JP3741896B2 - リニアモータを用いた送り機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の送り機構の一部となるリニアモータを用いた送り機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4は、従来のリニアモータを用いた送り機構の一例を示す斜視図である。
図4に示すリニアモータを用いた送り機構は、切削加工による切粉が直接かからない位置に配置され、ジャバラカバーを採用した工作機械の送り機構構造から、一軸分の機構部分だけを抜き出したものであり、内部構造を理解しやすいようにジャバラカバーの一部をカットした外観図である。図5は、図4に示すリニアモータを用いた送り機構の断面図である。
【0003】
この従来のリニアモータを用いた送り機構は、移動テーブル7のストロークを規制するストッパ1、リニアガイドレール2、リニアガイド3、移動テーブル7の位置を検出する位置検出器4、リニアモータ固定子(磁石)5、リニアモータ可動子(電機子)6、移動テーブル7、この移動テーブル7の前後を覆うジャバラカバー8(前部ジャバラカバーを8a、後部ジャバラカバーを8bとする)、ジャバラカバーガイド9と固定ネジ15、送り機構のベース14により構成される。尚、ジャバラカバー8は、外気中に存在する粉塵及び切粉からリニアモータの電機子及び磁石部分を保護するために設置しているが、この従来例では、リニアガイド部分の保護も兼ねている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4及び図5に示す従来技術において、移動テーブル7がジャバラカバー8b側ストロークエンドからジャバラカバー8a側に向かって移動すると、移動テーブル7の移動によりジャバラカバー8a内の空気圧が上昇し、空気が移動テーブル7下部の隙間を通り、空気圧が低下したジャバラカバー8b側に移動する。移動テーブル7が逆向きに移動する場合はジャバラカバー8内の空気も逆向きに流れ、移動テーブル7が低速送りの際には外気の流入出は無視できる。
【0005】
しかしながら、移動テーブル7の移動速度が高速になるに従って、移動テーブル7下部の隙間を通り抜ける際の空気抵抗が無視できなくなり、ジャバラカバー8内部の空気に圧力変化が生じ、左右のリニアガイドレール2に沿って存在するジャバラカバー8a、8bとベース14の隙間を通じ空気が出入りする。具体的には、移動テーブル7がジャバラカバー8b側ストロークエンドからジャバラカバー8a側に移動する場合は、内気がジャバラカバー8a側から流出し、外気がジャバラカバー8b側から流入する。流入出量は、移動テーブル7下部の隙間の総面積とジャバラカバー内で移動する空気の総体積の割合に依存するが、リニアモータを用いた送り機構の最大の特徴である高速高加減速送りを行うことにより外気流入出がより顕著に発生し、ジャバラカバー8内に粉塵、特に鉄粉が侵入し以下の問題が発生する。
【0006】
リニアモータの防塵カバー内に粉塵、切粉が侵入しすると、特に鉄粉がリニアモータの電機子と磁石に吸引され付着堆積していく。最終的にリニアモータが移動する際に、電機子部分と磁石部分に付着堆積した鉄粉が電機子と磁石とのギャップにかじり込み、リニアガイドに大きな負荷をかけガイド寿命を著しく短くする、堆積した鉄粉が直接電機子巻線に触れるため巻線の保護膜が傷つけられ巻線間短絡を起こしたり、アース間絶縁抵抗を劣化させるという問題があった。
【0007】
一方、この問題解決のため、防塵カバー内に空気を引き込み外気圧よりカバー内部を常に高く保つという技術も使われるが、この場合は、リニアモータの高速高加減速によるカバー内の圧力変化を吸収するだけの空気流量を確保しなければならず、空気の流入抵抗を低くするため複数の管路をリニアガイドに沿って設置しなければならない。さらに、この場合は、高速高加減速送り時に内圧が上昇しジャバラカバーが捲れ上がってしまい、切粉が直接かからない配置を採用した場合でも高価なテレスコカバーを用い前述の空気量の確保、配管路の設置を使用しなければならないという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上述した従来のリニアモータを用いた送り機構における問題点、すなわち、リニアガイドレール等の案内手段に沿って存在する防塵カバーとベースとの隙間から鉄粉等の粉塵が内部に侵入し、防塵カバー内部の電機子部分や磁石部分に堆積してかじりや巻線間短絡を起こす等の種々の問題点を解消したリニアモータを用いた送り機構を提供することを目的とする。本願発明のかかる目的は、リニアモータを駆動源として移動体をベースに沿って直線移動させる案内手段と、少なくとも前記リニアモータ部分を覆う防塵カバーとから成るリニアモータを用いた送り機構において、前記ベースと前記防塵カバーとがなす隙間から前記防塵カバー内に侵入する粉塵を吸着する磁石を前記案内手段に沿って前記ベースに設置して成ることを特徴とするリニアモータを用いた送り機構を提供することにより達成される。このように、本願発明に係るリニアモータを用いた送り機構は、ベースと防塵カバー間に形成される隙間周辺のベースに案内手段に沿って磁石が設置され、隙間から防塵カバーの内部に侵入しようとする鉄粉等の粉塵がこの磁石に吸着されるように構成されているので、内部に設置されているリニアモータの電機子や磁石にその粉塵が付着して堆積することが防止される。なお、この磁石を前記隙間からスライドさせ、取り外しができるように設置すると、この磁石に吸着された粉塵の量を容易に確認することができ、また、この磁石の清掃を容易に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態に係るリニアモータを用いた送り機構を示す外観図であり、内部構造を理解しやすいようにジャバラカバーの一部をカットしてある。図2は図1に示すリニアモータを用いた送り機構を示す断面図であり、図3は図1に示すリニアモータを用いた送り機構の外気の侵入経路を示す説明図である。
【0010】
本リニアモータを用いた送り機構は、移動テーブル7のストロークを規制するストッパ1、リニアガイドレール2、リニアガイド3、テーブルの位置を検出する位置検出器4、リニアモータ固定子(磁石)5、リニアモータ可動子(電機子)6、移動テーブル7、この移動テーブル7の前後を覆うジャバラカバー8(前部ジャバラカバーを8a、後部ジャバラカバーを8b)とジャバラカバーガイド9により構成されている。さらに、本リニアモータを用いた送り機構は、図1では手前側しか見えないが、図2の断面図に示すように2本のリニアガイドレール2に沿って2つの溝10を設け、磁石11を張り付けた磁石取付板12を2本、固定ネジ13を用いて送り機構のベース14に固定している。
【0011】
従来の技術の項で記述した通り、ジャバラカバー8a、8bとベース14の隙間、すなわち防塵カバーとベースとがなす隙間から外気が侵入するが、本実施形態においては、図1及び図2で示すように、左右のリニアガイドレール2、すなわち移動体である移動テーブル7を直線移動案内する案内手段に沿って加工した溝10に磁石11を取り付けた磁石取付板12を設置し、図3に示すように外気と共に鉄粉が隙間を通ってジャバラカバー8内部に侵入する直前にこの鉄粉を磁石11に吸着させ取り除くことができる。また、磁石取付板12には長穴が加工されており、取付ネジ13を緩めることで溝10内で磁石取付板12をスライドさせることや取り外すことが容易にでき、ジャバラカバー8a、8bの直下に固定する際及び磁石11の面に吸着した鉄粉の量を確認する際、あるいは磁石11を清掃する際に役立つ構造となっている。
【0012】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、リニアモータを用いた送り機構において、リニアモータの移動体が移動する際に防塵カバーの構造上のわずかな隙間から空気が出入りし、外界の空気中に存在する粉塵の侵入により発生していたリニアガイドの寿命の問題、また粉塵の中の鉄粉がリニアモータの磁石部分に吸着され発生していたリニアモータの巻線間の短絡問題、及びアース間絶縁抵抗の劣化問題を解消できる。
また、本発明によれば、上述の様なスライド及び取り外しができる磁石取付板を設えることで、その磁石取付板をスライドさせて磁石に吸着した鉄粉の量を容易に確認でき、その磁石取付板を取り外して磁石を清掃することも容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るリニアモータを用いた送り機構を示す外観図である。
【図2】図1に示すリニアモータを用いた送り機構を示す断面図である。
【図3】図1に示すリニアモータを用いた送り機構に侵入する外気の流れを示す説明図である。
【図4】従来のリニアモータを用いた送り機構を示す外観図である。
【図5】図4に示すリニアモータを用いた送り機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ストッパ
2 リニアガイドレール
3 リニアガイド
4 位置検出器
5 リニアモータ固定子(磁石)
6 リニアモータ可動子(電機子)
7 移動テーブル
8 ジャバラカバー
8a 前部ジャバラカバー
8b 後部ジャバラカバー
9 ジャバラカバーガイド
10 溝
11 磁石
12 磁石取付板
13 固定ネジ
14 ベース
15 固定ネジ
Claims (1)
- リニアモータを駆動源として移動体をベースに沿って直線移動させる案内手段と、少なくとも前記リニアモータ部分を覆う防塵カバーとから成るリニアモータを用いた送り機構において、前記ベースと前記防塵カバーとがなす隙間から前記防塵カバー内に侵入する粉塵を吸着する磁石を前記案内手段に沿って前記ベースに設置して成ることを特徴とするリニアモータを用いた送り機構。
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