JP3743694B2 - 導電性材料及び導電性材料用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水二次電池などで使用される導電性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ金属等を電極として用いる電池は高電圧を得ることができるため、様々な分野に用いられている。
これらには、通常低分子の金属塩を溶解した非水溶媒が液体電解質として用いられている。しかし、液体電解質は漏液のおそれがあり、この漏液を予防するため、電池主部を堅固な缶体内に収納することが必要となり、その結果、電池形状の設計に制限があった。そこでこのような欠点を克服し、自由な形状の電池を得るための固体の電解質が求められてきた。
【0003】
このような固体電解質、特に柔軟な固体電解質が得られるため高分子固体電解質が研究されている。なお、固体電解質に柔軟性が求められるのは次の理由による。すなわち、固体電解質に柔軟さがないと、帯状の電極及び電解質からなる電池を渦巻き状に巻いて作製する円筒電池に応用することができず、大容量化が困難となる。
【0004】
このような高分子固体電解質はポリエチレンオキサイド等の高分子物質に低分子の金属塩を溶解した一種の固溶体であるが、ポリエチレンオキサイド系高分子固体電解質は、必然的にアニオンとカチオンとが移動する両イオン伝導体となり、電圧印加時の分極が大きくなる。また、アニオンが移動することによる弊害、例えば負極の電極として炭素材を用いていた場合、アニオンがリチウムと共にインターカレートし、炭素の結晶構造を破壊したり、あるいは、正負両極で電気化学的に反応して電池特性に悪影響を与える等の問題があった。
【0005】
高分子固体電解質の一例として平成6年第35回電池検討会予稿集(213〜214ページ)に報告された技術を挙げる。これはリチウム金属塩であるLiN(SO2CF3)2を、2−(2−メトキシエトキシ)エチレングリシジルエーテルの重合物と、2−(2−メトキシエトキシ)エチレングリシジルエーテル及びエチレンオキシドとの共重合物との架橋体に溶解させたものが高分子固体電解質として示されている。
【0006】
報告によれば、この高分子固体電解質の30℃でのイオン伝導度は4×10-5S/cmとなるが、カチオン(ここではリチウムイオン)の移動によるイオン伝導性を示す輸率は0.1前後であり、イオン伝導度のほとんどはアニオンの移動によるものであることが判る。このようにこの報告に記載されている高分子固体電解質はカチオンの移動によるイオン伝導性を示すものではなかった。
ここで、本発明者等は過去、アルカリシロキシアルミナートが導電性材料として用いることができることを示してきた(平成6年日本化学会総会、第21回イオニクス討論会等)。しかしながら、これら技術を電池用固体電解質材料として見た場合、アニオンの移動の防止が不充分で、かつ、イオン伝導度も低く、また、材質的にも柔軟性に乏しく満足できるものではなかった。
また、カチオンの輸率を向上させるものとして、特開平8−259698号公報、あるいは特開平8−301879号公報によりアルミニウム原子を主鎖内に有する高分子電解質が提案されている。しかしながら、これらの技術ではChimistry of MATERIALS,1994,No.12,Vol.6,p2208で開示された技術と同様、輸率を高くすることに非常な困難があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決する、カチオン輸率が高くて分極の小さく、かつ、柔軟性に富んだイオン伝導度の高い導電性材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の導電性材料は、請求項1に記載のように高分子化合物とアルカリシロキシアルミナートとからなる導電性材料であって、上記高分子化合物とアルカリシロキシアルミナートとが共有結合またはイオン結合している構成を有する。
本発明の導電材料は上記特有の構成により、内部のアルカリシロキシアルミナートが移動の自由度を低下させることが可能となり、その結果カチオン輸率が高くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】
上記アルカリシロキシアルミナートにおけるアルカリとはアルカリ金属を指す。このようなものとしては例えばリチウムシロキシアルミナートやナトリウムシロキシアルミナートが挙げられる。ここで、アルカリシロキシアルミナートは化1に示すような構造を有するものである。なお、化1中Mはアルカリ金属原子を示す。
なお、上記アルカリ金属が例えばリチウムであるときにはリチウムイオン電池の電解質として、また、例えばナトリウムであるときにはナトリウムイオン電池の電解質として用いることができる。
なお、上記アルカリシロキシアルミナートとしてはその末端基が、フェニル基等の芳香族系炭化水素、あるいはアルキル基で保護されているものであることが化学的に安定であるため望ましい。ここでエチル、プロピル、ブチル、あるいはフェニル基であると合成・入手が容易である。なお、上記末端基がメチル基である場合、原料の保存性や安定性に若干難がある。
【0010】
【化1】
【0011】
このようなアルカリシロキシアルミナートは例えばジアルキルシランジオールと水素化リチウムアルミニウムとを反応させて得ることができる。またアルキル基の代わりに適宜異なった官能基を選択することも可能である。
上記アルカリシロキシアルミナートは高分子化合物と共に用いられることによりその移動の自由度が減少し、その結果この系のカチオン輸率が向上する。ここで、高分子化合物として架橋性高分子化合物であることが望ましい。すなわち架橋性高分子の三次元網目構造によってアルカリシロキシアルミナートの移動度が大きく減少するためカチオン輸率の向上が著しい。特にアルカリシロキシアルミナートの分子量が大きい場合(例えば1000程度より大の場合)に良好な効果が得られる。
【0012】
ここで、アルカリシロキシアルミナートと上記高分子化合物とが化学結合されていると、アニオンの移動が極めて少なくなるので好ましい。このようなアルカリシロキシアルミナートと高分子化合物との化学結合としては通常の共有結合でもよい。しかし、四級化されたアミノ基を有する有機高分子化合物を用いることで、このアミノ基の窒素とアルカリシロキシアルミナートのアルミニウムとがイオン結合できる。アミノ基を四級化する方法としては、三級化されたアミノ基にハロゲン化メチルを反応させる方法が挙げられる。なお、ハロゲン化メチル等による三級アミノ基の四級化は、三級アミノ基すべてに対して行う必要がなく、四級化されずに残留する三級アミノ基があってもよい。ここで四級アミノ基を多くすると、アルカリシロキシアルミナートとの結合可能箇所が増加するため、架橋箇所が増える。したがって四級アミノ基の数を調整することにより電極材料の柔軟性の調整を行うことができる。なお、ハロゲン化メチルとしては、充分な反応性を有し、かつ、常温で液体であるヨウ化メチルが取り扱いしやすく、好適である。
【0013】
このような四級化されたアミノ基p1を有する有機高分子化合物としては、メタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物共重合物(メタクリル酸メチルユニット(以下「MMA」とも云う)とメタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物ユニット(以下「TMAEMA」とも云う)とからなる共重合物。以下「MMA−TMAEMA」とも云う)が挙げられる。また、メタクリル酸メチルのかわりにメタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、スチレン等のビニルモノマーを有する共重合物が使用可能である。また、上記ビニルモノマーとメタクリル酸2−(トリメチルアミノ)ビニルピリジンとの共重合物を四級化して用いることも可能であり、容易である。
【0014】
MMA−TMAEMAはメタクリル酸メチル及びメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルと触媒存在下で共重合させ、次いでヨウ化メチルを反応させて得ることができる。
このMMA−TMAEMAにアルカリシロキシアルミナートを上記イオン結合により化学結合させた有機高分子化合物(このものの概念を化2として示す。なお、化2中「Me」はメチル基を、「Ph」はフェニル基を表す。以下同じ)は輸率、イオン伝導度及び柔軟性すべてを満足する優れた電極材料を形成することができる。
【0015】
【化2】
【0016】
また、四級化されたアミノ基を有する有機高分子化合物の他の例として、N,N−ジアルキルアルケニルアミドとメタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物との共重合物が挙げられる。このようなものとして、N,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合物があり、このものはN,N−ジメチルアクリルアミドとメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルとを共重合させ、さらにヨウ化メチルと反応させて得ることができる(化3参照)。その他、N,N−ジメチルアクリルアミドの窒素部分を四級化させて使用可能である。
【0017】
【化3】
【0018】
さらに他の例としては、イソプロピルアルケニルアミド系重合物とメタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物との共重合物が挙げられる。このようなものの具体例として、N−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合物があり、このものはN−イソプロピルアクリルアミドとメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルとを共重合させ、さらにヨウ化メチルと反応させて得ることができる。その他N−イソプロピルアクリルアミドの窒素部分を四級化させて使用可能である。
このN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合物を用いた場合、アルカリシロキシアルミナートの固定化反応を、MMA−TMAEMAを用いた場合に比べ、低温でかつ短時間に行うことができる。しかも高い輸率を保ちながら、より高いイオン伝導度が得られる。このことは、N−イソプロピルアクリルアミドのアミド基が極性有機溶媒と高い親和性を有し、そのため、電解質をゲル体内に取り込みやすくすることによるものと考察される。
【0019】
なお、上記のような四級アミノ基を有する高分子化合物に対するアルカリシロキシアルミナートの配合量が0.05以上20以下であることが望ましい。上記アルカリシロキシアルミナートの配合量が0.05未満であるとイオン伝導度が低くなり、一方20超では柔軟性が低下し、必要な柔軟性が得られにくくなる。
【0020】
また、メタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物共重合物のような四級アミノ基を有しないモノマーユニットと四級アミノ基を有するビニルモノマーユニットとからなる高分子化合物において、メタクリル酸メチルユニットなどの四級アミノ基を有しないビニルモノマーユニットのメタクリル酸2-(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物ユニットなどの四級アミノ基を有するビニルモノマーユニットに対するモル比(以下「共重合比」と云う)は5以上50以下であること望ましい。このモル比が5未満であると、アルカリシロキシアルミナートによる四級アミノ基を有する高分子化合物の架橋が多すぎて固くなり、一方、50超であると架橋が少なくなって溶媒を用いた場合にゲルを形成しなくなる。
【0021】
【実施例】
以下に本発明の実施例について記載する。なお実施例1及び実施例2はアルカリシロキシアルミナートと化学結合する物質としてメタクリル酸系重合物を用いる例であり、また、実施例3はN,N−ジアルキルアルケニルアミド系重合物、実施例4はN−イソプロピルアルケニルアミド系重合物をそれぞれ用いる例である。
【0022】
(アルカリシロキシアルミナートと化学結合する物質としてメタクリル酸系重合物を用いる例)
[MMA−TMAEMAによる検討:実施例1]
〔リチウムシロキシアルミナートの合成:化4参照〕
アルカリシロキシアルミナートとしてフェニル置換基を有するリチウムシロキシアルミナートを選択し、以下に示すように合成した。
【0023】
【化4】
【0024】
すなわち、アルゴン雰囲気下で300mlの三口フラスコに乾燥させたジフェニルシランジオール8.66g(40.03mmol)及びテトラヒドロフラン75mlを入れ、−78℃に冷却し、撹拌しながら水素化リチウムアルミニウムが20.01mmolとなるよう1mol/ l−水素化リチウムアルミニウム・テトラヒドロフラン溶液をゆっくり滴下した後、徐々に室温に戻し、2時間撹拌して反応させた。なお、反応後の溶液には沈殿物、析出物はなかった。
【0025】
上記反応後減圧乾燥を行った。得られた反応物は12.655gで、収率は137%となるが、これは溶媒のテトラヒドロフランの除去が完全にできないためである。
このものの赤外吸収スペクトルを図1に、1H−NMRスペクトルを図2に示す。なお、図2はジメチルホルムアミドの重水素置換物C3D7NO(以下「DMF−d7」と云う)を溶媒として用いて測定した結果であり、図中ppmは内部標準にテトラメチルシラン(TMS)を用いたときの値である。
図1において1420cm-1及び1120cm-1付近に芳香族の吸収、900〜1100cm-1にはSi−O結合による吸収、700cm-1付近に一置換芳香族の吸収、520cm-1付近にSi(C6H5)2に由来する吸収が見られる。
また、図2において、芳香環のプロトンに由来するピークが6.8〜7.6ppm付近に見られる。なお、他のピークは不純物である。
さらに、ICP(誘導結合プラズマ)分析、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
また別途GPCクロマトグラフィー(東ソーHLC802A)により分子量を測定したところ、このものは分子量5800付近及び2300付近にそれぞれピークを有する二稜型の分子量分布を有するものであることが判った。
【0028】
〔メタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体の合成:化5参照〕
アミノ基を有する有機高分子化合物としては、メタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物共重合体(MMA−TMAEMA)を選択し、合成した。
【0029】
まず、100mlフラスコに、減圧蒸留をおこなって重合禁止剤を除去したメタクリル酸メチル18.66g(186.4mmol)、同様に重合禁止剤を除去したメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル1.465g(9.32mmol)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(以下「AIBN」とも云う)0.15g、及びテトラヒドロフラン50mlを加えた。これを液体窒素で冷却して凍結させた後、減圧すると云う操作を繰り返してモノマー及びテトラヒドロフラン中の酸素を取り除いた。
その後6時間加熱・還流した後メタノール中に滴下し、デカンテーションにより下層の重合物を取り出した。これをメタノールで数回洗浄した後、テトラヒドロフランに再び溶解し、同様の操作のメタノール洗浄をおこなった。
【0030】
減圧乾燥し乳白色固体のメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体を得た(収量:13.64g、収率:67.8%)。
このもののIRスペクトルを図3に、1H−NMRスペクトル(DMF−d7)を図4に示す。図3において1700cm−1付近にC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm−1には−O−結合による吸収、3400cm−1付近にアミン由来の吸収が見られるものの、900cm−1付近にアルケン由来の強い吸収は観察されない。
【0031】
このものの1H−NMR(DMF−d7)スペクトルである図4において、3.6ppmにCH3−O結合によるピーク、2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、さらに4.1ppmに−CH2−O結合によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらにCHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表2に示す。なお、これらから、メタクリル酸メチルユニットとメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットとの存在モル比は18.6:1(仕込み時モル比は20:1)と算出された。GPC(東ソーHLC802A)を用いて分子量測定を行ったところ、270000であった。
【0032】
【表2】
【0033】
また、メタクリル酸メチル19.50g(194.8mmol)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル2.20g(14.0mmol)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.14g、及びテトラヒドロフラン50mlで同様の操作をおこなったところ、メタクリル酸メチルユニットのメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットに対するモル比が12.3の共重合体が得られた。このときの収量は12.66g(収率:58.3%)であった。
【0034】
同様に、メタクリル酸メチル19.90g(198.8mmol)、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル3.81g(24.2mmol)、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル0.14g、及びテトラヒドロフラン50mlで同様の操作をおこなったところ、メタクリル酸メチルユニットのメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットに対するモル比が7.8の共重合体が得られた。このときの収量は15.44g(収率:65.1%)であった。
このもののIRスペクトルを図5に示す。また別途GPC(東ソーHLC802A)により分子量を測定したところ、このものの平均分子量は210000であることが判った。
【0035】
〔MMA−TMAEMAの合成:化5参照〕
上記メタクリル酸メチルユニットのメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットに対するモル比が18.6(仕込み時モル比では20)のメタクリル酸メチル−メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体11.98gを200mlのフラスコに入れアセトン80mlに溶解した。これにヨウ化メチル1.69g(11.9mmol)をゆっくり加え、室温で2時間撹拌した(溶液は黄色となった)。これをヘキサン中に滴下し、デカンテーションにより下層の物質を取り出した。
【0036】
この重合物をヘキサンで数回洗浄した後、再度アセトンに溶解し、同様の操作のヘキサン洗浄をおこなった。その後減圧乾燥して、黄色固体のMMA−TMAEMA(共重合比18.6:1)を得た。そのときの収量は10.42gで収率は81.3%であった。
【0037】
【化5】
【0038】
また、メタクリル酸メチルユニットのメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットに対するモル比が12.3(仕込み時モル比では15)のメタクリル酸メチル−メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体11.53gをアセトン70mlに溶解し、ヨウ化メチル3.50g(24.7mmol)を加えて同様の操作をおこない、黄色固体のMMA−TMAEMA(共重合比12.3:1)を得た。そのときの収量は9.99gで収率は78.7%であった。
【0039】
同様に、メタクリル酸メチルユニットのメタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチルユニットに対するモル比が7.8(仕込み時モル比では10)のメタクリル酸メチル−メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体5.68gをアセトン40mlに溶解し、ヨウ化メチル2.58g(18.2mmol)を加えて同様の操作をおこない、黄色固体のMMA−TMAEMA(共重合比7.8:1)を得た。そのときの収量は5.19gで収率は85.7%であった。
【0040】
〔リチウムシロキシアルミナートの固定化〕
上記リチウムシロキシアルミナートをMMA−TMAEMAに化学結合させ、次いでそれらの有機溶媒性ゲルを作製した。なお、これら操作はすべてアルゴン雰囲気下でおこなった。
まず、リチウムシロキシアルミナート2.81gを300mlの三口フラスコに入れ、ジメチルホルムアミド10mlを加え、35℃に保って溶解した。
【0041】
一方、MMA−TMAEMA(共重合比18.6:1)3.07gを100mlフラスコ中でジメチルホルムアミド15mlを加え、50℃に保って溶解し、この溶液を上記で作製したリチウムシロキシアルミナート−ジメチルホルムアミド溶液にテフロンチューブを用いてゆっくりと注いだ。このとき(仕込み時)のリチウムシロキシアルミナート中のアルミニウムと、MMA−TMAEMAの四級アミノ基のモル比は4:1である。
上記混合物を35℃で2時間撹拌した後、アセトン100mlを加えイオン的に橋架けしたポリマーを析出させた。デカンテーションにより下層のポリマーを取り出し、アセトンで数回洗浄した後、再度ジメチルホルムアミド10mlに溶解後、アセトン100mlを加え、デカンテーション、アセトン洗浄をおこなった。その後、取り出したポリマーを減圧乾燥し、白色のポリマーαを得た。(収量1.28g、収率22.5%)
【0042】
得られたもののFT−IRによるIRスペクトルを図6に、1H−NMRスペクトル(溶媒:DMF−d7)を図7に示す。
図6において1700cm−1付近にC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm−1には−O−結合による吸収、3400−1付近にアミン由来の吸収、1420cm−1及び1120cm−1付近に芳香族の吸収、900〜1100cm−1にはSi−Oの吸収、700cm−1付近に一置換芳香族の吸収、520cm−1付近にSi(C6H5)2に由来する吸収が見られる。
また図7において、2.2〜2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、1.8〜2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、4.0〜4.2ppmに−CH2−C結合によるピーク、さらに6.8〜7.2ppmに(C6H5)−によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらに、ICP(誘導結合プラズマ)分析、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表3に示す。これら分析からメタクリル酸メチルユニット、メタクリル酸2-(トリメチルアミノ)エチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比は18.6:1:3.5であることが判った。
またこのものの分子量をGPC(東ソーHLC802A)を用いて測定したところ290000であった。
【0043】
【表3】
【0044】
また、リチウムシロキシアルミナート1.11gとMMA−TMAEMA(重合比12.3:1)0.92gとをそれぞれジメチルホルムアミド5ml及び10mlに溶解し上記同様の操作をおこなってポリマーβを得た。このときの原料のリチウムシロキシアルミナート中のアルミニウムと、MMA−TMAEMAの四級アミノ基のモル比(仕込み時)も4:1である。また収量は0.84g、収率は43.1%であり、また、実際に分析を行ったところメタクリル酸メチルユニット、メタクリル酸2-(トリメチルアミノ)エチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比は12.3:1:3.8であった。
【0045】
同様にリチウムシロキシアルミナート1.78gとMMA−TMAEMA(重合比7.8:1)1.04gとをそれぞれジメチルホルムアミド10ml及び13mlに溶解し上記同様の操作をおこなってポリマーγを得た。このときの原料のリチウムシロキシアルミナート中のアルミニウムと、MMA−TMAEMAの四級アミノ基のモル比(仕込み時)も4:1である。また収量は0.335g、収率は12.4%であり、また、実際のメタクリル酸メチルユニット、メタクリル酸2-(トリメチルアミノ)エチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比は7.8:1:3.2であった。
【0046】
〔ゲルの作製〕
上記3種のポリマーは、このままでも輸率の高い優れた導電性材料であるが、イオン伝導度が若干低い。ここでこれらポリマーと溶媒とからゲル体を作製したところ、イオン伝導度の上昇が見られた。
すなわち、上記ポリマーαのジメチルホルムアミド性ゲル体、ポリマーαのプロピレンカーボネート性ゲル体、及び、ポリマーα、ポリマーβそれにポリマーγのN−メチルピロリドン性ゲル体をそれぞれアルゴン雰囲気下で作製した。
すなわち、5mlフラスコにポリマーαを0.25g入れ、これを粉砕したのち、ジメチルホルムアミド0.64gを加え、超音波による振盪(以下「超音波振盪」と云う)を20分間おこなった後、50℃に加熱して、均一なゲル体Aを得た。
一方、ポリマーα0.17g、プロピレンカーボネート0.39gを用いて同様にして均一なゲル体Bを得た。
【0047】
また、ポリマーα0.96gとN−メチルピロリドン2.24g、ポリマーβ0.35gとN−メチルピロリドン0.82g、及び、ポリマーγ0.21gとN−メチルピロリドン0.50gとから、それぞれゲル体C、ゲル体D及びゲル体Eを得た。なお、これらゲル体B〜Eはポリマーと溶媒との重量比はすべて3:7程度となるようにしてある。
【0048】
〔ゲル体の評価〕
上記ゲル体A〜Eについて、厚さ0.39mm、直径7.9mmのシート状サンプルを切り出し、その厚さ方向のイオン伝導度を交流インピーダンス測定法に基づいて測定した。すなわち、Cole−Coleプロットにより、試料のバルク抵抗Rb(Ω)を求め、このバルク抵抗Rb、フィルム厚さd(cm)及びフィルム面積S(cm2)から式1により試料のイオン伝導度σ(Scm-1)を算出した。
【0049】
【数1】
σ = d/(RbS)
【0050】
一方、輸率t+はPETER G.BRUCEとCOLIN A.VINCENTの報告(J.Electoranal.Chem.,255(1987)1−17)に基づいて測定した。この測定には、図8(a)に符号αを付して示したようなインピーダンス測定用セルを用いる。すなわち、厚さ0.5mm、直径10mmのシート状サンプルβをスペーサγとともに2枚のリチウム金属箔(ジグ)δ及びδ’に挟んでセット(図8(b)参照)する。これらリチウム金属箔δ及びδ’は、ステンレス製の集電体εとばねζ、及びε’とを介して端子η及びη’にそれぞれ接続されている。なお、このセルαは2つの部分に分離するが、その分離部分はOリングθの働きで気密に保たれている。
輸率は、
・まず上記測定用セルにサンプルをセットし、一日放置した後インピーダンスR0 b及び界面インピーダンスR0 ctを測定する
・次いでこの交流インピーダンス測定用セルの両極に10mVの電圧を加え、そのときの電流の時間変化を追跡し、定電流ISに落ち着くことを確認する
・再度交流インピーダンス測定を行い、界面インピーダンスRS ctを得る
の測定を行った後、これら値により式2より算出した。
【0051】
【数2】
t+=IS(ΔV−I0R0 ct)/I0/(ΔV−ISRS ct)
ただし、ΔV=10mV、また、I0=ΔV/(R0 b+R0 ct)
【0052】
これら結果を表4に示す。
なお、MMA/TMAEMAは共重合比、DMFはジメチルホルムアミド、PCはプロピレンカーボネート、及びNMPはN−メチルピロリドンをそれぞれ示す。
【0053】
【表4】
【0054】
ジメチルホルムアミドを用いたゲル体Aでは、電気化学的な安定性に欠ける傾向が見られた。インピーダンス測定セルにセットした際、これを挟持する2枚のリチウム金属箔の間に電位差が生じ、かつ、この電位差が時間の経過と共に変化する事象が観察された。これはジメチルホルムアミドとリチウム電極との間になんらかの反応が生じているためであると考えられる。なお、その他のゲル体B〜Eではこのような事象は観察されなかった。
なお、プロピレンカーボネートを用いたゲルは、輸率の測定前後でのゲルの電気抵抗値に変化がなかった(4.9×104Ω)ことから、電気化学的な安定性は優れていると思われる。しかし、イオン伝導度はあまり高くなかった。これはプロピレンカーボネートの粘度(7.96×10-1P)がジメチルホルムアミドの粘度(24.80×10-1P)に比べて高いためと考えられる。
【0055】
一方、共重合比の影響について考察すると、メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物の存在比が高い重合物を用いたものでは、イオン伝導度の低下が認められる。これは、ポリマー中のトリメチルアミノ部(N+(CH3)3)の増加により橋架けが増えてゲルが固くなるため、リチウムイオンないしリチウムと溶媒とからなる溶媒和イオンの移動が困難となるためと考えられる。なお、別途、上記ゲル体A〜Eの柔軟性をピンセットを用いた官能試験により評価したが、その結果、これらすべては従来の高分子固体電解質とほぼ同様の柔軟性を有し、したがって、ボタン型電池の電解質や電極材料としてはもちろん、円筒型電池の導電性材料にも充分応用可能であることが判った。
【0056】
また、これらゲル体A〜Eについて、サイクリックボルタモグラムを測定した。ここでは作用電極をステンレス、対照電極を白金、及び参照電極を銀とするセルを使用した。掃引速度は20mV/秒で測定をおこなった。なお、セルの組立はドライボックス内アルゴン雰囲気でおこなった。ポリマーBでの結果を図9に、ポリマーCでの結果を図10に示す。
【0057】
図9において−1.6V付近にクロスが見られる。このことにより金属リチウムの析出及び溶解が確認された。
一方、図10では−3.0V付近に金属リチウムの析出、及び−2.2V付近に金属リチウムの溶解が見られた。これらによりこのゲル体Cはリチウムイオン伝導体として電気化学的に安定であることが確認された。
【0058】
[メタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体による検討:実施例2]
実施例2としてメタクリル酸メチル・4−ビニルピリジンメチルヨウ化物共重合体にリチウムシロキシアルミナートを固定化したものを作製した。
〔メタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体の合成〕
100mlのフラスコにメタクリル酸メチル200mmol(予め減圧蒸留により重合禁止剤を取り除いてある)、4−ビニルピリジン10mmol、α,α’−アゾビスイソブチルニトリル1mmolとテトラヒドロフラン50mlを加え、次いで60℃に加熱して反応させた。この反応溶液を200mlのメタノールに滴下することで反応物を析出させた。これをメタノール100mlで2回洗浄した後、減圧乾燥することで乳白色のメタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体を得た。
【0059】
〔共重合体の四級化〕
上記メタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体10gを200mlフラスコ中で100mlのアセトンに溶解し、これにヨウ化メチル15mmolをゆっくり滴下し、室温で2時間反応させた。その後、反応溶液を100mlのヘキサンに滴下することにより、四級化共重合体を析出させた。これをヘキサン50mlによる洗浄を2回おこなった後、減圧乾燥することで黄色固体の四級化共重合体(四級化有機高分子化合物)を得た。
【0060】
〔リチウムシロキシアルミナートの固定化〕
上記四級有機高分子化合物に実施例1で用いたのと同じリチウムシロキシアルミナートを固定化した。すなわち、上記メタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体のヨウ化メチルによる四級有機高分子化合物3gをアルゴン雰囲気下で200mlフラスコに入れ、ジメチルホルムアミド15mlを加えて溶解した。この溶液に、別途200mlフラスコ中でリチウムシロキシアルミナート2.5gをジメチルホルムアミド15mlに溶解した溶液をゆっくり滴下し、室温で2時間反応させた。
【0061】
この反応溶液を100mlのアセトンに滴下することにより析出させ、この析出物に対しアセトン50mlによる洗浄を2回行い、固定化リチウムシロキシアルミナートを得た。
このものと重量比7倍のN−メチルピロリドンとを用いて実施例1同様にゲル体を作製、そのイオン伝導度及び輸率を同様に測定したところ、イオン伝導度は3.9×10-4Scm-1で輸率は0.58であり、メタクリル酸メチル・4−ビニルピリジン共重合体を用いることによりMMA−TMAEMAを用いた場合同様に優れた導電性材料が得られることが判った。また、この導電性材料の取扱時の柔軟性は実施例1の柔軟性と同等の良好なものであった。
【0062】
(N,N−ジアルキルアルケニルアミド系重合物を用いる例)
[実施例3]
〔N,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の合成〕
N,N−ジメチルアクリルアミド(以下、「DMAA」とも云う)及びメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルとをモル比で5:1となるようアルゴン雰囲気下のフラスコ内に導入し、さらにテトラヒドロフランを加え溶解させ、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を上記メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル1モルあたり5ミリモルとなるよう添加し、60℃で5時間反応させた。その後液体窒素で冷却−減圧の操作を繰り返しモノマー及びテトラヒドロフラン中の酸素を取り除いた。次いで、脱水ヘキサンを滴下し、デカンテーションにより、N,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体を得た。
【0063】
〔N,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体の合成〕
上記で得たN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体をアルゴン雰囲気下フラスコに入れてメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルユニット1モルに対して8モルとなるよう脱水アセトンを加え攪拌して溶解させた。これにヨウ化メチルのアセトン溶液を、ヨウ化メチルがこの共重合体のメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルユニット1モルに対して3モルとなるよう添加し、その後3時間60℃に保って四級化反応を進行させ、次いで、沈殿物を取り出し、90℃にて真空乾燥してN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体を得た。
【0064】
〔リチウムシロキシアルミナートの固定化〕
上記N,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体と実施例1で用いたものと同様に作製したリチウムシロキシアルミナートとをメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルユニット1モルに対して、モル比で1:4となるようアルゴン雰囲気下にてジメチルホルムアミドに添加して25℃で3時間攪拌してこの四級化共重合体にリチウムシロキシアルミナートを固定化させた。この溶液を少量取り、アセトン、ヘキサン、メタノールそれぞれを滴下し、沈殿の発生を調べ、沈殿を生じさせた溶媒をTMAEMAユニット1モルに対して10倍量加えて沈殿を生じさせる。この沈殿を90℃にて減圧乾燥して以下使用した。なおこのリチウムシロキシアルミナートを固定化した四級化共重合体を以下「導電性材料a」(実施例3)と云う。
【0065】
なお、上記は共重合体の原料であるN,N−ジメチルアクリルアミド及びメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルとをモル比で5:1となる用いた例であるが、これら以外に、このモル比を10:1として、以下上記と同様にして作製したN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体(このもののIRスペクトルを図11に、1H−NMRスペクトル(溶媒:DMF−d7)を図12に示す。)を作製し、同様にヨウ化メチルを用いて四級化し、さらに、この共重合体のTMAEMAユニット1モルに対してリチウムシロキシアルミナートとを1:4となるようにジメチルホルムアミドに添加してリチウムシロキシアルミナートを固定化した「導電性材料b」(導電性材料4b。このもののIRスペクトルを図13に、1H−NMRスペクトル(溶媒:DMF−d7)を図14に示す。)を得た。
【0066】
図11において1700cm-1付近にC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm-1には−O−による吸収、3400cm-1付近にアミン由来の吸収が見られるものの900cm-1付近のアルケン由来の強い吸収は観察されない。
一方、図12において、2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、4.1ppmに−CH2−O−結合によるピーク、さらに2.4ppmに−CH−によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらに、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表5に示す。これら分析結果からN,N−ジメチルアクリルアミドユニットとメタクリル酸2−ジメチルアミノエチルユニットのモル存在比は8.7:1であることが判った。
なおこのN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体についてGPC(東ソーHLC802A)によって平均分子量を測定したところ200000であった。
【0067】
【表5】
【0068】
一方、図13において、1700cm-1付近にC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm-1には−O−による吸収、3400cm-1付近にアミン由来の吸収、1420cm-1及び1120cm-1付近に芳香族の吸収、900〜1100cm-1にはSi−Oによる吸収、700cm-1付近に一置換芳香族の吸収、520cm-1付近にSi(C6H5)2に由来する吸収が見られる。
また図14において、2.2〜2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、1.8〜2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、4.0〜4.1ppmに−CH2−O−結合によるピーク、2.4ppmに−CH−結合によるピーク、さらに6.8〜7.2ppmに(C6H5)−によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらに、ICP(誘導結合プラズマ)分析、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表6に示す。これら分析からN,N−ジメチルアクリルアミドユニット、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比は8.7:1:3.8であることが判った。
なおこの導電性材料bについてGPC(東ソーHLC802A)によって平均分子量を測定したところ220000であった。
【0069】
【表6】
【0070】
これら2種の導電性材料を、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの等容量混合溶媒(以下「EC:PC」と云う)、あるいは、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒(以下「EC:DMC」と云う)に重量比で3:7となるよう混合して、超音波振盪によりゲル化させた。
得られたゲル体はすべて良好な取扱性を有し、ボタン型電池の電解質や電極材料としてはもちろん、円筒型電池の導電性材料にも充分応用可能であることが判った。
これらゲル体のイオン伝導度及び輸率を実施例1と同様にして測定した。結果を表7に示す。
なお、表7中「DMAA/TMAEMA」として示してあるのは共重合時のN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体におけるN,N−メチルアクリルアミド(DMAA)とメタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物(TMAEMA)の仕込み比(モル比)である。
【0071】
【表7】
【0072】
表7からN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体にリチウムシロキシアルミナートを固定化した本発明に係る導電性材料が優れたイオン伝導度と高い輸率を有することが判る。
【0073】
(N,N−アルキルアルケニルアミド系重合物を用いる例)
[実施例4]
〔N−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の合成〕
実施例3のN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の合成と同様に、ただし、N,N−ジメチルアクリルアミドの代わりにN−イソプロピルアクリルアミド(以下「NIPAMとも云う」)を用いて、N−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体を得た。このときN−イソプロピルアクリルアミドと2−ジメチルアミノエチルとの仕込み時のモル比は5:1として行った。このもののIRスペクトルを図15に、1H−NMRスペクトル(溶媒:DMF−d7)を図16に示す。
図15において1700cm-1付近にはC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm-1には−O−による吸収、3400cm-1付近にアミン由来の吸収が見られる。しかし、900cm-1付近のアルケン由来の強い吸収は観察されない。
また図16において、3.6ppm付近にCH3−O結合によるピーク、2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、4.1ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.4ppmに−CH−結合によるピーク、さらに7.8〜8.2ppmに−NH−によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらに、ICP(誘導結合プラズマ)分析、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表8に示す。これら分析からN−イソプロピルアクリルアミドユニットと2−ジメチルアミノエチルユニットのモル存在比は4.4:1であることが判った。
さらにGPC(東ソーHLC802A)によって平均分子量を測定したところ250000であった。
【0074】
【表8】
【0075】
〔共重合体の四級化〕
上記N−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の四級化を実施例3のN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体の合成と同様にして行った。
【0076】
〔リチウムシロキシアルミナートの固定化〕
上記で得たN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体に実施例1と同様に作製したリチウムシロキシアルミナートの固定を、実施例3同様に、ただし、60℃での5時間の攪拌ではなく、20℃での1時間の攪拌で行った。このもののIRスペクトルを図17に、1H−NMRスペクトル(溶媒:DMF−d7)を図18に示す。
【0077】
図17において、1700cm-1付近にC=O結合由来の吸収、1000〜1300cm-1には−O−による吸収、3400cm-1付近にアミン由来の吸収、1420cm-1及び1120cm-1付近に芳香族の吸収、900〜1100cm-1にはSi−Oによる吸収、700cm-1付近に一置換芳香族の吸収、520cm-1付近にSi(C6H5)2に由来する吸収が見られる。
また図18において、3.5〜3.7ppmにCH3−O結合によるピーク、2.2〜2.3ppmにCH3−N結合によるピーク、0.8〜1.1ppmにCH3−C結合によるピーク、1.8〜2.0ppmに−CH2−C結合によるピーク、2.5〜2.6ppmに−CH2−N結合によるピーク、4.0〜4.1ppmに−CH2−0−結合によるピーク、2.4ppmに−CH−結合によるピーク、7.8〜8.2ppmに−NH−結合によるピーク、さらに6.8〜7.2ppmに(C6H5)−によるピークが見られる。なおこれら以外のピークは不純物によるものである。
さらに、ICP分析、CHNS/O元素分析を行った。その結果を理論値と共に表9に示す。これら分析からN−イソプロピルアクリルアミドユニット、2−ジメチルアミノエチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比は4.4:1:3.5であることが判った。
なおこの導電性材料bについてGPC(東ソーHLC802A)によって平均分子量を測定したところ300000であった。
【0078】
【表9】
【0079】
〔ゲル体の作製及び評価〕
上記リチウムシロキシアルミナートを固定したN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体を用いてゲル体を作製した。用いた溶媒はジメチルホルムアミド(「DMF」とも云う)、N−メチル−2−ピロリドン(「NMP」とも云う)、γ−ブチロラクトン(「γBLとも云う)、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの等容量混合溶媒、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの等容量混合溶媒(以下「EC:DEC」と云う)、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒(以下「EC:DMC」とも云う)、あるいは、プロピレンカーボネート(以下「PC」とも云う)であり、これら溶媒のそれぞれに重量比で3:7となるよう混合し、超音波振盪することによりゲル化させたものである。
なおこれらゲル体はすべて良好な取扱性を有し、ボタン型電池の電解質や電極材料としてはもちろん、円筒型電池の導電性材料にも充分応用可能であることが判った。
これらゲル体からなる導電性材料の評価を実施例1同様に行った。結果を表10に示す。
【0080】
【表10】
【0081】
なお、比較のため、リチウムシロキシアルミナートをMMA−TMAEMAに固定化して作製した導電性材料を上記と同じ溶媒に、同様の溶媒−導電性材料混合比で溶解しそれぞれ評価を行った。その結果を表11に示した。なお、ここで用いたリチウムシロキシアルミナートをMMA−TMAEMAに固定化して作製した導電性材料は、実施例1と同様に、ただし、原料の配合を変更し、最終的にメタクリル酸メチルユニット、メタクリル酸2-(トリメチルアミノ)エチルユニット及びリチウムシロキシアルミナートユニットのモル存在比が4.5:1:3.6であるものである。
このようにリチウムシロキシアルミナートをMMA−TMAEMAに固定化する反応は、N−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体にリチウムシロキシアルミナートを固定化する反応に比べ、高温で、かつ、長時間要することが判る。
なお、この導電材料は化6のように示したとき、α:β:γの比率が仕込み時で5:1:4となるもので、実際には上述のように4.4:1:3.5となるものである。
【0082】
【化6】
【0083】
【表11】
【0084】
表10及び表11より、リチウムシロキシアルミナートを固定化したN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−トリメチルアミノエチルヨウ化物共重合体からなる導電性材料は、リチウムシロキシアルミナートをMMA−TMAEMAに固定化してなる導電性材料と比べ、同等の輸率を有しながらも、高いイオン導電度を有する良好な導電材料であることが判る。
【0085】
表10では化6のように示したとき、α:β:γの比率が5:1:4となる導電材料(仕込み時モル比)についてのデータを示したが、この比率が1:1:4となる導電性材料、及び、10:1:4となる導電性材料についても、原料の仕込み比率を変更することにより同様に合成した。これらについても同様に様々な有機溶媒ゲルを作製し、その評価を行った。仕込み時のモル比率が1:1:4となる導電性材料についてのゲル体(このものを分析した結果、実際にはモル比は1.2:1:3.9であった。)の評価結果を表12に、10:1:4となる導電性材料についてのゲル体(このものを分析した結果、実際にはモル比は9.2:1:3.6であった。)の評価結果を表13にそれぞれ示す。
なおこれらゲル体はいずれも電池用導電性材料として用いるのに充分な柔軟性を有していた。
【0086】
【表12】
【0087】
【表13】
【0088】
表12及び表13により、α:β:γの比率を変えた場合においても良好な導電性材料が得られることが判る。
【0089】
【発明の効果】
本発明に係る導電性材料は、充分なイオン伝導度と非常に高い輸率と、さらに充分な取り扱いをも有する優れた導電性材料である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例中で合成されたフェニル置換基を有するリチウムシロキシアルミナートの赤外線吸収スペクトルである。
【図2】実施例中で合成されたフェニル置換基を有するリチウムシロキシアルミナートの1H−NMRスペクトルである。
【図3】実施例中で合成されたメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図4】実施例中で合成されたメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図5】実施例中で合成されたメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図6】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物共重合物の赤外線吸収スペクトルである。
【図7】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルヨウ化物共重合物の1H−NMRスペクトルである。
【図8】輸率を測定するために用いたインピーダンス測定用セルを示す図である。(a)断面を示す図である。(b)サンプルのセット方法を示す斜視図である。
【図9】ゲル体Bのサイクリックボルタモグラムを示す図である。
【図10】ゲル体Cのサイクリックボルタモグラムを示す図である。
【図11】実施例中で合成されたN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図12】実施例中で合成されたN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図13】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図14】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図15】実施例中で合成されたN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図16】実施例中で合成されたN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の1H−NMRスペクトルである。
【図17】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の赤外線吸収スペクトルである。
【図18】リチウムシロキシアルミナートが化学結合されたN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル共重合体の1H−NMRスペクトルである。
Claims (6)
- 高分子化合物とアルカリシロキシアルミナートとからなる導電性材料であって、
上記高分子化合物とアルカリシロキシアルミナートとが共有結合またはイオン結合していることを特徴とする導電性材料。 - 上記アルカリシロキシアルミナートがリチウムシロキシアルミナートであることを特徴とする請求項1に記載の導電性材料。
- 上記高分子化合物がメタクリル酸系重合物、N,N−ジアルキルアルケニルアミド系重合物、及びN−イソプロピルアルケニルアミド系重合物から選ばれた1つ以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導電性材料。
- 上記メタクリル酸系重合物がメタクリル酸メチル・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルハロゲン化物共重合物あるいはメタクリル酸メチル・4−ビニルピリジンエチルハロゲン化物共重合物のいずれか/あるいはこれら混合物であることを特徴とする請求項3に記載の導電性材料。
- 上記N,N−ジアルキルアルケニルアミド系重合物がN,N−ジメチルアクリルアミド・メタクリル酸−2−ジメチルアミノエチルハロゲン化物共重合物であることを特徴とする請求項3に記載の導電性材料。
- 上記イソプロピルアルケニルアミド系重合物がN−イソプロピルアクリルアミド・メタクリル酸2−(トリメチルアミノ)エチルハロゲン化物共重合物であることを特徴とする請求項3に記載の導電性材料。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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