JP3743726B2 - 2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラントの監視や制御のために利用される2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2重系用の制御装置では、プラントの監視や制御を行うプログラム(これを制御プログラムと呼ぶ)を、保守ツールからダウンロードしたり、不揮発性メモリから主メモリに書き込んだりしている。従来の制御装置では、この制御プログラムを書き込んだり、起動したりするときに、運転員が装置に付けたスイッチを制御プログラム書き込み状態と制御プログラム起動状態に切り換えていた。
【0003】
また、待機系制御装置を2重系で起動するときには、相手系が動いている場合に無条件に2重系として動かしていた。さらに、制御プログラムがロードされていない系(待機系と呼ぶ)を起動して、すでに動いている系と2重系として運転する場合、動いている相手系(常用系と呼ぶ)の制御プログラムをコピーして動かすことを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この待機系制御装置は、スイッチを運転員が操作する必要があったので、制御プログラムが書き込まれ、プラントの監視や制御を行おうとするときに、スイッチを切り換えるのを忘れたために、制御プログラムが起動しない状態のままだったという場合があった。
【0005】
また、待機系制御装置を2重系で起動するとき、相手系と制御プログラムが異なっている場合や、制御装置の基板構成が違っている場合でも、2重系として動いてしまい、系が切り替わった後、プラントの制御が急に変わってしまうという問題があった。
【0006】
さらに、相手系の制御プログラムをコピーする際に、相手系が故障してしまい、コピーできず、結局2重系なのに両系とも動かないという状況が起こることがあった。
【0007】
本発明の目的は、2重系用の制御装置の制御プログラムの有/無判定と制御プログラムの起動/非起動の切り換えを、運転員のスイッチ操作無しで自動的にでき、また2重系として起動する場合に、相手系と同じ状態のときに限って2重系として起動でき、相手系が故障でも片系だけで運転できる2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本の発明の請求項1に係る2重系用の制御装置においては、常用系制御装置及び待機系制御装置とから成る2重系用の制御装置であって、前記待機系制御装置の第1のメモリに記憶された第1の制御プログラムと前記常用系制御装置の第2のメモリに記憶された第2の制御プログラムとの制御プログラムの同一性の照合手段、前記待機系制御装置の入出力信号基板構成と前記常用系制御装置の入出力基板構成との入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び前記待機系制御装置の運転状態と前記常用系の運転状態との同一性を照合する運転状態の照合手段とを備える制御プログラムの起動手段と、前記待機系制御装置の第1の制御プログラムが記憶された第1のメモリに設けられた第1の制御プログラム有無の判定用領域に記憶された値が、予め定められた規定データと一致しているか否かを判定して、前記第1の制御プログラムの有無を判定する制御プログラムの有無判定手段と、前記制御プログラムの有無判定手段によって、前記判定用領域に記憶された値が前記規定データと一致したと判定された場合は、前記第1の制御プログラムを継続記憶し、前記規定データと一致しないと判定された場合は、前記常用系用制御装置の第2のメモリに記憶される第2の制御プログラムを前記第1のメモリに記憶させる第1の書き込み手段と、前記第2の制御プログラムが正常に記憶されなかった場合に、前記待機系制御装置の不揮発性メモリに記憶させた第3の制御プログラムを第1のメモリ記憶させる第2の書き込み手段とからなる制御プログラムの書き込み手段とからなり、前記制御プログラムの起動手段は、前記待機系制御装置に前記第2の制御プログラムが書き込まれた場合には、前記制御プログラムの同一性の照合手段、前記入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び運転状態の照合手段の照合結果が一致している場合には前記第1のメモリに記憶された前記第2の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動し、前記待機系制御装置に前記第3の制御プログラムが書き込まれた場合には、前記制御プログラムの同一性の照合手段、前記入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び運転状態の照合手段の照合結果が一致している場合には、前記第1のメモリに記憶された前記第3の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項1のように構成された装置においては、待機系制御装置の第1のメモリの第1の制御プログラムの有無を自動的に判定し、自待機系制御装置の第1のメモリに第1の制御プログラムがある場合には、その第1の制御プログラムを記憶しておき、第1のメモリに第1の制御プログラムが無いと判断し、常用系制御装置の第2の制御プログラムまたは自 待機系の不揮発性メモリに記憶された第3の制御プログラムを自待機系の第1のメモリに記憶しおき、
第2の制御プログラムまたは第3の制御プログラムで自待機系を待機系制御装置として起動するようにしたので、運転員の介入なしに制御プログラムの自動起動が可能な2重系用の制御装置を提供できる。
【0010】
また、本の発明の請求項2に係る2重系用の制御装置においては、前記待機系制御装置の前記制御プログラム起動手段は、前記常用系制御装置が起動されていない場合には、自待機系制御装置を前記第1の制御プログラムまたは前記第3の制御プログラムを使用して1重系として起動することを特徴とする。
【0011】
請求項2のように構成された装置においては、常用系制御装置の起動状態を判定し、起動されていない場合には、待機系制御装置の第1のメモリに記憶された第1の制御プログラムまたは第3の制御プログラムによって起動するようにしたので、1重系としても自動起動できる2重系用の制御装置を提供できる。
【0012】
また、本発明の請求項3に係る2重系用の制御装置の制御プログラムの自動起動方法は、常用系制御装置及び待機系制御装置とから成る2重系用の制御装置の待機系制御装置の制御プログラムの自動起動方法であって、前記待機系制御装置の第1の制御プログラムが記憶された第1のメモリに第1の制御プログラム有無の判定用に記憶された値が、予め定められた規定データと一致しているか否かを判定して、前記待機系制御装置の制御プログラムの有無を判定するステップと、前記制御プログラムの有無を判定するステップにおいて、前記判定用領域に記憶された値が前記規定データと一致したと判定された場合は、前記第1の制御プログラムを自系の制御プログラムとして継続記憶し、前記規定データと一致しないと判定された場合は、前記常用系制御装置の第2のメモリに記憶された稼動中の第2の制御プログラムを前記第1のメモリに記憶させ、前記第2の制御プログラムが正常に記憶されなかった場合には、前記待機系制御装置の不揮発性メモリに記憶された第3の制御プログラムを前記第1のメモリに書き込むステップと、前記第2の制御プログラムが前記第1の制御メモリに書き込まれた場合には、前記常用系制御装置の第2の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して、前記待機系制御装置の前記第1の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を照合し、一致している場合には前記第1のメモリに記憶された前記第2の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するステップと、前記第3の制御プログラムが前記第1のメモリに書き込まれた場合には、前記常用系制御装置の第2の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して、前記待機系制御装置の前記第3の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して照合し、一致している場合には前記第3の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するステップとからなることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4に係る2重系用の制御装置の制御プログラムの自動起動方法は、前記常用系制御装置が起動されていない場合には、自前記待機系制御装置を前記第1の制御プログラムまたは前記第3の制御プログラムを使用して1重系として起動するステップとからなることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の2重系用のデジタル制御装置の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、実施の形態を示す全体構成図である。
【0017】
この実施の形態のデジタル制御装置は、2重系として構成されていて、説明上、一方をA系、他方をB系と呼ぶことにする。A系は、デジタル制御装置の基本ソフトや制御プログラムを実行するCPU(1a)と、前記基本ソフトが格納されているOS用ROM(2a)と、前記基本ソフトがワークとして使うOS用RAM(3a)と、制御プログラムを格納するための制御プログラム用RAM(4a)と、前記制御プログラム用RAMをバックアップするためのバックアップ用バッテリー(5a)と、一括消去可能なフラッシュROM(6a)と、B系とやりとりするための2重系用バッアァ(7a)とから構成されている。B系もA系と同様に、CPU(1b)と、OS用ROM(2b)と、OS用RAM(3b)と、制御プログラム用RAM(4b)と、バックアップ用バッテリー(5b)と、フラッシュROM(6b)と、A系とやりとりするための2重系用バッアァ(7b)とから構成されている。
【0018】
図2は、OS用ROMに格納された基本ソフトのブロック図である。
制御プログラムの有無を判定する手段(100) は、制御プログラムの一部にプログラムの有無を判定するための領域を設け、その領域の値により制御プログラムの有無を判定する手段(101) を備えている。
【0019】
制御プログラムを起動する手段(110) は、両系の制御プログラムが同じであることを照合する手段(111) と、両系の装置の基板構成が同じであることを照合する手段(112) と、両系の運転状態が同じであることを照合する手段(113) とを備えている。
【0020】
制御プログラムを書き込む手段(120) は、相手系の制御プログラムを自動的に書き込む手段(121) と、この相手系の制御プログラムを書き込めなかったときに、自系の不揮発性メモリに書かれた制御プログラムを自動的に書き込む手段(122) とを備えている。
【0021】
図3は、実施の形態のデジタル制御装置のメモリマップである。図1で説明したOS用ROM(2a, 2b)と、OS用RAM(3a, 3b)と、制御プログラム用RAM(4a, 4b)と、フラッシュROM(6a, 6b)とが、それぞれ図3の(201), (202), (203), (204)に対応している。
【0022】
制御プログラム用RAM(203) は、制御プログラム有無の判定用領域(210) と、制御プログラムのレビジョン情報(211) と、デジタル制御装置の基板構成(基板構成が同じであることを照合するための情報、入出力基板の枚数または点数)の情報(212) と、制御プログラム本体(213) から成る。制御プログラム用RAM(203) は、図1に示したようにバッテリーでバックアップされている。そこで、制御プログラム有無の判定用領域(210) の値が「12345678H, 9ABCDEFOH, 02468ACEH, 13579BDFH」であるときに、制御プログラムが書き込まれている状態と規定しておく。また、制御プログラムが書き込まれていない、あるいは、一度書き込まれたが消えているときには、制御プログラム有無の判定用領域(210) の値は不定である。
【0023】
OS用RAM(202) には、運転状態の情報(220) を格納した領域が有る。なお、この運転状態には、デジタル制御装置がオンライン状態(制御プログラムの起動処理が可能な状態)であるとか、シミュレーション状態(制御プログラムの起動が不可能な状態)であるとかの運転状態がある。
【0024】
図4、5、6は、基本ソフトの処理を示すフローチャートであり、図4は、制御プログラムの有無を判定する手段を、図5は、制御プログラムを起動する手段を、図6は、制御プログラムを書き込む手段を表している。
【0025】
図4に示すように、制御プログラムの有無を判定するために、先ず割り込み禁止(1000)にする。これは、次にメモリパリティエラーの検出を禁止する(1001)ため、割り込みプログラムがメモリパリティエラー検出禁止の状態で動くのを防ぐためである。なお、メモリパリティエラー検出禁止にするのは、次に制御プログラム有無の判定用領域の値を読んだ(1002)ときに、もし制御プログラムが書き込まれていないとメモリパリティエラーが発生するので、このエラーによる例外(これは割り込み禁止にできない)が入るのを防ぐためである。制御プログラム有無の判定用領域の値を読んだ(1002)後、メモリパリティエラーが起きていようとも起きていないとしても、メモリパリティエラーステータスをクリア(1003)して、メモリパリティエラーの検出を許可にして(1004)、割り込み禁止を解除(1005)して、通常の状態に戻す。次に(1002)で読んだ制御プログラム有無の判定用領域の値が、規定データ「12345678H, 9ABCDEFOH, 02468ACEH, 13579BDFH」と一致しているか(1006)を判断し、一致していれば制御プログラムが書き込まれているので、制御プログラムを起動する手段を動かす(1007)。一致していなければ、制御プログラム用RAMのデータがバックアップされていないということなので、バックアップ用バッテリーが正常であることを確認する(1008)。前記バッテリーが正常ならば、制御プログラムが書き込まれていないということなので、制御プログラムを書き込む手段を動かす(1009)。前記バッテリーが異常ならば、バッテリー故障のログを残し(1010)、運転員に知らせる情報とする。さらに、前記制御プログラムを書き込む手段(1009)を動かした後、正しく制御プログラムが書き込まれたとき(1011)には、制御プログラムを起動する手段(1007)を動かす(1007)。
【0026】
制御プログラムを起動する手段(1007)は、図5に示すように、常用系として動こうとしている、あるいは常用系で動いているときと、待機系として動こうとしているときに分かれる(2001)。常用系の場合には、さらに待機系からの2重系になろうとする要求が無い場合と有る場合に分かれる(2002)。待機系からの2重系になろうとする要求が無い場合には、常用系として動こうとしているか、すでに常用系で動いているかで分かれ(2003)、常用系として動こうとしている場合には、制御プログラムを1重常用系で起動して(2004)、最初に戻る。すでに常用系で動いている場合には、そのまま最初に戻る。
【0027】
(2002)で、待機系からの2重系になろうとする要求が有った場合には、待機系に常用系の制御プログラムのレビジョン情報と基板構成の情報と運転状態の情報とを送り(2005)、次に待機系から待機系の制御プログラムのレビジョン情報と基板構成の情報と運転状態の情報とを受け取り(2006)、これら制御プログラムのレビジョン情報と基板構成の情報数と運転状態が一致しているかを照合する(2007)(2008)(2009)。すべて一致していた場合には、制御プログラムを2重系の常用系として起動する(2010)。一つでも一致していない場合には、照合エラーのログを残し(2011), (2003)に戻る。
【0028】
(2001)で、待機系として動こうとしているときには、先ず常用系に2重系になろうとする要求を送る(2012)。そして、常用系から常用系の制御プログラムのレビジョン情報と基板構成の情報と運転状態の情報とを受け取り(2013)、次に常用系に待機系の制御プログラムのレビジョン情報と基板構成の情報と運転状態の情報とを送り(2014)、これら制御プログラムのレビジョンと基板構成と運転状態が一致しているかを照合する(2015)(2016)(2017)。すべて一致していた場合には、制御プログラムを2重系の待機系として起動する(2018)。一つでも一致していない場合には、照合エラーのログを残し(2019)、終わる。
【0029】
制御プログラムを書き込む手段(1009)は、図6に示すように、相手系が常用系かどうかで分かれる(3001)。相手系が常用系の場合には、相手系から制御プログラムを受け取り、制御プログラム用RAM(203) に書き込む(3002)。これが、正常に受け取れたか、失敗したかでその後の処理が分かれる(3003)。正常に受け取れたときには、終了する。失敗したときには、自系のフラッシュROM(204) に書かれた制御プログラムを制御プログラム用RAM(203) に書き込む(3004)。
【0030】
この実施の形態によれば、2重系用の制御装置の制御プログラムの一部にプログラムの有無を判定するための領域を設け、その領域の値により制御プログラムの有無を判定し、無い場合には、常用系制御装置の稼動中の第2の制御プログラムまたは自不揮発性メモリに記憶された第3の制御プログラムを記憶させ、常用系制御装置の制御プログラム、入出力基板構成、及び運転状態を照合して、両系が一致した場合に待機系制御装置として起動するようにしたので、動作が保証された制御プログラムを使用して、待機系制御装置の制御プログラムの起動が運転員のスイッチ操作無しで、起動/非起動の切り換えができる。
また、常用系の制御実行中のRAMに記憶された第2の制御プログラムの書き込みに失敗した場合には、自系の第3の制御プログラムを待機系制御装置のRAMに記憶させて待機系制御装置として起動するようにしたので、常時、待機状態に起動された制御装置を備える2重系用の制御装置を提供することができる。
【0031】
また、待機系の制御装置を待機状態に起動する場合に、常用系と待機系の両系の制御プログラムが同じであることと、両系の装置の基板構成が同じであることと、両系の運転状態が同じであることを照合するので、両系の制御プログラムが違うときや、両系の基板構成が違うときや、両系の運転状態が違うときに、2重系で運転してしまうことを防止できる。
【0032】
また、制御装置を2重系にした場合に、まず相手系の制御プログラムを自動的に書き込むが、この相手系が故障のため制御プログラムを書き込めなかったときに、自系の不揮発性メモリに書かれた制御プログラムを自動的に書き込んで、1重系として制御プログラムが起動するので、両系とも制御ができなくなることを防止できる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、2重系用の制御装置の制御プログラムの一部にプログラムの有無を判定するための領域を設け、その領域の値により制御プログラムの有無を判定し、無い場合には、常用系制御装置の稼動中の第2の制御プログラムまたは自不揮発性メモリに記憶された第3の制御プログラムを記憶させ、常用系制御装置の制御プログラム、入出力基板構成、及び運転状態と照合して、両系が一致した場合に待機系制御装置として起動するようにしたので、待機系制御装置の制御プログラムの起動が運転員のスイッチ操作無しで、動作が保証された制御プログラムで起動/非起動の切り換えができる。
また、制御実行中の常用系の第2のメモリに記憶された第2の制御プログラムの書き込みに失敗した場合は、自系の第3の制御プログラムを待機系制御装置の第1のメモリに記憶させて待機系制御装置として起動するようにしたので、常時、待機状態に起動された制御装置を備える2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法を提供できる。
【0034】
本発明によれば、制御装置を2重系用の制御装置として起動する場合に、常用系及び待機系、両系の制御プログラムが同じであることと、両系の装置の基板構成が同じであることと、両系の運転状態が同じであることを照合するので、両系の制御プログラムが違うときや、両系の基板構成が違うときや、両系の運転状態が違うときに、2重系で運転してしまうことを防止できる2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法を提供できる。
【0035】
本発明によれば、制御装置を2重系にした場合に、まず相手系の制御プログラムを自動的に書き込むが、この相手系が故障のため制御プログラムを書き込めなかったときに、自系の不揮発性メモリに書かれた制御プログラムを自動的に書き込んで、1重系として制御プログラムが起動するので、両系とも制御ができなくなることを防止できる2重系用の制御装置、及びその制御プログラムの自動起動方法を提供できる。
【0036】
本発発明によれば、自系が常用系である場合には、制御装置を1重の常用系としても起動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるデジタル制御装置の実施の形態の全体構成図である。
【図2】 実施の形態のOS用ROMに格納された基本ソフトのブロック図である。
【図3】 実施の形態のデジタル制御装置のメモリマップである。
【図4】 実施の形態の基本ソフトの制御プログラムの有無を判定する手段を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態の基本ソフトの制御プログラムを起動する手段を示すフローチャートである。
【図6】 実施の形態の基本ソフトの制御プログラムを書き込む手段を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1a, 1b…CPU、
2a, 2b…OS用ROM、
3a, 3b…OS用RAM、
4a, 4b…制御プログラム用RAM、
5a, 5b…バックアップ用バッテリー、
6a, 6b…フラッシュROM、
7a, 7b…2重系用バッアァ、
100 …制御プログラムの有無を判定する手段、
110 …制御プログラムを起動する手段、
120 …制御プログラムを書き込む手段。
Claims (4)
- 常用系制御装置及び待機系制御装置とから成る2重系用の制御装置であって、
前記待機系制御装置の第1のメモリに記憶された第1の制御プログラムと前記常用系制御装置の第2のメモリに記憶された第2の制御プログラムとの制御プログラムの同一性の照合手段、前記待機系制御装置の入出力信号基板構成と前記常用系制御装置の入出力基板構成との入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び前記待機系制御装置の運転状態と前記常用系の運転状態との同一性を照合する運転状態の照合手段とを備える制御プログラムの起動手段と、
前記待機系制御装置の第1の制御プログラムが記憶された第1のメモリに設けられた第1の制御プログラム有無の判定用領域に記憶された値が、予め定められた規程データと一致しているか否かを判定して、前記第1の制御プログラムの有無を判定する制御プログラムの有無判定手段と、
前記制御プログラムの有無判定手段によって、前記判定用領域に記憶された値が前記規定データと一致したと判定された場合は、前記第1の制御プログラムを継続記憶し、前記規定データと一致しないと判定された場合は、前記常用系用制御装置の第2のメモリに記憶される第2の制御プログラムを前記第1のメモリに記憶させる第1の書き込み手段と、前記第2の制御プログラムが正常に記憶されなかった場合に、前記待機系制御装置の不揮発性メモリに記憶させた第3の制御プログラムを第1のメモリ記憶させる第2の書き込み手段とからなる制御プログラムの書き込み手段とからなり、
前記制御プログラムの起動手段は、前記待機系制御装置に前記第2の制御プログラムが書き込まれた場合には、前記制御プログラムの同一性の照合手段、前記入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び運転状態の照合手段の照合結果が一致している場合には前記第1のメモリに記憶された前記第2の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動し、
前記待機系制御装置に前記第3の制御プログラムが書き込まれた場合には、前記制御プログラムの同一性の照合手段、前記入出力基板構成の同一性を照合する手段、及び運転状態の照合手段の照合結果が一致している場合には、前記第1のメモリに記憶された前記第3の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するようにしたことを特徴とする2重系用の制御装置。 - 前記待機系制御装置の前記制御プログラムの起動手段は、前記常用系制御装置が起動されていない場合には、前記待機系制御装置を前記第1の制御プログラムまたは前記第3の制御プログラムを使用して1重系として起動することを特徴とする請求項1に記載の2重系用の制御装置。
- 常用系制御装置及び待機系制御装置とから成る2重系用の制御装置の待機系制御装置の制御プログラムの自動起動方法であって、
前記待機系制御装置の第1の制御プログラムが記憶された第1のメモリに第1の制御プログラム有無の判定用に記憶された値が、予め定められた規定データと一致しているか否かを判定して、前記待機系制御装置の制御プログラムの有無を判定するステップと、
前記制御プログラムの有無を判定するステップにおいて、前記判定用領域に記憶された値が前記規定データと一致したと判定された場合は、前記第1の制御プログラムを自系の制御プログラムとして継続記憶し、前記規定データと一致しないと判定された場合は、前記常用系制御装置の第2のメモリに記憶された稼動中の第2の制御プログラムを前記第1のメモリに記憶させ、前記第2の制御プログラムが正常に記憶されなかった場合には、前記待機系制御装置の不揮発性メモリに記憶された第3の制御プログラムを前記第1のメモリに書き込むステップと、
前記第2の制御プログラムが前記第1の制御メモリに書き込まれた場合には、前記常用系制御装置の第2の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して、前記待機系制御装置の前記第1の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を照合し、一致している場合には前記第1のメモリに記憶された前記第2の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するステップと、
前記第3の制御プログラムが前記第1のメモリに書き込まれた場合には、前記常用系制御装置の第2の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して、前記待機系制御装置の前記第3の制御プログラムのレビジョン番号、入出力基板構成、及び運転状態を受信して照合し、一致している場合には前記第3の制御プログラムを前記待機系制御装置の制御プログラムとして起動するステップと
からなることを特徴とする2重系用の制御装置の制御プログラムの自動起動方法。 - 前記常用系制御装置が起動されていない場合には、前記待機系制御装置を前記第1の制御プログラムまたは前記第3の制御プログラムを使用して1重系として起動するステップとからなることを特徴とする請求項3に記載の2重系用制御装置の制御プログラム自動起動方法。
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- 1996-06-13 JP JP15203096A patent/JP3743726B2/ja not_active Expired - Lifetime
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