前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点での流路面積をさらに拡大することができ、吐出時の圧力損失の小さい、高効率なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0068】
また、前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる時点とを一致させたため、前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点での流路面積をさらに拡大することができ、吐出時の圧力損失の小さい、高効率なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の側面断面図。
【図2】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の固定側ラップおよび旋回側ラップの中心部近傍を表す平面図。
【図3】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機のラップの斜視図。
【図4】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機のラップの中心部近傍の構造を表す要部拡大図。
【図5】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の公転角と圧縮室内圧力の関係を示す図。
【図6】 この発明の実施の形態1のスクロール圧縮機の固定側ラップに作用する応力の計算結果を表す図。
【図7】 この発明の実施の形態2のスクロール圧縮機の固定側ラップおよび旋回側ラップの中心部近傍を表す平面図。
【図8】 この発明の実施の形態2のスクロール圧縮機の公転角と流路面積の関係を表す図。
【図9】 従来のスクロール圧縮機の構成と動作を表す模式図。
【図10】 従来のスクロール圧縮機のラップの中心部近傍の構造を表す要部拡大図。
【図11】 従来のスクロール圧縮機の動作を表す模式図。
【符号の説明】
1 固定スクロール
2 固定側鏡板(鏡板)
3 固定側ラップ(ラップ)
3i 内壁面
3o 外壁面
3c 中心先端部
4 旋回スクロール
5 旋回側鏡板(鏡板)
6 旋回側ラップ(ラップ)
6i 内壁面
6o 外壁面
6c 中心先端部
19 吐出口
21 圧縮室
22 圧縮室
23 最内室
31 切り欠き部
32 切り欠き部
33 先端切り欠き部
34 先端切り欠き部
35 段差部
51 内向面インボリュート曲線(インボリュート曲線)
52 大円
53 外向面インボリュート曲線(インボリュート曲線)
54 小円
55 内向面インボリュート曲線(インボリュート曲線)
56 大円
57 外向面インボリュート曲線(インボリュート曲線)
58 小円
300f 接続点
300o 接続点
Rlf 固定側ラップの大円の半径
Rsf 固定側ラップの小円の半径
Rlo 旋回側ラップの大円の半径
Rso 旋回側ラップの小円の半径

Claims (10)

  1. 固定側鏡板上に渦巻状の固定側ラップを直立して設けた固定スクロールと、旋回側鏡板上に渦巻状の旋回側ラップを直立して設けた旋回スクロールとを備え、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとを互いに組み合わせ、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを旋回運動させることにより、前記ラップの渦巻外周側から、前記固定側ラップ、前記旋回側ラップ、前記固定側鏡板および前記旋回側鏡板とによって形成される圧縮室に作動ガスを吸入するとともに、前記圧縮室を前記ラップの中心方向に移動させながら容積を減少させることによって前記作動ガスを圧縮し、前記固定スクロールの中央部に設けた吐出口から吐出するよう構成されたスクロール圧縮機において、
    前記旋回側ラップの内壁面がインボリュート曲線と円とにより構成されるとともに、前記旋回側ラップの外壁面がインボリュート曲線により構成され、
    前記旋回側ラップの内壁面に沿って、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる切り欠き部を設け、この切り欠き部は、前記旋回側ラップの内壁面が前記円により構成された部分において、前記外壁面から前記切り欠き部側面までの歯厚が一定となるように構成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 前記旋回スクロールの旋回中に、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる位置に、前記切り欠き部の始点を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの鏡板側の内壁面をインボリュート曲線と大円とにより、また、外壁面をインボリュート曲線により、さらに、前記ラップの渦巻きの始点を前記内壁面と前記外壁面に接続する小円によって構成するとともに、前記固定側ラップおよび前記旋回側ラップの前記大円の半径Rlf、Rloおよび前記小円の半径Rsf、Rsoを、それぞれ、旋回半径rに対して、
    Rsf+r≦Rlo
    Rso+r≦Rlf
    なる関係を満たすよう構成し、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面上の前記インボリュート曲線と前記大円の接続点に、前記切り欠き部の始点を設けたことを特徴とする請求項2に記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記切り欠き部を、前記ラップの高さ方向において、前記鏡板と反対側に形成したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  5. 前記切り欠き部を、前記ラップの全高に対して形成したことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  6. 前記ラップの渦巻きの中心先端部に、内壁面から外壁面へと連通する先端切り欠き部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  7. 前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  8. 前記固定側鏡板または前記旋回側鏡板の少なくともどちらか一方に、前記圧縮室と前記吐出口とを連通させる凹形形状を有する段差部を設けるとともに、前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点とを一致させたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  9. 前記段差部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部によって前記圧縮室と前記吐出口とが連通する時点と、前記切り欠き部が形成された前記ラップの内壁面から、他方の前記ラップの中心先端部が離れる時点とを一致させたことを特徴とする請求項9に記載のスクロール圧縮機。
  10. 固定側鏡板上に渦巻状の固定側ラップを直立して設けた固定スクロールと、旋回側鏡板上に渦巻状の旋回側ラップを直立して設けた旋回スクロールとを備え、前記固定側ラップと前記旋回側ラップとを互いに組み合わせ、前記固定スクロールに対して前記旋回スクロールを旋回運動させるスクロール圧縮機において、
    前記固定側ラップの内壁面がインボリュート曲線と円とにより構成されるとともに、前記固定側ラップの外壁面がインボリュート曲線により構成され、
    前記固定側ラップの内壁面に沿って切り欠き部を設け、この切り欠き部は、前記固定側ラップの内壁面が前記円により構成された部分において、前記外壁面から前記切り欠き部側面までの歯厚が一定となるように構成されたことを特徴とするスクロール圧縮機。
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