JP3744074B2 - 燃料油供給ラインにおける圧力制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料油供給ラインにおける圧力制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭焚ボイラの場合、ミルで粉砕された微粉炭を噴射して燃焼させる微粉炭バーナの他に、軽油等の燃料油を燃焼させ起動時にのみ使用される起動用バーナと、軽油等の燃料油を燃焼させ前記微粉炭バーナ及び起動用バーナの点火用として使用される点火用バーナとが設けられる。
【0003】
図4は従来の起動用バーナと点火用バーナとにそれぞれ軽油等の燃料油を供給するための燃料油供給系統を表わすものであって、1は起動用バーナ、2は点火用バーナ、3は軽油等の燃料油を貯留するタンク、4a,4bはタンク3に貯留された燃料油を燃料油供給ライン5へ圧送するポンプ、6は燃料油供給ライン5に接続され且つ起動用バーナ1へ通じる起動用燃料油供給ライン、7は起動用燃料油供給ライン6途中に設けられた起動用遮断弁、8は起動用遮断弁7と並列に設けられたリークチェック弁、9は起動用バーナ1に接続された起動用燃料油戻りライン、10は起動用燃料油戻りライン9途中に設けられた起動用戻り弁、11は燃料油供給ライン5に接続され且つ点火用バーナ2へ通じる点火用燃料油供給ライン、12は点火用燃料油供給ライン11途中に設けられた点火用遮断弁、13は点火用バーナ2に接続された点火用燃料油戻りライン、14は点火用燃料油戻りライン13途中に設けられた点火用戻り弁、15は起動用燃料油戻りライン9と点火用燃料油戻りライン13とに接続され且つタンク3へ通じる燃料油戻りライン、16は燃料油供給ライン5と燃料油戻りライン15とを連通する圧力調節ライン、17は圧力調節ライン16途中に設けられた圧力調節弁、18はポンプ4a,4bの出側における燃料油供給ライン5の圧力20を検出する圧力検出器、19は圧力検出器18によって検出した圧力20が圧力設定値21となるよう圧力調節弁17に開度指令信号22を出力する制御器である。
【0004】
前記制御器19は、圧力検出器18によって検出した圧力20と信号発生器23から出力される圧力設定値21との差を求め、圧力偏差信号24を出力する減算器25と、該減算器25から出力される圧力偏差信号24を、信号発生器26から出力される最大開度信号27(100%)を越えないよう比例積分処理して圧力調節弁17へ開度指令信号22を出力するリミッタ付比例積分調節器28とを備えてなる構成を有している。
【0005】
石炭焚ボイラの起動時には、タンク3に貯留された燃料油は、ポンプ4a,4bの作動により燃料油供給ライン5へ圧送され、起動用燃料油供給ライン6を介して起動用バーナ1へ供給されると共に、点火用燃料油供給ライン11を介して点火用バーナ2へ供給されるようになっている。
【0006】
このとき、圧力検出器18によって燃料油供給ライン5の圧力20が検出され、圧力検出器18によって検出した圧力20と信号発生器23から出力される圧力設定値21との差が減算器25において求められ、圧力偏差信号24がリミッタ付比例積分調節器28へ出力され、該リミッタ付比例積分調節器28において前記減算器25から出力される圧力偏差信号24が、信号発生器26から出力される最大開度信号27(100%)を越えないよう比例積分処理されて圧力調節弁17へ開度指令信号22が出力され、圧力調節弁17の開度が調節され、燃料油供給ライン5の圧力20が圧力設定値21に保持される。
【0007】
尚、起動用戻り弁10は前記起動用バーナ1の使用本数がある本数以上の場合に閉じられる一方、起動用バーナ1の使用本数がそれ未満の場合と全く使用されない場合には開かれ、余剰の燃料油は起動用燃料油戻りライン9から燃料油戻りライン15を経てタンク3へ戻されるようになっている。同様に、点火用戻り弁14は前記点火用バーナ2の使用本数がある本数以上の場合に閉じられる一方、点火用バーナ2の使用本数がそれ未満の場合と全く使用されない場合には開かれ、余剰の燃料油は点火用燃料油戻りライン13から燃料油戻りライン15を経てタンク3へ戻されるようになっている。
【0008】
前記石炭焚ボイラの起動が完了した後は、起動用バーナ1は全く使用されなくなり、点火用バーナ2へ供給するのに必要な燃料油の流量は一台のポンプ4aでまかなえるため、もう一台のポンプ4bは動力低減のために停止されるようになっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述の如く、石炭焚ボイラの起動時に、起動用バーナ1を使用しなくなった段階で動力低減のために一台のポンプ4bを停止した場合、その時点で燃料油供給ライン5の圧力20が図5に示される如く大幅に低下するが、図4に示されるような制御器19では、圧力調節弁17の開度を急激に絞ることができないため、燃料油供給ライン5の圧力20がある値まで落ち込んだ後、復帰するのに時間がかかる。
【0010】
ここで、燃料油供給ライン5の圧力20がある値まで落ち込んだ場合、点火用バーナ2への燃料油の供給ができなくなることから、点火用遮断弁12は自動的に閉じるように設定されており、該点火用遮断弁12が一旦閉じてしまった場合には、点火用燃料油供給ライン11及び点火用燃料油戻りライン13に燃料油を充填し点火用遮断弁12及び点火用戻り弁14を閉じた状態で、漏れが生じていないかを調べる、いわゆるリークチェックを行うことが規則で義務付けられている。
【0011】
このため、従来においては、前述の如く、石炭焚ボイラの起動時に、起動用バーナ1を使用しなくなった段階で一台のポンプ4bを停止した場合、点火用遮断弁12が閉じてしまい、リークチェックをしなければならないため、再度点火用バーナ2を使用するのに時間がかかり、その間、ボイラの負荷変化ができなくなるという欠点を有していた。
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止した場合でも、燃料油供給ラインの圧力の落ち込みを小さく且つ短時間に抑えることができ、点火用遮断弁が閉ることを防止し得、リークチェックを不要として、ボイラの負荷変化を中断させずに継続し得る燃料油供給ラインにおける圧力制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タンクに貯留された燃料油を複数台のポンプの作動により起動用バーナと点火用バーナとに供給する燃料油供給ラインと、前記起動用バーナと点火用バーナとに供給された燃料油をタンクへ戻す燃料油戻りラインとを、途中に圧力調節弁が設けられた圧力調節ラインによって連通せしめ、前記燃料油供給ラインから点火用バーナへ通じる点火用燃料油供給ライン途中に点火用遮断弁が設けられた燃料油供給ラインにおける圧力制御方法であって、一台のポンプを停止した際、圧力調節弁の開度を強制的に絞ることを特徴とする燃料油供給ラインにおける圧力制御方法にかかるものである。
【0014】
又、本発明は、タンクに貯留された燃料油を複数台のポンプの作動により起動用バーナと点火用バーナとに供給する燃料油供給ラインと、前記起動用バーナと点火用バーナとに供給された燃料油をタンクへ戻す燃料油戻りラインとを、途中に圧力調節弁が設けられた圧力調節ラインによって連通せしめ、前記燃料油供給ラインから点火用バーナへ通じる点火用燃料油供給ライン途中に点火用遮断弁が設けられた燃料油供給ラインにおける圧力制御装置であって、
ポンプの出側における燃料油供給ラインの圧力を検出する圧力検出器と、
該圧力検出器によって検出した圧力と圧力設定値との差を求め、圧力偏差信号を出力する減算器と、
一台のポンプを停止した際、その時点での圧力調節弁の開度指令信号から絞り開度信号を差し引いた差引絞り開度信号を上限開度信号として出力する一方、それ以外のときには、最大開度信号をそのまま上限開度信号として出力する切換器と、
前記減算器から出力される圧力偏差信号を、前記切換器から出力される上限開度信号を越えないよう比例積分処理して圧力調節弁へ開度指令信号を出力するリミッタ付比例積分調節器と
を備え、
一台のポンプを停止した際、圧力調節弁の開度を強制的に絞るよう構成したことを特徴とする燃料油供給ラインにおける圧力制御装置にかかるものである。
【0015】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0016】
本発明の燃料油供給ラインにおける圧力制御方法の場合、ボイラの起動時に、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止した際、圧力調節弁の開度を強制的に絞ると、燃料油供給ラインの圧力は、瞬間的に低下するものの、すぐにもとの値に復帰し、この結果、ボイラの起動時に、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止しても、点火用遮断弁が閉じてしまうことがなくなり、リークチェックをしなくて済み、点火用バーナを常時使用することが可能となり、ボイラの負荷変化を中断せずに済む。
【0017】
又、本発明の燃料油供給ラインにおける圧力制御装置の場合、ボイラの起動時には、タンクに貯留された燃料油は、複数台のポンプの作動により燃料油供給ラインへ圧送され、起動用バーナへ供給されると共に、点火用燃料油供給ラインを介して点火用バーナへ供給され、このとき、圧力検出器によって燃料油供給ラインの圧力が検出され、圧力検出器によって検出した圧力と圧力設定値との差が減算器において求められ、圧力偏差信号がリミッタ付比例積分調節器へ出力され、ここで、切換器は、複数台のポンプが作動しているため、最大開度信号をそのまま上限開度信号としてリミッタ付比例積分調節器へ出力するようになっており、前記リミッタ付比例積分調節器において前記減算器から出力される圧力偏差信号が、前記切換器から出力される上限開度信号、即ち最大開度信号を越えないよう比例積分処理されて圧力調節弁へ開度指令信号が出力され、圧力調節弁の開度が調節され、燃料油供給ラインの圧力が圧力設定値に保持され、続いて、ボイラの起動時に、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止した場合、前記切換器からは、その時点での圧力調節弁の開度指令信号から絞り開度信号を差し引いた差引絞り開度信号が上限開度信号としてリミッタ付比例積分調節器へ出力され、該リミッタ付比例積分調節器から出力される圧力調節弁の開度指令信号の上限が強制的に低く抑えられるため、圧力調節弁の開度が急速に絞り込まれ、これにより、燃料油供給ラインの圧力は、瞬間的に低下するものの、すぐにもとの値に復帰し、この結果、ボイラの起動時に、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止しても、点火用遮断弁が閉じてしまうことがなくなり、リークチェックをしなくて済み、点火用バーナを常時使用することが可能となり、ボイラの負荷変化を中断せずに済む。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0019】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図4と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図4に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1〜図3に示す如く、
制御器19を、
圧力検出器18によって検出した圧力20と信号発生器23から出力される圧力設定値21との差を求め、圧力偏差信号24を出力する減算器25と、
該減算器25から出力される圧力偏差信号24を、後述する切換器50から出力される上限開度信号49を越えないよう比例積分処理して圧力調節弁17へ開度指令信号22を出力するリミッタ付比例積分調節器28と、
ポンプ4aの作動信号29aとポンプ4bの作動信号29bとが入力され、両作動信号29a,29bの論理積信号30を出力するAND回路31と、
該AND回路31から出力される論理積信号30が入力され、該論理積信号30が「1」から「0」に変化したときに、予め設定した時間遅れtを生じさせて「0」に変化する遅延信号32を出力するオフディレイタイマ33と、
前記ポンプ4aの作動信号29aが入力され、該作動信号29aを反転した否定信号34aを出力するNOT回路35aと、
前記ポンプ4bの作動信号29bが入力され、該作動信号29bを反転した否定信号34bを出力するNOT回路35bと、
前記NOT回路35aから出力される否定信号34aが入力され、該否定信号34aが「0」から「1」に変化したときに、パルス信号36aを出力するパルスタイマ37aと、
前記NOT回路35bから出力される否定信号34bが入力され、該否定信号34bが「0」から「1」に変化したときに、パルス信号36bを出力するパルスタイマ37bと、
前記パルスタイマ37a,37bから出力されるパルス信号36a,36bが入力され、両パルス信号36a,36bの論理和信号38を出力するOR回路39と、
前記オフディレイタイマ33から出力される遅延信号32と、前記OR回路39から出力される論理和信号38とが入力され、両信号32,38の論理積信号40を出力するAND回路41と、
該AND回路41から出力される論理積信号40が入力され、該論理積信号40が「0」から「1」に変化したときに、パルス信号42を出力するパルスタイマ43と、
一台のポンプ4bを停止した際、前記AND回路41から出力される論理積信号40により、その時点での開度指令信号22をホールドして開度指令信号22’として出力する(図中、a側に切り換えられる)一方、それ以外のときには、前記開度指令信号22をそのまま開度指令信号22’として出力する(図中、b側に切り換えられる)切換器44と、
該切換器44から出力される開度指令信号22’から、信号発生器45に設定された絞り開度信号46(およそ30%程度)を差し引いて、差引絞り開度信号47として出力する減算器48と、
一台のポンプ4bを停止した際、前記パルスタイマ43から出力されるパルス信号42により、前記減算器48から出力される差引絞り開度信号47を上限開度信号49としてリミッタ付比例積分調節器28へ出力する(図中、a側に切り換えられる)一方、それ以外のときには、信号発生器26から出力される最大開度信号27をそのまま上限開度信号49としてリミッタ付比例積分調節器28へ出力する(図中、b側に切り換えられる)切換器50と
から構成し、一台のポンプ4bを停止した際、圧力調節弁17の開度を強制的に絞るようにした点にある。
【0020】
次に、上記図示例の作動を説明する。
【0021】
石炭焚ボイラの起動時には、タンク3に貯留された燃料油は、ポンプ4a,4bの作動により燃料油供給ライン5へ圧送され、起動用燃料油供給ライン6を介して起動用バーナ1へ供給されると共に、点火用燃料油供給ライン11を介して点火用バーナ2へ供給され、このとき、圧力検出器18によって燃料油供給ライン5の圧力20が検出され、圧力検出器18によって検出した圧力20と信号発生器23から出力される圧力設定値21との差が減算器25において求められ、圧力偏差信号24がリミッタ付比例積分調節器28へ出力される。
【0022】
ここで、切換器50は、二台のポンプ4a,4bが作動しているため、図中、b側に切り換えられ、信号発生器26から出力される最大開度信号27をそのまま上限開度信号49としてリミッタ付比例積分調節器28へ出力するようになっており、前記リミッタ付比例積分調節器28において前記減算器25から出力される圧力偏差信号24が、前記切換器50から出力される上限開度信号49、即ち信号発生器26から出力される最大開度信号27(100%)を越えないよう比例積分処理されて圧力調節弁17へ開度指令信号22が出力され、圧力調節弁17の開度が調節され、燃料油供給ライン5の圧力20が圧力設定値21に保持される。
【0023】
続いて、石炭焚ボイラの起動時に、起動用バーナ1を使用しなくなった段階で一台のポンプ4bを停止した場合、図2に示す如く、ポンプ4bの作動信号29bのみが「ON」から「OFF」に切り換り、AND回路31から出力される作動信号29a,29bの論理積信号30が「1」から「0」に切り換るが、オフディレイタイマ33から出力される遅延信号32は、予め設定した時間遅れtが経過するまでは、「1」のまま保持され、AND回路41へ出力される。
【0024】
一方、NOT回路35aから出力される作動信号29aを反転した否定信号34aは「0」のまま変化しないが、NOT回路35bから出力される作動信号29bを反転した否定信号34bは、ポンプ4bの停止時点で、「0」から「1」に切り換り、パルスタイマ37bからのみパルス信号36bが出力され、これに伴って、OR回路39から前記パルス信号36bの波形と同じ波形の論理和信号38がAND回路41へ出力される。
【0025】
前記AND回路41においては、前記オフディレイタイマ33から出力される遅延信号32と、前記OR回路39から出力される論理和信号38とが入力され、両信号32,38の論理積が求められるため、AND回路41からは、前記OR回路39から出力される論理和信号38の波形と同じ波形の論理積信号40が切換器44へ出力されると共に、パルスタイマ43へ出力される。
【0026】
前記切換器44は、前記AND回路41から出力される論理積信号40により、図中、a側に切り換えられ、その時点での開度指令信号22がホールドされて開度指令信号22’として減算器48へ出力され、該減算器48において、前記切換器44から出力される開度指令信号22’から、信号発生器45に設定された絞り開度信号46が差し引かれ、差引絞り開度信号47として切換器50へ出力される。
【0027】
前記切換器50は、前記パルスタイマ43から出力されるパルス信号42により、図中、a側に切り換えられ、前記減算器48から出力される差引絞り開度信号47が上限開度信号49としてリミッタ付比例積分調節器28へ出力され、該リミッタ付比例積分調節器28から出力される圧力調節弁17の開度指令信号22の上限が強制的に低く抑えられるため、圧力調節弁17の開度が、図3に示す如く、急速に絞り込まれ、これにより、燃料油供給ライン5の圧力20は、瞬間的に低下するものの、すぐにもとの値に復帰する。
【0028】
この結果、石炭焚ボイラの起動時に、起動用バーナ1を使用しなくなった段階で一台のポンプ4bを停止しても、点火用遮断弁12が閉じてしまうことがなくなり、リークチェックをしなくて済み、点火用バーナ2を常時使用することが可能となり、ボイラの運転も中断せずに済む。
【0029】
尚、前記パルスタイマ43から出力されるパルス信号42が再び「0」となった後は、切換器50は、図中、b側に再び切り換えられ、信号発生器26から出力される最大開度信号27がそのまま上限開度信号49としてリミッタ付比例積分調節器28へ出力され、制御が継続される。
【0030】
こうして、起動用バーナ1を使用しなくなった段階で一台のポンプ4bを停止した場合でも、燃料油供給ライン5の圧力20の落ち込みを小さく且つ短時間に抑えることができ、点火用遮断弁12が閉ることを防止し得、リークチェックを不要として、ボイラの負荷変化を中断させずに継続し得る。
【0031】
尚、本発明の燃料油供給ラインにおける圧力制御方法及び装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の燃料油供給ラインにおける圧力制御方法及び装置によれば、起動用バーナを使用しなくなった段階で一台のポンプを停止した場合でも、燃料油供給ラインの圧力の落ち込みを小さく且つ短時間に抑えることができ、点火用遮断弁が閉ることを防止し得、リークチェックを不要として、ボイラの負荷変化を中断させずに継続し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の概要構成図である。
【図2】本発明を実施する形態の一例における制御系の各構成要素のポンプ停止時の出力信号を表わす線図である。
【図3】本発明を実施する形態の一例において、ポンプ停止時における燃料油供給ラインの圧力と圧力調整弁の開度を表わす線図である。
【図4】従来例の概要構成図である。
【図5】従来例において、ポンプ停止時における燃料油供給ラインの圧力と圧力調整弁の開度を表わす線図である。
【符号の説明】
1 起動用バーナ
2 点火用バーナ
3 タンク
4a ポンプ
4b ポンプ
5 燃料油供給ライン
11 点火用燃料油供給ライン
12 点火用遮断弁
15 燃料油戻りライン
16 圧力調節ライン
17 圧力調節弁
18 圧力検出器
19 制御器
20 圧力
21 圧力設定値
22 開度指令信号
22’ 開度指令信号
24 圧力偏差信号
25 減算器
27 最大開度信号
28 リミッタ付比例積分調節器
46 絞り開度信号
47 差引絞り開度信号
49 上限開度信号
50 切換器
Claims (2)
- タンクに貯留された燃料油を複数台のポンプの作動により起動用バーナと点火用バーナとに供給する燃料油供給ラインと、前記起動用バーナと点火用バーナとに供給された燃料油をタンクへ戻す燃料油戻りラインとを、途中に圧力調節弁が設けられた圧力調節ラインによって連通せしめ、前記燃料油供給ラインから点火用バーナへ通じる点火用燃料油供給ライン途中に点火用遮断弁が設けられた燃料油供給ラインにおける圧力制御方法であって、一台のポンプを停止した際、圧力調節弁の開度を強制的に絞ることを特徴とする燃料油供給ラインにおける圧力制御方法。
- タンクに貯留された燃料油を複数台のポンプの作動により起動用バーナと点火用バーナとに供給する燃料油供給ラインと、前記起動用バーナと点火用バーナとに供給された燃料油をタンクへ戻す燃料油戻りラインとを、途中に圧力調節弁が設けられた圧力調節ラインによって連通せしめ、前記燃料油供給ラインから点火用バーナへ通じる点火用燃料油供給ライン途中に点火用遮断弁が設けられた燃料油供給ラインにおける圧力制御装置であって、
ポンプの出側における燃料油供給ラインの圧力を検出する圧力検出器と、
該圧力検出器によって検出した圧力と圧力設定値との差を求め、圧力偏差信号を出力する減算器と、
一台のポンプを停止した際、その時点での圧力調節弁の開度指令信号から絞り開度信号を差し引いた差引絞り開度信号を上限開度信号として出力する一方、それ以外のときには、最大開度信号をそのまま上限開度信号として出力する切換器と、
前記減算器から出力される圧力偏差信号を、前記切換器から出力される上限開度信号を越えないよう比例積分処理して圧力調節弁へ開度指令信号を出力するリミッタ付比例積分調節器と
を備え、
一台のポンプを停止した際、圧力調節弁の開度を強制的に絞るよう構成したことを特徴とする燃料油供給ラインにおける圧力制御装置。
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