JP3741910B2 - 継手部を有するカーブコンベアベルト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、搬送工程にて使用される搬送方向を平面方向又は高さ方向に搬送経路を変更するためのカーブコンベアに使用されるカーブコンベアベルト(スパイラルコンベアベルトを含む)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カーブコンベアとしては、例えば特開平5−319530号公報記載のように、帯状のベルトの両端相互を接合して成る平面視円弧状の無端ベルトを、所定の角度間隔で配設された少なくとも2本の支持体相互間(例えば、2本のフリーローラ相互間又はナイフエッジ相互間)に張設して構成し、前記無端ベルトの内方への移動を阻止すべく無端ベルトの外周側に設けられた係止手段と無端ベルトの外周縁に沿うように平面軌跡に拘束されたチェーンにより外方へ引張力をかけながら回転駆動するようにしているものや、例えば、特開平8−319013号公報記載のように、2本の支持体相互間(例えば、一対のテーパローラ相互間)において、コンベアベルトが向心力に抗して内方へ移動しないようにするため、テーパローラ相互間においてコンベアベルトの外側に多数のホルダーを配置させると共にこれらホルダーの回転体によりベルト本体の外周縁全域に設けたビード材を支持し、回転駆動するようにしているものなどがある。
【0003】
上記したカーブコンベアに使用されている従来のカーブコンベアベルトとしては、通常、有端状の樹脂カバーベルト(一般的にはポリエステル、ナイロン等からなる帆布の表面にポリウレタン等の合成樹脂カバー材を積層接着したもの)の両端相互を、熱加圧方式にて固定接合加工したものや、又は熱加工方式が適用できない時には金具継手を用い固定接合加工し無端状とした樹脂カバーベルトが汎用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような固定接合加工された無端状の樹脂カバーベルトにおいては、固定接合されているが故に、ベルトの摩耗や損傷時、又は寿命によるベルト取り替えの際には、カーブコンベア(装置)の一部を解体、組立する手間が必要であった。さらに手間だけではなく、取り替え作業の間はその搬送ラインが停止することになり生産ロスへの影響大となり改善が望まれていた。
【0005】
また一方では、一般的に樹脂カバーベルトに使用される樹脂カバー材は、ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂等が用いられるため、耐熱性の点で劣り、通常は、連続使用にて80℃が限界使用温度とされている。また樹脂カバーベルトは、表(裏)層が樹脂層にて被覆されているため、通気性を付与するためには通気孔を設ける必要があった。しかしながら十分な通気度を得ることができず、また通気孔の形成によりベルト強度が低下するといった不都合もあった。よって、樹脂カバーベルトは、高温の乾燥工程にて使用される搬送ラインや、乾燥システム等と組み合わせて使用されるコンベアにおいては、その使用が不適とされていた。特に食品や衛生材等の搬送工程においては、定期的な高温消毒が必要な場合もあり、コンベアベルトへの耐熱性及び通気性の付与、向上が望まれていた。
【0006】
通常の直線状搬送経路におけるコンベアベルトは、従来の樹脂カバーベルトの代わりに耐熱性プラスチック織物を代替え品として置き換え使用することは従来より適宜行われてきたが、カーブコンベアベルトとしては、プラスチック織物自体が製織により経糸と緯糸が直交配置されている点から、上記のようなカーブコンベア(装置)の平面視円弧回転駆動条件下においては、屈曲性や寸法安定性、また無端状とするための継手形成手段、さらに駆動部との係止手段等において樹脂カバーベルトに劣り、実用化されていないのが実状であった。
【0007】
そこで、本発明者らは上記問題点に鑑み、カーブコンベア(装置)での使用に耐えられる屈曲性と寸法安定性を兼ね備え、カーブコンベア(装置)の一部を分解、組立することなくベルトの取り替えが可能であり、且つ乾燥工程等の高温雰囲気下での使用にも好適なカーブコンベアベルトを提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の継手部を有するカーブコンベアベルトは、所定の搬送変換角度間隔に配設された少なくとも2本の支持体相互間に張設され、内方向への移動を阻止すべく外方向へ引張力をかけながらベルトを回転駆動するカーブコンベアに使用される平面視円弧帯状のカーブコンベアベルトであって、該カーブコンベアベルトが、外周縁耳部に補強部を設けた円弧帯状の有端状プラスチック織物本体と、該プラスチック織物本体の両端のそれぞれに少なくとも経糸及び/又は緯糸による折り返しループが形成された継手部とから成り、形成された継手部同士を接合用芯線にて連結し無端状とした継手部を有するカーブコンベアベルトを以て、上記課題を解決するものである。プラスチック織物本体が、線径0.3〜0.9mmの耐熱性合成樹脂モノフィラメントから成る経糸と緯糸を織製した通気度20000(cc/cm 2 /min)以上から成ることが好ましい。また、プラスチック織物本体が、平面展開時における円弧角度βが90度の整数倍から成るプラスチック織物Hと該プラスチック織物Hに連結される前記円弧角度βが90度未満のプラスチック織物hとの連結体とから構成することが好ましい。また、プラスチック織物本体が、一方端の折り返しループを経糸から形成し、他方端の折り返しループを緯糸から形成され、一重織又は二重織組織から成り、且つ経糸と緯糸の織密度を同一とすることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の継手部を有するカーブコンベアベルトについて、図示の実施の形態を基に以下に詳細に説明する。
【0010】
図1に、本発明の継手部を有するカーブコンベアベルト(1)がカーブコンベア(10)に取り付けられた状態の平面図を示す。図2に図1のA−A矢視の断面図を示す。図3に図1のB−B矢視の継手部(3)の断面図を示す。図4に、図1のカーブコンベアベルトの平面展開図を示す。図5に円弧角度βが90度のカーブコンベアベルトの平面展開図を示す。図6に、図4のプラスチック織物Hにプラスチック織物hを連結したカーブコンベアベルトの平面展開図を示す。
【0011】
本発明の継手部を有するカーブコンベアベルト(1)は、図1、図2、及び図3に示すように、所定の搬送変換角度α間隔に配設された2本のナイフエッジ(20)、及びフリーローラ(21)から成る支持体相互間に張設され、プラスチック織物本体(2)と、その両端のそれぞれに継手部(3)が設けられ、継手部同士が接合用芯線(4)を以て、無端状に連結された平面視円弧帯状のカーブコンベアベルトを形成している。
【0012】
プラスチック織物本体(2)は、線径0.3〜0.9mmの耐熱性合成樹脂モノフィラメントから成る経糸(5)と緯糸(6)から製織されることが好ましい。線径が0.9mm超えであると、カーブコンベアのように、前後に位置する直線状搬送コンベア表面との搬送段差を極力少なくするために、極めて曲率が小さく設計されているナイフエッジや、テーパローラ等の支持体に沿って屈曲回転することが困難となり、無理に屈曲させれば耐久性に劣るものとなる。線径が0.3mm未満であると、上記屈曲性の点では優れるが、反面プラスチック織物としての強度や寸法安定性に劣るものとなる。特にカーブコンベアにおいては、所定の搬送変換角度間隔に張設されることから、経糸と緯糸が直交配置して製織されるプラスチック織物は、その斜め方向に張力が加わるものとなり、斜め方向の寸法安定性が上記屈曲性と共に重要な必須性能となる。よって、線径0.3〜0.9mmが好ましい。より好ましくは0.4〜0.8mmである。また、上記線径範囲内において、経糸と緯糸の線径を同一とすることが寸法安定性の点で好ましい。プラスチック織物の織密度としては、線径にもよるが、経糸、緯糸の織密度をそれぞれ6〜30(本/インチ)の範囲とすることが好ましい。織密度が6未満では上記寸法安定性に劣るものとなり、30超えであると上記屈曲性に劣るものとなる。また経糸、緯糸は耐熱性合成樹脂モノフィラメントから成ることが好ましい。耐熱性合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等が適用される。特に高温乾燥工程に使用される場合には好適なものとなる。また、サクション機構を伴うバキュームベルトとしても有効なベルトと成り得る。
【0013】
また、プラスチック織物の通気度を、20000(cc/cm2 /min)以上とすることが好ましい。特に乾燥工程においては通気度が高い程その搬送物の乾燥効率が高くなるなることはいうまでもない。通気度は、上記経糸、緯糸の線径、織密度、織組織によって左右される特性値であり、通気度が20000未満であると、乾燥効率に劣るのみならず、上記屈曲性に劣るものとなる。
【0014】
本発明における継手部を有するカーブコンベアベルトの継手構造としては、例えば図3に示すような、少なくともプラスチック織物(2)を構成する経糸又は緯糸の折り返しループ(7)を形成して成る継手部(3)であればよい。継手形成手段としては、例えば、有端状のプラスチック織物本体の両端部から緯糸を除去して、緯糸を除去することにより露出した簾状の経糸を折り返し、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をプラスチック織物本体に織り込み、プラスチック織物本体の両端部に形成された経糸ループ同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成される経糸ループ共通孔に接続用芯線を挿通し連結するワープループシーム構造継手や、前記経糸ループに合成樹脂モノフィラメントからなるスパイラル線条を噛み合わせ、噛み合わせて形成される共通孔にスパイラル線条固定用芯線を挿通し、プラスチック織物本体の両端部に形成されたスパイラル線条同士を噛み合わせ、噛み合わせて形成されたスパイラル線条共通孔に接続用芯線を挿通し連結するスパイラルシーム構造継手等が適用できる。接合用芯線(4)を伴う継手構造とすることにより、カーブコンベアの一部を分解、組立することなく、接合用芯線の取り外し、挿通を以て、簡単にベルトの取り替えが可能なカーブコンベアベルトと成り得る。
【0015】
また、本発明においてプラスチック織物本体が、平面展開時における展開円弧角度βが90度の整数倍から成るプラスチック織物Hの単体と該プラスチック織物Hに連結される前記展開円弧角度βが90度未満のプラスチック織物hとの連結体とから構成することが好ましい。また、プラスチック織物本体が、一重織又は二重織組織から成り、且つ経糸と緯糸の織密度を同一とすることが好ましい。図4は、展開円弧角度βが90度の2倍、すなわち180度から成る円弧帯状のプラスチック織物(2)の平面展開図である。図4のプラスチック織物の端部に設けられた継手部(3)は、前述のワープループシーム構造継手であって、この場合経糸を折り返し、適宜その一部をループ形状とし、経糸の折り返し先端部をプラスチック織物本体に織り込み、経糸による折り返しループ(7)による継手部(3)を形成したものである。これをカーブコンベアに取り付け、接合用芯線(4)で以て、無端状のカーブコンベアベルトとしたものが図1に示される。よって、前記搬送変換角度αは、展開円弧角度βの約1/2となる。(厳密には前記支持体の構成により上下方向ベルト間隔の高さ分だけ搬送変換角度αは展開円弧角度βの約1/2よりもやや小さくなる。)
【0016】
次に展開円弧角度βが90度のプラスチック織物の形態については、図5に示すように、一方端の折り返しループ(7)を経糸(5)から形成し、他方端の折り返しループ(7)を緯糸(6)から形成する。このように展開円弧角度βが90度の奇数倍の場合においては、プラスチック織物の両端継手部同士を連結するために、一方端の折り返しループ(7)を経糸(5)から形成し、他方端の折り返しループ(7)を緯糸(6)から形成する必要があり、その場合は経糸密度と緯糸密度とが同一であり、織組織においても一重織又は二重織とすることにより両端の継手部同士が噛み合わせしやすいものと成り得る。
【0017】
以上の説明は何れもプラスチック織物本体(2)が、平面展開時における展開円弧角度βが90度の整数倍から成るプラスチック織物H(2H)の単体から構成される形態であって、次にプラスチック織物Hと該プラスチック織物Hに連結される前記展開円弧角度βが90度未満のプラスチック織物hとの連結体とから構成される形態について説明する。図6は、図4のプラスチック織物H(2H)にプラスチック織物h(2h)を連結したプラスチック織物本体(2)の平面展開図であって、これは例えば搬送変換角度αが必ずしも90度の整数倍の約1/2単位、すなわち約45度、約90度、約135度等の単位とならない場合は、適宜その搬送変換角度に応じた搬送変換角度調整用のプラスチック織物hをプラスチック織物Hに連結することにより、任意の搬送変換角度に対応したカーブコンベアベルトが得られる。またスパイラルコンベアベルトとして使用する際に、複数のプラスチック織物Hを相互の継手部同士を連結し、連結したプラスチック織物両端部の継手部同士を連結しやすくするための連結調整用プラスチック織物として有用なものとなる。プラスチック織物Hとプラスチック織物hとの連結方法は特に限定するものではないが、例えば端部同士を重ね合わせてその重合部を縫着接合し連結すればよい。もちろんプラスチック織物hとプラスチック織物Hは、展開円弧角度以外は同仕様とし、端部の継手部も同様とすることにより、継手部同士を連結し無端状の継手部を有するカーブコンベアベルトと成る。
【0018】
また、プラスチック織物本体の外周縁耳部に補強部(9)を設けることが好ましい。この補強部形成手段としては、外周縁耳部組織に、補強プラスチック織物を積層一体化及び/又は樹脂含浸することが好ましい。これは、前述のようにカーブコンベアベルトが、所定の搬送変換角度α間隔に配設された少なくとも2本の支持体相互間に張設され、内方向への移動を阻止すべく外方向へ引張力をかけながらベルトを回転駆動するカーブコンベアに使用されるベルトであるから、前述のようにカーブコンベアベルトの内側への移動を阻止すべくベルトの外周側に何らかの係止手段が設けられるため、係止具の取り付け部分であるプラスチック織物本体の外周縁耳部組織を補強部(9)で以て補強しておくことにより、例えば前記公報記載のチェーン駆動用の孔部の形成や、ビード材の接合等、種々の係止手段に対応したカーブコンベアベルトと成り得る。
【0019】
以上、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてもよいことはいうまでもない。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の構成を上記発明の実施の形態に示した図面に従ってその具体例を実施例として説明する。尚、実施例における評価基準については、以下の通りである。
(通気度)、JIS L 1096 6.27A法による。
(最大曲げ応力)、JIS K 7116法を基に、試験片寸法を30×80(mm)、支点間距離を45(mm)、加圧くさびの加圧速度を50(mm/min)とし測定し、曲げ応力の最大点を最大曲げ応力とし、前記屈曲性の代用特性とした。
(斜め引張強力)、JIS 1096 6.12A法を基に、プラスチック織物から成る試験片(22)の形状は図7に示す通りにて、経糸(5)と緯糸(6)の直交角度に対して45度の傾斜角方向にて矢視方向に引っ張るもので、試験片は、一辺が10cmの正方形の対角2隅に図7に示すようなつかみ代(23)を設け、つかみ間隔を10cm、つかみ巾を4cm とし、引張速度を20(mm/min)にて測定し、試験片3%伸長時の引張荷重を斜め引張強力とし、前記寸法安定性の代用特性とした。尚、高温雰囲気下にて使用されることを前提に温度130℃の条件下にて試験したものである。
【0021】
(実施例1)経糸、緯糸共に線径0.45mmのPETモノフィラメントを使用し、経糸密度、緯糸密度共に織密度25(本/インチ)の一重織(平織り)組織のプラスチック織物を製織し、図4に示すような展開円弧角度βが180度、ベルト巾が630mm、内側半径が270mmの円弧帯状プラスチック織物を形成し、その両端部に公知の継手形成手段により経糸によるワープループシーム構造継手部(3)を形成し、該プラスチック織物の外周縁、内周縁にヒートシール加工を施し、さらに外周縁耳部に補強用プラスチック織物を積層、樹脂含浸により補強部(9)を形成した後、チェーン駆動カーブコンベア係止手段のための孔部(11)を設けたプラスチック織物本体(2)を準備し、前記継手部同士を接合用芯線(4)にて連結し、図1に示すような搬送変換角度約90度の継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、40000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.054(kgf/cm)、斜め引張強力は、6.5(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトをニッタ社製チェーン駆動式カーブコンベアに取り付け使用したところ、良好に円弧回転駆動されるものであった。また接合用芯線の抜き取り、挿通により、カーブコンベアを分解、組立することなく容易にベルトの取り外し、取り付けができるものであった。
【0022】
(実施例2)経糸、緯糸の線径を0.5mm、織密度を20(本/インチ)とした以外は実施例1と同様にし、継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、35000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.076(kgf/cm)、斜め引張強力は、6.6(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトを同様に使用したところ、良好に円弧回転駆動されるものであった。
【0023】
(実施例3)経糸、緯糸の線径を0.6mm、織密度を20(本/インチ)とした以外は実施例1と同様にし、継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、27000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.118(kgf/cm)、斜め引張強力は、9.0(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトを同様に使用したところ、良好に円弧回転駆動されるものであった。
【0024】
(実施例4)経糸、緯糸の線径を0.8mm、織密度を8(本/インチ)とした以外は実施例1と同様にし、継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、60000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.187(kgf/cm)、斜め引張強力は、2.1(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトを同様に使用したところ、良好に円弧回転駆動されるものであった。
【0025】
(比較例1)経糸、緯糸の線径を1mm、織密度を5.5(本/インチ)とした以外は実施例1と同様にし、継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、58000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.523(kgf/cm)、斜め引張強力は、1.3(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトを同様に使用したところ、ナイフエッジ部での屈曲性に劣り、また屈曲させるために張力を大きくすると織り目のゆがみ、ずれ等が発生し、円滑に円弧回転駆動されないものであった。
【0026】
(比較例2)経糸、緯糸の線径を0.2mm、織密度を65(本/インチ)とした以外は実施例1と同様にし、継手部を有するカーブコンベアベルトを得た。得られたカーブコンベアベルトの通気度は、15000(cc/cm2 /min)、最大曲げ応力は、0.02(kgf/cm)、斜め引張強力は、1.5(Kgf)であった。得られたカーブコンベアベルトを同様に使用したところ、屈曲性に問題はないが、同様に織り目のゆがみ、ずれ等が発生し、円滑に円弧回転駆動されないものであった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の継手部を有するカーブコンベアベルトは、接合用芯線を以て連結されているため、その連結、分離が容易なものとなる。また、耐熱性合成樹脂モノフィラメントから織製され、通気度が20000以上のため、乾燥工程におけるコンベアラインに好適なものとなる。さらに屈曲性と寸法安定性を両立するため、カーブコンベアのような円弧回転駆動されるカーブコンベアベルトとして耐久性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の継手部を有するカーブコンベアベルトの平面図である。
【図2】 図1のA−A矢視の断面図である。
【図3】 図1のB−B矢視の継手部断面図である。
【図4】 図1のカーブコンベアベルトの平面展開図である。
【図5】 円弧角度βが90度のプラスチック織物本体の平面展開図である。
【図6】 図4のプラスチック織物にプラスチック織物hを連結したプラスチック織物本体の平面展開図である。
【図7】 斜め引張強力試験の試験片の平面図である。
【符号の説明】
1 継手部を有するカーブコンベアベルト
2 プラスチック織物本体
2H プラスチック織物H
2h プラスチック織物h
3 継手部
4 接合用芯線
5 経糸
6 緯糸
7 折り返しループ
8 縫着部
9 補強部
10 カーブコンベア
11 カーブコンベア係止手段用孔部
20 ナイフエッジ
21 フリーローラ
22 試験片
23 つかみ代
Claims (4)
- 所定の搬送変換角度間隔に配設された少なくとも2本の支持体相互間に張設され、内方向への移動を阻止すべく外方向へ引張力をかけながらベルトを回転駆動するカーブコンベアに使用される平面視円弧帯状のカーブコンベアベルトであって、該カーブコンベアベルトが、外周縁耳部に補強部を設けた円弧帯状の有端状のプラスチック織物本体と、該プラスチック織物本体の両端のそれぞれに少なくとも経糸及び/又は緯糸による折り返しループが形成された継手部とから成り、形成された継手部同士を接合用芯線にて連結し無端状としたことを特徴とする継手部を有するカーブコンベアベルト。
- プラスチック織物本体が、線径0.3〜0.9mmの耐熱性合成樹脂モノフィラメントから成る経糸と緯糸を織製した通気度20000(cc/cm2 /min)以上のプラスチック織物から成ることを特徴とする請求項1記載の継手部を有する高温乾燥工程用カーブコンベアベルト。
- プラスチック織物本体が、平面展開時における展開円弧角度βが90度の整数倍から成るプラスチック織物Hと該プラスチック織物Hに連結される前記展開円弧角度βが90度未満のプラスチック織物hとの連結体とから構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の継手部を有するカーブコンベアベルト。
- プラスチック織物本体が、一方端の折り返しループを経糸から形成し、他方端の折り返しループを緯糸から形成され、一重織又は二重織組織から成り、且つ経糸と緯糸の織密度を同一としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の継手部を有するカーブコンベアベルト。
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