JP3540091B2 - 工作機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータを利用した工作機械に関し、特にコラムに対して軸線方向に移動可能としたスライドの支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
FTL(フレキシブル・トランスファー・ライン)においては、最近従来以上に工作機械の生産性が要求されるようになった。そこで、従来のトランスファマシンと同等の生産性を上げるためには、現状の2倍乃至3倍の高速化を図る必要があり、主軸とともに送りの高速化が課題となっている。
【0003】
ところで、工作機械における送り駆動手段は、一般にボールねじとサーボモータが用いられているが、ボールねじを使用するもので高速化を図ろうとすると、DmNの限界、振動や騒音の増大、危険速度、温度上昇による熱膨張の増大、ハイリード化による剛性の低下等の問題があり、高速送り、高加減速送りを行うには限界がある。そのため、最近では摩擦がなく、しかも高剛性なリニアモータが工作機械の駆動手段に採用されつつある。
【0004】
この工作機械の駆動手段としてリニアモータを使用するものにおいては、特に垂直軸の駆動部では、リニアモータが被駆動部を直接駆動することから常に被駆動部の全重力負荷がモータに作用することになり、モータ発熱や電源遮断時の落下等の問題のため、一般にカウンタバランスが採用されている。
【0005】
例えば、特開平6−297286号の発明は、工作機械の駆動手段としてリニアモータを採用したものに関するものであって、その公報には、X軸方向に移動可能に案内支持されるXスライドと、そのXスライドの2つの垂直コラムにY軸方向に移動可能に案内支持されるYスライドを備え、上記両垂直コラムの互いに背向する側面と、Yスライドの本体部に一端が支持され他端がXスライドにガイドレールを介して支持されている保持フランジ部との間にリニアモータを配設するとともに、Yスライドの中央上部にカウンタバランス用シリンダを配設したものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の装置では、リニアモータを保持する保持フランジはその一端がYスライドに固定され、他端はガイドを介してXスライドの側面に相対移動可能に支持されているとともに、Yスライドに作用する重力を油圧シリンダによりスライド前面中央上部で支持するようにしただけのものにすぎないため、リニアモータによるYスライドへの駆動力は、保持フランジが固定されているYスライドの末端のみに作用し、駆動時にはYスライドに偶力(モーメント)が作用し、Yスライドに歪みが生じ、ひいては主軸先端位置が変位して加工精度が低下する。特に、円弧形状をコンタリング加工する際には像限切替部で問題が生じる。また、Yスライド重心位置がYスライド前面より後方にあり、しかもYスライドの前方部で駆動されるため、Y軸方向の起動停止を行う場合にYスライドの後方突出部側に残留振動が発生し、加工精度が低下する等の問題がある。
【0007】
本発明はこのような点に鑑み、リニアモータとバランス用シリンダ取付位置の違いによって生じる偶力を無くするとともに、Y軸スライドの重心位置に近い位置を駆動するようにして、Y軸スライドの変形や振動を少なくして、加工精度を向上し得るようにした工作機械を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ベッドの一側面に配設されX軸方向に移動可能に案内支持されたXスライドと、そのXスライドに互いに平行に設けられた2つの垂直コラムに対して垂直方向に移動可能に案内支持されたYスライドと、水平主軸が回転可能に支持され、上記Yスライドに対してZ軸方向に移動可能に案内支持されているZスライドとを備えた工作機械において、そのYスライドの前面に設けられ、上記Zスライドが挿通されている前面板部の左右両側部の背面にそれぞれモータ取付板の一辺を固着するとともに、そのモータ取付板の他辺を上記Yスライドの本体部の側面に固着し、上記Yスライドの前面板の背面と、上記モータ取付板と、Yスライドの本体部の側面とにより上記コラムをそれぞれ囲繞する枠部を構成し、上記垂直コラムの互いに背向する側面とそのコラム側面に相対する前記枠部内面との間にリニアモータを配設したことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、請求項1に係る発明において、上記Yスライドに設けられた枠部におけるリニアモータ取付面の背面側と上記垂直コラムが立設されているXスライドの側面との間にカウンタバランス用シリンダを配設したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の工作機械全体を示す正面斜視図、図2は同背面斜視図である。図1及び図2において符号1は工作機械の垂直ベッドであり、その垂直ベッド1の前面側下部には水平ベッド2が配設され、その水平ベッド2上に図示しない被加工物を載置固定するテーブル3が固定されている。
【0012】
上記垂直ベッド1の前面には、Xスライド4がX軸方向(水平方向)に移動可能に支持されており、そのXスライド4にはYスライド5がY軸方向(垂直方向)に移動可能に支持され、さらに上記Yスライド5には水平主軸6を回転自在に軸承するラムを構成するZスライド7がZ軸方向(前後方向)に移動可能に支持されている。しかして、上記垂直ベッド1に対してXスライド4、Y軸スライド5及びZスライド7をそれぞれX軸方向、Y軸方向或はZ軸方向に移動させることにより、主軸6を前記テーブル3上に載置固定された被加工物に対して互いに直交する3軸方向に移動位置決めすることができる。
【0013】
ところで、上記Xスライド4、Yスライド5及びZスライド7はそれぞれ互いに平行に配設された2本のリニアモータによって軸送り駆動が行われるようにしてある。
【0014】
上記リニアモータは積層鋼板よりなる2枚の平板であって、表面に長手方向に直交する方向に同一ピッチで等間隔に全長にわたって形成された断面コ字状の磁極歯が形成され、ストローク長にわたって敷設された長尺平板状の固定子と、その固定子の磁極歯に対向して配置され、表面に長手方向に直交する方向に同一ピッチで等間隔に全長にわたって永久磁石及びコイルを配置した短尺平板状の移動子より構成され、移動子と固定子とは所定の間隙(0.05〜0.2mm)を有して各駆動部に配設されている。
【0015】
上記垂直ベッド1は、図3及び図4に示すように、正面視中央に貫通穴1aを有する横長の矩形枠状をしており、下部前面側に水平ベッド2(図示せず)が連結されている。上記垂直ベッド1の正面側には上記貫通穴1aを挟んで上下位置に、X軸方向に延びる2本のレールR1a,R1bが敷設されており、そのレールR1aの上方及びレールR1bの下方にはXスライド4駆動用のリニアモータ固定子L1a,L1aがそれぞれ上記各レールR1a,R1bと平行に配設されている。
【0016】
一方、Xスライド4は、図5及び図6に示すように、アルミ合金等の軽合金から形成され、正面視中央に貫通穴4aを有する縦長の矩形枠状をしている。すなわち、Xスライド4は左右の断面四角形の垂直コラム部4b,4bの上、下両端部をそれぞれ横桁部4c,4cで互いに連結した構造としてある。上記両横桁部4c,4cの背面には前記垂直ベッド1に敷設されたX軸方向に延びる上下のレールR1a,R1bにそれぞれ係合する複数のガイドG1a,G1bが装着されており、上記上下のガイドG1a,G1bが上記垂直ベッド1に敷設されている上下のレールR1a,R1bにそれぞれ係合され、Xスライド4が垂直ベッド1に対して上記レールR1a,R1bに沿ってX軸方向に摺動可能に支持されている。
【0017】
また、上記Xスライド4の両横桁部4c,4cの背面には、上記ガイドG1aの上方及びガイドG1bの下方にそれぞれ上記各ガイドG1a,G1bに隣接してX軸方向に延びるリニアモータ移動子L1b,L1bが装着され、垂直ベッド1に装着されているリニアモータ固定子L1a,L1aに対向配置されている。
【0018】
上記リニアモータ移動子L1b,L1bとXスライド4のモータ装着面との間には、リニアモータ固定子L1aとリニアモータ移動子L1b間の間隙調整用のライナ8が介装され、そのライナ8の内部には格子状に冷却油流路が穿設され、図示しない管路により冷却油源に連通されている。
【0019】
また、Xスライド4の前面側には左右の垂直コラム部4b,4bの前面に垂直方向(Y軸方向)に延びるレールR2 ,R2 がそれぞれ敷設されており、さらに上記垂直コラム部4b,4bの互いに背向する各外側面にはY軸方向に延びるYスライド駆動用のリニアモータ固定子L2a,L2aが設けられている。
【0020】
また、図7は上記Xスライド4に取り付けられるYスライド5の正面斜視図、図8はそのYスライド5の背面下方斜視図であって、正面視中央に円形の貫通穴5a1を設けた横長の矩形状の前面板部5aと、その前面板部5aと一体に形成されその背面中央より後方に突出した下方に開口する断面コ字状の箱枠部5bとによってYスライド5の本体部5cが形成されている。
【0021】
上記Yスライドの本体部5cの前部両側にはそれぞれ断面L字状のモータ取付板5d,5dが装着されている。すなわち、上記Yスライド本体部5cの前面板部5aの背面に上記断面L字状のモータ取付板5dの一辺が固着され、そのモータ取付板5dの他片が前記箱枠部5bの側面に固着され、上記前面板部5a、箱枠部5bの側面及び断面L字状のモータ取付板5dによって垂直方向に貫通する断面四角形の枠部5eが形成されている。
【0022】
上記前面板部5aの背面には箱枠部5bの両側面と隣接した位置にそれぞれY軸方向に複数のガイドG2 ,G2 が装着されている。
【0023】
しかして、Yスライド5の断面四角形の枠部5eが前記Xスライド4の垂直コラム部4bを囲繞するように遊嵌され(図9)、ガイドG2 ,G2 がXスライド4の垂直コラム部4bの前面に敷設されているレールR2 ,R2 にそれぞれ係合され、Yスライド5がXスライド4に対してY軸方向に摺動可能に支持されている。この場合前面板部5aの背面側に突出するコ字状の箱枠部5bは、垂直ベッド1及びXスライド4の各貫通穴1a,4aを挿通して先端部が垂直ベッド1内に突入されており、Xスライド4及びYスライド5の移動に伴って、上記箱枠部5bが移動範囲にわたって垂直ベッド1及びXスライド4に干渉することはない。
【0024】
また、上記各モータ取付板5dの内面には、Xスライド4の両垂直コラム部4bに設けられている各リニアモータ固定子L2aとそれぞれ対向しそのリニアモータ固定子L2aと所定の間隙を維持するようにリニアモータ移動子L2bが固着されている。そして、上記モータ取付板内部には格子状に冷却油流路が穿設され、図示しない管路により冷却油源に連通されている。
【0025】
Yスライド5の箱枠部5bの互いに対向する側壁部内面には、図8に示すように、左右対称に箱部5f,5fが形成されており、その箱部5f,5fの下面にはそれぞれZ軸方向に延びるレールR3 ,R3 が敷設されており、また上記箱部5f,5fの対向内側面にはZスライド駆動用リニアモータ固定子L3a,L3aがそれぞれ配設固定されている。また、上記箱枠部5bの天板部にはリニアモータによって箱枠部5b内で発生する熱を除去するための複数の通気孔5gが穿設されており、必要に応じてファンを設けることにより上記リニアモータ部の冷却効果を増加し得るようにしてある。
【0026】
Yスライド5の左右両モータ取付板5dには、リニアモータ移動子L2bが取付けられている面の背面側すなわち外面側に、上記リニアモータ移動子L2bと対応する位置にそれぞれブラケット9が設けられており、そのブラケット9にY軸方向のカウンタバランス用シリンダ10のピストンロッド10aの先端が枢着され、一方上記カウンタバランス用シリンダ10のシリンダ本体10bがXスライド4の下部側面にブラケット11を介して枢着され(図10参照)、各シリンダ本体10bは図示しない管路によエア源に連通されている。
【0027】
図11は水平主軸6を回転自在に軸承したラムを構成するZスライド7の側面斜視図であり、Zスライド7はアルミ合金等の軽合金からなる円筒形状のZスライド本体7aを有しており、Zスライド本体7aの外面にはクロムメッキのコーティングが施された保護筒が外嵌されている。上記Zスライド本体7aの後部には、その両側面にそれぞれ軸方向に離間した複数個ずつのガイド取付部7bがZスライドの軸芯を含む面に対して左右対称に突出形成されており、そのガイド取付部7b上にZ軸方向のガイドG3 が固着されている。
【0028】
さらに上記Zスライド本体7aの後部上面には、垂直方向に直立する矩形状箱部7cが一体的に突出形成されており、その箱部7cの両側面に、前記Yスライド5のZスライド駆動用リニアモータ固定子L3a,L3aと所定の間隙を維持して対向するようにリニアモータ移動子L3b,L3bが間隙調整用ライナ12を介して固着されている。上記ライナ12の内部には格子状に冷却油流路が穿設されており、図示しない管路により冷却油源に連通されている。さらに、上記Zスライド本体7aの前端部には、先端に工具Tを着脱自在に装着する水平主軸6が複数の軸受けにより回転自在に軸支され、同軸上に設けられた図示しないモータによって回転駆動されるようにしてある。
【0029】
ところで、図12に示すように、Zスライド7の先端はYスライド5の前面板部5aに形成された円形貫通穴5a1に挿通され、工具Tを装着した主軸6がYスライド5の前方の加工領域に突出するようにしてあり、また、各ガイドG3 がそれぞれYスライド5の箱枠部5b内に敷設されたレールR3 ,R3 に係合され、Zスライド7がYスライド5に対してZ軸方向に摺動可能に支持されるとともに、Zスライド駆動用リニアモータ移動子L3bがYスライド5に設けられた対応するリニアモータ固定子L3aに所定の間隙をもって対向せしめられている。
【0030】
また、Yスライドの貫通穴5a1の前面内周縁部にはZスライド7先端の円筒状外周部を外嵌する環状シールが配設され、Yスライド5内への切粉の侵入が防止されている。なお、上記シールに替えて、貫通穴内周よりエアを常時噴出させてもよい。
【0031】
上記各スライドにはリニアモータに平行して位置検出用リニアスケールが設けられ、各リニアモータ移動子とともに各位置検出用リニアスケールはケーブルによってNC装置に接続されている。上記NC装置は上記リニアスケールの位置検出信号に基づいて各軸リニアモータ移動子に供給する電流を制御することによって軸駆動を行う。
【0032】
次に、上述のように構成された工作機械の作用について説明する。
【0033】
Xスライド4の背面に固着された上下のリニアモータ移動子L1b,L1bに電流が供給されると、そのリニアモータ移動子L1b,L1bに対向して垂直ベッド1の前面に固着されているリニアモータ固定子L1a,L1aとの間に長手方向の推力が発生され、垂直ベッド1に敷設されたレールR1a,R1bに沿ってXスライド4がX軸方向に駆動される。
【0034】
また、モータ取付板5d,5dに固着されたリニアモータ移動子L2b,L2bに電流が供給されると、上記移動子L2b,L2bに対向してXスライド4の垂直コラム部4b,4bの外側面に固着されているリニアモータ固定子L2a,L2aとの間に長手方向の推力が発生され、Xスライド4の前面に敷設されたレールR2 ,R2 に沿ってYスライド5がY軸方向に駆動される。
【0035】
また、上記Yスライド5のL形のモータ取付板5d,5dとXスライド4にブラケット9,11を介して枢着されたカウンタバランス用シリンダ10,10のボアには一定圧のエアが供給されており、シリンダロッド10a、ブラケット9を介してYスライド5をY軸方向上方に常時押し上げ、Yスライド5に作用する重力を相殺するよう作用する。これによって、Yスライド上昇駆動時においてはリニアモータ固定子L2aと移動子L2bとからなるリニアモータL2 に過大な推力を必要とせずモータを小型化することができ、また移動停止時においては常時多量の電流を供給する必要が無いためにモータ発熱を低減でき、さらにはリニアモータL2 への電力供給が停止した場合においてもYスライド5が落下することがない。
【0036】
しかもリニアモータL2 の取付背面にカウンタバランス用シリンダ10がそれぞれ装着してあるため、モータ駆動位置と重力支持位置とが一致しており、Yスライド5に偶力が作用することはない。また、Yスライド5をY軸方向に駆動するためのモータ取付板5d,5dがYスライド前方の矩形状の前面板部5aとYスライド中央の箱部側面とに渡して固着してあるため、Yスライド5の重心位置に近い位置に駆動力が作用し、駆動時にYスライド5に作用する偶力を低減することができ、ひいては起動停止時に生ずる振動が最小限に抑えられる。
【0037】
また、Zスライド本体上部の矩形状箱部7cの両側面に固着されたリニアモータ移動子L3b,L3bに電流が供給されると、その移動子に対向して配置されたYスライド内のリニアモータ固定子L3aに対して長手方向に推力を発生し、Zスライド7がYスライド内の箱部5f,5fに敷設されたレールR3 ,R3 にならってZ軸方向に駆動される。
【0038】
上記Zスライド7の駆動にあたっては、上記リニアモータ移動子L3b,L3bと固定子L3a,L3aとの間には長手方向の推力とともに、その推力の数倍におよび吸引力が同時に作用し、Yスライド5のコ字形箱枠部5bの下方開口部を閉口する方向に変形作用させるが、リニアモータ移動子の長さに合わせたガイドG3 の配置および取付間隔とすることでYスライドの箱枠部5bの変形を最小にすることができる。
【0039】
また、Zスライド7は、後方上部に矩形状箱部7cを設け、該箱部にリニアモータ移動子L3b,L3bを取り付けることによって、Yスライド5の矩形状の前面板部5aの中央に設けられた貫通穴5a1から加工領域に突出するZスライド先端部を円筒形にして外径を小さくすることができ、ひいては被加工物への接近性を向上することができる。また、円筒形であるため上部に切粉が堆積しにくく、シールも容易であるので、加工領域と機械領域とに隔離するカバーをYスライド前面に設けることにより切粉や切削油の機械領域への侵入を防止することができる。さらに、万一切削油や切粉が侵入したとしてもYスライドのリニアモータは上部に配置されているためモータ内部への侵入を防ぐことができる。
【0040】
Xスライド4およびZスライド7のリニアモータの移動子L1b,L3bとその取付面との間に介装されたライナ8,12およびYスライド5のL形モータ取付板5dに設けられた各冷却油路には、機体温度或は外気温に同調して温度制御された冷却油を常時流すことによって、上記移動子L1b,L2b,L3bの発熱による各スライドの熱変位を防止することができる。
【0041】
上記実施例では、各軸送り駆動にそれぞれ2本のリニアモータを並列使用して推力を確保するとともに、被駆動部であるZスライド、YスライドおよびXスライドには軽量材(例えばアルミ合金)を使用してイナーシャの低減をはかることによって、送り速度および加速度を向上することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように、コラム部を囲繞する枠部の内面とコラム部の側面との間にリニアモータを配設したので、上記枠部を構成するモータ取付板の両辺がスライド前部と中央部とに固着されることになり、上記リニアモータによる駆動力がコラムに沿って移動されるスライドの前部のみでなく、スライドの重心位置に近い位置に駆動力が作用し駆動時に作用する偶力を低減することができ、起動停止時に生ずる残留振動を最小限に抑え、ひいては加工精度を向上させる等の効果を奏する。また、モータ取付板におけるリニアモータ取付面の背面側にカウンタバランスシリンダを装着したものにおいては、モータ駆動位置と重力支持位置とが一致して、スライドに作用する偶力がなくなり、スライドの変形を少なくし、ひいては加工精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の工作機械の一実施の形態を示す正面全体の斜視図。
【図2】図1の工作機械の背面斜視図。
【図3】本発明の工作機械の垂直ベッドの正面斜視図。
【図4】図3の垂直ベッドの背面斜視図。
【図5】Xスライドの正面斜視図。
【図6】Xスライドの背面斜視図。
【図7】Yスライドの正面斜視図。
【図8】Yスライドの背面斜視図。
【図9】YスライドをXスライドに取付けた状態を示す部分断面図。
【図10】図9の側面図。
【図11】Zスライドの正面斜視図。
【図12】ZスライドをYスイラドに装着した状態を示す背面斜視図。
【符号の説明】
1 垂直ベッド
3 テーブル
4 Xスライド
4a 貫通穴
4b 垂直コラム部
4c 横桁部
5 Yスライド
5a 前面板部
5b 箱枠部
5c Yスライド本体部
5d モータ取付板
5e 枠部
6 主軸
7 Zスライド
7a Zスライド本体
7b ガイド取付部
10 カウンタバランス用シリンダ
G1a,G1b,G2 ,G3 ガイド
R1a,R1b,R2 ,R3 レール
L1a,L2a,L3a リニアモータ固定子
L1b,L2b,L3b リニアモータ移動子
Claims (2)
- ベッドの一側面に配設されX軸方向に移動可能に案内支持されたXスライドと、そのXスライドに互いに平行に設けられた2つの垂直コラムに対して垂直方向に移動可能に案内支持されたYスライドと、水平主軸が回転可能に支持され、上記Yスライドに対してZ軸方向に移動可能に案内支持されているZスライドとを備えた工作機械において、そのYスライドの前面に設けられ、上記Zスライドが挿通されている前面板部の左右両側部の背面にそれぞれモータ取付板の一辺を固着するとともに、そのモータ取付板の他辺を上記Yスライドの本体部の側面に固着し、上記Yスライドの前面板の背面と、上記モータ取付板と、Yスライドの本体部の側面とにより上記コラムをそれぞれ囲繞する枠部を構成し、上記垂直コラムの互いに背向する側面とそのコラム側面に相対する前記枠部内面との間にリニアモータを配設したことを特徴とする工作機械。
- 上記Yスライドに設けられた枠部におけるリニアモータ取付面の背面側と上記垂直コラムが立設されているXスライドの側面との間にカウンタバランス用シリンダを配設したことを特徴とする、請求項1記載の工作機械。
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1996
- 1996-03-29 JP JP07619196A patent/JP3540091B2/ja not_active Expired - Lifetime
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