JP3743160B2 - マッサージ機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体部位の“こり”などを施療するためのマッサージに関する。
【0002】
【従来の技術】
肩等をたたくことにより施療するたたき部材と、このたたき部材を駆動する電磁ソレノイドと、この電磁ソレノイドへの通電を制御する通電制御手段とを備え、通電制御手段より電磁ソレノイドに通電する時間と、その時間間隔、つまりたたき強さとたたき間隔を変化するようにしたマッサージ機が一般に知られている。この種のマッサージ機において、第1の従来例として、スイッチング素子を導通させてソレノイドに通電する周期と、通電時間との関係を図1に示すように、周期が短くなるほど(T→T')、導通時間も短くなる(t→t')ようにしているものがある。これは通電時間を商用周波数の半波内において制御可変するものである(特開平4−371156号)。
【0003】
また、他の第2の従来例として、スイッチング素子を導通させる周期と、スイッチング素子の導通時間との関係を、図2に示すように、周期が短くなるほど(T→T')商用周波数の導通する半波の数を減らして、導通時間を短くする(t→t')ものがある(特公昭55−26862号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のマッサージ機において、第1の従来例は、スイッチング素子を導通させる周期が長い時において、前記周期が短い時と体感上、同じたたき強さを使用者に与えるためには、導通時間を長くしなければならない。そのため、体感上は、ほぼ同じたたき強さであるが、実際のたたき方にはかなりの差がある、となっていたため、前記周期が長い時に体感上、十分なたたき強さを得るためには、実際のたたき力は非常に大きくなり、使用後に不快感が残るという問題があった。
【0005】
第2の従来例は、スイッチング素子の導通時間を最小でも商用周波数の半波単位でし制御できないため、スイッチング素子の導通周期が短い場合、実際のたたき力、体感上のたたき強さとも非常に大きくなり、使用後に不快感が残るという問題があった。
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、通電周期(たたき速さ)を変化しても、使用者が同じたたき感を得ることができ、また実際のたたき力も同じにでき、安全で使用後に不快感の残らないマッサージ機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のマッサージ機は、所定の部位をたたくことにより施療するたたき部材と、このたたき部材を駆動する電磁ソレノイドと、この電磁ソレノイドに所定のたたきパターンで繰返し通電する制御手段とを備えるものにおいて、前記制御手段は、前記たたきパターンの1周期に、前記電磁ソレノイドを通電させる可変周期を複数有し、最も長い可変周期が短くなるに従い、他の可変周期の個数を減少させるようにしている。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。図3は、この発明の一実施形態マッサージ機の正面図、図4は同平面図である。この実施形態マッサージ機は、柄部1と、ヘッド部2と、柄部1内の回路基板に接続されるACコード3とから構成されている。柄部1には、強/弱/オフ切替スイッチ4と、モード切替スイッチ5と、スピード変換/たたきパターン選択スイッチ6を備えている。
【0008】
へッド部2には、電磁ソレノイド7、これへの通電/消電により、吸着/離反で上下するプランャ8と、このプランャ8に連結されたアタッチメント9を備えており、電磁ソレノイド7に通電するパターンに応じて、プランャ8が上下し、応じてアタッチメントも上下するので、肩をマッサージすることになる。もっとも、へッド部2はこの実施形態において特徴的なものではなく、一般によく知られた構造のものであってもよい。
【0009】
図5は、この実施形態マッサージ機の回路構成を示すブロック図である。この実施形態マッサージ機は商用電源30と、電源保護回路31と、波形整形回路32と、周波数検出回路33と、制御回路34と、ソレノイド7を駆動する駆動回路35と、強/弱/オフ切替スイッチ4と、モード切替スイッチ5と、スピード変換/たたきパターン選択スイッチ6とを備えている。
【0010】
商用電源30は、交流電源である。この商用電源30には、電源保護回路31が接続されている。電源保護回路31は電流ヒューズなどにより構成されている。また、波形整形回路32はツェナダイオード、ダイオード、コンデンサ等から構成されている。電源保護回路31と波形整形回路32には、強/弱/オフ切替スイッチ4が接続されており、このスイッチ4の切替による信号を制御回路34に入力する。これにより、たたき強さの切替ができる。強/弱/オフ切替スイッチ4は、たたきの強さを「強」と「弱」と「オフ」に切替えることができる。周波数検出回路33は、トランジスタ等で構成されており、トランジスタのON/OFFのタイミングにより、商用電源30の周波数を検出している。スピード変換/たたきパターン選択スイッチ6はロータリ式のスイッチであり、モード切替スイッチ5がスピード変換モードに投入されている状態で、スピード変換スイッチとして動作し、スイッチを回して、段階的に切替えてゆくと、制御回路34に予め各段階に対応して記憶しておいたたたき力を決める位相制御タイミングデータとたたきパターン1周期間にスイッチング素子を導通させる可変周期の個数データ及び各可変周期の時間データから、それぞれ各段階に対応したデータを読み込み、そのデータに合わせて駆動回路35 のスイッチングタイミングを決める。そして、このスイッチングタイミングに同期して、ソレノイド7に交流電圧が供給・遮断される。また、可変周期の個数は、可変周期のうち最も長い可変周期の時間で決まり、その可変周期の時間が長いほど、可変周期の個数は多くなるようにデータを組み合わせる。上記より、たたき速さ(たたきパターン1周期間のうち、最も長い可変周期の時間)によらず、常に体感上、一定のたたき力を味わえ、また実際のたたき力も同じにできる。
【0011】
図6は、この実施形態マッサージ機において、電磁ソレノイド7に印加する電圧波形図であり、図6の(a)は、たたきパターンの周期が遅い時であり、図6の(b)は周期を速くした場合である。たたきパターン1周期におけるスイッチング素子を導通させる可変周期のうち、最も長い周期Tが長ければ長いほど、たたきパターン1周期間の可変周期の個数〔図6の(a)で6個〕を多くし、周期Tが短くなるにつれて、対応してたたきパターン1周期間の可変周期の個数を減らしてゆく〔図6の(b)で4個〕。かつスイッチング素子の導通時間tは、商用周波数の半波内の所定角度分とする。これにより、従来例1で問題となったたたき周期が長くなると、短い時に比べ、スイッチング素子の導通時間を長くしなければ、体感上、たたき力が弱く感じ、また、長くした場合、使用後不快感が残る等の不具合を解消できる。
【0012】
また、従来例2で間題となったたたき周期が長い時でさえ、たたき力が非常に強く、使用後に不快感が残る等の不具合も解消できる。
その理由は、図6に示すように、周期Tが長い時は、たたきパターン1周期における1回、1回のスイッチング素子の導通時間は短いが、可変周期の個数が多い(T、T、T)ため、スイッチング素子の連続導通回数が増える。そのため、体感上は十分なたたき力に感じ、実際は強い方ではない。逆にTが短い時は、可変周期の個数を減らす(T、T)ことにより、たたき周期が短くなっても痛く感じることがない。また、Tが長い時もTが短い時も、あまり強い力を加えないため、体を害することはない。図6では、周期T、T、Tを可変周期としたが、最も長い周期T以外は固定周期としてもよいし、周期T以外は全て同じ周期としてもよい。
【0013】
図7は、図6の波形に代えて、電磁ソレノイド7に印加する電圧波形の他の例を示す波形図であり、図7の(a)はたたきパターンの周期が遅い時であり、図7の(b)は周期を速くした場合である。たたきパターン1周期におけるスイッチング素子を導通させる可変周期のうち、最も長い周期Tが短くなると、たたきパターン1周期における可変周期の個数が減少し(図7では6個から5個へ)、かつ周期T以外の可変周期が長くなる。また、スイッチング素子の導通時間は、商用周波数の半波内の所定角度分とする。これにより、周期Tが短くなるにつれて、たたきパターン1周期間の他の可変周期の個数が減少するだけでは、敏感な人は周期Tが長い時に比べ、たたき力が強く感じる可能性がある。このような点を解消できる。これは図7に示すように、たたきパターン1周期の周期T以外の可変周期が長くなると、1回、1回のたたき力(実際の力)は同じでも、体感上、弱く感じるからである。
【0014】
なお、上記図6、図7の電圧波形におけるスイッチング素子の導通角度tは、たたきパターン1周期が小さくなっても同じであるが、最も長い可変周期が短くなるにつれて、導通角度tを小さくしていってもよい。
【0015】
【発明の効果】
この発明によれば、たたきパターン1周期間に、ソレノイドに通電させる可変周期を複数持ち、最も長い可変周期が短くなるに従って、他の可変周期の個数を減少させるようにしているので、たたき速さが変化しても使用者が同じたたき感を得ることができ、また実際のたたき力も同じにできることにより、安全で快適なマッサージを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のマッサージ機のたたきパターンを示す図である。
【図2】 従来の他のマッサージ機のたたきパターンを示す図である。
【図3】 この発明の一実施形態マッサージ機の正面図である。
【図4】 同実施形態マッサージ機の側面図である。
【図5】 同実施形態マッサージ機の回路構成を示すブロック図である。
【図6】 同実施形態マッサージ機のソレノイドに印加する電圧波形パターンを示す図である。
【図7】 図6に示す電圧波形パターンに代えて、ソレノイドに印加する他の電圧波形パターン例を示す図である。
【符号の説明】
4 強/弱/オフ切替スイッチ
5 モード切替スイッチ
6 スピード変換/たたきパターン選択スイッチ
7 電磁ソレノイド
34 制御回路
35 駆動回路

Claims (2)

  1. 所定の部位をたたくことにより施療するたたき部材と、このたたき部材を駆動する電磁ソレノイドと、この電磁ソレノイドに所定のたたきパターンで繰返し通電する制御手段とを備えるマッサージ機において、
    前記制御手段は、前記たたきパターンの1周期に、前記電磁ソレノイドを通電させる可変周期を複数有し、最も長い可変周期が短くなるに従い、他の可変周期の個数を減少させるものであることを特徴とするマッサージ機。
  2. 所定の部位をたたくことにより施療するたたき部材と、このたたき部材を駆動する電磁ソレノイドと、この電磁ソレノイドに所定のたたきパターンで繰返し通電する制御手段とを備えるマッサージ機において、
    前記制御手段は、前記たたきパターンの1周期に、前記電磁ソレノイドを通電させる可変周期を複数有し、最も長い可変周期が短くなるに従い、他の可変周期の個数を減少させるとともに、それらの可変周期を長くするものであることを特徴とするマッサージ機。
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