JP3743737B2 - めっきに用いる陽極室、それを用いためっき方法及びめっき装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室、およびそれを用いためっき方法、めっき装置に関する。より詳細には、鋼帯などの長尺帯状の金属板に不溶性陽極を用いて連続的に電気めっきを施す際に用いる陽極室、およびそれを用いて消費されるめっき金属イオンをめっき液中に補給する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼帯などの長尺帯状の金属板に連続的にめっきを施す場合、めっきタンクにめっき金属である陽極板を配置し、この陽極板が電解液中に溶解することによりめっき金属イオンが補給される、いわゆる可溶性陽極方式が行われている。近年、錫めっき鋼板、亜鉛めっき鋼板、ニッケルめっき鋼板などのめっき金属板の需要が増大しており、この需要増加に対応するため高電流密度でめっきする高速めっき方法が実施されるようになっている。高電流密度でめっきする高速めっき方法においては可溶性陽極が短時間に消耗するので、頻繁に陽極を交換しなくてはならない。また、可溶性陽極は金属板に近接して設置することが困難であり、そのため浴電圧が高くなり電気エネルギーの損失につながる。さらに、ニッケルめっきの場合は、陽極の溶解を促進させるためにニッケル粒をチタンバスケットに充填したものをアノードバッグで被覆してなる可溶性陽極を使用しており、アノードバッグによる浴電圧の上昇や、ニッケル粒のめっき液中への溶解性が小さく、高電流密度によるめっきが極めて困難である、といった問題を抱えている。
【0003】
このような状況に鑑みて、可溶性陽極を用いずに不溶性陽極を用い、めっきタンクとは別系統に設けた溶解槽でめっき金属イオンを溶解させてめっきタンクに送り、めっきで消耗した金属イオンを補給する、不溶性陽極方式が採用されるようになっている。不溶性陽極方式は、特に鋼板にニッケルめっきを施す場合において様々な試みが行われている。この場合、めっき液中にニッケルイオンを補給する方法としては、水酸化ニッケルや炭酸ニッケルのようなニッケル金属塩を溶解させる方法、および金属ニッケルをめっき液に直接溶解させる方法が提案されている。
【0004】
しかし、水酸化ニッケルや炭酸ニッケルのようなニッケル金属塩を溶解させる方法は、これらの金属塩が高価であり、この方法を用いて安価なニッケルめっき鋼板を製造することは極めて困難である。一方、金属ニッケルをめっき液に直接溶解させる方法は、金属ニッケルは前記ニッケル金属塩より安価ではあるものの、通常の濃度のニッケルめっき液中への溶解性が極端に小さく、短時間で大量に溶解させるためには何らかの手段を講じなくてはならない。
【0005】
金属ニッケルのニッケルめっき液中への溶解性を向上させる手段として、次のようなものが試みられている。すなわち、特開平1−234598号公報は、溶解槽にめっき液を導き、めっき液中にニッケル粒を充填した不溶性金属からなるバスケットを陽極として電解することにより、めっき液中にニッケルイオンを補給することを開示している。また特開平4−13900号公報は、金属ニッケルの溶解性を向上させるためにニッケル粒に硫黄を含有させるとともに、ニッケル粒を粒状、板状、粉状としたものを不溶性金属からなるバスケットに充填し、陽極電解することを開示している。めっき液中に電解により金属ニッケルを溶解させてニッケルイオンを補給するこれらの方法は、電流密度を高めることが困難であり、ニッケルを大量に溶解させるには数多くの電解溶解槽が必要となり、設備が大型複雑化し、電力コストおよび設備コストの点で問題がある。
【0006】
電解法を用いずにニッケルをめっき液中に溶解させる方法としては、次のようなものが試みられている。すなわち、めっき液を75〜100℃に昇温し、めっき液に一定量以上の金属ニッケルを投入し、溶解を促進させる方法(特開平7−238400号公報)、めっき液を75〜100℃に昇温するとともに、硫酸を一定量以下添加して水素イオン濃度を高めて溶解を促進させる方法(特開平7−268696号公報)、一定粒径以下に粉砕したニッケル粒を溶解させる方法(特開平7−258900号公報)、めっき液に溶解助剤として過酸化水素を添加し、溶解を促進させる方法(特開平8−92794号公報)、一定量の硫酸を添加しためっき液にニッケルを溶解させた後、過剰の硫酸を除去する方法(特開平8−92795号公報)、めっき液を70〜100℃に昇温するとともに、めっき液のpHを1〜2に保持して溶解させる方法(特開平9−59798号公報)、めっき液を濃縮し、濃縮しためっき液にニッケルを溶解させた後、希釈する方法(特開平9−67698号公報)、めっき液に硫酸を添加し、70〜100℃に昇温してニッケルを溶解させた後、炭酸カルシウムを添加し、生成した硫酸カルシウムを除去する方法(特開平9−209200号公報)などがある。
【0007】
しかし、上記のこれらの方法はいずれも下記のような欠点を有しており、必ずしも満足の行くものには至っていない。すなわち、特開平7−238400号公報記載の方法においては、溶解槽に金属ニッケルが溶解せずに多量に残存しており、めっき液への混入を防止するために除去設備などの何らかの手段を講じなくてはならない。特開平7−268696号公報記載の方法においては、めっき液中に過剰の硫酸根が残存するので、これを除去する設備が必要となる。特開平8−92794号公報公報および特開平8−92795号公報記載の方法においては、ニッケルを全量溶解させるためには過大な過酸化水素や硫酸の添加を必要とし、コストアップをもたらし、さらにめっき液中に残存する過酸化水素や硫酸を除去するための設備投資が必要となる。特開平7−258900号公報記載の方法においては、ニッケル粒子を粉砕させる粉砕機や、微細粉となって作業環境に飛散するニッケル微粉を除去する排気装置、さらに微細化されて酸化されやすくなり溶解性が低下することを防止するための作業雰囲気の還元性雰囲気化などの余分な設備投資が必要となる。特開平9−59798号公報記載の方法においては、めっき液のpHを1〜2の一定の適正範囲に調整するために、何らかの手段を講じなくてはならない。特開平9−67698号公報記載の方法においては、めっき液を濃縮するためのエバポレーターなどの設置が不可避であり、このための設備投資、およびランニングコストが必要となる。特開平9−209200号公報記載の方法においては、溶解助剤として添加された硫酸は炭酸カルシウムの添加により硫酸カルシウムとして除去されるが、多量に生成した不溶性の硫酸カルシウムを除去するためには遠心分離器などの大がかりな除去装置の設置が不可避であり、このための設備投資、およびランニングコストが必要となる。
このように、金属ニッケルをめっき液に直接溶解させる方法は、いずれも複雑で大がかりな設備を必要とし、安価なニッケルめっき鋼板を得ることが極めて困難な状況にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上の点に照らし合わせて、長尺帯状の金属板に不溶性陽極を用いて連続的に電気めっきを施す場合に、めっきを施す際に消費されるめっき金属イオンを、簡単な装置を用いて短時間で大量にめっき液中に補給することにより、高電流密度で高速にめっきすることを可能とする陽極室、およびそれを用いためっき方法およびめっき装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室は、
不溶性金属からなる陽極板と、
めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、
陽極板と隔膜との間に複数の邪魔板で仕切られた複数の隔室を有し、
複数の隔室は複数の邪魔板に設けられた開口部により、各隔室内をめっき液が通過自在であり、
隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする。
請求項2の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室は、
不溶性金属からなる陽極板と、
陽極板に平行に配置されめっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、
その両端が陽極板と隔膜とに密着しかつ互いに平行に設けられた二個の側壁と、
陽極板と隔膜および二個の側壁に密着して設けられた底板と、からなる略箱型の陽極室であって、
陽極室内に複数の邪魔板によって複数の隔室が設けられ、
邪魔板は陽極板と隔膜および側壁の一方のみの側壁に密着し他方の側壁からは一定距離を隔てて離れ隔室の開口部を構成するように設けられ、
かつ開口部は隣接する隔室においては側壁の互いに異なる側に設けられてなり、
各隔室内をめっき液が通過自在であり、
隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする。
本発明の請求項3の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法は、
請求項1または2において、
陽極室をめっき槽内部に設け、めっき槽の外部に設けた貯液槽からめっき槽内部および陽極室にめっき液をそれぞれ別途供給しながら通電して電解し、
陽極室においては、供給しためっき液を開口部から複数の隔室に順次流入させながら通電して電解し、電解によって隔室を順次通過する度にpHが低下した陽極室内のめっき液を、めっき槽の外部に設けた溶解槽に導き、pHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後貯液槽に導き、次いでめっき槽に再循環させることを特徴とする。
請求項4の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法は、請求項3において、
同一めっき槽内およびまたは連続的に配置した複数個のめっき槽内に、陽極室を複数個配置し、全ての陽極室または一部の陽極室を配管で順次に連結し、電解によってpHが低下しためっき液を先頭の陽極室から順次次の陽極室に導き電解することにより、さらにpHが低下しためっき液を最後の陽極室から溶解槽に導き、前記のさらにpHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後、貯液槽に導き、次いでめっき槽に再循環させることを特徴とする。
本発明の請求項5の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法は、
めっきする金属がニッケルであることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置は、
不溶性金属からなる陽極板と、
めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜とを有し、
陽極板と隔膜との間に複数の邪魔板で仕切られた複数の隔室を有し、
複数の隔室は複数の邪魔板に設けられた開口部により、各隔室内をめっき液が通過自在であり、隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにした陽極室と、
陽極室の一部を構成する陽極板と相対するように被めっき金属板が配置されてなるめっき槽と、
めっき槽の外部に設けられた貯液槽と、
めっき槽の外部に設けられた溶解槽と、
貯液槽とめっき槽の中間に設けられ、めっき液を送液する送液手段と前記の各槽及び送液手段を連結する配管とからなり、
貯液槽から送液手段によりめっき槽内部および陽極室にめっき液をそれぞれ別途供給しながら通電して電解し、供給されためっき液中のpHが電解によって低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導き、前記pHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後、貯液槽に導き、次いで送液手段によりめっき槽に再循環させることを特徴とする。
請求項7の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置は、請求項6において、陽極室が、不溶性金属からなる陽極板と、陽極板に平行に配置されめっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、その両端が陽極板と隔膜とに密着しかつ互いに平行に設けられた二個の側壁と、陽極板と隔膜および前記二個の側壁に密着して設けられた底板とからなる略箱型の陽極室であって、陽極室内に複数の邪魔板によって複数の隔室が設けられ、邪魔板は陽極板と隔膜および側壁の一方のみの側壁に密着し他方の側壁からは一定距離を隔てて離れ隔室の開口部を構成するように設けられ、かつ開口部は隣接する隔室においては側壁の互いに異なる側に設けられてなり、各隔室内をめっき液が通過自在であり、隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする。
請求項8の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置は、請求項6または7において、
同一めっき槽内およびまたは連続的に配置した複数個のめっき槽内に、陽極室が複数個配置され、全ての陽極室または一部の陽極室は配管で順次に連結されてなり、電解によってpHが低下しためっき液は先頭の陽極室から順次次の陽極室に導かれ電解され、各陽極室で段階的にpHが低下しためっき液は最後の陽極室から前記の溶解槽に導かれ、よりpHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉が投入されて溶解された後、前記貯液槽に導かれ、次いで前記めっき槽に再循環されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、長尺帯状の金属板に不溶性陽極を用いて連続的に電気めっきを施す場合に、めっきを施す際に消費されるめっき金属イオンを、簡単な装置を用いて短時間で大量にめっき液中に補給することにより、高電流密度で高速にめっきすることを可能とする陽極室、及びそれを用いためっき方法およびめっき装置に関するものである。本発明の陽極室、およびそれを用いためっき方法およびめっき装置は、好ましくは鋼帯に各種の金属、例えばニッケル、コバルト、錫、クロム、亜鉛、銅、およびニッケル−コバルト、ニッケル−錫、ニッケル−亜鉛などのニッケル合金を不溶性陽極を用いて電気めっきする場合に好適に適用することができる。上記のめっき金属のうち、ニッケルは、ニッケル板を陽極として電気めっきした場合、溶解性に乏しく、高電流密度でめっきすることが極めて困難であり、本発明の陽極室、およびそれを用いためっき方法および装置が効果的に適用されるので、以下めっき金属がニッケルである場合を例として、本発明を詳細に説明する。
【0012】
不溶性陽極を用いてニッケルをめっきする場合、陽極においては下記の式(1)に示す反応が生じる。
H2O → H+ + 1/4O2↑ + 1/2H2O + e ・・・(1)
すなわち、陽極においては酸素が発生すると同時に、水素イオン濃度が増加し、pHが低下する。めっき液(正確には被めっき金属である陰極近傍のめっき液)のpHが低下すると、めっき製品の外観が劣化し好ましくない。
【0013】
一方、図1に示すように、ニッケルは溶解させる溶液のpHが低くなるほど溶解性(溶解速度)が向上することが知られている。従ってめっき槽において陽極室を設け、陽極近傍と陰極近傍のめっき液を、めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜で遮断し、かつ陽極室内に小さい開口部にて互いに連結した隔室を複数個設け、この隔室に陽極室上部から供給されためっき液を順次送り込みながら電解することにより、陰極においてはめっき液のpHが低下せずに良好なめっき外観が得られる。そして同時に、陽極室の最上部に設けられた隔室の陽極近傍のpHが低下する。pHが低下しためっき液は次の隔室に送り込まれて電解されることにより、さらにpHが低下する。このようにして、陽極室内に設けられたこれらの複数の隔室を準次めっき液が通過しながら電解されると、最下部の隔室においては、陽極室全体で最も低いpHのめっき液が得られる。この最下部の隔室で得られるpHが低下しニッケルの溶解性が向上しためっき液を、めっきタンク外部に設けた溶解槽に導き、この中にニッケルを投入することにより、ニッケルが容易に溶解し、ニッケルイオンがめっき液に補給されるので、これをめっき槽に再循環することができる。
【0014】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。
まず本発明の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室について説明する。
図2は本発明の陽極室の一例を示す概略正面図である。図3は本発明の陽極室の他の一例を示す概略正面図である。図4は図2のA−A断面で示す陽極室が、被めっき金属板とともにめっき槽に配置された状態を示した図である。1は陽極室、1aはめっき液供給口、1bはめっき液排出口、2は陽極板、3は隔膜、4は邪魔板、5は隔室、5aは開口部、6は側壁、7は底板、8は帯状の金属板、9はめっき槽、30はシンクロール、矢印はめっき液が送り込まれる方向を示す。
【0015】
陽極室1は、イリジウム合金、鉛合金、白金合金、チタン合金などの合金、またはチタンやタンタルに白金をめっきしたり、酸化白金や酸化イリジウムを被覆してなる不溶性金属からなる陽極板2と、めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない膜、例えば陰イオンは自由に通過可能であるが、陽イオンは殆ど通過しない膜、好ましくはポリプロピレンやポリエチレンなどの高分子化合物の繊維を編んでなる布、または不織布、さらには陽極に生成する水素イオンを効率良く陽極室内に保持するために、イオン交換膜などからなる隔膜3とを有しており、この間に複数の隔室5が設けられている。陽極室1は一例として、図2、3および4に示すように、陽極板2と、陽極板2に平行に設けられた隔膜3と、その両端が陽極板2と隔膜3とに密着し、かつ互いに平行に設けられた二個の側壁6と、陽極板2と隔膜3および二個の側壁6に密着して設けられた底板7とからなり、略箱型の形状を有していてもよい。側壁6および底板7は耐熱性を有する絶縁材料、例えばFRPなどから構成されてなることが好ましい。そしてこの陽極室2の内部に、複数個の邪魔板4が陽極板2と隔膜3および側壁6の一方のみに密着し他の側壁6からは一定距離を隔てて離れ開口部5aを構成するように、かつ開口部5aが隣接する隔室においては側壁6の互いに異なる側に設けられている。めっき液は図2に示すように、陽極室1の上部に設けられためっき液供給口1aからまず最上部の隔室5に供給され、次いで各隔室において交互に設けられた開口部5aから順次次の隔室に送られ、最後に陽極室1の下部に設けられためっき液排出口1bからめっき液誘導溝に導かれ、陽極室1から排出される。めっき液が隔室5を順次移動しながら電解が進行するが、各隔室5においては電解によってめっき液のpHが低下する。めっき液は陽極室1の上部から隔室5に供給され、各隔室において交互に設けられた開口部5aから順次次の隔室に送られるので、各隔室5で電解されるめっき液は、隣接する隔室同士で混合することはない。
【0016】
めっき液としては硫酸塩浴、塩化物浴、ワット浴、スルファミン酸浴など、いずれのめっき浴組成のものも適用可能である。めっき液は陽極室1およびめっき槽(バルク)9にそれぞれ別途に供給される。陽極室1およびめっき槽9がめっき液で満たされ、帯状の金属板8を連続的に進行させながら帯状の金属板8と不溶性陽極2の間に電流を通して電解すると、バルクのめっき液中のニッケルイオンは陰極である帯状の金属板8の表面に析出し、めっき液中のニッケルイオンが消費される。陽極室1の各隔室5内部においては上記の式(1)に示した反応により酸素が発生するとともに水素イオン濃度が増加し、めっき液のpHが低下する。めっき液は各隔室で混合することなく、陽極室1の上部の隔室5から下部の隔室5に供給され、その間めっき液は連続的に電解されるので、下部の隔室5のめっき液ほどpHが低くなる。ちなみにめっき液としてワット浴を用いた場合、めっき槽(バルク)のめっき液のpHは電解の前後で 4〜4.5程度に保たれるが、陽極室のめっき液のpHは、陽極室に設ける隔室の数にもよるが、0.5〜2.5程度まで低下する。各隔室中で発生した酸素は気泡となって、各隔室の開口部5aを通り、最後にめっき液供給口1aから陽極室1外に排出する。図2に示すように、酸素を排出しやすくするために、邪魔板4によって設けられる開口部5aは、邪魔板4と一方の側壁6との密着個所よりも上部の位置に設けることが好ましい。
【0017】
陽極室1においては、図3に示すように、陽極室1の下部にめっき液供給口1aが設けられ、めっき液はまず最下部の隔室5に供給され、次いで各隔室において交互に設けられた開口部5aから順次次の隔室に送られ、最後に陽極室1の最上部に設けられためっき液排出口1bから排出される構造としてもよい。このように、めっき液を下から上に向かって送液することにより、隔膜3、特に下部の隔室5の隔膜3に過剰な水圧が作用しにくく、各隔室5にほぼ均一な水圧が作用するようになる。また、発生する酸素が浮上する方向とめっき液が送液される方向が同一となるので、酸素が隔室5から除去されやすくなり、好ましい。
【0018】
次に、本発明の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置およびめっき方法について説明する。図5は本発明のめっき装置の概略図を示す。9はめっき槽、8は帯状の被めっき金属板、1は陽極室、3は隔膜、2は不溶性陽極板、10は溶解槽、10aはホッパー、10bはめっき液加熱手段、11は貯液槽、12はめっき液濾過手段、13はめっき液循環手段、14はめっきイオン金属濃度およびまたは水素イオン濃度検出手段、20aは陽極室へめっき液を循環する配管系統、20bはめっき槽(バルク)へめっき液を循環する配管系統、30は帯状の被めっき金属板の進行方向を変えるシンクロールである。
【0019】
めっき槽9の内部には、前記の複数の隔室5を有する陽極室1が設けられている。帯状の被めっき金属板8は外部よりめっき槽1の内部に導かれ、陽極室1の一部を構成する不溶性陽極板2に平行に進行し、めっき槽9の下部に設けられたシンクロール30で進行方向が変えられて、めっき槽9の外部に出て行く。めっき液は貯液槽11からフィルターなどのめっき液濾過手段12を通し、スライムや未溶解のニッケル粉などを除去した後、ポンプなどのめっき液循環手段13により、配管系統20aおよび20bを経て陽極室1およびめっき槽(バルク)9に供給される。陽極室1およびめっき槽9がめっき液で満たされ、帯状の金属板8を連続的に進行させながら帯状の金属板8と不溶性陽極板2の間に電流を通して電解すると、前述したように、バルクのめっき液中のニッケルイオンは陰極である帯状の金属板8の表面に析出し、めっき液中のニッケルイオンが消費され、陽極室1の隔室5内部においては酸素が発生するとともに水素イオン濃度が増加し、めっき液のpHが低下する。めっき液は各隔室で混合することなく、陽極室1の上部の隔室5から下部の隔室5に供給され、その間めっき液は連続的に電解されるので、下部の隔室5のめっき液ほどpHが低くなる。バルクのめっき液と陽極室1のめっき液は隔膜3で隔てられており、殆ど混合されることなく、それぞれ配管系統20bおよび20aを経て溶解槽10および貯液槽11に供給される。
【0020】
溶解槽10に供給されたpHが低下しためっき液に、ホッパー10aから金属ニッケルを投入し溶解させる。金属ニッケルは粒状、板状、粉末状などいずれの形状でもよいが、粒径が小さいものほど溶解性に優れる。しかし、微粉化するためには粉砕機を長時間運転する必要があり、設備コストおよびランニングコストが上昇する。また微粉化したニッケル粉が作業環境に飛散するために排気装置が必要となる。好ましい粒径の範囲は 0.1μm〜1mmである。
【0021】
金属ニッケルの溶解性は、溶解槽10に電気ヒーターなどのめっき液加熱手段10bを設け、めっき液を加温することによってさらに向上する。好ましいめっき液の温度範囲は70〜100℃である。70℃未満では溶解性の向上効果は小さい。まためっき液の加熱の上限は、溶解槽を構成する材料の耐熱性や、めっき液の沸騰の危険性から100℃とする。さらに溶解槽10に攪拌装置を設け、100〜500rpmの攪拌速度で攪拌することにより、金属ニッケルの溶解性を一層向上させることができる。
【0022】
上記のようにして金属ニッケルを溶解させためっき液は、配管系統20bを経てめっき槽9から送液されたバルクのめっき液と合流し、貯液槽11に供給される。この貯液槽11の入側および出側に、めっき金属イオン濃度およびまたは水素イオン濃度検出手段14を設け、両側におけるめっき液のめっき金属イオン濃度およびまたは水素イオン濃度を検出して、適正な金属イオン濃度および適正なpHに調整される。次いでめっき液はめっき液濾過手段12を通過し、スライムや未溶解のニッケル粉などが除去された後、ポンプなどのめっき液循環手段13により、配管系統20aおよび20bを経て陽極室1およびめっき槽(バルク)9に再循環される。
【0023】
図5はめっき槽9の内部に陽極室1を1個のみ設けた場合を示したが、図6に示すように、めっき槽9の内部に陽極室1を複数個設け、さらに陽極室1を複数個設けためっき槽9を複数個直列に連続的に配置し、各陽極室1を配管系統20cで順次に連結して、電解によってpHが低下しためっき液を先頭の陽極室1(1s)から順次次の陽極室1に導き電解することにより、さらにpHが低下しためっき液を最後の陽極室1(1e)から配管系統20aを経て溶解槽10に供給し、よりpHが低下しためっき液中にニッケル粒またはニッケル粉を投入することにより、より短時間で大量にニッケルを溶解させることもできる。ちなみにめっき液としてワット浴を用い、めっき槽を3個直列に連続的に配置し、各めっき槽内に陽極室を4個設け、各陽極室を順次連絡した状態で電解した場合、バルクのめっき液のpHは電解の前後で 4〜4.5程度に保たれるが、最後尾の陽極室のめっき液のpHは 0〜0.5程度まで低下させることが可能で、金属ニッケルの溶解が極めて容易になる。図6においては、複数個設けためっき槽9の内部に複数個設けた陽極室1の全てを直列に連結した場合を示したが、ニッケルを効率的に溶解させることが可能な程度にめっき液のpHを低下させることができれば必ずしも全てのめっき槽に陽極室を設ける必要はなく、また全ての陽極室を直列に連結せずに、一部を並列に連結してもよい。
【0024】
以上、めっきされる金属がニッケルの場合を例として、本発明を説明したが、前述したように、本発明の方法および装置はめっき液中への溶解性に乏しいニッケルをめっきする場合のみに限定されるものではなく、コバルト、錫、クロム、亜鉛、銅、およびニッケル−コバルト、ニッケル−錫、ニッケル−亜鉛などのニッケル合金、さらに亜鉛−錫、亜鉛−クロム、亜鉛−コバルトなどの亜鉛合金などのめっきに適用して溶解性を向上させることにより、より高電流密度でめっきすることが可能となるので、これらの金属をめっきした金属板の生産性を大幅に向上させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、長尺帯状の金属板に不溶性陽極を用いて連続的に電気めっきを施す場合に、めっき槽内部に不溶性陽極をバルクのめっき液から隔膜で隔離した陽極室を設け、陽極室をさらに開口部で連結された複数の隔室に分割し、陽極室にバルクのめっき液とは別途にめっき液を供給し、さらに連結された複数の隔室に順次め4っき液を供給して電解することにより、各隔室を通過する度にめっき金属のイオンが消費されpHが低下し、最後の隔室で最もpHが低下しためっき液を溶解槽に導き、pH低下により溶解性が向上しためっき液にめっき金属を溶解させるものであり、めっき金属イオンを短時間で大量に補給できるので、より高電流密度でめっきすることが可能となり、これらの金属をめっきした金属板の生産性が大幅に改善される。
【図面の説明】
【図1】 溶液のpHとニッケルの溶解性の関係を示すダイヤグラムである。
【図2】 本発明の陽極室の一例を示す概略正面図である。
【図3】 本発明の陽極室の他の一例を示す概略正面図である。
【図4】 本発明の陽極室の配置個所を示す概略図である。
【図5】 本発明のめっき装置の1例を示す概略図である。
【図6】 本発明のめっき装置の他の1例を示す部分概略図である。
【符号の説明】
1 :陽極室
1a :めっき液供給口
1b :めっき液排出口
1c :めっき液誘導溝
1e :最後の陽極室
1s :先頭の陽極室
2 :不溶性陽極板
3 :隔膜
4 :邪魔板
5 :隔室
5a :開口部
6 :側壁
7 :底板
8 :帯状の金属板
9 :めっき槽
10 :溶解槽
10a:ホッパー
10b:めっき液加熱手段
11 :貯液槽
12 :めっき液濾過手段
13 :めっき液循環手段
14 :めっきイオン金属濃度およびまたは水素イオン濃度検出手段
20a:陽極室へめっき液を循環する配管系統
20b:めっき槽(バルク)へめっき液を循環する配管系統
20c:配管系統
30 :シンクロール
矢印 :めっき液が送り込まれる方向
Claims (8)
- 不溶性金属からなる陽極板と、
めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、
前記陽極板と前記隔膜との間に複数の邪魔板で仕切られた複数の隔室を有し、
前記複数の隔室は前記複数の邪魔板に設けられた開口部により、各隔室内をめっき液が通過自在であり、
隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする、不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室。 - 不溶性金属からなる陽極板と、
前記陽極板に平行に配置されめっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、
その両端が前記陽極板と前記隔膜とに密着しかつ互いに平行に設けられた二個の側壁と、
前記陽極板と前記隔膜および前記二個の側壁に密着して設けられた底板と、
からなる略箱型の陽極室であって、
前記陽極室内に複数の邪魔板によって複数の隔室が設けられ、
前記邪魔板は前記陽極板と前記隔膜および前記側壁の一方のみの側壁に密着し他方の側壁からは一定距離を隔てて離れ前記隔室の開口部を構成するように設けられ、
かつ前記開口部は隣接する隔室においては前記側壁の互いに異なる側に設けられてなり、
各隔室内をめっき液が通過自在であり、
隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする、不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室。 - 前記陽極室をめっき槽内部に設け、前記めっき槽の外部に設けた貯液槽から前記めっき槽内部および前記陽極室にめっき液をそれぞれ別途供給しながら通電して電解し、
前記陽極室においては、供給しためっき液を前記開口部から前記複数の隔室に順次流入させながら通電して電解し、電解によって前記隔室を順次通過する度にpHが低下した前記陽極室内のめっき液を、前記めっき槽の外部に設けた溶解槽に導き、前記pHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後前記貯液槽に導き、次いで前記めっき槽に再循環させることを特徴とする、請求項1または2に記載の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法。 - 同一めっき槽内およびまたは連続的に配置した複数個のめっき槽内に、前記陽極室を複数個配置し、全ての陽極室または一部の陽極室を配管で順次に連結し、電解によってpHが低下しためっき液を先頭の陽極室から順次次の陽極室に導き電解することにより、さらにpHが低下しためっき液を最後の陽極室から前記の溶解槽に導き、前記のさらにpHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後、前記貯液槽に導き、次いで前記めっき槽に再循環させることを特徴とする、請求項3に記載の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法。
- 前記めっきする金属がニッケルである請求項3または4に記載の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき方法。
- 不溶性金属からなる陽極板と、
めっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜とを有し、
前記陽極板と前記隔膜との間に複数の邪魔板で仕切られた複数の隔室を有し、
前記複数の隔室は前記複数の邪魔板に設けられた開口部により、各隔室内をめっき液が通過自在であり、隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにした陽極室と、
前記陽極室の一部を構成する前記陽極板と相対するように被めっき金属板が配置されてなるめっき槽と、
前記めっき槽の外部に設けられた貯液槽と、
前記めっき槽の外部に設けられた溶解槽と、
前記貯液槽と前記めっき槽の中間に設けられ、めっき液を送液する送液手段と前記の各槽及び送液手段を連結する配管とからなり、
前記貯液槽から前記送液手段により前記めっき槽内部および前記陽極室にめっき液をそれぞれ別途供給しながら通電して電解し、供給されためっき液中のpHが電解によって低下した前記陽極室内のめっき液を前記溶解槽に導き、前記pHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉を投入して溶解させた後、前記貯液槽に導き、次いで前記送液手段により前記めっき槽に再循環させることを特徴とする、不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置。 - 前記陽極室が、不溶性金属からなる陽極板と、前記陽極板に平行に配置されめっき液中に溶解しているイオンの全部または一部は自由に通過可能であるがめっき液は殆ど通過しない隔膜と、その両端が前記陽極板と前記隔膜とに密着しかつ互いに平行に設けられた二個の側壁と、前記陽極板と前記隔膜および前記二個の側壁に密着して設けられた底板とからなる略箱型の陽極室であって、前記陽極室内に複数の邪魔板によって複数の隔室が設けられ、前記邪魔板は前記陽極板と前記隔膜および前記側壁の一方のみの側壁に密着し他方の側壁からは一定距離を隔てて離れ前記隔室の開口部を構成するように設けられ、かつ前記開口部は隣接する隔室においては前記側壁の互いに異なる側に設けられてなり、各隔室内をめっき液が通過自在であり、隔室を順次通過するたびにpHが低下した陽極室内のめっき液を溶解槽に導くようにしたことを特徴とする、請求項6に記載の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置。
- 同一めっき槽内およびまたは連続的に配置した複数個のめっき槽内に、前記陽極室が複数個配置され、全ての陽極室または一部の陽極室は配管で順次に連結されてなり、電解によってpHが低下しためっき液は先頭の陽極室から順次次の陽極室に導かれ電解され、各陽極室で段階的にpHが低下しためっき液は最後の陽極室から前記の溶解槽に導かれ、よりpHが低下しためっき液中にめっきする金属粒または金属粉が投入されて溶解された後、前記貯液槽に導かれ、次いで前記めっき槽に再循環されることを特徴とする、請求項6または7に記載の不溶性陽極を用いるめっきに用いる陽極室を用いためっき装置。
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JP01313898A JP3743737B2 (ja) | 1998-01-08 | 1998-01-08 | めっきに用いる陽極室、それを用いためっき方法及びめっき装置 |
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JPH11200093A JPH11200093A (ja) | 1999-07-27 |
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1998
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