JP3744042B2 - ズームレンズ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はズームレンズに関し、特に小型でコストパフォーマンスにすぐれた超広角ズームレンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、スチールカメラやビデオカメラ用の交換レンズにおける超広角ズームレンズおよび広角ズームレンズは、小型化および高倍率化の一途をたどっている。特に、安価な広角ズームレンズおよび超広角ズームレンズを実現するには、いわゆる負正2群構成のズームレンズや、基本的には負正2群ズームタイプの構成を有し像側に非常に弱い屈折力の第3レンズ群を付加した3群ズームレンズ等が適している。そして、これらのズームタイプについて、種々の提案がなされている。
しかしながら、広角端の画角が100°を越える超広角ズームレンズの提案は、極端に少ない。例としては特開平4−15612号公報及び特開平4−275515号公報記載のズームレンズが知られているが、小型で、構成枚数の少ないコストパフォーマンスにすぐれた超広角ズームレンズの提案はほとんど出されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の特開平4−15612号公報に記載のズームレンズは、広角端の画角が112.7°をカバーする超広角ズームレンズであるが、第1レンズ群前方に比較的屈折力の強い正レンズを配置したため、巨大化し、実用的ではなかった。また、構成枚数も多く、ズーム比も1.36倍程度と低いにもかかわらず、像面湾曲、非点収差、歪曲が十分に補正されておらず、結像性能の点でも十分ではなかった。
【0004】
また、特開平4−275515号公報に記載のズームレンズは、広角端の画角が110°をカバーするズームレンズを示しているが、このズームレンズは、負・負・正の3群構成ズームレンズであり、構成が複雑であり、構成枚数も多い。また、前記公報同様、前方に正レンズを配置したため、巨大化し、実用的でなかった。また、第1群固定の構造をとったため、前玉径を極端に小型化することは不可能である。また、収差補正上、前記公報同様、像面湾曲、非点収差、歪曲が十分に補正されておらず、結像性能の点でも十分ではなかった。
【0005】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、高画角および高変倍比を有し、構成枚数が少なく小型で、低コスト化が実現可能で、量産性に優れたズームレンズを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、すなわち、物体側から順に負屈折力の第1レンズ群G1と正屈折力の第2レンズ群G2とを備え、両レンズ群G1、G2の間の空気間隔を変化させることによって変倍を行うズームレンズにおいて、第1レンズ群G1は物体側から順に、像側に凹面を向け、メニスカス形状に形成された負屈折力の第1レンズ群第1レンズ成分L11と負レンズと正レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第1レンズ群第2レンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた正屈折力の第1レンズ群第3レンズ成分L13からなり、第2レンズ群G2は物体側から順に、少なくとも1枚の凸レンズを有し正屈折力の第2レンズ群第1レンズ成分L21と正レンズと負レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第2レンズ群第2レンズ成分L22と負レンズと正レンズの接合よりなる接合正レンズと正レンズからなる正屈折力の第2レンズ群第3レンズ成分L23とからなり、第1レンズ群第1レンズ成分L11と第1レンズ群第2レンズ成分L12との各レンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は非球面状に形成され、且つ、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
f2:第2レンズ群G2の焦点距離
fW:広角端における全系の焦点距離
f11:第1レンズ群第1レンズ成分L11の焦点距離
としたとき、
1.0<|f1|/fW<2.0 (1)
1.5<f2/fW<3.5 (2)
0.5<|f11|/fW<4 (3)
の各条件を満足することを特徴とするズームレンズである。
【0007】
まず本発明のズームレンズの第1レンズ群G1のレンズ構成について説明する。本発明において第1レンズ群G1は、物体側から順にメニスカス形状で負屈折力の第1レンズ成分L11、負屈折力の第2レンズ成分L12、及び正屈折力の第3レンズ成分L13を有し、基本的に3群構成である。第1レンズ成分L11は強い負の屈折力を有しており、前玉径の小径化、コンパクト化に効果を有している。また第1レンズ成分L11は、接合による正レンズ成分以外の単独した正レンズを最も物体側に設置する構成ではない。これは小型化と小径化のためであり、正レンズ成分が物体側に位置すればするほど、レンズ系全体が大型化し、実用的でなくなる。また歪曲、非点収差、コマ収差等を主に補正するために、第1レンズ成分L11に非球面を導入することが望ましく、より物体側の屈折面またはより物体側の負レンズの像側の面に設定することがより望ましい。本発明の各実施例においては、最も効果的な例として、最も物体側の負メニスカスレンズの像側の面に非球面を設置している。
【0008】
また、第1レンズ群G1中の第2レンズ成分L12は接合負レンズを有し、その接合負レンズは物体側から負レンズと正レンズとの接合によりなっている。物体側に負レンズを有することは、前玉径の小径化、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との間のデッドスペースの確保、高次の倍率色収差の発生を抑える効果がある。また、その接合負レンズの全体の形状が物体側に凸面を向けたメニスカス形状、平凹形状または両凹形状を有していることが、より上記の効果が増し好ましい。
【0009】
次に本発明において第2レンズ群G2の構成は、基本的には正負正のトリプレット構造を有する。正屈折力の第1レンズ成分L21は、少なくとも1枚の正レンズを有し、好ましくは、少なくとも2枚の正レンズを設置すると、特に望遠側の球面収差補正に有利である。負屈折力の第2レンズ成分L22は、少なくとも物体側から正レンズと両凹形状の負レンズとの接合によりなる接合負レンズを有し、球面収差、上方コマ収差の補正上の問題から、正レンズが負レンズよりも厚肉化されていることが望ましい。正屈折力の第3レンズ成分L23は、上方コマ収差の補正とペッツバール和を良好に保つために、少なくとも物体側から負レンズと両凸形状の正レンズとの接合による正レンズを有している。
【0010】
次に条件(1)は、第1レンズ群G1の焦点距離の大小関係、すなわち屈折力の大小関係についての条件である。条件(1)の上限を越えると、第1レンズ群G1の屈折力が弱まるため、ズーミングの全長変化が大きくなり、特に広角端で大型化を招き好ましくない。また周辺光量も低下するばかりか、至近撮影時の繰り出し量も増し、近距離変動も増し好ましくない。条件(1)の上限を1.9とし、さらには1.84とすると、より小型でより良好な結像性能が得られ望ましい。
【0011】
他方、条件(1)の下限を下回る場合、第1レンズ群G1の屈折力が著しく強まるため、本発明のような100°を越える画角を有し、比較的簡単な構成の小型ズームレンズの場合、非球面を導入しても、歪曲、非点収差、下方コマ収差等を良好に補正することができなくなり好ましくない。条件(1)の下限を1.4とし、さらには1.55とすることにより、さらに良好な結像性能が得られる。
【0012】
条件(2)は第2レンズ群G2の焦点距離の大小関係、すなわち屈折力の大小関係を設定する条件である。条件(2)の上限を越える場合、第2レンズ群G2の屈折力が著しく弱まるため、第2レンズ群G2の変倍による移動量が増し、同量のズーム比を得るためには大型化し、Fナンバーが著しく変化し、特に望遠側のFナンバーが暗くなり好ましくない。また、バックフォーカスも大きくなり、その結果さらに大型化し好ましくない。条件(2)の上限を3とすれば、よりコンパクトな大きさで実現でき、好ましい。
【0013】
他方、条件(2)の下限を下回る場合、第2レンズ群G2の屈折力が著しく強くなり、全長変化は小さくなるが、望遠端における球面収差が著しく悪化し、変倍による球面収差の変動も増加するので好ましくない。また、この球面収差の補正をしつつ、他の収差との良好なバランスをとるためには、第2レンズ群G2の構成枚数の増加につながり、厚肉化することによって小型化の効果が薄められる結果となり好ましくない。なお、さらに本発明の効果を高めるには、条件(2)の下限を2とし、さらには2.25とすると、球面収差および上方コマ収差の補正がさらに良好になる。
【0014】
条件(3)は第1レンズ群G1中の第1レンズ成分L11の焦点距離の大小関係、すなわち屈折力の大小を設定した条件である。条件(3)の上限を上回る場合、特に大画角を有するズームレンズの場合、斜光線の第1面に入射する入射高がより光軸より遠ざかる位置に変化し、その結果、前玉径の大型化、周辺光量不足が発生し好ましくない。条件(3)の上限を3.2とすると、さらなる小型化、コンパクト化に対する効果が期待できる。
【0015】
他方、条件(3)の下限を下回る場合、第1レンズ群第1レンズ成分L11の屈折力が著しく強くなるため、非球面を導入しても特に広角側の歪曲、非点収差、下方コマ収差の補正、望遠側の下方コマ収差、球面収差の補正が困難になり、好ましくない。条件(3)の下限を1とすることにより、より良好な収差補正が期待できる。
【0016】
次に本発明においては、負レンズと正レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第1レンズ群第2レンズ成分L 12 は、
n12n:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の負レン
ズのd線に対する屈折率
n12p:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の正レン
ズのd線に対する屈折率
ν12n:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の負レン
ズのアッベ数
ν12p:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の正レン
ズのアッベ数
としたとき、
0.05<n12n−n12p<0.4 (4)
ν12n<ν12p (5)
の各条件を満足することが好ましい。
【0017】
条件(4)は、第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の負レンズの屈折率n12nと正レンズの屈折率n12pとの差を設定した条件である。本発明のような大画角を有するズームレンズの場合、軸外収差、特に歪曲、像面湾曲、非点収差の補正が重要で、全体の結像性能を左右するといっても過言ではない。特に像面湾曲においてはペッツバール和が重要なパラメータであり、負レンズと正レンズの屈折率の差が十分必要であり、特に接合にすることによって、ペッツバール和を良好に保つ効果を十分発揮することができる。また、さらにその接合レンズを第1レンズ群G1中に設定することは、ペッツバール和を良好にする目的以外にも、軸外収差の補正により効果的に作用する。
【0018】
条件(4)の上限を上回る場合、現在使用可能な光学ガラスにおいて、負レンズに使用する材料が、短波長の光の透過率を著しく低下させる傾向があり、全体のカラーバランスに悪影響を及ぼすため、好ましくない。条件(4)の上限を0.35とすることによって、さらに好ましい効果が期待できる。
他方、条件(4)の下限を下回る場合、ペッツバール和が小さくなり過ぎるため、非点収差、像面湾曲が補正困難になり好ましくない。条件(4)の下限を0.1とすれば、さらに良好な結像性能が期待できる。
【0019】
条件(5)は、第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の負レンズのアッベ数ν12nと正レンズのアッベ数ν12pとの大小関係に関する条件である。ν12nよりもν12pのアッベ数が大きいということは、正レンズの分散が負レンズの分散よりも小さいことを意味する。一般に凹群の色消しは、正レンズの分散が大きく負レンズの分散が小さい。しかしながら第1レンズ群G1の屈折力が強く、第1レンズ群G1の物体側の第1レンズ成分L11の屈折力が強い本発明のようなズームレンズの場合には、基準線に対する色消しを行うために分散差を十分保とうとすると、倍率色収差の2次分散が増し、高次の倍率色収差(画角差による発生量の著しい差)が発生しやすい。それらの欠点を良好に補正するため、第2レンズ成分L12の接合負レンズに逆の分散差を与えて、第1レンズ群G1内の他のレンズの分散とのバランスをとっている。また、接合によってガラス材料には存在しない仮想のアッベ数を作り出すことと等価なので、広角端の倍率色収差の補正と望遠側の軸上色収差の補正の良好なバランスを保つのに有利である。したがって条件(5)の範囲をはずれると、特に広角端での倍率色収差の画角差による発生量の差および2次分散が十分補正できなくなり、好ましくない。
【0020】
なお、いわゆる樹脂材料とガラス材料との複合からなる複合型非球面レンズの場合、屈折力という観点から考えると、樹脂材料部分を1枚の「レンズ」と考えるには無理がある。すなわち、樹脂材料部分が独立したレンズ部品として存在することができないため、複合型非球面レンズをいわゆる接合レンズと同様に考えることができない。したがって、樹脂材料部分は、むしろガラス材料部分に付加された機能ととらえるべきである。すなわち条件(4)や(5)の適用に当たっては、樹脂材料部分を除外して、独立した「レンズ」について適用する必要がある。
【0021】
次に本発明においては、正レンズと負レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第2レンズ群第2レンズ成分L 22 と、正屈折力の第2レンズ群第3レンズ成分L 23 中の接合正レンズは、
n22n:第2レンズ群第2レンズ成分L22中の接合負レンズ中の負レン
ズのd線に対する屈折率
n22p:第2レンズ群第2レンズ成分L22中の接合負レンズ中の正レン
ズのd線に対する屈折率
n23n:第2レンズ群第3レンズ成分L23中の接合正レンズ中の負レン
ズのd線に対する屈折率
n23p:第2レンズ群第3レンズ成分L23中の接合正レンズ中の正レン
ズのd線に対する屈折率
としたとき、
0.05<n22n−n22p<0.4 (6)
0.05<n23n−n23p<0.4 (7)
の各条件を満足することが好ましい。
【0022】
条件(6)は第2レンズ群第2レンズ成分L22中の接合負レンズの屈折率差についての条件であり、条件(7)は第2レンズ群第3レンズ成分L23中の接合正レンズの屈折率差についての条件である。条件(6)又は(7)の上限を上回る場合、負レンズに使用するガラス材料として、短波長の光の透過率が低い材料を使用することになり、カラーバランスが悪化し好ましくない。条件(6)及び(7)の上限をそれぞれ0.35とし、さらには0.32とすることによって、より良好な結果になる。
他方、条件(6)又は(7)の下限を下回る場合、ペッツバール和が不足し、像面湾曲、非点収差の補正が困難になるばかりか、球面収差の補正も困難になる。また、条件(7)に至っては、上方コマ収差の悪化も招き好ましくない。条件(6)及び(7)の下限をそれぞれ0.1とすることによって、さらに各収差の補正が有利になる。
【0023】
次に本発明においては、第1レンズ群第1レンズ成分L11と第1レンズ群第2レンズ成分L12との各レンズ面のいずれかに設けた非球面レンズ面の形状を、
y:光軸に垂直な方向の高さ
S(y):高さyにおける光軸方向の変位量
R:光軸上での曲率半径
κ:円錐係数
n:n次の非球面係数
によって表わしたとき、
−1<κ<1 (8)
なる条件を満足することが好ましい。
【0024】
条件(8)は、第1レンズ群G1に導入した非球面に対する条件である。κ(円錐係数)を変化させることは、球面以外の2次曲面をベースとした非球面を使用することを意味する(κ=1のときが球面、κ=0のとき放物面、κ=−1のとき双曲面、図21参照)。したがって、条件(8)の上限を上回ると球面を越え楕円面になることを意味する。κが1を越えたときの楕円の形状を有する非球面は、光軸近くの曲率がゆるく、周辺に行くと急に大きくなる形状を有しているため、本発明のような負レンズ、特に負メニスカスレンズの凹面に設けた場合、非球面の周辺部分に入射または斜出する光線の偏角が急激に増すことにより、歪曲が逆に増大する結果を招き好ましくない。
他方、条件(8)の下限を下回ると、周辺部分の屈折力が弱くなりすぎ、斜光線の入射高がより高くなり、前玉径の大型化を招き好ましくない。
【0025】
なお、基準球面を2次曲面に変更した場合の概念的な収差的なふるまいについて上記したが、κ以外の非球面係数Cnを十分活用することにより、見かけ上のκの数値に幅をもたせることは可能であり、特に周辺性能をより良好に補正するためには高次の次数まで使用し、収差補正を行うことが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。図1、5、9、13及び17は本発明による超広角ズームレンズの第1〜第5実施例を示す。各実施例とも、物体側から順に負屈折力の第1レンズ群G1と正屈折力の第2レンズ群G2とを備え、両レンズ群G1、G2の間の空気間隔を変化させることによって変倍を行う超広角ズームレンズである。第1レンズ群G1は物体側から順に、像側に凹面を向けたメニスカス形状に形成された負屈折力の第1レンズ群第1レンズ成分L11と負レンズと正レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第1レンズ群第2レンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた正屈折力の第1レンズ群第3レンズ成分L13とからなる。第2レンズ群G2は物体側から順に、少なくとも1枚の凸レンズを有し正屈折力の第2レンズ群第1レンズ成分L21と正レンズと負レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第2レンズ群第2レンズ成分L22と、負レンズと正レンズの接合よりなる接合正レンズと正レンズからなる正屈折力の第2レンズ群第3レンズ成分L23とからなる。また第1レンズ群第1レンズ成分L11と第1レンズ群第2レンズ成分L12との各レンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は非球面状に形成されている。
【0027】
以下の表1〜表5に各実施例の諸元を示す。各表の[全体諸元]中、fは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、2ωは画角を示す。[レンズ諸元]中、第1カラムは物体側からのレンズ面の番号、第2カラムrは各レンズ面の曲率半径、第3カラムdは各レンズ面の間隔、第4カラムνdは各レンズのd線(λ=587.6nm)に対するアッベ数、第5カラムndは各レンズのd線に対する屈折率を示す。また第1カラム中*印を付したレンズ面は非球面を示す。[合焦データ]中、f/βは焦点距離f又は倍率βを示し、d0は物点距離を示す。
また以下の表6に、各実施例について、各条件(1)〜(8)のパラメータの値を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
図2、図3及び図4に、第1実施例について無限遠合焦時のそれぞれ広角端、中間位置、及び望遠端での球面収差、非点収差、歪曲収差、コマ収差、及び倍率色収差を示す。同様に図6〜8、図10〜12、図14〜16、及び図18〜20に第2、第3、第4、及び第5実施例の諸収差を示す。球面収差図中、点線は正弦条件を示す。非点収差図中、実線はサジタル像面を示し、点線はメリジオナル像面を示す。各図中FNOはFナンバー、ωは半画角を表す。
各収差図より、所要のレンズ構成を採用し、且つ前記条件(1)〜(3)を満たすことにより、更には前記条件(4)〜(8)を満たすことにより、各実施例とも良好な結像性能を有することが解る。
【0035】
【発明の効果】
以上に説明したとおり、本発明によれば、小型で構成枚数が少なく、構造が簡単で結像性能良好な、広角端の画角106°を越し、ズーム比1.74倍程度を有するズームレンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の構成図
【図2】第1実施例の無限遠合焦時の広角端での諸収差図
【図3】第1実施例の無限遠合焦時の中間位置での諸収差図
【図4】第1実施例の無限遠合焦時の望遠端での諸収差図
【図5】第2実施例の構成図
【図6】第2実施例の無限遠合焦時の広角端での諸収差図
【図7】第2実施例の無限遠合焦時の中間位置での諸収差図
【図8】第2実施例の無限遠合焦時の望遠端での諸収差図
【図9】第3実施例の構成図
【図10】第3実施例の無限遠合焦時の広角端での諸収差図
【図11】第3実施例の無限遠合焦時の中間位置での諸収差図
【図12】第3実施例の無限遠合焦時の望遠端での諸収差図
【図13】第4実施例の構成図
【図14】第4実施例の無限遠合焦時の広角端での諸収差図
【図15】第4実施例の無限遠合焦時の中間位置での諸収差図
【図16】第4実施例の無限遠合焦時の望遠端での諸収差図
【図17】第5実施例の構成図
【図18】第5実施例の無限遠合焦時の広角端での諸収差図
【図19】第5実施例の無限遠合焦時の中間位置での諸収差図
【図20】第5実施例の無限遠合焦時の望遠端での諸収差図
【図21】光軸上での曲率を同一としたときの非球面係数の相違による非球面形状を示す図
【符号の説明】
1…第1レンズ群 G2…第2レンズ群
11…第1レンズ群第1レンズ成分 L12…第1レンズ群第2レンズ成分
13…第1レンズ群第3レンズ成分 L21…第2レンズ群第1レンズ成分
22…第2レンズ群第2レンズ成分 L23…第2レンズ群第3レンズ成分
A…開口絞り S…フレアストッパー

Claims (4)

  1. 物体側から順に負屈折力の第1レンズ群G1と正屈折力の第2レンズ群G2とを備え、両レンズ群G1、G2の間の空気間隔を変化させることによって変倍を行うズームレンズにおいて、
    前記第1レンズ群G1は物体側から順に、像側に凹面を向け、メニスカス形状に形成された負屈折力の第1レンズ群第1レンズ成分L11と負レンズと正レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第1レンズ群第2レンズ成分L12と、物体側に凸面を向けた正屈折力の第1レンズ群第3レンズ成分L13とからなり
    前記第2レンズ群G2は物体側から順に、少なくとも1枚の凸レンズを有し正屈折力の第2レンズ群第1レンズ成分L21と正レンズと負レンズの接合よりなる接合負レンズからなる負屈折力の第2レンズ群第2レンズ成分L22と負レンズと正レンズの接合よりなる接合正レンズと正レンズからなる正屈折力の第2レンズ群第3レンズ成分L23とからなり
    前記第1レンズ群第1レンズ成分L11と第1レンズ群第2レンズ成分L12との各レンズ面のうち、少なくとも1つのレンズ面は非球面状に形成され、且つ、
    以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    1.0<|f1|/fW<2.0 (1)
    1.5<f2/fW<3.5 (2)
    0.5<|f11|/fW<4 (3)
    但し、f1:前記第1レンズ群G1の焦点距離
    f2:前記第2レンズ群G2の焦点距離
    fW:広角端における全系の焦点距離
    f11:前記第1レンズ群第1レンズ成分L11の焦点距離
    である。
  2. 負レンズと正レンズの接合よりなる接合負レンズからなる前記負屈折力の第1レンズ群第2レンズ成分L 12 は、以下の条件を満足する請求項1記載のズームレンズ。
    0.05<n12n−n12p<0.4 (4)
    ν12n<ν12p (5)
    但し、n12n:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の前記負
    レンズのd線に対する屈折率
    n12p:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の前記正
    レンズのd線に対する屈折率
    ν12n:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の前記負
    レンズのアッベ数
    ν12p:第1レンズ群第2レンズ成分L12中の接合負レンズ中の前記正
    レンズのアッベ数
    である。
  3. 正レンズと負レンズの接合よりなる接合負レンズからなる前記負屈折力の第2レンズ群第2レンズ成分L 22 と、前記正屈折力の第2レンズ群第3レンズ成分L 23 中の前記接合正レンズは、以下の条件を満足する請求項1又は2記載のズームレンズ。
    0.05<n22n−n22p<0.4 (6)
    0.05<n23n−n23p<0.4 (7)
    但し、n22n:第2レンズ群第2レンズ成分L22中の接合負レンズ中の前記負
    レンズのd線に対する屈折率
    n22p:第2レンズ群第2レンズ成分L22中の接合負レンズ中の前記正
    レンズのd線に対する屈折率
    n23n:第2レンズ群第3レンズ成分L23中の接合正レンズ中の前記負
    レンズのd線に対する屈折率
    n23p:第2レンズ群第3レンズ成分L23中の接合正レンズ中の前記正
    レンズのd線に対する屈折率
    である。
  4. 前記第1レンズ群第1レンズ成分L11と第1レンズ群第2レンズ成分L12との各レンズ面のいずれかに設けた前記非球面レンズ面の形状を、
    y:光軸に垂直な方向の高さ
    S(y):高さyにおける光軸方向の変位量
    R:光軸上での曲率半径
    κ:円錐係数
    Cn:n次の非球面係数
    によって表わしたとき、
    −1<κ<1 (8)
    なる条件を満足する請求項1、2又は3記載のズームレンズ。
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